以下に、本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.情報処理の一例〕
図1および2を用いて、実施形態にかかる情報処理の一例について説明する。以下では、実施形態にかかる情報処理を第1の情報処理、および、第2の情報処理に分けて説明する。図1は、第1の情報処理を説明する図に対応する。図2は、第2の情報処理を説明する図に対応する。図1および2を用いて実施形態にかかる情報処理の一例を説明する前に、まずは、実施形態にかかる情報処理の概要を示すことにする。
まず、図3を用いて、実施形態にかかる情報処理システムについて説明する。図3は、実施形態にかかる情報処理システム1の構成例を示す図である。実施形態にかかる情報処理システム1は、図3に示すように、端末装置10と、外部装置30と、情報処理装置100とを含む。端末装置10、外部装置30、情報処理装置100は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、図3に示す情報処理システム1には、複数台の端末装置10や、複数台の外部装置30や、複数台の情報処理装置100が含まれてよい。
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。端末装置10は、ユーザによるインターネット上の行動に応じて、様々な情報処理を実行する。例えば、端末装置10は、表示画面に各種のコンテンツを表示することによりユーザによる閲覧行動を可能にする。また、例えば、端末装置10は、表示画面に各種の商品情報を表示することによりユーザによる購買行動を実現する。もちろん、ユーザによるインターネット上の行動は、閲覧行動や購買行動に限定されるものではない。例えば、インターネット上の行動としては、所定のSNSサイトに対して投稿される文章の入力行動等も挙げられる。
外部装置30は、各種サービスを提供するサーバ装置である。例えば、外部装置30は、サービスの数だけ存在するが、本実施形態では、説明を簡単にするために、1台の外部装置30が各種サービスを提供しているものとする。例えば、外部装置30は、ニュース記事等の記事コンテンツが一覧表示されるようなポータルサイトを提供する。また、外部装置30は、例えば、ショッピングサービス、オークションサービス、検索サービス、情報共有サービス、動画配信サービス等の各種サービスを提供する。また、これらサービスに対応するページでは、適宜、広告コンテンツの表示も行われる。また、外部装置30、および、後述する情報処理装置100を管理する事業者は同一であるものとする。したがって、上記の各種サービスは、かかる事業者に運営されるサービスとも言い換えることができる。
ここで、実施形態にかかる情報処理が行われるにあたっての前提について説明する。まず、第1の情報処理に対応する前提について説明する。例えば、ユーザの嗜好だけで記事コンテンツが選択される場合、記事コンテンツを読むユーザによっては不快感を感じ記事コンテンツを閲覧することなく離れてしまう可能性がある。例えば、ユーザがある芸能人のファンだとした場合、この芸能人の記事見出しが選択されることにより、ユーザに対してこの芸能人の記事コンテンツが提供されることがあるが、この芸能人の記事コンテンツの内容が「暴力」や「犯罪」に関する内容であるとすると、ユーザは不快に感じほとんど読むことなく離れてしまう可能性がある。このようなことから、例えば、記事コンテンツを最後まで効果的に閲覧させるためには、ユーザの性格に応じた記事コンテンツを配信したり、配信対象の記事コンテンツの表示態様(例えば、文章表現、文字スタイル、画像の見た目)をユーザの性格に応じた表示態様へと変更(変換)することが求められる。
次に、第2の情報処理に対応する前提について説明する。例えば、ユーザの嗜好だけで記事コンテンツが選択される場合、ユーザの性格と、この記事コンテンツの著者の性格との相性までは考慮されてないため、ユーザの嗜好だけで選択されたような記事コンテンツは効果的に閲覧されるとは限らない。これを説明するにはスポーツの例が良く当てはまる。例えば、ユーザは「テニス好き」という嗜好性を有していたとしても、常に楽しくテニスの練習をすることができるとは限らない。どのような相手とテニスできるかが重要なのである。例えば、ユーザがいくらテニス好きであったとしても、性格の合わない(性格的に相性の悪い)相手とは、最後まで楽しくてテニスできない。一方、ユーザは、性格の合う(性格的に相性の良い)相手とは、最後まで楽しくテニスすることができる。同じようなことが記事コンテンツでも言える。例えば、ユーザがある芸能人のファンであるため、この芸能人に関する記事コンテンツが優先的に表示されたとしても、この記事コンテンツの文章が相性の合わない著者によって書かれた文章であるとすると、ユーザはこの著者のことを全く知らずとも、「何となく気に障る文章」等といったように直観的に不快を感じほとんど閲覧することなく離れてしまう場合がある。このようなことから、ユーザの性格に応じた性格の著者によって書かれた記事コンテンツを配信することが重要と考えられる。
ユーザの「性格」についても触れておく。本実施形態でいう「性格」は、嗜好性のような単なるユーザの属性情報とはべつものである。つまり、性格は、ユーザの人間性を形成するうえでベースとなっているもので、先天的傾向に基づく意欲や行動の傾向である。したがって、長期的にみると、性格は、一様なものと解することができる。また、先の説明のように、性格は相手との相性をはかる上でも重要な要因となり得るものである。
上記の前提を踏まえて、実施形態にかかる情報処理装置100は、以下の情報処理を行う。具体的には、情報処理装置100は、ユーザの性格と、配信候補のコンテンツとを比較した比較結果を取得し、取得した比較結果に基づいて、配信候補のコンテンツの配信に関する所定の制御を行う。例えば、情報処理装置100は、第1の情報処理では、比較結果として、配信候補のコンテンツの特徴と、ユーザの性格との関係性に基づき、配信候補のコンテンツの特徴のうちユーザの性格と所定の関係性にあると判定された特徴を示す特徴情報を取得する。例えば、情報処理装置100は、配信候補のコンテンツの特徴として、配信候補のコンテンツに含まれる文字列が有する特徴、または、配信候補のコンテンツに含まれる画像の特徴との関係性に基づき、特徴のうち性格と所定の関係性にあると判定された特徴を示す特徴情報を取得する。また、情報処理装置100は、特徴情報の取得に当たって、機械学習モデルを用いることもできる。
また、例えば、情報処理装置100は、第1の情報処理では、比較結果として、処理対象のユーザの性格と、配信候補のコンテンツの性質として配信候補のコンテンツの著者の性格とを比較した比較結果を取得する。
そして、情報処理装置100は、所定の制御として、比較結果に基づき配信候補のコンテンツのうち処理対象のユーザの性格と関係性を有すると判定されたコンテンツを、処理対象のユーザに配信される配信対象のコンテンツとして決定する。また、情報処理装置100は、所定の制御として、比較結果に基づいて、配信候補のコンテンツの中から決定された配信対象のコンテンツの表示態様が処理対象のユーザの性格に応じた表示態様となるよう制御する。
〔2.第1の情報処理の一例〕
さて、ここからはまず、図1を用いて第1の情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態にかかる第1の情報処理の一例を示す図である。図1では、実施形態にかかる第1の情報処理の一例を手順を追って説明する。また、情報処理装置100が有する記憶部についても適宜説明する。なお、図1の例では、コンテンツは、記事コンテンツであるものとして説明するが、コンテンツは広告コンテンツ、あるいは、所定の画像コンテンツであってもよい。
まず、情報処理装置100は、記事コンテンツに関する行動履歴を取得し、行動履歴記憶部121に格納する(ステップS11)。例えば、情報処理装置100は、記事コンテンツに関する行動履歴として、各ユーザの閲覧履歴や検索履歴を外部装置30から取得する。閲覧履歴には、ユーザがどのような特徴の記事コンテンツを閲覧したかがわかるよう、例えば、記事コンテンツのURLとともに、記事コンテンツの見出し文や詳細文の文字列(テキスト)が含まれてもよい。また、検索履歴には、ユーザがどのような特徴の記事コンテンツを閲覧したかがわかるよう、検索に用いた検索クエリが含まれてよい。以下、図1の例では、行動履歴を閲覧履歴に絞って説明する。
行動履歴記憶部121は、端末装置10を有する各ユーザの記事コンテンツに対する閲覧履歴を記憶する。図1の例では、行動履歴記憶部121は、「ユーザID」、「時刻情報」、「記事コンテンツに対する閲覧履歴」といった項目を有する。「ユーザID」は、ユーザまたは端末装置10を識別する識別情報を示す。「時刻情報」は、記事コンテンツが閲覧された日時を示す。「記事コンテンツに対する閲覧履歴」は、記事コンテンツのURLとともに、記事コンテンツの見出し文や詳細文の文字列(テキスト)を含む閲覧履歴である。なお、情報処理装置100は、記事コンテンツのURLのみ閲覧履歴として記憶しておき、以下に説明する解析処理の際に、URLに対応する記事コンテンツに含まれる文字列を取得するようにしてもよい。
すなわち、図1に示す行動履歴記憶部121の例では、ユーザID「U1」によって識別されるユーザ(ユーザU1)が「2019年4月3日15時58分」において検索クエリ「AcDA11」で示される記事コンテンツに対する閲覧行動を行った例を示す。なお、図1の例では、「AcDA11」といった概念的な記号を用いているが、実際には、URLや文字列が記憶されることになる。
次に、情報処理装置100は、ユーザの性格を推定する推定処理を行う(ステップS12)。例えば、情報処理装置100は、所定の性格診断手法により、各ユーザの性格を診断(各ユーザがどの性格特性であるか診断)し、診断結果をユーザ結果記憶部122に格納する。例えば、情報処理装置100は、Big5とよばれる性格診断手法を用いて、開放性、真面目さ、外向性、協調性、精神安定性といった5項目の性格特性毎にスコアを算出し、算出したスコアに基づいて、各ユーザがどの性格特性に最も当てはまるかを診断することができる。例えば、情報処理装置100は、ユーザU1についてBig5を行った結果、開放性で最も高いスコアが得られたとすると、ユーザU1は性格特性「開放的」との診断結果を得る。言い換えれば、情報処理装置100は、ユーザU1は開放的な性格(開放性が高い性格)との診断結果を得る。
なお、情報処理装置100は、エコグラムと呼ばれる性格診断手法により、「厳しさ度」、「優しさ度」、「冷静度」、「自由気まま度」、「従順度」といった性格特性のスコアを算出し、算出したスコアに基づいて、各ユーザがどの性格特性に最も当てはまるかを診断してもよい。また、情報処理装置100は、OKグラムと呼ばれる性格診断手法により、「他者否定性」、「他者肯定性」、「自己否定性」、「自己肯定性」といった性格特性のスコアを算出し、算出したスコアに基づいて、各ユーザがどの性格特性に最も当てはまるかを診断してもよい。
また、このような性格診断結果は、例えば、予め各ユーザに対していくつかの質問を行い、質問に対する回答に基づき得られた情報であってもよい。また、このような性格診断結果は、例えば、占いサイトやお見合いサイト等、ユーザに対して提供された各種サービスにおける利用履歴から推定されたものであってもよい。本実施形態では、Big5に基づく性格診断結果を例に説明することにする。
ユーザ結果記憶部122は、各ユーザに対する性格診断で得られた性格診断結果を記憶する。図1の例では、ユーザ結果記憶部122は、「性格特性」、「ユーザID」といった項目を有する。「性格特性」は、Big5での診断結果で得られる性格特性の候補を示す。「性格特性」には、開放的、真面目、外向的、協調的、精神不安定といった5項目が存在する。「ユーザID」は、対応する「性格特性」に属するユーザを識別する識別情報を示す。
図1に示すユーザ結果記憶部122の例では、性格特性「開放的」に対して、ユーザID「U1、U3、U5」等が対応付けられている。かかる例は、情報処理装置100が、Big5により、ユーザU1、ユーザU3、ユーザU5に対して性格特性「開放的」との診断結果を得たことを示す。つまり、ユーザU1、U3、U5は、「開放的な性格」との診断結果が得られたことを示す。
次に、情報処理装置100は、入力情報と、入力情報を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉の分類を行う(ステップS13)。例えば、情報処理装置100は、ステップS12で性格診断が行われたユーザが商品レビューのための入力欄に入力した文章(コメント)や、所定のSNSサイトに投稿した文章(コメント)を入力情報として取得する。例えば、情報処理装置100は、外部装置30から入力情報を取得する。そして、情報処理装置100は、入力情報と、入力情報を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉の分類を行う。例えば、情報処理装置100は、入力情報に含まれる文字列が有する特徴と、当該情報を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉の分類を行う。例えば、情報処理装置100は、性格特性毎に当該性格特性に応じた単語、語句、または、文章表現の少なくともいずれかの分類を行う。
ステップS13での分類処理の一例として、情報処理装置100は、相互情報量という指標を用いることができる。具体的には、情報処理装置100は、入力情報に含まれる言葉と、当該入力情報を入力したユーザの性格特性との間での相互情報量を算出し、算出した相互情報量が所定値以上の言葉を、当該性格特性に応じた特徴語として分類する。例えば、情報処理装置100は、同一性格特性に属するユーザに入力された検索クエリ、質問、回答、SNSに投稿した情報、プロフィール、各種のコメント等といった各種のUGC(User Generated Contents)を収集する。なお、情報処理装置100は、例えば、同一性格特性に属するユーザが投稿した質問に対する回答のうち、かかるユーザがベストアンサーとして選択した回答、すなわち、かかるユーザが最も気に入った回答をUGC情報として収集してもよい。また、性格特性毎に分類された特徴語は、その性格特性を有するユーザがよく使う傾向にある(使用頻度の高い傾向にある)言葉である。
そして、情報処理装置100は、入力情報から単語や頻出する表現等といった文字列を抽出し、抽出した文字列と性格特性との間の相互情報量を計算する。そして、情報処理装置100は、相互情報量の値が高い方から順に所定の数の特徴語をその性格特性に応じた特徴語として分類(選択)する。このような処理を性格特性毎に実行することで、情報処理装置100は、各性格特性と対応する特徴語を過去ログの特徴として得ることができる。また、情報処理装置100は、ステップS13での分類結果を分類結果記憶部123に格納する。
分類結果記憶部123は、性格特性毎に分類された言葉(単語、語句、文章表現等)を記憶する。図1の例では、分類結果記憶部123は、「性格特性」、「特徴語」といった項目を有する。「性格特性」は、Big5での診断結果で得られる性格特性の候補を示す。「性格特性」には、開放的、真面目、外向的、協調的、精神不安定といった5項目が存在する。「特徴語」は、対応する「性格特性」に対して分類された特徴語であって、対応する「性格特性」に応じた特徴語を示す。
図1に示す分類結果記憶部123の例では、性格特性「開放的」に対して、特徴語「W12、W33」等が対応付けられている。かかる例は、性格特性「開放的」のユーザ(開放的な性格のユーザ)は、「W12、W33」を使用する傾向にあることを示す。かかる例では、「W12、W33」といったように概念的な記号を用いているが、実際には、特定の単語、語句、文章表現等が記憶される。
なお、情報処理装置100は、ステップS13での分類結果を用いて、性格特性が未知のユーザであって、Big5用の回答も得られていないような未知ユーザについて、性格特性を推定するためのモデルを生成することもできる。
例えば、情報処理装置100は、性格特性と、この性格特性のユーザによる過去ログの特徴、すなわち、当該性格特性に対応する特徴語との関係性を学習したモデルを生成する。具体的には、情報処理装置100は、性格特性と、当該性格特性に対応する特徴語との関係性を学習することにより、未知ユーザによって入力された情報が入力された場合に、この未知ユーザの性格特性を示す情報を出力するモデルを生成する。例えば、情報処理装置100は、特徴語をモデルに入力した際に、その特徴語と対応する性格特性を示す情報を出力するように、バックプロパゲーション等の技術を用いてモデルの学習を行うことでモデルを生成する。なお、情報処理装置100は、性格特性毎に、入力された特徴語と当該性格特性とが対応する確度を示すスコアを出力するようなモデルの学習を行ってもよい。また、情報処理装置100は、UGC情報が入力された場合に、そのUGC情報に含まれる特徴語と対応する性格特性を示す情報を出力するように、モデルの学習を行ってもよい。
次に、情報処理装置100は、性格特性毎に、当該性格特性に属する各ユーザの行動履歴を振り分け(対応付け)、振り分けた結果を分析結果記憶部124に格納する(ステップS14)。例えば、情報処理装置100は、性格特性毎に、当該性格特性のユーザによる記事コンテンツに対する閲覧履歴を振り分ける。この点について、図1に示す分析結果記憶部124の例を用いて説明する。
分析結果記憶部124は、性格特性と、記事コンテンツの特徴(記事コンテンツに含まれる単語や語句)との関係性が分析された分析結果に関する情報を記憶する。かかる分析処理については、ステップS15で詳細に説明する。
図1の例では、分析結果記憶部124は、「性格特性」、「記事コンテンツに対する閲覧履歴」、「特徴語」といった項目を有する。「性格特性」は、Big5での診断結果で得られる性格特性の候補を示す。
「記事コンテンツに対する閲覧履歴」は、各「性格特性」のユーザが記事コンテンツを閲覧したことによる閲覧履歴である。具体的には、「記事コンテンツに対する閲覧履歴」は、各「性格特性」のユーザがどのような記事コンテンツを閲覧したかを示す履歴情報、すなわち、閲覧された記事コンテンツのURL、閲覧された記事コンテンツの見出し文や詳細文の文字列(テキスト)を含む閲覧履歴である。例えば、情報処理装置100は、行動履歴記憶部121に記憶される「記事コンテンツに対する閲覧履歴」を、性格特性毎に振り分け直して分析結果記憶部124に格納する。図1に示す分析結果記憶部124では、情報処理装置100は、性格特性「開放的」に対応する「記事コンテンツに対する閲覧履歴」に対して、AcDA11、AcDA32、AcDA43等を振り分けている。かかる例は、開放的な性格ユーザは、AcDA11、AcDA32、AcDA43等で示される各記事コンテンツを閲覧した例を示す。
次に、情報処理装置100は、性格特性と、当該性格特性のユーザにより閲覧された記事コンテンツの特徴(コンテンツに含まれる単語、語句、文章表現等)との関係性を分析するための一連の分析処理を行う(ステップS15)。例えば、情報処理装置100は、ステップS12と同様に相互情報量という指標を用いて関係性を分析することができる。この点について、5つの性格特性のうち、任意の1つの性格特性「c」(cは、開放的、真面目、外向的、協調的、精神不安定のいずれか)のユーザを例に説明する。
例えば、情報処理装置100は、とにかくユーザに閲覧されたことのある記事コンテンツ(以下、「全記事コンテンツ」と表記する場合がある)の中で1回でも出現したことのある単語を抽出し、抽出した単語について以下の処理を行う。ここでは、情報処理装置100は、単語Wtを抽出したとする。そうすると、情報処理装置100は、全記事コンテンツに対する単語Wtを含む記事コンテンツの割合P(Wt)、全記事コンテンツに対する性格特性cに属する(性格特性cのユーザに閲覧されたことのある)記事コンテンツの割合P(c)、単語Wtを含み、かつ、性格特性cに属する記事コンテンツの割合P(t,c)とに基づいて、単語Wtと性格特性cとの間の相互情報量MIを算出する。相互情報量MIは、単語Wtの出現頻度が1つの性格特性cとその他の性格特性の間で偏りが大きい程、大きな値を示す。このようなことから、例えば、情報処理装置100は、相互情報量MIが所定値以上を示す単語について、かかる相互情報量MIの算出の際に対象となった性格特性においてキーワードとなっている単語、すなわち特徴語と定めることができる。
例えば、情報処理装置100は、全記事コンテンツ中で1回でも出現したことのある単語として単語W11を抽出し、性格特性「開放的」のユーザの閲覧履歴に基づいて、全記事コンテンツに対する単語W11を含む記事コンテンツの割合P(W11)、全記事コンテンツに対する性格特性「開放的」に属する記事コンテンツの割合P(開放的)、単語W11を含み、かつ、性格特性「開放的」に属する記事コンテンツの割合P(W11,開放的)とに基づいて、単語W11と性格特性「開放的」との間の相互情報量MIとして相互情報量MIxを算出したとする。また、相互情報量MIxが所定値以上であったとする。かかる場合、情報処理装置100は、単語W11は性格特性「開放的」での特徴語であると定める。つまり、情報処理装置100は、単語W11は性格特性「開放的」での特徴語であるとの分析結果を得る。
また、かかる例では、性格特性「開放的」のユーザは、単語W11を含む記事コンテンツを閲覧する傾向にあると見做すことができる。さらにいうなら、性格特性「開放的」のユーザは、単語W11を好む傾向にあるとも見做すことができる。このようなことから、情報処理装置100は、ステップS15での分析処理にて、性格特性毎に、当該性格特性のユーザはどのような言葉(例えば、単語、語句、文章表現)を好む傾向にあるかといった、言葉に対する嗜好性の傾向を分析結果として得ることができる。
また、情報処理装置100は、ステップS15の分析処理として、さらに相互情報量に基づき相関係数を算出し、算出した相関係数に基づいて、特徴語を定めることもできる。これにより、情報処理装置100は、性格特性とより相関性の高い言葉を検出し、この言葉を特徴語として定めることができるようになる。また、上記の点から、このような相互情報量は、どのような性格特性のユーザが、配信候補の記事コンテンツのうちどのような特徴の記事コンテンツに対して所定の行動(例えば、閲覧行動)を起こす傾向にあるか傾向の度合いを示す指標値といえる。
説明を戻すと、情報処理装置100は、ステップS15において、性格特性毎に当該性格特性に対応する特徴語を分析結果として得たうえで、かかる特徴語を分析結果記憶部124に格納する。したがって、分析結果記憶部124の項目「特徴語」は、上記説明したように、相互情報量に基づき定められた特徴語である。図1に示す分析結果記憶部124の例では、情報処理装置100は、性格特性「開放的」では単語W11および表現W32が特徴語であるとの分析結果を得た例を示す。また、このような分析結果に基づいて、情報処理装置100は、今後、例えば、性格特性「開放的」のユーザであるユーザU1に対して、単語W11を含む記事コンテンツが優先的に配信されるよう制御する場合がある。したがって、ステップS15の分析処理は、ユーザの性格と、配信候補のコンテンツとを比較する比較処理と言い換えることができる。また、分析処理で定められた特徴語は、ユーザの性格と、配信候補のコンテンツとを比較した比較結果と言い換えることができる。また、このような比較結果としての特徴語は、配信候補のコンテンツの特徴と、性格特性との関係性に基づき、かかる性格特性と所定の関係性(例えば、相関関係)にあると分析(判定)された特徴情報の一例といえる。
そして、上記を踏まえると、図1の例では、情報処理装置100は、性格特性と、記事コンテンツ(配信候補の記事コンテンツ)とを比較した第1比較結果として、性格特性毎に当該性格特性での特徴語を取得する(ステップS16)。例えば、情報処理装置100は、以下のステップS17が行われる際に、分析結果記憶部124から第1比較結果を取得する。例えば、分析結果記憶部124に記憶される特徴語のうち、性格特性「開放的」に対応する特徴語である単語W11および表現W32は、性格特性「開放的」に応じた第1比較結果の一例といえる。また、例えば、分析結果記憶部124に記憶される特徴語のうち、性格特性「真面目」に対応する特徴語である単語W21およびW46は、性格特性「真面目」に応じた第1比較結果の一例といえる。他の例についても図1に示す通りである。
次に、情報処理装置100は、第1比較結果に基づいて、記事コンテンツの配信に関する所定の制御を行う(ステップS17)。例えば、情報処理装置100は、第1比較結果に基づき配信候補の記事コンテンツのうち、処理対象のユーザの性格特性と関係性を有すると判定された記事コンテンツを、処理対象のユーザに配信される配信対象の記事コンテンツとして決定する。この一例として、番号11に示されるように、情報処理装置100は、配信候補の記事コンテンツのうち、処理対象のユーザの性格特性に応じた特徴を有する記事コンテンツを配信対象のコンテンツとして決定する。
なお、ここでいう処理対象のユーザは、記事コンテンツが配信されるユーザであり、ステップS12において性格診断されたユーザであってもよいし、性格診断が行われておらず性格が未知の未知ユーザであってもよい。情報処理装置100は、未知ユーザを処理対象のユーザとする場合、上述したモデルに対して、未知ユーザの入力情報を入力することにより、未知ユーザの性格特性を推定することができる。
ここでは、処理対象のユーザとしてユーザU1を例に挙げると、図1の例では、ユーザU1は性格特性「開放的」であると診断されている。したがって、情報処理装置100は、分析結果記憶部124を参照し、性格特性「開放的」に対応付けられる特徴語として単語W11および表現W32を抽出する。そして、情報処理装置100は、配信候補の記事コンテンツのうち、単語W11または表現W32のうちの少なくともいずれか一方を含む記事コンテンツを、ユーザU1の性格特性「開放的」と関係性を有する記事コンテンツであると判定し、このような記事コンテンツを配信対象の記事コンテンツとして決定する。なお、配信対象の記事コンテンツは、ユーザU1に対してこれまでに配信された記事コンテンツの中から決定されてもよいし、新たに入稿された記事コンテンツ(すなわち、ユーザに対して未配信の記事コンテンツ)の中から決定されてもよい。
例えば、情報処理装置100は、開放的なユーザには、話題のスポットや飲食店に関する記事記事コンテンツを配信対象の記事コンテンツとして決定する。また、情報処理装置100は、真面目なユーザには、事実を正確に伝える記事コンテンツ(例えば、事件や政治経済に関する記事コンテンツ)を配信対象の記事コンテンツとして決定する。また、情報処理装置100は、外交的なユーザには、写真映えする記事コンテンツや話題の商品に関する記事コンテンツを配信対象の記事コンテンツとして決定する。また、情報処理装置100は、精神不安定なユーザには、癒しスポットや落ち着く場所に関する記事コンテンツを配信対象の記事コンテンツとして決定する。
また、情報処理装置100は、処理対象のユーザと、配信候補の広告コンテンツとの相性を考慮して、配信対象の記事コンテンツを決定してもよい。処理対象のユーザとしてユーザU12を例に挙げると、図1の例では、ユーザU12は性格特性「精神不安定」であると診断されている。また、「精神不安定」な性格と、「開放的な性格」とは相性が悪いことが知られているものとする。この場合、情報処理装置100は、性格特性「開放的」に対応する特徴語である単語W11または表現W32を含むような記事コンテンツ(精神不安定な性格のユーザに対し否定的な関係にある記事コンテンツ)が配信対象とならないようこのような記事コンテンツをフィルタリングする。そして、情報処理装置100は、残りの配信候補の記事コンテンツのうち、単語W79または表現W82のうちの少なくともいずれか一方を含む記事コンテンツを、配信対象の記事コンテンツとして決定する。
また、番号12に示されるように、情報処理装置100は、任意の手法を用いて決定した配信対象の記事コンテンツに含まれる文章の表現を、処理対象のユーザの性格特性に応じた表現に変更する。処理対象のユーザとしてユーザU1を例に挙げると、ユーザU1は性格特性「開放的」であると診断されているため、情報処理装置100は、分析結果記憶部124を参照し、性格特性「開放的」に対応付けられる特徴語として単語W11または表現W32を抽出する。そして、情報処理装置100は、配信対象の記事コンテンツに含まれる文章の表現を、単語W11または表現W32に基づく表現に変更する。例えば、表現W32は「とっても〇〇なんだって!」という文章表現を示すものであるとすると、情報処理装置100は、配信対象の記事コンテンツに含まれる文章の表現を、「とっても〇〇なんだって!」を用いた文章表現に変更(変換)する。
また、分類結果記憶部123には、各性格特性のユーザが使用する傾向にある言葉が特徴語として記憶されている。このため、情報処理装置100は、分類結果記憶部123に記憶される特徴語を用いて表現を変更することもできる。例えば、情報処理装置100は、分類結果記憶部123を参照し、性格特性「開放的」に対応付けられる特徴語として単語W12または表現W33を抽出する。そして、情報処理装置100は、配信対象の記事コンテンツに含まれる文章の表現を、単語W11または表現W33に基づく表現に変更する。
また、番号13に示されるように、情報処理装置100は、任意の手法を用いて決定した配信対象のコンテンツに含まれる文章の文字スタイルを、処理対象ユーザの性格特性に応じた文字スタイルに変更する。図1に示す分析結果記憶部124の例では、分析処理により、各性格特性と所定の関係性(傾向に基づく関係性)にあると分析(判定)された特徴を示す特徴情報として特徴語が記憶されている。しかし、情報処理装置100は、性格特性と、この性格特性のユーザにより閲覧された記事コンテンツとの関係性を分析することにより、性格特性毎に当該性格特性のユーザはどのようなスタイルや態様の文字あるいは画像を好む傾向にあるかといった、その行動傾向(嗜好性の傾向)に基づくスタイルの特徴を分析し、この分析結果を特徴情報(比較結果の一例)として記憶することもできる。例えば、情報処理装置100は、性格特性「開放的」のユーザは「太字で大きめの文字という特徴を有する記事コンテンツに反応しやすい」との行動傾向を示す分析結果を得ているものとする。かかる場合、情報処理装置100は、ユーザU1に対する配信対象の記事コンテンツに含まれる文章のうち、例えば、一部の文字列の文字サイズを所定値より大きく変更したり、あるいは、かかる文字列を太字に変更する。
また、番号14に示されるように、情報処理装置100は、任意の手法を用いて決定した配信対象のコンテンツに含まれる画像の表示態様を、処理対象ユーザの性格特性に応じた表示態様に変更する。例えば、情報処理装置100は、性格特性「開放的」のユーザは「背景画像が派手という特徴を有する記事コンテンツに反応しやすい」との行動傾向を示す分析結果を得ているものとする。かかる場合、情報処理装置100は、ユーザU1に対する配信対象の記事コンテンツに含まれる背景画像の色合いを派手目な色合いへと変更する。また、情報処理装置100は、派手目な色合いの画像を有する記事コンテンツを、ユーザU1に対する配信対象の記事コンテンツとして決定することもできる。
さて、これまで説明してきたように、実施形態にかかる情報処理装置100は、第1の情報処理として、ユーザの性格特性と、配信候補のコンテンツとを比較した比較結果を取得する。例えば、情報処理装置100は、比較結果として、配信候補のコンテンツの特徴と、性格特性との関係性に基づき性格特性と相関関係にあると分析された特徴情報(例えば、特徴語や、行動傾向に基づくスタイルの特徴)を取得する。そして、情報処理装置100は、取得した比較結果に基づいて、配信候補のコンテンツの配信に関する所定の制御を行う。これにより、情報処理装置100は、処理対象のユーザに対して当該ユーザの性格特性に応じたコンテンツを配信したり、処理対象のユーザに配信される配信対象のコンテンツの表示態様を当該ユーザの性格特性に応じた表示態様へと変更することができる。この結果、情報処理装置100は、処理対象のユーザに対して効果的にコンテンツを閲覧させることができる。
〔3.第2の情報処理の一例〕
次に、図2を用いて第2の情報処理の一例について説明する。図2は、実施形態にかかる第2の情報処理の一例を示す図である。図2では、実施形態にかかる第2の情報処理の一例を手順を追って説明する。第2の情報処理の手順は、第1の情報処理をベースとして、記事コンテンツの著者の性格診断や、処理対象のユーザの性格と著者の性格とのマッチング処理を新たに含むものである。このため、図2に示す第2の情報処理は、共通する手順や記憶部が多く存在する。したがって、第1の情報処理と共通する点については、適宜、説明を簡略化または省略する。
まず、情報処理装置100は、記事コンテンツに関する行動履歴を取得し、行動履歴記憶部121に格納する(ステップS21)。ステップS21は、図1のステップS11に対応する。
次に、情報処理装置100は、性格推定処理を行う(ステップS22)。ステップS22は、図1のステップS12に対応する。すなわち、情報処理装置100は、所定の性格診断手法により、各ユーザの性格を診断(各ユーザがどの性格特性であるか診断)し、診断結果をユーザ結果記憶部122に格納する。例えば、情報処理装置100は、Big5とよばれる性格診断手法を用いて、開放性、真面目さ、外向性、協調性、精神安定性といった5項目の性格特性毎にスコアを算出し、算出したスコアに基づいて、各ユーザがどの性格特性に最も当てはまるかを診断する。また、情報処理装置100は、各記事コンテンツの著者の性格を診断(各著者がどの性格特性であるか診断)し、診断結果を著者結果記憶部125に格納する。同様にして、情報処理装置100は、Big5とよばれる性格診断手法を用いて、開放性、真面目さ、外向性、協調性、精神安定性といった5項目の性格特性毎にスコアを算出し、算出したスコアに基づいて、各著者がどの性格特性に最も当てはまるかを診断する。
著者結果記憶部125は、各著者に対する性格診断で得られた性格診断結果を記憶する。図2の例では、著者結果記憶部125は、「性格特性」、「著者ID」といった項目を有する。「性格特性」は、Big5での診断結果で得られる性格特性の候補を示す。「性格特性」には、開放的、真面目、外向的、協調的、精神不安定といった5項目が存在する。「著者ID」は、対応する「性格特性」に属する著者を識別する識別情報を示す。
図2に示す著者結果記憶部125の例では、性格特性「開放的」に対して、著者ID「A1、A3、A5」等が対応付けられている。かかる例は、情報処理装置100が、Big5により、著者A1、著者A3、著者A5に対して性格特性「開放的」との診断結果を得たことを示す。つまり、著者A1、A3、A5は、「開放的な性格」との診断結果が得られたことを示す。
なお、情報処理装置100は、性格特性と、この性格特性の著者による過去ログの特徴、すなわち、当該性格特性に対応する特徴語との関係性を学習したモデルを生成し、生成したモデルを用いて、処理対象の著者の性格特性を推定してもよい。例えば、情報処理装置100は、性格特性と、当該性格特性に対応する特徴語との関係性を学習することにより、性格未知の著者によって入力された情報が入力された場合に、この著者の性格特性を示す情報を出力するモデルを生成する。例えば、情報処理装置100は、特徴語をモデルに入力した際に、その特徴語と対応する性格特性を示す情報を出力するように、バックプロパゲーション等の技術を用いてモデルの学習を行うことでモデルを生成する。
次に、情報処理装置100は、入力情報と、入力情報を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉の分類を行う(ステップS23)。ステップS23は、図2のステップS13に対応する。次に、情報処理装置100は、性格特性毎に、当該性格特性に属する各ユーザの行動履歴を振り分け(対応付け)、振り分けた結果を分析結果記憶部124に格納する(ステップS24)。ステップS24は、図2のステップS14に対応する。
次に、情報処理装置100は、性格特性と、当該性格特性のユーザにより閲覧された記事コンテンツの特徴(コンテンツに含まれる単語、語句、文章表現等)との関係性を分析するための一連の分析処理を行う(ステップS25)。ステップS25は、図2のステップS15に対応する。
次に、情報処理装置100は、処理対象のユーザの性格特性と、各著者の性格特性とのマッチング(比較)を行うことで、マッチング結果(比較結果)を第2比較結果として取得する(ステップS26)。例えば、情報処理装置100は、ユーザ結果記憶部122と著者結果記憶部125とを照らし合わせたマッチングにより処理対象のユーザ毎に、当該ユーザの性格特性とマッチする性格特性に属する著者を抽出し、抽出した著者を、処理対象ユーザの性格特性と配信候補の記事コンテンツとを比較した第2比較結果として取得する。なお、図2では不図示であるが、情報処理装置100は、処理対象のユーザを識別するユーザIDに対して、かかるユーザの性格特性に応じた性格特性の著者を識別する著者IDを対応付けて記憶しておくことができる。
また、処理対象のユーザとしてユーザU1を例に挙げると、図1および図2では、情報処理装置100は、ユーザU1は性格特性「開放的」であると推定しているため、この性格特性に応じた性格特性に属する著者として、同じく性格特性「開放的」の著者A1(詳細には、著者A1を示す識別情報)を第2比較結果として取得したものとする。ここで、例えば、性格特性「開放的」と「外交的」とが相性が良いことが一般に知られているとするならば、情報処理装置100は、性格特性「外交的」の著者A7(詳細には、著者A7を示す識別情報)を第2比較結果として取得することもできる。
そして、このような状態において、情報処理装置100は、第1比較結果または第2比較結果のうちの少なくともいずれか一方に基づいて、記事コンテンツの配信に関する所定の制御を行う(ステップS27)。情報処理装置100は、図1で説明したように、番号11~14に示す制御処理を行うことができる。また、情報処理装置100は、配信候補のコンテンツの配信に関する所定の制御として、第2比較結果に基づいて、番号15に示す制御を行うことができる。例えば、情報処理装置100は、第2比較結果に基づいて、処理対象ユーザの性格特性に応じた性格特性の著者による記事コンテンツを特定し、特定した記事コンテンツを配信対象のコンテンツとして決定する。上記例のように、情報処理装置100は、ユーザU1の性格特性に応じた性格特性の著者として、著者A1を第2比較結果として取得した場合、著者A1によって描かれた記事コンテンツをユーザU1に対する配信対象の記事コンテンツとして決定する。
さて、これまで説明してきたように、実施形態にかかる情報処理装置100は、第2の情報処理として、ユーザの性格特性と、配信候補のコンテンツの著者の性格特性とを比較した比較結果を取得する。そして、情報処理装置100は、取得した比較結果に基づいて、配信候補のコンテンツの配信に関する所定の制御を行う。例えば、情報処理装置100は、処理対象のユーザの性格特性に応じた性格特性に属する著者のコンテンツを、かかるユーザに対する配信対象のコンテンツとして決定する。これにより、情報処理装置100は、例えば、処理対象のユーザの性格と相性のよい性格の著者によって書かれた記事コンテンツを配信することができるため、ユーザに対して文章や見た目に対するよい第1印象を持たせることができる。この結果、情報処理装置100は、情報処理装置100は、処理対象のユーザに対して効果的にコンテンツを閲覧させることができる。
〔4.情報処理装置の構成〕
次に、図4を用いて、実施形態にかかる情報処理装置100について説明する。図4は、実施形態にかかる情報処理装置100の構成例を示す図である。図4に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。例えば、情報処理装置100は、図1および図2で説明した情報処理を行うサーバ装置である。
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、端末装置10、外部装置30との間で情報の送受信を行う。
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、行動履歴記憶部121と、ユーザ結果記憶部122と、分類結果記憶部123と、分析結果記憶部124と、著者結果記憶部125とを有する。これらの記憶部については図1および図2で説明済みであるため、ここでの説明は省略する。
なお、情報処理装置100は、入稿された各種コンテンツ(例えば、記事コンテンツや広告コンテンツ)を記憶する記憶部を有してもよい。
(制御部130について)
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図4に示すように、制御部130は、取得部131と、推定部132と、分類部133と、分析部134と、配信制御部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(取得部131について)
取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、外部装置からユーザの行動履歴を取得する。また、取得部131は、取得した行動履歴を行動履歴記憶部121に格納する。
また、取得部131は、推定部132により推定された性格特性を示す情報や、分類部133により分類された分類結果を取得する。例えば、ユーザ結果記憶部122に記憶されるユーザの性格特性や、著者結果記憶部125に記憶される著者の性格特性が情報処理に利用される際には、取得部131は、これらの記憶部から性格特性を示す情報を取得し、対応する処理部へと送信する。また、例えば、例えば、分類結果記憶部123に記憶される分類結果(性格特性)が情報処理に利用される際には、取得部131は、分類結果記憶部123から分類結果を取得し、対応する処理部へと送信する。
また、取得部131は、分析部134による分析処理で得られた分析結果、すなわちユーザの性格と、配信候補のコンテンツとを比較した比較結果を取得することもできる。例えば、取得部131は、比較結果として、配信候補のコンテンツの特徴と、性格との関係性に基づき、この特徴のうち性格と所定の関係性にあると判定(分析)された特徴を示す特徴情報を取得する。例えば、取得部131は、配信候補のコンテンツの特徴として、配信候補のコンテンツに含まれる文字列が有する特徴、または、配信候補のコンテンツに含まれる画像の特徴との関係性に基づき、この特徴のうち性格と所定の関係性にあると判定(分析)された特徴を示す特徴情報を取得する。
例えば、取得部131は、どのような性格のユーザが配信候補のコンテンツのうちどのような特徴のコンテンツに対して所定の行動を起こす傾向にあるか傾向の度合いを示す指標値に基づき、特徴のうち性格と傾向に基づく関係性にあると判定された特徴を示す特徴情報を取得する。
また、取得部131は、比較結果として、処理対象のユーザの性格と、配信候補のコンテンツの性質として配信候補のコンテンツの著者の性格とを比較した比較結果を取得する。
(推定部132)
推定部132は、ユーザや記事コンテンツの著者の性格を推定する。例えば、所定の性格診断手法(Big5、エコグラム、OKグラム等)で性格特性を診断するのに必要な情報が揃っているユーザや著者については、かかる情報を用いて、所定の性格診断手法により性格特性を推定する。
また、推定部132は、性格特性と、当該性格特性に対応する特徴語との関係性を学習することにより、未知ユーザによって入力された情報が入力された場合に、この未知ユーザの性格特性を示す情報を出力するモデルが生成されている場合には、このモデルを用いて処理対象のユーザの性格特性を推定してもよい。例えば、処理対象のユーザについて、上記所定の性格診断手法で性格特性を診断するのに必要な情報が揃っていない場合には、推定部132は、処理対象のユーザによって入力された情報を取得し、取得した入力情報をモデルに入力することにより処理対象のユーザの性格特性を推定する。
また、推定部132は、性格特性と、当該性格特性に対応する特徴語との関係性を学習することにより、性格未知の著者によって入力された情報が入力された場合に、この著者の性格特性を示す情報を出力するモデルが生成されている場合には、このモデルを用いて著者の性格特性を推定してもよい。例えば、著者について、上記所定の性格診断手法で性格特性を診断するのに必要な情報が揃っていない場合には、推定部132は、著者によって入力された情報を取得し、取得した入力情報をモデルに入力することにより著者の性格特性を推定する。このようなことから、推定部132は、例えば、図1で説明したステップS12、図2で説明したステップS22の処理を行う。
(分類部133について)
分類部133は、入力情報と、入力情報を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉の分類を行う。例えば、分類部133は、性格診断が行われたユーザが商品レビューのための入力欄に入力した文章(コメント)や、所定のSNSサイトに投稿した文章(コメント)を入力情報として取得する。そして、分類部133は、入力情報と、入力情報を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉の分類を行う。例えば、分類部133は、入力情報に含まれる文字列が有する特徴と、当該情報を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉の分類を行う。例えば、分類部133は、性格特性毎に当該性格特性に応じた単語、語句、または、文章表現の少なくともいずれかの分類を行う。
この分類処理の一例として、分類部133は、相互情報量という指標を用いることができる。具体的には、分類部133は、入力情報に含まれる言葉と、当該入力情報を入力したユーザの性格特性との間での相互情報量を算出し、算出した相互情報量が所定値以上の言葉を、当該性格特性に応じた特徴語として分類する。また、分類部133は、分類結果を分類結果記憶部123に格納する。このようなことから、分類部133は、例えば、図1で説明したステップS13、図2で説明したステップS23の処理を行う。
(分析部134について)
分析部134は、性格特性毎に、当該性格特性に属する各ユーザの行動履歴を振り分け(対応付け)、振り分けた結果を分析結果記憶部124に格納する。このような状態において、分析部134は、性格特性と、当該性格特性のユーザにより閲覧された記事コンテンツの特徴(コンテンツに含まれる単語、語句、文章表現等)との関係性を分析する。例えば、分析部134は、相互情報量という指標を用いて関係性を分析することができる。
例えば、分析部134は、とにかくユーザに閲覧されたことのある全記事コンテンツの中で1回でも出現したことのある単語を抽出し、抽出した単語について以下の処理を行う。例えば、分析部134は、単語Wtを抽出したとすると、全記事コンテンツに対する単語Wtを含む記事コンテンツの割合P(Wt)、全記事コンテンツに対する性格特性cに属する記事コンテンツ(性格特性cのユーザに閲覧されたことのある)の割合P(c)、単語Wtを含み、かつ、性格特性cに属する記事コンテンツの割合P(t,c)とに基づいて、単語Wtと性格特性cとの間の相互情報量MIを算出する。そして、情報処理装置100は、相互情報量MIが所定値以上を示す単語について、性格特性cにおいてキーワードとなっている単語、すなわち特徴語と定める。このようなことから、分析部134は、例えば、図1で説明したステップS14およびS15、図2で説明したステップS24およびS25の処理を行う。
また、分析部134は、処理対象のユーザの性格特性と、各著者の性格特性とのマッチングも行うことができる。例えば、分析部134は、処理対象のユーザの性格特性と、各著者の性格特性とのマッチング(比較)を行うことで、マッチング結果(比較結果)を得る。例えば、分析部134は、ユーザ結果記憶部122と著者結果記憶部125とを照らし合わせたマッチングにより処理対象のユーザ毎に、当該ユーザの性格特性とマッチする性格特性に属する著者を抽出し、抽出した著者を、処理対象ユーザの性格特性と配信候補の記事コンテンツとを比較した比較結果として定める。このようなことから、分析部134は、例えば、図2で説明したステップS26の処理も行う。
(配信制御部135について)
配信制御部135は、取得部131により取得された比較結果に基づいて、配信候補のコンテンツの配信に関する所定の制御を行う。取得部131により取得された比較結果というのは、例えば、分類結果記憶部123に記憶される分類結果や、分析結果記憶部124に記憶される分析結果である。
例えば、配信制御部135は、比較結果に基づき配信候補のコンテンツのうち処理対象のユーザの性格に応じたコンテンツを特定し、特定したコンテンツを処理対象のユーザに配信される配信対象のコンテンツとして決定する。また、配信制御部135は、比較結果に基づき配信候補のコンテンツのうち処理対象のユーザの性格に対し否定的な関係にあるコンテンツを特定し、特定したコンテンツが当該処理対象のユーザに対する配信対象のコンテンツとならないよう制御する。
また、例えば、配信制御部135は、比較結果に基づいて、配信候補のコンテンツの中から決定された配信対象のコンテンツの表示態様が処理対象のユーザの性格に応じた表示態様となるよう制御する。例えば、配信制御部135は、比較結果に基づいて、配信対象のコンテンツに含まれる文章の表現を処理対象ユーザの性格に応じた表現へと変更する。例えば、配信制御部135は、比較結果に基づいて、配信対象のコンテンツに含まれる文章の文字スタイルを処理対象のユーザの性格に応じた文字スタイルへと変更する。例えば、配信制御部135は、比較結果に基づいて、配信対象のコンテンツに含まれる所定の画像情報の表示態様を処理対象のユーザの性格に応じて制御する。このようなことから、分析部134は、例えば、図1で説明したステップS16およびS17、図2で説明したステップS26およびS27の処理を行う。
また、配信制御部135は、処理対象のユーザに対して配信対象のコンテンツを配信する配信処理も行うことができる。また、他のサーバ装置によって配信が行われる場合には、情報処理装置100は、他のサーバ装置に対して配信対象のコンテンツを配信するよう制御する。
〔5.処理手順〕
次に、図5を用いて、実施形態にかかる情報処理の手順について説明する。図5は、実施形態にかかる情報処理の情報処理手順を示すフローチャートである。
まず、推定部132は、ユーザおよび著者の性格診断を行う(ステップS101)。例えば、推定部132は、Big5等の性格診断手法を用いて、ユーザおよび著者がどのような性格特性に属する性格であるかを診断(推定)する。また、推定部132は、ユーザに対する診断結果をユーザ結果記憶部122に格納する。また、推定部132は、著者に対する診断結果を著者結果記憶部125に格納する。
次に、分類部133は、入力情報と、入力情報を入力したユーザ(性格診断されたユーザ)の性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉の分類を行う(ステップS102)。例えば、分類部133は、入力情報に含まれる文字列が有する特徴と、当該情報を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉の分類を行う。また、分類部133は、分類結果を分類結果記憶部123に格納する。
次に、分析部134は、性格特性と、当該性格特性のユーザにより閲覧された記事コンテンツの特徴(コンテンツに含まれる単語、語句、文章表現等)との関係性を分析する(ステップS103)。例えば、分析部134は、性格特性毎に、当該性格特性に属する各ユーザの行動履歴を振り分け(対応付け)、振り分けた結果を分析結果記憶部124に格納する。そして、情報処理装置100は、分析結果記憶部124での性格特性と、行動履歴との対応付けに基づいて、関係性を分析する。例えば、分析部134は、相互情報量という指標を用いて関係性を分析することができる。
また、分析部134は、処理対象のユーザの性格特性と、各著者の性格特性とのマッチング(比較)を行うことで、マッチング結果(比較結果)を取得する。例えば、分析部134は、ユーザ結果記憶部122と著者結果記憶部125とを照らし合わせたマッチングにより処理対象のユーザ毎に、当該ユーザの性格特性とマッチする性格特性に属する著者を抽出し、抽出した著者を、処理対象ユーザの性格特性と配信候補の記事コンテンツとを比較した比較結果として取得する。
次に、配信制御部135は、比較結果に基づいて、コンテンツ配信に関する所定の制御を行う(ステップS106)。かかる比較結果とは、分類結果記憶部123に記憶される分類結果、分析結果記憶部124に記憶される分析結果、ステップS105でのマッチング結果である。
〔6.ハードウェア構成〕
また、上記実施形態にかかる情報処理装置100は、例えば図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図6は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
〔7.その他〕
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。