以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが嵌合した状態の斜視図、図2は第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合前の斜視図、図3は第1の実施の形態における第1コネクタの斜視図、図4は第1の実施の形態における第1コネクタの分解図である。
図において、1は本実施の形態におけるコネクタであって、コネクタ組立体(コネクタアセンブリ)である一対の基板対基板コネクタの一方としての第1コネクタである。該第1コネクタ1は、実装部材としての図示されない基板である第1基板の表面に実装される表面実装型のコネクタであって、相手方コネクタとしての第2コネクタ101と互いに嵌合される。また、該第2コネクタ101は一対の基板対基板コネクタの他方であり、実装部材としての図示されない基板である第2基板の表面に実装される表面実装型のコネクタである。
なお、本実施の形態における第1コネクタ1及び第2コネクタ101は、好適には、基板としての第1基板及び第2基板を電気的に接続するために使用するものであるが、他の部材を電気的に接続するためにも使用することができる。前記第1基板及び第2基板は、例えば、電子機器等に使用されるプリント回路基板、フレキシブルフラットケーブル(FFC)、フレキシブル回路基板(FPC)等であるが、いかなる種類の基板であってもよい。
また、本実施の形態において、第1コネクタ1及び第2コネクタ101の各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、前記第1コネクタ1及び第2コネクタ101の各部が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
そして、前記第1コネクタ1は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成された第1コネクタ本体としての第1ハウジング11を有する。該第1ハウジング11は、図に示されるように、概略直方体である概略長方形の厚板状の形状を備え、第2コネクタ101が嵌入される側、すなわち、嵌合面11a側(Z軸正方向側)には、周囲が囲まれた概略長方形の凹部であって、第2コネクタ101の第2ハウジング111が挿入される凹部としての第1凹部12が形成されている。
また、該第1凹部12の両側(Y軸正方向側及び負方向側)には、前記第1凹部12の両側を画定する側壁部としての第1側壁部14が形成されている。そして、該第1側壁部14は、第1凹部12の底面を画定する底板23から上方(Z軸正方向)に向けて突出し、第1ハウジング11の長手方向(X軸方向)に延在する。また、前記第1側壁部14の長手方向両端は、第1端壁部21の両端に接続される。該第1端壁部21は、前記底板23から上方に向けて突出し、第1ハウジング11の幅方向(Y軸方向)に延在する。そして、前記第1凹部12内には、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合された状態において、第2ハウジング111が挿入される。
前記第1凹部12の底面は、底板23によって概略塞がれているが、該底板23には、上方に向けて突出する端子支持部としての第1高周波端子支持部24と、前記底板23をその板厚方向(Z軸方向)に貫通する底板開口23aと、第1ハウジング11の幅方向に延在する中間支持部23cとが形成されている。前記第1高周波端子支持部24は、複数(図に示される例においては、8つ)であり、第1ハウジング11の長手方向に1列に並ぶように配設されている。また、前記底板開口23aは、第1高周波端子支持部24と同数だけ形成され、それぞれが、対応する第1高周波端子支持部24の第1ハウジング11の幅方向側方に隣接して配設される。さらに、前記中間支持部23cは、互いに隣接する第1高周波端子支持部24同士の間に配設される。さらに、各中間支持部23cには、底板23の板厚方向(Z軸方向)に貫通する中間支持開口23bが2つずつ形成されている。なお、前記第1高周波端子支持部24、底板開口23a、中間支持部23c及び中間支持開口23bの数は、必要に応じて、適宜変更することができる。
そして、各第1高周波端子支持部24には、第1端子としての第1高周波端子71が取付けられ、第1側壁部14及び第1端壁部21には第1高周波端子71の周囲を電磁的にシールドする第1シールド部材51が取付けられている。
前記第1高周波端子71は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第1接続部75と、該第1接続部75に接続された第1テール部72とを備える。そして、前記第1高周波端子71はオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化される。すなわち、第1ハウジング11は、第1高周波端子71をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料を充填することによって成形される。これにより、第1接続部75は、少なくとも一部が第1ハウジング11内に埋没するようにして、第1ハウジング11に一体的に取付けられる。なお、第1高周波端子71は、必ずしもオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化するのではなく、圧入等によって第1ハウジング11に取付けられてもよいが、ここでは、説明の都合上、オーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化されたものである場合について、説明する。
前記第1接続部75は、側面視における形状が概略コ字状の部材であり、上下方向(Z軸方向)に延在する部分の上下両端に前後方向(X軸方向)に延在する部分が接続され、少なくとも上下方向に延在する部分における第1ハウジング11の幅方向の外方を向いた表面の一部が、第1高周波端子支持部24における第1ハウジング11の幅方向の外方を向いた側面に露出し、接触部としての第1接触部75aとして機能する。該第1接触部75aは、第1高周波端子支持部24の側面と概略面一となり、第2コネクタ101が備える後述の第2高周波端子171と接触する部分である。また、前記第1テール部72は、第1接続部75における下側の前後方向に延在する部分の先端から、第1ハウジング11の幅方向に延出して第1高周波端子支持部24に隣接する底板開口23a内に露出し、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、典型的には、信号ラインであって、高周波信号を伝達するものである。
また、前記第1シールド部材51は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、前記第1凹部12の右半分及び左半分のそれぞれに対応する第1シールド右部材51A及び第1シールド左部材51Bとを含んでいるが、該第1シールド右部材51Aと第1シールド左部材51Bとは、第1凹部12の幅方向中心を通るX-Z面に関して、互いに対称な形状を有している。そこで、前記第1シールド右部材51Aと第1シールド左部材51Bとを統合的に説明する場合には、第1シールド部材51として説明する。
該第1シールド部材51は、平面視において、略コ字状の第1側板部52を有する。該第1側板部52は、第1端壁部21に取付けられる第1端壁シールド部52aと、第1側壁部14に取付けられる第1側壁シールド部52bとを含んでいる。そして、前記第1端壁シールド部52aの上端には、嵌合面カバー部としての第1端壁カバー部53aが一体的に接続され、前記第1側壁シールド部52bの上端には、嵌合面カバー部としての第1側壁カバー部53bが一体的に接続されている。前記第1端壁カバー部53a及び第1側壁カバー部53bは、前記第1端壁シールド部52a及び第1側壁シールド部52bの上端に湾曲して接続され、それぞれ、第1端壁部21及び第1側壁部14における嵌合面11a側の面の少なくとも一部を覆うようになっている。
そして、前記第1シールド部材51はオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化される。すなわち、第1ハウジング11は、第1シールド部材51をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料を充填することによって成形される。これにより、第1シールド部材51は、少なくとも一部が第1ハウジング11内に埋没するようにして、第1ハウジング11に一体的に取付けられる。なお、第1シールド部材51は、必ずしもオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化するのではなく、圧入等によって第1ハウジング11に取付けられてもよいが、ここでは、説明の都合上、オーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化されたものである場合について、説明する。
また、前記第1端壁シールド部52a及び第1側壁シールド部52bの下端には、テール部としての第1端壁テール部54a及び第1側壁テール部54bが、約90度湾曲して接続されている。前記第1端壁テール部54aは、第1ハウジング11の長手方向の外方を向いて延出し、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。また、前記第1側壁テール部54bは、第1ハウジング11の幅方向の外方を向いて延出し、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、接地ラインであって、高周波信号を伝達する信号ラインに沿って配置され、該信号ラインの電磁的シールドとして機能する接地ラインである。
さらに、前記第1端壁シールド部52a及び第1側壁シールド部52bの内側面には、係合凹部としての第1端壁シールド凹部55a及び第1側壁シールド凹部55bが凹入するように形成されている。該第1端壁シールド凹部55a及び第1側壁シールド凹部55bは、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合されると、第2コネクタ101の後述される第2シールド部材151に形成された係合凸部としての第2中間壁シールド凸部155a及び第2側壁シールド凸部155bと係合する部分である。
また、前記中間支持部23cには、導電性の金属板に打抜き等の加工を施すことによって形成された第1ハウジング11の厚さ方向(Z軸方向)及び幅方向に延在するシールド板としての第1中間シールド部材56が収容されて保持される。該第1中間シールド部材56は、第1シールド部材51と協働して第1高周波シールド50を構成する細長い帯状の板材であって、第1ハウジング11の幅方向に延在する基部56aと、該基部56aの上端から上方に突出する一対の係合突起56bと、該係合突起56bの側面に形成された係合凹部としての第1中間シールド凹部56cとを有する。
そして、底板23の下面側、すなわち、実装面11b側から前記第1中間シールド部材56が中間支持部23cの下面側に形成された図示されない溝内に挿入乃至圧入されると、係合突起56bが、中間支持開口23bを通って、中間支持部23cの上面から上方に突出する。これにより、第1中間シールド部材56は中間支持部23c内に収容されて保持される。なお、第1中間シールド部材56は、必ずしも挿入乃至圧入によって第1ハウジング11に取付けられるものでなく、オーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化されるものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、第1中間シールド部材56が中間支持部23c内に挿入乃至圧入されて保持されるものである場合について、説明する。また、図に示される例において、第1中間シールド部材56は、第1シールド部材51に直接的には接触していないが、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合されると、第1中間シールド部材56及び第1シールド部材51は、ともに、第2コネクタ101の第2シールド部材151に接触することによって、互いに導通して等電位となる。なお、必要に応じて、第1中間シールド部材56と第1シールド部材51とを直接的に接触させることができる。
このように、第1ハウジング11の長手方向に1列に並ぶように配設された第1高周波端子支持部24における互いに隣接するもの同士の間に、第1ハウジング11の幅方向に延在する第1中間シールド部材56が配設されているので、各第1高周波端子支持部24の周囲に、1つの第1高周波端子71の周囲を囲繞して嵌合方向(Z軸方向)に電磁的シールドを提供する第1シールドとしての第1高周波シールド50が構成される。そして、1つの第1高周波端子71と第1高周波シールド50とによって、第1接続ユニットとしての第1高周波接続ユニット70が構成される。該第1高周波接続ユニット70は、小型低背でありながら、従来の同軸コネクタと同等のシールド効果を発揮することができ、高周波信号を伝達することができ、また、平面視における外形が略矩形であるので、平面視における外形が略矩形である第1ハウジング11に複数の第1高周波接続ユニット70を隙間なく並べて配設することができる。したがって、第1ハウジング11の長手方向に1列に並ぶように複数(図に示される例において、8つ)の第1高周波接続ユニット70を密接して配設することができる。なお、図に示される例においては、8つの第1高周波接続ユニット70が第1ハウジング11の長手方向に並べられているが、必要に応じて8つ以下又は8つ以上の第1高周波接続ユニット70を並べることもできる。
さらに、第1シールド部材51は、金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第1ハウジング11に取付けられた状態において、第1端壁シールド部52a及び第1側壁シールド部52bが第1端壁部21及び第1側壁部14の内側面の過半を覆い、第1端壁カバー部53a及び第1側壁カバー部53bが第1端壁部21及び第1側壁部14の嵌合面11a側の面の少なくとも一部を覆うので、第1コネクタ1全体を補強する補強金具としても機能する。また、第1端壁シールド部52a及び第1側壁シールド部52bの下端に接続された第1端壁テール部54a及び第1側壁テール部54bが第1基板の接地ラインに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されるので、第1シールド部材51が変形しにくくなり、第1コネクタ1が効果的に補強される。
次に、第2コネクタ101の構成について説明する。
図5は第1の実施の形態における第2コネクタの斜視図、図6は第1の実施の形態における第2コネクタの分解図である。
本実施の形態における相手方コネクタとしての第2コネクタ101は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成された相手方コネクタ本体である第2コネクタ本体としての第2ハウジング111を有する。該第2ハウジング111は、図に示されるように、概略直方体である概略長方形の厚板状の形状を備える。
そして、前記第2ハウジング111は、その長手方向(X軸方向)に延在し、第2突出部122の両側を画定する側壁部としての第2側壁部114と、その幅方向(Y軸方向)に延在し、両端が前記第2側壁部114に接続される第2中間壁部121とを備える。また、前記第2ハウジング111には、第2高周波接続ユニット支持部としての第2突出部122が複数(図に示される例においては、8つ)配設されている。該第2突出部122は、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合された状態において、前記第1コネクタ1の第1凹部12に挿入される挿入凸部として機能する。
前記第2突出部122は、第2ハウジング111の長手方向に1列に並ぶように配設され、互いに隣接する第2突出部122同士の間には中間凹部125が形成されている。各中間凹部125は、第2ハウジング111の長手方向両側が第2中間壁部121によってそれぞれ画定され、第2ハウジング111の幅方向両側が第2側壁部114によって画定され、平面視における形状が略矩形であって、第2ハウジング111を嵌合面111aから実装面111bまでその板厚方向(Z軸方向)に貫通する貫通孔である。
また、各第2突出部122は、1つの第2端子収容凹部としての第2高周波端子収容凹部124を含んでいる。該第2高周波端子収容凹部124は、第2ハウジング111の長手方向両側が第2中間壁部121によってそれぞれ画定され、第2ハウジング111の幅方向両側が第2側壁部114によって画定され、平面視における形状が略矩形であって、第2ハウジング111を嵌合面111aから実装面111bまでその板厚方向(Z軸方向)に貫通する貫通孔である。そして、前記第2高周波端子収容凹部124と中間凹部125とは、第2中間壁部121によって仕切られている。
なお、各第2高周波端子収容凹部124内には、第2ハウジング111の長手方向に延在して両端が第2中間壁部121に接続された梁状の第2端子支持部としての第2高周波端子支持部126が配設されている。そして、各第2高周波端子収容凹部124内は、第2高周波端子支持部126によって、接触部側凹部124aとテール部側凹部124bとに区画されている。なお、図に示される例では、第2側壁部114のテール部側凹部124bに対応する部分が一部欠如し、テール部側凹部124bが第2ハウジング111の幅方向端部において開放されているが、必ずしもこれに限定されるものでなく、第2側壁部114が連続したものであって、テール部側凹部124bが第2ハウジング111の幅方向端部において閉止されていてもよい。
そして、各第2高周波端子支持部126には、第2端子としての第2高周波端子171が取付けられ、各第2高周波端子収容凹部124の周囲には、第2高周波端子171の周囲を囲繞して嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の第2シールドとしての第2高周波シールド150を構成する第2シールド部材151が取付けられている。
前記第2高周波端子171は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第2高周波端子支持部126によって保持される被保持部である第2被保持部173と、該第2被保持部173の一端に接続されたテール部である第2テール部172と、前記第2被保持部173の他端に接続された第2接続部174と、該第2接続部174の先端に接続された第2接触腕部175と、該第2接触腕部175の先端、すなわち、自由端に形成された接触部である第2接触部175aとを備える。
そして、前記第2高周波端子171はオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化される。すなわち、第2ハウジング111は、第2高周波端子171をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料を充填することによって成形される。これにより、第2高周波端子171は、少なくとも第2被保持部173が第2高周波端子支持部126内に埋没するようにして、第2高周波端子支持部126に一体的に取付けられる。なお、第2高周波端子171は、必ずしもオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化するのではなく、圧入等によって第2ハウジング111に取付けられてもよいが、ここでは、説明の都合上、オーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化されたものである場合について、説明する。
前記第2被保持部173は、全体的には第2ハウジング111の幅方向に延在する部材であるが、上方向(Z軸負方向)に膨出するように湾曲し、これにより、第2高周波端子支持部126内に埋没して保持される。また、前記第2テール部172は、第2被保持部173の一端から、第2ハウジング111の幅方向の外方を向いて延出し、テール部側凹部124b内に露出し、第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、典型的には、信号ラインであって、高周波信号を伝達するものである。
さらに、前記第2接続部174は、第2被保持部173の他端から、第2ハウジング111の幅方向の外方を向いて延出し、接触部側凹部124a内に露出する。また、前記第2接触腕部175は、接触部側凹部124a内において、第2接続部174の先端から上方に向って延出し、その上端近傍は、U字を形成するように約180度湾曲し、第2ハウジング111の幅方向の内方を向いて膨出する第2接触部175aが形成されている。
なお、第2高周波端子171は、金属板に加工を施すことによって一体的に形成された部材であるので、ある程度の弾性を備える。そして、その形状から明らかなように、第2接続部174、第2接触腕部175及び第2接触部175aは、弾性的に変形可能である。したがって、接触部側凹部124a内に第1高周波端子71が取付けられた第1コネクタ1の第1高周波端子支持部24が挿入されると、前記第1高周波端子71の第1接触部75aと接触する第2接触部175aは、第2ハウジング111の幅方向の外方に向けて弾性的に変位する。
また、前記第2シールド部材151は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、平面視において、略口字状の第2カバー部152を有する。該第2カバー部152は、平面視における外形が略長方形の平板状部材であり、中央に略長方形のカバー開口152aが形成されている。また、前記第2カバー部152の4つの側縁には、第2高周波端子収容凹部124の側方に取付けられる側面シールド部153として、第2中間壁部121に取付けられる第2中間壁シールド部153aと、第2側壁部114に取付けられる第2側壁シールド部153bとが一体的に接続されている。前記第2カバー部152は、第2側壁部114及び第2中間壁部121の嵌合面111a側の面の過半を覆い、前記第2中間壁シールド部153a及び第2側壁シールド部153bは、第2カバー部152の各側縁に約90度湾曲して接続され、それぞれ、第2中間壁部121及び第2側壁部114の外側面の過半を覆うようになっている。
そして、前記第2シールド部材151は、圧入等によって第2ハウジング111に取付けられる。なお、第2シールド部材151は、必ずしも圧入等によって第2ハウジング111に取付けられるものでなく、オーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化されるものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、圧入等によって第2ハウジング111に取付けられたものである場合について、説明する。
また、前記第2側壁シールド部153bの下端には、テール部としての第2側壁テール部154が、約90度湾曲して接続されている。該第2側壁テール部154は、第2ハウジング111の幅方向の外方を向いて延出し、第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。また、第2中間壁シールド部153aの下端も、第2基板の導電トレースに接続された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、接地ラインであって、高周波信号を伝達する信号ラインに沿って配置され、該信号ラインの電磁的シールドとして機能する接地ラインである。このように第2高周波端子171の近傍で該第2高周波端子171を囲うように第2シールド部材151が接地されていることによって、シールド性が向上し、さらに良好なSI(信号対干渉)特性を得ることができる。また、図に示される例においては、第2中間壁シールド部153aの下端には、テール部が接続されていないが、必要に応じて、第2側壁テール部154と同様のテール部を接続することができる。
さらに、前記第2中間壁シールド部153a及び第2側壁シールド部153bの外側面には、係合凸部としての第2中間壁シールド凸部155a及び第2側壁シールド凸部155bが膨出するように形成されている。第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合されると、前記第2側壁シールド凸部155bは、第1コネクタ1の第1シールド部材51に形成された係合凹部としての第1側壁シールド凹部55bに入込んで係合する。また、第2ハウジング111の長手方向両端に位置する第2中間壁シールド凸部155aは、前記第1シールド部材51の第1端壁シールド凹部55aに入込んで係合し、他の第2中間壁シールド凸部155aは、対向する第2中間壁シールド部153a同士の間に挿入される第1中間シールド部材56の第1中間シールド凹部56cに入込んで係合する。なお、第2ハウジング111の長手方向に互いに隣接する第2シールド部材151同士は、当接していない。
このように、第2高周波端子171を収容する第2高周波端子収容凹部124のそれぞれの周囲に第2シールド部材151が取付けられているので、第2突出部122のそれぞれに、1つの第2高周波端子171と、その周囲を囲繞して嵌合方向(Z軸方向)に延在する略矩形断面の角筒状の電磁的シールドを提供する第2高周波シールド150とを備える第2接続ユニットとしての第2高周波接続ユニット170が構成される。該第2高周波接続ユニット170は、小型低背でありながら、従来の同軸コネクタと同等のシールド効果を発揮することができ、高周波信号を伝達することができ、また、平面視における外形が略矩形であるので、平面視における外形が略矩形である第2ハウジング111に複数の第2高周波接続ユニット170を隙間なく並べて配設することができる。したがって、図に示される例のように、第2ハウジング111の長手方向に1列に並ぶように複数(図に示される例において、8つ)の第2高周波接続ユニット170を密接して配設することができる。なお、図に示される例においては、8つの第2高周波接続ユニット170が第2ハウジング111の長手方向に並べられているが、必要に応じて8つ以下又は8つ以上の第2高周波接続ユニット170を並べることもできる。
さらに、第2シールド部材151は、金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第2ハウジング111に取付けられた状態において、第2カバー部152が第2側壁部114及び第2中間壁部121の嵌合面111a側の面の過半を覆い、第2中間壁シールド部153a及び第2側壁シールド部153bが第2中間壁部121及び第2側壁部114の外側面の過半を覆うので、第2突出部122及び第2コネクタ101全体を補強する補強金具としても機能する。また、第2側壁シールド部153bの下端に接続された第2側壁テール部154が第2基板の接地ラインに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されるので、第2シールド部材151が変形しにくくなり、第2突出部122及び第2コネクタ101が効果的に補強される。
次に、前記構成の第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合させる動作について説明する。
図7は第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが嵌合した状態の上面図、図8は第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが嵌合した状態の断面図であって図7におけるA-A矢視断面図である。
ここで、第1コネクタ1は、第1高周波端子71の第1テール部72、並びに、第1シールド部材51の第1端壁テール部54a及び第1側壁テール部54bが図示されない第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されることにより、第1基板に表面実装されているものとする。また、前記第1高周波端子71の第1テール部72が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、信号ラインであって、アンテナに接続されるアンテナ線のように、高周波信号を伝達するものであり、第1シールド部材51の第1端壁テール部54a及び第1側壁テール部54bが接続される接続パッドに連結された導電トレースは、接地ラインであって、高周波信号を伝達する信号ラインに沿って配置され、該信号ラインの電磁的シールドとして機能する接地ラインであるとする。
同様に、第2コネクタ101は、第2高周波端子171の第2テール部172、及び、第2シールド部材151の第2側壁テール部154が図示されない第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されることにより、第2基板に表面実装されているものとする。また、前記第2高周波端子171の第2テール部172が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、信号ラインであって、アンテナに接続されるアンテナ線のように、高周波信号を伝達するものであり、第2シールド部材151の第2側壁テール部154が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、接地ラインであって、高周波信号を伝達する信号ラインに沿って配置され、該信号ラインの電磁的シールドとして機能する接地ラインであるとする。
まず、オペレータは、図2に示されるように、第1コネクタ1の第1ハウジング11の嵌合面11aと第2コネクタ101の第2ハウジング111の嵌合面111aとを対向させた状態とし、第2コネクタ101の第2突出部122の位置が第1コネクタ1の対応する第1凹部12の位置と合致すると、第1コネクタ1と第2コネクタ101との位置合せが完了する。
この状態で、第1コネクタ1及び/又は第2コネクタ101を相手側に接近する方向、すなわち、嵌合方向に移動させると、第2コネクタ101の第2突出部122が第1コネクタ1の第1凹部12内に挿入される。これにより、図1及び7に示されるように、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、第1高周波端子71と第2高周波端子171とが導通した状態となる。
具体的には、各第1高周波端子支持部24が対応する第2高周波端子収容凹部124の接触部側凹部124a内に挿入され、第1高周波端子71の第1接触部75aと第2高周波端子171の第2接触部175aとが接触し、その結果、第1高周波端子71の第1テール部72が接続された第1基板上の接続パッドに連結された導電トレースと、第2高周波端子171の第2テール部172が接続された第2基板上の接続パッドに連結された導電トレースとが導通する。これにより、互いに対応する第1高周波端子71と第2高周波端子171とは、1箇所でのみ接触する、いわゆる、単接点の状態となり、複数箇所で接触する、いわゆる、複数接点の状態と比較すると、第1高周波端子71の第1テール部72から第2高周波端子171の第2テール部172までの信号の伝送線路に意図しないスタブ(Stub)やDivided Circuitが形成されることがないので、前記伝送線路のインピーダンスが安定する。したがって、前記伝送線路を高周波信号の伝送に用いた場合も、良好なSI特性を得ることができる。
さらに、第1凹部12に第2突出部122が挿入され、第2シールド部材151の第2側壁シールド凸部155bが第1シールド部材51の第1側壁シールド凹部55bと係合して接触する。また、第2ハウジング111の長手方向両端に位置する第2中間壁シールド凸部155aは、第1シールド部材51の第1端壁シールド凹部55aと係合して接触し、他の第2中間壁シールド凸部155aは、対向する第2中間壁シールド部153a同士の間に挿入される第1中間シールド部材56の第1中間シールド凹部56cと係合して接触する。その結果、第1シールド部材51の第1端壁テール部54a及び第1側壁テール部54bが接続された第1基板上の接続パッドに連結された導電トレースと、第2シールド部材151の第2側壁テール部154が接続された第2基板上の接続パッドに連結された導電トレースとが導通する。したがって、第1基板の接地ライン、第2基板の接地ライン、第1シールド部材51、第1中間シールド部材56及び第2シールド部材151が等電位となり、シールド性が向上する。なお、高周波信号(例えば、周波数が6〔GHz〕以上)の伝送に用いる場合は、前記第2側壁シールド凸部155bと第1側壁シールド凹部55bとが接触し、かつ、前記第2中間壁シールド凸部155aと第1端壁シールド凹部55a及び第1中間シールド凹部56cとが接触することが最も望ましいが、第2側壁シールド凸部155bと第1側壁シールド凹部55bとは、必ずしも接触していなくてもよい。
さらに、第2シールド部材151の第2側壁シールド凸部155bが第1シールド部材51の第1側壁シールド凹部55bと係合し、第2シールド部材151の第2中間壁シールド凸部155aが第1シールド部材51の第1端壁シールド凹部55a及び第1中間シールド部材56の第1中間シールド凹部56cと係合するので、第1シールド部材51と第2シールド部材151及び第1中間シールド部材56と第2シールド部材151とがロックされた状態となり、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合状態の解除が防止される。
さらに、第2高周波端子171の第2接触部175aは、第2接触腕部175の上端から第2ハウジング111の幅方向の内方を向いて膨出するように形成されているので、図8に示されるように、第2接触腕部175と第2シールド部材151の第2カバー部152との距離が短くなっている。該距離の長さによって第2コネクタ101における信号の伝送線路のインピーダンスを調整することができる。したがって、前記第2接触部175aの形状、すなわち、膨出の程度を調整することによって、第2コネクタ101における信号の伝送線路のインピーダンスを調整することが可能となる。
このように、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、第1高周波接続ユニット70のそれぞれに対応する第2高周波接続ユニット170が挿入された状態となり、各第1高周波接続ユニット70の第1高周波端子71と対応する第2高周波接続ユニット170の第2高周波端子171とが単接点の状態で接触して導通する。また、第1高周波接続ユニット70の第1シールド部材51の第1側板部52と第1中間シールド部材56とによって構成される略矩形断面の角筒状の第1高周波シールド50内に、第2高周波接続ユニット170の第2シールド部材151によって構成される略矩形断面の角筒状の第2高周波シールド150が挿入された状態となる。したがって、互いに接続された第1高周波端子71及び第2高周波端子171は、その周囲を嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の電磁的シールドによって二重に囲繞された状態となるので、伝送線路を高周波信号の伝送に用いた場合も、良好なSI特性を得ることができる。
なお、ここでは、第1高周波端子71及び第2高周波端子171が、アンテナ線のように、高周波信号を伝達する信号ラインを接続するものとして説明したが、当該信号ラインは、必ずしもこれに限定されるものでなく、いかなる周波数の信号を伝達するものであってもよい。
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図9は第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合前の斜視図、図10は第2の実施の形態における第1コネクタの斜視図、図11は第2の実施の形態における第1コネクタの分解図、図12は第2の実施の形態における第1コネクタの四面図である。なお、図12において、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)は後面図である。
前記第1の実施の形態においては、第1コネクタ1が備える複数の第1高周波接続ユニット70が第1ハウジング11の長手方向(X軸方向)に1列に並ぶように配設され、また、第2コネクタ101が備える複数の第2高周波接続ユニット170も第2ハウジング111の長手方向(X軸方向)に1列に並ぶように配設されているが、本実施の形態においては、複数の第1高周波接続ユニット70が第1ハウジング11の長手方向に、複数列(例えば、2列)に並ぶように配設され、また、第2高周波接続ユニット170も第2ハウジング111の長手方向に、複数列(例えば、2列)に並ぶように配設されている。なお、前記第1高周波接続ユニット70の列数及び第2高周波接続ユニット170の列数は、2列に限定されるものでなく、複数列であればいくつであってもよいが、ここでは、説明の都合上、2列の場合について説明する。
そして、本実施の形態において、第1ハウジング11の第1凹部12は、第1ハウジング11の長手方向に延在する仕切部としての中央仕切部13によって、第1ハウジング11の幅方向(Y軸方向)に2分されている。前記中央仕切部13は、第1凹部12の幅方向中心において底板23から上方(Z軸正方向)に向けて突出し、第1ハウジング11の長手方向に延在する壁のような部材である。なお、前記中央仕切部13の長手方向両端は、第1端壁部21に接続されておらず、該第1端壁部21から離間している。
また、複数(図に示される例においては、合計8つ)の第1端子支持部としての第1高周波端子支持部24は、中央仕切部13の両側の第1凹部12内において、第1ハウジング11の長手方向に、それぞれ、1列ずつに並ぶように配設されている。すなわち、図に示される例においては、4つの第1高周波端子支持部24の列が2列形成されている。そして、各底板開口23aは、対応する第1高周波端子支持部24における中央仕切部13と反対側に隣接するように配設される。また、中間支持部23cは、第1高周波端子支持部24の各列において、互いに隣接する第1高周波端子支持部24同士の間に配設される。本実施の形態における中間支持部23cは、前記第1の実施の形態における中間支持部23cよりも、第1ハウジング11の幅方向の寸法が小さいが、第1ハウジング11の厚さ方向(Z軸方向)の寸法が大きいように形成されている。また、本実施の形態における中間支持開口23bは、前記第1の実施の形態における中間支持開口23bよりも大きく、中間支持部23cにおける第1ハウジング11の幅方向両側面から、その外側の底板23にまで延在するように形成されている。
本実施の形態において、第1中間シールド部材56は、第1ハウジング11の幅方向に延在する基部56aと、該基部56aの上端から上方に延出する一対の係合突起56bと、前記基部56aの両端から第1ハウジング11の幅方向に延出する一対のテール部56dとを有する。そして、該テール部56dの下端は、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、接地ラインであって、高周波信号を伝達する信号ラインに沿って配置され、該信号ラインの電磁的シールドとして機能する接地ラインである。
前記第1の実施の形態における第1高周波端子71の第1接続部75が概略コ字状の側面形状を有するのに対し、本実施の形態における第1高周波端子71の第1接続部75は概略ロ字状の側面形状を有する。すなわち、本実施の形態における第1接続部75は、上下方向に延在する部分の上端に接続された約180度湾曲する湾曲部75bと、該湾曲部75bから下方(Z軸負方向)に延出する支持補強部75cとを有する。該支持補強部75cは、図10に示されるように、第1高周波端子71が第1高周波端子支持部24に取付けられた状態で、その下端75d近傍が、第1接触部75aの反対側において、第1高周波端子支持部24に埋没する。これにより、第1接続部75及び第1高周波端子支持部24の強度が向上する。なお、前記支持補強部75cの下端75dは、第1テール部72に接近してはいるが該第1テール部72から離間している。これにより、第1テール部72から第1接触部75aまでの信号の伝送線路にDivided Circuitが形成されることがないので、前記伝送線路のインピーダンスが安定する。
なお、本実施の形態における第1コネクタ1は、前記第1の実施の形態における第1コネクタ1と比較すると、各方向の寸法の比率や各部の形状が異なっているものの、上述の点以外については、実質的に同じ構造を有するので、説明を省略する。
本実施の形態における第1コネクタ1では、第1ハウジング11の長手方向に2列に並ぶように配設された第1高周波端子支持部24における互いに隣接するもの同士の間に、第1ハウジング11の幅方向に延在する第1中間シールド部材56が配設されているので、各第1高周波端子支持部24の周囲に、1つの第1高周波端子71の周囲を囲繞して嵌合方向(Z軸方向)に延在する略矩形断面の角筒状の電磁的シールドを提供する第1シールドとしての第1高周波シールド50が構成される。なお、中央仕切部13にはシールド部材として機能する部材が配設されていないので、前記第1高周波シールド50は、厳密には一面が欠落した略矩形断面の角筒状となるが、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、第1高周波シールド50内に略矩形断面の角筒状の第2高周波シールド150が挿入された状態となるので、各第1高周波端子支持部24の周囲四辺は、実質的に略矩形断面の角筒状の電磁的シールドによって囲繞された状態となる。したがって、伝送線路を高周波信号の伝送に用いた場合も、良好なSI特性を得ることができる。
また、図12(a)に示されるように、第1ハウジング11の長手方向に関して互いに隣接する第1高周波端子71同士の間隔(ピッチ)は、それらの間にシールド板としての第1中間シールド部材56が配設されているので、第1ハウジング11の幅方向に関して互いに隣接する第1高周波端子71同士の間隔よりも短く設定することができる。さらに、第1ハウジング11の幅方向に延在する第1中間シールド部材56は、その両端に位置する一対のテール部56dが接地ラインに接続された接続パッドにはんだ付等によって接続されるので、第1ハウジング11の幅方向に関して、第1高周波端子71の位置は、接地ラインへの接続箇所である一対のテール部56dの間になる。したがって、第1高周波端子71は、第1中間シールド部材56によって効果的にシールドされる。
なお、第1ハウジング11の長手方向に関して互いに隣接する第1高周波端子71同士のピッチは、伝送される高周波信号の1/4波長より短いことが望ましい。例えば、前記高周波信号の周波数が40~70〔GHz〕である場合、前記ピッチを約1.1〔mm〕とすることが望ましい。また、例えば、第1ハウジング11の長手方向、幅方向及び厚さ方向の寸法は、約5.0〔mm〕、4.0〔mm〕及び0.6〔mm〕であるが、適宜変更することができる。
次に、第2コネクタ101の構成について説明する。
図13は第2の実施の形態における第2コネクタの斜視図、図14は第2の実施の形態における第2コネクタの分解図、図15は第2の実施の形態における第2コネクタの四面図である。なお、図15において、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)は後面図である。
本実施の形態において、第2突出部122は、第2ハウジング111の長手方向に2列に並ぶように配設され、列と列との間には中央仕切凹部113が形成され、該中央仕切凹部113の底部には列と列とを接続する中央底板123が形成されている。第1コネクタ1と第2コネクタ101とが嵌合されると、前記中央仕切凹部113内に第1ハウジング11の中央仕切部13が挿入される。また、各列においては、前記第1の実施の形態と同様に、互いに隣接する第2突出部122同士の間には中間凹部125が形成され、各第2突出部122の第2高周波端子収容凹部124と中間凹部125とは、第2中間壁部121によって仕切られている。なお、各列における第2ハウジング111の長手方向両端に位置する第2中間壁部121は、中間壁接続部121aによって、他方の列における第2ハウジング111の長手方向両端に位置する第2中間壁部121と接続されている。
そして、前記第2高周波端子収容凹部124においては、接触部側凹部124aが中央仕切部13寄りに位置し、テール部側凹部124bが中央仕切部13と反対側に位置するように配設される。
また、第2シールド部材151は、中央に略長方形のカバー開口152aが形成された第2カバー部152を有する。すべての第2シールド部材151の第2カバー部152には、第2側壁部114に取付けられる第2側壁シールド部153bが一体的に接続されている。しかし、第2中間壁部121に取付けられる第2中間壁シールド部153aは、第2突出部122の各列における第2ハウジング111の長手方向両端に位置する第2シールド部材151の第2カバー部152にのみ接続され、しかも、該第2カバー部152における第2ハウジング111の長手方向両端側の側縁にのみ接続され、第2ハウジング111の長手方向両端に位置する第2中間壁部121のみに取付けられる。したがって、各列において互いに隣接する第2突出部122同士の間の第2中間壁部121には、第2中間壁シールド部153aが取付けられず、各中間凹部125内には第2中間壁シールド部153aが存在しない。なお、各第2シールド部材151の第2カバー部152において、第2ハウジング111の長手方向に隣接する他の第2シールド部材151側の側縁には、該他の第2シールド部材151に向って突出する庇部152bが形成されている。
本実施の形態においては、各中間凹部125内にシールド部材としての第2中間シールド部材156が配設されている。該第2中間シールド部材156は、導電性の金属板に打抜き等の加工を施すことによって形成された板材であって、第2ハウジング111の幅方向に延在する帯板状の基部156aと、該基部156aの側縁から上方に延出する一対の係合腕156bと、前記基部156aの両端から上方に延出する一対の取付部156cと、前記基部156aの下面から下方に膨出するはんだ付部156dとを有する。前記取付部156cは、第2ハウジング111に圧入等によって取付けられ、前記基部156aは、中間凹部125の下面の過半を塞ぐようになっている。また、前記はんだ付部156dの下端は、第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、接地ラインであって、高周波信号を伝達する信号ラインに沿って配置され、該信号ラインの電磁的シールドとして機能する接地ラインである。
そして、前記係合腕156bは、側面視における形状が略Z字状となるように折曲げられた弾力性を有する部材であって、基端が基部156aの一方の側縁に接続され、自由端近傍に基部156aの他方の側縁に向けて突出するような接触凸部156b1が形成され、自由端である先端部156b2は前記一方の側縁側に斜め上方に向っている。また、一方の係合腕156bは、基部156aにおける第2ハウジング111の幅方向一端寄りの一方の側縁に接続され、他方の係合腕156bは、基部156aにおける第2ハウジング111の幅方向他端寄りの他方の側縁に接続されている。さらに、各係合腕156bは、第2シールド部材151及び第2中間シールド部材156が第2ハウジング111に取付けられた状態において、先端部156b2が第2シールド部材151の庇部152bの直下になるように基部156aに接続されている。したがって、図15(a)に示されるように、嵌合面111a側から観ると、先端部156b2は、庇部152bに覆われて、視認不能となる。
なお、前記第2中間シールド部材156は、必ずしも圧入等によって第2ハウジング111に取付けられるものでなく、オーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化されるものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、圧入等によって第2ハウジング111に取付けられたものである場合について、説明する。
また、本実施の形態における第2コネクタ101は、前記第1の実施の形態における第2コネクタ101と比較すると、各方向の寸法の比率や各部の形状が異なっているものの、上述の点以外については、実質的に同じ構造を有するので、説明を省略する。
本実施の形態における第2コネクタ101では、第2ハウジング111の長手方向に2列に並ぶように配設された第2高周波端子収容凹部124における互いに隣接するもの同士の間に、第2ハウジング111の幅方向に延在する第2中間シールド部材156が配設されているので、各第2高周波端子収容凹部124の周囲に、1つの第2高周波端子171の周囲を囲繞して嵌合方向(Z軸方向)に延在する略矩形断面の角筒状の電磁的シールドを提供する第2高周波シールド150が構成される。なお、第2中間シールド部材156がY-Z方向に延在する平板状の部材でないので、前記第2高周波シールド150は、厳密には、一面乃至二面が欠落した略矩形断面の角筒状となるが、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、第2中間シールド部材156の一対の取付部156cの間に板状の第1中間シールド部材56が挿入された状態となるので、各第2高周波端子171の周囲は、実質的に略矩形断面の角筒状の電磁的シールドによって囲繞された状態となる。したがって、伝送線路を高周波信号の伝送に用いた場合も、良好なSI特性を得ることができる。
なお、第2高周波端子171のピッチは、例えば、高周波信号の周波数が40~70〔GHz〕である場合、ピッチを約1.1〔mm〕とすることが望ましい。また、例えば、第2ハウジング111の長手方向、幅方向及び厚さ方向の寸法は、約4.3〔mm〕、3.5〔mm〕及び0.5〔mm〕であるが、適宜変更することができる。
次に、前記構成の第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合させる動作について説明する。
図9に示されるように、第1コネクタ1と第2コネクタ101との位置合せが完了した状態で、オペレータが第1コネクタ1及び/又は第2コネクタ101を相手側に接近する方向、すなわち、嵌合方向に移動させると、第2コネクタ101の第2突出部122が第1コネクタ1の第1凹部12内に挿入され、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了する。
ところで、第1コネクタ1及び第2コネクタ101は、いずれも、微小な寸法の小型低背コネクタであり、かつ、はるかに大きな第1基板及び第2基板に表面実装されているので、オペレータが第1コネクタ1及び第2コネクタ101の姿勢及び位置関係を視認することが困難である。そのため、第1コネクタ1と第2コネクタ101とがX又はY軸方向に互いに位置ずれしたり、互いに傾斜したりした状態のままで、第1コネクタ1の嵌合面11aと第2コネクタ101の嵌合面111aとを当接させ、スライドさせながら、第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合させるような場合が起こり得る。このような場合であっても、本実施の形態においては、損傷を与えたり、破損させたりすることなく、第1コネクタ1と第2コネクタ101とをスムーズに嵌合させることができる。
例えば、Y軸方向から観て、第2コネクタ101の嵌合面111aが、第1コネクタ1の嵌合面11aに対して、X軸方向に位置ずれし、かつ、傾斜した状態で当接した場合、第2ハウジング111のX軸方向(長手方向)の一端が第1コネクタ1の嵌合面11aに当接してスライドすることとなる。具体的には、第1ハウジング11の中央仕切部13の上面に第2ハウジング111の中間壁接続部121aの上面が当接してスライドすることとなる。したがって、金属部材である第2シールド部材151が第1高周波端子支持部24や第1高周波端子支持部24に取付けられた第1高周波端子71、及び、中間支持部23cや中間支持部23cに取付けられた第1中間シールド部材56に当接しないので、損傷を与えることがない。
そして、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、第1ハウジング11の中央仕切部13が第2ハウジング111の中央仕切凹部113内に挿入されて収容される。また、第1ハウジング11に取付けられた第1中間シールド部材56が第2ハウジング111の中間凹部125内に挿入され、該中間凹部125内の第2中間シールド部材156と接続される。具体的には、第1中間シールド部材56の係合突起56bが第2中間シールド部材156の係合腕156bの接触凸部156b1に押付けられ、該接触凸部156b1が弾性的に変位させられるので、その弾性的な反発力によって前記係合突起56bと接触凸部156b1が確実に接触を維持する。また、前記係合腕156bの先端部156b2が第2シールド部材151の庇部152bに覆われているので、前記係合突起56bが中間凹部125内に挿入される際に、前記先端部156b2に当接することがなく、前記係合腕156bが座屈してしまうことがない。
このように、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、第1シールド部材51の第1側板部52と第1中間シールド部材56とによって構成される略矩形断面の角筒状の第1高周波シールド50の欠落した一面に、第2シールド部材151の第2側壁シールド部153bの一方が挿入された状態となるので、各第1高周波端子支持部24の周囲は、実質的に略矩形断面の角筒状の電磁的シールドによって囲繞された状態となる。そして、第2コネクタ101の幅方向外側の第2側壁シールド部153bの下端には、第2側壁テール部154が、約90度湾曲し、第2コネクタ101の幅方向の外方を向いて延出し、前記第2側壁テール部154と、第2コネクタ101の幅方向内側の第2側壁シールド153bの下端とが、第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。また、第2シールド部材151の第2中間壁シールド部153aと第2側壁シールド部153bとによって構成される略矩形断面の角筒状の第2高周波シールド150の欠落した一面乃至二面に、第1中間シールド部材56が挿入され、第2中間シールド部材156と接触する。これにより、該第2中間シールド部材156のはんだ付部156aによって、第1中間シールド部材56が第2基板に対して接地される。これにより、各第2高周波端子171の周囲は、実質的に略矩形断面の角筒状の電磁的シールドによって囲繞された状態となる。したがって、互いに接続された第1高周波端子71及び第2高周波端子171は、その周囲を嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の電磁的シールドによって囲繞された状態となるので、伝送線路を高周波信号の伝送に用いた場合も、良好なSI特性を得ることができる。
なお、本実施の形態における第1コネクタ1及び第2コネクタ101のその他の点の構成、動作及び効果については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
このように、本実施の形態において、第1コネクタ1は、第1ハウジング11と、第1ハウジング11に装填される複数の第1高周波接続ユニット70とを有し、第1基板に実装され、第2コネクタ101と嵌合する。そして、第1ハウジング11は、第2コネクタ101の第2ハウジング111が挿入される第1凹部12であって、複数の第1高周波接続ユニット70が第1ハウジング11の長手方向に密接して並べられた状態で装填される平面視における形状が略矩形の第1凹部12を含み、各第1高周波接続ユニット70は、第1高周波端子71と、第1高周波端子71の周囲を囲繞して嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の第1高周波シールド50とを含み、第1高周波シールド50は、第1ハウジング11の長手方向に互いに隣接する第1高周波シールド50と共有する第1中間シールド部材56であって、第1ハウジング11の幅方向に延在する第1中間シールド部材56を含み、第1中間シールド部材56は、その両端に位置するテール部56dであって、第1基板の接地ラインへの接続箇所に接続される一対のテール部56dを含み、各第1高周波接続ユニット70の第1高周波端子71は、第1ハウジング11の幅方向に関して、一対のテール部56dの間に位置する。
これにより、高いスペース効率で第1高周波接続ユニット70を装填することができ、小型低背でありながら、複数本の信号ラインを接続することができるとともに、第1高周波端子71の高いシールド効果を得ることができ、信頼性が向上する。
また、第1高周波シールド50は、第1高周波端子71の周囲の四辺を囲繞する。さらに、第1高周波接続ユニット70は、第1ハウジング11の長手方向に並ぶ列を複数形成するように配設されている。さらに、第1ハウジング11の長手方向に互いに隣接する第1高周波接続ユニット70の第1高周波端子71同士の間隔は、第1ハウジング11の幅方向に互いに隣接する第1高周波接続ユニット70の第1高周波端子71同士の間隔よりも短い。
さらに、本実施の形態において、第2コネクタ101は、第2ハウジング111と、第2ハウジング111に装填される複数の第2高周波接続ユニット170とを有し、第1コネクタ1と嵌合する。そして、第2ハウジング111は、平面視における形状が略矩形であり、複数の第2高周波接続ユニット170が第2ハウジング111の長手方向に密接して並べられた状態で装填され、第1コネクタ1の第1凹部12に挿入され、各第2高周波接続ユニット170は、第2高周波端子171と、第2高周波端子171の周囲を囲繞して嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の第2高周波シールド150とを含み、第2高周波シールド150は、略矩形のカバー開口152aを含み、平面視における形状が略矩形で、嵌合方向に直交する平板状の第2カバー部152と、第2カバー部152の側縁に接続され、嵌合方向に延在する側面シールド部153とを有する第2シールド部材151を含み、第2ハウジング111の長手方向に互いに隣接する第2シールド部材151同士は当接していない。
また、第2高周波接続ユニット170は、第2ハウジング111の長手方向に並ぶ列を複数形成するように配設されている。さらに、各第2高周波接続ユニット170は、第2高周波端子171を収容する第2高周波端子収容凹部124を含み、側面シールド部153は、第2高周波端子収容凹部124の側方に取付けられている。さらに、第2高周波端子171は、第2カバー部152に接近して配設され、第2高周波端子171と第2カバー部152との距離を調整することによってインピーダンスを調整可能である。
さらに、本実施の形態において、コネクタ組立体は、第1ハウジング11と、第1ハウジング11に装填される複数の第1高周波接続ユニット70とを有する第1コネクタ1と、第2ハウジング111と、第2ハウジング111に装填される複数の第2高周波接続ユニット170とを有し、第1コネクタ1と嵌合する第2コネクタ101とを備える。そして、第1ハウジング11は、第2ハウジング111が挿入される第1凹部12であって、複数の第1高周波接続ユニット70が第1ハウジング11の長手方向に密接して並べられた状態で装填される平面視における形状が略矩形の第1凹部12を含み、各第1高周波接続ユニット70は、第1高周波端子71と、第1高周波端子71の周囲を囲繞して嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の第1高周波シールド50とを含み、第1高周波シールド50は、第1ハウジング11の長手方向に互いに隣接する第1高周波シールド50と共有する第1中間シールド部材56であって、第1ハウジング11の幅方向に延在する第1中間シールド部材56を含み、第2ハウジング111は、平面視における形状が略矩形であり、複数の第2高周波接続ユニット170が第2ハウジング111の長手方向に密接して並べられた状態で装填され、第1ハウジング11の第1凹部12に挿入され、各第2高周波接続ユニット170は、第2高周波端子171と、第2高周波端子171の周囲を囲繞して嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の第2高周波シールド150とを含み、第2高周波シールド150は、第1高周波端子71が挿通される略矩形のカバー開口152aを含み、平面視における形状が略矩形で、嵌合方向に直交する平板状の第2カバー部152と、第2カバー部152の側縁に接続され、嵌合方向に延在する側面シールド部153とを有する第2シールド部材151を含み、第2ハウジング111の長手方向に互いに隣接する第2シールド部材151同士の間に第1中間シールド部材56が挿入される。
次に、第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図16は第3の実施の形態における第1コネクタの斜視図、図17は第3の実施の形態における第1中間シールド部材の配置を示す斜視図、図18は第3の実施の形態における第2コネクタの斜視図、図19は第3の実施の形態における第2シールド部材の斜視図である。なお、図17において、(a)は第1長手方向中間シールド部材の配置を示す斜視図、(b)は第1幅方向中間シールド部材の配置を示す斜視図である。
本実施の形態においては、前記第2の実施の形態と同様に、複数の第1高周波接続ユニット70が第1ハウジング11の長手方向に2列に並ぶように配設され、また、第2高周波接続ユニット170も第2ハウジング111の長手方向に2列に並ぶように配設されている。
そして、本実施の形態において、第1ハウジング11の第1凹部12は、前記第2の実施の形態における中央仕切部13を含んでおらず、底板23に形成された第1ハウジング11の長手方向に延在する中間支持部としての長手方向中間支持部23c2によって、第1ハウジング11の幅方向に2分されている。また、前記第1凹部12における2分された各部分は、前記底板23に形成された第1ハウジング11の幅方向に延在する中間支持部としての幅方向中間支持部23c1によって、第1ハウジング11の長手方向に第1高周波接続ユニット70毎に分割されている。つまり、第1高周波接続ユニット70の各列において、幅方向中間支持部23c1は、互いに隣接する第1高周波接続ユニット70の第1高周波端子支持部24同士の間に配設される。さらに、前記長手方向中間支持部23c2及び幅方向中間支持部23c1には、底板23の板厚方向に貫通する長手方向中間支持開口23b2及び幅方向中間支持開口23b1が、それぞれ、形成されている。なお、長手方向中間支持部23c2及び幅方向中間支持部23c1、並びに、長手方向中間支持開口23b2及び幅方向中間支持開口23b1を統合的に説明する場合には、それぞれ、中間支持部23c及び中間支持開口23bとして説明する。
また、前記長手方向中間支持部23c2及び幅方向中間支持部23c1には、それぞれ、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって形成された第1ハウジング11の厚さ方向及び幅方向に延在するシールド板としての第1長手方向中間シールド部材562及び第1幅方向中間シールド部材561が収容されて保持される。前記第1長手方向中間シールド部材562は、第1シールド部材51と協働して略矩形断面の角筒状の第1高周波シールド50を構成する板材であって、第1ハウジング11の長手方向に延在する基部562aと、該基部562aの上端から上方に突出する一対の係合突起562bと、前記基部562aの両端から第1ハウジング11の長手方向に延出する一対のテール部562dとを有する。また、前記第1幅方向中間シールド部材561は、第1シールド部材51と協働して略矩形断面の角筒状の第1高周波シールド50を構成する板材であって、第1ハウジング11の幅方向に延在する基部561aと、該基部561aの上端から上方に突出する一対の係合突起561bと、前記基部561aの両端から第1ハウジング11の幅方向に延出する一対のテール部561dとを有する。そして、前記第1長手方向中間シールド部材562のテール部562d及び第1幅方向中間シールド部材561のテール部561dの下端は、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、接地ラインであって、高周波信号を伝達する信号ラインに沿って配置され、該信号ラインの電磁的シールドとして機能する接地ラインである。また、前記第1長手方向中間シールド部材562及び第1幅方向中間シールド部材561を統合的に説明する場合には、第1中間シールド部材56として説明する。
なお、本実施の形態における第1コネクタ1は、前記第1及び第2の実施の形態における第1コネクタ1と比較すると、各方向の寸法の比率や各部の形状が異なっているものの、上述の点以外については、実質的に同じ構造を有するので、説明を省略する。
本実施の形態において、第2コネクタ101の第2シールド部材151では、前記第1の実施の形態と同様に、第2カバー部152の4つの側縁には、第2中間壁部121に取付けられる第2中間壁シールド部153aと、第2側壁部114に取付けられる第2側壁シールド部153bとが一体的に接続されている。そして、第2コネクタ101の幅方向外側の第2側壁シールド部153bの下端には、第2側壁テール部154が、約90度湾曲し、第2コネクタ101の幅方向の外方を向いて延出し、前記第2側壁テール部154と、第2コネクタ101の幅方向内側の第2側壁シールド153bの下端とが、第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。また、第2中間壁シールド部153aの下端も、第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。このように第2高周波端子171の近傍で第2高周波端子171を囲うように第2シールド部材151が接地されていることによって、シールド性が向上し、さらに良好なSI特性を得ることができる。
なお、本実施の形態における第2コネクタ101は、前記第1及び第2の実施の形態における第2コネクタ101と比較すると、各方向の寸法の比率や各部の形状が異なっているものの、上述の点以外については、実質的に同じ構造を有するので、説明を省略する。
そして、第1コネクタ1と第2コネクタ101とが嵌合すると、第1長手方向中間シールド部材562の係合突起562bは、第2ハウジング111の幅方向に関して互いに隣接する第2カバー部152の第2側壁シールド部153b同士の間に挿入され、該第2側壁シールド部153bと接触して導通し、第1幅方向中間シールド部材561の係合突起561bは、第2ハウジング111の長手方向に関して互いに隣接する第2カバー部152の第2中間壁シールド部153a同士の間に挿入され、該第2中間壁シールド部153aと接触して導通する。したがって、互いに接続された第1高周波端子71及び第2高周波端子171は、その周囲を嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の電磁的シールドによって二重に囲繞された状態となるので、伝送線路を高周波信号の伝送に用いた場合も、良好なSI特性を得ることができる。
なお、本実施の形態における第1コネクタ1及び第2コネクタ101のその他の点の構成、動作及び効果については、前記第1及び第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、第4の実施の形態について説明する。なお、第1~第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1~第3の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図20は第4の実施の形態における第1コネクタの斜視図、図21は第4の実施の形態における第1コネクタの四面図、図22は第4の実施の形態における第1中間シールド部材の配置を示す斜視図、図23は第4の実施の形態における第2コネクタの斜視図、図24は第4の実施の形態における第2コネクタの四面図、図25は第4の実施の形態における第2シールド部材の斜視図である。なお、図21において、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)は後面図であり、図22において、(a)は第1長手方向中間シールド部材の配置を示す斜視図、(b)は第1幅方向中間シールド部材の配置を示す斜視図であり、図24において、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)は後面図である。
本実施の形態においては、前記第2及び第3の実施の形態と同様に、複数の第1高周波接続ユニット70が第1ハウジング11の長手方向に2列に並ぶように配設され、また、第2高周波接続ユニット170も第2ハウジング111の長手方向に2列に並ぶように配設されている。
また、前記第3の実施の形態と同様に、第1ハウジング11の第1凹部12は、前記第2の実施の形態における中央仕切部13を含んでおらず、底板23に形成された第1ハウジング11の長手方向に延在する中間支持部としての長手方向中間支持部23c2によって、第1ハウジング11の幅方向に2分され、前記第1凹部12における2分された各部分は、前記底板23に形成された第1ハウジング11の幅方向に延在する中間支持部としての幅方向中間支持部23c1によって、第1ハウジング11の長手方向に第1高周波接続ユニット70毎に分割されている。そして、前記長手方向中間支持部23c2及び幅方向中間支持部23c1には、底板23の板厚方向に貫通する長手方向中間支持開口23b2及び幅方向中間支持開口23b1が、それぞれ、形成されている。
さらに、前記第3の実施の形態と同様に、前記長手方向中間支持部23c2及び幅方向中間支持部23c1には、それぞれ、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって形成された第1ハウジング11の厚さ方向及び幅方向に延在するシールド板としての第1長手方向中間シールド部材562及び第1幅方向中間シールド部材561が収容されて保持される。
さらに、前記第1長手方向中間シールド部材562は、前記第3の実施の形態と同様に、第1ハウジング11の長手方向に延在する基部562aと、該基部562aの上端から上方に突出する係合突起562bと、前記基部562aの両端から第1ハウジング11の長手方向に延出する一対のテール部562dとを有するが、本実施の形態における係合突起562bは、一対ではなく、単一である。また、前記第1幅方向中間シールド部材561も、前記第3の実施の形態と同様に、第1ハウジング11の幅方向に延在する基部561aと、該基部561aの上端から上方に突出する係合突起561bと、前記基部561aの両端から第1ハウジング11の幅方向に延出する一対のテール部561dとを有するが、本実施の形態における係合突起561bは、一対ではなく、単一である。
なお、本実施の形態における第1コネクタ1は、前記第1~第3の実施の形態における第1コネクタ1と比較すると、各方向の寸法の比率や各部の形状が異なっているものの、上述の点以外については、実質的に同じ構造を有するので、説明を省略する。
本実施の形態において、第2コネクタ101の第2シールド部材151では、前記第1及び第3の実施の形態と同様に、第2カバー部152の4つの側縁には、第2中間壁部121に取付けられる第2中間壁シールド部153aと、第2側壁部114に取付けられる第2側壁シールド部153bとが一体的に接続されている。
しかし、本実施の形態において、第2中間壁シールド部153aには、第2中間壁シールド凸部155aが形成されておらず、カンチレバー状の第2中間壁接触腕部153a1が形成されている。該第2中間壁接触腕部153a1は、第2カバー部152の側縁から下方に延出する細長い弾性片であって、自由端(先端)近傍がX軸方向に弾性的に変位可能な部材であり、両側がスリット状の第2中間壁切欠部153a2によって画定されている。なお、図に示される例において、第2中間壁接触腕部153a1は、各第2中間壁シールド部153aに2つ形成されているが、その数は1つであっても、3つ以上であってもよい。なお、高周波信号の伝送に用いる場合は、前記第2側壁シールド凸部155bと第1側壁シールド凹部55bとが接触し、かつ、前記第2中間壁接触腕部153a1と第1端壁シールド凹部55a及び第1中間シールド凹部56cとが接触することが最も望ましいが、第2側壁シールド凸部155bと第1側壁シールド凹部55bとは、必ずしも接触していなくてもよい。
また、本実施の形態において、一対の第2側壁シールド部153bのうち、中央仕切凹部113側の第2側壁部114に取付けられる第2側壁シールド部153bには、第2側壁シールド凸部155bが形成されておらず、カンチレバー状の第2側壁接触腕部153b1が形成されている。該第2側壁接触腕部153b1は、第2中間壁接触腕部153a1と同様の部材であり、両側がスリット状の第2側壁切欠部153b2によって画定されている。なお、図に示される例において、第2側壁接触腕部153b1は、各第2側壁シールド部153bに1つ形成されているが、その数は2つ以上であってもよい。また、一対の第2側壁シールド部153bのうち、中央仕切凹部113と反対側の第2側壁部114に取付けられる第2側壁シールド部153bは、前記第3の実施の形態における第2側壁シールド部153bと同様である。
なお、本実施の形態における第2コネクタ101は、前記第1~第3の実施の形態における第2コネクタ101と比較すると、各方向の寸法の比率や各部の形状が異なっているものの、上述の点以外については、実質的に同じ構造を有するので、説明を省略する。
そして、第1コネクタ1と第2コネクタ101とが嵌合すると、第1長手方向中間シールド部材562の係合突起562bは、第2ハウジング111の幅方向に関して互いに隣接する第2カバー部152の第2側壁シールド部153b同士の間に挿入され、該第2側壁シールド部153bと接触して導通し、第1幅方向中間シールド部材561の係合突起561bは、第2ハウジング111の長手方向に関して互いに隣接する第2カバー部152の第2中間壁シールド部153a同士の間に挿入され、該第2中間壁シールド部153aと接触して導通する。この場合、第2側壁接触腕部153b1が第1長手方向中間シールド部材562の係合突起562bの両側に弾性的に当接し、第2中間壁接触腕部153a1が第1幅方向中間シールド部材561の係合突起561bの両側に弾性的に当接するので、第1長手方向中間シールド部材562及び第1幅方向中間シールド部材561と第2カバー部152との導通が確実に維持される。したがって、互いに接続された第1高周波端子71及び第2高周波端子171は、その周囲を嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の電磁的シールドによって二重に囲繞された状態となるので、伝送線路を高周波信号の伝送に用いた場合も、良好なSI特性を得ることができる。
なお、本実施の形態における第1コネクタ1及び第2コネクタ101のその他の点の構成、動作及び効果については、前記第1~第3の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、第5の実施の形態について説明する。なお、第1~第4の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1~第4の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図26は第5の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合前の斜視図、図27は第5の実施の形態における第1コネクタの斜視図、図28は第5の実施の形態における第1コネクタの分解図、図29は第5の実施の形態における第1コネクタの四面図である。なお、図29において、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)は後面図である。
本実施の形態においては、前記第2~第4の実施の形態と同様に、複数の第1高周波接続ユニット70が第1ハウジング11の長手方向に2列に並ぶように配設され、また、第2高周波接続ユニット170も第2ハウジング111の長手方向に2列に並ぶように配設されている。なお、第1シールド右部材51A及び第1シールド左部材51Bは、第1凹部12の幅方向中心を通るX-Z面に関して対称ではなく、各々が第1端壁シールド部52a及び第1側壁シールド部52bを1つずつ備え、X-Y面における第1凹部12の中心点に関して互いに対称な形状を有している。また、第1側壁シールド部52bの内側面には、係合凸部としての第1側壁凸部55cが突出するように形成されている。
そして、前記第2の実施の形態と同様に、第1ハウジング11の第1凹部12は、第1ハウジング11の長手方向に延在する中央仕切部13によって、第1ハウジング11の幅方向に2分されている。また、複数の第1端子支持部としての第1高周波端子支持部24は、中央仕切部13の両側の第1凹部12内において、第1ハウジング11の長手方向に、それぞれ、1列ずつに並ぶように配設されている。そして、各底板開口23aは、対応する第1高周波端子支持部24における中央仕切部13と反対側に隣接するように配設される。
なお、本実施の形態において、第1ハウジング11の第1凹部12は、中間支持部23cを含んでいない。また、本実施の形態における中間支持開口23bは、前記第2の実施の形態における中間支持開口23bよりも大きく、中央仕切部13を横切って該中央仕切部13の両側の第1凹部12を結ぶように、第1ハウジング11の幅方向に連続して延在するように形成され、その結果、各中間支持開口23bの両端が、第1高周波端子支持部24よりも第1側壁部14に接近している。つまり、中央仕切部13の両側の第1高周波端子支持部24は、第1ハウジング11の長手方向(X軸方向)から観ると、第1ハウジング11の幅方向に延在する中間支持開口23bの一端から他端までの範囲内に位置している。
そして、本実施の形態において、第1中間シールド部材56は、1枚で、中央仕切部13の両側の第1凹部12に亘って存在するように構成された導電性の金属板であって、第1ハウジング11の幅方向に延在する基部56aと、該基部56aの上端から上方に突出する一対の壁板部57と、該壁板部57の側面に形成された第1ハウジング11に対しての係止用凸部としての第1中間シールド凸部56fと、前記壁板部57の下端のテール部56dとを有する。前記第1中間シールド部材56は、実装面11b側から中間支持開口23b内に挿入され、一対の壁板部57の各々は、中央仕切部13の両側において、中間支持開口23bを通って、中央仕切部13の底板23の上面から上方に突出する。また、両側の壁板部57の間に形成された係合凹部56eが、前記中央仕切部13と係合し、これにより、第1中間シールド部材56が第1ハウジング11に確実に保持される。さらに、前記第2の実施の形態における第1コネクタ1と比較すると、一対のテール部56dを収容するためのスペースを中央仕切部13の両側の第1凹部12の各々に設ける必要がなくなるので、第1ハウジング11の幅方向の寸法をより小さくすることが可能になる。
各壁板部57は、係合凹部56eから遠位端に向けて延在する上縁部57aと、上下方向(Z軸方向)に延在し、前記上縁部57aに接続される側縁部57bとを有する。そして、前記上縁部57aは、前記係合凹部56eに隣接し、X-Y面とほぼ平行に延在する水平部57fと、該水平部57fに接続され、壁板部57の遠位端に向けて斜め下方に傾斜して延在する傾斜部57sと、該傾斜部57sと側縁部57bとを連結する湾曲部57rとを含んでいる。また、前記上縁部57a及び側縁部57bの板厚方向(X軸方向)両端には、面取部57cが形成されている。該面取部57cは、傾斜面であってもよいし、曲面であってもよい。
各壁板部57は、第1中間シールド部材56が、第1ハウジング11に取付けられた状態において、第1ハウジング11の幅方向に関して、中央仕切部13の側面から第1高周波端子71を越えた位置にまで延在する。そして、上縁部57aは、中央仕切部13の両側面の位置から第1ハウジング11の幅方向外側に向けて延在し、水平部57fの上面は、中央仕切部13の上面とほぼ面一となる。すなわち、上縁部57aの上端と中央仕切部13の上端との高さも、ほぼ同一である。また、側縁部57bは、第1ハウジング11の幅方向に延在する中間支持開口23bの両端に位置するので、第1高周波端子支持部24よりも第1側壁部14に接近している。さらに、第1ハウジング11の長手方向(X軸方向)から観ると、第1高周波端子支持部24及び該第1高周波端子支持部24に取付けられた第1高周波端子71の上端の高さは、傾斜部57sの上端の高さ以下となっている。
なお、本実施の形態における第1コネクタ1は、前記第2の実施の形態における第1コネクタ1と比較すると、各方向の寸法の比率や各部の形状が異なっているものの、上述の点以外については、実質的に同じ構造を有するので、説明を省略する。
次に、第2コネクタ101の構成について説明する。
図30は第5の実施の形態における第2コネクタの斜視図、図31は第5の実施の形態における第2コネクタの分解図、図32は第5の実施の形態における第2コネクタの四面図である。なお、図32において、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)は後面図である。
本実施の形態において、第2コネクタ101の第2シールド部材151は、第2通常シールド部材151Aと、第2装甲シールド部材151Bとを含んでいる。
前記第2通常シールド部材151Aは、前記第3の実施の形態における第2シールド部材151とほぼ同様の部材であり、第2側壁シールド部153bの外側面には、第2側壁シールド凸部155bに代えて、係合凹部としての第2側壁シールド凹部155cが凹入するように形成されている点でのみ、前記第3の実施の形態における第2シールド部材151と相違する。
前記第2装甲シールド部材151Bは、隣接する第2通常シールド部材151Aに向けて延在する延長部152cを有する点で、前記第2通常シールド部材151Aと相違する。前記延長部152cは、第2カバー部152の庇部152bと側面シールド部153の第2側壁シールド部153bとを、庇部152bと第2側壁シールド部153bとの連結部分とともに、隣接する第2通常シールド部材151Aに接近する位置にまで延長した部分である。これにより、第2シールド部材151が第2ハウジング111に取付けられた状態において、第2ハウジング111の幅方向両側における第2側壁部114の嵌合面111a側の角部分のうちの、少なくとも第2装甲シールド部材151Bと第2通常シールド部材151Aとの間の箇所が金属板から成る延長部152cによって覆われて、保護されることとなる。
なお、第2装甲シールド部材151Bのその他の点の構成については、第2通常シールド部材151Aと同様であり、第2装甲シールド部材151Bと第2通常シールド部材151Aとを統合的に説明する場合には、第2シールド部材151として説明する。
そして、本実施の形態において、第2ハウジング111は、前記第2の実施の形態における第2ハウジング111と比較すると、各方向の寸法の比率や各部の形状が異なっているものの、実質的に同じ構造を有するものではあるが、第2高周波端子支持部126の上面が嵌合面111aとほぼ面一である点で相違する。これにより、第2シールド部材151が第2ハウジング111に取付けられた状態において、第2高周波端子支持部126の上面と第2カバー部152の庇部152bの上面とをほぼ面一にすることができる。
なお、本実施の形態における第2コネクタ101は、前記第2及び第3の実施の形態における第2コネクタ101と比較すると、各方向の寸法の比率や各部の形状が異なっているものの、上述の点以外については、実質的に同じ構造を有するので、説明を省略する。
次に、前記構成の第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合させる動作について説明する。
図33は第5の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとを嵌合させる動作を示す断面図であって第1ハウジング及び第2ハウジングの長手方向から観た断面図、図34は第5の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとを嵌合させる際に大きな位置ずれが生じた場合を示す図である。なお、図33において、(a)~(c)は第1ハウジング及び第2ハウジングの幅方向に位置ずれが生じ嵌合面が平行でない状態で嵌合させる動作の各段階を示す図であり、図34において、(a)は平面図、(b)は(a)におけるB-B矢視断面図である。
本実施の形態における第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合させる動作は、前記第1~第4の実施の形態と同様である。そして、前記第2の実施の形態でも説明したように、第1コネクタ1と第2コネクタ101とがX又はY軸方向に互いに位置ずれしたり、互いに傾斜したりした状態のままで、第1コネクタ1の嵌合面11aと第2コネクタ101の嵌合面111aとを当接させ、スライドさせながら、第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合させるような場合が起こり得るが、このような場合であっても、本実施の形態においては、損傷や破損をより確実に防止しつつ、第1コネクタ1と第2コネクタ101とをスムーズに嵌合させることができる。
図26に示されるような第1コネクタ1と第2コネクタ101との位置合せされた状態で、第1ハウジング11の嵌合面11aと第2ハウジング111の嵌合面111aとが互いに平行となって対向した状態でなく、例えば、X軸方向から観て、第2コネクタ101の嵌合面111aが、第1コネクタ1の嵌合面11aに対して、Y軸方向に位置ずれし、かつ、X軸を中心に回転するように傾斜した状態で互いに当接する場合があり得る。
このような場合、図33(a)に示されるように、まず、第2ハウジング111の嵌合面111aにおける幅方向一端(図33(a)における左端)の角部分が第1ハウジング11の第1凹部12内に進入することとなる。しかし、該第1凹部12内においては、第1高周波端子支持部24よりも、中央仕切部13及び第1中間シールド部材56の壁板部57の高さが高いので、前記第2ハウジング111の角部分は、第1高周波端子支持部24及び該第1高周波端子支持部24に取付けられた第1高周波端子71に当接することなく、中央仕切部13又は壁板部57の上縁部57aの上端に当接する。なお、図33(a)に示される例では、第2ハウジング111の角部分が壁板部57の上縁部57aにおける傾斜部57sの上端に当接しているが、該傾斜部57sの上端も第1高周波端子支持部24の上端よりも高いので、第2ハウジング111が第1高周波端子支持部24及び第1高周波端子71に当接することはない。したがって、第1高周波端子支持部24及び第1高周波端子71が損傷を受けたり、破損したりすることがない。
一方、第2ハウジング111も、延長部152cの存在により、嵌合面111aにおける幅方向両端の角部分の大部分が第2シールド部材151によって覆われているので、前記角部分は、中央仕切部13又は壁板部57に当接しても、損傷を受けたり、破損したりすることがない。
続いて、図33(b)に示されるように、第2ハウジング111は、壁板部57の上縁部57aに当接しながら、第1ハウジング11に対して相対的に、幅方向(図33における左方向)にスライドしつつ、嵌合方向(図33における下方向)に変位する。この際、第2ハウジング111の嵌合面111aは、傾斜部57sの上端に沿ってスライドするので、スムーズにスライドしつつ嵌合方向に変位することができる。また、上述のように、傾斜部57sの上端も第1高周波端子支持部24の上端よりも高く、第2ハウジング111が第1高周波端子支持部24及び第1高周波端子71に当接しないので、第1高周波端子支持部24及び第1高周波端子71が損傷を受けたり、破損したりすることがない。
また、幅方向へのスライドが終了する際も、図33(b)に示されるように、第2シールド部材151の第2側壁シールド部153bが第1シールド部材51の第1側壁シールド部53bに当接するので、第2ハウジング111の第2側壁部114も第1ハウジング11の第1側壁部14も、損傷を受けたり、破損したりすることがない。
そして、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、図33(c)に示されるように、第1ハウジング11の中央仕切部13が第2ハウジング111の中央仕切凹部113内に挿入されて収容され、第1高周波端子71と第2高周波端子171とが接触して導通した状態となる。なお、高周波信号(例えば、周波数が6〔GHz〕以上)の伝送に用いる場合は、前記第2側壁シールド凹部155cと第1側壁凸部55cとが接触し、かつ、前記第2中間壁シールド凸部155aと第1端壁シールド部52aの側面及び壁板部57の側面とが接触することが最も望ましいが、第2側壁シールド凹部155cと第1側壁凸部55cとは、必ずしも接触していなくてもよい。
また、例えば、図34に示されるように、第2コネクタ101の嵌合面111aが、第1コネクタ1の嵌合面11aに対して、X軸方向に位置ずれするとともに、Y軸方向に位置ずれし、かつ、X軸を中心に回転するように傾斜した状態で互いに当接する場合もあり得る。
このような場合、図34(b)に示されるように、まず、第2ハウジング111の嵌合面111aにおける長手方向一端かつ幅方向一端の角部分が、第1ハウジング11の第1凹部12内において互いに隣接する壁板部57同士の間に進入することとなる。そして、第2ハウジング111が第1ハウジング11に対して相対的に長手方向(図34(a)における右方向)に変位すると、前記角部分が壁板部57の一方(図34(a)における左方)の側面に当接し、続いて、上縁部57aを乗越えることとなる。この際、上縁部57aの板厚方向(X軸方向)両端には、面取部57cが形成されているので、前記角部分は、上縁部57aをスムーズに乗越えて第1ハウジング11の長手方向に変位することができる。
また、第2ハウジング111が第1ハウジング11に対して相対的に長手方向に変位する際には、壁板部57の上縁部57aが、第2シールド部材151の第2カバー部152における庇部152bの上面を相対的にスライドするので、カバー開口152a内に進入する可能性がある。しかし、本実施の形態においては、カバー開口152a内に存在する第2高周波端子支持部126の上面と庇部152bの上面とがほぼ面一になっているので、壁板部57の上縁部57aがカバー開口152aの深くにまで進入することが防止される。その結果、カバー開口152a内に存在する第2高周波端子171の第2接触部175aは、壁板部57の上縁部57aと当接して、損傷を受けたり、破損したりすることがない。また、壁板部57は、カバー開口152aから過大な力を受けないので、損傷を受けたり、破損したりすることがない。また、壁板部57や、第1高周波端子支持部24と第1高周波端子支持部24に取り付けられた第1高周波端子71とが、第2高周波端子支持部126の上面と庇部152bの間の段差に引っ掛かるなどして、破損したりすることがない。
なお、本実施の形態における第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合させる動作のその他の点については、前記第1及び第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
このように、本実施の形態において、第1コネクタ1は、第1ハウジング11と、第1ハウジング11に装填される複数の第1高周波接続ユニット70とを有し、第1基板に実装され、第2コネクタ101と嵌合する。そして、第1ハウジング11は、第2コネクタ101の第2ハウジング111が挿入される第1凹部12であって、複数の第1高周波接続ユニット70が第1ハウジング11の長手方向に密接して並ぶ列を複数形成する状態で装填される平面視における形状が略矩形の第1凹部12と、第1高周波接続ユニット70の列同士の間において第1ハウジング11の長手方向に延在する中央仕切部13とを含み、各第1高周波接続ユニット70は、第1高周波端子71と、第1高周波端子71の周囲を囲繞して嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の第1高周波シールド50とを含み、第1高周波シールド50は、第1ハウジング11の長手方向に互いに隣接する第1高周波シールド50と共有する第1中間シールド部材56であって、第1ハウジング11の幅方向に延在する第1中間シールド部材56を含み、第1中間シールド部材56は、第1ハウジング11の幅方向に関して、中央仕切部13の側面から第1高周波端子71を越えた位置にまで延在する壁板部57を含み、壁板部57は、中央仕切部13から離れる方向に向けて斜め下方に傾斜する傾斜部57sを含んでいる。
これにより、高いスペース効率で第1高周波接続ユニット70を装填することができ、小型低背でありながら、複数本の信号ラインを接続することができるとともに、第1高周波端子71の高いシールド効果を得ることができ、信頼性が向上する。さらに、第1コネクタ1と第2コネクタ101とを当接させ、スライドさせながら、第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合させるような場合であっても、損傷や破損をより確実に防止しつつ、第1コネクタ1と第2コネクタ101とをスムーズに嵌合させることができる。
また、傾斜部57sの上端は、第1ハウジング11の長手方向に観て、第1高周波端子71の上端よりも高い。さらに、傾斜部57sの板厚方向両端には、面取部57cが形成されている。さらに、第2コネクタ101の第2高周波接続ユニット170の第2高周波端子収容凹部124内には、第2高周波端子171を支持する第2高周波端子支持部126が配設され、第2高周波端子支持部126の上面は、第2カバー部152の上面とほぼ面一である。さらに、第2高周波シールド150の少なくとも一部は、第2カバー部152及び側面シールド部153の一部を延長した延長部152cであって、隣接する第2高周波接続ユニット170の第2高周波シールド150に接近する位置まで第2ハウジング111の長手方向に延在する延長部152cを含んでいる。
なお、本実施の形態における第1コネクタ1及び第2コネクタ101のその他の点の構成、動作及び効果については、前記第1~第4の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
また、本明細書の開示は、好適で例示的な実施の形態に関する特徴を述べたものである。ここに添付された特許請求の範囲内及びその趣旨内における種々の他の実施の形態、修正及び変形は、当業者であれば、本明細書の開示を総覧することにより、当然に考え付くことである。