JP7229766B2 - 経口組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ノコギリヤシエキスを含有する経口組成物に関する。またノコギリヤシエキスが有する特有の臭気を抑制する方法に関する。
ノコギリヤシは、北米南東部のヤシ科ノコギリパルメット属に属する植物で、45cm~1mに広がる特徴的なノコギリ状の葉を持つ。薬用部位は実で、古くから食用、及び鎮静・強壮効果のある民間薬として、また泌尿器疾病の治療薬(漢方)として利用されている。とくに前立腺肥大症の改善、並びに頻尿、残尿感及び尿流速低下の予防及び改善に有効であるとされ(例えば、非特許文献1等参照)、現にドイツ、イタリア、フランスなどでは前立腺肥大症の初期治療薬として認可されている。
ノコギリヤシの有効成分は熟した果実に含まれる油溶性の成分であり、二酸化炭素による超臨界抽出やエタノールによって抽出されている。これらの方法で抽出されたノコギリヤシの抽出物(ノコギリヤシエキス)は橙色をしているが、光照射や酸化を受けることにより色調が大きく変化するという問題がある。本出願人は、このノコギリヤシエキスの変色は、ノコギリヤシエキスにヒハツ加工物または長命草加工物を併用することで抑制できることを見出し、この技術を用いた変色しにくいノコギリヤシエキス配合製剤を提案している(特許文献1及び2参照)。
特開2014-196255号公報 特開2015-10068号公報
Palin MFら、Endocrine, Vol.9, No.1 pp.65-69, 1998
ノコギリヤシエキス配合製剤の変色は上記技術で解消できるものの、他方、ノコギリヤシエキス配合製剤には、ノコギリヤシエキス特有の臭いがあり、そのままでは服用しにくいという問題がある。錠剤に調製して周囲を糖衣などでマスキング被覆することで臭いを抑制する方法も考えられるものの、コストが高くなることや一錠あたりの大きさが大きくなり飲みづらくなるという問題があり現実的ではない。
そこで本発明の課題は、より簡便な方法でノコギリヤシエキス配合製剤が有するノコギリヤシエキス特有の臭いを抑制することである。具体的には、ノコギリヤシエキスの臭いが抑制された経口組成物を提供することを課題とする。またノコギリヤシエキスの臭いを抑制する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねていたところ、ノコギリヤシエキスに、ビタミンE及びビタミンDよりなる群から選択される少なくとも一種を併用することで、ノコギリヤシエキス特有の臭いが低減することを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成するに至った。本発明は下記の実施形態を有するものである。
(I)経口組成物
(I-1)ノコギリヤシエキスと、ビタミンE及びビタミンDとを含有する経口組成物。
(I-2)ビタミンE及びビタミンDよりなる群から選択される少なくとも一種のビタミンをノコギリヤシエキスの臭いを抑制する割合で含有することを特徴とする経口組成物。
(I-3)頻尿、残尿感および/または尿流速低下を改善または抑制するための組成物である(I-1)または(I-2)に記載する経口組成物。
(II)ノコギリヤシエキスの臭い抑制方法
(II-1)ノコギリヤシエキスに、ビタミンE及びビタミンDよりなる群から選択される少なくとも一種のビタミンを併用することを特徴とする、ノコギリヤシエキスの臭い抑制方法。
本発明によれば、ノコギリヤシエキスに特有の臭いを抑制することができ、臭いを抑えたノコギリヤシエキス配合製剤を提供することができる。その結果、いままで不快な臭いのため飲みづらかったノコギリヤシエキス配合製剤を、抵抗なく服用することができる。
(I)ノコギリヤシエキス配合経口組成物
本発明は、ノコギリヤシエキスを含有する経口組成物であり、ビタミンE及びビタミンDの両方又はいずれか一種のビタミンを含有することを特徴とする。
(1)ノコギリヤシエキス
ノコギリヤシ(Serenoa repens又はSerenoa serrulata)は別名ソウ・パルメット(Saw palmetto)とも呼ばれ、ヤシ科に属する植物である。当該植物は、北米南部地域に分布しており、その果実に含まれる油性物質には、5α-リダクターゼ阻害、前立腺肥大抑制、排尿障害緩和、利尿促進、抗炎症等の作用を有することが知られている。
ノコギリヤシの抽出部位としては、特に制限されないが、好ましくは上記各種作用を有する油性物質を含む果実である。本発明が対象とするノコギリヤシエキスは、好ましくは当該油性物質を含む油性のエキスであり、未熟あるいは完熟の果実をそのまま又は乾燥後、適宜に細断してノルマルヘキサン、アセトン、エーテル、エタノール等の親油性有機溶媒を用いて抽出するか、または二酸化炭素、プロパン、窒素等を用いて超臨界状態下で抽出することにより製造することができる。抽出物の安全性や品質面から超臨界炭酸ガス抽出法が好適である。なお、この抽出物は必要に応じて常法により脱色処理や脱臭処理を施してもよい。
前記抽出物として得られる油性物質はカプロン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸等の炭素数6~18の飽和及び不飽和脂肪酸類を主成分として、オクタコサノール、トリアコンタノール等の脂肪族長鎖アルコール類、β-シトステロール、カンペステロール等の植物ステロール類を含み、アルコール類に僅かに溶解するが、水にはほとんど溶けない。
ノコギリヤシエキスは、上記の方法でノコギリヤシ、特に果実(好ましくは熟した果実)から抽出調製することができるが、簡便には市販のノコギリヤシエキスを用いることもできる。かかるノコギリヤシエキスとしては、インデナ社(イタリア)またはその日本法人(インデナジャパン(株))の商品名「サバルセレクト」(超臨界抽出法により製造されたもの)などを例示することができる。斯くして調製されるノコギリヤシエキス、並びに商業的に入手されるノコギリヤシエキスは、通常、油性の液体の形態を有している。
(2)ビタミンD
本発明が対象とするビタミンDは、食品または経口医薬品の分野で許容される可食性のものであればよく、植物由来、動物由来及び合成品の別を問わず、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロタキステロール、カルシトリオールなどを挙げることができる。これらは食品または経口医薬品の分野で許容される可食性の塩の形態を有するものであってもよい。好ましくは、コレカルシフェロールである。本発明において、これらのビタミンDは、前述するノコギリヤシエキスと一種単独で用いてもよいし、又は二種以上を任意に組み合わせて用いることもできる。
(3)ビタミンE
本発明が対象とするビタミンEには、トコフェロール(α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール等)、及びその誘導体が含まれる。これらのトコフェロール及びトコフェロール誘導体は、食品または経口医薬品の分野で許容される可食性の塩の形態を有するものであってもよい。またその立体構造の別は問わず、ラセミ体でもよく、例えばd体およびdl体のいずれであってもよい。トコフェロール誘導体には経口投与可能な有機酸エステル、具体的にはトコフェロールのC1~C30エステル、好ましくはトコフェロールのC2~C20エステルが含まれる。日本薬局方に収載されているビタミンEとしては、例えばコハク酸d-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロールカルシウム、コハク酸トコフェロール酢酸カルシウム、酢酸トコフェロール、及びトコフェロール等が挙げられる。日本薬局方収載外のビタミンEとしては、例えば酢酸d-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、d-δ-トコフェロール、dl-α-トコフェロール、ニコチン酸DL-α-トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、リノール酸DL-α-トコフェロール、d-α-トコフェロール、及びビタミンEトコフェリル誘導体(D-α-トコフェリルポリエチレングリコール-1000-スクシナート等)、及び天然ビタミンEを挙げることができる。好ましくは、酢酸トコフェロール、コハク酸d-α-トコフェロール、コハク酸トコフェロール、d-α-トコフェロールである。本発明において、これらのビタミンEは、前述するノコギリヤシエキスと一種単独で用いてもよいし、又は二種以上を任意に組み合わせて用いることもできる。
(4)ノコギリヤシエキス配合経口組成物
本発明のノコギリヤシエキス配合経口組成物の一態様として、前述するノコギリヤシエキスとビタミンDを含む経口組成物を挙げることができる。
当該経口組成物に含まれるノコギリヤシエキスに対するビタミンDの配合割合は、ビタミンDとの併用により、ノコギリヤシエキス由来の臭いが抑制できる範囲であればよく、その限りにおいて特に制限されるものではない。ノコギリヤシエキスにビタミンDを配合することでノコギリヤシエキス特有の臭いが抑制できるか否かは、後述する試験例に示すように、ノコギリヤシエキスにビタミンDを配合した混合物(併用区)とノコギリヤシエキス単独(単独区)とで、官能試験(臭いを鼻で嗅ぎ比べる試験)を行い、併用区の臭いと単独区の臭いとを対比することで行うことができる。この場合、単独区の臭いに比べて併用区での臭いが低い場合に、ノコギリヤシエキスにビタミンDを配合することで、ノコギリヤシエキスの臭いが抑制できると判断することができる。この官能試験は訓練された専門のパネルを用いて行うことができ、よく訓練された専門のパネルであれば1名の官能試験による判断で評価することができる。また、官能試験を複数の専門パネルで実施する場合は、パネル間で判定基準(内的基準を含む)を統一し、当該所定の基準に従って判定することで、嗜好等に起因する個人差が低減でき、精度及び信頼性の高い結果を得ることができる。つまり、複数の専門パネルで官能試験を行う場合、パネル間で統一した判定基準のもとで実施することで、各自の評点の合計または平均値から官能試験結果を評価することが可能になる。
ノコギリヤシエキスに対するビタミンDの配合割合としては、例えば、ノコギリヤシエキス100質量部に対するビタミンDの割合に換算して0.0001~2質量部の範囲を挙げることができる。好ましくは0.0003~2質量部、より好ましくは0.001~2質量部を挙げることができる。この配合割合を換算するうえでの基準となるノコギリヤシエキスは、抽出溶媒を実質的に含まない油性液状のノコギリヤシエキスである。当該抽出溶媒を実質的に含まないノコギリヤシエキスは、ノコギリヤシの所定部位から超臨界抽出することによって簡便に得ることができるし、親油性溶媒で抽出する場合は、当該溶媒を蒸発除去させることで調製することができる(以下同じである)。
この場合、ノコギリヤシエキス配合経口組成物中のノコギリヤシエキスの割合は特に制限されないものの、5~80質量%の範囲から適宜設定することができる。またノコギリヤシエキス配合経口組成物中のビタミンDの配合割合は前記の限り特に制限されず0.0001~1質量%の範囲から適宜設定することができるが、好ましくは0.0001~0.5質量%、より好ましくは0.001~0.5質量%である。
本発明のノコギリヤシエキス配合経口組成物の他の一態様として、前述するノコギリヤシエキスとビタミンEを含む経口組成物を挙げることができる。
当該経口組成物に含まれるノコギリヤシエキスに対するビタミンEの配合割合は、ビタミンEとの併用により、ノコギリヤシエキス由来の臭いが抑制できる範囲であればよく、その限りにおいて特に制限されるものではない。ノコギリヤシエキスにビタミンEを配合することでノコギリヤシエキス特有の臭いが抑制できるか否かは、ビタミンDとの併用に関して説明した前述の官能試験と同様に、ノコギリヤシエキスにビタミンEを配合した混合物(併用区)とノコギリヤシエキス単独(単独区)とで官能試験を行い、併用区の臭いと単独区の臭いとを対比することで行うことができる。この場合、単独区の臭いに比べて併用区での臭いが低い場合に、ノコギリヤシエキスにビタミンEを配合することで、ノコギリヤシエキスの臭いが抑制できると判断することができる。
ノコギリヤシエキスに対するビタミンEの配合割合としては、例えば、ノコギリヤシエキス100質量部に対するビタミンEの割合に換算して1~200質量部の範囲を挙げることができる。好ましくは3~200質量部、より好ましくは7.5~200質量部を挙げることができる。
この場合、ノコギリヤシエキス配合経口組成物中のノコギリヤシエキスの割合は特に制限されないものの、5~80質量%の範囲から適宜設定することができる。またノコギリヤシエキス配合経口組成物中のビタミンEの配合割合は前記の限り特に制限されず1~50質量%の範囲から適宜設定することができるが、好ましくは1~40質量%、より好ましくは1.5~40質量%である。
本発明のノコギリヤシエキス配合経口組成物のさらに他の一態様として、前述するノコギリヤシエキスとビタミンDとビタミンEを含む経口組成物を挙げることができる。
当該経口組成物に含まれるノコギリヤシエキスに対するビタミンD及びビタミンEの配合比は、ビタミンD及びビタミンEの併用により、ノコギリヤシエキスの臭いが抑制できる範囲であればよく、その限りにおいて特に制限されるものではない。ノコギリヤシエキスにビタミンD及びビタミンEを配合することでノコギリヤシエキス特有の臭いが抑制できるか否かは、前述の官能試験と同様に、ノコギリヤシエキスにビタミンD及びビタミンEを配合した混合物(3種併用区)とノコギリヤシエキス単独(単独区)とで官能試験を行い、3種併用区の臭いと単独区の臭いとを対比することで行うことができる。この場合、単独区の臭いに比べて3種併用区での臭いが低い場合に、ノコギリヤシエキスにビタミンDとビタミンEを配合することで、ノコギリヤシエキスの臭いが抑制できると判断することができる。より好ましくは、ノコギリヤシエキスにビタミンDとビタミンEの両者を配合することで、ノコギリヤシエキスにビタミンDまたはビタミンEのいずれか一方を配合した場合に得られる臭い抑制効果を一層増強することのできる割合である。ノコギリヤシエキスにビタミンDとビタミンEの両者を配合することで、ビタミンDとビタミンEのいずれか一方の配合による臭い抑制効果が一層増強できるか否かは、ノコギリヤシエキスとビタミンDとビタミンEとを配合した製剤(3種併用区)と、ノコギリヤシエキスとビタミンDを配合した製剤(2種併用区)と、ノコギリヤシエキスとビタミンEを配合した製剤(2種併用区)とで、官能試験を行い、3種併用区の臭いと2種単独区の臭いとを対比することで行うことができる。この場合、2種併用区の臭いに比べて3種併用区での臭いが低い場合は、ノコギリヤシエキスにビタミンDとビタミンEとを併用することで、ノコギリヤシエキスにビタミンDとビタミンEのいずれか一方を配合することによる臭い抑制効果が一層増強すると判断することができる。
ノコギリヤシエキスに対するビタミンD及びビタミンEの配合割合としては、例えば、ノコギリヤシエキス100質量部に対してビタミンD0.0001~2質量部、及びビタミンE1~200質量部の割合を挙げることができる。好ましくはビタミンD0.0003~2質量部、及びビタミンE3~200質量部、より好ましくはビタミンD0.001~2質量部、及びビタミンE4.5~200質量部の割合を挙げることができる。
この場合、ノコギリヤシエキス配合経口組成物中のノコギリヤシエキスの割合は特に制限されないものの、5~80質量%の範囲から適宜設定することができる。またノコギリヤシエキス配合経口組成物中のビタミンD及びビタミンEの配合割合は前記の限り特に制限されず、それぞれ0.0001~50質量%及び0.001~40質量%の範囲から適宜設定することができる。好ましくはビタミンDは0.0001~1質量%、ビタミンEは1~50質量%である。
前述する割合及び範囲で、ノコギリヤシエキスに対して、ビタミンDおよび/またはビタミンEを用いることで、ノコギリヤシエキスの臭いを抑制することができる。
本発明が対象とするノコギリヤシエキス配合経口組成物は、少なくともノコギリヤシエキスとビタミンDおよび/またはビタミンEとを成分として含有し、それによってノコギリヤシエキスの臭い抑制という本発明の効果を享受しているものであればよく、その限りにおいて、製剤の形態、使用態様、及び用途を特に限定するものではない。
本発明の経口組成物には口腔組成物も含まれる。具体的には、本発明が対象とする経口組成物には経口医薬品、経口医薬部外品、食品(食品添加剤を含む)、口腔医薬品、口腔医薬部外品、及び口腔化粧品が含まれる。
本発明の経口組成物を経口医薬品、経口医薬部外品、口腔医薬品または口腔医薬品(以下、「経口医薬品等」と総称する)とする場合、上述したノコギリヤシエキス配合経口組成物をそのまま経口医薬品等としてもよいし、医薬品や医薬部外品の分野において許容される担体や添加剤と共に様々な剤型に調製してもよい。経口医薬品等の剤型は、特に制限されないが、例えば、散剤、錠剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤(軟カプセル剤又は硬カプセル剤)、トローチ、チュアブル錠、ドライシロップ剤等の固形剤、またはシロップ剤などの液剤が挙げられる。好ましくは固形剤である。また、薬効成分の放出性を制御した製剤形態を有するものであってもよい(例えば、速放性製剤、徐放性製剤等)。また、好ましくは錠剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤(軟カプセル剤又は硬カプセル剤)である。このような剤型を有する製剤は、当業界の慣用法に従って調製することができる。また上記成分の他、本発明の効果が減殺されない範囲であれば、通常医薬品や医薬部外品の添加物として許容される安定剤、分散剤、流動化剤、緩衝剤、湿潤剤、粘稠剤、防腐剤、pH調整剤、溶剤、溶解補助剤等の任意成分を所望に応じて添加することもできる。
上記の経口医薬品等の投与量は、製剤の用途、患者の年齢、性別、治療すべき症状の程度、及び投与方法により左右されるが、経口医薬品等に含まれているノコギリヤシエキスの量に換算して、成人に対する1日あたりの投与量が通常100~1000mg程度となる割合を挙げることができる。この投与範囲であれば、1日に1~数回に分けて投与することもできる。背景技術の欄で説明するように、従来よりノコギリヤシは前立腺肥大症の改善、並びに頻尿、残尿感及び尿流速低下の予防及び改善に有効であることが知られている(非特許文献1参照)。このため、前記治療すべき症状にはこれら症状を挙げることができ、また前記患者にはこれらの症状を有する患者を挙げることができる。つまり、本発明の経口医薬品等は、これらの症状を治療または予防するために使用される経口医薬品等が含まれる。
本発明の経口組成物を食品とする場合、当該食品は、ノコギリヤシエキス(またはビタミンD若しくはビタミンE)の生理作用に基づいて、各種の健康食品(栄養機能食品、特定保健用食品、機能性表示食品等)、サプリメント、病者用食品等の機能性食品として調製することもできる。例えば前述するノコギリヤシエキスの生理作用から、本発明の食品は頻尿、残尿感および/または尿流速低下が気になる方に対する機能性食品として好適に使用することができる。このような食品として調製する場合は、継続的な摂取が行いやすいように、例えば顆粒剤、散剤、フィルム、タブレット、カプセル(軟カプセル剤又は硬カプセル剤)、錠剤(チュアブル剤等を含む)、丸剤、飲料(ドリンク剤)等の形態で調製することが望ましく、なかでもカプセル剤、錠剤の形態が摂取の簡便さの点からは好ましい。当該食品組成物も、上述した食品の分野で許容される担体を用いて、常法に従って適宜調製することができる。
(II)ノコギリヤシエキスの臭い抑制方法
本発明のノコギリヤシエキスの臭い抑制方法は、ノコギリヤシエキスにビタミンD及びビタミンEよりなる群から選択される少なくとも1種のビタミンを併用することで実施することができる。
使用するノコギリヤシエキス、ビタミンD及びビタミンEの種類、形態及び調製方法等は(I)に記載した通りであり、当該記載はここに援用することができる。
ノコギリヤシエキスに対するビタミンDおよび/またはビタミンEの配合割合は、ノコギリヤシエキスの臭いが抑制される割合であればよく、その限りにおいて特に制限されるものではない。なお、ノコギリヤシエキスにビタミンDおよび/またはビタミンEを配合することでノコギリヤシエキスの臭いが抑制できるか否かは、(I)に記載するように、専門のパネルを用いた官能試験を実施し、ノコギリヤシエキス単独区と比較した臭いからビタミンDおよび/またはビタミンEの併用効果を評価することで決定することができる。当該記載もここに援用することができる。
ノコギリヤシエキスに対するビタミンDの配合割合は、上記の限り制限はされないものの、通常、ノコギリヤシエキス100質量部に対するビタミンDの割合に換算して、0.0001~2質量部の範囲を挙げることが出来る。好ましくは0.0003~2質量部、より好ましくは0.001~2質量部である。ノコギリヤシエキスに対するビタミンEの配合割合は、上記の限り制限はされないものの、通常、ノコギリヤシエキス100質量部に対するビタミンEの割合に換算して、1~200質量部の範囲を挙げることが出来る。好ましくは3~200質量部、より好ましくは4.5~200質量部である。
ノコギリヤシエキスの臭いの抑制効果はビタミンDとビタミンEを同時にノコギリヤシエキスに併用する場合のノコギリヤシエキスに対するビタミンDの配合割合は、ノコギリヤシエキス100質量部に対して0.0001~2質量部の範囲、好ましくは0.0003~2質量部、より好ましくは0.001~2質量部であり、ビタミンEの配合割合は、ノコギリヤシエキス100質量部に対して1~200質量部の範囲、好ましくは3~200質量部、より好ましくは7.5~200質量部を例示することができる。
以上、本明細書において、「含む」及び「含有する」の用語には、「からなる」及び「から実質的になる」という意味が含まれる。
以下、本発明およびその効果を、試験例および実施例を用いてより明確に説明する。ただし、本発明はかかる試験例および実施例になんら制限されるものではない。なお、下記の実施例において特に言及しない場合は、「部」は質量部を、「%」は質量%を意味するものとする。以下の実験は、特に言及しない限り、室温(25±5℃)、及び大気圧条件下で実施した。
試験例1 ノコギリヤシエキスの臭い抑制効果
ノコギリヤシエキスの臭いに対するビタミンDおよび/またはビタミンEの抑制効果を、官能評価試験によって評価した。
(1)試験方法
(a)被験試料の調製
表1に記載する処方に従って、各原料を添加混合してノコギリヤシエキス配合経口組成物(液状)を調製し、これを蓋付きガラス瓶に充填して被験試料(比較例、実施例1~3)とした。なお、被験試料の調製には下記の原料を使用した。
ノコギリヤシエキス:製品名「セレノアセイセイエキス」(INDENA S,A,製)ノコギリヤシ果実から超臨界CO2抽出により調製された液状のエキス。
ビタミンD原料:ビタミンD0.25%含有粉末(BASFジャパン株式会社製)
ビタミンE原料:ビタミンE68%含有植物油「E-MIX-α1000」(タマ生化学株式会社製)
(b)官能評価試験
よく訓練された臭いの専門パネル9名によって官能評価試験を行った。具体的には、まずパネル全員にノコギリエキスそのもの臭いを鼻で嗅いでもらい、ノコギリエキス臭を認知してもらった(対照臭)。そのうえで、各被験試料(比較例、実施例1~3)を充填したガラス瓶(室温)の蓋を開けて、各被験試料の臭いを鼻で嗅いでもらい、前記対照臭との対比から下記の5段階の基準に基づいて、臭いを評価してもらった。なお、この基準はあらかじめ9名の専門パネル間で各段階に当てはまる臭いの程度を統一して設定したものである。
[評価基準]
1:不快な臭いがほとんど消失している
2:不快な臭いが若干するが明らかに抑制されていると認識できる
3:不快な臭いがややするが有意に抑制されていることが認識できる
4:不快な臭いはするがやや抑制されていると認識できる
5:不快な臭いがまったく抑制されていない。
9名の評点の合計から下記の基準に基づいて判定した。
[判定]
◎:評点合計9以上18未満
○:評点合計18以上27未満
△:評点合計27以上36未満
×:評点合計36以上45以下
(2)試験結果
試験結果を表1に纏めて記載する。
Figure 0007229766000001
この結果からわかるように、ノコギリヤスエキスなどのノコギリヤシ加工物にビタミンD又はビタミンEをそれぞれ単独で併用することでノコギリヤシ特有の臭いが抑制されることが確認された(実施例1及び2)。特にその臭い抑制効果は、ビタミンD及びビタミンEをそれぞれ単独よりも両者を組み合わせてノコギリヤスエキスと併用することで、より一層強くノコギリヤシ特有の臭いが抑制されることが確認された(実施例3)。
処方例1~10
表2に記載する処方に従って、定法に基づいてソフトカプセル剤を調製することができる。このソフトカプセル剤に充填されているノコギリヤスエキス配合組成物は、ビタミンD及び/又はビタミンEを含有することでノコギリヤシ特有の臭いが抑制されているため、ソフトカプセル剤自体、ノコギリヤシに由来する臭いはしないか、しても微臭である。なお、ビタミンE原料、ビタミンD原料は上記と同じものを使用している。
Figure 0007229766000002
Figure 0007229766000003

Claims (4)

  1. ノコギリヤシエキスと、ビタミンE及びビタミンDとを含有する経口組成物(但し、コレカルシフェロール、D-αトコフェロール、l-セレノメチオニン、エピガロカテキン、ノコギリヤシベリー抽出物、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン、及びリコピンを含有する組成物を除く。)
  2. ビタミンE及びビタミンDよりなる群から選択される少なくとも一種のビタミンを、下記に示す範囲のノコギリヤシエキスの臭いを抑制する割合で含有することを特徴とするノコギリヤシエキス配合経口組成物;
    ノコギリヤシエキス100質量部に対するビタミンEの割合:1~200質量部、
    ノコギリヤシエキス100質量部に対するビタミンDの割合:0.0001~2質量部
    ここで、配合割合の基準となる「ノコギリヤシエキス」は抽出溶媒を含まない油性液状のノコギリヤシエキスである
    (但し、コレカルシフェロール、D-αトコフェロール、l-セレノメチオニン、エピガロカテキン、ノコギリヤシベリー抽出物、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン、及びリコピンを含有する組成物を除く。)。
  3. 頻尿、残尿感および/または尿流速低下を改善または抑制するための組成物である請求項1または2に記載する経口組成物。
  4. ノコギリヤシエキスに、ビタミンE及びビタミンDよりなる群から選択される少なくとも一種のビタミンを併用することを特徴とする、ノコギリヤシエキスの臭い抑制方法
    但し、ノコギリヤシエキスにツェインを併用する方法を除く
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