JP7232626B2 - 測量方法及びデータ処理プログラム - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 平成30年9月14日 日本測地学会のウェブサイト(http://www.geod.jpn.org/Docs/2018FM/18FMabstract.pdf) 平成30年10月16日 日本測地学会第130回講演会 要旨集,第209~210頁,日本測地学会事務局 平成30年10月16日(開催期間 平成30年10月16日から平成30年10月18日) 日本測地学会第130回講演会
本発明は、測量機によるローカル座標系での計測データに基づいてグローバル座標系での目標点の座標を求める測量方法及びデータ処理プログラムに関する。
都市部の地価高騰やリニアモーターカー線新設工事などの影響を受け、大深度地下利用への期待が高まっている。そのため、立坑を利用し地下内のトンネルに基準点を設置することが求められている。例えば、座標が既知の地表側の基準点を用いた測量により、立坑やトンネルなどの底部または深部に新たに基準点を設置することが行われる。従来、大深度立坑底部への基準点設置は、予め立坑上部にある既知の地上基準点から下げ振りを垂下し、その先端座標値を計測することにより、立坑下部に設置された基準点へ座標を付与していた。
特開2009-97985号公報
しかし、従来技術では、下げ振りが長くなるに従い質量が増加するため、使用するワイヤに、破断しない強靭さ及び捩れない特性が要求される。更に、下げ振りの先端はコリオリ力の影響を受けて回転運動をするが、下げ振りが長くなるに従い振動周期が長くなり、長い観測時間が必要になるという問題があった。
一方、下げ振りを用いない観測方法として、トータルステーション(以下、TSと略す。)を用いる方法が考えられる。TSは一般に整準され主として水平方向に離れた位置を求める測量機であるが、これを立坑内などに傾斜させて設置すれば、原理的には大きな高低差を有する位置を求めることができる。この点、特許文献1は任意の姿勢で設置したTS等を用いた測量方法を開示している。
ここで、立坑底部の新たな基準点とする計測目標点の位置は、立坑の高低差が非常に大きい場合などには、TSを傾斜設置しても立坑上部からでは直接、計測できないことが起こり得る。この場合には、TSを傾斜設置する位置を立坑内部の入り口から底部に向かって順次移動させて複数の地点で計測を行うことが考えられる。つまり、或る地点のTSから下方の中継点を測定し、当該中継点より下に移動させたTSで当該中継点を測定すると共に、さらに下方の点を測定するという作業を必要に応じて繰り返すことで底部の目標点の位置を求めることができる。しかし、TSの移動設置に伴い各計測地点での計測誤差が累積するという問題がある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、立坑底部に基準点を設置するなど、高低差を有する場所の目標点の測量において、下げ振りに代えてTSなどの測量機を用い、かつ測量機の移動設置に伴う計測誤差の累積を回避することを目的とする。
(1)本発明に係る測量方法は、グローバル座標系での座標が既知である3点以上の基準点と、測量機による計測データとから、グローバル座標系での目標点の座標を求める測量方法であって、前記基準点及び前記目標点を同時に計測可能な位置且つ姿勢にて前記測量機を設置し、当該測量機から前記基準点および前記目標点を計測し、当該測量機の設置位置及び姿勢に応じたローカル座標系での計測データを取得する計測処理と、前記基準点のグローバル座標系での座標と、前記基準点及び前記目標点のローカル座標系での前記計測データとを用いて、グローバル座標系での前記目標点の座標を算出する計算処理と、を含む。
(2)上記(1)に記載の測量方法において、前記計測処理は、2つ以上の前記設置位置から計測される節点を設け、一の前記設置位置にて前記各基準点及び前記節点について前記計測データを取得する処理と、他の前記設置位置にて前記節点及び前記目標点について前記計測データを取得する処理とを含み、前記計算処理は、前記基準点、前記目標点及び前記節点で形成される測量網に対し、前記グローバル座標系での前記測量機の前記設置位置及び前記姿勢を未知パラメータに含めて網平均計算を行い前記目標点の座標を算出するようにすることができる。
(3)上記(2)に記載の測量方法において、前記設置位置は、前記一の設置位置及び前記他の設置位置をそれぞれ第1、第Nの設置位置として、第1の設置位置から第Nの設置位置までのN個(Nは3以上の自然数である。)設けられ、第kの設置位置(kは2からN-1までの自然数である。)にて計測される計測点は、第k-1の設置位置にて計測される3点以上の前記節点と、第k+1の設置位置にて計測される3点以上の前記節点とを含むことができる。
(4)上記(3)に記載の測量方法において、前記基準点と前記目標点との間には高低差があり、前記N個の設置位置は、当該高低差において互いに異なる高さに、第1の設置位置から第Nの設置位置まで昇順又は降順に設定されてもよい。
(5)上記(1)から(4)に記載の測量方法において、前記測量機は傾けて設置されたトータルステーションとすることができる。
(6)本発明に係るプログラムは、コンピュータを、測量機により得られた計測データに基づいて、グローバル座標系での目標点の座標を算出するデータ処理装置として機能させるためのプログラムであって、グローバル座標系での座標が既知である点を基準点とし、当該コンピュータを、3点以上の前記基準点、及び前記目標点それぞれの座標について計測した前記計測データを入力され、前記グローバル座標系での前記測量機の設置位置及び姿勢を用いてグローバル座標系での前記目標点の座標を算出するデータ処理装置、として機能させる。
本発明によれば、高低差を有する場所の目標点の測量を、測量機を用いて行うことができ、かつ測量機の移動設置に伴う計測誤差の累積を回避して当該目標点の測量精度向上を図ることが可能となる。
計測処理を説明するための立坑の模式的な垂直断面図である。 立坑内における測量機の設置姿勢と観測範囲との関係を説明する模式図である。 計測データ処理システムの概略の構成を示すブロック図である。 計測データ処理システムが行う計算処理の概略のフロー図である。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)である測量方法、及び計測データ処理システム2について図面に基づいて説明する。計測データ処理システム2は、本発明の測量方法により取得された計測データを処理するデータ処理装置である。
まず、測量方法の実施形態として立坑底部の目標点の座標を求める例を説明する。当該測量方法は大きくは、立坑にて測量機を用いて計測データを取得する計測処理と、当該計測データに基づいて目標点の座標を算出する計算処理とに分かれる。
図1は計測処理を説明するための模式図であり、立坑4の垂直断面図である。図に示すように、測量機8は、立坑の空間の内側へ延出するように設置され、観測範囲を広くする為に設置場所に応じた所定の姿勢を保持している。ちなみに、立坑4は下部にてトンネル6につながっている。計測処理では、立坑上部に座標が既知である基準点P0iを設定する。ここでiは複数の点を区別する自然数の添字であり、図1の例では基準点は4点設定され、これに対応してiは1~4となる。当該基準点より下に、測量機のN個(N≧2)の設置位置(器械点)T(nはN以下の自然数である。)が設定され、また、測量によって座標が決定される点として複数の点Pniが設定される。図1はN=3の場合を例示しており、測量機の設置位置Tは立坑内の互いに高さが異なる3点に設けられ、上から順にT,T,Tである。また、点Pniの添字nはTとの高さ方向の位置関係に応じて定められており、添字iは当該位置関係が共通である複数の点を区別する自然数である。nに関しては具体的には、点P(n-1)iの下にTが位置し、点Pniの上にTが位置する。また、iに関しては図1の例では各nについて基準点と同様、4つの点Pniが設けられ、iは1~4である。ここで、トンネル6との接続部である立坑4の下部に位置する4つの点P3iは新たな基準点として座標を決定する目標点として設けられている。
計測に先立って、基準点P0i、節点Pni、目標点PNiには、立坑4またはトンネル6内に所定のマーカー(ターゲット)が予め設置されている。マーカーとしては、測量に用いる基準点鋲を用いることができる。また、マーカーを設置することなく、トンネル6内の所定の部分(例えばトンネルと立坑との境界(P31、P32)や、立坑及びトンネル壁面にある識別可能な模様や亀裂など)を用いることができる。
なお、説明の都合上、節点Pni及び目標点PNiをまとめて、計測対象点と呼ぶことがある。
図2は立坑4内における測量機8の設置姿勢を説明する模式図である。本実施形態では測量機はTSであり、図2では図1の設置位置Tに置かれたTSとその近傍の計測対象点Pniとを例示している。TSは自身を中心とした距離と角度を同時に観測でき、図2では立坑4の垂直断面にてTSの観測範囲10を模式的に示している。具体的には、図2における観測範囲10は鉛直角の観測可能範囲を示している。図2(a)は本実施形態におけるTSの姿勢を示しており、当該TSは図2(b)に示す整準状態から傾けて設置される。図2(b)に示す整準されたTSによる観測点間の鉛直方向距離は、TSの鉛直角の観測可能範囲による制約を受けるのに対し、図2(a)に示すようにTSを傾斜させることによって当該制約を緩和することが可能である。その結果、傾斜したTSは、縦方向に広い範囲に設定される計測対象点からなる測量網を、整準されたTSよりも少ない設置位置での測量で形成することが可能であり、TSの移動設置に伴って生じ得る計測誤差や測量作業負荷の軽減が図られる。
計測処理では、基準点と目標点との間の高さに2つ以上の設置位置から共通して計測される節点を設け、当該節点を介して複数の設置位置それぞれでのTSの計測結果を接続し、基準点P0iから目標点PNiに至る測量網を形成する。具体的には、N=3である図1の例では、基準点P0iと目標点P3iとの間に存在するP1i及びP2iが節点となる。
計測処理は、TSの第1の設置位置Tにて基準点P01,P02,P03,P04及び計測対象点P11,P12,P13,P14について計測データを取得する処理と、第3の設置位置Tにて計測対象点P2i及び目標点P3iについて計測データを取得する処理とを含む。さらに、N≧3の場合には、計測処理は、第kの設置位置T(kは2からN-1までの自然数である。)にてTSにより計測対象点P(k-1)i及びPkiについて計測データを取得する処理を含む。
ここで、TSによる計測データは、TSの設置位置及び姿勢に応じたローカル座標系で与えられる。当該ローカル座標系でのPniの座標を極座標系で(Dni,θni,ωni)、またXYZ直交座標系で(Xni,Yni,Zni)と表す。なお、Dni,θni,ωniはそれぞれ距離、水平角、仰俯角であり、Xni,Yni,Zniと次式で表す関係にある。
Figure 0007232626000001
例えば、計測処理は、TSを設置位置T~Tの上側の位置から順に設置して、各設置位置Tにて、そこから上に見える4つの点P(n-1)iと、下に見える4つの点Pniとの合計8点の座標を計測する。
ちなみに、当該計測で得られる座標は上述のようにローカル座標である。よって、節点である4つの点Pniは、Tに設置したTSとTn+1に設置したTSとの両方から計測されるが、Tから計測した場合と、Tn+1から計測した場合とで別々のローカル座標が得られる。以下の説明では、同一の計測対象点を異なる設置位置から計測した座標を区別するために、Tにて計測される8点P(n-1)i,Pniについての座標の値q(n-1)i,qniを、添字に1~8の通し番号であるjを用いてqnjと表すことがある。以下、P(n-1)i,Pniについての座標の表記q(n-1)i,qniを便宜上、P基準表記と称し、一方、これに対応する表記qnjを便宜上、T基準表記と称する。なお、ここでの記号qは、具体的には、ローカル座標系の成分X,Y,Zや後述するグローバル座標系の成分x,y,zである。
具体的にはq(n-1)iに対してはj=iと定義してP基準表記のq(n-1)1~q(n-1)4をT基準表記ではqn1~qn4と表し、qniに対してはj=i+4と定義してP基準表記のqn1~qn4をT基準表記ではqn5~qn8と表す。T基準表記によれば、点Pniについての計測データはTから計測した場合についてはqn(i+4)、Tn+1から計測した場合についてはq(n+1)iと表記される。
上述の計測処理では、点Pni(n=0~N,i=1~4)についてローカル座標が計測データとして得られる。また、基準点Pniについてはグローバル座標系での座標が既知である。ここで、グローバル座標系は地心直交座標系xyzである。
計測データ処理システム2は、基準点のグローバル座標、及び計測データのローカル座標から目標点のグローバル座標を求める計算処理を行う。
図3は、計測データ処理システム2の概略の構成を示すブロック図である。本システムは、演算処理装置20、記憶装置22、入力装置24及び出力装置26を含んで構成される。演算処理装置20として、本システムの各種演算処理を行う専用のハードウェアを作ることも可能であるが、本実施形態では演算処理装置20は、コンピュータ及び、当該コンピュータ上で実行されるプログラムを用いて構築される。
当該コンピュータのCPU(Central Processing Unit)が演算処理装置20を構成し、目標点の座標を算出する後述の計算処理を行う計算手段として機能する。
記憶装置22はコンピュータに内蔵されるハードディスクなどで構成される。記憶装置22は演算処理装置20で行う計算処理のプログラム及びその他のプログラムや、本システムの処理に必要な各種データを記憶する。例えば、記憶装置22は、TSの設置位置の数N、TSによる計測データ、基準点のグローバル座標などを予め格納している。
入力装置24は、キーボード、マウスなどであり、ユーザが本システムへの操作を行うために用いる。
出力装置26は、ディスプレイ、プリンタなどであり、処理結果を画面表示、印刷等によりユーザに示す等に用いられる。
次に、計測データ処理システム2による計算処理を説明する。以下の説明において、TSの設置位置Tの地心直交座標系での位置を(δ,ε,ζ)と表す。また、TでのTSの姿勢を回転角α,β,γで表す。ローカル座標系から地心直交座標系へ変換する回転行列Rは、α,β,γを用いて次式で表わすことができる。
Figure 0007232626000002
計測データ処理システム2による計算処理は、基本的には、基準点、目標点及び節点で形成される測量網に対し、グローバル座標系でのTSの設置位置(δ,ε,ζ)及び姿勢(α,β,γ)を未知パラメータに含めて網平均計算を行い、目標点の座標を算出する処理である。
図4は、計測データ処理システム2が行う計算処理の概略のフロー図である。演算処理装置20により実現される計算手段は、まず、記憶装置22からTSの設置位置の数Nを読み込み(ステップS5)、基準点に近い設置位置から順に、当該設置位置にてローカル座標を計測した8つの点のうち地心直交座標が未知のものについてその近似値を暫定値として算出する処理を行う(ステップS10~S35)。つまり、第nの設置位置Tでローカル座標を計測された点について地心直交座標を求める処理S15~S30を、nを初期値としてn=1にセットして(ステップS10)開始し、nを1ずつインクリメントしながら(ステップS35)、n=Nの場合まで当該処理を繰り返す(ステップS15にて「No」の場合)。
具体的には、n=1の場合、Tでの計測データとして8つの点P0i及びP1i(i=1~4)についてローカル座標が得られている。このうちP0iは基準点であるので、地心直交座標が既知である。そこで、P0iについて、基準点の地心直交座標との対応付け(アライメント)を行う(ステップS20)。これにより、Tでの計測結果が地心直交座標系にアライメントされる。このアライメント結果に基づいて、Tでの回転角α,β,γの近似値を暫定値として算出し(ステップS25)、さらに、当該回転角を用いてP1iについて地心直交座標の近似値を暫定値として算出する(ステップS30)。
次に、nを2に更新して(ステップS35)、Tでの8つの点P1i及びP2i(i=1~4)の計測データを用いてステップS20~S30の処理を行う。この場合には、n=1の処理にて求めたP1iの地心直交座標の近似値を用いてステップS20のアライメント処理を行い、その結果に基づきステップS25,S30にてTでの回転角α,β,γ及びP2iの地心直交座標について近似値を算出する。
このように、n≧2の場合には、n-1の場合の処理で求めたP(n-1)iの地心直交座標の近似値を用いてステップS20のアライメント処理を行い、その結果に基づいてステップS25,S30にて、Tでの回転角α,β,γ及びPniの地心直交座標について近似値を算出する。
に関するステップS20のアライメント処理は、4点P(n-1)iに関して、地心直交座標系での相対的な位置関係と、計測データによるローカル座標系での相対的な位置関係との比較に基づいて行われる。例えば、当該4点の中から、地心直交座標系での斜距離と、計測データから得られるローカル座標系での斜距離との差が最小となる2点を選ぶ。ここでは、当該2点としてP(n-1)1,P(n-1)2が選ばれたとする。つまり、P(n-1)1,P(n-1)2の地心直交座標(x(n-1)1,y(n-1)1,z(n-1)1),(x(n-1)2,y(n-1)2,z(n-1)2)とローカル座標(X(n-1)1,Y(n-1)1,Z(n-1)1),(X(n-1)2,Y(n-1)2,Z(n-1)2)とが対応するように地心直交座標系とローカル座標系との関係が定められる。
ステップS20の結果を受けて、ステップS25では、回転角α,β,γが次の非線形方程式あるいは四元数への変換により算出される。
Figure 0007232626000003
また、ステップS30では、Pniのローカル座標(Xni,Yni,Zni)が次式により地心直交座標(xni,yni,zni)に変換される。
Figure 0007232626000004
n=Nの場合についてステップS20~S30の処理が終わると、n=1~Nについて得られた回転角α,β,γ及びPniの地心直交座標の近似値を未知パラメータの初期値として、網平均計算(ステップS40~S60)を開始する。具体的には、計算手段は、nがN+1に更新されると(ステップS35)、当該網平均計算に移行する(ステップS15にて「Yes」の場合)。
にて計測される8点Pnj(j=1~8)に関する地心直交座標(xnj,ynj,znj)とローカル座標(Xnj,Ynj,Znj)との関係はRの転置行列を用いて次式で与えられる。
Figure 0007232626000005
における数学モデルFは次式に示す合成関数で定義できる。
Figure 0007232626000006
ここで、関数g及び関数hは次式で与えられる。
Figure 0007232626000007
Figure 0007232626000008
ちなみに、関数gの右辺はPnjのDnj,θnj,ωnjの組がjの昇順に上から下へ並ぶ列ベクトルである。関数hの右辺第1因子は24行24列の行列であり、8個のが対角方向に並ぶブロック対角行列である。また、右辺第2因子はxnj-δ,ynj-ε,znj-ζの組がjの昇順に上から下へ並ぶ列ベクトルである。
の位置・姿勢α,β,γ,δ,ε,ζ、及び点Pnjの地心直交座標xnj,ynj,znjを未知パラメータとして、それらが並ぶ列ベクトルをwと表し、当該ベクトルについての近似値をw と表すと、上述のTにおける数学モデルに対して計画行列Aが次式で与えられる。
Figure 0007232626000009
この式は、行列Aのs行t列の要素が、Fのs番目の成分をwのt番目の成分で偏微分した関数にw を代入した値であることを意味している。
測量網全体ではベクトルw,w,…wの成分を一列に上から下へ並べた列ベクトルXを考えて、当該測量網に対する計画行列Aを次式で定義する。
Figure 0007232626000010
未知パラメータの近似値のベクトルw ,w ,…w の成分を一列に上から下へ並べた列ベクトルをベクトルXの近似値ベクトルXと定義すると、ステップS40では、最新のXに基づいて測量網の計画行列Aを求める。具体的には、上記(数9)に示す式により各nについてw に基づいてAが算出される。
次に計測対象点Pni(n=1~N)の座標に関し計画行列Aを用いた計算値と観測値との差Vが最小となる補正量ベクトルXΔを求める(ステップS45)。具体的には、測量網に含まれる全ての計測対象点PniについてのDni,θni,ωniが並ぶ列ベクトルに関し、直近の近似値ベクトルをL、計測データから得られる観測値ベクトルをL、未知パラメータの補正により更新される最確値ベクトルをLとし、L=L-L、V=AXΔ-Lと置く。このVを残差ベクトルという。Vの2乗を最小にする補正量ベクトルXΔは次式で求められる。
Figure 0007232626000011
ここで、Qは計測誤差を示す重み行列であり、機材ごとに予めスペックとして決まっている。
近似値ベクトルXに対し得られた補正量ベクトルXΔを用いて、未知パラメータのベクトルXの最確値ベクトルXを更新する(ステップS50)。具体的には、X=X+XΔによりXを求める。
網平均計算は残差ベクトルVが予め設定された閾値以下になるまで反復される。例えば、Vの各成分が閾値以下になるまで反復される。Vが閾値より大きい場合には(ステップS55にて「No」の場合)、未知パラメータの最確値ベクトルXを近似値ベクトルXとして(ステップS60)、上述したステップS40~S50が繰り返される。一方、Vが閾値以下となった場合には(ステップS55にて「Yes」の場合)、網平均計算は終了され、最後に得られた最確値ベクトルXにより目標点PNi(図1の例ではP3i)の座標が決定される。
上の実施形態で説明した本発明を用いた測量では、例えば、立坑内部の壁面上を入り口から底部に向かって移動しながらTSを傾斜設置して、3次元鉛直測量網を形成する。そして、未知パラメータとして、網計算パラメータ(器械点座標、未知点座標)に加えて、TSの姿勢情報(傾斜観測時の光軸の3軸傾斜角)を含めて、測量網全体で網平均計算を行い、底部に設置された目標点の座標の最確値を算出する。この結果、網全体で座標計測誤差が最適化され、TSの移動設置に伴う誤差の累積を回避することができ、高精度に立坑底部への基準点設置を行うことができる。
なお、基準点P0iや各nでの節点Pniを多く設置するほど測量精度が向上するが、測量回数が増えるため作業に時間を要することとなる。上記実施形態では、測量精度と計測作業に要する時間とのバランスを考慮し、基準点P0iや節点Pniをそれぞれ4点として説明した。しかし、3次元空間における座標計測であることから、基本的には基準点P0iや節点Pniを3点以上の任意の数とすることができる。また、目標点は説明を簡単にするために節点と同じく4点としたが、必ずしも節点と同じ点数である必要はない。基本的には1点以上の任意の数とすることができる。
本実施形態では測量網は立坑、つまり垂直な穴にてTSを移動設置して形成する例を説明したが、TSが傾斜して設置され得る状況にて本発明を適用してその効果を得ることができる。例えば、斜坑においても適用することができる。
また、本実施形態では、測量網として、TSの複数の設置位置での計測を順番に連鎖して、すなわち隣接する位置に設置されたTSで同一節点を計測することにより形成される例を示したが、より複雑な網構造とすることもできる。例えば、設置位置が隣接していない2ヵ所のTSで同一節点を計測し、測量網を形成することができる。更に、複雑さの度合いが異なる複数の網構造を組み合わせて、測量網を形成することができる。
また、本実施形態では基準点が上に位置し、目標点が下に位置する例を示したが、これには限定されない。さらに、TSの設置位置を上から下に順番に移動させて計測を行う計測作業を説明したが、複数の設置位置での計測は原理的には任意の順序で行うことができる。
2 計測データ処理システム、4 立坑、6 トンネル、20 演算処理装置、22 記憶装置、24 入力装置、26 出力装置。

Claims (5)

  1. グローバル座標系での座標が既知である3点以上の基準点と、測量機による計測データとから、グローバル座標系での目標点の座標を求める測量方法であって、
    前記基準点及び2つ以上の設置位置から計測される節点を同時に計測可能な一の前記設置位置且つ姿勢にて前記測量機を設置し、当該測量機から前記基準点および前記節点を計測し、前記一の設置位置及び姿勢に応じたローカル座標系での計測データを取得する処理と、前記節点及び前記目標点を同時に計測可能な他の前記設置位置且つ姿勢にて前記測量機を設置し、当該測量機から前記節点および前記目標点を計測し、前記他の設置位置及び姿勢に応じたローカル座標系での計測データを取得する処理と、を含む計測処理と、
    前記基準点のグローバル座標系での座標と、前記基準点及び前記節点のローカル座標系での前記計測データ並びに前記節点及び前記目標点のローカル座標系での前記計測データとを用いて、前記基準点、前記目標点及び前記節点で形成される測量網に対し、前記グローバル座標系での前記測量機の前記設置位置及び前記姿勢を未知パラメータに含めて網平均計算を行い、グローバル座標系での前記目標点の座標を算出する計算処理と、
    を含むことを特徴とする測量方法。
  2. 請求項に記載の測量方法において、
    前記設置位置は、前記一の設置位置及び前記他の設置位置をそれぞれ第1、第Nの設置位置として、第1の設置位置から第Nの設置位置までのN個(Nは3以上の自然数である。)設けられ、
    第kの設置位置(kは2からN-1までの自然数である。)にて計測される計測点は、
    第k-1の設置位置にて計測される3点以上の前記節点と、第k+1の設置位置にて計測される3点以上の前記節点とを含むこと、
    を特徴とする測量方法。
  3. 請求項に記載の測量方法において、
    前記基準点と前記目標点との間には高低差があり、
    前記N個の設置位置は、当該高低差において互いに異なる高さに、第1の設置位置から第Nの設置位置まで昇順又は降順に設定されること、
    を特徴とする測量方法。
  4. 請求項1乃至請求項に記載の測量方法において、
    前記測量機は傾けて設置されたトータルステーションであること、を特徴とする測量方法。
  5. コンピュータを、
    測量機により得られた計測データに基づいて、グローバル座標系での目標点の座標を算出するデータ処理装置として機能させるためのプログラムであって、グローバル座標系での座標が既知である点を基準点とし、
    当該コンピュータを、
    3点以上の前記基準点、2つ以上の設置位置から計測される節点、及び前記目標点それぞれの座標について計測した前記計測データを入力され、前記基準点のグローバル座標系での座標と、前記基準点及び前記節点のローカル座標系での前記計測データ並びに前記節点及び前記目標点のローカル座標系での前記計測データとを用いて、前記基準点、前記目標点及び前記節点で形成される測量網に対し、前記グローバル座標系での前記測量機の前記設置位置及び前記姿勢を未知パラメータに含めて網平均計算を行い、グローバル座標系での前記目標点の座標を算出するデータ処理装置、として機能させるためのプログラム。
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