以下、入力処理装置が各決済装置の状態情報を収集する必要のないチェックアウトシステムの実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、量販店等の店舗に構築されたセミセルフ方式のチェックアウトシステムについて例示する。このシステムにおいては、入力処理装置の一態様である商品登録装置を店員が操作し、決済装置を買物客が操作する。
図1は、本実施形態におけるチェックアウトシステム10の模式図である。チェックアウトシステム10は、複数台の商品登録装置11と、商品登録装置11よりも台数の多い決済装置12とを含む。商品登録装置11および決済装置12は、店舗のチェックアウトレーン毎に配置される。
図1においては、2台の商品登録装置11と6台の決済装置12とを2つのチェックアウトレーンに配置した場合を示している。図1においては、1つのチェックアウトレーンに対して1台の商品登録装置11と3台の決済装置12とが配置されている。チェックアウトシステム10が、商品登録装置11および決済装置12をそれぞれ何台含むかは任意である。また、チェックアウトレーンに配置される商品登録装置11と決済装置12との台数の比も任意である。
商品登録装置11は、チェッカと呼ばれる役割を担った店員21が、その操作者となる。決済装置12は、店舗で販売される商品を購入する買物客22が、その操作者となる。なお、決済装置12は、店員21により操作される場合もある。
商品登録装置11は、図1においては、作業テーブル23に取り付けられる。作業テーブル23は、矩形の天板を有する。複数の作業テーブル23が、天板の長手方向がほぼ並行するように配置されることにより、買物客22用の通路(チェックアウトレーン)が形成される。
商品登録装置11は、買上商品の登録処理、決済情報の生成、決済処理、ならびに決済情報の決済装置12への送信の各機能を備える。登録処理は、通路に進入してきた買物客22が持参した商品を買上商品として登録する処理である。決済処理は、商品の売買行為である取引を決済するための処理である。決済情報は、決済処理に必要となる情報である。
決済装置12は、商品登録装置11から決済情報を受信した場合に、当該決済情報に基づく決済処理を行う。
図2は、商品登録装置11および決済装置12の要部回路構成を示すブロック図である。商品登録装置11および決済装置12は、いずれもネットワークであるLAN(local area network)13に接続されている。ネットワークは、LAN13に代えて、インターネットや無線LANなどの別の通信網を用いることもできる。あるいは商品登録装置11と決済装置12との間でサーバを介して情報を授受する構成としてもよい。
商品登録装置11は、CPU(central processing unit)11a、ROM(read-only memory)11b、RAM(random-access memory)11c、補助記憶ユニット11d、ドロワ開放ユニット11e、スキャナ11f、タッチパネル11g、プリンタ11h、カードリーダライタ11i、通信ユニット11jおよび伝送システム11kを含む。
CPU11a、ROM11b、RAM11cおよび補助記憶ユニット11dは、伝送システム11kにより接続されてコンピュータを構成する。
CPU11aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU11aは、ROM11bおよびRAM11cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、商品登録装置11としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
ROM11bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM11bは、上記オペレーティングシステムを記憶する。ROM11bは、上記ミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM11bは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM11cは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
補助記憶ユニット11dは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット11dは、CPU11aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU11aでの処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット11dとしては、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などを使用できる。
ROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。商品登録装置11の譲渡は一般的に、制御プログラムがROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶された状態にて行われる。しかし、制御プログラムがROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶されない状態で、商品登録装置11が譲渡される場合もある。この場合には、制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して譲渡される。あるいはネットワークを介して制御プログラムが譲渡され、この制御プログラムが上記の別途に譲渡された商品登録装置11の補助記憶ユニット11dに書き込まれてもよい。
ドロワ開放ユニット11eは、貨幣を収容するためのドロワを自動的に開放する。
スキャナ11fは、商品の情報を読み取って、当該商品の商品コードを得る。スキャナ11fとしては、周知の種々のタイプのものをそのまま利用できる。スキャナ11fは、周知の種々のタイプうちの1つのみに対応していてもよいし、複数のタイプに対応していてもよい。すなわちスキャナ11fは、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナを含み得る。またスキャナ11fとしては、商品の画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプのものを含み得る。
タッチパネル11gは、表示デバイスおよびタッチセンサを含む。表示デバイスは、その表示画面を、GUI画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU11aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
プリンタ11hは、レシート用紙に対して各種の文字列や画像などを印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタ11hとしては、例えばサーマルプリンタやドットインパクトプリンタなどを利用できる。
カードリーダライタ11iは、カードに記録されたデータを読み取る機能と、上記カードへデータを書き込む機能とを有する。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカードやポイントカードなどと称される会員カードを含み得る。会員カードは、少なくともそのカードを所有する会員を識別するための情報を記録する。カードリーダライタ11iは、磁気式、接触式、あるいは非接触式のいずれのデバイスであってもよいし、また複数種のデバイスを含んでいてもよい。
通信ユニット11jは、LAN13を介して接続される複数の決済装置12とデータ通信を行う。通信ユニット11jは、他の商品登録装置11とLAN13を介してデータ通信を行うこともできる。
伝送システム11kは、CPU11a、ROM11b、RAM11c、補助記憶ユニット11d、ドロワ開放ユニット11e、スキャナ11f、タッチパネル11g、プリンタ11h、カードリーダライタ11iおよび通信ユニット11jの間で授受されるデータを伝送する。伝送システム11kは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
このような商品登録装置11のハードウェアとしては、例えば既存の対面販売方式に対応したPOS端末を利用することが可能である。
決済装置12は、CPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、自動釣銭機12e、スキャナ12f、タッチパネル12g、プリンタ12h、カードリーダライタ12i、通信ユニット12jおよび伝送システム12kを含む。
CPU12a、ROM12b、RAM12cおよび補助記憶ユニット12dは、伝送システム12kにより接続されてコンピュータを構成する。
CPU12aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU12aは、ROM12bおよびRAM12cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、決済装置12としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
ROM12bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM12bは、上記オペレーティングシステムを記憶する。ROM12bは、上記ミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM12bは、CPU12aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM12cは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM12cは、CPU12aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM12cは、CPU12aが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
補助記憶ユニット12dは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット12dは、CPU12aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU12aでの処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット12dとしては、例えばEEPROM、HDD、あるいはSSDなどを使用できる。
ROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。決済装置12の譲渡は一般的に、制御プログラムがROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶された状態にて行われる。しかし、制御プログラムがROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶されない状態で、決済装置12が譲渡される場合もある。この場合には、制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して譲渡される。あるいはネットワークを介して制御プログラムが譲渡され、この制御プログラムが上記の別途に譲渡された決済装置12の補助記憶ユニット12dに書き込まれてもよい。
自動釣銭機12eは、投入される硬貨および紙幣を収受する。また自動釣銭機12eは、釣銭としての硬貨および紙幣を排出する。
スキャナ12fは、商品の情報を読み取って、当該商品の商品コードを得る。スキャナ12fとしては、周知の種々のタイプのものをそのまま利用できる。スキャナ12fは、周知の種々のタイプうちの1つのみに対応していてもよいし、複数のタイプに対応していてもよい。すなわちスキャナ12fは、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナを含み得る。またスキャナ12fとしては、商品の画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプのものを含み得る。
タッチパネル12gは、表示デバイスおよびタッチセンサを含む。表示デバイスは、その画面を、GUI画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU12aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
プリンタ12hは、レシート用紙に対して各種の文字列や画像などを印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタとしては、例えばサーマルプリンタやドットインパクトプリンタなどを利用できる。
カードリーダライタ12iは、カードに記録されたデータを読み取る機能と、上記カードへデータを書き込む機能とを有する。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカードやポイントカードなどと称される会員カードを含み得る。会員カードは、少なくともそのカードを所有する会員を識別するための情報を記録する。カードリーダライタ12iは、磁気式、接触式、あるいは非接触式のいずれのデバイスであってもよいし、また複数種のデバイスを含んでいてもよい。
通信ユニット12jは、LAN13を介して接続される複数の商品登録装置11とデータ通信を行う。通信ユニット12jは、他の決済装置12とLAN13を介してデータ通信を行うこともできる。
伝送システム12kは、CPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、自動釣銭機12e、スキャナ12f、タッチパネル12g、プリンタ12h、カードリーダライタ12iおよび通信ユニット12jの間で授受されるデータを伝送する。伝送システム12kは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
このような決済装置12のハードウェアとしては、例えば既存のセルフ方式に対応したPOS端末を利用することが可能である。
図3は、商品登録装置11のRAM11cに形成される主要なメモリ領域を示す模式図である。図3において、メモリ領域31は、商品コード、商品名、単価、個数および金額の各データからなるレコードを複数格納する領域である。商品コードは、各商品を個々に識別するための固有のコードである。各商品には、例えばバーコードによって表される商品コードが付されている。商品名および単価は、同一レコードの商品コードによって特定される商品の名称および1点当たりの価格である。個数および金額は、同一レコードの商品コードによって特定される商品の販売データ、すなわち販売個数とその個数分の販売金額である。
チェックアウトシステム10は、図示しないが、LAN13を介してデータベースサーバを接続する。このデータベースサーバには、各商品の商品コードに関連付けて、商品名、単価等の商品情報を設定するための商品データベースがある。商品登録装置11において、商品コードが取得されると、CPU11aは、その商品コードでデータベースサーバに商品情報を問い合わせる。この問合せを受けたデータベースサーバは、商品データベースにアクセスして、商品データベースから当該商品コードに関連付けられた商品情報を読出し、LAN13を介して商品登録装置11に通知する。商品登録装置11のCPU11aは、データベースサーバから通知された商品情報をメモリ領域31に格納する。以下では、メモリ領域31を登録商品テーブル31と称する。
メモリ領域32は、合計個数と合計金額とを格納する領域である。合計個数は、登録商品テーブル31に格納された各レコードに示された個数の合計である。合計金額は、登録商品テーブル31に格納された各レコードに示された金額の合計である。以下では、メモリ領域32を合計テーブル32と称する。
図4は、決済装置12のRAM12cに形成される主要なメモリ領域を示す模式図である。図4において、メモリ領域41は、商品登録装置11から受信した決済情報を一時的に格納する領域である。メモリ領域41は、処理用決済バッファ41-0と称される領域と、待機1から待機Nまでの識別データがそれぞれ割り当てられたN(N>1)個の待機用決済バッファ41-1~41-Nと称される領域となる。処理用決済バッファ41-0および各待機用決済バッファ41-1~41-Nは、いずれも前記決済情報を格納可能である。
メモリ領域42は、待機中カウンタnの領域である。待機中カウンタnは、初期値が“0”であり、CPU12aの作用によって“1”ずつカウントアップまたはカウントダウンする。
図5は、商品登録装置11のCPU11aが、制御プログラムにしたがって実行する制御処理の主要な手順を示す流れ図である。図6および図7は、その制御処理によって商品登録装置11のタッチパネル11gに表示される種々の画面例を示す模式図である。図8は、決済装置12のCPU12aが、制御プログラムにしたがって実行する制御処理の主要な手順を示す流れ図である。図9および図10は、その制御処理によって決済装置12のタッチパネル12gに表示される種々の画面例を示す模式図である。以下、これらの図を用いて、チェックアウトシステム10の動作について説明する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
はじめに、商品登録装置11の動作について説明する。
商品登録装置11が、買上商品の登録処理を行うモードで起動されると、CPU11aは、図5の流れ図に示す手順の制御処理を開始する。先ずCPU11aは、登録商品テーブル31および合計テーブル32をクリアする(Act1)。次いでCPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部に登録画面SC1(図6を参照)を表示させる(Act2)。
登録画面SC1は、登録商品テーブル31aおよび合計テーブル32aの内容を表し、登録処理の実施状況を店員21に確認させるものである。登録画面SC1の一例を図6に示す。登録画面SC1は、表示エリアR1、R2を含む。表示エリアR1は、最も新しく買上登録がなされた商品に関する商品名、個数および単価と、その商品を登録した後の買上商品の合計個数および合計金額とを表示する。表示エリアR2は、登録画面SC1に示された商品よりも前に買上登録がなされた商品に関する商品名、個数、単価および金額のリストを表示する。
なお、図示は省略するが、CPU11aは、タッチパネル11gの画面のうちの登録画面SC1とする領域外に、店員21が商品を指定するための商品ボタンや、小計ボタンなどの各種の機能ボタンを表示する。
登録画面SC1が表示された状態で、店員21は、例えばスキャナ11fや商品ボタンを操作して、買物客22が買い上げる商品の商品コードを順次入力する。そして、全ての買上商品の商品コードを入力し終えると、店員21は、小計ボタンにタッチする。
登録画面SC1を表示させたCPU11aは、買上登録すべき商品の商品コードが取得されるのを待ち受ける(Act3)。スキャナ11fまたは商品ボタンを介して入力された商品コードを取得すると(Act3にてYES)、CPU11aは、その商品コードに関連付けられて商品データベースに設定されている商品名、単価等の商品情報を検出する。またCPU11aは、この単価に販売個数を乗算して販売金額を算出する。そしてCPU11aは、商品コード、商品名、単価、販売個数および販売金額を含む商品販売データを1レコードとして、登録商品テーブル31aに登録する(Act4)。またCPU11aは、販売個数および販売金額を合計テーブル32aに加算する。そしてCPU11aは、登録商品テーブル31aおよび合計テーブル32aの内容に準じるように、登録画面SC1を更新する(Act5)。
登録画面SC1を更新した後、CPU11aは、買上登録すべき商品の商品コードが取得されたか否かを確認する(Act6)。商品コードが取得されていない場合(Act6にてNO)、CPU11aは、小計ボタンがタッチされたか否かを確認する(Act7)。小計ボタンがタッチされていない場合(Act7にてNO)、CPU11aは、再び商品コードが取得されたか否かを確認する(Act6)。したがってCPU11aは、Act6およびAct7として、商品コードが取得されるか、小計ボタンがタッチされるのを待ち受ける。なおCPU11aは、ここでの待ち受けにおいて、他の操作が行われるなどの他の事象の発生を確認し、その発生事象に応じた処理に移行するようにしてもよい。
Act6およびAct7の待ち受け状態において、商品コードが取得されると(Act6にてYES)、CPU11aは、Act4の処理に戻る。そしてCPU11aは、それ以降の処理を前述したのと同様に繰り返す。
Act6およびAct7の待ち受け状態において、小計ボタンがタッチされたならば(Act7にてYES)、CPU11aは、この時点における登録商品テーブル31aおよび合計テーブル32aの内容に基づいて決済情報を生成する(Act8:生成手段)。そしてCPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部に送信画面SC2(図7を参照)を表示させる(Act9)。
送信画面SC2の一例を図7に示す。送信画面SC2は、表示エリアR3およびR4と、ボタンB1、B2、B3およびB4とを含む。表示エリアR3は、合計テーブル32aの合計個数および合計金額を表示する。表示エリアR4は、種々のメッセージを表示する。ボタンB1、B2は、合計金額に対して値引きを適用することを店員21が指定するためのものである。ボタンB3は、タッチパネル11gの画面の一部領域を登録画面SC1に戻すことを店員21が指定するためのものである。ボタンB4は、決済情報を決済装置12に送信することを店員21が指定するためのものである。以下の説明において、ボタンB3は戻るボタンB3と称し、ボタンB4は送信ボタンB4と称する。
送信画面SC2を表示させると、CPU11aは、戻るボタンB3が操作されたか否かを確認する(Act10)。戻るボタンB3が操作されていない場合(Act10にてNO)、CPU11aは、送信ボタンB4が操作されたか否かを確認する(Act11)。送信ボタンB4が操作されていない場合(Act11にてNO)、CPU11aは、再び、戻るボタンB3が操作されたか否かを確認する(Act10)。したがってCPU11aは、Act10およびAct11として、戻るボタンB3または送信ボタンB4が操作されるのを待ち受ける。なおCPU11aは、ここでの待ち受け状態において、他の操作が行われるなどの他の事象の発生を確認し、その発生事象に応じた処理に移行するようにしてもよい。例えば、ボタンB1、B2のいずれかが店員21によりタッチされると、CPU11aは、決済情報に含まれる合計金額を、その後の店員21による指示に応じて変更する。
Act10およびAct11の待ち受け状態において、戻るボタンB3が操作されると(Act10にてYES)、CPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部領域を登録画面SC1に戻す(Act12)。その後、CPU11aは、Act6の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。
Act10およびAct11の待ち受け状態において、送信ボタンB4が操作されると(Act11にてYES)、CPU11aは、自らを搭載した商品登録装置11と同一のチェックアウトレーンに配置されている全ての決済装置12に対して並列的に決済情報を送信する(Act13:配信手段)。
具体的にはCPU11aは、自らを搭載した商品登録装置11と同一のチェックアウトレーンに配置されている全ての決済装置12にそれぞれ設定された通信アドレスを送信先アドレスとし、自らに設定された通信アドレスを送信元アドレスとして、決済情報をLAN13へと送信するように通信ユニット11jを制御する。これにより、決済装置12毎に送信先アドレスおよび送信元アドレスが設定された決済情報が構成され、各決済情報がLAN13を介して送信される。このときCPU11aは、各決済装置12に対して同時に決済情報を送信してもよいし、決済装置12毎に時間をずらして時系列に送信してもよい。これらの決済情報は、送信先アドレスが通信アドレスと一致する決済装置12にて受信される。決済情報を受信した決済装置12は、その決済情報の送信元アドレスを記憶することで、決済情報の送信元である商品登録装置11を特定できる。
決済情報を送信すると、CPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部に、報知画面を表示させる(Act14)。報知画面は、決済情報を決済装置12に送信したことを店員に知らしめる画面である。報知画面には、画面を閉じることを店員21が指示するためのボタンが表示されており、CPU11aは、このボタンがタッチされたことに応じて、1取引に対する情報処理を終了する。その後CPU11は、Act1から処理を再開する。
報知画面を確認した店員21は、買物客22に対し、同じチェックアウトレーン内に設置されている3台の決済装置12のいずれでもよいので、決済を行うべき旨を告知する。この告知を受けた買物客22は、空いている決済装置12へと移動し、決済のための操作を行う。
そこで次に、決済装置12の動作について説明する。
決済装置12が起動されると、CPU12aは、図8の流れ図に示す手順の制御処理を開始する。先ずCPU12aは、メモリ領域42の待機中カウンタnを“0”に初期化する(Act21)。またCPU12aは、タッチパネル12gの画面を待機画面とする(Act22)。待機画面は、決済処理を行う状況にないことを表すものであり、どのような情報を表すかは任意であって良い。例えば待機画面は、決済処理を行うことができないことを表すメッセージを表すものや、スクリーンセーバーとして広告などを表す任意の画像を表示するものとすることが想定される。
なお、Act21とAct22の処理手順は、図8に示す手順に限定されるものではない。例えば先にAct22の処理を実行し、後からAct21の処理を実行してもよい。
Act21およびAct22の処理を終了すると、CPU12aは、決済情報を受信するのを待ち受ける(Act23)。
前述したように商品登録装置11のCPU11aは、図5のAct13の処理において、通信ユニット11jからLAN13へと決済情報を送信する。この決済情報は、送信元の商品登録装置11と同じチェックアウトレーンに配置されている全ての決済装置12に設けられた通信ユニット12jにて受信される。
決済情報を受信すると(Act23にてYES)、CPU12aは、待機中カウンタnを “1”だけカウントアップする(Act24)。そしてCPU12aは、受信した決済情報を、待機n(nは待機中カウンタnの値)を識別データとする待機用決済バッファ41-nに格納する(Act25:格納手段)。その後、CPU12aは、タッチパネル12gの画面の一部に開始受付画面SC3(図9を参照)を表示させる(Act26)。
開始受付画面SC3の一例を図9に示す。開始受付画面SC3は、表示エリアR5およびR6と、ボタンB5およびB6とを含む。表示エリアR5は、決済装置12を操作する買物客22に対する操作ガイダンスを表示する。表示エリアR6は、待機1を識別データとする待機用決済バッファ41-1に格納された決済情報に含まれる合計個数および合計金額を表示する。ボタンB5は、決済の開始を買物客22が指定するためのものである。ボタンB6は、店員の呼び出しを買物客22が指定するためのものである。以下の説明において、ボタンB5は決済開始ボタンB5と称し、ボタンB6は店員呼出ボタンB6と称する。
開始受付画面SC3を表示させると、CPU12aは、決済開始ボタンB5が操作されたか否かを確認する(Act27:受付手段)。決済開始ボタンB5が操作されていない場合(Act27にてNO)、CPU12aは、ネットワーク13を介して接続されている他の決済装置12からクリアコマンドを受信したか否かを確認する(Act28)。クリアコマンドを受信していない場合(Act28にてNO)、CPU12aは、再び、決済開始ボタンB5が操作されたか否かを確認する(Act27)。したがってCPU12aは、Act27およびAct28として、決済開始ボタンB5が操作されるか、クリアコマンドを受信するのを待ち受ける。なおCPU12aは、ここでの待ち受け状態において、他の操作が行われるなどの他の事象の発生を確認し、その発生事象に応じた処理に移行するようにしてもよい。例えば、店員呼出ボタンB6が買物客22によりタッチされると、CPU12aは、決済装置12と同じチェックアウトレーンに設置されている商品登録装置11に対して店員呼出コマンドを送信するように通信ユニット12jを制御する。
Act27およびAct28の待ち受け状態において、決済開始ボタンB5が操作されると(Act27にてYES)、CPU12aは、待機1を識別データとする待機用決済バッファ41-1に格納されている決済情報を処理用決済バッファ41-0に移動させる(Act29)またCPU12aは、自らが搭載される決済装置12と同じチェックアウトレーンに設置されている他の決済装置12に対してクリアコマンドを送信するように通信ユニット12jを制御する(Act30:指令手段)。
具体的にはCPU12aは、他の決済装置12にそれぞれ設定された通信アドレスを送信先アドレスとし、自らに設定された通信アドレスを送信元アドレスとして、クリアコマンドをLAN13へと送信するように通信ユニット12jを制御する。これにより、他の決済装置12毎に送信先アドレスおよび送信元アドレスが設定されたクリアコマンドが構成され、各クリアコマンドがLAN13を介して送信される。これらのクリアコマンドは、送信先アドレスが通信アドレスと一致する決済装置12にて受信される。クリアコマンドを受信した決済装置12は、そのクリアコマンドの送信元アドレスを記憶することで、クリアコマンドの送信元である決済装置12を特定できる。
なお、Act29とAct30の処理手順は、図8に示す手順に限定されるものではない。例えば先にAct30の処理を実行し、後からAct29の処理を実行してもよい。
Act29およびAct30の処理を終了すると、CPU12aは、タッチパネル12gの画面の一部に決済画面SC4(図10を参照)を表示させる(Act31)。
決済画面SC4の一例を図10に示す。決済画面SC4は、表示エリアR7およびR8と、ボタンB7、B8およびB9とを含む。表示エリアR7は、決済装置12を操作する買物客22に対する操作ガイダンスを表示する。表示エリアR8は、処理用決済バッファ41-0に格納されている決済情報に含まれる合計個数および合計金額を表示する。ボタンB7は、支払い方法が現金であることを買物客22が指定するためのものである。ボタンB8は、支払い方法が電子マネーであることを買物客22が指定するためのものである。ボタンB9は、店員21を呼び出すことを買物客22が指定するためのものである。以下の説明において、ボタンB7は現金ボタンB7と称し、ボタンB8は電子マネーボタンB8と称し、ボタンB9は店員呼出ボタンB9と称する。
決済画面SC4を確認した買物客22は、現金で支払うのか電子マネーで支払うのかを決める。そして現金で支払う場合には、現金ボタンB7にタッチし、自動釣銭機12eに合計金額以上の現金を投入する。一方、電子マネーで支払う場合には、電子マネーボタンB8にタッチし、電子マネーカードのデータをカードリーダライタ12iに読み取らせる。
決済画面SC4を表示させたCPU12aは、現金ボタンB7または電子マネーボタンB8がタッチされるのを待ち受ける。そして現金ボタンB7または電子マネーボタンB8がタッチされると、CPU12aは、そのタッチされたボタンによって選択された支払い方法による決済処理を実行する(Act32:決済手段)。すなわち、現金ボタンB7がタッチされた場合には、CPU12aは、現金支払いに対する決済処理を実行する。電子マネーボタンB8がタッチされた場合には、CPU12aは、電子マネー支払いに対する決済処理を実行する。これらの決済処理については、既存のセルフPOS端末において周知の事項であるので、ここでの説明は省略する。
なお、決済方法は、現金または電子マネーに限定されるものではない。例えばクレジットカード、商品券などの金券等での決済方法についても、決済装置12は対応できるものである。
決済処理が終了すると、CPU12aは、レシート発行処理を実行する(Act33)。すなわちCPU12aは、処理用決済バッファ41-0に格納されている決済情報に基づいてレシートの印刷データを編集する。そしてCPU12aは、プリンタ12hを動作させて、レシートを発行させる。レシートが発行されると、CPU12aは、Act35の処理へと進む。
一方、Act27およびAct28の待ち受け状態において、通信ユニット12jにてクリアコマンドを受信すると(Act28にてYES)、CPU12aは、待機1を識別データとする待機用決済バッファ41-1に格納されている決済情報をクリアする(Act34:クリア手段)。したがって、開始受付画面SC3の表示エリアR6に表示されていた合計個数および合計金額が消去される。その後、CPU12aは、Act35の処理へと進む。
Act35では、CPU12aは、待機2を識別データとする待機用決済バッファ41-2に決済情報が格納されているか否かを確認する。決済情報が格納されていない場合(Act35にてNO)、CPU12aは、Act37の処理に進む。決済情報が格納されていた場合には(Act35にてYES)、CPU12aは、待機2,待機3…,待機Nをそれぞれ識別データとする待機用決済バッファ41-2~41-Nに格納されている決済情報を、識別データの番号が“1”だけ小さい待機用決済バッファ41-1~41-(N-1)に順次シフトする(Act36)。その後、CPU12aは、Act37の処理に進む。
Act37では、CPU12aは、待機中カウンタnを“1”だけカウントダウンする。そしてCPU12aは、待機中カウンタnが初期値“0”になったか否かを確認する(Act38)。待機中カウンタnが初期値“0”でない場合、すなわち待機中カウンタnが“1”以上の場合には(Act38にてNO)、CPU12aは、Act26の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。待機中カウンタnが初期値“0”であった場合には(Act38にてYES)、CPU12aは、Act22の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。
このように本実施形態のチェックアウトシステム10においては、商品登録装置11にて店員21による買上商品の登録作業が終了して、店員21が送信画面SC2の送信ボタンB4にタッチすると、その買上商品の販売データを含む決済情報が、商品登録装置11と同一のチェックアウトレーンに配置されている全ての決済装置12に配信される。したがって、自らが買い上げる商品の登録作業を終えた買物客22は、決済情報が配信された全ての決済装置12において、その買上商品の決済が可能となる。そこで買物客は、同一のチェックアウトレーンに配置されている決済装置12のうち、空いているいずれかの決済装置12を操作して決済を行う。以下に、このような作用を、具体例を挙げて説明する。
はじめに、決済中の買物客が一人もいないチェックアウトレーンを想定する。なお、このチェックアウトレーンには3台の決済装置12(12-1,12-2,12-3)が配置されているものとする。
このようなチェックアウトレーンにおいて、1人目の買物客22-1が会計に来た場合、店員21は、商品登録装置11を操作して、買物客22-1が買い上げる商品を登録する。そして、登録を終えると、店員21は、送信ボタンB4にタッチする。そうすると、買物客22-1に対する決済情報が、商品登録装置11から各決済装置12-1,12-2および12-3にそれぞれ配信される。
各決済装置12-1,12-2および12-3では、待機1を識別データとする待機用決済バッファ41-1に決済情報がそれぞれ格納される。また各決済装置12-1,12-2および12-3では、タッチパネル12gに開始受付画面SC3が表示され、この画面の表示エリアR6に、この決済情報に含まれる合計点数と合計金額とが表示される。
店員21は、買物客22-1に対し、決済装置12-1,12-2および12-3を操作して決済を行うように指示する。このとき店員は、空いている決済装置12-1,12-2および12-3であればどの装置を操作してもよいことを伝える。
決済の指示を受けた買物客22-1は、空いている決済装置、例えば決済装置12-1の前に移動し、そのタッチパネル12gに表示されている決済開始ボタンB5にタッチする。このとき買物客22-1は、自らが買い上げる商品の合計点数と合計金額とが表示エリアR6に表示されていることを確認することができる。すなわち買物客22-1は、自らの取引に対する決済が可能であることを認識できる。
買物客22-1が決済開始ボタンB5にタッチすると、決済装置12-1では、待機1を識別データとする待機用決済バッファ41-1に格納されていた決済情報が処理用決済バッファ41-0に移される。その結果、決済装置12-1では、この決済情報に係る決済処理、レシート発行処理等が可能となる。買物客22-1は、現金、電子マネー等を利用して決済を行う。
また、買物客22-1が決済開始ボタンB5にタッチすると、決済装置12-1から同じチェックアウトレーンに設置されている他の決済装置12-2,12-3に対してクリアコマンドが送信される。このクリアコマンドを受信した他の決済装置12-2,12-3では、待機1を識別データとする待機用決済バッファ41-1に格納されていた決済情報がクリアされる。したがって、買物客22-1が購入した商品について、他の決済装置12-2,12-3で決済が行われることはない。
次いで、2人目の買物客22-1が会計に来た場合、店員21は、商品登録装置11を操作して、買物客22-2が買い上げる商品を登録する。そして、登録を終えると、店員21は、送信ボタンB4にタッチする。そうすると、買物客22-2に対する決済情報が、商品登録装置11から各決済装置12-1,12-2および12-3にそれぞれ配信される。この決済情報は、各決済装置12-1,12-2および12-3においては、待機1を識別コードとする待機用決済バッファ41-1に格納される。
ここで、買物客22-1が決済装置12-1を操作してまだ決済を行っていたと仮定する。その場合、決済処理が行われていない決済装置12-2および12-3において、タッチパネル12gに開始受付画面SC3が表示され、この画面の表示エリアR6に、待機用決済バッファ41-1に格納された決済情報に含まれる合計点数と合計金額とが表示される。決済中の決済装置12-1においては、タッチパネル12gに開始受付画面SC3が表示されない。
店員21は、買物客22-2に対し、決済装置12-1,12-2および12-3を操作して決済を行うように指示する。このとき店員は、空いている決済装置12-1,12-2および12-3であればどの装置を操作してもよいことを伝える。
決済の指示を受けた買物客22-2は、空いている決済装置、例えば決済装置12-2の前に移動し、そのタッチパネル12gに表示されている決済開始ボタンB5にタッチする。このとき買物客22-2は、自らが買い上げる商品の合計点数と合計金額とが表示エリアR6に表示されていることを確認することができる。
買物客22-2が決済開始ボタンB5にタッチすると、決済装置12-2では、待機1を識別データとする待機用決済バッファ41-1に格納されていた決済情報が処理用決済バッファ41-0に移される。その結果、決済装置12-2では、この決済情報に係る決済処理、レシート発行処理等が可能となる。買物客22-1は、現金、電子マネー等を利用して決済を行う。
また、買物客22-2が決済開始ボタンB5にタッチすると、決済装置12-2から同じチェックアウトレーンに設置されている他の決済装置12-1,12-3に対してクリアコマンドが送信される。このクリアコマンドを受信した他の決済装置12-1,12-3では、待機1を識別データとする待機用決済バッファ41-1に格納されていた決済情報がクリアされる。したがって、この買物客22-2が購入した商品について、他の決済装置12-1,12-3で決済が行われることはない。
ところで、二人目の買物客22-2が決済開始ボタンB5にタッチする前に、店員21によって3人目の買物客22-3が買い上げる商品の登録作業を終え、送信ボタンB4がタッチされた場合、この買物客22-3に対する決済情報が決済装置12-1,12-2および12-3にそれぞれ配信される。この決済情報は、各決済装置12-1,12-2および12-3においては、待機2を識別コードとする待機用決済バッファ41-2に格納される。このとき、空いている決済装置12-3のタッチパネル12gには、二人目の買物客22-2に対する開始受付画面SC3が表示されているので、買物客22-3は、画面が切り替わるのを待機する。二人目の買物客22-2に対する開始受付画面SC3か否かは、表示エリアR6の内容によって識別可能である。
その後、二人目の買物客22-2が決済装置12-2において決済開始ボタンB5にタッチすると、前述したように、決済装置12-2から他の決済装置12-1,12-3に対してクリアコマンドが送信される。また、決済装置12-2では、待機1を識別コードと待機用決済バッファ41-1内の決済情報が処理用決済バッファ41-0に移される。その結果、各決済装置12-1,12-2,12-3では、三人目の買物客22-3に対する決済情報が待機2を識別コードとする待機用決済バッファ41-2から待機1を識別コードとする待機用決済バッファ41-1に移される。
ここで、まだ、一人目及び二人目の買物客22-1,22-2の決済が完了していないとすると、決済処理が行われていないのは決済装置12-3だけである。したがって、決済装置12-3においてのみ、タッチパネル12gに開始受付画面SC3が表示される。そして、この画面SC3の表示エリアR6には、三人目の買物客22-3に対する決済情報に含まれる合計点数と合計金額とが表示される。
店員21は、買物客22-3に対し、決済装置12-1,12-2および12-3を操作して決済を行うように指示する。このとき店員は、空いている決済装置12-1,12-2および12-3であればどの装置を操作してもよいことを伝える。
決済の指示を受けた買物客22-3は、空いている決済装置12-3の前に移動し、そのタッチパネル12gに表示されている決済開始ボタンB5にタッチする。このとき買物客22-3は、自らが買い上げる商品の合計点数と合計金額とが表示エリアR6に表示されていることを確認することができる。
買物客22-3が決済開始ボタンB5にタッチすると、決済装置12-3では、待機1の待機用決済バッファ41-1に格納されていた決済情報が処理用決済バッファ41-0に移される。その結果、決済装置12-2では、この決済情報に係る決済処理、レシート発行処理等が可能となる。買物客22-3は、現金、電子マネー等を利用して決済を行う。
このように本実施形態のチェックアウトシステム10によれば、商品登録装置11は、各決済装置12の状態如何に係らず、決済情報を全ての決済装置12に送信する。したがって、商品登録装置11が各決済装置12の状態を監視するために、決済装置12から状態情報(ステータス)を収集し分析する情報分析機能が不要となる。
また、商品登録装置11を操作する店員21が、空いている決済装置12を探す手間もなくなるので、店員21の作業効率を高めることができる。また、店員が誤って意図しない決済装置12へ決済情報を送信してしまうミスもなくなる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば前記実施形態では、1つのチェックアウトレーンを1単位とし、そのレーンに配置されている商品登録装置11が、同じレーンに配置されている全ての決済装置12に対して決済情報を配信する場合を示した。この点については、例えば隣接する2つのチェックアウトレーンを1単位とし、各々のレーンにそれぞれ配置されている商品登録装置11が、その隣接するレーンに配置されている全ての決済装置12に対して決済情報を配信するようにしてもよい。
この場合、各決済装置12のRAM12cに形成される待機用決済バッファ41-1~41-Nを、第1レーン用と第2レーン用の2種類とする。また、開始受付画面SC3に、第1レーン用の決済開始ボタンB5と第2レーン用の決済開始ボタンB5とが表示されるようにする。そして各決済装置12のCPU12aは、隣接する2つのチェックアウトレーンのうち一方のレーン(第1レーンとする)の商品登録装置11から配信された決済情報は第1レーン用の待機用決済バッファ41-1~41-Nに格納し、他方のレーン(第2レーンとする)の商品登録装置11から配信された決済情報は第2レーン用の待機用決済バッファ41-1~41-Nに格納する。そして、第1レーン用の決済開始ボタンB5がタッチされた場合には、CPU12aは、第1レーン用の待機1を識別コードとする待機用決済バッファ41-1内の決済情報を処理用決済バッファ41-0に移す。第2レーン用の決済開始ボタンB5がタッチされた場合には、CPU12aは、第2レーン用の待機1を識別コードとする待機用決済バッファ41-1内の決済情報を処理用決済バッファ41-0に移す。
このような構成を採用することで、隣接する2つのチェックアウトレーンを1単位とする運用を適用することができる。
また前記実施形態では、決済装置12において、決済を行う買物客22が決済開始ボタンB5にタッチすることで、操作者(買物客)による決済開始の指示入力を受け付ける場合を示した。指示入力を受け付ける手段は、これに限定されるものではない。例えば、図8のAct26の処理において、CPU12aは、開始受付画面SC3の代わりに決済画面SC4をタッチパネル12gに表示させる。そして、Act27の処理において、現金ボタンB7または電子マネーボタンB8がタッチされると、CPU12aは、Act29,Act30,Act32,Act33の処理を実行する。このように制御プログラムを変更してもよい。この場合、決済開始ボタンB5にタッチする操作が不要となるので、買物客22の操作を簡略化できるメリットがある。
また前記実施形態では、商品の売買行為を取引として説明したが、取引は、商品の売買行為を伴わないものであってもよい。例えば、施設の利用料、貸出品のレンタル料などの役務(サービス)提供に対して料金が発生する取引についても、本発明のチェックアウトシステムは適用できるものである。
この他、本発明に関していくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]入力処理装置と複数台の決済装置とをネットワークで接続してなり、前記入力処理装置は、取引に係るデータの入力を待ち受け、入力されたデータを基に、前記取引に対する決済情報を生成する生成手段と、前記ネットワークを介して前記決済情報を2台以上の前記決済装置に並列的に配信する配信手段と、を具備し、前記各決済装置は、前記入力処理装置から前記ネットワークを介して配信される前記決済情報を受信し、記憶領域に格納する格納手段と、操作者による決済開始の指示入力を受け付ける受付手段と、前記指示入力を受け付けたことに応じて、前記記憶領域に格納された前記決済情報の決済を処理する決済手段と、前記指示入力を受け付けたことに応じて、前記ネットワークで接続される他の決済装置に前記決済情報のクリアを指令する指令手段と、前記ネットワークで接続される他の決済装置から前記クリアの指令を受けたならば前記記憶領域に格納されている前記決済情報をクリアするクリア手段と、を具備したことを特徴とするチェックアウトシステム。
[2]前記格納手段は、前記決済情報を受信時点の早い順に前記記憶領域に順次格納し、前記決済手段は、前記記憶領域に格納される前記決済情報のうち受信時点が最も早い決済情報の決済を処理し、前記クリア手段は、前記記憶領域に格納される前記決済情報のうち受信時点が最も早い決済情報をクリアする、ことを特徴とする付記[1]記載のチェックアウトシステム。
[3]取引に係るデータの入力を待ち受け、入力されたデータを基に、前記取引に対する決済情報を生成する生成手段、および、2台以上の決済装置に前記決済情報を並列的に配信する配信手段を備えた入力処理装置とネットワークで接続されてチェックアウトシステムを構成する決済装置であって、前記入力処理装置から前記ネットワークを介して配信される前記決済情報を受信し、記憶領域に格納する格納手段と、操作者による決済開始の指示入力を受け付ける受付手段と、前記指示入力を受け付けたことに応じて、前記記憶領域に格納された前記決済情報の決済を処理する決済手段と、前記指示入力を受け付けたことに応じて、前記ネットワークで接続される他の決済装置に前記決済情報のクリアを指令する指令手段と、前記ネットワークで接続される他の決済装置から前記クリアの指令を受けたならば前記記憶領域に格納されている前記決済情報をクリアするクリア手段と、を具備したことを特徴とする決済装置。
[4]前記格納手段は、前記決済情報を受信時点の早い順に前記記憶領域に格納し、前記決済手段は、前記記憶領域に格納される前記決済情報のうち受信時点が最も早い決済情報の決済を処理し、前記クリア手段は、前記記憶領域に格納される前記決済情報のうち受信時点が最も早い決済情報をクリアする、ことを特徴とする付記[3]記載の決済装置。 [5]複数台の付記[3]または付記[4]に記載の決済装置とネットワークで接続されてチェックアウトシステムを構成する入力処理装置であって、取引に係るデータの入力を待ち受け、入力されたデータを基に、前記取引に対する決済情報を生成する生成手段と、2台以上の前記決済装置に対し、前記ネットワークを介して前記決済情報を並列的に配信する配信手段と、を具備したことを特徴とする入力処理装置。
[6]取引に係るデータの入力を待ち受け、入力されたデータを基に、前記取引に対する決済情報を生成する生成手段、および、ネットワークで接続された2台以上の決済装置に前記決済情報を並列的に配信する配信手段を備えた入力処理装置とチェックアウトシステムを構成する決済装置のコンピュータに、前記入力処理装置から前記ネットワークを介して配信される前記決済情報を受信し、記憶領域に格納する機能、操作者による決済開始の指示入力を受け付けたことに応じて、前記記憶領域に格納された前記決済情報の決済を処理する機能、前記指示入力を受け付けたことに応じて、前記ネットワークで接続される他の決済装置に前記決済情報のクリアを指令する機能、および、前記ネットワークで接続される他の決済装置から前記クリアの指令を受けたならば前記記憶領域に格納されている前記決済情報をクリアする機能、を実現させるための制御プログラム。