JP7238601B2 - 放射線画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び放射線撮影装置 - Google Patents

放射線画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び放射線撮影装置 Download PDF

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Description

本発明は、放射線画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び放射線撮影装置に関する。
フォトダイオード等の放射線検出素子を用いて放射線画像を生成する放射線撮影装置においては、放射線検出素子が生成させた電荷を増幅回路に送るため、放射線検出素子にバイアス電圧が印加されている。このバイアス電圧は、放射線の照射時に低下してしまうことが従来知られていた。このバイアス電圧の降下は、画素の信号値を変動させてしまう原因となる。
そこで、従来、例えば特許文献1に記載されたような、バイアス線を流れる電流を検出する電流検出手段を備え、放射線の照射時に電流検出手段が検出した電流値に基づいて信号値の読み出しを行う際の増幅回路のゲインを設定する放射線画像検出装置が提案されている。
こうした放射線画像検出装置によれば、放射線照射時のバイアス電圧の降下に起因する信号値の変動は勿論、電流検出手段内の抵抗による電圧降下に起因する信号値の変動も補正することが可能である。
特開2009-219538号公報
ところで、上記特許文献1に記載されたような従来の放射線画像検出装置を用いて、例えば、例えば図17に示すような、放射線の照射野を放射線検出領域(複数の放射線検出素子が二次元状に配列された領域)の一部(照射領域R)に絞った撮影を行うと、図18に示すように、照射領域Rにおける信号値は本来得られるはずだった信号値に比べて低下し、放射線を受けていない非照射領域Rneであって、放射線を受けた照射領域Rの画素と信号線が共通する画素を有する領域(図17におけるLuとLvの間の領域であって照射領域Rの側方に位置する領域)における信号値は、他の非照射領域R(照射領域Rの上方又は下方に位置する領域、L1とLu,LvとLxの間の領域)に比べて低下するという現象が生じることが知られていた。
このような現象が生じる原因を調べたところ、バイアス電圧の降下は、放射線の照射時だけでなく、信号値の読み出しを行う際にも生じることが分かってきた。そして、この読み出し時に生じるバイアス電圧の降下が、上述した照射領域R及び非照射領域Rneの信号値低下の原因になっていることも分かってきた。
しかし、従来の放射線画像検出装置は、読み出し時に生じるバイアス電圧の降下に起因して変動した信号値を補正することはできなかった。
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、電荷を発生させる放射線検出素子を有する放射線撮影装置において、信号値の読み出し時に生じるバイアス電圧の降下に起因する信号値の変動を補正できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、
基板の表面に放射線画像の各画素に対応する行列状となるように配列され、受けた放射線に応じた電荷を発生させる複数の放射線検出素子と、前記複数の放射線検出素子にそれぞれ逆バイアス電圧を印加するバイアス電源回路と、前記複数の放射線検出素子がそれぞれ発生させた電荷に基づいて各画素の信号値を読み出す読み出し部と、を備える放射線撮影手段によって生成される放射線画像の画像データを処理する放射線画像処理装置であって、
前記放射線画像の行毎の信号値、及び予め保持している推定係数に基づいて、前記信号値の読み出しに起因するバイアス電圧の変動に伴って変動する信号値の変動量を行毎の信号値を読み出した後に推定する推定手段と、
前記推定手段が推定した前記信号値の変動量に基づいて前記信号値を行毎に補正する信号値補正手段と、を備える。
本発明によれば、信号値の読み出し時に生じるバイアス電圧の降下に起因する信号値の変動を補正することができる。
本発明の第一,第二実施形態に係る放射線撮影システムを表すブロック図である。 図1の放射線撮影装置の外観を示す斜視図である。 図2の放射線撮影装置を表すブロック図である。 図2の放射線撮影装置が備えるセンサー部の構成の一例を示す平面図である。 図2の放射線撮影装置が備える読み出し回路を表す回路図である。 図2の放射線撮影装置の各部の動作を示すタイミングチャートである。 図2の放射線撮影装置の制御部が実行する撮影装置内処理の流れを表すフローチャートである。 制御部が撮影装置内処理を実行するときのセンサー部の動作を示すタイミングチャートである。 撮影装置内処理における画像補正処理の一つである横クロストーク補正処理の流れを表すフローチャートである。 図2の放射線撮影装置の制御部が実行する撮影装置内処理の他の例の流れを表すフローチャートである。 他の例の撮影装置内処理における画像補正処理である横クロストーク補正処理の流れを表すフローチャートである。 図2の放射線撮影装置が備えるノイズ検出部を表す回路図である。 制御部が撮影装置内処理を実行するときのセンサー部及びノイズ検出部の動作を示すタイミングチャートである。 図2の放射線撮影装置が備えるバイアス電源回路が生成するバイアス電圧の電圧を示すグラフである。 変形例に係る横クロストーク補正処理の流れを表すフローチャートである。 変形例に係る横クロストーク補正処理の流れを表すフローチャートである。 実験の際の放射線検出領域及び放射線の照射領域を示す図である。 (a)は放射線の照射領域を通る行における信号値の分布を示すグラフ、(b)は照射領域を通らない行における信号値の分布を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施形態や図面に記載されたものに限定されるものではない。
<1.放射線撮影システム>
初めに、本実施形態に係る放射線撮影システム100の概略構成について説明する。図1は放射線撮影システム100を表すブロック図である。
本実施形態の放射線撮影システム100は、図1に示すように、放射線発生装置(以下、発生装置100a)と、放射線撮影装置(以下、撮影装置100b)と、コンソール100cと、を備えている。
これらは、通信ネットワーク100dを介して互いに通信可能となっている。
なお、放射線撮影システム100は、図示しない病院情報システム(Hospital Information System:HIS)や、放射線科情報システム(Radiology Information System:RIS)、画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication System:PACS)、画像解析装置等と接続することが可能となっていてもよい。
〔1-1.放射線発生装置〕
発生装置100aは、図示を省略するが、照射指示スイッチが操作されたことに基づいて、予め設定された放射線照射条件(管電圧や管電流、照射時間(mAs値)等)に応じた電圧を印加するジェネレーターや、ジェネレーターから電圧が印加されると、印加された電圧に応じた線量の放射線(例えばX線)を生成する放射線源等を備えている。
そして、発生装置100aは、撮影する放射線画像(静止画像・動態画像)に応じた態様で放射線を発生させるようになっている。
なお、発生装置100aは、撮影室内に据え付けられたものであってもよいし、コンソール100c等と共に回診車と呼ばれる移動可能に構成されたものとなっていてもよい。
〔1-2.放射線撮影装置〕
撮影装置100bは、受けた放射線に応じた放射線画像を生成するものである。
また、本実施形態に係る撮影装置100bは、生成した放射線画像の画像データを処理する放射線画像処理装置をなすものでもある。
なお、撮影装置100bは、例えばパネル状をした可搬型のものであってもよいし、支持台等と一体的に形成されたものであってもよい。
この撮影装置100bの詳細については後述する。
〔1-3.コンソール〕
コンソール100cは、他のシステム(HISやRIS等)から取得した撮影オーダー情報やユーザーによる操作に基づいて、各種撮影条件(管電圧や管電流、照射時間(mAs値)、フレームレート、被写体の体格、グリッドの有無等)を発生装置100aや撮影装置100bに設定したり、放射線画像に所定の画像処理を施したりするためのものであり、PCや専用の装置等で構成されている。
〔1-4.動作〕
このように構成された本実施形態に係る放射線撮影システム100は、発生装置100aの放射線源と撮影装置100bとを間を空けて対向配置し、それらの間に配置された被写体へ放射線源から放射線を照射することにより、被写体を放射線撮影することが可能となっている。
放射線画像が静止画像である場合には、1回の撮影操作(照射指示スイッチの押下)につき放射線の照射及び放射線画像の生成を1回だけ行い、放射線画像が動態画像である場合には、1回の撮影操作につきパルス状の放射線の照射及びフレームの生成を短時間に複数回(例えば1秒間に15回)繰り返す。
その結果、撮影装置100bは、一枚の静止画像又は動態画像を生成する。
<2.放射線撮影装置>
次に、上記放射線撮影システム100が備える撮影装置100bの具体的構成について説明する。図2は撮影装置100bの外観を示す斜視図、図3は撮影装置100bを表すブロック図、図4は撮影装置100bが備えるセンサー部3の構成の一例を示す平面図、図5は撮影装置100bが備える読み出し回路51を表すブロック図、図6は撮影装置100bの各部の動作を示すタイミングチャート、図7は撮影装置100bの制御部6が実行する撮影装置内処理の流れを表すフローチャート、図8は制御部6が撮影装置内処理を実行するときのセンサー部3の動作を示すタイミングチャート、図9は撮影装置内処理における画像補正処理の一つである横クロストーク補正処理の流れを表すフローチャートである。
〔2-1.概略構成〕
本実施形態に係る撮影装置100bは、図2,3に示すように、筐体1の他、この筐体1に収納される、シンチレーター2と、センサー部3と、センサー駆動部4と、読み出し部5と、制御部6と、記憶部7と、通信部8と、内蔵電源9と、を備えている。
筐体1は、図2に示したように、パネル状に形成されている。
また、筐体1の寸法は、従来ある医用放射線フィルムカセッテと略等しくなっている。
筐体1の一側面には、図2に示したように、電源スイッチ11や操作スイッチ12、インジケーター13、通信部8のコネクター82等が設けられている。
(2-1-1.シンチレーター)
シンチレーター2は、放射線を受けると可視光等の放射線よりも波長の長い電磁波(例えば可視光)を、受けた放射線の線量に応じた分だけ発する材料(例えばヨウ化セシウム(CsI)の柱状結晶等)で板状に形成されている。
なお、センサー部3により多くの電磁波が伝わるように、シンチレーター2におけるセンサー部3と対応する面に反射層を備えていてもよい。
(2-1-2.センサー部)
センサー部3は、図3に示したように、基板31と、複数の走査線32と、複数の信号線33と、複数の検出素子34と、複数のスイッチ素子35と、複数のバイアス線36と、結線37と、を有している。
基板31は、板状に形成され、シンチレーター2と並行に対向するよう配置されている。
本実施形態における複数の走査線32は、基板31の表面に、所定間隔を空けて互いに平行に延びるよう設けられている。
本実施形態における複数の信号線33は、所定間隔を空けて互いに平行に延び、走査線32と直交し、かつ各走査線と交差部において導通しないように設けられている。
すなわち、本実施形態における複数の走査線32及び複数の信号線33は格子状に設けられている。
複数の検出素子34は、例えばフォトダイオードやフォトトランジスター等で、シンチレーター2が発生させた電磁波の量(受けた放射線の線量)に応じた量の電荷をそれぞれ発生させるようになっている。
各検出素子34の一方の端子34aには、スイッチ素子35のドレイン端子が接続され、他方の端子34bにはバイアス線36が接続されている。
なお、ここでは、検出素子34として、シンチレーター2が発生させた電磁波(光)の量に応じた電荷を発生させるものとしたが、放射線を直接電荷に変換するものであってもよい。
放射線を直接電荷に変換する検出素子34を用いる場合には、シンチレーター2は不要となる。
また、各検出素子34は、基板31の表面に二次元状に配列され、それぞれシンチレーターと対向している。
本実施形態に係る検出素子34は、複数の走査線32及び信号線33によって格子状に区画された複数の矩形領域内にそれぞれ設けられることで行列状(マトリクス状)に配列されている。
この走査線32と信号線33とによって区画される複数の矩形領域やその中に設けられる検出素子34は、放射線画像の各画素に対応することになる。
以下、矩形領域を画素領域Pと称し、基板31の表面における複数の画素領域Pが設けられた領域全体を放射線検出領域Rと称する。
本実施形態における複数のスイッチ素子35は、検出素子34と同様、複数の画素領域P内にそれぞれ設けられている。
本実施形態におけるスイッチ素子35は、TFT(Thin Film Transistor)で構成されており、ゲート電極が近接する走査線32に接続され、ソース電極が近接する信号線33に接続され、ドレイン電極が同じ画素領域P内の検出素子34の一方の端子34aに接続されている。
そして、各スイッチ素子35は、ゲート電極に印加される電圧(オン電圧Von/オフ電圧Voff)に応じて、検出素子34と信号線33(積分回路511)とが導通した導通状態、又は検出素子34と信号線33とが導通していない非導通状態に切り替えることが可能となっている。
複数のバイアス線36は、各検出素子34の他方の端子34bに接続されている。
なお、本実施形態のバイアス線36は、結線37で接続する構成としているが、各バイアス線36をバイアス電源回路43に直接接続してもよいし、複数本の結線37にバイアス線36を分けて接続してもよい。
また、バイアス線36は、配線抵抗の影響を低減するため、面状に広がったものとしてもよいし、縦横に配置した配線が交差部で接続した格子状のものとしてもよい。
バイアス線36を面状、格子状とする場合には、結線37は不要となる。
(2-1-3.センサー駆動部)
センサー駆動部4は、ゲート電源回路41と、ゲートドライバー42と、バイアス電源回路43と、を備えている。
ゲート電源回路41は、それぞれ電圧の異なるオン電圧Vonとオフ電圧Voffを生成し、ゲートドライバー42に供給するようになっている。
ゲートドライバー42は、オン電圧Vonを印加する走査線32を選択的に切り替えることが可能に構成されている。
オン電圧Vonが印加されない走査線32には、オフ電圧Voffを印加するようになっている。
バイアス電源回路43は、逆バイアス電圧Vを生成し、結線37やバイアス線36を介して各検出素子34にそれぞれ逆バイアス電圧Vを印加するようになっている。
このように構成されたセンサー駆動部4は、センサー部3の各スイッチ素子35の導通状態/非導通状態を切り替えて各検出素子34から電荷を放出させることが可能となっている。
(2-1-4.読み出し部)
読み出し部5は、複数の読み出し回路51と、アナログマルチプレクサー52と、A/D変換器53と、を備えている。
なお、図3には、撮影装置100bとして、一のセンサー部3に対し読み出し部5が一つ備えられたものを例示したが、例えば図4に示すように、一のセンサー部3に対して読み出し部5をn個(複数)備え、全部でN本ある信号線33を各読み出し部5にN/n本ずつ接続するようにしてもよい。
複数の読み出し回路51は、図3に示したように、検出素子34の各列に対応してそれぞれ設けられた各信号線33にそれぞれ接続されている。
また、各読み出し回路51は、積分回路511と、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling、)回路(以下、CDS回路512)と、をそれぞれ備えている。
そして、各読み出し回路51は、各信号線33から入力された電荷の量に基づいてアナログ信号値ΔVを生成し、アナログマルチプレクサー52へ出力するようになっている。
なお、読み出し回路51の詳細については後述する。
アナログマルチプレクサー52には、複数の読み出し回路51の各出力端子がそれぞれ接続されている。
また、アナログマルチプレクサー52は、複数の読み出し回路51の中からA/D変換器53に接続する読み出し回路51を選択的に切り替えることで、各読み出し回路51から入力されたアナログ信号値ΔVを一つずつA/D変換器53へ出力するようになっている。
なお、ここでは、アナログマルチプレクサー52を、アナログ信号値ΔVを一つずつ出力するものとしたが、複数の画素から一つの画素(例えば、4画素を平均化した1画素)を生成する(ハードビニングを行う)ため、アナログマルチプレクサー52を、アナログ信号値ΔVを二つ以上ずつA/D変換器53へ出力できるように構成してもよい。
A/D変換器53は、入力されたアナログ信号値ΔVをデジタル信号値に順次変換するようになっている。
なお、ここでは、複数のCDS回路512に対して一つのA/D変換器を備えることとしたが、A/D変換器53は、各CDS回路512にそれぞれ接続されていてもよい。
その場合、アナログマルチプレクサー52は不要となる。
このように構成された読み出し部5は、センサー部3の複数の検出素子34がそれぞれ発生させた電荷の量に基づいて放射線画像の各画素の信号値を読み出すようになっている。
(2-1-5.その他)
本実施形態に係る制御部6は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピューターや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等で構成されている。
そして、制御部6のCPUは、記憶部7に記憶されている各種プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、撮影装置100b各部の動作を集中制御するようになっている。
なお、制御部6は、専用の制御回路で構成されていてもよい。
本実施形態に係る記憶部7は、SRAM(Static RAM)やSDRAM(Synchronous DRAM)、NAND型フラッシュメモリー等で構成されている。
また、記憶部7は、制御部6が実行する各種プログラムやプログラムの実行に必要なパラメーター等を記憶している。
なお、記憶部7を、生成した放射線画像の画像データを保存することが可能に構成してもよい。
また、記憶部7は、後述する画像補正処理で用いる推定係数αを記憶している。
この推定係数αは、他の装置が算出したものを通信部8を介して取得したものであってもよいし、制御部6が算出したものであってもよい。
この推定係数αの詳細については後述する。
通信部8は、例えば通信モジュールで構成され、アンテナ81やコネクター82を介して他の装置(コンソールや放射線発生装置)と無線又は有線で通信することが可能となっている。
内蔵電源9は、リチウムイオン電池やリチウムイオンキャパシタ等で構成され、撮影装置100bの各部に電力を供給するようになっている。
〔2-2.読み出し回路〕
各読み出し回路51は、例えば図5に示すように、積分回路511と、CDS回路512と、をそれぞれ備えている。
(2-2-1.積分回路)
積分回路511は、オペアンプ511aと、コンデンサー511bと、リセットスイッチ511cと、を備えている。
オペアンプ511aは、反転入力端子に信号線33が接続され、非反転入力端子に基準電圧Vが印加されている。このため、信号線33に印加される電圧も基準電圧Vとなっている。
そして、信号線33から電荷が流入すると、その電荷の量に応じた出力電圧Voutを出力するようになっている。
なお、基準電圧VとしてGND電位を印加してもよい。
コンデンサー511bと及びリセットスイッチ511cは、オペアンプ511aの反転入力端子と出力端子との間に並列に接続されている。
積分回路511は、このように構成されることで、流入した電荷の量を時間積分して電圧をCDS回路512へ出力することが可能となっている。
また、リセットスイッチ511cが導通状態にされると、コンデンサー511bに蓄積していた電荷を放出して電圧をリセットするようになっている。
(2-2-2.相関二重サンプリング回路)
CDS回路512は、抵抗512aと、第一サンプルホールド(CDS1)回路512bと、第二サンプルホールド(CDS2)回路512cと、差分回路512dと、を備えている。
抵抗512aは、積分回路511のオペアンプ511aの出力端子に直列に接続されている。
第一サンプルホールド回路512bは、第一コンデンサーCrと、第一スイッチSrと、を備えている。
第一コンデンサーCは一方の電極が抵抗512aと差分回路512dの反転入力端子との間に接続され、他方の電極がGNDに接続されている。
第一スイッチSは、抵抗512aと第一コンデンサーCとの間に設けられている。
そして、図6に示すように、第一パルス信号Sp1に基づいて第一スイッチSが導通状態にされると、積分回路511と第一コンデンサーCとが接続され、第一コンデンサーCが充電される。
その後、第二パルス信号Sp2に基づいて第一スイッチSが非導通状態にされると、積分回路511と第一コンデンサーCとの接続が解除され、その時点の第一コンデンサーCの両電極間の電圧(以下、第一電圧Vcr)を保持するようになっている。
第二サンプルホールド回路512cは、図5に示したように、第二コンデンサーCと、第二スイッチSと、を備えている。
第二コンデンサーCsは一方の電極が抵抗512aと差分回路512dの非反転入力端子との間に接続され、他方の電極がGNDに接続されている。
第二スイッチSは、抵抗512aと第二コンデンサーCとの間に設けられている。
そして、第二スイッチSが導通状態にされると、積分回路511と第二コンデンサーCとが接続され、第二コンデンサーCが充電されるようになっている。
その後、第二スイッチSが非導通状態にされると、積分回路511と第二コンデンサーCとの接続が解除され、その時点の第二コンデンサーCの両電極間の電圧(以下、第二電圧Vcs)を保持するようになっている。
差分回路512dは、反転入力端子に第一サンプルホールド回路512bが接続され、非反転入力端子に第二サンプルホールド回路512cが接続されている。
そして、差分回路512dは、第二サンプルホールド回路512cが保持している信号値としての第二電圧Vcsから第一サンプルホールド回路512bが保持している第一電圧Vcrを差し引いた差分を出力するようになっている。
この差分は、前述したアナログ信号値ΔVとして、アナログマルチプレクサー52へ出力される。
〔2-3.動作〕
上述したように構成された本実施形態に係る撮影装置100bの制御部6は、各部に対し撮影のための各種動作を行わせたり、係数算出処理や撮影装置内処理を実行したりするようになっている。
(2-3-1.係数算出処理)
まず、制御部6は、後述する撮影装置内処理を実行していないときに、例えば操作スイッチ12に所定操作がなされたことや、センサー部3への放射線照射を検知したこと等を契機として、係数算出処理を実行する。
上述したように、画像データを生成する際には、ある画素から読み出される信号値及び当該画素と同一ラインの(走査線が共通する)画素から読み出される信号値が、逆バイアス電圧の降下によって低下するという現象(以下、横クロストークと称する)が生じる。
この係数算出処理では、横クロストークに伴う信号値の変動量(以下、クロストーク成分dCT1)の補正に必要な推定係数αを算出する。
クロストーク成分dCT1は、バイアス線36と信号線33との交差部分に形成される寄生容量(Csb)と、読み出し時の逆バイアス電圧Vの低下量の積で算出することができる。
一方、クロストーク成分dCT1は、信号値(信号値に関する特徴量)に比例する。
そこで、この係数算出処理では、まず、横クロストークが生じた状態の画像データを生成する。
画像データを生成させる方法には、大きく分けて二種類ある。制御部6は、いずれか一つの方法を用いるようになっていてもよいし、ユーザーによる操作等に基づいていずれかの方法を選択するようになっていてもよい。
一つ目の方法は、撮影形態に応じて検出素子34に印加する逆バイアス電圧Vを低下(変化)させ、逆バイアス電圧Vが低下した状態で画像データを生成する方法である。
二つ目の方法は、発生装置100aから撮影装置100bへ撮影形態に応じた放射線を実際に照射して(複数の検出素子34に撮影形態に応じた放射線の照射を受けて)、画像データを生成する方法である。
ここで、「撮影形態」とは、放射線の線量、撮影する放射線画像の種類(静止画と動体画像のどちらであるか)、静止画撮影用もしくは動画撮影用のいずれかを示す補正画像の種類、フレームレート、ビニングの有無、グリッドの有無、被写体の動きと放射線源の動きが同期する撮影の有無、放射線源と撮影装置100bとの距離(SID)、読み出し画素サイズの少なくともいずれかである。
そして、生成した画像データに基づいて、行毎の信号値に関する特徴量とクロストーク成分dCT1との比の値を推定係数αとして算出する。
そして、制御部6は、算出した推定係数αを、記憶部7に保持させる。
本実施形態に係る制御部6は、この係数算出処理を実行することにより、係数算出手段取得手段として機能する。
なお、推定係数αは、複数の撮影形態に応じて、すなわち、各撮影形態でそれぞれ生成した複数の画像データに基づいて推定係数αをそれぞれ算出するようにしてもよい。
また、各撮影形態に応じた推定係数αを算出する際、撮影形態に応じて逆バイアス電圧Vの低下量を変えるようにしてもよい。
(2-3-2.撮影装置内処理)
撮影の準備が整う(例えば、電源がオンにされる、ケーブルが接続される、所定の制御信号を受信する等)と、制御部6は、例えば図7に示すような撮影装置内処理を開始して、各部に所定の動作を行わせる。
この撮影装置内処理では、まず、センサー部3のリセットを行う(ステップS1)。
このリセットでは、例えば図8に示すように、センサー駆動部4のゲートドライバー42に、走査線32の各ラインL1~Lxへオン電圧Vonを順次印加させることで、それまで各画素領域Pに蓄積されていた電荷を信号線33に放出させる。
発生装置100aから放射線の照射を開始する旨の信号を受信する、又は照射された放射線を検知すると、制御部6は、図7に示したように、各部を電荷蓄積状態に移行させる(ステップS2)。
この電荷蓄積状態では、図8に示したように、ゲートドライバー42に、走査線32の全ラインL1~Lxへオフ電圧Voffを一斉に印加させることで、各画素領域Pから信号線33へ電荷が放出されないようにする。
この電荷蓄積状態において、発生装置100aから撮影装置100bへ放射線が照射されると、各検出素子34が発生させた電荷が各画素領域P内にそれぞれ蓄積される。
発生装置100aから放射線の照射を終了する旨の信号を受信する、又は放射線が検知されなくなると、制御部6は、図7に示したように、読み出しを開始する(ステップS3)。
この読み出し処理では、図8に示したように、ゲートドライバー42に、走査線32の各ラインL1~Lxへオン電圧Vonを順次印加させることで、電荷蓄積状態の際に各画素領域P内に蓄積された電荷を信号線33に放出させる。すると、読み出し部5が、複数の検出素子34がそれぞれ発生させた電荷に基づいて各画素の信号値を読み出す。
そして、制御部6は、読み出し部5が読み出した、各画素に対応する複数の信号値に基づいて放射線画像の画像データを生成する。
すなわち、センサー部3、センサー駆動部4、読み出し部5及び制御部6は、放射線撮影手段をなす。
なお、この画像データの生成動作は、画像処理方法における画像データ生成工程に相当する。
画像データを生成した後、制御部6は、図7に示したように、画像補正処理を実行する(ステップS4)。
本実施形態では、画像補正処理の一つとして、横クロストーク補正処理を実行する。
この横クロストーク補正処理の詳細については後述する。
画像補正処理を実行した後、制御部6は、補正後の画像データを、通信部8を介してコンソール100cや他のシステム等に出力する(ステップS5)。
画像データを出力した後、制御部6は、撮影が終了したか否かを判断する(ステップS6)。
ここで、撮影が終了していないと判断した場合には(ステップS6:No)、ステップS2の処理に戻る。一方、撮影が終了したと判断した場合には(ステップS6:Yes)、撮影装置内処理を終了する。
なお、画像補正処理(ステップS4)を、読み出し(ステップS3)の後に直ちに実行するのではなく、撮影が終了したか否かの判断(ステップS6)の後に実行するようにしてもよい。
また、補正後の画像データの出力(ステップS5)を、画像補正処理(ステップS4)の後に直ちに実行するのではなく、撮影が終了したか否かの判断(ステップS6)の後に実行するようにしてもよい。
(2-3-3.横クロストーク補正処理)
ステップS4の横クロストーク補正処理では、制御部6は、例えば図9に示すように、まず推定処理を実行する(ステップS41)。
この推定処理では、放射線画像の行毎の信号値、及び予め保持している推定係数αに基づいて、信号値の読み出しに起因する逆バイアス電圧の変動に伴って変動するクロストーク成分dCT1を行毎に推定する。
具体的には、読み出した各信号値に推定係数αをそれぞれ乗じる、又は各信号値を推定係数αで除することで、各信号値のクロストーク成分dCT1をそれぞれ算出する。
本実施形態に係る制御部6は、この推定処理を実行することにより、推定手段として機能する。
また、この推定処理の実行が、画像処理方法における推定工程に相当する。
なお、推定処理を実行する前に、放射線画像を撮影したときの撮影形態に関する撮影形態情報を取得する取得処理を実行するようにしてもよい。
そして、予め保持している複数の推定係数αの中から、取得した撮影形態情報に応じた推定係数αを選択し、選択した推定係数αに基づいてクロストーク成分dCT1を推定するようにしてもよい。
このようにすれば、本実施形態に係る制御部6は、取得手段として機能することになる。
クロストーク成分dCT1を推定した後、制御部6は、信号値補正処理を実行する(ステップS42)。
この信号値補正処理では、推定したクロストーク成分dCT1に基づいて各信号値を行毎に補正する。
具体的には、読み出した各信号値に、算出したクロストーク成分dCT1をそれぞれ加算又は減算することで補正後の信号値をそれぞれ算出する。
本実施形態に係る制御部6は、この信号値補正処理を実行することにより、信号値補正手段として機能する。
また、この信号値補正処理の実行が、画像処理方法における信号値補正工程に相当する。
(2-3-4.オフセット補正)
ところで、検出素子34内は、自身の熱(温度)に起因する熱励起により暗電荷を常時発生させる。このため、読み出し部5が読み出した各信号値には、暗電荷によるオフセット成分が重畳されてしまう。
そこで、画像データを生成した後であって、上記横クロストーク補正処理を実行する前に、画像データにオフセット補正処理を実行するのが好ましい。具体的には、各画素に対応する複数のオフセット成分に基づいて暗画像データを生成し、画像データから暗画像データを減算する。
暗画像データは、撮影を行う前又は撮影を行った後に、撮影装置100bに放射線が照射されない状態で上記読み出し(ステップS3)を繰り返すことで得ることができる。
このようにすれば、放射線の照射により検出素子34内で発生した電荷に起因する真の画像データを算出することが可能となる。
〔2-4.変形例1〕
なお、撮影装置100bが処理する対象となる放射線画像を、複数のフレームからなる動態画像としてもよい。
(2-4-1.係数算出処理)
処理する対象となる放射線画像が動態画像である場合、横クロストークは、読み出しに起因する逆バイアス電圧Vの低下に伴って生じるだけでなく、先行フレーム(少なくとも一つ前のフレーム)を読み出した時と現フレームを読み出した時の逆バイアス電圧Vの差によっても生じることになる。
この動態画像特有の信号値の変動量(以下、クロストーク成分dCT2)は、検出素子34の静電容量(Cpd)と、先行フレームの読み出し時と現フレームの読み出し時の逆バイアス電圧Vの差の積で算出することができる。
一方、クロストーク成分dCT2は、先行フレームの信号値と現フレームの信号値との差(信号値に関する特徴量)に比例する。
そこで、この場合の係数算出処理では、まず、逆バイアス電圧Vを低下させながら、又は発生装置100aが発生させた放射線を受けながら読み出しを繰り返し行うことで、それぞれ横クロストークが発生した状態となった複数のフレームからなる動態画像の画像データを生成する。
そして、生成した画像データに基づいて、行毎の信号値に関する特徴量とクロストーク成分dCT2との比の値を推定係数βとして算出する。
(2-4-2.撮影装置内処理)
また、処理する対象となる放射線画像を動態画像とする場合には、撮影装置内処理が例えば図10に示すようなものとなる。
具体的には、センサー部3のリセット(ステップS1)の後、電荷蓄積状態への移行(ステップS2A)、読み出し(ステップS3A)、画像補正処理(ステップS4A)を短時間の間に、予め設定されたフレーム数だけ繰り返し実行する。
なお、画像補正処理(ステップS4A)を、読み出し(ステップS3A)の後に直ちに実行するのではなく、次フレーム以降の電荷蓄積状態への移行(S2A)及び読み出し(S3A)と並行して実行してもよいし、読み出した画像データが最終フレームのものであるか否かの判断(ステップS6A)の後に実行するようにしてもよい。
また、補正後の画像データの出力(ステップS5)を、画像補正処理(ステップS4A)の後に直ちに実行するのではなく、次フレーム以降の電荷蓄積状態への移行(S2A)及び読み出し(S3A)と並行して実行してもよいし、読み出した画像データが最終フレームのものであるか否かの判断(ステップS6A)の後に実行するようにしてもよい。
また、処理する対象となる放射線画像を動態画像とする場合には、横クロストーク処理が例えば図11に示すようなものとなる。
具体的には、まず、読み出したフレームが1フレーム目のものであるか否かを判断する(ステップS40)。
ここで、1フレームのものであると判断した場合には(ステップS40:Yes)、上述したステップS41,S42と同様の処理を実行する。
ステップS42の処理を終えた後は、1フレーム目の各画素の補正前の信号値を記憶部7に記憶させる(ステップS43)。
ここで記憶した信号値は、2フレーム目におけるクロストーク成分dCT2を推定する際の先行フレームの信号値となる。
一方、ステップS40で、1フレーム目のものではないと判断した場合には(ステップS40:No)、ステップS41とは異なる推定処理を実行する(ステップS44)。
この推定処理では、読み出し部5が読み出した補正対象フレームの行毎の信号値、補正対象フレームよりも前に読み出された先行フレームの行毎の信号値、及び推定係数α,βに基づいて、クロストーク成分を推定する。
具体的には、現フレームの信号値に推定係数αを乗じる、又は信号値を推定係数αで除することで、クロストーク成分dCT1を算出する。そして、先行フレームの信号値と現フレームの信号値との差に推定係数βを乗じる、又は先行フレームの信号値と現フレームの信号値との差を推定係数βで除することで、クロストーク成分dCT2を算出する。
2フレーム目以降のフレームのクロストーク成分dCT1,dCT2を推定した後、制御部6は、信号値補正処理を実行する(ステップS45)。
この信号値補正処理では、推定したクロストーク成分dCT1,dCT2に基づいて補正対象フレームの信号値を補正する。
具体的には、読み出した現フレームの信号値に、算出したクロストーク成分dCT1及びクロストーク成分dCT2を加算又は減算することで補正後の信号値を算出する。
2フレーム目以降のフレームの信号値を補正した後は、2フレーム目以降の各画素の補正前の信号値を記憶部7に記憶させる(ステップS46)。
ここで記憶した補正前の信号値は、次のフレームにおけるクロストーク成分dCT2を推定する際の先行フレームの信号値となる。
(2-4-3.オフセット補正)
撮影装置100bを用いて動画撮影を行うと、読み出し部5の温度が次第に上昇し、それに伴って読み出された信号値に含まれるオフセット成分が増加してくる。
また、オフセット成分の増加率(フレーム数や経過時間を横軸、信号値を縦軸とするグラフの傾き)は読み出し部5毎に差があるため、一のセンサー部3に対し読み出し部5が複数設けられている場合、後のフレームになる程、信号値に含まれるオフセット成分の差が大きくなる。このため、動態画像を再生していくと、放射線検出領域Rのうち一の読み出し部5が接続された領域に対応する画素と、当該領域に隣接し他の読み出し部5と接続された領域に対応する画素と、の間に視認性の差が生じてしまう可能性がある。
そこで、画像データを生成した後であって、上記横クロストーク補正処理を実行する前に、読み出し部5毎に異なる(各読み出し部5の特性に応じた)オフセット補正処理を実行するのが好ましい。
このようにすれば、動態画像を再生しても、一の読み出し部5が接続された領域に対応する画素と、当該領域に隣接し他の読み出し部5と接続された領域に対応する画素と、の間に視認性の差が生じることがなくなる。
〔2-5.変形例2〕
また、図4に示したように、バイアス電源回路43を複数備え、一部の列の検出素子34と他の列の検出素子34とで逆バイアス電圧Vの印加を受けるバイアス電源回路43が異なるようにしてもよい。
(2-5-1.構成)
具体的には、放射線検出領域Rの左半分の領域に配列されたN/2列の検出素子34に接続されたバイアス線36を、二つ備えられたバイアス電源回路43のうちの一方のバイアス電源回路43に接続し、放射線検出領域Rの右半分の領域に配列されたN/2列の検出素子34に接続されたバイアス線36を、他方のバイアス電源回路43に接続するようにしてもよい。
また、バイアス電源回路43を複数備える場合、基板31を複数に分け、各基板31に同じバイアス電源回路43から逆バイアス電圧Vを受ける検出素子34の群を配列するようにしてもよい。
(2-5-2.横クロストーク補正処理)
このように構成した場合には、横クロストーク補正処理において、クロストーク成分dCT1,dCT2を、同じバイアス電源回路43から逆バイアス電圧Vの印加を受ける検出素子34の群に対応する画素ごとに算出する。
その際、一のバイアス電源回路43から逆バイアス電圧Vの印加を受ける検出素子34の群に対応する画素のクロストーク成分dCT1,dCT2を推定するときと、他のバイアス電源回路43から逆バイアス電圧Vの印加を受ける検出素子34の群に対応する画素のクロストーク成分dCT1,dCT2を推定するときとで、用いる推定アルゴリズムと推定係数α,βのうちの少なくとも一方を変えるようにしてもよい。
(2-5-3.境界部の信号値の補正)
ところで、このように構成する場合、一のバイアス電源回路43から逆バイアス電圧Vの印加を受ける検出素子34の群における、他のバイアス電源回路43から逆バイアス電圧Vの印加を受ける検出素子34の群と隣接する行L(図4参照)の検出素子34に対応する画素の信号値に更に変動が生じることがある。
これは、各バイアス電源回路43が印加する逆バイアス電圧Vがそれぞれ僅かに異なっていることが原因である。
このため、このような場合には、上記推定処理において、この信号値の変動量(第三の信号値の変動量、以下、隣接行変動成分dと称する)を更に推定するようにしてもよい。
そして、推定した隣接行変動成分dに基づいて隣接する行の放射線検出素子に対応する画素の信号値を補正すればよい。
具体的には、一のバイアス電源回路43から逆バイアス電圧Vの印加を受ける検出素子34の群におけるクロストーク成分dCT2と、他のバイアス電源回路43から逆バイアス電圧Vの印加を受ける検出素子34の群におけるクロストーク成分dCT2の差に所定の定数(例えば0.5)を乗じる、又は差を定数で除することで、隣接行変動成分dを算出する。
そして、横クロストーク補正処理を実行する際、上記隣接する行Lに対応する画素の信号値については、他の画素の信号値とは異なる補正を行う。
具体的には、読み出した信号値に、算出したクロストーク成分dCT1,CT2を加算又は減算したものから、隣接行変動成分dを加算又は減算することで補正後の信号値を算出する。
〔2-6.変形例3〕
また、図4に示したように、撮影装置100bにノイズ検出部Nを備え、検出したノイズ成分に基づいて、信号値を行毎に補正する(ラインノイズ補正を行う)ようにしてもよい。
(2-6-1.ノイズ検出部)
ノイズ検出部Nは、画像データに含まれるノイズ成分dを放射線画像の行毎に検出するものである。
なお、ノイズ検出部Nを設ける場所は特に限定されるものではなく、例えば基板31の表面又は裏面に設けてもよいし、センサー駆動部4や読み出し部5とセンサー部3とを接続するフレキシブル回路基板に設けてもよい。
また、ノイズ検出部Nは、一の放射線検出領域Rに対して複数設けられていてもよい。
(2-6-2.ノイズ検出部の全体構成)
本実施形態に係るノイズ検出部Nは、図12に示すように、第二信号線33Aと、第三~第五コンデンサーC3~C5と、第二信号線33Aに接続された第二読み出し回路51Aと、を備えている。
なお、図12において、各配線の端(矢印)の先に付された符号は、各配線が接続される接続先を表す。
第二信号線33Aは、例えば、ゲートドライバー42と、放射線検出領域R(当該ゲートドライバー42に最も近い信号線33)との間に、信号線33と平行に配設されている。
本実施形態に係る第二読み出し回路51Aは、例えば図4に示したように、読み出し部5に設けられた読み出し回路51を用いたものとなっている。すなわち、このノイズ検出部Nの第二読み出し回路51Aの構成は、読み出し部5における他の読み出し回路51と同様となっている。
なお、第二読み出し回路51Aを、読み出し部5に設けられた読み出し回路51とは別に設けるようにしてもよい。
あるタイミングで画素領域Pに接続された読み出し回路51が各ラインL1~Lxについて信号値の読み出しを行うと、図13に示すように、第二読み出し回路51Aも同じタイミングで対応するラインL1~Lxについて信号値の読み出しを行う。
読み出し回路51が読み出す信号値は、検出素子34が発生させた電荷の量に対応する成分の他にノイズ成分dを含んでいる。
一方、第二読み出し回路51Aが読み出す信号値は、画素領域Pに接続された読み出し回路51と異なり、検出素子34が発生させる電荷の量に対応する成分を含んでおらず、ノイズ成分dnだけとなる。
読み出されたノイズ成分dは、他の読み出し回路51が読み出した信号値と同様に、A/D変換器53でデジタル化されて記憶部7に記憶される。
また、本実施形態に係るノイズ検出部Nは、それぞれ異なるノイズ成分を検出する第一~第三ノイズ検出部Na、Nb、Ncを1つにまとめたものとなっている。
そして、本実施形態に係るノイズ検出部Nが検出するノイズ成分dは、第一~第三ノイズ検出部Na、Nb、Ncが検出する第一~第三ノイズ成分dna、dnb、dncを合算したものとなっている。
なお、第一~第三ノイズ検出部Na、Nb、Ncは、それぞれ個別に設けることも可能であるし、それらのうちのいずれか二つを組み合わせるように構成することも可能である。
(2-6-3.第一ノイズ検出部)
第一ノイズ検出部Naは、第一ノイズ成分dnaを検出するためのもので、図12に示したように、第三コンデンサーC3を備えている。
各第三コンデンサーC3の静電容量c1は、1つの検出素子34の静電容量と同じになるよう設定されている。
そして、第三コンデンサーC3は、第二信号線33Aと結線37(又はバイアス線36)との間の電位差を電荷に変換するようになっている。すなわち、第三コンデンサーC3は、c1×(V-V)の電荷を蓄積するようになっている。
ところで、逆バイアス電圧Vには、例えば図14に示すように経時的な揺らぎが生じるため、第三コンデンサーC3に蓄積される電荷の量にも揺らぎが生じる。
また、各検出素子34内に蓄積される電荷の量にも第三コンデンサーC3の電荷量の変化と同じ位相で揺らぎが生じる。
このため、このように構成された第一ノイズ検出部Naは、あるタイミングで第二読み出し回路51Aが読み出しを行った時の、逆バイアス電圧Vの揺らぎ量を第一ノイズ成分dnaとして検出する。
(2-6-4.第二ノイズ検出部)
第二ノイズ検出部Nbは、第四コンデンサーC4を備えている。
第四コンデンサーC4(静電容量c2)は、第二信号線33Aと結線37との間の電位差を電荷に変換するようになっている。
なお、各第四コンデンサーC4の静電容量c2は、当該第四コンデンサーC4と第二スイッチ素子35Aを介して接続されている走査線32のあるラインLnに接続されている各検出素子34の寄生容量(或いはそれらの平均値)と同じになるよう設定されている。
また、第四コンデンサーC4は、走査線32のラインL1~Lx毎にそれぞれ設けられている。
各第四コンデンサーC4と第二信号線との間には、第四コンデンサーC4と第二信号線33Aとの接続/非接続を切り替える第二スイッチ素子35Aが接続されている。
この第二スイッチ素子35Aも、画素領域Pのスイッチ素子35と同様に、例えばTFTで構成することが可能である。
そして、各第二スイッチ素子35Aは、走査線32の各ラインL1~Lxに印加されるオン電圧Vonやオフ電圧Voffによりオン/オフ状態が切り替わるようになっている。
このように構成された第二ノイズ検出部Nbは、検出素子34をリセットする際に第二スイッチ素子35Aに印加される電圧をオン電圧Vonからオフ電圧Voffに切り替えたときの逆バイアス電圧Vの揺らぎと、その後の信号値を読み出す際に第二スイッチ素子35Aに印加される電圧をオン電圧Vonからオフ電圧Voffに切り替えたときの逆バイアス電圧Vの揺らぎとの差に対応する第二ノイズ成分dnbを検出する。
(2-6-5.第三ノイズ検出部)
第三ノイズ検出部Ncは、第五コンデンサーC5を備えている。
第五コンデンサーC5の静電容量c3は、1本の信号線33と交差する複数の走査線32との各交差部分に形成された寄生容量cの総和Σcと等しくなるように設定されている。
第五コンデンサーC5(静電容量c3)は、第二信号線33Aと、センサー駆動部4のゲート電源回路41からゲートドライバー42へオン・オフ電圧Voffを供給するための配線4aとの間の電位差を電荷に変換するようになっている。すなわち、第五コンデンサーC5は、第五コンデンサーC5にc3×(V-Voff)の電荷を蓄積するようになっている。
一方、オフ電圧Voffには、上記逆バイアス電圧Vと同様に、経時的な揺らぎが生じるため、第五コンデンサーC5に蓄積される電荷の量にも揺らぎが生じる。
このため、このように構成された第三ノイズ検出部Ncは、あるタイミングで第二読み出し回路51Aが読み出しを行った時の、オフ電圧Voffの揺らぎ量を第三ノイズ成分dncとして検出する。
(2-6-6.係数算出処理)
ところで、横クロストークが生じたラインLu~Lv(図17参照)においては、読み出し回路51が読み出した信号値、第二読み出し回路51Aが読み出したノイズ成分d共に、クロストーク成分dCT1の分だけ値が低下することになる。
しかし、クロストーク成分dCT1は、読み出し回路51が読み出した信号値と第二読み出し回路51Aが読み出したノイズ成分とでは、低下量が異なる。
このため、横クロストークが生じたラインにおいては、単純に信号値とノイズ成分との差をとっただけでは、補正が不十分となってしまう。
そこで、ノイズ検出部Nを備える場合の係数算出処理では、画像データ及びノイズ検出部Nが検出したノイズ成分dに基づいて、行毎の信号値に関する特徴量とノイズ成分dの変動量との比の値を推定係数γとして更に算出する。
(2-6-7.撮影装置内処理)
この場合の撮影装置内処理では、画像補正処理(ステップS4)において、ラインノイズ補正処理を実行した後に、横クロストーク補正処理を実行する。
上述したように、読み出し回路51が読み出した信号値には、同じタイミングで第二読み出し回路51Aが読み出したノイズ成分dが含まれている。このため、ラインノイズ補正処理では、上記のようにしてライン毎に読み出した各検出素子34の信号値に、同じタイミングでノイズ検出部Nが読み出したノイズ成分dをそれぞれ加算、又は信号値からノイズ成分dをそれぞれ減算して補正後の信号値を算出し、補正後の信号値に基づいて補正後の画像データを生成する。
ラインノイズ補正処理を実行する場合には、横クロストーク補正処理が例えば図15に示すようなものとなる。
具体的には、ステップS41(クロストーク成分dCT1算出)の処理の後、ノイズ検出部Nが検出した行毎のノイズ成分d、読み出し部5が読み出した行毎の信号値、及び予め保持している推定係数γに基づいて、各行のノイズ補正に伴い発生する信号値の変動量(第二の信号値の変動量、信号値のクロストーク成分dCT1とノイズ成分dnのクロストーク成分dCT1との差、以下、差分変動成分d)を推定する(ステップS41A)。
そして、ステップS42(クロストーク成分dCT1に基づく補正)の処理の後、差分変動成分dに基づいて補正対象フレームの信号値を補正する(ステップS42A)。
なお、処理する対象となる前記放射線画像が動態画像である場合には、横クロストーク補正処理が例えば図16に示すようなものとなる。
具体的には、まず、読み出したフレームが1フレーム目のものであるか否かを判断する(ステップS40)。
ここで、1フレームのものであると判断した場合には(ステップS40:Yes)、上述したステップS41,S41A,S42,S42A,S43と同様の処理を実行する。
一方、ステップS40で、1フレーム目のものではないと判断した場合には(ステップS40:No)、ステップS44(クロストーク成分dCT1,dCT2推定)の処理を実行し、ノイズ検出部Nが検出した補正対象フレームの行毎のノイズ成分d、先行フレームの行毎のノイズ成分d、読み出し部5が読み出した補正対象フレームの行毎の信号値、先行フレームの行毎の信号値、及び推定係数γに基づいて、各行のノイズ補正に伴い発生する差分変動成分dを推定する(ステップS44A)。
そして、ステップS45((クロストーク成分dCT1,dCT2に基づく補正)の処理の後、差分変動成分dに基づいて補正対象フレームの信号値を補正する(ステップS45A)。
なお、複数の推定係数α,β,γを予め保持しておき、複数の推定係数α,β,γの中から、取得した撮影形態情報に応じた推定係数α,β,γを選択し、選択した推定係数α,β,γに基づいて、クロストーク成分dCT1,dCT2及び差分変動成分dをそれぞれ推定するようにしてもよい。
<3.効果>
以上のように構成された本実施形態に係る撮影装置100bは、推定係数α,bを算出・保持し、読み出した信号値及び推定係数α,βに基づいて、信号値の読み出し時に生じるバイアス電圧Vの低下に起因する信号値の変動の大きさを示すクロストーク成分dCT1を算出し、算出した信号値にクロストーク成分dCT1を加算、又は信号値からクロストーク成分dCT1を減算するようになっている。
このため、本実施形態に係る撮影装置100bによれば、信号値の読み出し時に生じるバイアス電圧Vの降下に起因する信号値の変動を補正することができる。
なお、本発明が上記の実施形態等に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、横クロストーク補正処理を撮影装置100bが実行したが、この処理を撮影装置100bで実行せずにコンソール100cや他のシステムで実行するようにしてもよい。
また、画像補正処理(ステップS4)において、オフセット補正処理、ラインノイズ補正処理、横クロストーク補正処理以外の画像補正処理を行うようにしてもよい。
100 放射線撮影システム
100a 放射線発生装置
100b 放射線撮影装置(放射線画像処理装置)
1 筐体
11 電源スイッチ
12 操作スイッチ
13 インジケーター
2 シンチレーター
3 センサー部
31 基板
32 走査線
33 信号線
33A 第二信号線
34 放射線検出素子
34a,34b 端子
35 スイッチ素子
35A 第二スイッチ素子
36 バイアス線
37 結線
4 センサー駆動部
4a 配線
41 ゲート電源回路
42 ゲートドライバー
43 バイアス電源回路
5 読み出し部
51 読み出し回路
51A 第二読み出し回路
511 積分回路
511a オペアンプ
511b コンデンサー
511c リセットスイッチ
512 相関二重サンプリング回路
512a 抵抗
512b 第一サンプルホールド回路
Cr 第一コンデンサー
Sr 第一スイッチ
512c 第二サンプルホールド回路
Cs 第二コンデンサー
Ss 第二スイッチ
512d 差分回路
52 アナログマルチプレクサー
53 A/D変換器
6 制御部
7 記憶部
8 通信部
81 アンテナ
82 コネクター
9 内蔵電源
100c コンソール(放射線画像処理装置)
100d 通信ネットワーク
L 他のバイアス電源回路からバイアス電圧の印加を受ける放射線検出素子の群と隣接する行
N ノイズ検出部
Na 第一ノイズ検出部
C3 第三コンデンサー
Nb 第二ノイズ検出部
C4 第四コンデンサー
Nc 第三ノイズ検出部
C5 第五コンデンサー
P 画素領域
R 放射線検出領域
照射領域
ne 非照射領域
p1 第一パルス信号
p2 第二パルス信号

Claims (14)

  1. 基板の表面に放射線画像の各画素に対応する行列状となるように配列され、受けた放射線に応じた電荷を発生させる複数の放射線検出素子と、前記複数の放射線検出素子にそれぞれ逆バイアス電圧を印加するバイアス電源回路と、前記複数の放射線検出素子がそれぞれ発生させた電荷に基づいて各画素の信号値を読み出す読み出し部と、を備える放射線撮影手段によって生成される放射線画像の画像データを処理する放射線画像処理装置であって、
    前記放射線画像の行毎の信号値、及び予め保持している推定係数に基づいて、前記信号値の読み出しに起因するバイアス電圧の変動に伴って変動する信号値の変動量を行毎の信号値を読み出した後に推定する推定手段と、
    前記推定手段が推定した前記信号値の変動量に基づいて前記信号値を行毎に補正する信号値補正手段と、を備える放射線画像処理装置。
  2. 処理する対象となる前記放射線画像は、複数のフレームからなる動態画像であり、
    前記推定手段は、前記読み出し部が読み出した補正対象フレームの行毎の信号値、前記補正対象フレームより前に生成された先行フレームの行毎の信号値、及び前記推定係数に基づいて、前記信号値の変動量を推定し、
    前記信号値補正手段は、前記推定手段が推定した前記信号値の変動量に基づいて前記補正対象フレームの信号値を補正する請求項1に記載の放射線画像処理装置。
  3. 処理する対象となる前記放射線画像は、前記画像データに含まれるノイズ成分を前記放射線画像の行毎に検出するノイズ検出部を備えた前記放射線撮影手段が生成したものであり、
    前記推定手段は、前記ノイズ検出部が検出した行毎のノイズ成分、前記読み出し部が読み出した行毎の信号値、及び予め保持している推定係数に基づいて、各行のノイズ補正に伴い発生する第二の信号値の変動量を推定し、
    前記信号値補正手段は、前記推定手段が推定した前記第二の信号値の変動量に基づいて前記信号値を補正する請求項1に記載の放射線画像処理装置。
  4. 処理する対象となる前記放射線画像は、前記画像データに含まれるノイズ成分を前記放射線画像の行毎に検出するノイズ検出部を備えた前記放射線撮影手段が生成したものであり、
    前記推定手段は、前記ノイズ検出部が検出した前記補正対象フレームの行毎のノイズ成分、前記先行フレームの行毎のノイズ成分、前記読み出し部が読み出した前記補正対象フレームの行毎の信号値、前記先行フレームの行毎の信号値、及び前記推定係数に基づいて、各行のノイズ補正に伴い発生する第二の信号値の変動量を推定し、
    前記信号値補正手段は、前記推定手段が推定した前記第二の信号値の変動量に基づいて前記補正対象フレームの信号値を補正する請求項2に記載の放射線画像処理装置。
  5. 前記放射線画像を撮影したときの撮影形態に関する撮影形態情報を取得する取得手段を備え、
    前記推定手段は、予め保持している複数の推定係数の中から、前記取得手段が取得した撮影形態情報に応じた推定係数を選択し、選択した推定係数に基づいて前記信号値の変動量を推定する請求項1又は請求項2に記載の放射線画像処理装置。
  6. 前記放射線画像を撮影したときの撮影形態に関する撮影形態情報を取得する取得手段を備え、
    前記推定手段は、予め保持している複数の推定係数の中から、前記取得手段が取得した撮影形態情報に応じた推定係数を選択し、選択した推定係数に基づいて、前記信号値の変
    動量及び前記第二の信号値の変動量をそれぞれ推定する請求項3又は請求項4に記載の放射線画像処理装置。
  7. 処理する対象となる前記放射線画像は、前記バイアス電源回路を複数備え、一部の列の前記放射線検出素子と他の列の前記放射線検出素子とで逆バイアス電圧の印加を受けるバイアス電源回路が異なる前記放射線撮影手段が生成したものであり、
    前記推定手段は、一の前記バイアス電源回路からバイアス電圧の印加を受ける前記放射線検出素子の群に対応する画素の信号値の変動量を推定するときと、他の前記バイアス電源回路からバイアス電圧の印加を受ける前記放射線検出素子の群に対応する画素の信号値の変動量を推定するときとで、用いる推定アルゴリズムと前記推定係数のうちの少なくとも一方を変える請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の放射線画像処理装置。
  8. 前記推定手段は、前記一の前記バイアス電源回路からバイアス電圧の印加を受ける前記放射線検出素子の群における、他の前記バイアス電源回路からバイアス電圧の印加を受ける前記放射線検出素子の群と隣接する行の放射線検出素子に対応する画素に生じる第三の信号値の変動量を更に推定し、
    前記信号値補正手段は、前記推定手段が推定した前記第三の信号値の変動量に基づいて前記隣接する行の放射線検出素子に対応する画素の信号値を補正する請求項7に記載の放射線画像処理装置。
  9. 前記撮影形態に応じて前記放射線検出素子に印加する逆バイアス電圧を変化させた状態で前記放射線撮影手段が生成した画像データに基づいて、行毎の信号値に関する特徴量と前記信号値の変動量との比の値を前記推定係数として算出する係数算出手段を備える請求項5又は請求項6に記載の放射線画像処理装置。
  10. 前記複数の放射線検出素子に前記撮影形態に応じた放射線の照射を受けることで前記放射線撮影手段が生成した画像データに基づいて、行毎の信号値に関する特徴量と前記信号値の変動量との比の値を前記推定係数として算出する係数算出手段を備える請求項5又は請求項6に記載の放射線画像処理装置。
  11. 処理する対象となる前記放射線画像は、前記画像データに含まれるノイズ成分を前記放射線画像の行毎に検出するノイズ検出部を備えた前記放射線撮影手段が生成したものであり、
    前記係数算出手段は、前記画像データ及び前記ノイズ検出部が検出した前記ノイズ成分に基づいて、行毎の信号値に関する特徴量と前記ノイズ成分の変動量との比の値を更に算出する請求項9又は請求項10に記載の放射線画像処理装置。
  12. 基板の表面に放射線画像の各画素に対応する行列状となるように配列され、受けた放射線に応じた電荷を発生させる複数の放射線検出素子と、前記複数の放射線検出素子にそれぞれ逆バイアス電圧を印加するバイアス電源回路と、前記複数の放射線検出素子がそれぞれ発生させた電荷に基づいて各画素の信号値を読み出す読み出し部と、を備える放射線撮影手段によって放射線画像の画像データを生成する画像データ生成工程と、
    前記放射線画像の行毎の信号値、及び予め保持している推定係数に基づいて、前記信号値の読み出しに起因するバイアス電圧の変動に伴って変動する信号値の変動量を行毎の信号値を読み出した後に推定する推定工程と、
    前記推定工程において推定した前記信号値の変動量に基づいて前記信号値を行毎に補正する信号値補正工程と、を有する画像処理方法。
  13. 基板の表面に放射線画像の各画素に対応する行列状となるように配列され、受けた放射線に応じた電荷を発生させる複数の放射線検出素子と、前記複数の放射線検出素子にそれぞれ逆バイアス電圧を印加するバイアス電源回路と、前記複数の放射線検出素子がそれぞれ発生させた電荷に基づいて各画素の信号値を読み出す読み出し部と、を備える放射線撮影手段によって生成される放射線画像の画像データを処理することが可能なコンピューターに、
    前記放射線画像の行毎の信号値、及び予め保持している推定係数に基づいて、前記信号値の読み出しに起因するバイアス電圧の変動に伴って変動する信号値の変動量を行毎の信号値を読み出した後に推定する推定処理と、
    前記推定処理において推定した前記信号値の変動量に基づいて前記信号値を行毎に補正する信号値補正処理と、を実行させるプログラム。
  14. 基板の表面に放射線画像の各画素に対応する行列状となるように配列され、受けた放射線に応じた電荷を発生させる複数の放射線検出素子と、
    前記複数の放射線検出素子にそれぞれ逆バイアス電圧を印加するバイアス電源回路と、
    前記複数の放射線検出素子がそれぞれ発生させた電荷に基づいて各画素の信号値を読み出す読み出し部と、
    前記放射線画像の行毎の信号値、及び予め保持している推定係数に基づいて、前記信号値の読み出しに起因するバイアス電圧の変動に伴って変動する信号値の変動量を行毎の信号値を読み出した後に推定し、推定した前記信号値の変動量に基づいて前記信号値を行毎に補正する制御部と、を備える放射線撮影装置。
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