JP7272349B2 - 色対応情報生成システム、プログラム及び色対応情報生成方法 - Google Patents
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Description
本願は、2018年3月22日に、日本に出願された特願2018-055205号に基づき優先権を主張し、これらの内容をここに援用する。
例えば、特許文献1には、被写体(対象物)の撮像画像と、既知の分光反射率をもつ複数の色票からなる指定チャートの撮像画像とを取得することにより、被写体の分光反射率を推定する技術が開示されている。
また、任意の光源の環境光下で撮像した画像を、異なる光源の環境光下で観察した色の見えで表示する場合、撮像対象物を実物で観察する環境における光源の分光エネルギー分布が必要となるが、全てのユーザが光源の分光エネルギー分布を計測する計測器を有しているわけではない。
また、以下の説明において、撮像画像20として、色補正用物体と、色対応情報を作成する対象の被写体(色補正用物体とは異なる物体であり、例えば、後述する対象物T、すなわち第2物体)とがともに同一の画像として撮像されている場合を例に説明している。しかしながら、撮像画像20として色補正用物体を撮像しておき、この撮像画像20を撮像した光源と同一(あるいは同様)の光源の環境下で撮像した他の画像(第2画像)における被写体(例えば、後述する対象物T、すなわち第2物体)に対する色対応情報を作成し、この他の画像に対する分光反射率や基準RGBなどの色特性情報の推定、及び色変換マトリクスや光源の分光エネルギー分布及び撮像装置の分光感度特性の組合せなどの色特性情報の生成を行なうこととしても良い。ここで、撮像画像20(第1画像)における色補正用物体以外の領域(背景を含め)あるいは他の画像(第2画像)全て、あるいは撮像画像20及び他の画像の一部に対応する被写体が第2物体の一例である。この一部とは、色補正用物体を含まない画像領域(ピクセル単体を含む)、あるいはユーザが選択した第2物体の存在する画像領域、撮像画像20あるいは他の画像における物体の画像領域を抽出する輪郭抽出の処理を行い、抽出された画像領域である。
また、任意の撮影条件(カメラの感度特性等)及び表示条件(ディスプレイの表示特性等)において、撮影対象の測色値と表示画像の測色値が一致する際の画素値同士の対応関係が既知であれば、当該撮影条件下で撮影した色補正用物体の画像と上記撮像画像の基準RGB画像とから、当該表示条件に基づいて表示した際に、対象物Tの色の見えを再現する画像を生成(色情報推定)することが可能となる。以下、第1の実施形態の色情報推定において当該対応関係は既知であるとして説明を行う。
また、第1色特性情報として、上述した基準RGB画像ではなく、単一の基準色(例えば、RGB値)または複数の基準色(例えば、RGB値の複数の組合せ)の色情報を用いても良い。
また、任意の表示条件(ディスプレイの表示特性等)について、当該表示条件に基づく画素値と測色値との対応関係が既知であれば、当該表示条件に基づいて表示した際に、任意の光源の環境光下での対象物Tの色の見えを基準色情報を用いた補正方法より高精度に再現する画像を生成することが可能となる。以下、第2の実施形態において当該対応関係は既知であるとして説明を行う。
また、第1色特性情報としては、上述した色補正用物体の分光画像ではなく、単一または複数の分光反射率を用いても良い。
図1は、本発明の第1の実施形態による色対応情報生成システム構成例を示すブロック図である。
ここで、ネットワーク5は、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、インターネット、プロバイダ装置、無線基地局、専用回線などのうちの一部または全部を含む。
表示装置4-1は、ユーザ端末装置2-1に接続された表示機能を有する機器であり、例えば液晶ディスプレイ、ユーザ端末装置2-1が持つ表示機能などである。同様に、表示装置4-2は、ユーザ端末装置2-2に接続された表示機能を有する機器であり、例えば液晶ディスプレイ、ユーザ端末装置2-2が持つ表示機能などである。
本実施形態において、色補正用物体データベース12に登録された色補正用物体の少なくとも一部は色票と異なる物体である。この色票と異なる物体は、例えば、一般に流通している(ユーザが入手可能な)商品の容器、パッケージ、外観、ラベル及びポスターなどのいずれかであり、かつ単色あるいは複数の色を有する印刷物である。
また、色補正用物体には、バーコードやQRコード(登録商標)等の画像認識可能なコードが一つまたは複数設けられていても良い。
ここで、色補正用物体識別情報は、色補正用物体の各々を個別に識別するための識別情報である。第1色特性情報は、本発明の第1の実施形態においては、基準RGB画像(第1物体の画像)であり、本発明の第2の実施形態においては、分光反射率とこの分光反射率を示す色補正用物体における位置(例えば、画素毎、画像における同一色の領域毎)を示す位置情報とから構成されている。
基準RGB画像は、例えば標準光源には標準光源D50や標準光源D65などの特定のひとつの環境光下で撮像された画像である。また、標準光源は、特定のひとつの光源に統一されているならば任意の光源を使用してもよい。分光反射率は、製版データとベタ指定色の測色値とから推定される推定分光反射率(後述)でも良い。物体認識情報は、色補正用物体の画像情報、または形状及び色の特徴情報、または色補正用物体識別情報そのもののいずれかが用いられ、第1色特性情報である基準RGB画像や分光画像(分光反射率)と一対一で対応している。また、例えば、物体認識情報が基準RGB画像である場合、第1色特性情報はこの物体認識情報そのものであっても良い。
図3は、図1の色対応情報生成システム1における画像補正サーバ11の第1の実施形態の構成例を示すブロック図である。図3において、画像補正サーバ11は、撮像画像取得部61、色補正用物体認識部62、色補正マトリクス算出部63、再現色域判定部64、基準RGB画像生成部65及び記憶部66の各々を備えている。
このとき、色補正用物体認識部62は、色補正用物体データベース12における色補正用物体テーブルを参照し、物体認識情報を読み出して、この物体認識情報に対応する画像を撮像画像において抽出する。ここで、物体認識情報が色補正用物体の画像(テンプレート画像)である場合、色補正用物体認識部62は、色補正用物体の認識率として、撮像画像における輪郭抽出した画像と、テンプレート画像との類似度を求める。一方、物体認識情報が色補正用物体の特徴情報(形状及び色などの特徴)である場合、撮像画像における輪郭抽出した画像から特徴情報を抽出し、色補正用物体テーブルにおける特徴情報と比較し、類似度の算出を行う。また、色補正用物体認識部62は、撮像画像中にバーコードやQRコード(登録商標)等の画像認識可能なコードが撮像されている場合、これを検出してもよく、さらにこの検出結果を類似度の算出及び色補正用物体の画像の抽出のために利用してもよい。この場合、上記コードは予め色補正用物体に一つまたは複数設けられており、例えば、前記コードが予め色補正用物体識別情報に紐付けられていれば、上記検出結果から前記コードに紐づいた色補正用物体に対応する類似度を最大とすることが可能である。また、色補正用物体の形状と上記コードとの位置関係が既知であれば、撮像画像中の上記コードの形状及び位置関係(複数の場合)をもとに撮像画像から色補正用物体の画像を抽出することも可能である。上記コードを用いた類似度の算出及び色補正用物体の画像の抽出の方法は、他の方法(例えば、前述のテンプレート画像や特徴情報を用いた方法)と併用してもよいし、いずれか一つのみ利用してもよい。
図4は、画像補正サーバ11による撮像画像から基準RGB画像を生成する流れを説明する概念図である。
なお、撮像画像20がユーザ端末装置2-1に記憶されている場合、色補正用物体認識部62はユーザ端末装置2-1に対して、類似度と輪郭だけ送信してもよい。
また、色補正用物体認識部62は、撮像画像の色補正用物体の画像と、色補正用物体データベース12における色補正用物体テーブルのテンプレート画像とを比較して類似度を求めた際、例えば所定の類似度閾値未満である場合、図4(f)に示すように、いずれの色補正用物体の画像の候補を表示するかを、ユーザに対して選択させる。
そして、色補正マトリクス算出部63は、以下の(1)式を用いて、色補正用物体データベース12から読み出した色補正用物体の基準RGB画像の画素値が解となるように、撮像画像の画素値から、色補正マトリクスMを重回帰分析などにより算出する。
(1)式において、R、G及びBの各々は、色補正用物体データベース12から読み出した色補正用物体の基準RGB画像のRed、Green、Blueの色成分毎の画素値である。また、R’、G’、B’の各々は、撮像画像から認識された色補正用物体のRed、Green、Blueの色成分毎の画素値である。Mは、第1光源701の環境光下で撮像された撮像画像の画素値を、基準光源700の環境光下で撮像された撮像画像の画素値に変換する3×3行列であり、(2)式のように表すことができる。
図5(a)は、再現色充足率を説明する色成分R軸、色成分G軸及び色成分B軸からなる3次元空間のRGB座標系を示す図である。図5(a)には、再現色域判定部64が生成した部分空間410の立体形状が示されている。
再現色点411、412及び413の各々は、部分空間410に含まれている画素値の座標を示している。一方、再現色点421、422及び423の各々は、部分空間410に含まれていない画素値の座標を示している。この場合、画素値が6点あり、部分空間410に含まれている画素値が3点あるため、再現色充足率としては、50.0%((3/6)×100)となる。
ユーザが撮像装置3-1により、図4(a)に示すように、撮像画像20を撮像し、ユーザ端末装置2-1により撮像画像20を、画像補正サーバ11に対して、ネットワーク5を介して送信する。
撮像画像取得部61は、撮像画像20を入力し、記憶部66に書き込んで記憶させる。
色補正用物体認識部62は、撮像画像20における各画像の輪郭抽出を行い、輪郭内における画像を抽出する。そして、色補正用物体認識部62は、テンプレート画像との比較、あるいは特徴量の各々の比較により、それぞれ類似度を算出する。
色補正用物体認識部62は、抽出した画像の各々の類似度が予め設定されている類似度閾値以上であるか否か、すなわち色補正用物体データベース12の色補正用物体テーブルに登録されている色補正用物体が撮像画像20に含まれているか否かの判定を行う。
このとき、色補正用物体認識部62は、抽出した画像の各々なかに類似度が予め設定されている類似度閾値以上である画像が存在する場合、色補正用物体が撮像画像20に含まれていると判定し、処理をステップS104へ進める。一方、色補正用物体認識部62は、抽出した画像の全ての類似度が予め設定されている類似度閾値未満である場合、色補正用物体が撮像画像20に含まれていないと判定し、処理をステップS115へ進める。
色補正用物体認識部62は、撮像画像20に含まれている色補正用物体(第1物体)の画像と認識した画像(31、41)の輪郭(画像領域を示す情報)を、ユーザ端末装置2-1に対して送信する。ユーザ端末装置2-1は、図4(b)に示すように所定の太さの線によりマーキング(画像領域情報の一例)し、この認識した画像の近傍に類似度(171、181)を表示装置4-1の表示画面21に表示する。
再現色域判定部64は、撮像画像20中の色補正用物体の領域の各画素の画素値で張られる部分空間を求める。そして、再現色域判定部64は、撮像画像20の全体または対象物Tの領域における各画素の画素値が上記部分空間に含まれる割合である再現色充足率を算出する。
また、再現色域判定部64は、撮像画像20に複数の色補正用物体が撮像されている場合において、撮像画像20中の当該複数の色補正物体の領域の各画素の画素値で張られる部分空間のそれぞれを合成した空間をもとに再現色充足率を算出する構成としてもよい。
そして、再現色域判定部64は、求めた再現色充足率が予め設定されている充足率閾値以上であるか否かの判定を行う。
このとき、再現色域判定部64は、再現色充足率が予め設定されている充足率閾値以上であり、再現色域が色を再現する範囲として十分である場合、処理をステップS107へ進める。一方、再現色域判定部64は、再現色充足率が予め設定されている充足率閾値未満であり、再現色域が色を再現する範囲として十分でない場合、処理をステップS115へ進める。
再現色域判定部64は、再現色充足率が充足率閾値以上である場合、再現色域が色の再現に十分であると判定するように構成しても良い。
また、再現色域判定部64は、ユーザ端末装置2-1、2-2に対して、再現色充足率を送信し、再現色充足率が十分か否かをユーザに判断させる構成としても良い。このとき、再現色域判定部64は、ユーザ端末装置2-1、2-2から受信するユーザの合否判定を合否判定情報(不可、可のいずれか)として用いる。
色補正用物体認識部62は、抽出された画像の類似度が所定の数値幅である色補正用物体のテンプレート画像あるいは特徴量を有する色補正用物体が複数存在する場合、この数値幅に含まれる類似度を有する色補正用物体を手動で選択するか否かを、表示装置4-1の表示画面21に対して表示しユーザに選択させる。
このとき、色補正用物体認識部62は、ユーザが手動での選択を行わないことを選択した場合、処理をステップS108へ進める。一方、色補正用物体認識部62は、ユーザが手動での選択を行うことを選択した場合、処理をステップS113へ進める。
色補正用物体認識部62は、撮像画像20における色補正用物体の画像毎に、当該画像と最も類似度の高い色補正用物体それぞれを色補正用テーブルから抽出する。
色補正マトリクス算出部63は、色補正用物体認識部62が抽出した色補正用物体の基準RGB画像を、色補正用物体データベース12を参照して色補正用テーブルから読み出す。
そして、色補正マトリクス算出部63は、上述したように(1)式を用いて、色補正用物体に対応する基準RGB画像の画素値が解となるように、撮像画像20における色補正用物体の画素値から、色補正マトリクスを重回帰分析などにより算出する。
再現色域判定部64は、標準的な色空間に対して、色補正用物体に対応する基準RGB画像から算出される再現色域が占める割合である色域カバー率を算出する。
また、当該複数の色補正用物体の各々に対応する基準RGB画像から再現される色域のそれぞれを合成した再現色域から色域カバー率を算出する構成としてもよい。
そして、再現色域判定部64は、求めた色域カバー率が予め設定されているカバー率閾値以上であるか否か、すなわち再現色域が撮像画像20の各画素の色を再現する範囲として十分か否かの判定を行う。
このとき、再現色域判定部64は、色域カバー率が予め設定されている充足率閾値以上である場合、処理をステップS112へ進める。一方、再現色域判定部64は、色域カバー率が予め設定されているカバー率閾値未満である場合、処理をステップS115へ進める。
また、再現色域判定部64は、ユーザ端末装置2-1、2-2に対して、色域カバー率を送信し、色域カバー率が十分か否かをユーザに判断させる構成としても良い。このとき、再現色域判定部64は、ユーザ端末装置2-1、2-2から受信するユーザの合否判定を合否判定情報(不可、可のいずれか)として用いる。
基準RGB画像生成部65は、撮像画像と、色補正マトリクスとにより、基準光源700の環境光下で撮像された時の色を再現した画像を生成する。基準RGB画像生成部65は、生成した表示画像をユーザ端末装置2-1に対して送信してもよい。
色補正用物体認識部62は、図4(f)に示すように、画像31、41のいずれの色補正用物体の画像の候補を表示するかを、ユーザに対して選択させる。
そして、色補正用物体認識部62は、選択された色補正用物体の画像31と所定の範囲の類似度を有する複数の色補正用物体の画像31_1、31_2及び31_3の各々を、色補正用物体の候補(候補群)として、図4(g)のように、ユーザ端末装置2-1の表示装置4-1の表示画面21に対して表示する。ここで、色補正用物体認識部62は、上記候補の各々に対して一対一対応するサムネイル画像を生成し、このサムネイル画像のそれぞれと、色補正用物体認識部62が算出した各候補の類似度とをユーザ端末装置2-1に送信する。
そして、ユーザ端末装置2-1は、表示装置4-1の表示画面21に対して、受信したサムネイル画像の各々と、それぞれのサムネイル画像に対応する候補の類似度とを組み合わせて表示させる。
そして、ユーザが候補から色補正用物体の画像を選択すると、ユーザ端末装置2-1は、ユーザが選択したサムネイル画像を示す情報、すなわち候補である複数のサムネイル画像のいずれを指定したかを示す指定情報を色補正用物体認識部62に送信する。
ユーザ端末装置2-1から、ユーザが選択したサムネイル画像を示す指定情報が入力された場合、色補正用物体認識部62は、他の種類の色補正用物体の候補の画像を表示装置4-1の表示画面21に表示し、順次、撮像画像20における色補正用物体を選択し、基準RGB画像を抽出する。
なお、上述の構成においてサムネイル画像の代わりに色補正用物体に一対一で対応する文字列(例えば、商品名)を用いても良い。
色補正用物体認識部62は、色補正用物体が撮像画像20に含まれていないと判定した場合、または、再現色充足率が所定の閾値未満の場合、または、色域カバー率が所定の域値未満の場合、ユーザに対して、現時点において撮像画像20が色対応情報の生成に利用できないことを示す情報(否を示す合否判定情報)をユーザ端末装置2-1に対して送信する。
ユーザ端末装置2-1は、色補正用物体認識部62から否を示す合否判定情報を受信した場合、他の種類の色補正用物体を追加することを促す表示を、表示装置4-1の表示画面21に表示して、ユーザに対して他の種類の色補正用物体を追加することを通知する。
これにより、ユーザは、現時点において対象物Tと共に撮像されている色補正用物体に加えて、他の種類の色補正用物体を追加する。
また、色補正用物体認識部62は、色補正用物体の画像31または画像41のいずれとも、類似度が所定の範囲に含まれている画像を、色補正用物体データベース12において検索できない場合、所定の範囲に含まれていないが最も高い類似度ととともに、不可の情報(否を示す合否判定情報)をユーザ端末装置2-1に送信しても良い。
そして、ユーザ端末装置2-1は、表示装置4-1の表示画面21に類似度を表示する。ここで、ユーザは、表示装置4-1における類似度を参照し、色補正用に用いても良いか否かを判定して、判定結果をユーザ端末装置2-1から色対応情報生成システム1に対して送信する。
図7は、本発明の第2の実施形態による色対応情報生成システムの構成例を示すブロック図である。図7において、色対応情報生成システム1Aは、画像補正サーバ11A、色補正用物体データベース12及び分光感度特性データベース13の各々を備えている。また、色対応情報生成システム1Aは、図1の色対応情報生成システム1と同様、ネットワーク5を介して、ユーザ端末装置2-1及びユーザ端末装置2-2と通信可能に接続されている。色対応情報生成システム1Aは、任意の光源下で撮像された、提示側における対象物(撮像対象物)の撮像画像の分光画像を生成し(後述の第2の実施形態)、参照側に対して生成した分光画像から参照側の環境における上記対象物の色の見えを再現した画像を供給する処理を行う。画像補正サーバ11Aについては後述する。色補正用物体データベース12は、図1の色対応情報生成システム1と同様である。分光感度特性データベース13は、使用される撮像装置(例えば、撮像装置3-1,3-2)の分光感度特性が既知である場合に、撮像装置の装置識別情報(例えば、機種情報)と分光感度特性とが対応した分光感度特性テーブルが書き込まれて記憶されている。分光エネルギー分布推定部73(後述)が色対応情報として、光源の分光エネルギー分布と撮像装置の分光感度特性とを用いる場合、上記分光感度特性データベース13の分光感度特性テーブルを参照し、使用された撮像装置の機種に対応する分光感度特性を読み出し、読み出した分光感度特性を用いる。
このとき、色補正用物体認識部72は、色補正用物体データベース12における色補正用物体テーブルを参照し、物体認識情報を読み出して、この物体認識情報に対応する画像を撮像画像において抽出する。ここで、物体認識情報が色補正用物体の画像(テンプレート画像)である場合、色補正用物体認識部72は、色補正用物体の認識率として、撮像画像における輪郭抽出した画像と、テンプレート画像との類似度を求める。一方、物体認識情報が色補正用物体の特徴情報(形状及び色などの特徴)である場合、撮像画像における輪郭抽出した画像から特徴情報を抽出し、色補正用物体テーブルにおける特徴情報と比較し、類似度の算出を行う。また、第1の実施例と同様、色補正用物体認識部62は、バーコードやQRコード(登録商標)等の画像認識可能なコードを用いて類似度の算出及び色補正用物体の画像の抽出を行っても良い。
図9、画像補正サーバ11Aによる撮像画像から分光画像を生成する流れを説明する概念図である。
なお、撮像画像20がユーザ端末装置2-1に記憶されている場合、色補正用物体認識部72はユーザ端末装置2-1に対して、類似度と輪郭だけ送信してもよい。
また、色補正用物体認識部72は、撮像画像の色補正用物体の画像と、色補正用物体データベース12における色補正用物体テーブルのテンプレート画像とを比較して類似度を求めた際、例えば所定の類似度閾値未満である場合、図9(f)に示すように、いずれの色補正用物体の画像の候補を表示するかを、ユーザに対して選択させる。
(3)式において、R、G、Bの各々は、撮像画像から認識された色補正用物体の画素値である。また、Sk(λ)は、撮像した撮像装置の分光感度特性(rλ1,…,rλn,gλ1,…,gλn,bλ1,…,bλn)である。E(λ)は、撮像した光源の分光エネルギー分布(推定値)である。R(λ)は、色補正用物体の分光反射率である。iは色の種類の数(色数)である。
ここで、分光画像は、任意の光源の分光エネルギー分布により、この任意の光源の環境光下での撮像画像の色再現を行うために用いられる。
この算出結果において、再現色域判定部75は、再現色充足率が所定の充足率閾値未満の場合、撮像画像から対象物Tの画像の色を再現できないと判定する。
この算出結果において、再現色域判定部75は、色域カバー率が所定のカバー閾値未満の場合、分光画像から撮像画像における対象物Tの画像の色を高精度で再現できないと判定する。
図10(a)は、再現色充足率を説明する色成分R軸、色成分G軸及び色成分B軸からなる3次元空間のRGB座標系を示す図である。図10(a)には、再現色域判定部75が生成した部分空間510の立体形状が示されている。
再現色点511、512及び513の各々は、部分空間510に含まれている画素値の座標を示している。一方、再現色点521、522、523及び524の各々は、部分空間510に含まれていない画素値の座標を示している。この場合、画素値が7点あり、部分空間510に含まれている画素値が3点であるため、再現色充足率としては、42.8%((3/7)×100)となる。
ここで、上記分光エネルギー分布は分光エネルギー分布推定部73が推定したものであっても、予め記憶部77に格納されたものであっても良く、上記分光画像は分光画像生成部74が生成したものであっても、予め記憶部77に記憶されたものであっても良い。
ユーザが撮像装置3-1により、図9(a)に示すように、撮像画像20を撮像し、ユーザ端末装置2-1により撮像画像20を、画像補正サーバ11Aに対して、ネットワーク5を介して送信する。
撮像画像取得部71は、撮像画像20を入力し、記憶部77に書き込んで記憶させる。
色補正用物体認識部72は、撮像画像20における各画像の輪郭抽出を行い、輪郭内における画像を抽出する。そして、色補正用物体認識部72は、テンプレート画像との比較、あるいは特徴量の各々の比較により、それぞれ類似度を算出する。
色補正用物体認識部72は、抽出した画像の各々の類似度が予め設定されている類似度閾値以上であるか否か、すなわち色補正用物体データベース12の色補正用物体テーブルに登録されている色補正用物体が撮像画像20に含まれているか否かの判定を行う。
このとき、色補正用物体認識部72は、抽出した画像の各々のなかに類似度が予め設定されている類似度閾値以上である画像が存在する場合、色補正用物体が撮像画像20に含まれていると判定し、処理をステップS204へ進める。一方、色補正用物体認識部72は、抽出した画像の全ての類似度が予め設定されている類似度閾値未満である場合、色補正用物体が撮像画像20に含まれていないと判定し、処理をステップS216へ進める。
色補正用物体認識部72は、撮像画像20に含まれている色補正用物体の画像と認識した画像(31、41)の輪郭のデータを、ユーザ端末装置2-1に対して送信する。
ユーザ端末装置2-1は、図9(b)に示すように、受信した輪郭のデータに対応して、画像(31、41)の輪郭を所定の太さの線によりマーキングし、この認識した画像の近傍に類似度(171、181)を、表示装置4-1の表示画面21に表示する。
再現色域判定部75は、撮像画像20中の色補正用物体の領域の各画素の画素値で張られる部分空間を求める。そして、再現色域判定部75は、撮像画像20の全体または対象物Tの領域における各画素の画素値が上記部分空間に含まれる割合である再現色充足率を算出する。
また、再現色域判定部75は、撮像画像20に複数の色補正用物体が撮像されている場合において、撮像画像20中の当該複数の色補正物体の領域の各画素の画素値で張られる部分空間のそれぞれを合成した空間をもとに再現色充足率を算出する構成としてもよい。
そして、再現色域判定部75は、求めた再現色充足率が予め設定されている充足率閾値以上であるか否か、すなわち再現色域が撮像画像20の各画素の色を再現する範囲として十分か否かの判定を行う。
このとき、再現色域判定部75は、再現色充足率が予め設定されている充足率閾値以上であり、再現色域が色を再現する範囲として十分である場合、処理をステップS207へ進める。一方、再現色域判定部75は、再現色充足率が予め設定されている充足率閾値未満であり、再現色域が色を再現する範囲として十分でない場合、再現色域が十分でないことを示す合否判定情報をユーザ端末装置2-1に対して通知し、処理をステップS216へ進める。
色補正用物体認識部72は、抽出された画像の類似度が所定の数値幅である色補正用物体のテンプレート画像あるいは特徴量を有する色補正用物体が複数存在する場合、この数値幅に含まれる類似度を有する色補正用物体を手動で選択するか否かを、表示装置4-1の表示画面21に対して表示しユーザに選択させる。
このとき、色補正用物体認識部72は、ユーザが手動での選択を行わないことを選択した場合、処理をステップS208へ進める。一方、色補正用物体認識部72は、ユーザが手動での選択を行うことを選択した場合、処理をステップS214へ進める。
色補正用物体認識部72は、撮像画像20における色補正用物体の画像毎に、当該画像と最も類似度の高い色補正用物体それぞれを色補正用物体テーブルから抽出する。
分光エネルギー分布推定部73は、色補正用物体認識部72が抽出した色補正用物体の分光反射率を、色補正用物体データベース12を参照して色補正用物体テーブルから読み出す。また、分光エネルギー分布推定部73は、分光感度特性データベース13を参照して、撮像装置3-1の分光感度特性を読み出す。
そして、分光エネルギー分布推定部73は、撮像画像20が撮像された環境の第1光源701の分光エネルギー分布を、上述したように(3)式を用いて、撮像画像20の画素値が解となるように、撮像装置3-1の分光感度特性、色補正用物体の分光反射率から、重回帰分析などにより算出する。
分光画像生成部74は、分光エネルギー分布推定部73が推定した分光エネルギー分布と、撮像装置3-1の分光感度特性を用いて、撮像画像20全体または対象物Tの領域における画素の画素値から、各々に対応する分光反射率を推定する。そして、分光画像生成部74は、求めた画素毎の分光反射率に対応して、撮像画像20から所定の波長の幅からなるチャンネル毎の分光画像200を生成する。
再現色域判定部75は、標準的な色空間に対する再現色域が占める割合である色域カバー率を算出する。
そして、再現色域判定部75は、求めた色域カバー率が予め設定されている色域カバー率閾値以上であるか否か、すなわち再現色域が撮像画像20の各画素の色を再現する範囲として十分か否かの判定を行う。
このとき、再現色域判定部75は、色域カバー率が予め設定されている色域カバー率閾値以上である場合、処理をステップS213へ進め、色域カバー率が予め設定されている充足率閾値未満の場合、再現色域が十分でないことを示す合否判定情報をユーザ端末装置2-1に対して通知し、処理をステップS216へ進める。
表示画像生成部76は、分光画像(色特性情報)と、第1光源701の分光エネルギー分布(色対応情報)とにより、第1光源701の環境光下で視認される色味の撮像画像20の表示画像(第1光源701の環境下における色情報)を生成する。
そして、表示画像生成部76は、生成した表示画像をユーザ端末装置2-1に対して送信する。
また、第1光源701は、光源の一例である。また、表示画像生成部76は、色情報推定部の一例である。
ユーザ端末装置2-1は、供給される表示画像を表示装置4-1の表示画面21に表示する。これにより、ユーザは、対象物Tを第1光源701の環境光下で撮像した撮像画像20において、自身が対象物Tの実物と、表示装置4-1の表示画面21における対象物Tの画像TGとの双方を視認し、同様の色味であるか否かを確認することができる。
色補正用物体認識部72は、図9(f)に示すように、画像31、41のいずれの色補正用物体の画像の候補を表示するかを、ユーザに対して選択させる。
そして、色補正用物体認識部72は、選択された色補正用物体の画像31と所定の範囲の類似度を有する複数の色補正用物体の画像31_1、31_2及び31_3の各々を、色補正用物体の候補(候補群)として、図9(g)のように、ユーザ端末装置2-1の表示装置4-1の表示画面21に対して表示する。ここで、色補正用物体認識部72は、上記候補の各々に対して一対一対応するサムネイル画像を生成し、このサムネイル画像のそれぞれと、色補正用物体認識部72が算出した各候補の類似度とをユーザ端末装置2-1に送信する。
そして、ユーザ端末装置2-1は、表示装置4-1の表示画面21に対して、受信したサムネイル画像の各々と、それぞれのサムネイル画像に対応する候補の類似度とを組み合わせて表示させる。
そして、ユーザが候補から色補正用物体の画像を選択すると、ユーザ端末装置2-1は、ユーザが選択したサムネイル画像を示す情報、すなわち候補である複数のサムネイル画像のいずれを指定したかを示す指定情報を色補正用物体認識部72に送信する。
ユーザ端末装置2-1から、ユーザが選択したサムネイル画像を示す指定情報が入力された場合、色補正用物体認識部72は、他の種類の色補正用物体の候補の画像を表示装置4-1の表示画面21に表示し、順次、撮像画像20における色補正用物体を選択し、分光反射率を抽出する。
なお、上述の構成においてサムネイル画像の代わりに色補正用物体に一対一で対応する文字列(例えば、商品名)を用いても良い。
色補正用物体認識部72は、ユーザに対して、撮像画像20に色補正用物体が含まれていない場合、もしくは、再現色充足率(及び色域カバー率)が所定の閾値未満の場合、現時点において撮像画像20が色対応情報の生成に利用できないことを示す情報(否を示す合否判定情報)をユーザ端末装置2-1に対して送信する。
ユーザ端末装置2-1は、色補正用物体認識部72から否を示す合否判定情報を受信した場合、他の種類の色補正用物体を追加することを促す表示を、表示装置4-1の表示画面21に表示して、ユーザに対して他の種類の色補正用物体を追加することを通知する。
これにより、ユーザは、現時点において対象物Tと共に撮像されている色補正用物体に加えて、他の種類の色補正用物体を追加する。
また、色補正用物体認識部72は、色補正用物体の画像31または画像41のいずれとも、類似度が所定の範囲に含まれている画像を、色補正用物体データベース12において検索できない場合、所定の範囲に含まれていないが最も高い類似度ととともに、不可の情報をユーザ端末装置4-1に送信しても良い。
そして、ユーザ端末装置2-1は、表示装置4-1の表示画面21に類似度を表示する。ここで、ユーザは、表示装置4-1における類似度を参照し、色補正用に用いても良いか否かを判定して、判定結果をユーザ端末装置2-1から色対応情報生成システム1Aに対して送信する。
以下の色補正用物体の選択の処理の説明について、ユーザ端末装置2-1、撮像装置3-1及び表示装置4-1の各々が、ユーザ端末装置2-2、撮像装置3-2、表示装置4-2それぞれに置き換わるのみであり、ステップS302、ステップS303、ステップS304からステップS306までと、ステップS310、ステップS312及びステップS313とについては、図11に示すフローチャートにおけるステップS202、ステップS203及びステップS204からステップS206までと、ステップS210、ステップS212及びステップS213と処理自体が同様のため、説明を省略する。表示側のユーザの表示装置4-2における画像には対象物Tの画像が含まれていない。また、図12に示すフローチャートには、図11に示すフローチャートのステップS205及びステップS206に相当する、再現色充足率の生成及び判定のステップは含まれていない。
ユーザが撮像装置3-2により、第2光源702の環境光下において色補正用物体を撮像し、ユーザ端末装置2-2により、撮像した撮像画像を画像補正サーバ11Aに対して、ネットワーク5を介して送信する。
分光エネルギー分布推定部73は、色補正用物体認識部72が抽出した色補正用物体の分光反射率を、色補正用物体データベース12を参照して色補正用テーブルから読み出す。
そして、分光エネルギー分布推定部73は、撮像画像が撮像された環境の第2光源702の分光エネルギー分布を、上述したように(3)式を用いて、撮像画像の画素値が解となるように、撮像装置3-2の分光感度特性、色補正用物体の分光反射率から、第2光源702の分光エネルギー分布を重回帰分析などにより算出する。
ユーザは、ユーザ端末装置2-2により、画像補正サーバ11Aにアクセスし、分光画像の選択指示を行う。
これにより、撮像画像取得部71は、ユーザ端末装置2-2から依頼された分光画像を、記憶部77から読み出す。
再現色域判定部75は、標準的な色空間に対する再現色域が占める割合である色域カバー率を算出する。
表示画像生成部76は、画像補正サーバ11Aから供給された分光画像と、分光エネルギー分布推定部73が推定した第2光源702の分光エネルギー分布とにより、対象物Tの第2光源702の環境光下で視認される色味の撮像画像表示画像を生成する。そして、表示画像生成部76は、生成した表示画像をユーザ端末装置2-2に対して送信する。
ユーザ端末装置2-2は、供給される表示画像を表示装置4-2の表示画面21に表示する。これにより、ユーザは、対象物Tの実物を第2光源702の環境光下で視認する色味を、表示装置4-2の表示画面21における対象物Tの画像TGで観察することができる。
また、上記画像TGの生成に用いる分光画像は、図11に示すフローチャートによって従って生成される分光画像(第2色特性情報)ではなく、予め公知の方法により求められた対象物Tの分光画像であってもよく、例えば、当該対象物Tの色特性情報を上記記憶部77における商品データベースなどの所定の記憶部に書き込んで予め記憶させておいても良い。この例において、記憶部77における商品データベースには、例えば、すでに出品されている商品としての対象物Tの色特性情報が書き込まれて記憶されている。
そして、表示画像生成部76は、例えば、上述したように求められた第2光源702の分光エネルギー分布(色対応情報)と、記憶部77の商品データベースに記憶されている対象物Tの色特性情報を用いて、上述したように、対象物Tが任意の光源である第2光源702の環境下で視認される色味で観察できる表示画像を生成しても良い。
色補正用物体認識部72は、ユーザに対して、現時点において撮像画像20が色対応情報の生成に利用できないことを示す情報(否を示す合否判定情報)をユーザ端末装置2-2に対して送信する。
ユーザ端末装置2-2は、色補正用物体認識部72から否を示す合否判定情報を受信した場合、他の種類の色補正用物体を追加することを促す表示を、表示装置4-1の表示画面21に表示して、ユーザに対して他の種類の色補正用物体を追加することを通知する。
これにより、ユーザは、現時点において対象物Tと共に撮像されている色補正用物体に加えて、他の種類の色補正用物体を追加する。
また、色補正用物体認識部72は、上記候補の各々に対して一対一対応するサムネイル画像を生成し、このサムネイル画像のそれぞれをユーザ端末装置2-2に送信し、ユーザ端末装置2-2の表示装置4-2の表示画面21に対して、算出した類似度ともに表示させる。
また、色補正用物体認識部72は、色補正用物体の画像31または画像41のいずれとも、類似度が所定の範囲に含まれている画像を、色補正用物体データベース12において検索できない場合、所定の範囲に含まれていないが最も高い類似度ととともに、不可の情報をユーザ端末装置4-1に送信しても良い。
そして、ユーザ端末装置2-2は、表示装置4-2の表示画面21に類似度を表示する。ここで、ユーザは、表示装置4-2における類似度を参照し、色補正用に用いても良いか否かを判定して、判定結果をユーザ端末装置2-2から色対応情報生成システム1Aに対して送信する。
図13のフローチャートにおけるステップS301からステップS306までと、ステップS309からステップS310と、ステップS312からS314までとは、図12のフローチャートと同様のため、説明を省略する。以下、ステップS308A及びS311Aの処理について説明する。
色補正マトリクス算出部63は、(1)式及び(2)式において説明した色補正マトリクスMの作成と同様に、基準光源の環境下で視認される色味の基準RGB画像から、任意の第2光源702の環境下で視認される色味の表示用RGB画像に変換する色補正マトリクスNを生成する。ここで、色補正マトリクス算出部63は、基準RGB画像の各画素の画素値が、参照RGB画像の画素値が解となるように、色補正マトリクスNを重回帰分析などにより生成する。
表示画像生成部76は、画像補正サーバ11Aから供給された基準RGB画像と、色補正マトリクス算出部63が生成した色変換用マトリクスNとにより、第2光源702の環境光下で視認される色味の対象物Tの表示画像を生成する。そして、表示画像生成部76は、生成した表示画像をユーザ端末装置2-2に対して送信する。
ユーザ端末装置2-2は、供給される表示画像を表示装置4-2の表示画面21に表示する。これにより、図12のフローチャートの処理と同様、ユーザは、対象物Tの実物を第2光源702の環境光下で視認する色味を、表示装置4-2の表示画面21における対象物Tの画像TGで観察することができる。
このため、本実施形態によれば、ユーザが指定チャートを有している必要が無く、撮像時の光源の環境光や撮像デバイスの特性に依存せずに、特別な分光エネルギー分布を計測する計測器を有さずとも、任意の光源の環境光下における実物の色の見えに近い、対象物の画像を画面に表示することが容易に実現できる。
ベタ指定色の原色あるいは特色のインキを所定の媒体(例えば、コート紙など)に印刷する。
そして、分光反射率推定部は、印刷された着色層の測色値(吸収係数及び散乱係数)を計測し、原色あるいは特色のインキの膜厚に対応した分光反射率から、濃度階調毎の分光反射率を算出する。
そして、分光反射率推定部は、各インキの膜厚に応じた濃度階調領域毎におけるインキの重ね合わせに対応した色予測を行う。
分光反射率推定部は、重ね合わせる色と、印刷されるインキの濃度と、その順番とに対応して印刷色を予測する特色プロファイルを作成する。
分光反射率推定部は、色補正用物体にインキの印刷を行う製版データ、上述の特色プロファイ及び基準プロファイルに基づき、製版データにより印刷される色を、RGBデータで示した画像を生成する。
基準プロファイルは、sRGBやAdobeRGBなどの標準的なRGB座標系のICC(International Color Consortium)プロファイルである。
分光反射率推定部は、生成した表示画像を色補正用物体のテンプレート画像としたり、表示画像から色補正用物体の画像の形状あるいは色などの特徴量の抽出などの物体認識情報の生成処理を行う。
分光反射率推定部は、製版データに対応して、ステップS401と同様に、インキを印刷する順番に印刷色の予測を行い、それぞれのインキの濃度階調に対応した分光反射率、及びそのインキを印刷する下地の層(印刷媒体あるいはインキの層)の分光反射率から、印刷結果である複数のインキの層からなる着色層における各部分の分光反射率を、推定分光反射率として算出する。
分光反射率推定部は、推定した色補正用物体の推定分光反射率を、色補正用物体データベース12に、画像データ及び特徴量とともに書き込む。
また、画像補正サーバ11A内に分光反射率推定部を備える場合、分光反射率推定部は、推定分光反射率を書き込むのではなく、製版データ及びベタ指定色の測色値とを分光反射率情報として書き込んでおき、色補正用物体の選択の処理毎に、分光反射率を算出する構成としても良い。
このため、本実施形態においては、今回の分光エネルギー分布を推定する際に使用する場合、分光エネルギー分布の推定精度を上げるために、分光反射率が判っている色の種類が多い方が良く、上述した分光反射率を推定すれば、色補正用物体の全ての箇所の分光反射率が得られるため、容易に高い精度で分光エネルギー分布が求められ、より精度の高い分光画像を生成することが可能となる。
2-1,2-2…ユーザ端末装置
3-1,3-2…撮像装置
4-1,4-2…表示装置
5…ネットワーク
11,11A…画像補正サーバ
12…色補正用物体データベース
13…分光感度特性データベース
61,71…撮像画像取得部
62,72…色補正用物体認識部
63…色補正マトリクス算出部
64,75…再現色域判定部
65…基準RGB画像生成部
66,77…記憶部
73…分光エネルギー分布推定部
74…分光画像生成部
76…表示画像生成部
Claims (22)
- 光源の環境下で第1物体を撮像した第1画像から、色情報と、当該色情報の色の特性を示す色特性情報との対応関係を示す色対応情報を生成する色対応情報生成システムであり、
所定の複数の第1の物体のそれぞれを認識する認識情報と、当該認識情報が示す物体の前記色特性情報とが対応して格納された物体データベースと、
前記第1画像と前記認識情報とにより、前記第1画像における前記第1物体を認識し、前記第1画像における当該第1物体の画像領域と、前記第1物体に対応する色特性情報である第1色特性情報とを出力する物体認識部と、
前記画像領域に含まれる画素の前記色情報と前記第1色特性情報とから、前記色情報と前記色特性情報との対応関係である前記色対応情報を生成する色対応情報生成部と、
前記第1物体と当該第1物体とは異なる第2物体とが同一画像として撮像された前記第1画像と、または第1物体が撮像された第1画像と同一の光源下で前記第2物体が撮像された画像である第2画像と、前記色対応情報とから、前記第2物体の色特性情報である第2色特性情報を推定する色特性情報推定部と、
前記第1画像中の前記第1物体に対応する領域内の各画素の画素値がRGB空間内に張る部分空間に対し、前記第1画像または前記第2画像中の前記第2物体に対応する領域の各画素の画素値が含まれる割合である再現色充足率を生成する再現色域判定部と
を備え、
前記色特性情報が前記認識情報と一対一の対応関係にあり、または前記色特性情報が前記認識情報そのものである、
ことを特徴とする色対応情報生成システム。 - 前記所定の複数の第1物体の少なくともいずれか一つは色票と異なる物体である
ことを特徴とする請求項1に記載の色対応情報生成システム。 - 前記色票と異なる物体が、一般のユーザが入手可能な商品、当該商品のパッケージ及び容器を含む、複数の色を有する物体である
ことを特徴とする請求項2に記載の色対応情報生成システム。 - 前記色対応情報と、前記第1物体とは異なる他の物体の色特性情報とから、前記光源の環境下における前記他の物体の色情報を推定する色情報推定部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の色対応情報生成システム。 - 前記色特性情報が標準光源の環境下で撮像された一つあるいは複数の前記第1物体の色情報である基準色情報であり、
前記色対応情報が、色の変換を行なう色補正マトリクスである
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の色対応情報生成システム。 - 前記第1画像の撮像に用いた撮像装置の分光感度特性が記憶された分光感度特性データベースをさらに備え、
前記色特性情報が一つあるいは複数の前記第1物体の分光反射率であり、
前記色対応情報が、前記光源の分光エネルギー分布及び前記分光感度特性の組合せである
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の色対応情報生成システム。 - ユーザが所有するユーザ端末装置とネットワークを介して接続され、データの送受信を前記ネットワークを介して前記ユーザ端末装置と行ない、
前記ユーザ端末装置から受信する前記データが前記第1画像を含んでおり、
前記ユーザ端末装置に送信するデータが前記第1画像の使用可否を示す合否判定情報を含んでいる、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の色対応情報生成システム。 - 前記物体認識部が、前記第1物体と、前記物体データベースに登録されている各物体の認識情報との類似度を算出し、当該類似度が所定の条件を満たす複数の認識情報に一対一対応するサムネイル画像をそれぞれ生成し、
前記ユーザ端末装置に送信するデータが、前記類似度とサムネイル画像とを含んでおり、
前記ユーザ端末装置から受信するデータが、前記サムネイル画像のいずれを選択したかを示す指定情報を含み、
前記物体認識部が、前記指定情報に対応した前記認識情報の物体を選択する
ことを特徴とする請求項7に記載の色対応情報生成システム。 - 前記ユーザ端末装置に送信するデータが、前記画像領域を示す情報である画像領域情報を含む
ことを特徴とする請求項8に記載の色対応情報生成システム。 - ユーザが所有するユーザ端末装置とネットワークを介して接続され、データの送受信を前記ネットワークを介して前記ユーザ端末装置と行い、
前記ユーザ端末装置から受信する前記データが前記第1画像を含んでおり、
前記ユーザ端末装置に送信するデータが前記第1画像の使用可否を示す合否判定情報を含んでおり、
前記再現色域判定部が、前記再現色充足率が所定の閾値未満である場合、前記合否判定情報に否を示す情報を設定する
ことを特徴とする請求項5に記載の色対応情報生成システム。 - ユーザが所有するユーザ端末装置とネットワークを介して接続され、データの送受信を前記ネットワークを介して前記ユーザ端末装置と行い、
前記ユーザ端末装置から受信する前記データが前記第1画像を含んでおり、
前記ユーザ端末装置に送信するデータが前記再現色充足率を含んでいる、
ことを特徴とする請求項1に記載の色対応情報生成システム。 - 前記第1色特性情報を、所定の条件に対応させて、前記色情報である第1色情報に変換し、前記第1色情報により再現可能な色域の所定の標準とする色域に対する割合であるカバー率を生成し、当該カバー率が所定の閾値未満か否かの判定を行なう再現色域判定部をさらに備え、
前記再現色域判定部が、前記カバー率が所定の閾値未満である場合、前記合否判定情報に否を示す情報を付加する
ことを特徴とする請求項7に記載の色対応情報生成システム。 - 前記第1色特性情報を、所定の条件に対応させて、前記色情報である第1色情報に変換し、前記第1色情報により再現可能な色域の所定の標準とする色域に対する割合であるカバー率を生成する再現色域判定部をさらに備え、
前記ユーザ端末装置に送信するデータが前記カバー率を含んでいる、
ことを特徴とする請求項7に記載の色対応情報生成システム。 - 請求項7、請求項10または請求項12のいずれか一項に記載の色対応情報生成システムに接続されたユーザ端末装置としてコンピュータを機能させるプログラムであり、
前記コンピュータに、
前記色対応情報生成システムに前記第1画像を送信するステップ、
前記色対応情報生成システムから前記合否判定情報を受信するステップ
を実行させるプログラム。 - 前記コンピュータに、
前記合否判定情報が否を示している場合、前記第1画像における第1物体とはことなる物体を新たに加えて撮影することをユーザに対して勧告するステップ
を実行させる請求項14に記載のプログラム。 - 請求項8に記載の色対応情報生成システムに接続されたユーザ端末装置としてコンピュータを機能させるプログラムであり、
前記コンピュータに、
前記色対応情報生成システムから前記第1物体と類似する候補物体の画像のサムネイル画像と、当該候補物体と第1物体との類似度情報とを受信するステップ、
前記サムネイル画像と当該サムネイル画像に対応する前記候補物体の類似度とをユーザに提示するステップ、
前記候補物体のいずれを選択したかを示す指定情報を前記色対応情報生成システムに送信するステップ
を実行させるプログラム。 - 請求項9に記載の色対応情報生成システムに接続されたユーザ端末装置としてコンピュータを機能させるプログラムであり、
前記コンピュータに、
前記色対応情報生成システムから前記第1物体の前記画像領域を受信するステップ、
前記第1画像において前記画像領域の示す範囲をマーキングしてユーザに提示するステップ
を実行させるプログラム。 - 請求項11に記載の色対応情報生成システムに接続されたユーザ端末装置としてコンピュータを機能させるプログラムであり、
前記コンピュータに、
前記色対応情報生成システムから前記再現色充足率を受信するステップと、
前記再現色充足率をユーザに提示するステップ
を実行させるプログラム。 - 請求項13に記載の色対応情報生成システムに接続されたユーザ端末装置としてコンピュータを機能させるプログラムであり、
前記コンピュータに、
前記色対応情報生成システムから前記カバー率を受信するステップと、
前記カバー率をユーザに提示するステップ
を実行させるプログラム。 - 請求項7に記載の色対応情報生成システムとユーザが所有するユーザ端末装置とによる色対応情報生成方法であり、
前記色対応情報生成システムが前記ユーザ端末装置とネットワークを介して接続され、データの送受信を前記ネットワークを介して前記ユーザ端末装置と行ない、
前記色対応情報生成システムが前記ユーザ端末装置から受信する前記データには前記第1画像が含まれており、
前記色対応情報生成システムが前記ユーザ端末装置に送信するデータには、前記第1画像の使用可否を示す合否判定情報、前記第1画像中の前記第1物体に対応する領域内の各画素の画素値がRGB空間内に張る部分空間に対し、前記第1画像または前記第2画像中の前記第2物体に対応する領域の各画素の画素値が含まれる割合である再現色充足率、前記第1色特性情報を所定の条件に対応させて変換した第1色情報により再現可能な色域の所定の標準とする色域に対する割合であるカバー率のいずれかが含まれている
ことを特徴とする色対応情報生成方法。 - 前記物体認識部が、前記第1物体と、前記物体データベースに登録されている各物体の認識情報との類似度を算出し、当該類似度が所定の条件を満たす複数の認識情報に一対一対応するサムネイル画像をそれぞれ生成し、
前記色対応情報生成システムが、前記類似度とサムネイル画像とを含んだデータを前記ユーザ端末装置に送信し、
前記ユーザ端末装置が、前記色対応情報生成システムから受信した、前記第1物体と類似する候補物体の画像のサムネイル画像と、当該候補物体と第1物体との類似度情報をユーザに提示し、
前記ユーザ端末装置が、前記サムネイル画像のいずれを選択したかを示す指定情報を含むデータを前記色対応情報生成システムに送信し、
前記物体認識部が、前記指定情報に対応した前記認識情報の物体を選択する
ことを特徴とする請求項20に記載の色対応情報生成方法。 - 前記色対応情報生成システムが、前記画像領域を示す情報である画像領域情報を含むデータを前記ユーザ端末装置に送信し、
前記ユーザ端末装置が、像領域情報を含むデータを受信し、前記第1画像において前記画像領域の示す範囲をマーキングしてユーザに提示する
ことを特徴とする請求項20または請求項21に記載の色対応情報生成方法。
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