JP7195046B2 - パルプ混合不織布ワイプ及びパルプ混合不織布ワイプの製造方法 - Google Patents
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Description
このパルプ混合不織布ワイプは、種々の拭き取りに使用されることから吸液性に加え耐磨耗性も重要となる。
すなわち、その第一の手段は、
パルプと化学繊維とが絡合されたパルプ混合不織布であり、
坪量が45~80g/m2であり、
化学繊維がポリエチレン繊維であり、
化学繊維の目付量が10~17g/m2であり、
パルプの配合割合が75質量%以上あり、
乾燥引張強度が縦方向2,000~3,400cN/25mm、横方向700~1,600cN/25mmであり、乾燥引張強度の縦横比が3.0以下であり、
バインダー成分を含まず、
JIS L 1096 E法に規定されるマーチンデール法において、摩擦を加える素材を標準摩擦布からニトリルゴム素材に変更して測定した測定値の表裏差が21以下であり、
表裏の表面粗さ(SMD)の差が0.7以下である、
ことを特徴とするパルプ混合不織布ワイプである。
化学繊維がポリエチレン繊維である目付量10~17g/m2の化繊不織布シート上に、
水にパルプ繊維を分散懸濁させたパルプ溶解液を搬送平面上に吐出し、85~115℃の温度で加熱ドラムで圧縮乾燥させてシート状にした抄紙された紙ではない乾燥パルプシートを積層する工程と、
ノズル径0.5~1.5mmφのノズルから乾燥パルプシート面に100~110barで水流を噴射する水流絡合工程と、
を有し、
坪量が45~80g/m2、パルプの配合割合が75質量%以上であり、バインダー成分を含まず、乾燥引張強度が縦方向2,000~3,400cN/25mm、横方向700~1,600cN/25mmであり、
JIS L 1096 E法に規定されるマーチンデール法において、摩擦を加える素材を標準摩擦布からニトリルゴム素材に変更して測定した測定値の表裏差が21以下であり、
表裏の表面粗さ(SMD)の差が0.7以下である、
ものとする、ことを特徴とするパルプ混合不織布ワイプの製造方法。
本実施形態のパルプ混合不織布ワイプは、パルプと化学繊維との絡合が水などの液体による液流絡合のパルプ混合不織布であり、スパンレース不織布、スパンレース式不織布などとも称される。
JIS P 8113(1998)の引張試験に従って測定した。試験片は縦・横方向ともに巾25mm(±0.5mm)×長さ150mm程度に裁断したものを用いた。試験機は、ミネベア株式会社製ロードセル引張り試験機TG-200Nを用いた。つかみ間隔が100mmに設定した。測定は、試験片の両端を試験機のつかみに締め付け、紙片を上下方向に引張り荷重をかけ、紙が破断する時の指示値(デジタル値)を読み取る手順で行った。引張速度は100mm/minとした。縦方向、横方向ともに各々5組の試料を用意して各5回ずつ測定し、その測定値の平均を各方向の乾燥引張強度とした。(試料の調整は、JIS P 8111(1998))なお、縦横比は、測定値から算出する。
JIS L 1096 E法(2010)に規定されるマーチンデール法により測定した。摩耗試験機は、グロッツ・ベッケルト製マーチンデール試験機を用いた。摩擦を加える素材は標準摩擦布、荷重は9Kpa、WET条件、動きはリサージュとして行った。WET条件は、試料面を霧吹きで吹くことによる。
上記耐摩擦試験1と同様の手順で、摩擦を加える素材を標準摩擦布から、ニトリルゴム素材に変更して測定した、ニトリルゴム素材は、ニトリル手袋(エステー株式会社製 ニトリルモデル モデルグローブNo.600)の手のひらの部分を測定器附属の打ち抜き冶具によって38mφに打ち抜いたものとした。なお、ニトリル手袋の選択は、パルプ混合不織布ワイプが、当該手袋使用者の手拭きに使用されることがある実態による。
吸水量の測定は下記(1)~(5)のとおりに行った。
(1)試験片の質量を電子天秤(A&D HR300等)により測定する。
(2)試験片よりも大きいトレイ(例えば、内寸:215mm×160mm)に、20mm程度の深さとなるように、25℃の水を入れる。
(3)試験片を、試験片以上の大きさの剛性のある平網(例えば、120mm×120mm、網目15mm)の上に拡げて載せ、前記水を入れたトレイ内におろして、水面に接触するように試験片を浸水させる。
(4)試験片の表面にまで十分に水が浸みこんだら、平網を水面より真上に上げ、ピンセットにより試験片の角を摘み、そのまま30秒静止する。
(5)30秒後に吸水した試験片の質量を電子天秤により測定し、下記式により1m2当たりの吸水量を算出する。
吸水量(g/m2)=((上記(4)で測定した吸水した試験片の質量)-(上記(1)で測定した試験片の質量))×100(注:m2に換算するため、100倍する)
吸油量の測定は下記(1)~(5)のとおりとした。
(1)試験片の質量を電子天秤(A&D HR300等)により測定する。
(2)試験片よりも大きいトレイ(例えば、内寸:215mm×160mm)に、20mm程度の深さとなるように、25℃のサラダ油(日清サラダ油:日清オイリオグループ株式会社製)を入れる。
(3)試験片を、試験片以上の大きさの剛性のある平網(例えば、120mm×120mm、網目30mm)の上に拡げて載せ、前記サラダ油を入れたトレイ内におろして、油面に接触するように試験片を浸油させる。
(4)試験片の表面にまで十分にサラダ油が浸みこんだら、平網を油面より真上に上げ、そのまま30秒静止した後、ピンセットにより試験片の角を摘み、予め秤量された測定容器に試験片を移す。このとき、平網を油面より上げて静止を開始してから測定容器に移すまで30秒を超えないようにする。
(5)試験片が入った測定容器の質量を電子天秤により測定し、その測定値より測定容器の質量を差し引いて、吸油後の試験片の質量を算出する。そして、下記式により1m2当たりの吸油量を算出する。
吸油量(g/m2)=((上記(4)で測定した吸油した試験片の質量)-(上記(1)で測定した試験片の質量))×100(注:m2に換算するため、100倍する)
吸水速度の測定は下記(1)~(4)のとおりとした。
(1)100mm×100mmの試験片を準備する。
(2)試験片を中心部に直径40mm以上の穴を有する台(例えば、アルコールランプ用三脚)の上に、その試験片の中央部が前記穴の上に位置するようにして載置する。
(3)試験片の中心付近の任意の箇所に、試験片面より10mmの高さから、25℃の水300μlをマイクロピペットにより滴下する。この滴下は、例えば、アズワン ピペットガイPG-1000を用い目盛り300として行うことができる。
(4)マイクロピペットからの水が試験片に接触した瞬間から、試験片の水が浸透しきるまでの時間をストップウォッチにより測定し、その時間を吸水速度(sec)とする。なお、浸透終了は、試験片表面から水の光沢反射が消えることを目視にて確認することによる。
JIS L 1096 E法に準じたハンドルオメータ法に従って測定した。但し、試験片は100mm×100mmの大きさとし、クリアランスは5mmとして実施した。1プライで縦方向、横方向の各々5回ずつ測定し、縦方向、横方向それぞれ5回の平均値を、cN/100mmを単位として表した。ソフトネスは、柔らかさの指標の一つである。
カトーテック株式会社製の自動化表面試験機KES-FB-4-AUTOを用いて測定した。摩擦子の接触面を、所定方向に20g/cmの張力が付与された測定試料の表面に対して25gの接触圧で接触させながら、張力が付与された方向と略同じ方向に速度0.1cm/sで2cm移動させて行った。摩擦子は、標準付属の10mm角のピアノワイヤセンサー(1本)とした。摩擦子の初期荷重は、0.49Nで実施。SMDの測定は、各面について5回測定し、その平均値とする。
カトーテック株式会社製のカトーテック株式会社製の自動化表面試験機KES-FB-4-AUTOを用いて測定した。摩擦子の接触面を、所定方向に20g/cmの張力が付与された測定試料の表面に対して25gの接触圧で接触させながら、張力が付与された方向と略同じ方向に速度0.1cm/sで2cm移動させて行った。摩擦子は、標準付属の10mm角のピアノワイヤセンサー(20本)とした。MMDとMIUの測定は、各面について5回測定し、その平均値とする。
Claims (4)
- パルプと化学繊維とが絡合されたパルプ混合不織布であり、
坪量が45~80g/m2であり、
化学繊維がポリエチレン繊維であり、
化学繊維の目付量が10~17g/m2であり、
パルプの配合割合が75質量%以上あり、
乾燥引張強度が縦方向2,000~3,400cN/25mm、横方向700~1,600cN/25mmであり、乾燥引張強度の縦横比が3.0以下であり、
バインダー成分を含まず、
JIS L 1096 E法に規定されるマーチンデール法において、摩擦を加える素材を標準摩擦布からニトリルゴム素材に変更して測定した測定値の表裏差が21以下であり、
表裏の表面粗さ(SMD)の差が0.7以下である、
ことを特徴とするパルプ混合不織布ワイプ。 - パルプはNBKPを95質量%以上含み、化学繊維の太さは18~22μmである請求項1記載のパルプ混合不織布ワイプ。
- 化学繊維がポリエチレン繊維である目付量10~17g/m2の化繊不織布シート上に、
水にパルプ繊維を分散懸濁させたパルプ溶解液を搬送平面上に吐出し、85~115℃の温度で加熱ドラムで圧縮乾燥させてシート状にした抄紙された紙ではない乾燥パルプシートを積層する工程と、
ノズル径0.5~1.5mmφのノズルから乾燥パルプシート面に100~110barで水流を噴射する水流絡合工程と、
を有し、
坪量が45~80g/m2、パルプの配合割合が75質量%以上であり、バインダー成分を含まず、乾燥引張強度が縦方向2,000~3,400cN/25mm、横方向700~1,600cN/25mmであり、
JIS L 1096 E法に規定されるマーチンデール法において、摩擦を加える素材を標準摩擦布からニトリルゴム素材に変更して測定した測定値の表裏差が21以下であり、
表裏の表面粗さ(SMD)の差が0.7以下である、
ものとする、ことを特徴とするパルプ混合不織布ワイプの製造方法。 - パルプシートはNBKPを95質量%以上含み、化繊不織布シートを構成する化学繊維の太さが18~22μmである請求項3記載のパルプ混合不織布ワイプの製造方法。
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