JP7285717B2 - シックナー - Google Patents
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Description
従来のシックナーでは、槽内で上澄み液が白濁するなどして濁ることがあった。上澄み液が濁ると、シックナーの後工程で上澄み液を処理する時間や手間が多くかかる。
上記シックナーにおいて、前記周壁は、前記槽内の上澄み液をオーバーフローさせるオーバーフロー部を有し、前記オーバーフロー部は、前記周壁の内周面から前記槽の内側に突出する樋状であり、前記浸漬管部は、前記オーバーフロー部に支持されて前記槽内を上下方向に延びる。
この場合、浸漬管部および液中ポンプを周壁の内周面から槽の内側に離して配置でき、液中ポンプの性能が良好に維持される。液中ポンプにより槽内の上澄み液を循環させる作用効果がより安定する。
本実施形態のシックナー10は、例えば製缶工場の加工処理水等の排液(廃液)中に混じる不純物を、高分子凝集剤等でフロック状にして槽1内に沈降させ、スラッジ(泥漿、汚泥)Sとして回収する装置である。シックナー10は、沈降濃縮装置と言い換えてもよい。シックナー10は、排液処理システムの一部を構成する。排液処理システムは、シックナー10以外に、少なくともpH調整槽と、ろ過槽と、を有する。pH調整槽は、シックナー10の前工程に設けられる設備である。pH調整槽は、排液に消石灰を投入し、中和処理を行う設備である。ろ過槽は、シックナー10の後工程に設けられる設備である。ろ過槽は、シックナー10から排出された上澄み液SFの有機物などの汚れを、微生物の働きにより処理(微生物処理)し除去する設備である。
シックナー10に送られる排液は、例えば消石灰等を用いて予めPHが調整されている。なお、シックナー10に送られる不純物を含む液体Lは、工場排液に限定されるものではない。
中心軸Cに直交する方向を径方向と呼ぶ。径方向のうち、中心軸Cに接近する方向を径方向内側と呼び、中心軸Cから離れる方向を径方向外側と呼ぶ。
中心軸C回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。周方向のうち、シックナー10の運転時に上部レイキ2および下部レイキ3が回転させられる方向を、レイキ回転方向Tと呼び、これとは反対の回転方向を、レイキ回転方向Tとは反対方向(反レイキ回転方向)と呼ぶ。本実施形態の例では、図1に示すようにシックナー10を上から下側へ向けて見て(つまりシックナー10の上面視で)、レイキ回転方向Tは、周方向のうち時計回りに進む方向である。シックナー10を上から下側へ向けて見て、反レイキ回転方向は、周方向のうち反時計回りに進む方向である。
周壁1aは、中心軸Cを中心とする円筒状である。周壁1aは、オーバーフロー部1eと、レイキガイド1fと、を有する。
図2において支持軸6は、橋部5に支持されて、上下方向に延びる。支持軸6は、中心軸Cと同軸に設けられる。支持軸6は、不図示のモータ等の駆動手段により、中心軸C回りのレイキ回転方向Tに回転させられる。
アーム本体2bは、径方向に沿って延びる。アーム本体2bの径方向内端部は、支持軸6に支持される。アーム本体2bの径方向外端部は、コロ部材2eを介して周壁1aのレイキガイド1fに支持される。コロ部材2eは、アーム本体2bの径方向外端部に、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。コロ部材2eは、レイキガイド1fの上端部上を周方向に転動自在である。アーム本体2bは、浮き屑ガイド部2cおよび浮き屑捕集部2dを支持する。
第1下部レイキアーム3aは、径方向内端部が支持軸6に支持され、支持軸6から径方向外側に向かうにしたがい上側へ向けて傾斜して延びる。第1下部レイキアーム3aの径方向外端部は、周壁1aに径方向内側から隙間をあけて対向する。特に図示しないが、第1下部レイキアーム3aは、径方向内端部以外の部位において、上部レイキアーム2aと連結される部分を有する。つまり第1下部レイキアーム3aは、上部レイキアーム2aにも支持される。
本実施形態の例では、下部レイキ3が、2つの第1下部レイキアーム3aを有する。2つの第1下部レイキアーム3a同士は、中心軸Cを中心として互いに180°回転対称に設けられる。
浸漬管部9aは、弾性変形可能な弾性部9iを有する。弾性部9iは、浸漬管部9aのうち上端部以外の部分を構成する。弾性部9iは、例えば樹脂製のホース等である。
最内周軸部材4aは、複数の軸部材4のうち、最も径方向内側に配置される。最内周軸部材4aの径方向位置は、第2下部レイキアーム3bの径方向外端部の径方向位置よりも、径方向内側である。最内周軸部材4aは、第1軸部材4aと言い換えてもよい。
この場合、槽1の周壁1aにより浸漬管部9aが支持されるので、浸漬管部9aを上澄み液SF中に設けるための支持構造を簡素化できる。また、周壁1aに支持されることで浸漬管部9aおよび液中ポンプ8が、槽1の中心軸C回りに回転する上部レイキ2や下部レイキ3等の邪魔になりにくく、浸漬管部9aおよび液中ポンプ8を槽1内に配置しやすい。
この場合、浸漬管部9aおよび液中ポンプ8を周壁1aの内周面から槽1の内側に離して配置でき、液中ポンプ8の性能が良好に維持される。液中ポンプ8により槽1内の上澄み液SFを循環させる作用効果がより安定する。
この場合、中心軸C回りに回転する下部レイキ3と、液中ポンプ8との接触が抑えられ、液中ポンプ8の性能が安定して維持される。また、下部レイキ3の回転により濁った上澄み液SFが、液中ポンプ8に吸い込まれることが抑制される。
この場合、液中ポンプ8が汲み出した上澄み液SFを、槽戻し配管部9cによって槽1内に戻すことができる。したがって、槽1内の上澄み液SFをより安定して循環させることができる。
Claims (9)
- スラッジおよび上澄み液を含む液体が溜められる槽と、
前記槽の内部に配置され、上澄み液に浸漬される液中ポンプと、
前記液中ポンプに接続され、前記液中ポンプが汲み出す上澄み液が内部を通る配管と、を備え、
前記槽は、底壁および周壁を有し、
前記配管は、前記周壁に支持されて上澄み液に浸漬される浸漬管部を有し、
前記周壁は、前記槽内の上澄み液をオーバーフローさせるオーバーフロー部を有し、
前記オーバーフロー部は、前記周壁の内周面から前記槽の内側に突出する樋状であり、
前記浸漬管部は、前記オーバーフロー部に支持されて前記槽内を上下方向に延びる、
シックナー。 - 前記液中ポンプと前記周壁とに接続され、長さ調整可能なポンプ吊り部を備え、
前記浸漬管部は、弾性変形可能な弾性部を有する、
請求項1に記載のシックナー。 - 前記槽の上部に配置され、前記槽の上下方向に延びる中心軸回りに回転させられる上部レイキを備え、
前記周壁は、前記オーバーフロー部よりも前記中心軸に直交する径方向の内側に位置するレイキガイドを有し、
前記レイキガイドは、前記上部レイキの径方向外側の端部を支持し、
前記浸漬管部は、前記オーバーフロー部と前記レイキガイドとの間に挿入される部分を有する、
請求項1または2に記載のシックナー。 - 前記槽の上部に配置され、前記槽の上下方向に延びる中心軸回りに回転させられる上部レイキと、
前記槽の上側から前記槽内に吊り下げられて上下方向に延び、前記上部レイキにより跳ね上げ可能とされて、スラッジに抜き差しされる軸部材と、を備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載のシックナー。 - 前記槽の底部に配置され、前記槽の上下方向に延びる中心軸回りに回転させられる下部レイキを備え、
前記液中ポンプは、前記下部レイキよりも上側に配置される、
請求項1から4のいずれか1項に記載のシックナー。 - 前記配管は、前記液中ポンプが汲み出す上澄み液を前記槽内に戻す槽戻し配管部を有する、
請求項1から5のいずれか1項に記載のシックナー。 - 前記槽戻し配管部は、前記槽内に上澄み液をシャワー状に供給するシャワー部を有する、
請求項6に記載のシックナー。 - 前記配管は、前記液中ポンプが汲み出す上澄み液を当該シックナーの前工程の設備に送る前工程送り配管部を有する、
請求項1から7のいずれか1項に記載のシックナー。 - 前記配管は、前記液中ポンプが汲み出す上澄み液を当該シックナーの後工程の設備に送る後工程送り配管部を有する、
請求項1から8のいずれか1項に記載のシックナー。
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