JP7280071B2 - 多孔質フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、次の[1]~[9]に関する。
[1]少なくとも後述する粒子(S)と可塑剤とを溶融混錬して溶融混練物を得る工程(1);前記溶融混練物をシート形状に成形して、シートを得る工程(2);前記シートを延伸して、延伸フィルムを得る工程(3);前記延伸フィルムから前記可塑剤を除去する工程(4);および前記工程(4)後、前記延伸フィルムに熱処理を行う工程(5)を有する、空隙率が46~80%である多孔質フィルムの製造方法。
[2]前記粒子(S)の平均粒径が、150μm以下である前記[1]に記載の多孔質フィルムの製造方法。
[3]前記前駆体ポリマー(A)が、炭素数2~18のα-オレフィンから選ばれる1種または2種以上のα-オレフィンからなる重合体である前記[1]または[2]に記載の多孔質フィルムの製造方法。
[4]前記ポリマー(B)が、エチレン性不飽和基と極性官能基とを同一分子内に有する単量体(b1)を少なくとも1種含むモノマー成分の重合体である前記[1]~[3]のいずれかに記載の多孔質フィルムの製造方法。
[5]前記粒子(S)の以下の式で示すグラフト化率(%)が、0.1%以上150%以下である前記[1]~[4]のいずれかに記載の多孔質フィルムの製造方法。
グラフト化率(%)
=[ポリマー(B)の質量/前駆体ポリマー(A)の質量]×100
[6]前記多孔質フィルムが、バッテリーセパレータである前記[1]~[5]のいずれかに記載の多孔質フィルムの製造方法。
[7]少なくとも後述する粒子(S)と可塑剤とを溶融混錬して得られる多孔質フィルムであり、空隙率が46~80%である、多孔質フィルム。
[8]前記[7]に記載の多孔質フィルムと、他の層とを有する多層フィルム。
[9]前記[7]に記載の多孔質フィルムまたは前記[8]に記載の多層フィルムを有するバッテリーセパレータ。
[多孔質フィルムの製造方法]
本発明の多孔質フィルムの製造方法は、
少なくとも粒子(S)と可塑剤とを溶融混錬して溶融混練物を得る工程(1);
前記溶融混練物をシート形状に成形して、シートを得る工程(2);
前記シートを延伸して、延伸フィルムを得る工程(3);
前記延伸フィルムから前記可塑剤を除去する工程(4);および
前記工程(4)後、前記延伸フィルムに熱処理を行う工程(5)
を有する。
本発明によれば、気体透過性、フィルム外観および機械的特性に優れ、かつ、電解液との親和性に優れた多孔質フィルムを製造することができる。
<工程(1)>
工程(1)では、少なくとも粒子(S)と可塑剤とを溶融混練して溶融混練物を得る。
粒子(S)は、前駆体ポリマー(A)に由来する主鎖部と、前記ポリマー(A)とは異なるポリマー(B)に由来するグラフト部とを有するグラフトコポリマー(C)を含むコアシェル型ポリマー固形物であり、その固形物のコア部(a)が前駆体ポリマー(A)に由来する主鎖部を含み、シェル部(b)がポリマー(B)に由来するグラフト部を含む。
粒子(S)は1種または2種以上用いることができる。
粒子(S)の使用割合は、溶融混練物を形成する全成分100質量%中、通常は10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、通常は65質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。シート成形性、延伸性、フィルムの空隙率や機械的強度と通気量とのバランスの観点から、前記範囲が好ましい。
粒子(S)と他の粒子とは、例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラー混合機、レディースミキサー、高速流動型混合機、V型混合機等の装置を用いて混合することができる。
可塑剤の使用割合は、溶融混練物を形成する全成分100質量%中、通常は35質量%以上、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上であり、通常は90質量%以下、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。シート成形性、延伸性、フィルムの空隙率や機械的強度と通気量とのバランスの観点から、前記範囲が好ましい。
溶融混練温度は、通常は160~300℃、好ましくは180~280℃である。
工程(2)では、工程(1)で得られた前記溶融混練物をシート形状に成形して、シートを得る。
成形方法としては、例えば、プレス成形法、押出成形法、インフレーション法、カレンダー法などの公知の方法が挙げられる。一実施態様では、押出成形法が好ましい。
シートの厚さは、通常は0.01~10mm、好ましくは0.1~5mmである。
工程(3)では、工程(2)で得られた前記シートを延伸して、延伸フィルムを得る。
延伸は、例えば、前記シートを加熱後、通常のテンター法、ロール法、インフレーション法、圧延法またはこれらの方法の組合せによって所定の倍率で行う。延伸は、一軸延伸でも二軸延伸でもよいが、二軸延伸が好ましい。また二軸延伸の場合は、同時二軸延伸、逐次延伸または多段延伸(例えば同時二軸延伸および逐次延伸の組合せ)のいずれでもよいが、同時二軸延伸が好ましい。延伸により、シートの機械的強度が向上する。
延伸温度は、通常は100~140℃、好ましくは110~130℃である。
工程(4)では、工程(3)で得られた前記延伸フィルムから前記可塑剤を除去する。粒子(S)の溶融物から形成された部分は、可塑剤と相分離しているので、可塑剤を抽出して除去すると多孔質フィルムが得られる。
可塑剤抽出後に、前記延伸フィルムをさらに延伸することもできる。
工程(5)では、工程(4)後の前記延伸フィルムに熱処理を行う。
延伸時に作用した応力残留による多孔質フィルムの延伸方向への収縮を防ぐことを目的として、熱処理(熱固定)を行うことが好ましい。熱固定の処理温度は、通常は80~160℃、好ましくは90~150℃である。熱固定の処理時間は、通常は1~30分、好ましくは2~20分である。延伸方向における熱固定後の延伸フィルムの長さが熱固定前に対して10~50%減少する程度熱収縮させる方法、延伸方向の寸法が変化しないように固定する方法等が挙げられる。
乾燥処理は、例えば、加熱乾燥法、風乾法により行うことができる。
乾燥温度は、通常は23~100℃、好ましくは30~90℃である。
本発明の多孔質フィルムは、少なくとも粒子(S)と可塑剤とを溶融混練して得られ、通常は、前記溶融混練物から形成されたシートから前記可塑剤を除去して得られる。本発明の多孔質フィルムは、例えば、上述した製造方法により製造することができる。以下、上述した製造方法により得られた多孔質フィルムを含めて、「本発明の多孔質フィルム」ともいう。
以下、本発明で用いる粒子(S)について説明する。
粒子(S)は、前駆体ポリマー(A)に由来する主鎖部と、前記ポリマー(A)とは異なるポリマー(B)に由来するグラフト部とを有するグラフトコポリマー(C)を含むコアシェル型ポリマー固形物であり、その固形物のコア部(a)が前駆体ポリマー(A)に由来する主鎖部を含み、かつ、シェル部(b)がポリマー(B)に由来するグラフト部を含む。
要件(I):粒子(S)の中心(x)、中心(x)から表面までの距離が最短となる表面の点(z)、および中心(x)と点(z)とを結ぶ線分の中点(y)を通る断面の赤外吸収分光測定において、中心(x)、中点(y)および点(z)における吸光度(Abs)が、以下の関係を満たす。
X<0.01
Y<0.01
Z≧0.01
なお、Zの上限は、特に限定されないが、通常は100、好ましくは80、より好ましくは50、さらに好ましくは30である。
Xは、中心(x)における、Abs(ポリマー(B)のキーバンド)/Abs(ポリマー(A)のキーバンド)の値であり、
Yは、中点(y)における、Abs(ポリマー(B)のキーバンド)/Abs(ポリマー(A)のキーバンド)の値であり、
Zは、点(z)における、Abs(ポリマー(B)のキーバンド)/Abs(ポリマー(A)のキーバンド)の値である。
すなわち、粒子(S)の中心部は前駆体ポリマー(A)で構成され、粒子(S)の表面部はグラフト部が存在している。後述する製法によれば、前駆体ポリマー粒子の表面にグラフト反応が生じ、表面部がグラフト化した粒子(S)が形成される。
前駆体ポリマー(A)としてはポリオレフィンを使用することができる。ポリオレフィンとしては、例えば、炭素数2~18のα-オレフィンから選ばれる1種または2種以上のα-オレフィンからなる重合体が採用される。前記重合体の例としては、エチレン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、2-メチルブテン-1、3-メチルブテン-1、ヘキセン-1、3-メチルペンテン-1、4-メチルペンテン-1、3,3-ジメチルブテン-1、ヘプテン-1、メチルヘキセン-1、ジメチルペンテン-1、トリメチルブテン-1、エチルペンテン-1、オクテン-1、メチルペンテン-1、ジメチルヘキセン-1、トリメチルペンテン-1、エチルヘキセン-1、メチルエチルペンテン-1、ジエチルブテン-1、プロピルペンテン-1、デセン-1、メチルノネン-1、ジメチルオクテン-1、トリメチルヘプテン-1、エチルオクテン-1、メチルエチルヘプテン-1、ジエチルヘキセン-1、ドデセン-1およびヘキサドデセン-1等のα-オレフィンの単独重合体、あるいは共重合体を挙げることができる。
また、これらのポリオレフィンは、アイソタクチック構造、シンジオタクチック構造の両者ともに使用可能であり、立体規則性についても特段の制限はない。
ポリマー(B)としては、前駆体ポリマー(A)と異なるものであれば、本発明の効果を奏する範囲において、特に制限なく用いることができる。
水酸基含有エチレン性不飽和化合物としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシ-プロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタンモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2-(6-ヒドロキシヘキサノイルオキシ)エチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;10-ウンデセン-1-オール、1-オクテン-3-オール、2-メタノールノルボルネン、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、N-メチロールアクリルアミド、2-(メタ)アクロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、アリロキシエタノール、2-ブテン-1,4-ジオール、グリセリンモノアルコールが挙げられる。これらの中でも、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、ナジック酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン酸等の各種不飽和カルボン酸が挙げられる。
グラフト化率を、以下の式で示す。
グラフト化率(%)
= [ポリマー(B)の質量/前駆体ポリマー(A)の質量]×100
グラフトコポリマー(C)は、前駆体ポリマー(A)に由来する主鎖部と、ポリマー(B)に由来するグラフト部とを有する。グラフトコポリマー(C)は、前駆体ポリマー(A)にグラフトする単量体(b)の種類とグラフト化率によって、前駆体ポリマー(A)のままでは他材料と親和性が低かった欠点を改良することができる。
また、グラフトコポリマー(C)とその前駆体である前駆体ポリマー(A)とは、いずれも一定の形状を有する固形物であって、粒子状である。
上述したグラフトコポリマー(C)を含むポリマー固形物、すなわち粒子(S)を得るための製造方法は、得られるグラフトコポリマー(C)を含むポリマー固形物が上述した要件を満たす限りにおいて、特に制限されない。例えば、前駆体ポリマー(A)を含有する固形物に対し、その形状を保持したままポリマー(B)をグラフトする。
また、上記製造方法において、前駆体ポリマー(A)と、単量体(b)と、上記アルキルホウ素との接触方法および接触順序については、特に制限はなく、種々の方法を採用することができる。また、前駆体ポリマー(A)へ単量体(b)またはアルキルホウ素を事前に含浸させておいてもよい。さらには、グラフトポリマー(B)の分子量を調整するために公知の連鎖移動剤を併用することができる。
平均粒径が0.05mm以上の粒子の場合、粒子の中心(x)と、中心(x)から粒子の表面までの距離が最短となる表面の点(z)とを通る断面を作製した後、VARIAN社製、顕微赤外分光法(FTS-7000/UMA600)を用い、Geクリスタルを使用して各測定箇所(中心(x)、点(z)、および中心(x)と点(z)とを結ぶ線分の中点(y))を全反射(ATR)法にて測定した。測定範囲は4000cm-1から600cm-1とし、分解能は4cm-1、積算回数は128回とした。
ランダムに選定した粒子5つについて測定した平均値を採用した。
以下の式で示されるグラフト化率において、ポリマー(B)(グラフトポリマー、グラフト部)の質量は、グラフト反応後の質量と前駆体ポリマー(A)の質量との差から求めることができるが、質量増加が僅かな場合などは、1H-NMR測定にて求めることができる。
グラフト化率(%)
= [ポリマー(B)の質量/前駆体ポリマー(A)の質量]×100
粒子の平均粒径はコールターカウンター法(コールター法)により測定した。
[製造例1]
前駆体ポリマー(A)として平均粒径0.13mmの超高分子量ポリエチレン(PE)パウダー(三井化学社製、ハイゼックスミリオン(商標)030S)を用い、グラフトモノマー(b1)としてメタクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEMA)を用いた。
その後、生成したポリマーをグラスフィルターで濾過してアセトンで充分洗浄し、60℃で8時間、真空乾燥を行った。以上の様にして、粒子(S1)を得た。
HEMAの使用量を3.8gに変更したこと以外は製造例1と同様に行い、粒子(S2)を得た。
平均粒径0.13mmの超高分子量ポリエチレン(PE)パウダー(三井化学社製、ハイゼックスミリオン(商標)030S)に10kGyの電子線照射を行い、架橋体である粒子(cS1)を得た。
平均粒径0.13mmの超高分子量ポリエチレン(PE)パウダー(三井化学社製、ハイゼックスミリオン(商標)030S)に100kGyの電子線照射を行い、架橋体である粒子(cS2)を得た。
平均粒径0.13mmの超高分子量ポリエチレン(PE)パウダー(三井化学社製、ハイゼックスミリオン(商標)030S)
以上の製造例等における各原材料の種類や、得られたまたは用いた各粒子の平均粒径、グラフト化率、電子線照射の有無および赤外吸収分光測定結果を表1に示す。
製造例で得られた粒子または参考例の粒子と流動パラフィンとを、粒子/流動パラフィン=30/70の質量比で、200℃にて東洋精機社製のバッチ式混練機を用いて溶融混練した。溶融混練物を200℃の熱プレスで厚さ0.5mmのシート形状(ゲル状シート)とし、バッチ式二軸延伸機を用いて、延伸温度125℃にて6×6倍に同時二軸延伸を行った。延伸後、ヘキサンを用いて流動パラフィンを抽出し、室温で乾燥したのち、125℃、3分間、熱固定を行い、厚さ16μmの多孔質フィルムを得た。ただし、比較例2では、フィルムを作成することができなかった。
流動パラフィンとして、流動パラフィン(富士フイルム和光純薬製)を用いた。
[(真の密度-見かけの密度)/真の密度]×100(%)の式によって空隙率(%)を算出した。真の密度(g/cm3)とは、前記粒子の密度(ASTM D1505に準拠)であり、見かけの密度(g/cm3)とは、120mm×120mmのサイズで切り出したフィルムの質量をフィルムの外寸から算出した容積で割った値である。
実施例および比較例で作成した多孔質フィルムから幅10mmの短冊状試験片を作成し、当該試験片を用いてASTM D822により引張強度を測定した。
実施例および比較例で作成した多孔質フィルムの100mm角に目視で直径0.5mm以上の白点を数えた。
23℃にて、JIS P-8117準拠のガーレー式透気度計(東洋精機製)にて、透気度を測定した。測定した透気度を膜厚で除した値を使用した。
電解液(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=30/70体積比)を充満させた容器に2cm×10cmに切り出した多孔質フィルムを入れ、二秒間静置した。前記試料片を取り出した直後に薬包紙で表面を2回払拭した後の試料片の質量を計測した。試料片の質量変化率/空隙率×100(%)の式によって、電解液保持率(%)を算出した。
Claims (7)
- 少なくとも粒子(S)と可塑剤とを溶融混錬して溶融混練物を得る工程(1)、ここで前記粒子(S)は、前駆体ポリマー(A)に由来する主鎖部と、前記ポリマー(A)とは異なるポリマー(B)に由来するグラフト部とを有するグラフトコポリマー(C)を含むコアシェル型ポリマー固形物であり、その固形物のコア部(a)が前駆体ポリマー(A)に由来する主鎖部を含み、シェル部(b)がポリマー(B)に由来するグラフト部を含み、かつ、前記粒子(S)が下記要件(I)を満たし;
前記溶融混練物をシート形状に成形して、シートを得る工程(2);
前記シートを延伸して、延伸フィルムを得る工程(3);
前記延伸フィルムから前記可塑剤を除去する工程(4);および
前記工程(4)後、前記延伸フィルムに熱処理を行う工程(5)
を有する、
空隙率が46~80%である多孔質フィルムの製造方法であって、
前記前駆体ポリマー(A)が、炭素数2~18のα-オレフィンから選ばれる1種または2種以上のα-オレフィンからなる重合体であり、
前記ポリマー(B)が、エチレン性不飽和基と極性官能基とを同一分子内に有する単量体(b1)を少なくとも1種含むモノマー成分の重合体である、
多孔質フィルムの製造方法。
要件(I):粒子(S)の中心(x)、中心(x)から表面までの距離が最短となる表面の点(z)、および中心(x)と点(z)とを結ぶ線分の中点(y)を通る断面の赤外吸収分光測定において、中心(x)、中点(y)および点(z)における吸光度(Abs)が、以下の関係を満たす。
X<0.01
Y<0.01
Z≧0.01
但し、
Xは、中心(x)における、Abs(ポリマー(B)のキーバンド)/Abs(ポリマー(A)のキーバンド)の値であり、
Yは、中点(y)における、Abs(ポリマー(B)のキーバンド)/Abs(ポリマー(A)のキーバンド)の値であり、
Zは、点(z)における、Abs(ポリマー(B)のキーバンド)/Abs(ポリマー(A)のキーバンド)の値である。 - 前記粒子(S)の平均粒径が、150μm以下である請求項1に記載の多孔質フィルムの製造方法。
- 前記粒子(S)の以下の式で示すグラフト化率(%)が、0.1%以上150%以下である請求項1または2に記載の多孔質フィルムの製造方法。
グラフト化率(%)
=[ポリマー(B)の質量/前駆体ポリマー(A)の質量]×100 - 前記多孔質フィルムが、バッテリーセパレータである請求項1~3のいずれか1項に記載の多孔質フィルムの製造方法。
- 少なくとも粒子(S)と可塑剤とを溶融混錬して得られる多孔質フィルムであり、
前記粒子(S)が、前駆体ポリマー(A)に由来する主鎖部と、前記ポリマー(A)とは異なるポリマー(B)に由来するグラフト部とを有するグラフトコポリマー(C)を含むコアシェル型ポリマー固形物であり、その固形物のコア部(a)が前駆体ポリマー(A)に由来する主鎖部を含み、かつ、シェル部(b)がポリマー(B)に由来するグラフト部を含み、
前記粒子(S)が下記要件(I)を満たし、
空隙率が46~80%である、多孔質フィルムであって、
前記前駆体ポリマー(A)が、炭素数2~18のα-オレフィンから選ばれる1種または2種以上のα-オレフィンからなる重合体であり、
前記ポリマー(B)が、エチレン性不飽和基と極性官能基とを同一分子内に有する単量体(b1)を少なくとも1種含むモノマー成分の重合体である、
多孔質フィルム。
要件(I):粒子(S)の中心(x)、中心(x)から表面までの距離が最短となる表面の点(z)、および中心(x)と点(z)とを結ぶ線分の中点(y)を通る断面の赤外吸収分光測定において、中心(x)、中点(y)および点(z)における吸光度(Abs)が、以下の関係を満たす。
X<0.01
Y<0.01
Z≧0.01
但し、
Xは、中心(x)における、Abs(ポリマー(B)のキーバンド)/Abs(ポリマー(A)のキーバンド)の値であり、
Yは、中点(y)における、Abs(ポリマー(B)のキーバンド)/Abs(ポリマー(A)のキーバンド)の値であり、
Zは、点(z)における、Abs(ポリマー(B)のキーバンド)/Abs(ポリマー(A)のキーバンド)の値である。 - 請求項5に記載の多孔質フィルムと、他の層とを有する多層フィルム。
- 請求項5に記載の多孔質フィルムまたは請求項6に記載の多層フィルムを有するバッテリーセパレータ。
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