JP7290471B2 - グロメット - Google Patents

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Description

本発明は、パネルのハーネス引込孔に取り付けるグロメットに関する。
例えば、自動車の車体のハーネス引込孔にワイヤハーネスを通す際には、ハーネス引込孔との接触からワイヤハーネスが保護するグロメットが、ハーネス引込孔に嵌合される。グロメットは、内部にワイヤハーネスが挿通される筒状の保護部材と、保護部材の外周面から立設された環状のフランジ部と、フランジ部と連結される係止部とを有している。グロメットは、保護部材をハーネス引込孔に挿通してフランジ部を車体の一方側に配置し、車体の他方側において係止部をハーネス引込孔の周縁に係止させることで、ハーネス引込孔に嵌合される(例えば、特許文献1)。
ところで、車体の一方側が車外に露出している場合は、グロメットの嵌合箇所に、エンジンルームの洗浄に使う高圧洗浄水が吹き付けられたり、雨が打ち付けられたりする。このため、車体とフランジ部との間に隙間があると、その隙間を伝ってハーネス引込孔から車内に水が侵入する可能性がある。そこで、フランジ部から突設したリップの先端を車体に弾接させて、車体とフランジ部との隙間を塞ぐことがある(例えば、特許文献2)。
特開2000-123665号公報 特開2015-33185号公報
上述したリップは、可撓性を高めて車体に弾接させやすくするために、薄肉に形成される。したがって、例えば高圧洗浄水等の水圧の高い水がフランジ部と車体との隙間に入り込んでリップに衝突すると、リップが水圧により変形し捲れて車体との間に隙間ができてしまう可能性がある。リップと車体との間に隙間ができてしまうと、ハーネス引込孔から車内への水の浸入をリップによって防げなくなる。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、例えば自動車の車体等のパネルのハーネス引込孔に嵌合したグロメットとパネルとの隙間に入り込んだ水がハーネス引込孔から浸入するのを抑制することにある。
上記目的を達成するため本発明の第1の態様によるグロメットは、
パネルのハーネス引込孔に挿通するワイヤハーネスが内部に挿通される筒状の保護部と、
前記保護部から立設され、前記保護部の延在方向における両端面のうち一方の端面に、前記ハーネス引込孔の周縁部分の前記パネルに弾接される環状のリップが形成され、前記保護部からの立設方向における前記リップの外側を覆う環状の外周面が、前記延在方向における両端面のうち前記一方の端面の外形が他方の端面の外形よりも大きいテーパ状に形成されているフランジ部と、
前記フランジ部と連結され、前記フランジ部とは前記パネルを挟んだ反対側から前記ハーネス引込孔の周縁部分の前記パネルに係止される係止部と、
を備える。
本発明の第1の態様によるグロメットによれば、フランジ部のリップをパネルに弾接させて、フランジ部と連結された係止部をフランジ部とは反対側からパネルに係止させると、ハーネス引込孔にグロメットが嵌合される。ハーネス引込孔に嵌合したグロメットの保護部の内部にワイヤハーネスを挿通すると、保護部に覆われて保護されたワイヤハーネスが、ハーネス引込孔に直に接触することなく挿通される。
ハーネス引込孔にグロメットが嵌合されると、フランジ部の両端面のうちリップを形成した一方の端面がパネルと対向して配置されて、フランジ部とパネルとの隙間にリップが露出する。隙間に露出したリップの先端は、ハーネス引込孔の周縁部分のパネルに弾接する。
なお、フランジ部の一方の端面よりも外形が小さい他方の端面と、フランジ部の両端面間に配置された環状の外周面とは、パネルで仕切られた2つの空間のうちフランジ部が配置される側の空間に露出する。
ところで、高圧洗浄水又は強い雨等の水圧の高い水がフランジ部に吹き付けられた際に、フランジ部で跳ね返された水がパネルとの隙間に入り込みやすいと、リップに高圧水が衝突し、高圧水の水圧でリップが変形する可能性がある。リップが水圧で変形すると、リップが捲れてパネルとの間に隙間ができ、その隙間からリップの内側に高圧水が浸入して、ハーネス引込孔からさらにパネルの反対側に高圧水が入り込んでしまう可能性がある。
ここで、ハーネス引込孔に嵌合したグロメットのパネルで仕切られた空間に露出するフランジ部の外周面は、パネルに近づくにつれてフランジ部の立設方向において保護部から遠ざかる向きに傾斜したテーパを有している。フランジ部の一方の端面に形成されたリップをパネルに弾接させることで、フランジ部の外形が小さい他方の端面よりも外形が大きい一方の端面の方がパネルの近くに配置されるからである。
したがって、フランジ部に吹き付けられた水がフランジ部の外周面上を他方の端面側から一方の端面側に流れると、外周面を流れ終わってフランジ部からパネルに移動する水のパネル上での流れの向きは、ハーネス引込孔から離れる向きとなる。即ち、フランジ部を離れた水は、フランジ部との隙間から遠ざかる方向でパネルに吹き付けられる。よって、高圧の水がフランジ部に吹き付けられても、フランジ部で跳ね返された水がパネルとの隙間に入り込みやすくなることはない。
このため、パネルのハーネス引込孔に嵌合したグロメットとパネルとの隙間に入り込んだ水がハーネス引込孔から浸入するのを抑制することができる。
また、本発明の第2の態様によるグロメットは、本発明の第1の態様によるグロメットにおいて、前記係止部は弾性部材により形成されて前記フランジ部と一体に前記保護部から立設されており、前記ハーネス引込孔を挟んだ前記パネルの両側にそれぞれ配置される前記係止部及び前記フランジ部の両外周面間に、前記ハーネス引込孔の周縁部分の前記パネルを挿入する環状の周溝が形成されており、前記フランジ部の前記周溝に露出する端面に前記リップが形成されている。
本発明の第2の態様によるグロメットよれば、本発明の第1の態様によるグロメットにおいて、フランジ部の一方の端面のリップをハーネス引込孔の周縁部分のパネルに弾接させる際には、係止部を弾性変形させてパネルのハーネス引込孔に挿通する。
挿通後の係止部を弾発力により元の形状に復元させると、ハーネス引込孔の向こう側において、ハーネス引込孔の周縁部分のパネルに係止部が係止される。そして、係止部とフランジ部との間の周溝に、ハーネス引込孔の周縁部分のパネルが挿入される。周溝にパネルが挿入されると、ハーネス引込孔にグロメットが嵌合され、ハーネス引込孔の手前側において、フランジ部のリップがハーネス引込孔の周縁部分のパネルに弾接される。
このため、ハーネス引込孔の向こう側で弾性変形状態から復元した係止部がハーネス引込孔の周縁部分のパネルに係止されることで、ハーネス引込孔の手前側でフランジ部のリップをハーネス引込孔の周縁部分のパネルに弾接させることができる。
さらに、本発明の第3の態様によるグロメットは、本発明の第1又は第2の態様によるグロメットにおいて、前記リップは、前記一方の端面に前記立設方向に間隔をおいて形成された環状の外側シールリップ及び内側シールリップを有している。
本発明の第3の態様によるグロメットによれば、本発明の第1又は第2の態様によるグロメットにおいて、環状の外側シールリップ及び内側シールリップをハーネス引込孔の周縁部分のパネルに二重に弾接させて、ハーネス引込孔における水密性を高めることができる。
また、本発明の第4の態様によるグロメットは、本発明の第3の態様によるグロメットにおいて、前記一方の端面に、前記外側シールリップ及び前記内側シールリップの両基部間を前記立設方向に接続するリブが、前記外側シールリップ及び前記内側シールリップの周方向に間隔をおいて複数形成されている。
本発明の第4の態様によるグロメットによれば、本発明の第3の態様によるグロメットにおいて、高圧水の衝突等により外側シールリップに加わる外力の一部が、基部間をフランジ部の立設方向に接続するリブによって、内側シールリップに分散される。また、外側シールリップが外力で変形しようとすると、内側シールリップと基部同士を接続するリブによって、外側シールリップの変形が規制される。
このため、高圧水の衝突等があっても外側シールリップが変形しにくいようにして、ハーネス引込孔側に水が浸入するような隙間が外側シールリップの捲れによりパネルとの間に発生するのを抑制することができる。
さらに、本発明の第5の態様によるグロメットは、本発明の第1、第2、第3又は第4の態様によるグロメットにおいて、前記パネルは車体であり、前記リップは車外側から前記車体に弾接する。
本発明の第5の態様によるグロメットによれば、本発明の第1、第2、第3又は第4の態様によるグロメットにおいて、風雨に晒される車外側のフランジ部が例えば強い雨の水圧で変形しリップの止水性が低下するのを抑制することができる。
また、本発明の第6の態様によるグロメットは、本発明の第5の態様によるグロメットにおいて、前記車体はエンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネルであり、前記リップは前記エンジンルーム側から前記ダッシュパネルに弾接する。
本発明の第6の態様によるグロメットによれば、本発明の第5の態様によるグロメットにおいて、車室外のエンジンルームに吹き付けられた例えば高圧洗浄水の水圧でエンジンルームのフランジ部が変形しリップの止水性が低下するのを抑制することができる。
本発明によれば、パネルのハーネス引込孔に嵌合したグロメットとパネルとの隙間に入り込んだ水がハーネス引込孔から浸入するのを抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係るグロメットの平面図である。 図1のフランジ部及び係止部を示す拡大斜視図である。 図1のフランジ部及び係止部を示す拡大断面図である。 図1のフランジ部の外周面に高圧洗浄水が噴射されたときに生じるフランジ部の外周面上の水流を示す説明図である。 一般的なグロメットのフランジ部及び係止部を示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
図1は本発明の一実施形態に係るグロメットを示す平面図である。図1に示す本実施形態のグロメット10は、不図示の車両のダッシュパネル1(請求項中のパネルに相当)に形成された円形のハーネス引込孔3にワイヤハーネス5を通す際に、ハーネス引込孔3に嵌合して使用される。ダッシュパネル1は、不図示の車両におけるエンジンルームと車室とを仕切るパネルであり、車両の車体の一部を構成する。
そして、本実施形態のグロメット10は、弾性を有するゴムによって形成されており、保護部11、フランジ部13、係止部15及び周溝17を有している。
保護部11は、曲げ可能な蛇腹を有する円筒状に形成されている。保護部11の内部には、ダッシュパネル1のハーネス引込孔3に通すワイヤハーネス5が挿通される。保護部11の延在方向Xにおける一端は、保護部11に挿通したワイヤハーネス5に密着する細口に形成されている。
フランジ部13は、保護部11の延在方向Xにおける他端側に配置されている。本実施形態のフランジ部13は、図2の拡大斜視図に示すように、保護部11から外側に向けて円板状に立設されている。フランジ部13は、図3の拡大断面図に示すように、保護部11の延在方向Xにおける両端面19,21と、両端面19,21間の円環状の外周面23とを有している。
フランジ部13の両端面19,21のうち一方の端面19は、一方の端面19よりも保護部11の一端寄りに位置する他方の端面21よりも大きい外径を有している。なおかつ、フランジ部13の一方の端面19は、ダッシュパネル1のハーネス引込孔3の内径よりも大きい外径を有している。
そのため、フランジ部13の外周面23は、両端面19,21の外形差に応じた傾斜を有するテーパ状に形成されている。詳しくは、フランジ部13の外周面23は、保護部11の延在方向Xにおいて他方の端面21側から一方の端面19側に向かうにつれて、フランジ部13の立設方向Yにおいて保護部11から離れるように傾斜している。
フランジ部13の外形が大きい一方の端面19には、円環状の外側シールリップ25及び内側シールリップ27が形成されている。両シールリップ25,27は、フランジ部13の立設方向Yに間隔をおいて配置されている。
両シールリップ25,27の基部間は、端面19から突設されたリブ29で接続されている。リブ29は、図2に示すように、外側シールリップ25及び内側シールリップ27の周方向Zに間隔をおいた複数箇所の端面19からそれぞれ突設されている。
なお、フランジ部13の内部は中空に形成されている。フランジ部13の中空部は保護部11の内部と連通している。
図1に示すように、係止部15は、フランジ部13と共に保護部11の延在方向Xにおける保護部11の他端側に配置されている。本実施形態の係止部15は、図2に示すように、保護部11から外側に向けて円板状に立設されている。図3に示すように、係止部15は、フランジ部13と一体に形成されてフランジ部13の一方の端面19側に連結されており、フランジ部13から保護部11の延在方向Xに間隔をおいて配置されている。
係止部15のフランジ部13側の端面31は、保護部11の延在方向Xにおいてフランジ部13に近づくにつれて、フランジ部13の立設方向Yにおいて保護部11に近づくように傾斜している。係止部15の端面31に連なる外周面33は、保護部11の延在方向Xにおいて端面31から離れるにつれて、フランジ部13の立設方向Yにおいて保護部11に近づくように傾斜している。
なお、係止部15の内部は中空に形成されている。係止部15の中空部はフランジ部13の内部と連通している。
図1に示すように、周溝17は、保護部11の延在方向Xに間隔をおいたフランジ部13の一方の端面19と係止部15の端面31との間に円環状に形成されている。図3に示すように、周溝17は、フランジ部13の外周面23と係止部15の外周面33との間に開口している。フランジ部13及び係止部15の両端面19,31に連なる周溝17の底部には、円環状の支持突起35が突設されている。
なお、図1に示すように、本実施形態のグロメット10の保護部11は、係止部15に連なる細口部37をさらに有している。図3に示すように、細口部37の内部は中空に形成されている。細口部37の中空部は係止部15の内部と連通している。細口部37は、図2に示すように、スリット39を挟んで二股状に形成されており、図1に示すワイヤハーネス5に密着する開口径からそれ以上の開口径に拡開可能に構成されている。
以上に説明した本実施形態のグロメット10は、保護部11の内部にワイヤハーネス5を挿通した状態で、不図示のエンジンルーム側からダッシュパネル1のハーネス引込孔3に挿入される。このとき、グロメット10は、細口部37側からハーネス引込孔3に挿入する。保護部11に挿通したワイヤハーネス5は、中空のフランジ部13及び係止部15の内部を通って細口部37からグロメット10の外に引き出されている。
そして、係止部15を弾性変形させつつハーネス引込孔3に挿入し、ハーネス引込孔3を通過した係止部15をダッシュパネル1の車室側に位置させる。すると、係止部15が弾発力により元の形状に復元する。
ここで、フランジ部13は、一方の端面19の外径がハーネス引込孔3の外径よりも大きいので、ハーネス引込孔3を通過せず車両のエンジンルーム側に位置している。
このため、弾性変形させてハーネス引込孔3を通過させた係止部15がダッシュパネル1の車室側で元の形状に復元すると、図3に示すように、ハーネス引込孔3の周縁部分のダッシュパネル1がグロメット10の周溝17に挿入された状態となる。周溝17にダッシュパネル1が挿入されると、図1に示すように、グロメット10はハーネス引込孔3に嵌合された状態となる。
グロメット10がハーネス引込孔3に嵌合されると、車両のエンジンルーム側では、フランジ部13の一方の端面19がダッシュパネル1に対向する。そして、一方の端面19に形成された外側シールリップ25及び内側シールリップ27が、ダッシュパネル1とフランジ部13との隙間に露出する。
外側シールリップ25及び内側シールリップ27の先端には、ハーネス引込孔3の周縁部分のダッシュパネル1が押し当てられる。ダッシュパネル1の押し当てにより、外側シールリップ25及び内側シールリップ27はフランジ部13の一方の端面19側に弾性変形する。弾性変形した外側シールリップ25及び内側シールリップ27の先端は、弾発力によりハーネス引込孔3の周縁部分のダッシュパネル1に弾接する。
また、グロメット10がハーネス引込孔3に嵌合されると、車両の車室側では、係止部15の端面31に、ハーネス引込孔3の周縁部分のダッシュパネル1が押し当てられる。ダッシュパネル1の押し当てにより、係止部15の端面31側は外周面33側に弾性変形する。弾性変形した係止部15の端面31は、弾発力によりハーネス引込孔3の周縁部分のダッシュパネル1に弾接する。端面31がダッシュパネル1に弾接することにより、係止部15がダッシュパネル1のハーネス引込孔3の周縁部分に係止される。
なお、グロメット10がハーネス引込孔3に嵌合されると、グロメット10の周溝17の支持突起35がハーネス引込孔3の内周面に弾接する。
上述したように、グロメット10がハーネス引込孔3に嵌合されると、車両のエンジンルーム側、車室側、及び、ハーネス引込孔3の内側から、グロメット10がダッシュパネル1にそれぞれ弾接する。これらの弾接により、グロメット10を嵌合したハーネス引込孔3の水密性が確保される。
そして、グロメット10がハーネス引込孔3に嵌合されると、保護部11に挿通されてフランジ部13及び係止部15の内部に配置されたワイヤハーネス5が、ハーネス引込孔3に直に接触しない状態でハーネス引込孔3に挿通される。
ところで、車両のエンジンルームには、例えばエンジンブロックの洗浄等のために高圧洗浄水が吹き付けられることがある。この高圧洗浄水は、エンジンルームに露出するフランジ部13の他方の端面21及び外周面23にも吹き付けられる。特に、ダッシュパネル1との隙間に近い外周面23に吹き付けられる高圧洗浄水は、ダッシュパネル1とフランジ部13との隙間に入り込む可能性がある。
ダッシュパネル1とフランジ部13との隙間に高圧洗浄水が入り込むと、ダッシュパネル1に弾接している外側シールリップ25に高圧洗浄水が衝突し、高圧洗浄水の水圧で外側シールリップ25が変形する可能性がある。外側シールリップ25が変形すると、外側シールリップ25が捲れてダッシュパネル1との間に隙間ができ、外側シールリップ25による防水性能が損なわれてしまう。
このため、フランジ部13の外周面23の形状は、外側シールリップ25の防水性能を左右する重要な要素となる。そこで、本実施形態では、フランジ部13の外周面23を、ダッシュパネル1に近づくにつれてフランジ部13の立設方向Yにおいて保護部11から遠ざかる向きに傾斜したテーパ状としている。
フランジ部13の外周面23を上記のようなテーパ状としたことから、フランジ部13に吹き付けられて外周面23上をダッシュパネル1に向けて流れる高圧洗浄水は、フランジ部13の立設方向Yにおいて保護部11から遠ざかる向きに流れる。
そして、高圧洗浄水がダッシュパネル1と対向する端面19側まで外周面23上を流れると、高圧洗浄水はフランジ部13を離れてダッシュパネル1に吹き付けられる。ダッシュパネル1に吹き付けられた高圧洗浄水は、図4の説明図に示すように、ダッシュパネル1上をハーネス引込孔3から遠ざかる向きAに流れる。
よって、本実施形態のグロメット10では、フランジ部13の外周面23上を流れてフランジ部13からダッシュパネル1に吹き付けられた高圧洗浄水が、フランジ部13とダッシュパネル1との隙間に向けて流れにくくなる。
ここで、比較のために、図5の拡大断面図に示す比較例のグロメット100のように、フランジ部101の外周面103をダッシュパネル1の法線方向に延在する面で構成した場合を検討する。
図5に示す比較例のグロメット100では、ワイヤハーネス5(図1参照)が内部に挿通される円筒状の保護部105から、フランジ部101と係止部107とをそれぞれ立設している。ダッシュパネル1のハーネス引込孔3にグロメット100を嵌合すると、フランジ部101と係止部107との間に、ハーネス引込孔3の周縁部分のダッシュパネル1が挿入される。
ダッシュパネル1に対向するフランジ部101の端面109には、シールリップ111が突設されている。シールリップ111は、フランジ部101と係止部107との間に挿入されたダッシュパネル1に弾接されて、グロメット100を嵌合したハーネス引込孔3の水密性を確保している。
このグロメット100では、ハーネス引込孔3に嵌合するとエンジンルーム側に配置されるフランジ部101に高圧洗浄水が吹き付けられると、吹き付けられた高圧洗浄水がフランジ部101の外周面103上をダッシュパネル1側に向けて流れる。このとき、外周面103上をダッシュパネル1側に向けて流れる高圧洗浄水の、保護部105に対するフランジ部101の立設方向yにおける向きは、ダッシュパネル1の法線方向となる。
つまり、エンジンルームのフランジ部101に吹き付けられて外周面103を流れる高圧洗浄水の、フランジ部101の立設方向yにおける向きは、保護部105に近づく向き又は保護部105から遠ざかる向きのどちらかに偏った向きにはなりにくい。
このため、フランジ部101の外周面103上を流れてフランジ部101からダッシュパネル1に吹き付けられた高圧洗浄水の、フランジ部101の立設方向yにおける流れの向きは、ハーネス引込孔3から離れる向きにはなりにくい。
よって、比較例のグロメット100では、フランジ部101の外周面103上を流れてフランジ部101からダッシュパネル1に吹き付けられた高圧洗浄水を、フランジ部101とダッシュパネル1との隙間に近づかない向きで流れさせることができない。
したがって、比較例のグロメット100では、フランジ部101の外周面103上を流れてダッシュパネル1に吹き付けられた高圧洗浄水が、フランジ部101とダッシュパネル1との隙間に容易に入り込む可能性がある。高圧洗浄水が隙間に入り込むと、ダッシュパネル1に対向するフランジ部101の端面109から突設されたシールリップ111に高圧洗浄水が衝突し、ダッシュパネル1に弾接しているシールリップ111を変形させてしまう。シールリップ111が変形すると、シールリップ111が捲れてダッシュパネル1との間に隙間ができ、シールリップ111による防水性能が損なわれてしまう。
上述した比較例のグロメット100との比較でも明らかなように、本実施形態のグロメット10では、フランジ部13の外周面23をテーパ状とすることで、ダッシュパネル1上を流れる高圧洗浄水をフランジ部13との隙間に入り込みにくくすることができる。このため、隙間に入り込んだ高圧洗浄水の衝突で外側シールリップ25が変形し捲れて、ダッシュパネル1との間に隙間ができ、外側シールリップ25による防水性能が損なわれるのを、抑制することができる。
即ち、ダッシュパネル1のハーネス引込孔3に嵌合したグロメット10とダッシュパネル1との隙間に入り込んだ高圧洗浄水が、ハーネス引込孔3からダッシュパネル1の裏側(車室側)に浸入するのを抑制することができる。
なお、本実施形態のグロメット10では、フランジ部13の一方の端面19に外側シールリップ25及び内側シールリップ27を設けたが、外側シールリップ25又は内側シールリップ27を省略してもよい。
また、本実施形態のグロメット10では、円環状の外側シールリップ25及び内側シールリップ27の周方向Zに間隔をおいた複数箇所において、フランジ部13の一方の端面19に突設したリブ29により、両シールリップ25,27の基部間を接続した。このリブ29の数は任意であり、あるいは、全て省略してもよい。
但し、本実施形態のようにリブ29を設ければ、フランジ部13とダッシュパネル1との隙間に入り込んだ高圧水が衝突して外側シールリップ25に外力が加わったときに、その一部がリブ29により内側シールリップ27に逃がされる。また、外側シールリップ25の外力による変形がリブ29及び内側シールリップ27により規制される。このため、高圧水の衝突により外側シールリップ25が変形しにくいようにして、ハーネス引込孔3から車室側に水が浸入するような隙間が外側シールリップ25の捲れによってダッシュパネル1との間に発生するのを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、フランジ部13と係止部15とを一体に構成した場合を例に取って説明したが、係止部15を保護部11及びフランジ部13と別体に構成してもよい。その場合は、例えば、フランジ部13の一方の端面19を当て付けたハーネス引込孔3の周縁部分のダッシュパネル1に、フランジ部13とは反対側から係止部15を当て付けて、ハーネス引込孔3越しに係止部15をフランジ部13に係合させることで、係止部15をフランジ部13に連結することができる。
また、本実施形態では、ダッシュパネル1のハーネス引込孔3が円形であり、これに合わせて、グロメット10の保護部11、フランジ部13及び係止部15がいずれも円形の外形を有するものとした。しかし、保護部11、フランジ部13及び係止部15の外形は、ダッシュパネル1のハーネス引込孔3の外形に合わせて円形以外の形状としてもよい。
さらに、本実施形態では、車両の車室側とエンジンルーム側とを仕切るダッシュパネル1のハーネス引込孔3に嵌合されるグロメット10を例に取って説明した。しかし、本発明は、車両であるか否かに関係なく、2つの空間を仕切るパネルのハーネス引込孔に嵌合されるグロメットに広く適用可能である。
本発明は、2つの空間を仕切るパネルのハーネス引込孔にワイヤハーネスを挿通させる際にハーネス引込孔に嵌合するグロメットに適用して極めて有用である。
1 ダッシュパネル(パネル)
3 ハーネス引込孔
5 ワイヤハーネス
10 グロメット
11 保護部
13 フランジ部
15 係止部
17 周溝
19 フランジ部の一方の端面
21 フランジ部の他方の端面
23 フランジ部の外周面
25 外側シールリップ(リップ)
27 内側シールリップ(リップ)
29 リブ
31 係止部の端面
33 係止部の外周面
35 支持突起
37 細口部
39 スリット
100 グロメット
101 フランジ部
103 フランジ部の外周面
105 保護部
107 係止部
109 フランジ部の端面
111 シールリップ
X 延在方向(保護部の延在方向)
Y 立設方向(保護部からの立設方向)
Z 周方向(外側シールリップ及び内側シールリップの周方向)
y 立設方向

Claims (4)

  1. 内部にワイヤハーネスを挿通してパネルのハーネス引込孔に挿通される筒状の保護部と、
    前記保護部から立設され、前記保護部の延在方向における両端面のうち一方の端面に、前記ハーネス引込孔の周縁部分の前記パネルに弾接される環状のリップが形成され、前記保護部からの立設方向における前記リップの外側を覆う環状の外周面が、前記延在方向における両端面のうち前記一方の端面の外形が他方の端面の外形よりも大きいテーパ状に形成されているフランジ部と、
    前記フランジ部と連結され、前記フランジ部とは前記パネルを挟んだ反対側から前記ハーネス引込孔の周縁部分の前記パネルに係止される係止部とを備え
    前記リップは、前記一方の端面に前記立設方向に間隔をおいて形成された環状の外側シールリップ及び内側シールリップを有しており、
    前記一方の端面に、前記外側シールリップ及び前記内側シールリップの両基部間を前記立設方向に接続するリブが、前記外側シールリップ及び前記内側シールリップの周方向に間隔をおいて複数形成されている
    グロメット。
  2. 前記係止部は弾性部材により形成されて前記フランジ部と一体に前記保護部から立設されており、前記ハーネス引込孔を挟んだ前記パネルの両側にそれぞれ配置される前記係止部及び前記フランジ部の両外周面間に、前記ハーネス引込孔の周縁部分の前記パネルを挿入する環状の周溝が形成されており、前記フランジ部の前記周溝に露出する端面に前記リップが形成されている請求項1記載のグロメット。
  3. 前記パネルは車体であり、前記リップは車外側から前記車体に弾接する請求項1又は2記載のグロメット。
  4. 前記車体はエンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネルであり、前記リップは前記エンジンルーム側から前記ダッシュパネルに弾接する請求項3記載のグロメット。
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