以下、図面を参照しながら、本発明にかかる中継装置と、信号光中継システムと、の実施の形態について説明する。
●信号光中継システム●
先ず、本発明にかかる信号光中継システムの実施の形態について説明する。
●信号光中継システムの構成
図1は、本発明にかかる信号光中継システム(以下「本システム」という。)の実施の形態を示す機能ブロック図である。
本システムSは、信号光発生器Mからの電気信号(例えば、音声信号)に応じた赤外線などの光(以下「信号光」という。)Lを受光して中継し、中継した信号光Lから電気信号(音声信号)を取り出して外部装置Dに出力する。本システムSは、3つの中継装置T(中継装置T1、中継装置T2、中継装置T3)と、受光器Rと、制御器Cと、を有してなる。
本システムSは、1つの受光器Rでは信号光発生器Mからの信号光Lを直接受光することが困難な部屋(例えば、広い空間を有する部屋や、信号光Lの経路を阻害する梁や照明などの障害物O(図7参照)がある部屋)X(図6参照)において、信号光発生器Mから受光器Rまでの信号光Lを中継する。
以下の説明において、各中継装置T1-T3のそれぞれを区別して説明する必要がないとき、それぞれを「中継装置T」と総称する。各中継装置T1-T3が備える構成要素を区別するとき、中継装置T1が備える構成要素の符号には「T1」を、中継装置T2が備える構成要素の符号には「T2」を、中継装置T3が備える構成要素の符号には「T3」を、それぞれ付して説明する。
信号光発生器Mは、電気信号に応じて信号光を発生させる(生成する)。信号光発生器Mは、例えば、収音した音声に応じて音声信号を生成し、赤外線を介して音声信号を送信する赤外線ワイヤレスマイクロホンである。この場合、赤外線は、本発明における信号光Lである。信号光L(赤外線)は、例えば、840nm±10nmの赤外域の波長帯の赤外線である。信号光発生器Mが発生させた信号光Lは、中継装置Tや受光器Rに送光(送信)される。
受光器Rは、信号光発生器Mからの信号光Lや中継装置Tからの中継光L1を受光して、受光した信号光Lや中継光L1に応じた電気信号を生成する。受光器Rからの電気信号は、例えば、天井裏Xb(図6参照)や壁Xw(図6参照)の内側(部屋Xの外側)に配線される同軸ケーブルなどの信号線SLを介して、制御器Cに送信される。受光器Rは、例えば、信号光発生器Mが用いられる部屋Xの天井Xc(図6参照)のうちの壁Xwの近くや、壁Xwのうちの天井Xcの近くに配置される。以下の説明において、受光器Rは、信号光発生器Mが用いられる部屋Xの天井面Xsに配置されるものとする。中継光L1については、後述する。
制御器Cは、受光器Rから受信した電気信号を復調して音声信号を取り出し、同音声信号をスピーカやアンプなどの外部装置Dに出力する。制御器Cは、例えば、信号復調器である。制御器Cは、例えば、信号光発生器Mが用いられる部屋Xの中の壁Xwの近くであって、受光器Rに近い位置に配置されて、信号線SLを介して受光器Rに接続される。外部装置Dは、制御器Cに有線接続または無線接続される。
なお、受光器は制御器を備えてもよい。すなわち、例えば、受光器は、信号光や中継光を復調して音声信号を取り出してもよい。
●中継装置(1)●
次に、本発明にかかる中継装置について説明する。
中継装置Tは、信号光発生器Mと受光器Rとの間において、信号光発生器Mからの信号光Lを受光器Rに中継する。中継装置Tは、信号光発生器Mが用いられる部屋Xの天井面Xsや、壁Xwに配置される。以下の説明において、中継装置Tは、信号光発生器Mが用いられる部屋Xの天井面Xsに配置されるものとする。中継装置Tの具体的構成については、後述する。
本実施の形態において、中継装置T1は、信号光発生器Mからの信号光Lを受光器Rに中継する。中継装置T2は、信号光発生器Mからの信号光Lを転送光として中継装置T3に中継する。中継装置T3は、信号光発生器Mからの信号光Lと、中継装置T2からの中継光L1(中継装置T2が出力した転送光)と、を転送光として受光器Rに中継する。
ここで、任意の中継装置Tを基準にしたとき、中継光L1は、他の中継装置T(基準とする中継装置の中継前段の中継装置T)により中継された信号光発生器Mからの信号光Lである。すなわち、中継光L1は、他の中継装置Tが出力する、信号光Lと同じ情報(音声信号)を搬送する光(信号光Lに応じた光)である。一方、転送光は、中継装置Tにより中継された信号光発生器Mからの信号光Lである。すなわち、転送光は、中継装置Tが出力する、信号光Lと同じ情報(音声信号)を搬送する光(信号光Lに応じた光)である。つまり、中継光L1は中継装置Tが受光する他の中継装置Tからの光であり、転送光は中継装置Tが送光する光である。換言すれば、中継装置Tが受光する光は、他の中継装置Tからの中継光L1であると共に、他の中継装置Tが出力した転送光である。一方、中継装置Tが送光する光は、転送光であると共に、さらに他の中継装置T(基準とする中継装置の中継後段の中継装置T)に受光される中継光L1でもある。
中継装置Tは、例えば、信号光発生器Mが用いられる部屋Xの天井裏Xbに配線される100Vの商用電源V(図6参照)に、LAN(Local Area Network)ケーブルなどの電源線VL(図6参照)を介して接続される。すなわち、商用電源Vからの電力は、PoE(Power over Ethernet(登録商標))の技術を利用して中継装置Tに供給される。
●中継装置の構成
次に、中継装置の構成について説明する。
図2は、本発明にかかる中継装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。
中継装置Tは、収容ユニット10と、受光部20と、増幅部30と、送光部40と、を備える。受光部20と、増幅部30と、送光部40とは、光学ユニットOUを構成する。
収容ユニット10は、受光部20と、増幅部30と、送光部40と、を収容する。収容ユニット10の具体的構成については、後述する。
受光部20は、信号光発生器Mからの信号光Lや他の中継装置Tからの中継光L1を受光して、受光した信号光Lや中継光L1それぞれに応じた電気信号を生成する。受光部20が生成した電気信号は、増幅部30に出力される。受光部20の具体的構成については、後述する。
増幅部30は、受光部20からの電気信号を増幅する。増幅部30が増幅した電気信号は、送光部40に出力される。増幅部30の具体的構成については、後述する。
送光部40は、増幅部30からの電気信号に応じた転送光を生成して、転送光を受光器R、または、他の中継装置Tに出力する。送光部40の具体的構成については、後述する。
次に、中継装置Tの具体的構成について説明する。
図3は、中継装置Tの斜視図である。
図4は、中継装置Tの正面図である。
図5は、図4の中継装置TのAA線における断面図である。
以下の説明において、「上方」は、信号光発生器Mが用いられる部屋Xの天井Xcの方向(図5における紙面上側の方向)である。「下方」は、信号光発生器Mが用いられる部屋Xの床の方向(図5における紙面下側の方向)である。「前方」は、中継装置Tが中継した光(転送光)を出力する方向(図5における紙面右側の方向)である。「後方」は、中継装置Tが中継した光を出力する方向とは反対の方向(図5における紙面左側の方向)である。
収容ユニット10は、取付ブラケット11と、電源ジャック12と、ベースカバー13と、光学カバー14と、フレーム15と、パン調整機構16と、チルト調整機構17と、回路基板18と、を備える。電源ジャック12と、ベースカバー13と、光学カバー14と、フレーム15と、パン調整機構16と、チルト調整機構17と、回路基板18とは、収容ユニット本体を構成する。
取付ブラケット11は、収容ユニット本体(ベースカバー13)を信号光発生器Mが用いられる部屋X(図6参照)の天井Xc(図6参照)や壁Xw(図6参照)に取り付ける。取付ブラケット11は、4つのねじ孔111hと、2つの爪部112と、を備える。取付ブラケット11は、例えば、金属製で、略円盤状である。
ねじ孔111hは、取付ブラケット11を信号光発生器Mが用いられる部屋Xの天井面Xs(図6参照)に取り付けるためのねじ(不図示)が挿入される孔である。取付ブラケット11は、4つのねじ孔111hに挿入されるねじにより、部屋Xの天井面Xsに固定される。
なお、ねじ孔の数は、取付ブラケットを天井Xcや壁Xwに固定することができればよく、「4」に限定されない。
爪部112は、収容ユニット本体(ベースカバー13)を取付ブラケット11に固定する。爪部112は、後述する爪孔131hに挿入される。
なお、爪部の数は、収容ユニット本体を固定することができればよく、「2」に限定されない。
電源ジャック12は、電源線VL(図6参照)からの電力を受ける。電源ジャック12は、電源線VLのコネクタが接続されるソケットである。例えば、電源ジャック12は、PoEスイッチングハブSH(図6参照)を介して、商用電源V(図6参照)に接続される。電源ジャック12は、回路基板18に配置される。
ベースカバー13は、パン調整機構16を収容する。ベースカバー13は、例えば、プラスチックなどの合成樹脂製で、下端が開口し、上下方向に扁平な略有底円筒状である。ベースカバー13は、フレーム15の上部に取り付けられる。ベースカバー13は、2つの爪孔131hと、切欠部132と、を備える。
爪孔131hは、取付ブラケット11の爪部112を保持する。
なお、爪孔の数は、爪部の数に対応すればよく、「2」に限定されない。
切欠部132は、ベースカバー13の内部からパン調整機構16の一部を露出させる。切欠部132は、ベースカバー13の後部周面に配置される。
光学カバー14は、チルト調整機構17と、回路基板18と、光学ユニットOUと、を収容する。光学カバー14は、フレーム15の下部に取り付けられる。光学カバー14は、ユニットカバー141とレンズカバー142とを備える。
ユニットカバー141は、チルト調整機構17と、回路基板18と、光学ユニットOUと、を覆うと共に、信号光発生器Mからの信号光Lや他の中継装置Tからの中継光L1を受光部20へ入光させる。光学カバー14は、例えば、ポリカーボネートなどの透光性を有する合成樹脂製で、上端と、周面の前端と、が開口した略有底円筒状である。ユニットカバー141は、フレーム15の下部に取り付けられる。ユニットカバー141は、例えば、約780nm以上の波長を有する赤外域の光、より好ましくは、約780nm-2500nmの範囲の波長を有する近赤外域の光を透光する。
なお、ユニットカバーは、約380nm以下の波長を有する紫外域の光や、約380nm-約780nmの範囲の波長を有する可視光域の光に対しては非透光性を有してもよい。
レンズカバー142は、後述する送光部40の第3レンズ46を保護し、送光部40から出力される転送光を出光させる。レンズカバー142は、ユニットカバー141の前端の開口に取り付けられる。レンズカバー142は、例えば、略矩形平板状の石英などの透光性を有するガラス製である。
なお、レンズカバーは、ポリカーボネートなどの透光性を有する樹脂製でもよい。また、レンズカバーは、ユニットカバーと一体に構成されてもよい。すなわち、例えば、ユニットカバーは、周面の前端が平面状である略有底円筒状でもよい。
フレーム15は、パン調整機構16と、チルト調整機構17と、回路基板18と、光学ユニットOUと、を支持する。フレーム15は、ベースカバー13と光学カバー14との間に配置され、ベースカバー13の下端の開口と、光学カバー14の上端の開口と、に取り付けられる。フレーム15は、例えば、プラスチックなどの合成樹脂製で、中央に孔を有する略円盤状である。フレーム15の中央の孔には、電源ジャック12が挿通される。
パン調整機構16は、水平方向における光学ユニットOUの向き(図8の矢印P1,P2で示される向き)を調整する。パン調整機構16は、例えば、複数の歯車の組み合わせにより構成される公知のギヤ構造である。パン調整機構16は、ベースカバー13に収容され、フレーム15に取り付けられる。パン調整機構16の一部は、切欠部132からベースカバー13の外部に露出して、中継装置Tの使用者に操作される第1操作部を構成する。パン調整機構16による光学ユニットOUの向きの調整方法については、後述する。
チルト調整機構17は、上下方向における光学ユニットOUの向き(図8の矢印Q1,Q2で示される向き)を調整する。チルト調整機構17は、例えば、ウォームとウォームギヤとの組み合わせにより構成される公知のギヤ構造である。チルト調整機構17は、光学カバー14に収容され、フレーム15に取り付けられる。チルト調整機構17の一部は、光学カバー14の底面から光学カバー14の外部に露出して、中継装置Tの使用者に操作される第2操作部を構成する。チルト調整機構17による光学ユニットOUの向きの調整方法については、後述する。
回路基板18は、光学ユニットOUの動作に必要な回路や電源ジャック12を実装する。回路基板18は、電源ジャック12が受けた商用電源Vからの電力を光学ユニットOUに供給する。回路基板18は、光学カバー14に収容されて、フレーム15に取り付けられる。
受光部20は、4つの受光素子21(図5において2つの受光素子は不図示)を備える。
受光素子21は、信号光発生器Mからの信号光Lや他の中継装置Tからの中継光L1を受光して、受光した信号光Lや中継光L1それぞれに応じた電気信号を生成する。受光素子21は、例えば、半球面上の受光面を有するフォトダイオードである。各受光素子21は、それぞれの受光面が向けられる方向が等角度間隔になるように、受光面を斜め下方に向けて後述する回路基板31の下面に実装される。受光素子21は、外部からの電磁ノイズの混入を抑制するシールド部材(不図示)で覆われる。
なお、受光素子の数は、受光素子が信号光や中継光を効率よく受光することができればよく、「4」に限定されない。
増幅部30は、回路基板31と、電気信号を増幅させる増幅回路(不図示)と、を備える。ここで、増幅回路で遅延が発生すると、受光器Rが受光する各中継装置T1-T3からのそれぞれの中継光L1の間で位相差が生じる。そのため、増幅回路は、遅延特性を持たない。
回路基板31は、受光素子21と増幅回路とを実装する。回路基板31は、平板状である。
送光部40は、光学ホルダ41と、実装基板42と、レーザダイオード43と、第1レンズ44と、第2レンズ45と、第3レンズ46と、を備える。
光学ホルダ41は、レーザダイオード43と、第1レンズ44と、第2レンズ45と、第3レンズ46と、を保持する。光学ホルダ41は、後部が円筒状かつ前部が前方に向けて円錐台状に拡径された略三角フラスコ状で、前端と後端とに開口を有する。
実装基板42は、レーザダイオード43を実装すると共に、回路基板18からの電力をレーザダイオード43に供給する。
レーザダイオード43は、増幅部30からの電気信号に応じて発光し、レーザ光を放射する。レーザダイオード43は、実装基板42に実装されて、光学ホルダ41の後端の開口に保持される。レーザ光は、所定の広がり角を有する光の光束である。レーザ光は、本発明における転送光(中継光L1)である。レーザダイオード43は、信号光発生器Mが出力する信号光Lと同じ波長帯、すなわち、約840nm±10nmの波長帯のレーザ光を放射する。
なお、レーザダイオードが放射するレーザ光は、約840nm±10nmの波長帯に限定されない。すなわち、例えば、レーザダイオードが放射するレーザ光は、約780nm以上の波長を有する赤外域のレーザ光の波長帯、好ましくは、約780nm-2500nmの範囲の波長帯の近赤外域のレーザ光でもよい。したがって、レーザ光の波長帯は、信号光の波長帯と異なってもよい。レーザダイオードが放射するレーザ光は、ガウシアン型の強度分布を有する。
第1レンズ44は、レーザダイオード43からの光の光束を調整して第2レンズ45へ導く。第1レンズ44は、例えば、後面(レーザ光が入射する面)が凸面であるコリメータレンズである。すなわち、第1レンズ44は、所定の広がり角を有するレーザダイオード43からの光の光束を平行光束にして第2レンズ45へ導く。第1レンズ44は、レーザダイオード43の前方に配置され、光学ホルダ41の後部に保持される。
第2レンズ45は、第1レンズ44からの光の光束を拡径して第3レンズ46へ導く。第2レンズ45は、例えば、後面(レーザ光が入射する面)が凸面の平凸レンズである。第2レンズ45は、第1レンズ44の前方に配置され、光学ホルダ41の後部に保持される。
第3レンズ46は、第2レンズ45からの光の光束を調整してレンズカバー142へ導く。第3レンズ46は、例えば、後面(レーザ光が入射する面)が凸面であるコリメータレンズである。すなわち、第3レンズ46は、所定の広がり角を有する第2レンズ45からの光の光束を平行光束にしてレンズカバー142へ導く。レンズカバー142に導かれた光は、レンズカバー142を透過して、他の中継装置Tあるいは受光器Rに導かれる。第3レンズ46は、第2レンズ45の前方に配置され、光学ホルダ41の前端に保持される。第3レンズ46の直径は、第1レンズ44と第2レンズ45それぞれの直径よりも大きい。
第2レンズ45と第3レンズ46とは、第1レンズ44によりコリメートされた光の光束の直径を、より大きな直径のコリメートされた光の光束に調整する、公知のビームエキスパンダを構成する。
レーザダイオードが放射するレーザ光は、第1レンズ44と、第2レンズ45と、第3レンズ46と、を通過(透過)することにより、強度分布がフラットであるトップハット型の強度分布を有する。そのため、レンズカバー142を透過した中継光L1が導かれる他の中継装置Tあるいは受光器Rでの中継光L1の受光感度は、高まる。
●信号光中継システムの設置
図6は、本システムSの設置例を示す模式側面図である。
図7は、本システムSの設置例を示す模式平面図である。
図7は、説明の便宜上、天井Xcの図示を省略した部屋Xを示す。
図3と図6,7とを参照しながら、本システムSの設置について、信号光発生器Mが用いられる部屋X内に本システムSが設置される場合を例に説明する。
先ず、受光器Rが、部屋Xの中央側に受光面(不図示)を向けて部屋Xの天井Xcのうちの壁Xwの近くに設置される。受光器Rは、例えば、電源ケーブル(不図示)を介して商用電源(不図示)に接続される。受光器Rが接続される商用電源は、中継装置Tが接続される商用電源と異なる。
次いで、制御器Cが、部屋Xの壁Xwの近くであって、受光器Rに近い位置(例えば、受光器Rの下方)に設置される。制御器Cは、同軸ケーブルなどの信号線SLを介して受光器Rに接続される。制御器Cは、例えば、電源ケーブル(不図示)を介して商用電源(不図示)に接続される。制御器Cが接続される商用電源は、中継装置Tが接続される商用電源と異なる。制御器Cが接続される商用電源は、受光器Rが接続される商用電源と同じ商用電源でもよく、あるいは、受光器Rが接続される商用電源と異なる商用電源でもよい。
なお、受光器は、制御器が接続される商用電源より、制御器と接続される同軸ケーブルを介して電力の供給を受けてもよい。
このように、受光器Rや制御器Cが接続される商用電源と、中継装置Tが接続される商用電源と、が異なることにより、受光器Rと制御器Cとを接続する信号線SLと、中継装置TとPoEスイッチングハブSHとを接続する電源線VLとは、物理的に分離される。これにより、信号線SLは、電源線VLに起因する外部からの電磁ノイズによる影響を受けにくい。
次いで、中継装置Tが、部屋Xの天井Xcに設置される。
中継装置Tの設置は、取付ブラケット11、収容ユニット本体、の順に実行される。先ず、取付ブラケット11が、部屋Xの天井面Xsにねじ止めされる。
次いで、収容ユニット本体が、爪部112と爪孔131hとを用いて取付ブラケット11に取り付けられる。このとき、電源ジャック12は、天井裏Xbから引き出された電源線VL(LANケーブル)に接続される。
次いで、中継装置Tの向き(光学ユニットOUの向き)が、調整される。中継装置Tの向きの調整は、中継装置Tの設置者が、信号光発生器Mと制御器Cとを動作させた状態で第1操作部と第2操作部とを操作して、信号光発生器Mからの信号が適切に外部装置Dから出力されるか否かを確認することにより、行われる。
図8は、光学ユニットOUの向きの調整方法を示す模式図である。
同図は、第1操作部(パン調整機構16)の操作により光学ユニットOUの向きが調整される方向を矢印P1,P2で示し、第2操作部(チルト調整機構17)の操作により光学ユニットOUの向きが調整される方向を矢印Q1,Q2で示す。
水平方向における光学ユニットOUの向きは、第1操作部の操作により調整される。具体的には、図8に示されるように、第1操作部が操作されると、フレーム15(図5参照)が所定の回転軸Paを中心にP1方向あるいはP2方向に回転する。その結果、フレーム15に取り付けられている光学ユニットOUと光学カバー14(図5参照)とが、フレーム15と共に回転する。その結果、光学ユニットOUから出力されるレーザ光の方向は、P1方向あるいはP2方向に移動する。回転軸Paは、第1操作部の操作により光学ユニットOUが回転する中心軸である。
一方、上下方向における光学ユニットOUの向きは、第2操作部の操作により調整される。具体的には、図8に示されるように、第2操作部が操作されると、光学ホルダ41が所定の回転軸Qaを中心にQ1方向あるいはQ2方向に回転する。その結果、光学ユニットOUから出力されるレーザ光の方向は、Q1方向あるいはQ2方向に移動する(傾く)。回転軸Qaは、第2操作部の操作により光学ユニットOUが回転する中心軸である。
信号光発生器Mからの信号が外部装置Dから出力されないとき、信号光発生器Mからの信号が外部装置Dから出力されるまで、光学ユニットOUの向きの粗調整が行われる。
次いで、信号光発生器Mからの信号が適切に外部装置Dから出力されるまで(例えば、外部装置Dから出力される音声が歪まなくなるまで、あるいは、外部装置Dから出力される音声レベルが所定レベル以上になるまで)、光学ユニットOUの向きの微調整が行われる。
このように中継装置Tの向きが調整されることにより、中継装置T1はレーザ光が受光器Rに受光されるように調整され、中継装置T2はレーザ光が中継装置T3に受光されるように調整され、中継装置T3はレーザ光が受光器Rに受光されるように調整される。
なお、中継装置の向きの調整は、可視光線を用いて行われてもよい。すなわち、例えば、光学ユニットから出射されるレーザ光と平行になるようにレーザポインタを光学ユニットに取り付け、レーザポインタからの可視光線が対象(他の中継装置や受光器)に照射されるまで、光学ユニットの粗調整が行われてもよい。この場合、レーザポインタは、中継装置の向きの調整の終了後、取り外される。
また、中継装置の向きの調整は、自動調整で行われてもよい。すなわち、例えば、パン調整機構やチルト調整機構にステッピングモータを取り付け、モータ駆動により中継装置の向きが調整されてもよい。この場合、例えば、ステッピングモータは、LANケーブルを介してPC(Personal Computer)から受信する信号に応じて駆動してもよい。
●信号光中継システムの動作
次に、本システムSの動作について、信号光発生器Mからの信号光Lが、3つの中継装置T(中継装置T1、中継装置T2、中継装置T3)と、受光器Rと、に送光(送信)される場合を例に説明する。
図9は、本システムSの動作の例を示す機能ブロック図である。
同図は、信号光発生器Mからの信号光Lが、3つの中継装置T(中継装置T1、中継装置T2、中継装置T3)と、受光器Rと、に送光(送信)されていることを示す。
信号光発生器Mは、収音した音声に応じて信号光Lを発生させる(生成する)。
信号光発生器Mからの信号光Lは、中継装置T1と、中継装置T2と、中継装置T3と、受光器Rと、に送信される。
中継装置T1は、信号光発生器Mからの信号光Lを受光部20T1で受光する。受光部20T1は、受光した信号光Lに応じた電気信号を生成して、生成した電気信号を増幅部30T1に出力する。増幅部30T1は、受光部20T1からの電気信号を増幅して、増幅した電気信号を送光部40T1に出力する。送光部40T1は、増幅部30T1からの電気信号に応じた転送光を生成して、転送光を受光器Rに出力する。
中継装置T2は、信号光発生器Mからの信号光Lを受光部20T2で受光する。受光部20T2は、受光した信号光Lに応じた電気信号を生成して、生成した電気信号を増幅部30T2に出力する。増幅部30T2は、受光部20T2からの電気信号を増幅して、増幅した電気信号を送光部40T2に出力する。送光部40T2は、増幅部30T2からの電気信号に応じた転送光を生成して、転送光を中継装置T3に出力する。
中継装置T3は、信号光発生器Mからの信号光Lと、中継装置T2から出力された転送光(中継装置T2からの中継光L1)と、を受光部20T3で受光する。受光部20T3は、受光した信号光Lと中継光L1それぞれに応じた電気信号を生成して、生成した電気信号を増幅部30T3に出力する。すなわち、受光部20T3は、信号光発生器Mからの信号光Lと、他の中継装置である中継装置T2からの中継光L1と、を受光して、受光した信号光Lと中継光L1それぞれに応じた電気信号を出力する。増幅部30T3は、受光部20T3からの電気信号を増幅して、増幅した電気信号を送光部40T3に出力する。送光部40T3は、増幅部30T3からの電気信号に応じた転送光を生成して、転送光を受光器Rに出力する。
本実施の形態において、中継装置T1-T3から出力される転送光(中継装置T1-T3からの中継光L1)の波長帯は、信号光発生器Mから出力される信号光Lの波長帯と同じである。すなわち、中継装置T1から出力される転送光の波長帯は、中継装置T2から出力される転送光の波長帯と、中継装置T3から出力される転送光の波長帯と、同じである。換言すれば、中継装置T2からの中継光L1の波長帯は、中継装置T3から出力される転送光の波長帯と同じである。
受光器Rは、信号光発生器Mからの信号光Lと、中継装置T1から出力された転送光(中継装置T1からの中継光L1)と、中継装置T3から出力された転送光(中継装置T3からの中継光L1)と、を受光面(不図示)で受光して、信号光Lと転送光(中継光L1)とに応じた電気信号を生成する。受光器Rが生成した電気信号は、信号線SLを介して、制御器Cに送信される。
制御器Cは、受光器Rから受信した電気信号を復調して音声信号を取り出し、同音声信号を外部装置Dに出力する。
このように、本システムSは、信号光発生器Mからの信号光Lを中継して、中継した信号光Lから音声信号を取り出して、外部装置Dに出力する。その結果、受光器Rが信号光発生器Mからの信号光Lを直接受光することが困難な場合でも、本システムSは、中継装置Tを用いることで信号光発生器Mからの信号光Lを受光器Rに中継することができる。
●まとめ(1)
以上説明した実施の形態によれば、中継装置Tは、信号光発生器Mと受光器Rとの間に配置されて、信号光Lに応じた転送光を出力することにより、信号光Lを受光器Rに中継する。すなわち、中継装置Tは、信号線ではなく、光を通信媒体として、受光器Rに接続される。そのため、中継装置Tは、複数の受光器がそれぞれ信号線を介して受信器に接続される従来の装置(以下「従来装置」という。)と比較して、信号線の存在に起因する外部からの電磁ノイズによる影響を小さくしつつ(抑制しつつ)、かつ、位相差による信号の打消しを生ずることなく、信号光Lを中継する。
また、受光部20は、信号光発生器Mからの信号光Lと、他の中継装置Tからの中継光L1と、を受光して、受光した信号光Lと中継光L1それぞれに応じた電気信号を生成する。すなわち、中継装置Tは、1つの受光部20により信号光Lと中継光L1とを受光する。そのため、中継装置Tの小型化が可能となる。また、中継装置Tは、外部からの電磁ノイズの影響を受けることなく、かつ、位相差による信号の打消しを生ずることなく、他の中継装置Tからの中継光L1と信号光発生器Mからの信号光Lとを受光する。
さらに、本システムSは、転送光を出力する中継装置Tと、信号光発生器Mからの信号光Lと中継装置Tからの転送光(中継装置Tからの中継光L1)とを受光する受光器Rと、受光器Rからの電気信号を復調して音声信号を取り出す制御器Cと、を有する。本システムSでは、前述のとおり、中継装置Tは、受光器Rに対して信号線ではなく光(無線通信回線)を介して接続される。そのため、本システムSは、従来装置と比較して、信号線の存在に起因する外部からの電磁ノイズによる影響を小さくしつつ(抑制しつつ)、かつ、位相差による信号の打消しを生ずることなく、信号光Lを中継する。
なお、本発明において、中継装置の数は、「3」に限定されない。すなわち、例えば、本システムにおいて、中継装置の数は、「1」以上でもよい。
また、本システムは、全ての中継装置を介して、信号光発生器からの信号光を受光器に中継してもよい。すなわち、例えば、信号光発生器からの信号光を受光した中継装置(1段目)は次の中継装置(2段目)に転送光を出力し、同転送光(中継光)を受光した次の中継装置(2段目)はさらに次の中継装置(3段目)に転送光を出力し、同転送光(中継光)を受光したさらに次の中継装置(3段目)は受光器に転送光(中継光)を出力してもよい。換言すれば、本システムは、複数の中継装置を用いて、信号光を数珠つなぎ状に中継してもよい。
さらに、本システムは、信号光発生器からの信号光のみを中継する中継装置と、他の中継装置からの中継光(他の中継装置が出力した転送光)のみを中継する中継装置と、を備えてもよい。
さらにまた、中継装置が受光する信号光発生器からの信号光は、赤外線に限定されない。すなわち、例えば、信号光は、可視光線でもよい。この場合、ユニットカバーは、例えば、約380nm-約780nmの範囲の波長を有する可視光域の光に対して透光性を有する材料で構成される。
さらにまた、中継装置は、信号発生器との位置関係に応じて、信号光発生器からの信号光のみを中継してもよく、あるいは、他の中継装置からの中継光(他の中継装置が出力した転送光)のみを中継してもよい。
さらにまた、以上説明した実施の形態では、中継装置Tの構成は、受光した中継光に応じた電気信号を生成し、同電気信号に応じた転送光を出力する構成であった。これに代えて、中継装置の構成は、受光した中継光をそのまま、あるいは、増幅して、転送光として出力してもよい。すなわち、例えば、中継装置は、中継光に応じた電気信号を生成することなく、中継光を光の状態で処理して転送光として出力してもよい。
さらにまた、以上説明した実施の形態では、中継装置Tの構成は、受光した信号光Lに応じた電気信号を生成し、同電気信号に応じた転送光を出力する構成であった。これに代えて、中継装置の構成は、受光した信号光をそのまま、あるいは、増幅して、転送光として出力してもよい。すなわち、例えば、中継装置は、信号光に応じた電気信号を生成することなく、信号光を光の状態で処理して転送光として出力してもよい。
さらにまた、以上説明した実施の形態では、受光部20は、信号光Lと中継光L1とを共通の受光部で受光していた。これに代えて、受光部は、信号光のみを受光する一の受光部と、中継光のみを受光する他の受光部と、を備えてもよい。
図10は、本発明にかかる中継装置の別の実施の形態を示す機能ブロック図である。
同図において、他の図面と同じ符号を付された部材は、他の図面に示される部材と同じ構成と機能とを備える。
中継装置TAは、信号光発生器Mからの信号光Lと、他の中継装置Tからの中継光L1と、を中継する。中継装置TAは、信号光Lと中継光L1とを受光する受光部20Aを備える。受光部20Aは、信号光受光部20A1と中継光受光部20A2とを備える。信号光受光部20A1は、信号光Lを受光して信号光Lに応じた電気信号を生成する。中継光受光部20A2は、中継光L1を受光して中継光L1に応じた電気信号を生成する。信号光受光部20A1からの電気信号と、中継光受光部20A2からの電気信号とは、増幅部30で増幅される。送光部40は、増幅部30からの電気信号に応じた転送光を生成して、転送光を受光器R、または、他の中継装置Tに出力する。
なお、中継装置TAが中継する他の中継装置は、中継装置Tに限定されない。すなわち、例えば、中継装置が中継する他の中継装置は、中継装置TAでもよい。
また、送光部から出力される転送光の出力先は、中継装置Tに限定されない。すなわち、例えば、送光部は、生成した転送光を中継装置TAに出力してもよい。
●中継装置(2)●
次に、本発明にかかる中継装置のさらに別の実施の形態について、先に説明した実施の形態(以下「第1実施形態」という。)と異なる部分を中心に説明する。本実施の形態(以下「第2実施形態」という。)は、受光部に光を導く導光部を備える点が第1実施形態と異なる。
●中継装置(2)の構成
図11は、本発明にかかる中継装置のさらに別の実施の形態を示す機能ブロック図である。
第2実施形態で参照する図面において、第1実施形態で参照した図面と同じ符号を付された部材は、第1実施形態で参照した図面に示される部材と同じ構成と機能とを備える。
中継装置TBは、信号光発生器Mからの信号光Lと、他の中継装置Tからの中継光L1と、を中継する。中継装置TBは、収容ユニット10と、受光ユニット200Bと、増幅部30と、送光部40と、を有してなる。
なお、中継装置TBが中継する他の中継装置は、中継装置Tに限定されない。すなわち、例えば、中継装置が中継する他の中継装置は、中継装置TAまたは中継装置TBでもよい。
受光ユニット200Bは、信号光発生器Mからの信号光Lや他の中継装置Tからの中継光L1を受光して、受光した信号光Lや中継光L1それぞれに応じた電気信号を生成する。受光ユニット200Bが生成した電気信号は、増幅部30に出力される。受光ユニット200Bは、導光部210と、ケース220(図12参照)と、受光部20Bと、を備える。
導光部210は、信号光発生器Mからの信号光Lと、他の中継装置Tからの中継光L1と、を受光して、受光部20Bに導光する。導光部210の具体的構成については、後述する。
ケース220は、受光部20Bを収容して、外部からの電磁ノイズのケース220への混入を抑制する。ケース220の具体的構成については、後述する。
受光部20Bは、導光部210により導光された信号光発生器Mからの信号光Lと他の中継装置Tからの中継光L1とを受光して、受光した信号光Lや中継光L1それぞれに応じた電気信号を生成する。受光部20Bが生成した電気信号は、増幅部30に出力される。受光部20Bの具体的構成については、後述する。
増幅部30は、受光ユニット200Bからの電気信号を増幅する。増幅部30が増幅した電気信号は、送光部40に出力される。
送光部40は、増幅部30からの電気信号に応じた転送光を生成して、転送光を受光器R、または、さらに他の中継装置Tに出力する。
なお、送光部から出力される転送光の出力先は、中継装置Tに限定されない。すなわち、例えば、送光部は、生成した転送光を中継装置TAまたは中継装置TBに出力してもよい。
図12は、受光ユニット200Bを模式的に示す模式斜視図である。
図13は、受光ユニット200Bの断面を模式的に示す模式断面図である。
図14は、導光部210を模式的に示す模式図である。
ここで、図12-14は、視認可能な面の符号を実線の引出線で示し、視認できない面(視認可能な面により隠れている面)を破線の引出線で示す。
導光部210は、第1導光部211と第2導光部212とを備える。第1導光部211は、第2導光部212と別体である。第1導光部211と第2導光部212とは、例えば、それぞれ厚さ1mmのポリカーボネートなどの透光性を有する熱可塑性樹脂製である。導光部210と受光部20Bとの位置関係については、後述する。
第1導光部211は、信号光発生器Mからの信号光Lと、他の中継装置Tからの中継光L1と、を受光して、受光部20Bに導光する。第1導光部211は、平板状で、平面視において直角台形状である。第1導光部211は、対向する(平行な)2つの受光面(第1受光面)211a,211bと、受光面211a,211bに対して垂直な4つの端面211c,211d,211e,211fと、第1発光体2111(図15参照)と、を備える。第1発光体2111については、後述する。
各受光面211a,211bは、信号光発生器Mからの信号光Lと、他の中継装置Tからの中継光L1と、を受光する。すなわち、各受光面211a,211bは、本発明における第1受光面として機能する。各受光面211a,211bは、直角台形状である。各受光面211a,211bにおいて、直角台形の下底に対応する辺の長さは、同上底に対応する辺、同高さ方向に沿う辺、同斜辺それぞれの長さよりも長く、直角台形の斜辺と下底に対応する辺とで成す角は45°である。
ここで、各受光面211a,211bに到達した信号光Lや中継光L1のうち、一部の信号光Lや中継光L1は各受光面211a,211bにおいて反射(フレネル反射や後方散乱)するが、ほとんどの信号光Lや中継光L1は、各受光面211a,211bから第1導光部211の内部に入光される。
各端面211c-211eは、各受光面211a,211bから第1導光部211の内部に入光した信号光Lや中継光L1、放射光EL(図15参照)を反射して、端面211fに導光する導光面である。放射光ELは、第1導光部211内に入光した信号光Lや中継光L1により、第1発光体2111(図15参照)が発光あるいは拡散して第1導光部211内に放射される光である。端面211cは、各受光面211a,211bそれぞれの上底に対応する辺を長辺とする細長い長方形状である。端面211dは、各受光面211a,211bそれぞれの下底に対応する辺を長辺とする細長い長方形状である。端面211eは、各受光面211a,211bそれぞれの高さ方向に沿う辺を長辺とする細長い長方形状である。
端面211fは、信号光Lや中継光L1、後述する放射光ELが集光される集光面である。端面211fは、各受光面211a,211bそれぞれの斜辺を長辺とする細長い長方形状である。
端面211cと端面211dとは、第1導光部211の短手方向の両端に配置される。一方、端面211eと端面211fとは、第1導光部211の長手方向の両端に配置される。すなわち、端面211cと端面211dとは、第1導光部211の短手方向の端面であり、端面211eと端面211fとは、第1導光部211の長手方向の端面である。
集光面(端面211f)を除く第1導光部の各端面(端面211c-211e)には、例えば、金属膜などの反射膜が蒸着などにより成膜される。
第2導光部212は、信号光発生器Mからの信号光Lと、他の中継装置Tからの中継光L1と、を受光して、受光部20Bに導光する。第2導光部212の形状や構成は、第1導光部211の形状や構成と共通する。すなわち、第2導光部212は、平板状で、平面視において直角台形状であり、2つの受光面(第2受光面)212a,212bと、4つの端面(3つの導光面と1つの集光面)212c,212d,212e,212fと、第2発光体2121(図15参照)と、を備える。端面212cと端面212dとは、第2導光部212の短手方向の端面であり、端面212eと端面212fとは、第2導光部212の長手方向の端面である。各受光面212a,212bにおいて、直角台形の下底に対応する辺(212d)の長さは、同上底に対応する辺(212c)、同高さ方向に沿う辺(212e)、同斜辺(212f)それぞれの長さよりも長く、直角台形の斜辺(212f)と下底(212d)に対応する辺とで成す角は45°である。
なお、第1導光部の3つの端面(導光面)と、第2導光部の3つの端面(導光面)とには、反射膜が成膜されていなくてもよい。すなわち、例えば、第1導光部の3つの端面(導光面)と、第2導光部の3つの端面(導光面)とは、信号光発生器からの信号光と、他の中継装置からの中継光と、を受光してもよい。
第1導光部211と第2導光部212とは、例えば、受光面(211b,212b)を斜め下方に向けて、異なる方向から受光部20Bに延設される。第1導光部211の一部は、第1受光面(受光面211a,211b)の長手方向と第2受光面(受光面212a,212b)の長手方向とが異なる方向に沿うように、第2導光部212の一部に重ねて配置される。このとき、端面211fと端面212fとは、同一仮想平面上に受光部20Bに対向して配置される。端面211dと端面212dとは、平面視において90°の角度を成すように配置される。すなわち、第1導光部211と第2導光部212とは、平面視においてL字状に2枚重ねて配置される。その結果、第1受光面(受光面211a,211b)の長手方向は第2受光面(受光面212a,212b)の長手方向と直交し、第1受光面の垂直方向(第1導光部211の厚さ方向)は第2受光面の垂直方向(第2導光部212の厚さ方向)と同じとなる。つまり、第1受光面(受光面211a,211b)の長手方向は、第2受光面(受光面212a,212b)の長手方向と異なる。換言すれば、第1導光部211の受光部20Bからの延設方向は、第2導光部212の受光部20Bからの延設方向と異なる。したがって、第1導光部211の受光部20Bからの延設方向は第1受光面の長手方向と同じ方向であり、第2導光部212の受光部20Bからの延設方向は第2受光面の長手方向と同じ方向である。
受光部20Bは、導光部210の内部に入光した信号光Lや中継光L1を受光すると共に、第1発光体2111や第2発光体2121からの放射光ELを検知することにより間接的に信号光Lと中継光L1とを受光する。受光部20Bは、導光部210(第1導光部211の端面211f,第2導光部212の端面212f)に接着剤ADにより光学的に結合(接着固定)される(取り付けられる)。受光部20Bは、回路基板31(図5参照)に実装される。受光部20Bは、受光素子201Bと収容体202Bとを備える。
なお、受光部は、図5に示される回路基板とは異なる回路基板に実装されてもよい。
接着剤ADは、透明度が高く、導光部210(第1導光部211,第2導光部212)と同等の屈折率を備える光学系の接着剤である。すなわち、例えば、接着剤ADは、光学系の紫外線硬化型のエポキシ系接着剤や、室温硬化型のエポキシ系接着剤、などである。光学的に結合(接着固定)とは、導光部210から導光される信号光Lや中継光L1、放射光ELの屈折率が略変化しない状態で結合(接着固定)される、ことをいう。
受光素子201Bは、信号光発生器Mからの信号光Lや他の中継装置Tからの中継光L1を受光すると共に、第1発光体2111や第2発光体2121からの放射光ELを検知することにより間接的に信号光Lと中継光L1とを受光して、受光した信号光Lや中継光L1それぞれに応じた電気信号を生成する。受光素子21は、例えば、半球面上の受光面を有するフォトダイオードである。受光素子201Bの受光面は、導光部210(第1導光部211,第2導光部212)の内部に入光した信号光Lと中継光L1とを受光すると共に、第1発光体2111や第2発光体2121からの放射光ELを検知することにより間接的に信号光Lと中継光L1とを受光する。受光素子201Bは、収容体202Bに収容されて、第1導光部211の端面211fと、第2導光部212の端面212fと、に対向する。
収容体202Bは、受光素子201Bを収容する。収容体202Bは、例えば、樹脂製のパッケージである。
ケース220は、導光部210(第1導光部211,第2導光部212)が挿通される挿通孔221hを備える。
図15は、導光部210の断面を模式的に示す模式断面図である。
同図は、第1導光部211の内部に第1発光体2111が配置され、第2導光部212の内部に第2発光体2121が配置されていることを示す。また、同図は、説明の便宜上、信号光発生器M(図11参照)からの信号光Lと、他の中継装置T(図11参照)からの中継光L1と、のうち、信号光Lのみが第1導光部211と第2導光部212とに入光している場合を例に示す。また、同図は、第1発光体2111が第1導光部211の受光面211aから入光した信号光Lにより発光している状態と、第2発光体121が第2導光部212の受光面212bから入光した信号光Lにより発光している状態と、を示す。
第1発光体2111は、第1導光部211の内部に入光して、第1発光体2111に到達した信号光Lや中継光L1(図11参照)それぞれに応じた放射光ELを発光する。第1発光体2111は、例えば、信号光Lや中継光L1と同じ赤外域の波長帯の赤外線に反応して、より長い波長の赤外線(放射光)を発光する蛍光物質である。第1発光体2111は、第1導光部211に添加され、第1導光部211内に略均等に分散して配置される。
第2発光体2121は、第2導光部212の内部に入光して、第2発光体2121に到達した信号光Lや中継光L1(図11参照)それぞれに応じた放射光ELを発光する。第2発光体2121は、第1発光体2111と同様に、例えば、赤外線に反応して、より長い波長の赤外線(放射光)を発光する蛍光物質である。第2発光体2121は、第2導光部212に添加され、第2導光部212内に略均等に分散して配置される。
第1発光体2111を構成する蛍光物質は、第2発光体2121を構成する蛍光物質と同じである。すなわち、第1発光体2111は、第2発光体2121と同じである。
第1発光体2111と第2発光体2121それぞれが発光する放射光ELの波長帯は、信号光発生器Mが出力する信号光Lの波長帯や、中継装置T1-T3から出力される転送光(中継装置T1-T3からの中継光L1)の波長帯と同じである。
なお、第1発光体を構成する蛍光物質は、第2発光体を構成する蛍光物質と異なってもよい。すなわち、例えば、第1発光体を構成する蛍光物質の特性は、第2発光体を構成する蛍光物質の特性と異なってもよい。つまり、第1発光体と第2発光体とは、それぞれ異なる波長の信号光に反応し、放射光を発光してもよい。したがって、信号光の波長帯と中継光の波長帯とが異なる波長帯のとき、第1発光体が発光する放射光の波長帯は信号光の波長帯または中継光の波長帯の一方の波長帯と同じであり、第2発光体が発光する放射光の波長帯は信号光の波長帯または中継光の波長帯の他方の波長帯と同じでもよい。
また、第1発光体(第2発光体)は、蛍光物質に限定されない。すなわち、例えば、第1発光体(第2発光体)は、第1導光部(第2導光部)の内部に入光した信号光を臨界角以上の角度に放射する特性を有する拡散剤のような物質でもよい。
●受光ユニットの動作
次に、受光ユニット200Bの動作について説明する。
ここで、第1導光部211の動作は、第2導光部212の動作と共通する。また、受光ユニット200Bの動作は、第1導光部211が信号光発生器Mからの信号光Lを受光するときの動作と、第1導光部211が他の中継装置Tからの中継光L1を受光するときの動作と、共通する。そのため、以下の説明は、信号光発生器Mからの信号光Lを受光するときの第1導光部211の動作を例に説明する。
図16は、信号光Lが第1導光部211の内部で導光される様子を模式的に示す部分断面模式図である。同図は、第1導光部211の受光面211aに受光された信号光Lが第1導光部211の内部の第1発光体2111に到達して第1発光体2111が発光し、第1発光体2111より放射された放射光ELが受光部20Bまで導光されていることを示す。また、同図は、信号光Lを実線矢印で、第1発光体2111が発光する光(放射光EL)を破線矢印で、それぞれ示す。
先ず、信号光発生器Mからの信号光Lは、第1導光部211の受光面211a(受光面211b)に到達する。前述のとおり、受光面211aに到達した信号光Lのうち、一部の信号光Lは、受光面211aで反射されるが、ほとんどの信号光Lは、受光面211aに受光される。受光面211aに受光された信号光Lは、第1導光部211の内部に入光される。
第1導光部211の内部に入光された信号光Lは、第1発光体2111に到達する。信号光Lが第1発光体2111に到達すると、第1発光体2111は、第1発光体2111の特性(蛍光物質の特性)により放射光ELを発光する。放射光ELは、第1発光体2111の全方位に放射されて、第1導光部211の内部に拡散される。
第1発光体2111より放射された放射光ELは、第1受光面(受光面211a,211b)や端面211c-211e(図14参照)で全反射を繰り返して、第1導光部211の内部を導光される。
第1発光体2111より放射された放射光ELのうち、一部の放射光ELは、第1受光面(受光面211a,受光面211b)を透過して第1導光部211の外部に放出される。しかし、第1受光面に対して屈折率などにより定まる臨界角以上で入射した放射光ELは、第1受光面で全反射される。一方、端面211c-211eに到達した放射光ELは、端面211c-211eで全反射される。第1受光面と端面211c-211eとで全反射された放射光ELは、図16に示されるように、端面(集光面)211fに集光(導光)される。端面211fに集光された放射光ELは、接着剤ADを介して、受光素子201Bに導光される。前述のとおり、接着剤ADの屈折率は、第1導光部211と同等の屈折率である。そのため、放射光ELは、接着剤ADを透過して、受光素子201Bに到達して、受光素子201Bに検知される。その結果、受光部20Bは、放射光ELを介して、間接的に信号光L(信号光Lに含まれる情報)を受光(取得)することができる。
このように、第2実施形態における中継装置TBは、第1受光面(211a,211b)を備える第1導光部211と、第2受光面(212a,212b)を備える第2導光部212と、を備える導光部210と、導光部210に対向して配置される受光部20Bと、を備える受光ユニット200Bを有してなる。第1導光部211の第1受光面の長手方向は、第2導光部212の第2受光面の長手方向と異なる。すなわち、第1導光部211の受光部20Bからの延設方向は、第2導光部212の受光部20Bからの延設方向と異なる。信号光Lや中継光L1は、所定の断面積を有する光の光束として導光部210に到達する。つまり、異なる方向に延設される第1受光面と第2受光面とを備える導光部210は、第1受光面と第2受光面との長手方向において広い角度範囲からの信号光Lや中継光L1を効率よく受光することができる。
また、第2実施形態における中継装置TBにおいて、集光面である第1導光部211の端面211fと第2導光部212の端面212fそれぞれは、受光素子201Bに対向して配置される。そのため、受光部20Bは、端面211f,212fを介して、第1導光部211と第2導光部212それぞれから導光された信号光L,中継光L1,放射光ELを受光する。その結果、受光部20Bが受光する光の光量は、導光部を備えない第1実施形態や導光部が1枚の導光板で構成される場合と比較して、多くなる。
●まとめ(2)
以上説明した第2実施形態によれば、受光ユニット200Bは、導光部210(第1導光部211と第2導光部212)により信号光Lや中継光L1を受光して、導光部210を介して信号光Lや中継光L1を受光部20Bに導光する。第1導光部211の第1受光面は相互に対向する(平行な)2つの受光面211a,211bで構成され、第2導光部212の第2受光面は相互に対向する(平行な)2つの受光面212a,212bで構成される。その結果、受光ユニット200Bは、第1受光面と第2受光面それぞれにおいて、広い角度範囲からの信号光Lや中継光L1を効率よく受光して、受光部20Bに導光する。
また、第2実施形態における中継装置TBは、第1実施形態における中継装置Tと同様に、光を通信媒体として受光器Rに接続される。そのため、中継装置TBは、中継装置Tと同様に、従来装置と比較して、信号線の存在に起因する外部からの電磁ノイズによる影響を小さくしつつ(抑制しつつ)、かつ、位相差による信号の打消しを生ずることなく、信号光Lを中継する。
また、以上説明した第2実施形態によれば、第1導光部211の受光部20Bからの延設方向は、第2導光部212の受光部20Bからの延設方向と異なる。そのため、受光ユニット200Bは、さらに広い角度範囲からの信号光Lや中継光L1を効率よく受光する。つまり、受光ユニット200Bは、広い角度範囲からの信号光Lや中継光L1を受光して、受光部20Bに導光する。
さらに、以上説明した第2実施形態によれば、第1導光部211は信号光Lや中継光L1それぞれに応じた放射光ELを発光する第1発光体2111を備え、第2導光部212は信号光Lや中継光L1それぞれに応じた放射光ELを発光する第2発光体2121を備える。第1導光部211の受光面と、第2導光部212の受光面と、で受光された信号光Lや中継光L1のほぼ全ては、第1導光部211の内部と、第2導光部212の内部と、に入光される。信号光Lや中継光L1それぞれのほぼ全ては、導光部210を透過することなく、第1発光体2111や第2発光体2121に到達する。そのため、第1導光部211や第2導光部212は、受光した信号光Lや中継光L1のほぼ全てを第1発光体2111や第2発光体2121で受け、同信号光Lや中継光L1を第1発光体2111や第2発光体2121が発光した放射光ELとして受光部20Bに導光する。すなわち、受光ユニット200Bは、導光部210が受光した信号光Lや中継光L1を、放射光ELとして効率的に受光する。
さらにまた、以上説明した第2実施形態によれば、第1導光部211の長手方向(第1導光部211の受光部20Bからの延設方向)の端面(集光面)211fと、第2導光部212の長手方向(第2導光部212の受光部20Bからの延設方向)の端面(集光面)212fとは、受光素子201Bに対向して配置される。信号光L,中継光L1,放射光ELは、端面(集光面)211f,212fに導光される。そのため、受光部20Bは、異なる方向に延設される第1導光部211と第2導光部212とが受光して端面211f,212fに導光(集光)した信号光Lや中継光L1を効率的に受光する。
なお、導光部は、第1導光部が備える第1発光体や第2導光部が備える第2発光体のモル吸光係数や、第1発光体や第2発光体の含有密度、第1導光部や第2導光部を構成する樹脂の特性によって、第1発光体や第2発光体が十分に蛍光を発生させることができずに信号光や中継光を透過させてしまうことがある。そのため、第1導光部の厚みと、第2導光部の厚みとは、第1発光体や第2発光体が十分に蛍光を発生させることができる程度に適宜調節されればよく、1mmの厚みに限定されない。
また、第1導光部は、第2導光部と一体の構成でもよい。すなわち、例えば、導光部は、1枚の平板状で、かつ、平面視において略L字状でもよい。この場合、導光部は、例えば、同一仮想平面上において、一方向に延びる第1導光部と、第1導光部とは異なる方向に延びる第2導光部と、第1導光部と第2導光部とを結合する結合部と、を備える。結合部には、第1導光部からの放射光と、第2導光部からの放射光とが導光される。
さらに、第1受光面の長手方向と、第2受光面の長手方向とは、直交しなくてもよい。すなわち、例えば、第1受光面の長手方向と第2受光面の長手方向とが成す角度は、鋭角または鈍角でもよい。
さらにまた、第1導光部の形状と、第2導光部の形状とは、平板状でなくてもよい。すなわち、例えば、第1導光部と第2導光部との少なくともいずれか一方の導光部の形状は、曲面状に折り曲げた形状でもよい。
さらにまた、導光部の構成は、第1導光部と第2導光部との2つに限定されず、「3」以上で構成されてもよい。すなわち、例えば、導光部は、第1導光部と、第2導光部と、第1導光部と第2導光部との間に配置される第3導光板と、を備える。この場合、第3導光部は、対向する2つの受光面と、同受光面に対して垂直な4つの端面(3つの端面と1つの集光面)と、を備える。第3導光部の集光面は、第1導光部の集光面と第2導光部の集光面と同一仮想平面上に配置される。第3導光部の受光部からの延設方向は、第1導光部の受光部からの延設方向と第2導光部の受光部からの延設方向とそれぞれ異なる方向に沿うように配置される。
さらにまた、第1導光部と第2導光部それぞれの向きは、第1受光面の垂直方向(第1導光部の厚さ方向)と、第2受光面の垂直方向(第2導光部の厚さ方向)と、同じ向きに限定されない。すなわち、例えば、第1導光部と第2導光部とは、第1受光面と第2受光面とが交差する方向に向き合うように配置されてもよい。
さらにまた、受光部は、信号光と中継光それぞれを異なる受光部で受光してもよい。すなわち、例えば、受光部は、信号光を受光する信号光受光部と、中継光を受光する中継光受光部と、を備えてもよい。
さらにまた、以上説明した第2実施形態では、受光ユニット200Bは、信号光Lと中継光L1とを共通の受光ユニットで受光していた。これに代えて、受光ユニットは、信号光のみを受光する受光ユニットと、中継光のみを受光する他の受光ユニットと、を備えてもよい。
図17は、本発明にかかる中継装置のさらに別の実施の形態を示す機能ブロック図である。
同図において、他の図面と同じ符号を付された部材は、他の図面に示される部材と同じ構成と機能とを備える。
中継装置TCは、信号光発生器Mからの信号光Lと、他の中継装置Tからの中継光L1と、を中継する。中継装置TCは、信号光Lと中継光L1とを受光する受光ユニット200Cを備える。受光ユニット200Cは、信号光受光ユニット200C1と中継光受光ユニット200C2とを備える。
なお、中継装置が中継する他の中継装置は、中継装置Tに限定されない。すなわち、例えば、中継装置が中継する他の中継装置は、中継装置TA、中継装置TB、または、中継装置TCでもよい。
信号光受光ユニット200C1は、信号光導光部210C1と信号光受光部20C1とを備える。信号光導光部210C1は、信号光発生器Mからの信号光Lを受光して、信号光受光部20C1に導光する。信号光導光部210C1と信号光受光部20C1それぞれの構成と機能は、前述した第2実施形態における導光部210と受光部20Bそれぞれの構成と機能と共通する。ここで、信号光導光部210C1は、信号光第1導光部(不図示)と、信号光第2導光部(不図示)と、を備える。この場合、信号光第1導光部と信号光第2導光部とは、信号光受光部20C1に延設される。また、信号光第1導光部と信号光第2導光部とは、信号光第1導光部の信号光受光部20C1からの延設方向が信号光第2導光部の信号光受光部20C1からの延設方向と異なるように配置される。
中継光受光ユニット200C2は、中継光導光部210C2と中継光受光部20C2とを備える。中継光導光部210C2は、他の中継装置Tからの中継光L1を受光して、中継光受光部20C2に導光する。中継光導光部210C2と中継光受光部20C2それぞれの構成と機能は、前述した第2実施形態における導光部210と受光部20Bそれぞれの構成と機能と共通する。ここで、中継光導光部210C2は、中継光第1導光部(不図示)と、中継光第2導光部(不図示)と、を備える。この場合、中継光第1導光部と中継光第2導光部とは、中継光受光部20C2に延設される。また、中継光第1導光部と中継光第2導光部とは、中継光第1導光部の中継光受光部20C2からの延設方向が信号光第2導光部の中継光受光部20C2からの延設方向と異なるように配置される。
信号光受光部20C1からの電気信号と、中継光受光部20C2からの電気信号とは、増幅部30で増幅される。送光部40は、増幅部30からの電気信号に応じた転送光を生成して、転送光を出力する。
なお、送光部から出力される転送光の出力先は、中継装置Tに限定されない。すなわち、例えば、送光部は、生成した転送光を中継装置TA、中継装置TB、または、中継装置TCに出力してもよい。
また、信号光導光部の数は、信号光第1導光部と信号光第2導光部との2つに限定されず、「3」以上でもよい。
さらに、中継光導光部の数は、中継光第1導光部と中継光第2導光部との2つに限定されず、「1」または「3」以上でもよい。
●まとめ(その他)
本システムを構成する中継装置の種類は、以上説明した各実施の形態の中継装置T,TA,TB,TCのいずれの種類で構成されてもよい。すなわち、本システムを構成する中継装置の種類は、中継装置T,TA,TB,TCのいずれか1の種類のみでもよい。あるいは、本システムを構成する中継装置の種類は、中継装置T,TA,TB,TCのいずれか2以上の種類が含まれてもよく、例えば、中継装置Tからの中継光を中継装置TAが受光し、中継装置TAからの中継光を中継装置TBが受光して受光器に出力してもよい。