JP7261879B2 - ガイドワイヤ - Google Patents
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Description
この構成によれば、コアシャフトは、角柱形状(すなわち横断面形状が矩形状)の先端部と、横断面形状が円形状の第2中間部と、の間に、先端から基端に向かって横断面形状が矩形状から円形状へと徐変する第1中間部を備えている。このため、先端部、第1中間部、第2中間部へと、剛性や外側形状を滑らかに変化させることが可能となる。この結果、ガイドワイヤのシェイピング時や使用時において、コアシャフトの特定箇所に対する応力集中を抑制することができ、ガイドワイヤの耐キンク性を向上できる。
この構成によれば、コアシャフトは、先端部における横断面の断面積と、第2中間部の先端における横断面の断面積とが等しい。このため、ガイドワイヤのシェイピング時や使用時において、コアシャフトの特定箇所に対する応力集中を抑制することができ、ガイドワイヤの耐キンク性を向上できる。
この構成によれば、ガイドワイヤの先端側には、コアシャフトとコイル体とが湾曲した湾曲部が設けられている。ここで、コアシャフトの先端部の横断面形状は、アスペクト比が1:1以上かつ1.08:1以下の矩形状であるため、ガイドワイヤの先端側に対して湾曲部を容易に設けることができる。
この構成によれば、ガイドワイヤは、さらに複数の素線を撚り合せた撚線を備えるため、ガイドワイヤの使用時、ガイドワイヤの先端側において撚線とコアシャフトとが一体的に動く構成とできる。この結果、曲げに対する柔軟性や復元性に優れたガイドワイヤを提供できる。
この構成によれば、ガイドワイヤの先端側には、撚線とコアシャフトとコイル体とが湾曲した湾曲部が設けられている。ここで、コアシャフトの先端部の横断面形状は、アスペクト比が1:1以上かつ1.08:1以下の矩形状であるため、ガイドワイヤの先端側に対して湾曲部を容易に設けることができる。
図1は、第1実施形態のガイドワイヤ1の構成を例示した説明図である。ガイドワイヤ1は、血管や消化器官にカテーテルを挿入する際に用いられる医療器具であり、コアシャフト10と、コイル体20と、撚線30と、固定部51と、先端チップ61と、基端側固定部62とを備えている。ガイドワイヤ1の先端部には、ガイドワイヤ1が湾曲した湾曲部100が設けられている。本実施形態のガイドワイヤ1は、コアシャフト10の先端部が後述する構成を有することにより、ガイドワイヤ1のシェイピング性能と回転追従性能とを両立させることができる。なお、シェイピング性能とは、形状付けの容易性を意味する。また、回転追従性能とは、ガイドワイヤ1の基端側を回転させた際に、基端側の回転に追従して先端が回転する性能を意味する。換言すれば、回転追従性能とは、基端側におけるガイドワイヤ1の回転操作を先端側へと伝達する性能である。
以上のように、第1実施形態のガイドワイヤ1によれば、コアシャフト10の先端部11の横断面形状は矩形状であり、矩形のアスペクト比が1:1以上かつ1.08:1以下の略正方形である(図2:A-A断面)。このため、ガイドワイヤ1のシェイピング性能と回転追従性能とを両立させることができる。また、先端部11の矩形のアスペクト比を1:1以上かつ1.08:1以下とすることにより、ガイドワイヤ1の製造を容易にしつつ、ガイドワイヤ1のシェイピング性能と回転追従性能とを維持できる。
図3~図5を用いて、第1実施形態のガイドワイヤ1によって、回転追従性能が維持できることを説明する。ここでは、第1実施形態のガイドワイヤ1の効果を証明するために、第1実施形態の構成を有するガイドワイヤを含む、4つのサンプルに対して回転追従性試験を実施した。回転追従性試験とは、ガイドワイヤの回転追従性能を定量的に測定する試験である。
図7は、第2実施形態のガイドワイヤ1aの構成を例示した説明図である。第2実施形態のガイドワイヤ1aは、第1実施形態で説明した湾曲部100を備えていない。すなわち、ガイドワイヤ1aのコアシャフト10aと、コイル体20aと、撚線30aとは、先端側が湾曲しておらず、全長にわたって直線状である。このように、ガイドワイヤ1aの構成は種々の変更が可能であり、湾曲部100を備えない直線状に構成されてもよい。このような第2実施形態のガイドワイヤ1aによっても、術者がガイドワイヤ1aの使用前に、ガイドワイヤ1aの先端側に対して好みの形状の湾曲を付すことができ、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
図8は、第3実施形態のガイドワイヤ1bの構成を例示した説明図である。第3実施形態のガイドワイヤ1bは、第1実施形態で説明した構成において、撚線30と、固定部51とを備えていない。このように、ガイドワイヤ1bの構成は種々の変更が可能であり、撚線30や固定部51を省略してもよい。このような第3実施形態のガイドワイヤ1bによっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
図9は、第4実施形態のコアシャフト10cの先端側の断面構成を例示した説明図である。第4実施形態のガイドワイヤ1cは、第1実施形態のコアシャフト10に代えてコアシャフト10cを備えている。コアシャフト10cは、先端部11に代えて先端部11cを備え、第1中間部12に代えて第1中間部12cを備えている。
図10は、第5実施形態のコアシャフト10dの先端側の断面構成を例示した説明図である。第5実施形態のガイドワイヤ1dは、第1実施形態のコアシャフト10に代えてコアシャフト10dを備えている。コアシャフト10dは、第1実施形態で説明した第1中間部12を備えておらず、先端部11の基端側には、第2中間部13が隣接して設けられている。このように、コアシャフト10dの構成は種々の変更が可能であり、図示のように第1中間部12が省略されてもよく、第2中間部13が省略されてもよい。第2中間部13を省略した場合、先端部11の基端側には拡径部14(図1)が隣接して設けられ、先端部11の基端部には基端側固定部62(図1)が設けられる。また、第1中間部が、先端部よりも大きい角柱形状でもよい。このように、コアシャフト10dの構成は種々の変更が可能であり、第1中間部12や第2中間部13が省略されてもよい。このような第5実施形態のガイドワイヤ1dによっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
図11は、第6実施形態のガイドワイヤ1eの構成を例示した説明図である。第6実施形態のガイドワイヤ1eは、第2実施形態で説明した構成において、撚線30と、固定部51とを備えていない。このように、ガイドワイヤ1eの構成は種々の変更が可能であり、湾曲部100、撚線30、及び固定部51を省略してもよい。このような第6実施形態のガイドワイヤ1eによっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
図12は、第7実施形態のガイドワイヤ1fの構成を例示した説明図である。第7実施形態のガイドワイヤ1fは、第1実施形態の撚線30に代えて撚線30fを備え、固定部51に代えて固定部51fを備えている。撚線30fは、複数本の素線を撚り合せた撚線であり、コイル体20の内側においてコアシャフト10と並んで配置されている。撚線30fの先端部は、コアシャフト10の先端部11の先端に対応する位置に配置され、撚線30fの基端部は、コアシャフト10の先端部11の基端側に対応する位置に配置されている。固定部51fは、撚線30fの基端部と、コアシャフト10の先端部11の一部分と、コイル体20の一部分とを固定し、一体的に保持している。
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記第1~第7実施形態では、ガイドワイヤ1,1a~1fの構成を例示した。しかし、ガイドワイヤの構成は種々の変更が可能である。例えば、上記各実施形態のガイドワイヤは、血管にカテーテルを挿入する際に使用される医療器具として説明したが、リンパ腺系、胆道系、尿路系、気道系、消化器官系、分泌腺及び生殖器官等、人体内の各器官に挿入されるガイドワイヤとして構成することもできる。例えば、ガイドワイヤは、拡径部及び太径部を備えず、コアシャフトの全体がコイル体に覆われた構成であってもよい。
上記第1~7実施形態では、コアシャフト10,10a,10c,10dの構成を例示した。しかし、コアシャフトの構成は種々の変更が可能である。例えば、コアシャフトの先端部、第1中間部、第2中間部、拡径部、太径部が区別されておらず、全てが一定の外径を有する本体部として構成されてもよいし、全てが基端側から先端側に向かって外径が縮径した縮径部として構成されてもよい。例えば、コアシャフトの先端部、第1中間部、第2中間部、拡径部、太径部はそれぞれ異なる材料で形成され、それらが接合された構成でもよい。例えば、コアシャフトの第1中間部、第2中間部、拡径部、太径部の横断面形状は略円形形状に限られず、例えば略矩形形状、略楕円形形状、略多角形形状等の任意の形状を採用できる。例えば、太径部よりも基端側において、コアシャフトは、接合された複数のコアシャフト部材によって構成されてもよい。この場合、各コアシャフト部材は同じ材料で形成されてもよく、異なる材料で形成されてもよい。
上記第1~7実施形態では、コイル体20,20a及び撚線30,30a,30fの構成の一例を示した。しかし、コイル体及び撚線の構成は種々の変更が可能である。例えば、コイル体は、隣接する素線の間に隙間を有さない密巻きに構成されてもよく、隣接する素線の間に隙間を有する疎巻きに形成されてもよく、密巻きと疎巻きとが混合された構成であってもよい。また、コイル体は、例えば、疎水性を有する樹脂材料、親水性を有する樹脂材料、またはこれらの混合物によってコーティングされた樹脂層を備えていてもよい。例えば、撚線は、複数本の素線を撚り合せた撚線を、さらに複数本撚り合せて撚線とした構成でもよい。例えば、コイル体と撚線とのうちの少なくとも一方について、素線の横断面形状は、略円形でなくてもよい。
上記第1~7実施形態のガイドワイヤ1,1a~1fの構成、及び上記変形例1~3のガイドワイヤの構成は、適宜組み合わせてもよい。例えば、第2実施形態のガイドワイヤ1a(湾曲部を有さない構成)、第3実施形態のガイドワイヤ1b(撚線を有さない構成)、第6実施形態のガイドワイヤ1e(湾曲部と撚線を有さない構成)、第7実施形態のガイドワイヤ1f(異なる態様の撚線を有する構成)のいずれかにおいて、第4実施形態や第5実施形態で説明したコアシャフトを備えていてもよい。
10,10a,10c,10d…コアシャフト
11,11c…先端部
12,12c…第1中間部
13…第2中間部
14…拡径部
15…太径部
20,20a…コイル体
30,30a,30f…撚線
51,51f…固定部
61…先端チップ
62…基端側固定部
81…チューブ
100…湾曲部
Claims (5)
- ガイドワイヤであって、
コアシャフトと、
前記コアシャフトの先端側に巻回されたコイル体と、
前記コアシャフトの先端部と前記コイル体の先端部とが固定されている先端チップと、
を備え、
前記コアシャフトの先端部の横断面形状は矩形状であり、前記矩形のアスペクト比が1:1以上かつ1.08:1以下であり、
前記コアシャフトは、
角柱形状の前記先端部と、
前記先端部よりも基端側に設けられ、一定の外径を有する円柱形状の中間部と、を備え、
前記先端部の任意の箇所における横断面の断面積と、前記中間部の横断面の断面積とが等しい、ガイドワイヤ。 - 請求項1に記載のガイドワイヤであって、
前記コアシャフトは、さらに、前記先端部と前記中間部との間に設けられ、先端の横断面形状が矩形状、かつ、基端の横断面形状が円形状の徐変部であって、先端から基端に向かって横断面形状が矩形状から円形状へと徐変する徐変部を備える、ガイドワイヤ。 - 請求項1または請求項2に記載のガイドワイヤであって、
前記ガイドワイヤの先端側には、前記ガイドワイヤの軸線方向に対して、前記コアシャフトと前記コイル体とが湾曲した湾曲部が設けられている、ガイドワイヤ。 - 請求項1または請求項2に記載のガイドワイヤであって、さらに、
複数の素線を撚り合せた撚線であって、前記コイル体の内側に前記コアシャフトと並んで配置され、先端部が前記先端チップに固定された撚線と、
前記コアシャフトの前記中間部に設けられ、前記撚線の基端部と前記コアシャフトと前記コイル体とが固定されている固定部と、を備える、ガイドワイヤ。 - 請求項4に記載のガイドワイヤであって、
前記ガイドワイヤの先端側には、前記ガイドワイヤの軸線方向に対して、前記撚線と前記コアシャフトと前記コイル体とが湾曲した湾曲部が設けられている、ガイドワイヤ。
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