図1は、実施形態に係る使い捨ておむつを肌対向面側から見た模式平面図(その1)である。
図2は、実施形態に係る使い捨ておむつを肌対向面側から見た模式平面図(その2)である。
図3は、図1に示すA-A線に沿った模式断面図である。
図4は、伸長状態における図1に示すB-B線に沿った模式断面図である。
図5は、自然状態における図1に示すB-B線に沿った模式断面図である。
図6は、図5を基準とした断面における着用状態を模式的に示した図である。
図7は、実施形態に係る変更例(その1)を説明するための模式図である。
図8は、実施形態に係る各変更例(その2からその4)を説明するための模式図である。
図9は、実施形態に係る変更例(その5)を説明するための模式図である。
図10は、実施形態に係る各変更例(その6からその8)を説明するための模式図である。
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
一態様に係る使い捨ておむつは、使い捨ておむつは、互いに直交する前後方向及び幅方向と、前胴回り域及び後胴回り域からなる2つの胴回り域と、及び前記2つの胴回り域の間に配置された股下域と、吸収コアと、前記2つの胴回り域の少なくとも一方の胴回り域に配置されているウエストバンドと、を有する。股下域側に向かって開口する空間が形成される。前記空間の少なくとも肌対向面側には前記ウエストバンドが配置されている。前記ウエストバンドには、前記使い捨ておむつの肌対向面側から視認可能なデザインが設けられている。
本態様によれば、ウエストバンドには、肌対向面側から視認可能なデザインが設けられているため、装着者が使い捨ておむつを着用者に装着する際に、デザインに目が留まり、当該デザインが設けられたウエストバンドを認識し易くなる。装着者が、ウエストバンドを認識することで、ウエスト開口からの排泄物の漏れに対する不安感を低減でき、装着者に安心感を与えることができる。また、装着者がウエストバンドを認識している場合には、ウエストバンドが不適切に折れ曲がった状態であることに気付き易くなる。装着者は、ウエストバンドが不適切に折れ曲がった状態である場合には、ウエストバンドが適切な状態となるように直すことで、股下域側に向かって開口する空間が、ウエスト開口側に移動する排泄物を収容するポケットとして適切に機能する。これにより、ウエスト開口から排泄物が漏れ出することを抑制できるため、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
好ましい一態様によれば、使い捨ておむつは、前記吸収コアの外側縁よりも前記幅方向の外側に延びるサイドフラップを有してよい。前記ウエストバンドが配置された前記胴回り域において、前記サイドフラップが前記吸収コアと重なるように、前記使い捨ておむつの前記前後方向の端縁から前記股下域側に向かって延びる折り目を基点として、前記使い捨ておむつが折られている状態において、前記ウエストバンドが配置された前記胴回り域の肌対向面側から前記デザインが視認可能であってよい。使用前の使い捨ておむつは、サイドフラップが肌対向面側からウエストバンドに重なるように、使い捨ておむつが折られている状態である。装着者は、サイドフラップがウエストバンドに重ならないようにサイドフラップを展開してから、使い捨ておむつを着用者に装着させる。装着者は、サイドフラップが折られている状態でデザインを視認可能である。従って、サイドフラップを展開する前からデザインに目が留まり易くなるため、当該デザインが設けられたウエストバンドを装着者が認識し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
好ましい一態様によれば、使い捨ておむつは、前記使い捨ておむつが折られている状態において、前記ウエストバンドは、前記厚さ方向において前記サイドフラップと前記ウエストバンドとが重なる領域である重複領域と、前記厚さ方向において前記サイドフラップと前記ウエストバンドとが重ならない領域である非重複領域と、を有してよい。前記使い捨ておむつが折られている状態において、前記デザインが前記非重複領域に設けられてよい。装着者は、サイドフラップが肌対向面側からウエストバンドに重なるように、使い捨ておむつが折られている状態でデザインを直接的に視認することができ、サイドフラップを展開する前からデザインに目が留まり易くなる。従って、当該デザインが設けられたウエストバンドを装着者が認識し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
好ましい一態様によれば、前記使い捨ておむつが折られている状態において、前記厚さ方向において前記サイドフラップと前記ウエストバンドとが重なる領域である重複領域を有してよい。前記使い捨ておむつが折られている状態において、前記サイドフラップは、前記重複領域において前記ウエストバンドよりも前記肌対向面側の部分である重複部分を有してよい。前記重複部分は、光透過性を有してよい。前記使い捨ておむつが折られている状態において、前記デザインが前記重複領域に設けられてよい。装着者は、サイドフラップが肌対向面側からウエストバンドに重なるように使い捨ておむつが折られている状態で光透過性を有する重複部分からデザインを視認することができ、サイドフラップを展開する前からデザインに目が留まり易くなる。従って、当該デザインが設けられたウエストバンドを装着者が認識し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
好ましい一態様によれば、前記ウエストバンドは、前記幅方向に伸縮するバンド伸縮領域を有してよい。前記デザインは、前記バンド伸縮領域に設けられてよい。装着者は、使い捨ておむつを着用者に装着する際に、使い捨ておむつの両側を幅方向に引っ張って伸長させることによって、バンド伸縮領域が幅方向に伸長し、バンド伸縮領域に設けられたデザインも伸長する。これにより、装着者が、ウエストバンドの身体へのフィット性を感じることができるため、ウエスト開口からの排泄物の漏れに対する不安感を低減でき、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
好ましい一態様によれば、使い捨ておむつは、前記吸収コアを含み、かつ前記ウエストバンドよりも非肌対向面側に配置されている部材により構成される本体部を有してよい。前記ウエストバンドは、前記本体部に接合された接合部と、前記本体部に接合されていない非接合部と、を有してよい。前記非接合部は、着用者の肌に当接する肌当接面を有する肌当接部を有してよい。前記デザインは、前記肌当接部に設けられてよい。ウエストバンドの中でも、着用者の肌に当接する肌当接面を有する肌当接部は、最も肌対向面側に位置するため、装着者は、肌当接部を視認し易い。視認し易い肌当接部にデザインが設けられているため、デザインをより認識し易くなる。従って、当該デザインが設けられたウエストバンドを装着者がより認識し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
好ましい一態様によれば、前記肌当接部は、前記空間の肌対向面側に配置されてよい。排泄物は、ポケットとして機能する空間に収容されるため、ウエスト開口から排泄物が漏れることを抑制できるものの、乳幼児の排泄物(軟便)は水分が多いため、排泄物が、当該空間の肌対向面側に配置されている部分から滲み出ることがある。排泄物の滲み出しにより、装着者が漏れに対する不安を感じ易い。ここで、デザインは、ポケットとして機能する空間の肌対向面側に配置されているため、当該空間に収容された排泄物が肌対向面側に滲み出したとしても、排泄物がデザインと重なり、目立ち難くなる。従って、装着者は、使用後の排泄物の滲み出しに気付き難くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感をさらに与え易くなる。
好ましい一態様によれば、前記ウエストバンドは、前記幅方向に延びる折り目を基点として折り返されてよい。前記非接合部は、前記本体部に対して起立する起立部をさらに有してよい。前記起立部は、前記ウエストバンドの折り返されていない部分であってよい。前記肌当接部は、前記ウエストバンドの折り返されている部分であり、かつ前記起立部よりも肌対向面側に配置されてよい。起立部が起立することによって、デザインが設けられている肌当接部が装着者に近づき、デザインをより認識し易くなる。加えて、装着者がウエストバンドを立体的に視認することができる。従って、ウエストバンドを装着者がより認識し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感をさらに与える易くなる。
好ましい一態様によれば、前記起立部は、液不透過性のフィルム層を有してよい。前記起立部は、前記空間の非肌対向面側又は前記空間の肌対向面側に配置されてよい。液不透過性のフィルム層を有する起立部が空間の非肌対向面側又は肌対向面側に配置されているため、ポケットとして機能する空間に収容された排泄物が、フィルム層が配置されている側から滲み出すことを抑制することができる。使用後の排泄物の滲み出しを抑制することで、装着者に漏れ不安に対する安心感をさらに与え易くなる。
好ましい一態様によれば、使い捨ておむつは、前記吸収コアを含み、かつ前記ウエストバンドよりも非肌対向面側に配置されている部材により構成される本体部を有してよい。前記ウエストバンドは、前記本体部に接合された接合部と、前記本体部に接合されていない非接合部と、を有してよい。前記デザインは、前記接合部に設けられてよい。排泄物は、ポケットとして機能する空間に収容されるため、ウエスト開口から排泄物が漏れることを抑制できるものの、乳幼児の排泄物(軟便)は水分が多いため、排泄物が接合部から滲み出ることがある。デザインは、接合部に設けられているため、排泄物が滲み出したとしても、排泄物がデザインと重なることによって、目立ち難くなる。従って、装着者は、使用後の排泄物の滲み出しに気付き難くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感をさらに与え易くなる。
好ましい一態様によれば、前記接合部は、液不透過性のフィルム層を有してよい。デザインによって排泄物を目立ち難くするだけでなく、排泄物が接合部から滲み出すことを抑制することができる。使用後の排泄物の滲み出しを抑制することで、装着者に漏れ不安に対する安心感をさらに与え易くなる。
好ましい一態様によれば、使い捨ておむつは、前記吸収コアを含み、かつ前記ウエストバンドよりも非肌対向面側に配置されている部材により構成される本体部を有してよい。前記ウエストバンドは、前記本体部に接合された接合部と、前記本体部に接合されていない非接合部と、を有してよい。前記デザインは、前記非接合部に設けられる第1デザインと、前記接合部に設けられる第2デザインと、を有してよい。前記デザインの種類が、前記第1デザインと第2デザインとで異なってよい。デザインの種類が異なるため、装着者は、デザインに目が留まり易くなる。従って、当該デザインが設けられたウエストバンドを装着者が認識し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。加えて、排泄物が滲み出したとしても、排泄物がデザインと重なることによって、目立ち難くなる。従って、装着者は、使用後の排泄物の滲み出しに気付き難くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感をさらに与え易くなる。さらに、装着者は、デザインの違いによって、接合部と非接合部とを容易に識別し易くなる。非接合部の部分が排泄物を収容するポケットとして機能するため、装着者が、排泄物の収容空間をより視覚的に把握し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感をさらに与え易くなる。
好ましい一態様によれば、使い捨ておむつは、前記吸収コアを含み、かつ前記ウエストバンドよりも非肌対向面側に配置されている部材により構成される本体部を有してよい。前記本体部は、前記吸収コアよりも肌対向面側に位置する肌面側シートを有してよい。前記肌面側シートは、表面シートと、前記表面シートの両外側部を覆う一対のサイドシートと、を有してよい。前記一対のサイドシートのそれぞれは、前記前後方向に延びる防漏弾性部材の収縮によって起立する収縮部を有する防漏ギャザーを構成してよい。前記ウエストバンドは、前記デザインが設けられるデザイン領域を有してよい。前記幅方向において、前記デザイン領域は、少なくとも前記一対のサイドシートの間を跨がってよい。排泄物は、ポケットとして機能する空間に収容されるため、ウエスト開口から排泄物が漏れることを抑制できるものの、乳幼児の排泄物(軟便)は水分が多いため、排泄物が当該空間から滲み出ることがある。防漏ギャザーは、収縮部の起立によって、排泄物が幅方向へ漏れ出ることを抑制するものであるため、防漏ギャザーの幅方向の内側において排泄物がウエスト開口側へ移動し易く、特に、防漏ギャザーに接触し難い中央付近(すなわち、一対のサイドシートの間)において排泄物がウエスト開口側へ最も移動し易い。デザイン領域は、排泄物がウエスト開口側へ最も移動し易い領域に跨がっているため、当該空間に収容された排泄物が滲み出したとしても、滲み出した排泄物がデザインと重なり易くなり、目立ち難くなる。従って、装着者は、使用後の排泄物の滲み出しに気付き難くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感を与え易くなる。
好ましい一態様によれば、前記ウエストバンドは、前記幅方向に伸縮する弾性部材と、前記弾性部材よりも肌対向面側に配置されており、かつ前記デザインが設けられているフィルム層と、を有してよい。デザインが設けられているフィルム層は、弾性部材よりも肌対向面側に配置されているため、装着者は、弾性部材に阻害されることなく、デザインを視認することができる。従って、当該デザインが設けられたウエストバンドを装着者が認識し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
(2)使い捨ておむつの全体概略構成
以下、図面を参照して、実施形態に係る使い捨ておむつについて説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
使い捨ておむつは、テープ型の使い捨ておむつである。図1は、実施形態に係る使い捨ておむつ10の肌対向面側から見た模式平面図(その1)である。図2は、実施形態に係る使い捨ておむつ10の肌対向面側から見た模式平面図(その2)である。なお、図1では、見易くするために、図2のウエストバンド80のデザインが省略されている。図3は、図1に示す使い捨ておむつのA-A断面に沿った模式断面図である。図3に示す模式断面図では、説明の便宜上、各部材を厚さ方向Tにおいて離間して示しているが、実際の製品においては厚さ方向Tに接している。図1から図3は、伸長状態の使い捨ておむつを示している。なお、本発明における伸長状態とは、使い捨ておむつ10を皺が形成されない状態まで伸長させた状態である。また、本発明における自然状態とは、パッケージに収容されている使い捨ておむつ10にあっては、パッケージから使い捨ておむつ10を取り出し、20℃±2℃、相対湿度60%±5%RHの雰囲気下において24時間放置した状態である。図4は、伸長状態における図1に示すB-B線に沿った模式断面図である。図5は、自然状態における図1に示すB-B線に沿った模式断面図である。図6は、図5に示す断面を基準とした着用状態を示す図である。図6に示すBLは、着用者の身体のラインを示している。
使い捨ておむつ10は、互いに直交する前後方向L及び幅方向Wを有する。前後方向Lは、身体前側と身体後側とに延びる方向によって規定される。言い換えると、前後方向Lは、展開された使い捨ておむつ10において前後に延びる方向である。また、使い捨ておむつ10は、前後方向Lと幅方向Wの両方の直交する厚さ方向Tを有する。厚さ方向Tは、着用者側に向かう肌対向面側T1と、肌対向面側と反対側の非肌対向面側T2と、に延びる。
使い捨ておむつ10は、前胴回り域S1と、後胴回り域S2と、股下域S3と、を有する。前胴回り域S1は、着用者の前胴回り(腹部)に対向する領域である。後胴回り域S2は、着用者の後胴回り(背部)に対向する領域であり、装着時に身体(臀部)が載せられる領域を含む。股下域S3は、着用者の股下に位置し、前胴回り域S1と後胴回り域S2との間に配置された領域である。従って、股下域S3は、前胴回り域S1及び後胴回り域S2からなる2つの胴回り域の間に配置されている。股下域S3は、着用者の脚回りに配置される脚回り開口部65が設けられた領域である。脚回り開口部65は、使い捨ておむつ10の外側縁から幅方向の内側に凹む部分である。
使い捨ておむつ10は、本体部11と後述するウエストバンド80とからなる。本体部11は、ウエストバンド80よりも非肌対向面側T2に配置されている部材により構成される。従って、本体部11は、使い捨ておむつ10を構成する部材のうち、ウエストバンド80を除いた部材により構成されている。本体部11は、後述する吸収コア31を含んでいる。
本体部11は、前胴回り域S1において前後方向Lの外側(前側)に位置する外端縁である前端縁11Fと、後胴回り域S2において前後方向Lの外側(後側)に位置する外端縁である後端縁11Rと、を有する。
使い捨ておむつ10は、吸収材料を含む吸収コア31を含む。吸収コア31は、粉砕パルプもしくは高吸収性ポリマー(SAP)、又はこれらの混合物等の吸収材料を含む。吸収コア31は、図示しないコアラップによって覆われてよい。吸収コア31とコアラップによって吸収体が構成されてよい。コアラップは、テッシュ又はSMS不織布によって構成され、吸収コア31の肌対向面側T1と吸収コア31の非肌対向面側T2に配置されてよい。
図3に示すように、使い捨ておむつ10は、吸収コア31よりも肌対向面側T1に位置する肌面側シート20を有する。肌面側シート20は、吸収コア31を覆い、かつ使い捨ておむつ10の全体に亘って配置されている。本実施形態の肌面側シート20は、表面シート21と一対のサイドシート22を含む。なお、コアラップを有する使い捨ておむつにあっては、肌面側シート20は、コアラップよりも肌対向面側T1に位置するシートである。表面シート21は、吸収コア31の幅方向Wの中心を跨いで配置されてよい。一対のサイドシート22は、表面シート21の両外側部を覆うように配置されてよい。表面シート21及びサイドシート22は、例えば不織布や開孔プラスチックフィルムのような透液性シートによって構成されていてよい。
サイドシート22の内側部は、折り返されて重なってよい。重なったサイドシート22間には、前後方向Lに延びる防漏弾性部材61が設けられてよい。防漏弾性部材61は、前後方向Lに伸縮する。防漏弾性部材61は、前後方向Lに伸縮する糸ゴムによって構成されてよい。サイドシート22は、防漏弾性部材61の収縮によって肌対向面側T1に起立する。一対のサイドシート22は、防漏ギャザー60を構成する。防漏ギャザー60は、防漏弾性部材61の収縮によって起立する収縮部63を有する。防漏ギャザー60は、収縮部63の起立支点となる防漏基端縁64を有する。防漏基端縁64は、第1防漏基端縁641と第2防漏基端縁642とを有する。
第1防漏基端縁641は、収縮部63よりも幅方向Wの外側において収縮部63の起立支点となる。第1防漏基端縁641は、収縮部63よりも幅方向の外側においてサイドシート22と表面シート21が接合された領域の内側縁である。第2防漏基端縁642は、収縮部63よりも前後方向Lの両外側において収縮部63の起立支点となる。第2防漏基端縁642は、収縮部63よりも前後方向Lの両外側においてサイドシート22と表面シート21が接合された領域の内端縁である。
収縮部63は、サイドシート22が表面シート21に接合されてなく、防漏弾性部材61によって収縮可能な部分であり、非伸長状態の防漏弾性部材61が配置された部分を含まない。収縮部63の前後方向の範囲を図1に示す。
ここで、本発明における外側部とは、幅方向Wにおける外側の縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、外側縁とは、幅方向Wにおける外側の縁である。また、内側部とは、幅方向Wにおける内側の縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、内側縁とは、幅方向Wにおける内側の縁である。
使い捨ておむつ10は、吸収コア31よりも非肌対向面側T2に位置する非肌面側シート25を有する。非肌面側シート25は、吸収コア31を覆い、かつ使い捨ておむつ10の全体に亘って配置されている。本実施形態の非肌面側シート25は、裏面シート23と外装シート24を含む。なお、コアラップを有する使い捨ておむつにあっては、非肌面側シート25は、コアラップよりも非肌対向面側T2に位置するシートである。裏面シート23は、液不透過性のシートであり、ポリエチレンシート、ポリプロピレン等を主体としたラミネート不織布、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。外装シート24は、裏面シート23の非肌対向面側T2に設けられてよい。外装シート24は、液透過性の不織布によって構成されてよい。裏面シート23の幅方向Wの長さは、外装シート24の幅方向Wの長さよりも短く、裏面シート23の前後方向Lの長さは、外装シート24の前後方向Lの長さよりも短くてよい。
後胴回り域S2には、ファスニングテープ90が設けられている。ファスニングテープ90は、ベース部92と係止部93を有する。ベース部92の少なくとも一部は、肌面側シート20と非肌面側シート25の間に接合され、かつ肌面側シート20と非肌面側シート25から幅方向Wの外側に延出する。係止部93は、ベース部92上に設けられ、ターゲット部95(図1参照)に着脱可能に止着される。ファスニングテープ90は、後胴回り域S2において幅方向Wに沿って延び、ターゲット部95に止着されることにより、使い捨ておむつ10を着用者の身体に保持する。ターゲット部95は、前胴回り域S1に配置されており、ファスニングテープ90がそれぞれ止着するように構成されている。
使い捨ておむつ10は、2つの胴回り域(前胴回り域S1及び後胴回り域S2)の少なくとも一方の胴回り域に配置されているウエストバンド80を有する。本実施の形態では、ウエストバンド80は、後胴回り域S2に配置されている。ウエストバンド80は、本体部11の肌対向面側T1に配置されている。ウエストバンド80は、肌面側シート20の肌対向面側T1に配置されている。ウエストバンド80は、着用時に肌面側シート20から浮き上がる。これにより、ウエストバンド80が少なくとも肌対向面側T1に配置されている空間(図5及び図6の収容空間AS)が形成される。本実施形態では、収容空間ASの肌対向面側T1にウエストバンド80が配置されており、収容空間ASの非肌対向面側T2に本体部11(肌面側シート20)が配置されている。収容空間ASは、股下域S3側に向かって開口する。収容空間ASは、ウエスト開口66側に移動する排泄物を収容するポケットとして機能する。これにより、ウエスト開口66から排泄物が漏れることを抑制できる。ウエストバンド80の構成については、後述にて詳細に説明する。ウエスト開口66は、使い捨ておむつ10の後端縁10Rと前端縁10Fによって構成され、ファスニングテープ90がターゲット部95に止着した状態で腰回りを囲む部分である。
図2に示すように、ウエストバンド80には、使い捨ておむつ10の肌対向面側T1から視認可能なデザインが設けられている。従って、ウエストバンド80は、デザインが設けられるデザイン領域DRを有している。
デザインは、使い捨ておむつ10の肌対向面側T1から、伸長状態において視認可能であってよいし、自然状態において視認可能であってよい。
ウエストバンド80には、使い捨ておむつ10の肌対向面側T1から視認可能なデザインが設けられているため、装着者が使い捨ておむつ10を着用者に装着する際に、デザインに目が留まり、当該デザインが設けられたウエストバンド80を認識し易くなる。装着者が、ウエストバンド80を認識することで、ウエスト開口66からの排泄物の漏れに対する不安感を低減でき、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。また、装着者がウエストバンド80を認識している場合には、ウエストバンド80が不適切に折れ曲がった状態であることに気付き易くなる。装着者は、ウエストバンド80が不適切に折れ曲がった状態である場合には、ウエストバンド80が適切な状態となるように直すことで、股下域S3側に向かって開口する収容空間ASが、ウエスト開口66側に移動する排泄物を収容するポケットとして適切に機能する。これにより、ウエスト開口66から排泄物が漏れ出することを抑制できるため、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
なお、本発明における「視認可能」とは、昼白色(色温度目安 4600~5400 K(ケルビン))で明るく照明された室内(目安:500~750 lx(ルクス))で約30~50cmの距離で、良好な視力(1.0以上)を両眼に有する被験者が対象物を見たときに視認できる事を意味している。
デザインは、模様(図形及び色の組み合わせ)によって構成される。例えば、デザインは、図2に示すように、前後方向Lに延びる縦縞により構成されてよい。これにより、ウエストバンド80が幅方向Wに伸縮可能に構成されている場合、ウエストバンド80が幅方向Wに伸長することによって、縦縞も伸長し、縦縞の幅方向の長さが変化する。これにより、装着者が、ウエストバンドの身体へのフィット性を感じることができるため、ウエスト開口からの排泄物の漏れに対する不安感を低減でき、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
デザインは、幅方向Wに延びる横縞、丸形、星型、ハート型などの少なくともいずれかにより構成されてよい。
デザインには、本体部11を構成する部材が有する色よりも濃い色が用いられてもよく、本体部11を構成する部材(肌面側シート20、非肌面側シート25等)が有する色の数よりも多い数の色が用いられてもよい。これにより、ウエストバンド80が目立ち易くなり、デザインに装着者の目が留まり、当該デザインが設けられたウエストバンドを認識し易くなる。また、デザインの色が濃い色及び/又はデザインの色が複数の色であることにより、収容空間ASに収容された排泄物が目立ち難くなる。装着者に漏れ不安に対する安心感を与え易くなる。また、収容空間ASに収容された排泄物が滲み出したとしても、滲み出した排泄物が、デザインと重なったり、デザインに隣接したりすることにより、目立ち難くなる。従って、装着者は、使用後の排泄物の滲み出しに気付き難くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感をさらに与え易くなる。
デザインは、ウエストバンド80を構成する部材(不織布、又はフィルムなど)に印刷されることによって設けられてよい。また、デザインは、ウエストバンド80を構成する有色の部材(不織布、フィルムなど)によって設けられてよい。有色の部分がデザインを構成してよい。また、デザインは、例えば、ハート型、星型等のデザイン性を有するヒートシールをウエストバンド80へ接合することによって設けられてよい。デザインは、ウエストバンド80を賦形加工することによって設けられてよい。賦形加工によって、例えば、波線、ドット線により模様や図形がウエストバンド80に描かれてよい。
また、図2に示すように、幅方向Wにおいて、デザイン領域DRは、少なくとも一対のサイドシート22の間を跨がってよい。排泄物は、ポケットとして機能する収容空間ASに収容されるため、ウエスト開口66から排泄物が漏れることを抑制できるものの、乳幼児の排泄物(軟便)は水分が多いため、排泄物が収容空間ASから滲み出ることがある。排泄物の滲み出しにより、装着者が漏れに対する不安を感じ易い。防漏ギャザー60は、収縮部63の起立によって、排泄物が幅方向Wへ漏れ出ることを抑制するものであるため、防漏ギャザー60の幅方向Wの内側において排泄物がウエスト開口66側へ移動し易く、特に、防漏ギャザー60に接触し難い中央付近(すなわち、一対のサイドシート22の間)において排泄物がウエスト開口66側へ最も移動し易い。デザイン領域DRは、排泄物がウエスト開口66側へ最も移動し易い領域に跨がっているため、収容空間ASに収容された排泄物が滲み出したとしても、滲み出した排泄物がデザインと重なり易くなり、目立ち難くなる。従って、装着者は、使用後の排泄物の滲み出しに気付き難くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感を与え易くなる。
サイドシート22と裏面シート23の間、又はサイドシート22と外装シート24との間には、前後方向Lに延びる脚回り弾性部材42が設けられてよい。脚回り弾性部材42は、前後方向Lに伸縮する帯状の伸縮シートによって構成されてよい。脚回り弾性部材42の収縮によって、着用時に使い捨ておむつ10が脚回りにフィットする。脚回り弾性部材42は、吸収コア31よりも幅方向Wの外側において、少なくとも股下域S3において脚回り開口部65に沿って配置されている。脚回り弾性部材42は、外装シート24とサイドシート22の間、及び裏面シート23とサイドシート22の間に配置されている。
サイドシート22と裏面シート23との間、及びサイドシート22と外装シート24の間には、幅方向Wに延びる腰回り弾性部材45が設けられてよい。腰回り弾性部材45は、幅方向Wに伸縮する略矩形の伸縮シートによって構成されてよい。腰回り弾性部材45は、肌面側シート20と非肌面側シート25の間に接合されている。より詳細には、図3に示すように、腰回り弾性部材45は、幅方向Wに伸長した状態で、吸収コア31と非肌面側シート25の間、又は肌面側シート20と非肌面側シート25の間に接合されている。腰回り弾性部材45の収縮によって、着用時に使い捨ておむつ10が腰回りにフィットする。腰回り弾性部材45は、少なくとも後胴回り域S2に配置されている。本実施形態において、腰回り弾性部材45は、厚さ方向Tおいて吸収コア31と重なっている。従って、腰回り弾性部材45の前端縁45Fは、吸収コア31の後端縁よりも前側に位置しており、腰回り弾性部材45の後端縁45Rは、吸収コア31の前端縁よりも後側に位置している。
使い捨ておむつ10は、吸収コア31の外側縁31Eよりも幅方向Wの外側に延びるサイドフラップ16を有する。サイドフラップ16は、ファスニングテープ90を含む。
(3)ウエストバンドの構成
次いで、ウエストバンド80の構成について詳細に説明する。図4から図6に示すように、ウエストバンド80は、複数のシートが積層されたシート層81と、シート層81に接合されたバンド弾性部材82と、を有してよい。本実施形態のウエストバンド80のシート層81は、第1不織布層811と、第2不織布層812と、第1不織布層811と第2不織布層812の間に配置されたフィルム層813と、を含んでよい。第1不織布層811と第2不織布層812は、同一の不織布が折り返されることによって、同一の不織布により構成されている。第1不織布層811は、ウエストバンド80において最も肌面側シート20側に位置している。
バンド弾性部材82は、幅方向Wに伸縮する。バンド弾性部材82は、糸状又は帯状の弾性部材によって構成され、幅方向Wに伸長した状態で、シート層81に固定されている。バンド弾性部材82は、第1不織布層811と液不透過性のフィルム層813との間に固定されている。バンド弾性部材82は、前後方向Lに間隔を空けて複数配置されている。バンド弾性部材82は、後述する肌当接部851と起立部852とにおいて、それぞれ複数配置されてよい。
ウエストバンド80は、幅方向Wに伸縮可能に構成されている。ウエストバンド80は、バンド弾性部材82によって幅方向に伸縮するように構成されていてもよいし、シート層81が伸縮性を有することによって幅方向に伸縮するように構成されていてもよい。
ウエストバンド80は、幅方向Wに伸縮するバンド伸縮領域BSRを有する(図4参照)。バンド伸縮領域BSRは、ウエストバンド80のうち幅方向Wに伸縮する領域である。図4に示すように、デザイン(デザイン領域DR)は、バンド伸縮領域BSRに設けられている。装着者が、使い捨ておむつ10を着用者に装着する際に、使い捨ておむつ10の両側を幅方向Wに引っ張って伸長させることによって、バンド伸縮領域BSRが幅方向Wに伸長し、バンド伸縮領域BSRに設けられたデザインも伸長する。これにより、装着者が、ウエストバンド80の身体へのフィット性を感じることができるため、ウエスト開口66からの排泄物の漏れに対する不安感を低減でき、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
ウエストバンド80は、後胴回り域S2においてウエスト開口66の近傍に配置されてよい。ウエストバンド80の外側縁80Eは、吸収コア31の外側縁31Eよりも幅方向Wの外側に位置してよく、ファスニングテープ90の内側縁よりも幅方向Wの内側に位置してもよい。ウエストバンド80の前端縁80Fは、ファスニングテープ90の前端縁90Fよりも後側に位置してよい。
図4から図6に示すように、ウエストバンド80は、本体部11(より具体的には、肌面側シート20)に接合されている。ウエストバンド80の接合方法として、例えば、ホットメルト型接着剤(HMA)等の接合部材、ソニックシール、ヒートシールなどが用いられる。本実施形態では、ウエストバンド80は、接合部材83によって接合されている。 接合部材83は、第1接合部材831と、第2接合部材832と、を有する。第1接合部材831は、ウエストバンド80の前後方向Lの端部に配置されており、幅方向Wに延びている(図4参照)。第2接合部材832は、ウエストバンド80の幅方向Wの端部に配置されており、前後方向Lに延びている(図3参照)。
ウエストバンド80は、本体部11に接合された接合部84と、本体部11に接合されていない非接合部85と、を有する。
接合部84は、接合部材83に当接している部分であり、本体部11と直接的に固定されている。接合部84は、第1接合部841と、第2接合部842と、を有する。第1接合部841は、ウエストバンド80の前後方向Lの端部に配置されており、幅方向Wに延びている。本実施形態では、第1接合部841は、非接合部85(詳細には、起立部852)よりも後側に配置されている。第1接合部841は、第1接合部材831に当接している部分である。第2接合部842は、ウエストバンド80の幅方向W両端部に位置し、本体部11に接合されている一対のサイド接合部である。第2接合部842は、前後方向Lに延びている。第2接合部842は、非接合部85よりも幅方向Wの外側に配置されている(図3参照)。第2接合部842は、第2接合部材832に当接している部分である。
非接合部85は、接合部材83に接していない部分であり、本体部11との距離を変更可能である。非接合部85は、着用者の肌に当接する肌当接面851Sを有する肌当接部851を有している。図4に示すように、肌当接部851は、デザインが設けられる領域であるデザイン領域DRを有してよい。従って、デザインは、肌当接部851に設けられてよい。ウエストバンド80の中でも、着用者の肌に当接する肌当接面851Sを有する肌当接部851は、最も肌対向面側T1に位置するため、装着者は、肌当接部851を視認し易い。視認し易い肌当接部851にデザインが設けられているため、デザインをより認識し易くなる。従って、当該デザインが設けられたウエストバンド80を装着者がより認識し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
図5及び図6に示すように、本実施形態では、ウエストバンド80の非接合部85と肌面側シート20とによって挟まれた収容空間ASによって、前側に向かって開口するポケットが形成されている。肌当接部851は、収容空間ASの肌対向面側T1に配置されている。排泄物は、ポケットとして機能する収容空間ASに収容されるため、ウエスト開口66から排泄物が漏れることを抑制できるものの、乳幼児の排泄物(軟便)は水分が多いため、排泄物が、収容空間ASの肌対向面側T1に配置されている部分(具体的には、肌当接部851)から滲み出ることがある。本実施形態では、デザインが、ポケットとして機能する収容空間ASの肌対向面側に配置されているため、当該空間に収容された排泄物が肌対向面側T1に滲み出したとしても、排泄物がデザインと重なり、目立ち難くなる。従って、装着者は、使用後の排泄物の滲み出しに気付き難くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感をさらに与え易くなる。
非接合部85は、本体部11(より具体的には、肌面側シート20)に対して起立する起立部852を有してよい。本実施形態において、非接合部85は、バンド折り目FLBを基点として前後方向Lの外側に折り返されている。肌当接部851は、幅方向Wに沿ったバンド折り目FLBによってウエストバンド80が折り返されている部分(折り返し部)により構成されている。肌当接部(折り返し部)851は、バンド折り目FLBから前後方向Lの外側(後側)に向かって延びており、起立部852よりも肌対向面側T1に位置している。
起立部852は、バンド折り目FLBによってウエストバンド80が折り返されていない部分により構成されている。起立部852は、接合部84からバンド折り目FLBまで延びており、かつ起立可能に構成されている。本明細書において、起立部852は、非接合部85のうち着用者の肌に当接しない部分である。なお、図4から図6に示すように、着用者の動き及び/又は起立部852の起立具合によって、着用者の肌と当接する領域が変化する。従って、肌当接部851の前後方向Lの長さと起立部852の前後方向Lの長さは、変化してもよい。
本実施形態では、肌当接部851は、起立部852よりも肌対向面側T1に配置されている。起立部852が起立することによって、デザインが設けられている肌当接部851が装着者に近づき、デザインをより認識し易くなる。加えて、装着者がウエストバンド80を立体的に視認することができる。従って、ウエストバンド80を装着者がより認識し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感をさらに与える易くなる。
ここで、肌当接部(折り返し部)851の前後方向Lの一方の端縁(前端縁851F)から他方の端縁(後端縁851R)までの長さをAとする。起立部852の前後方向Lの一方の端縁(前端縁852F)から他方の端縁(後端縁852R)までの長さをBとする。この場合、AとBとのそれぞれは、着用者の動き及び/又は起立部852の起立具合によって、変化してもよい。一方で、AとBとの合計(A+B)は、一定である。
接合部84と起立部852との境界から本体部11の後端縁11Rまでの長さをCとする。この場合、AとBとの合計の長さは、長さCよりも長くてよい。すなわち、「A+B>C」の条件を満たしてよい。装着者は、使い捨ておむつ10を着用者に装着する際に、起立部852が起立することによって、肌当接部(折り返し部)851が装着者に近づくため、装着者がウエストバンド80を立体的に視認でき、ウエストバンド80を認識し易くなる。また、起立部852と肌当接部(折り返し部)851との合計長さA+Bが、長さCよりも長いため、起立部852が起立することによって、肌当接部(折り返し部)851が本体部11よりも前後方向Lの外側(後側)に位置し易くなる。この場合、ウエストバンド80の一部が厚さ方向Tにおいて後胴回り域S2の本体部11と重ならないため、ウエストバンド80の視認性が向上し、装着者が、ウエストバンド80を認識し易くなる。
なお、「A+B<C」の条件を満たす場合であっても、例えば、後述するように、ウエストバンド80が変形したり、本体部11が変形したりすることにより、ウエストバンド80の一部が、後端縁11Rの前後方向Lの外側で露出することが可能であることに留意すべきである。
起立部852の長さBは、長さCよりも長くてよい。すなわち、「B>C」の条件を満たしてよい。起立部852の長さBが短い場合と比較して、起立部852の起立により肌当接部(折り返し部)851が前後方向Lの外側(後側)へ移動する距離が長くなり、肌当接部(折り返し部)851が本体部11よりも前後方向Lの外側により位置し易くなる。肌当接部(折り返し部)851が本体部11よりも前後方向Lの外側に位置した場合には、ウエストバンド80の一部が厚さ方向Tにおいて後胴回り域S2の本体部11と重ならないため、ウエストバンド80の視認性が向上し、装着者が、ウエストバンド80を認識し易くなる。
起立部852は、液不透過性のフィルム層813を有する。本実施形態において、起立部852は、収容空間ASの肌対向面側T1に配置されている。液不透過性のフィルム層813を有する起立部852が収容空間ASの肌対向面側T1に配置されているため、ポケットとして機能する収容空間ASに収容された排泄物が、フィルム層813が配置されている肌対向面側T1から滲み出すことを抑制することができる。使用後の排泄物の滲み出しを抑制することで、装着者に漏れ不安に対する安心感をさらに与え易くなる。
ウエストバンド80は、起立部852の起立支点となる基端縁を有してよい。基端縁は、起立部852よりもウエスト開口66側に位置する第1基端縁と、吸収コア31よりも幅方向Wの外側に位置する第2基端縁と、を有する。第1基端縁は、接合部84(第1接合部841)の前端縁84Fによって構成されている。接合部84は、第1基端縁から前後方向Lに延びている。第2基端縁は、接合部84(第2接合部842)の側端縁84Eによって構成されている。
なお、図3に示すように、ウエストバンド80の幅方向Wの側端部どうしは、接合部材83であるサイド接合部材833により接合されてよい。非接合部85は、サイド接合部材833の肌対向面側T1に配置されている一対の肌当接接合部853を有してよい。一対の肌当接接合部853の非肌対向面側T2は、サイド接合部材833により第2接合部842と接合されている。
なお、図1に示すように、使い捨ておむつ10の伸長状態において、ウエストバンド80の後端縁80Rは、係止部93の後端縁93Rよりも後側に配置されてよいし、ファスニングテープ90の後端縁90Rよりも後側に配置されてよい。これにより、ウエストバンド80がウエスト開口66側に配置されるため、ウエストバンド80の視認性を向上させることができる。また、ウエストバンド80の後端縁80Rは、吸収コア31の後端縁よりも後側に配置されてよい。これにより、吸収コア31が排泄物を吸収しきれない場合に、吸収コア31の後端縁よりも後側へ移動する排泄物を収容空間ASに収容することができる。
また、使い捨ておむつ10の伸長状態において、ウエストバンド80の前端縁80Fは、ファスニングテープ90の前端縁90Fよりも後側に配置されてよいし、係止部93の前端縁93Fよりも後側に配置されてよい。これにより、ウエストバンド80が必要以上に長くなりすぎず、資材コストが増加することを抑制できる。また、ウエストバンド80の前端縁80Fは、吸収コア31の後端縁よりも前側に配置されてよい。これにより、収容空間ASの始まりが吸収コアの後端縁よりも前側に位置するため、吸収コア31の後端縁よりも後側へ移動する排泄物を収容空間ASに収容することができる。
また、使い捨ておむつ10の伸長状態において、ウエストバンド80の後端縁80Rは、後胴回り域S2における本体部11と厚さ方向Tにおいて重なってよい。従って、使い捨ておむつ10の伸長状態において、ウエストバンド80の後端縁80Rが本体部11の後端縁11Rよりも後側に配置されてなくてよい。ウエストバンド80の後端縁80Rは、本体部11の後端縁11Rよりも前側(股下域S3側)に配置されてよいし、ウエストバンド80の後端縁80Rと本体部11の後端縁11Rとが厚さ方向Tおいて重なってよい。これにより、使い捨ておむつ10の搬送中に、ウエストバンド80に直に働く力を抑制でき、使い捨ておむつ10の使用前においてウエストバンド80を保護することができる。
また、図3に示すように、使い捨ておむつ10の伸長状態において、デザイン領域DRは、幅方向Wにおいて一対の第1防漏基端縁641間に配置されてよい。一対の第1防漏基端縁641間において排泄物はウエスト開口66に向かって移動するため、一対の第1防漏基端縁641間のデザインによって、収容空間ASに収容された排泄物を目立ち難くすることができる。
また、図3に示すように、使い捨ておむつ10の伸長状態において、デザイン領域DRは、第1防漏基端縁641よりも幅方向Wの外側に配置されてもよい。着用者に装着する際に、着用者が、後述のサイド折りの状態からサイドフラップ16を展開することで、装着者が、視認可能なデザインが展開前と比べて増えるため、デザインに目が留まり易くなる。従って、デザインが設けられたウエストバンド80を装着者が認識し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
(4)変更例
次に、変更例に係る使い捨ておむつ10の構成について、図7から図10を用いて説明する。図7は、実施形態に係る変更例(その1)を説明するための模式図である。図8は、実施形態に係る各変更例(その2からその4)を説明するための模式図である。図9は、実施形態に係る変更例(その5)を説明するための模式図である。図10は、実施形態に係る各変更例(その6からその8)を説明するための模式図である。なお、上述の実施形態と同様の説明は、適宜省略する。
図7Aを用いて、変更例1に係る使い捨ておむつ10を説明する。なお、図7に示す使い捨ておむつ10は、二つ折りの自然状態である。二つ折りの自然状態では、ウエストバンド80が本体部11に挟まれるように少なくとも第1折り目を基点として使い捨ておむつ10が折り畳まれている状態である。本実施形態では、二つ折りの自然状態での使い捨ておむつ10は、第1折り目FL1及び第2折り目FL2を基点に折り畳まれている(折られている)状態である。
第1折り目FL1は、幅方向Wに沿って延びる折り目であり、股下域S3に配置されている折り目である(図1参照)。第1折り目FL1は、一般的に、使い捨ておむつ10を前後方向Lの中心付近に配置されている。使い捨ておむつ10は、第1折り目FL1を基点に折られることにより、前後方向Lの長さが約半分にできる。
第2折り目FL2は、使い捨ておむつ10の前後方向Lの端縁(前端縁10F、後端縁10R)から股下域側へ向かって延びる折り目である。第2折り目FL2の少なくとも一部は、吸収コア31の外側縁31Eよりも幅方向Wの外側に位置してよい。第2折り目FL2は、吸収コア31の前後方向Lの端縁よりも外側の領域では、吸収コア31の外側縁31Eよりも幅方向Wの内側に位置してよい。図7に示すように、第2折り目FL2は、前後方向Lに延びるものの、前後方向Lに対して傾斜して延びてよい。また、図7に示すように、第2折り目FL2は、二つ折りの自然状態における平面視において、吸収コア31(吸収体)と重ならないように延びている。なお、第2折り目FL2は、二つ折りの自然状態における平面視において、吸収コア31(吸収体)と重なってもよい。従って、吸収コア31(吸収体)が第2折り目FL2を基点に折られていてもよい。
また、第2折り目FL2は、サイドフラップ16(の少なくとも一部)を折り返すための折り目である。ウエストバンド80が配置されている後胴回り域S2において、第2折り目FL2を基点として使い捨ておむつ10が折られることにより、サイドフラップ16が肌対向面側T1からウエストバンド80に重なっている。
使用前の使い捨ておむつ10は、かさばらないように、一般的に、第1折り目FL1及び第2折り目FL2を基点として折られた状態(第1折り状態)である。使い捨ておむつ10は、第2折り目FL2を基点に折られた後に、第1折り目FL1を基点に折られている。これにより、折り返されたサイドフラップ16が前胴回り域S1と後胴回り域S2との間に挟まれた状態である。
図7Aでは、第1折り目FL1は、使い捨ておむつ10の前後方向Lの中心Oから前側にずれている(図1参照)。従って、使い捨ておむつが第1折り目FL1を基点に折られている場合、使い捨ておむつ10の前端縁10Fが、使い捨ておむつ10の後端縁10Rと重ならずに、股下域S3側へずれている。これにより、使い捨ておむつ10が第1折り目FL1を基点に折られている二つ折りの自然状態であっても、ウエストバンド80が前端縁10Fの前後方向Lの外側で露出している。ここで、ウエストバンド80の露出部分にはデザインが設けられている。すなわち、二つ折りの自然状態において、ウエストバンドに設けられているデザインが前端縁10Fの前後方向Lの外側に配置されている。従って、装着者は、第1折り目FL1及び第2折り目FL2を基点に折られている状態において、デザインを視認可能である。従って、第1折り目FL1を基点に展開する前から、デザインに目が留まり易くなる。これにより、当該デザインが設けられたウエストバンド80を装着者が認識し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
なお、図7Aでは、ウエストバンド80のうち第2折り目FL2を基点として折り返されていない部分(後述する第2バンド部802)を視認可能である。
変更例2に係る使い捨ておむつ10を、図7Bを用いて説明する。図7Bでは、第1折り目FL1を基点に展開されており、かつ第2折り目FL2を基点に折られている状態(第2折り状態)である。第2折り状態では、ウエストバンド80が配置された後胴回り域S2において、サイドフラップ16が肌対向面側T1からウエストバンド80に重なるように、第2折り目FL2を基点として、使い捨ておむつ10が折られている状態(サイド折りの状態)である。
サイド折りの状態において、本体部11は、中央部15とサイド折り返し部161とを有する。中央部15は、第2折り目FL2よりも幅方向Wの内側の部分であり、吸収コア31を含む。中央部15は、第2折り目FL2を基点として折り返されていない部分(非折り返し部)である。サイド折り返し部161は、第2折り目FL2を基点として折り返された部分である。
図7Bに示すように、第2折り状態において、後胴回り域S2の肌対向面側T1からデザインが視認可能である。装着者は、サイドフラップ16がウエストバンド80に重ならないようにサイドフラップ16を展開してから、使い捨ておむつを着用者に装着させる。装着者は、サイドフラップ16が折られている状態でデザインを視認可能であるため、サイドフラップ16を展開する前からデザインに目が留まり易くなるため、当該デザインが設けられたウエストバンド80を装着者が認識し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
ウエストバンド80は、第2折り目FL2を基点として折り返されている部分である第1バンド部801と第2折り目FL2を基点として折り返されていない部分である第2バンド部802とを有してよい。
第2折り状態(サイド折りの状態)において、使い捨ておむつ10は、厚さ方向Tにおいてサイドフラップ16とウエストバンド80とが重なる領域である重複領域R81と、厚さ方向Tにおいてサイドフラップ16とウエストバンド80とが重ならない領域である非重複領域R82と、を有してよい。また、重複領域R81は、第1重複領域R811と第2重複領域R812とを有してよい。第1重複領域R811は、厚さ方向Tおいて第1バンド部801と重なる領域である。第2重複領域R812は、厚さ方向Tおいて第1バンド部801と重ならずかつ第2バンド部802と重なる領域である。
図7Bで示すように、第2折り状態(サイド折りの状態)において、非重複領域R82は、サイドフラップ16の後端縁よりも後側に位置しており、非重複領域R82では、ウエストバンド80がサイドフラップ16と重なっていない。デザインが、少なくとも非重複領域R82に設けられている。従って、非重複領域R82におけるデザインが視認可能である。これにより、装着者は、第2折り状態でデザインを直接的に視認することができ、サイドフラップ16を展開する前からデザインに目が留まり易くなる。従って、当該デザインが設けられたウエストバンド80を装着者が認識し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
非重複領域R82において視認されるデザインは、第2バンド部802に設けられている。装着者が、二つ折りの自然状態(図7A)から使い捨ておむつ10を展開してサイド折りの状態(図7B)になった場合に、使い捨ておむつ10(本体部11)の前端縁10F(11F)よりも前後方向Lの外側で露出しているデザインに加えて、サイド折り返し部161と重ならない第2バンド部802におけるデザインを視認することができるため、ウエストバンド80を視認し易くなる。
なお、図7Bの変更例2に係る使い捨ておむつ10では、重複領域R81においてデザインが設けられている。しかしながら、後述するように、変更例2のサイドフラップ16は、光透過性を有なさいため、重複領域R81におけるデザインは、視認不能である。
なお、使い捨ておむつ10の伸長状態において、デザイン領域DRの後端縁は、係止部93の後端縁93Rよりも後側に配置されてよいし、ファスニングテープ90の後端縁90Rよりも後側に配置されてよい。これにより、デザイン領域DRがウエスト開口66側に配置されるため、ウエストバンド80の視認性を向上させることができる。
変更例3に係る使い捨ておむつ10を、図8Aを用いて説明する。図8Aでは、図7Bの変更例2に係る使い捨ておむつ10と同様に、第2折り状態である。第2折り状態において、サイドフラップ16は、重複領域R81においてウエストバンド80よりも肌対向面側T1の部分である重複部分165を有する。本実施形態では、サイド折り返し部161のうち少なくとも第1バンド部801と厚さ方向Tおいて重なる部分は、光透過性を有する。本実施形態では、重複部分165は、光透過性を有する。重複部分165は、光透過性を有するか否かは、光線透過率によって規定できる。重複部分165の光線透過率が30.99%以上である場合に、重複部分165は、光透過性を有する。
なお、本明細書における「光線透過率」は、JIS規格(K7361-1)に従って測定される「全光線透過率」を意味する。かかる全光線透過率は、例えば、日本電色工業株式会社製の測色色差計(型式NDH7000SP)を用い、所定の条件下(受光素子:JIS規格(K7361-1)に準拠するシリコンフォトセル、フィルター:色ガラスフィルタ Y、測定面積:φ12mm)で測定することができる。
変更例3に係る使い捨ておむつ10では、重複部分165が光透過性を有し、ウエストバンド80が光透過性を有さないケースを示している。図8Aに示すように、第2折り状態において、重複部分165が光透過性を有するため、第2重複領域R812に設けられているデザインが視認可能である。これにより、装着者は、第2折り状態で、光透過性を有する重複部分165からデザインを視認することができ、サイドフラップ16を展開する前からデザインに目が留まり易くなる。従って、当該デザインが設けられたウエストバンド80を装着者が認識し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
変更例4に係る使い捨ておむつ10を、図8Bを用いて説明する。図8Bでは、図8Aの変更例3に係る使い捨ておむつ10と同様に、重複部分165が光透過性を有する。また、第2折り状態において、第2折り目FL2を基点として折り返される部分である第1バンド部801の肌対向面側T1にデザインが設けられている。図8Bに示すように、第1重複領域R811に設けられているデザインが視認可能である。これにより、装着者は、第2折り状態で、光透過性を有する重複部分165からデザインを視認することができ、サイドフラップ16を展開する前からデザインに目が留まり易くなる。従って、当該デザインが設けられたウエストバンド80を装着者が認識し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
変更例5に係る使い捨ておむつ10を、図9を用いて説明する。図9Aは、図3と同様に、変更例5に係る使い捨ておむつ10を前後方向L及び厚さ方向Tに沿った模式断面図である。図9Bは、図9Aにおいてウエストバンド80を肌対向面側T1から見た模式平面図である。
図9Aに示すように、肌当接部851において、バンド弾性部材82は、フィルム層813よりも非肌対向面側T2に配置されてよい。これにより、フィルム層813は、バンド弾性部材82よりも肌対向面側T1に配置されてよい。加えて、フィルム層813には、デザイン、すなわち、デザイン領域DRが設けられてよい。これにより、デザインが設けられているフィルム層813は、バンド弾性部材82よりも肌対向面側T1に配置されているため、装着者は、バンド弾性部材82に阻害されることなく、デザインを視認することができる。従って、当該デザインが設けられたウエストバンド80を装着者が認識し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。
図9Aに示すように、デザインは、接合部84に設けられてよい。ここで、排泄物は、ポケットとして機能する収容空間ASに収容されるため、ウエスト開口66から排泄物が漏れることを抑制できるものの、乳幼児の排泄物(軟便)は水分が多いため、排泄物が接合部から滲み出ることがある。デザインが、接合部84に設けられているため、排泄物が滲み出したとしても、排泄物がデザインと重なることによって、目立ち難くなる。従って、装着者は、使用後の排泄物の滲み出しに気付き難くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感をさらに与え易くなる。
接合部84は、液不透過性のフィルム層813を有してよい。デザインによって排泄物を目立ち難くするだけでなく、排泄物が接合部84から滲み出すことを抑制することができる。使用後の排泄物の滲み出しを抑制することで、装着者に漏れ不安に対する安心感をさらに与え易くなる。
図9A及び図9Bに示すように、デザインは、非接合部85に設けられる第1デザインと、接合部84に設けられる第2デザインを有する。第1デザインは、非接合部85に設けられる第1デザイン領域DR1に配置されている。第2デザインは、接合部84に設けられる第2デザイン領域DR2に配置されている。図9Bに示すように、デザインの種類が、第1デザインと第2デザインとで異なってよい。変更例5に係る使い捨ておむつ10では、第1デザインが縦縞であり、第2デザインが星である。デザインの種類が異なるため、装着者は、デザインに目が留まり易くなる。従って、当該デザインが設けられたウエストバンド80を装着者が認識し易くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感を与えることができる。加えて、排泄物が滲み出したとしても、排泄物がデザインと重なることによって、目立ち難くなる。従って、装着者は、使用後の排泄物の滲み出しに気付き難くなり、装着者に漏れ不安に対する安心感をさらに与え易くなる。
なお、デザインの種類が異なるとは、第1デザイン領域DR1と第2デザイン領域DR2とに同じデザインが描かれていないことを意味する。
変更例6から8に係る使い捨ておむつ10を、図10を用いて説明する。図10Aは、変更例6に係る使い捨ておむつ10を説明するための模式図である。図10A1は、図3と同様に、変更例6に係る使い捨ておむつ10を前後方向L及び厚さ方向Tに沿った模式断面図である。図10A2は、図10A1においてウエストバンド80を肌対向面側T1から見た模式平面図である。
図10A1に示すように、ウエストバンド80は、バンド折り目FLBを有さず、折り返されてなくてよい。ウエストバンド80は、折り返されていないため、非接合部85は、着用者の肌に当接するため、起立部852を有さずに、肌当接部851のみを有してよい。
図10A1及び図10A2に示すように、デザイン領域DRは、肌当接部851及び接合部84にわたって設けられてよい。
図10B1は、変更例7に係る使い捨ておむつ10を説明するための模式図である。図10B1は、図3と同様に、変更例7に係る使い捨ておむつ10を前後方向L及び厚さ方向Tに沿った模式断面図である。図10B2は、図10B1においてウエストバンド80を肌対向面側T1から見た模式平面図である。
図10B1に示すように、ウエストバンド80は、後側にバンド折り目FLBを有してよい。この場合、収容空間ASは、肌当接部851と本体部11(肌面側シート20)との間に挟まれている空間だけでなく、肌当接部851と接合部84との間に挟まれている空間によっても構成できる。
図10C1は、変更例8に係る使い捨ておむつ10を説明するための模式図である。図10C1は、図3と同様に、変更例8に係る使い捨ておむつ10を前後方向L及び厚さ方向Tに沿った模式断面図である。図10C2は、図10C1においてウエストバンド80を肌対向面側T1から見た模式平面図である。
図10C1に示すように、ウエストバンド80は、複数のバンド折り目FLB(バンド折り目FLB1及びFLB2)を有してよい。
ウエストバンド80は、接合部84に近いバンド折り目FLB1を基点として後側に折られており、次のバンド折り目FLB2を基点として前側に折られている。起立部852は、収容空間ASの非肌対向面側T2に配置されている。また、起立部852は、液不透過性のフィルム層813を有してよい。液不透過性のフィルム層813を有する起立部852が空間の非肌対向面側T2に配置されているため、ポケットとして機能する収容空間ASに収容された排泄物が非肌対向面側T2から滲み出すことを抑制することができる。使用後の排泄物の滲み出しを抑制することで、装着者に漏れ不安に対する安心感をさらに与え易くなる。
また、非接合部85において、フィルム層813の肌対向面側T1及び非肌対向面側T2のそれぞれにデザイン領域DRが設けられてよい。これにより、肌当接部851と起立部852とが厚さ方向Tに重ならない部分では、起立部852に設けられたデザイン(図10C1では、横縞)を視認可能である。
(5)その他実施形態
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
上述の実施形態では、後胴回り域S2にウエストバンド80が配置されていたが、これに限られない。ウエストバンド80は、前胴回り域S1に配置されてよいし、前胴回り域S1及び後胴回り域S2の両方に配置されてよい。
上述の使い捨ておむつ10において、第1不織布層811と第2不織布層812とは、同一の不織布により構成されていたが、別々の不織布により構成されてよい。
上述の実施形態では、フィルム層813にデザイン領域DR(デザイン)が設けられていたが、これに限られない。デザイン領域DR(デザイン)は、第1不織布層811に設けられてよいし、第2不織布層812に設けられてよい。
上述の使い捨ておむつ10において、第1バンド部801は、ウエストバンド80の第2折り目FL2を基点として折り返されている部分であり、サイド折り返し部161に接合されている。従って、第2バンド部802よりも肌対向面側T1に配置されている。これにより、第1重複領域R811(第1バンド部801)に設けられているデザインが、第2重複領域R812(第2バンド部802)に設けられているデザインよりも視認し易くてもよい。
上述において、バンド弾性部材82は、ウエストバンド80に配置されなくてもよいし、バンド弾性部材82は、肌当接部851と起立部852との一方に配置されてよいし、肌当接部851と起立部852の両方に配置されてよい。バンド弾性部材82が肌当接部851に配置されている場合には、ウエストバンド80が身体にフィットするため、ウエスト開口66からの排泄物の漏れを抑制できる。また、バンド弾性部材82が起立部852に配置されている場合には、ウエストバンド80の起立性が向上するため、ウエストバンド80が身体に近づき、ウエスト開口66からの排泄物の漏れを抑制できる。
また、使い捨ておむつ10の伸長状態において、ウエストバンド80の非肌対向面側T2(例えば、フィルム層813の非肌対向面側T2、第2不織布層812の肌対向面側T1又は非肌対向面側T2など)にデザインが設けられることにより、第1重複領域R811(第1バンド部801)に設けられているデザインが、第2重複領域R812(第2バンド部802)に設けられているデザインよりもさらに視認し易くてもよい。
また、使い捨ておむつ10の伸長状態において、ウエストバンド80の非肌対向面側T2(例えば、フィルム層813の肌対向面側T1、第1不織布層811の肌対向面側T1又は非肌対向面側T2など)にデザインが設けられることにより、第2重複領域R812(第2バンド部802)に設けられているデザインが第1重複領域R811(第1バンド部801)に設けられているデザインよりもさらに視認し易くてもよい。
また、使い捨ておむつ10の伸長状態において、デザイン領域DRの後端縁は、ウエストバンド80の後端縁11Rから前側に離れていてもよい。また、使い捨ておむつ10の伸長状態において、デザイン領域DRの後端縁は、本体部11の後端縁11Rよりも前側に位置してよい。ここで、ウエストバンド80が連続シートに配置された後に、連続シートを切断することによって使い捨ておむつ10を製造するケースでは、連続シートと共にウエストバンド80が切断されることで、デザイン領域DRも切断されることがある。この場合、ウエストバンド80には、不完全なデザインが設けられる。デザイン領域DRの後端縁は、ウエストバンド80の後端縁11Rから前側に離すことにより、ウエストバンド80には、不完全なデザインが設けられないようにしてもよい。
また、肌当接部851においてデザイン領域DRが、バンド弾性部材82よりも肌対向面側T1に設けられるように、使い捨ておむつ10の伸長状態において、肌当接部851において、デザインが設けられている第1不織布層811又はデザインが設けられているフィルム層813が、バンド弾性部材82よりも肌対向面側T1に配置されよい。或いは、サイド折りの状態において、第1バンド部801に設けられているデザインが視認し易くなるように、使い捨ておむつ10の伸長状態において、肌当接部851において、デザインが設けられている第2不織布層812又はデザインが設けられているフィルム層813が、バンド弾性部材82よりも非肌対向面側T2に配置されよい。
上述の実施形態では、使い捨ておむつ10は、テープ型の使い捨ておむつであったが、これに限られない。使い捨ておむつ10は、パンツ型の使い捨ておむつであってもよい。
上述の実施形態、各変更例及びその他実施形態に係る使い捨ておむつ10に係る構成は、適宜組み合わせることが可能である。