JP7182347B2 - デスクッション本体及びデスクッション - Google Patents
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Description
特許文献1には、机の天板上に乗せるアジャスターと、アジャスター台座の背面部に設けたクッションを備え、そのクッションに机上作業の作業者が腹部や胸部をサポートできるおんぶラッコの発明が開示されている。特許文献2には、顎受け有する支柱と、支柱を支える土台を持った器具により、頭の重みを支え、首への負担を軽くする頭保持具の発明が開示されている。特許文献3には、基台部に設けられた支柱に、連結したスプリングを介して顎乗せ台を備えた顎乗せ台によって、作業者の首や肩に懸かる疲労を防ぐ補助具の発明が開示されている。
そのような身体への負担を抱えたまま作業者に、特にパソコンによる机上作業を強いることは、作業者にとって苦痛であるばかりでなく、作業効率が低下してビジネスの円滑な運営の支障になるという問題があった。
(1)支柱軸及び前記支柱軸の上端に顎受け部を有する支柱部と、前記支柱軸を内側に配置して、クッションを保持する保持部と、前記保持部を支持する基台部を備えたデスクッション本体において、
前記支柱軸は、前記顎受け部の上下方向の位置を決める第1の位置決め手段を有し、保持部材によって所定形状に形成された前記保持部は、前記第1の位置決め手段と対応する前記支柱軸の軸線上にある第2の位置決め手段を有し、前記基台部が机の天板の上面端部に支持されるように、前記基台部は前記保持部の上下方向における中央付近から中央付近より下方で、前記保持部に接続し、前面に向かって前記支柱軸の軸線と略垂直に延設して形成されたデスクッション本体であって、前記支柱部、前記保持部及び前記基台部の材料は鉄等の金属や強化プラスチックであり、前記机での机上作業を行う、後面側から前記顎受け部に自らの顎を乗せた前記机に対する作業者の前傾姿勢が大きくなることにより、前記支柱部と、前記保持部のうち前記机の天板の上面より上方の保持部とで構成される前記軸線に沿った上方部分が、前記基台部の先端部分において前記机の天板の上面と接する作用点に基づいて、前記軸線に沿ったまま前記基台部と略垂直であることを維持しながら、前記机の縁部における垂直線に対して前傾する程度が大きくなり、前記保持部のうち前記机の天板の上面より下方の保持部で構成される前記軸線に沿った下方部分が、前記軸線に沿ったまま前記基台部に略垂直であることを維持しながら、前記垂直線に対して後傾する程度が大きくなることにより、前記作業者がその腹部に前記下方部分による力の作用を感知し、前記作業者が前記前傾姿勢でなく、前記下方部分が前記垂直線に対して後傾することがほとんどないときは、前記腹部に力の作用を感知することはほとんどないことを特徴とするデスクッション本体である。
「前記第1の位置決め手段と対応する前記支柱軸の軸線上にある第2の位置決め手段」とは、第1の位置決め手段と第2の位置決め手段とが、対応する位置関係にあって、後出するような様々な態様で、第1の位置決め手段と第2の位置決め手段とが係合したり、係止したり、螺合したり、又はそれらの組み合わせであることを意味する。また、デスクッション本体の保持部は、クッションを内部から保持したり、クッションを支えたりするものである。
「前記所定形状は、前記支柱軸の軸線について左右方向に略対称の形状」について説明する。デスクッション本体の保持部は、クッションを内部から保持したり、支えたりするものであるから、その保持部の所定形状は、支柱軸の軸線について左右対称であることが望ましい。所定形状が左右方向について極端にいびつな形であると、クッションを内部から保持したり、支えたりにくくなるからである。換言すれば、所定形状が極端にいびつな形でないような、支柱軸の軸線について左右方向に略対称すなわち概ね対称であれば、クッションを内部から保持したり、支えたりすることについては満たすことができる。またそのように略対称であった方が保持部を形成することは容易になる。
橋架保持部材や伸長保持部材の保持部材及び基台支持部材は、それぞれ平板、中実の角柱・円柱・三角柱、中空の角柱・円柱・三角柱、又はそれらの組み合わせ等から適宜に選択される。また、「接続」とは、接続する部分が溶接によって接続されることの他、ネジによる締結や折り曲げることによる場合を含む意味である。
(3)前記第2の位置決め手段は、前記橋架保持部材上に具設された(2)に記載のデスクッション本体である。
(4)前記所定形状は前記支柱軸の軸線について左右方向に略対称の形状であって、前記支柱軸の軸線を跨ぐ少なくても一枚の平板状部材を備えて構成され、前記第2の位置決め手段は、前記平板状部材上に具設され、一対の基台支持部材によって形成された前記基台部は、前記平板状部材によって形成された前記保持部に、前記平板状部材の左右の両端で片方の前記基台支持部材がそれぞれ接続された(1)に記載のデスクッション本体である。
「前記第2の位置決め手段は、前記平板状部材上に具設され」とは、第2の位置決め手段が、直接に平板状部材上に具設される他、平板状部材上の所定部材を介して平板状部材に具設されることを含む。保持部が(2)においては、複数の保持部材の組み合わせによって形成されるのに対して、(4)においては、一枚の平板状部材を備えて形成される
(5)前記支柱軸の軸線上にあって前記第2の位置決め手段より上方で、前記保持部の内側に具設された前記支柱軸をガイドするガイド部を、さらに有する(3)又は(4)に記載のデスクッション本体である。
(7)(1)~(5)の何れか一つに記載のデスクッション本体に、クッションが保持されたデスクッションであって、前記クッションは前記顎受け部の上面の少なくても一部分及び前記基台部の反対側で前記保持部の少なくても一部分に接するデスクッションである。
(8)(1)~(5)の何れか一つに記載のデスクッション本体に、クッションが保持されたデスクッションであって、前記クッションは前記支柱部の少なくても一部分及び前記保持部の少なくても一部分を、その内部に包み込むデスクッションである。
(9)(7)又は(8)に記載のデスクッションが、さらにその前面に照明を備えたデスクッションである。
(10)前記基台部より下方の前記保持部に接続されて、机の天板の縁部を下方から圧接する圧接部を、さらに備えた(2)~(6)の何れか一つに記載のデスクッション本体である。
(12)前記基台部より下方の前記保持部に接続されて、机の天板の縁部を下方から圧接する圧接部を、さらに備えた(7)~(9)に記載のデスクッションである。
(1)支柱軸及び前記支柱軸の上端に顎受け部を有する支柱部と、前記支柱軸を内側に配置して、クッションを保持する保持部と、前記保持部を支持する基台部を備えたデスクッション本体において、
前記支柱軸は、前記顎受け部の上下方向の位置を決める第1の位置決め手段を有し、保持部材によって所定形状に形成された前記保持部は、前記第1の位置決め手段と対応する前記支柱軸の軸線上にある第2の位置決め手段を有し、前記基台部が机の天板の上面端部に支持されるように、前記基台部は前記保持部の上下方向における中央付近から中央付近より下方で、前記保持部に接続し、前面に向かって前記支柱軸の軸線と略垂直に延設して形成されたデスクッション本体であって、
前記支柱部、前記保持部及び前記基台部の材料は鉄等の金属や強化プラスチックであり、前記机での机上作業を行う、後面側から前記顎受け部に自らの顎を乗せた前記机に対する作業者の前傾姿勢が大きくなることにより、前記支柱部と、前記保持部のうち前記机の天板の上面より上方の保持部とで構成される前記軸線に沿った上方部分が、前記基台部の先端部分において前記机の天板の上面と接する作用点に基づいて、前記軸線に沿ったまま前記基台部と略垂直であることを維持しながら、前記机の縁部における垂直線に対して前傾する程度が大きくなり、前記保持部のうち前記机の天板の上面より下方の保持部で構成される前記軸線に沿った下方部分が、前記軸線に沿ったまま前記基台部に略垂直であることを維持しながら、前記垂直線に対して後傾する程度が大きくなることにより、前記作業者がその腹部に前記下方部分による力の作用を感知し、前記作業者が前記前傾姿勢でなく、前記下方部分が前記垂直線に対して後傾することがほとんどないときは、前記腹部に力の作用を感知することはほとんどないことを特徴とするデスクッション本体である。
そのため、顎受け部に作業者の顎が乗せられ、作業者が前傾姿勢になり、上方部分は作業者の胸部等によって前面に押されると、上方部分は机の縁部における垂直線に対して前面方向に傾くと同時に、下方部分はその垂直線に対して後面方向に傾き、下方部分が作業者の腹部に当たるため、無意識の内に前傾姿勢になっていたことを促されて気づいた作業者は、その前傾姿勢を矯正して首、肩等にかかる負担を低減することができる。そしてそのことによって、特にパソコンによる机上作業を強いられた作業者の苦痛を軽減し、作業効率の低下を防いでビジネスの円滑な運営の支障を除くという効果を奏する。ここで、上方部分とは、デスクッション本体について、机の天面より上方の部分のことであり、下方部分とは、机の天面より下方の部分のことである。
(3)第2の位置決め手段は、橋架保持部材上に具設された(2)に記載のデスクッション本体なので、橋架保持部材の保持部の上下方向における位置によって、支柱部が保持部に支持される位置を下方に調節することができるため、保持部の重心が下方に調節されて、机の天面に支持されたデスクッション本体の安定性が増すという効果を奏する。
(4)所定形状は支柱軸の軸線について左右方向に略対称の形状であって、支柱軸の軸線を跨ぐ少なくても一枚の平板状部材を備えて構成され、第2の位置決め手段は、平板状部材上に具設され、一対の基台支持部材によって形成された基台部は、平板状部材によって形成された保持部に、平板状部材の左右の両端で片方の基台支持部材がそれぞれ接続された(1)に記載のデスクッション本体なので、保持部の強度を保つために必要な保持部の厚みを薄くすることができ、保持部の製造を一体成形することができうるという効果を奏する。
(6)(1)~(5)の何れか一つに記載のデスクッション本体が、さらにその前面に照明を備えたデスクッション本体なので、照明が作業者と作業の対象となっているものの間にあるため、照明のための新たな机上の場所や設備は不要であり、照明によって直接照らされた作業の対象物を、作業者が視認できるという効果を奏する。
(7)(1)~(5)の何れか一つに記載のデスクッション本体に、クッションが保持されたデスクッションであって、クッションは顎受け部の上面の少なくても一部分及び基台部の反対側で保持部の少なくても一部分に接するデスクッションなので、クッションがデスクッション本体の支柱部や保持部と、作業者の顎や胸部との間で緩衝材となり、その支柱部等が直接作業者の胸部等に当たることがなく、クッションに支えられおんぶされている心地よさを作業者に与えることができるため、自らの重たい頭を支えつつ、良くない姿勢である前傾姿勢によって発生する首の痛みや、肩こり等の苦痛を解消でき、作業効率の低下を防止して、ビジネスの円滑な運営に資することができるという効果を奏する。
(8)(1)~(5)の何れか一つに記載のデスクッション本体に、クッションが保持されたデスクッションであって、クッションは支柱部の少なくても一部分及び保持部の少なくても一部分を、その内部に包み込むデスクッションなので、(7)と同様に緩衝材の働きを担い、またクッションが例えばクマや犬、猫等動物の造形等であれば作業者に愛着を湧かせうるため、作業者にデスクッションの使用を促進させることができるという効果を奏する。
(10)基台部より下方の保持部に接続されて、机の天板の縁部を下方から圧接する圧接部を、さらに備えた(2)~(6)の何れか一つに記載のデスクッション本体なので、机の天板の縁部の上面すなわち上方からは基台部、下方からは圧接する圧接部によって、その縁部を挟持することができるため、作業者が作業を行う机の位置に応じて、デスクッション本体を容易に移動して支持することができるという効果を奏する。
所定間隔としては、デスクッション本体を机により安定して支持するために、保持部の両端までの幅が好ましい。
(12)基台部より下方の保持部に接続されて、机の天板の縁部を下方から圧接する圧接部を、さらに備えた(7)~(9)に記載のデスクッションなので、机の天板の縁部の上面すなわち上方からは基台部、下方からは圧接する圧接部によって、その縁部を挟持することができるため、作業者が作業を行う机の位置に応じて、デスクッションを容易に移動して使用することができるという効果を奏する。
第2の位置決め手段であるナット35は、その結合した部分に具設されている。すなわち第2の位置決め手段であるナット35は軸線M上にある。第1の位置決め手段であるネジ山23は、それと対応する位置にある第2の位置決め手段であるナット35に螺合している。一対の伸長保持部材32は橋架保持部材31と接続した下方では鉛直方向に伸長して、補助橋架保持部材33の両端に接続している。なお、第1の補助橋架保持部材33も軸線Mを跨いでいる。保持部30の形成方法については、橋架保持部材31と伸長保持部材32がビスによって固定されたり、伸長保持部材32と第1の補助橋架保持部材33が溶接や接着剤によって接続されたり、公知の技術が用いられる。そのため、例えば図1において、それらの接続方法から適宜に選択して接続されるので、接続後を模式的にあらわすことによって示している。なお、顎受け部22のように共通しうるものの番号は共通で示した。以降の図においても同様である。
支柱軸21すなわち顎受け部22は、例えば顎受け部22を、支柱軸21について回動させることによって、上下方向に可動することができる。第1の位置決め手段であるネジ山23と、第2の位置決め手段であるナット35は螺合しているからである。顎受け部22の形状としては、様々な形状が可能であるが、顎受け部22は支柱軸21の回動に従って回動する場合のあることや、後述するように顎受け部22はクッション70に包まれる場合には、包み込まれた状態で回動しやすく、作業者Pの顎を受けやすい形状としては、例えば円盤形状が好ましい。
なお、デスクッション本体1(図2)では支柱軸21は、保持部30の後面側にあってもよい。この場合には、ナット35とガイド部36も保持部30の後面側に設ける必要がある。支柱軸21が後面側にある場合では、例えば基台部40を重くすれば、デスクッション本体1(図2)は後面側に倒れることなく、机の天板80の縁部に支持される。
さらに、例えばデスクッション本体1Bにつき、保持部30Bの上方部分を長くした場合において、それに伴って橋架保持部材31B及び第1の補助橋架部材33Bを上方に移動し、ナット35を第1の補助橋架保持部材33Bに移動すれば、第1の補助橋架保持部材33Bが橋架保持部材31Bαとなる。この場合では、第1の補助橋架保持部材が橋架保持部材の上方に位置している。橋架保持部材と補助橋架保持部材の上下の位置関係は任意でよいからである。また、補助橋架保持部材がなくても保持部としての機能を持たせることは可能であれば、補助橋架部材が不要であることは当然のことである。
デスクッション本体1Dでは、第1の位置決め手段が、支柱軸21Dの内部に設けられた雌ネジ部分21dと、把持部25に接続した雄ネジ25dが螺合することによる組み合わせである。一方第2の位置決め手段は、橋架保持部材31Dに具設された軸線M上にある留め具35dである。把持部25は留め具35dとビスによって、回動可能に橋架保持部材31Dに支持されている。ガイド部36Dは、ビスによって一対の伸長保持部材32Dの内側で、一対の伸長保持部材32Dが結合する部分に固定されている。ガイド部36Dの少し下方には、支柱軸21Dが連れまわりしないようにするため、回り止めビス37が伸長保持部材32Dを貫通して回り止め溝21eにとどいている。回り止め溝21eの長手方向の長さは、可動範囲より少し長めになっている。橋架保持部材31Dが保持部30Dの下端にあるので、一対の伸長保持部材32Dは、橋架保持部材31Dの両端で橋架保持部材31Dと接続して、上方に伸長している。
図10、11に基づいて第1、2の位置決め手段等について説明を追加する。図10において、支柱軸21D内部から延出された雄ネジ25dは把持部25に固定されている。図10、図11(b)に示されるように、雄ネジ25dが下方に延長された挟持部25bは、把持部25の上端部25eと把持部上端25fの間に挟まれ、ビスによって橋架保持部材31Dに固定された留め具35dの凹部35aに回動可能に支持されている。一方、図11(a)に示されるように、回り止めビス37は、支柱軸21Dに当接しているから、例えば図910に示されるように、F方向に把持部25を回転させて支柱軸21Dを上方に移動させ、また逆にE方向に把持部25を回転させて支柱軸21Dを下方に移動させても、支柱軸21Dは連れ回りしないのである。
デスクッション本体1Eでは、第1の位置決め手段は、支柱軸21Eに設けられた6個の位置決め貫通孔21Fで、第2の位置決め手段は橋架保持部材31Eに設けられた位置決め凸部35Gである。ガイド部は、一対の伸長保持部材32の内側で、一対の伸長保持部材32が結合する部分に形成されたガイド凸部36Eである。ガイド凸部36Eは、後述する位置決め凸部35Gの形成の仕方に倣って、支柱軸21Eがスライドできるように隆起させた隙間を有している。支柱軸21Eは上端で前面方向に略垂直に曲げられ、その上に顎受け部22Eが接続されている。
圧接部材51の前面方向の末端部分52において、末端部分52と基台支持部材41との距離L1は、机の天板80の厚みL2より小さい。基台支持部材41と圧接部材51の間に机の天板80が挿入されると、圧接部材51は可撓性を有するため、距離L1はL2に拡大して、それに伴って距離L2がL1に戻ろうとする復元力によって、圧接部50すなわちデスクッション本体1Eは机の天板80の縁部に支持されることになる。末端部分52の先端は机の天板80とは逆方向に曲がっているので、机の天板80は基台支持部材41と圧接部材51の間に挿入されやすくなっている。したがって、この場合には支柱軸21Eが保持部の後面側にあっても、基台支持部材を重くする等の必要は必ずしもない。
図14(a)に示すように、橋架保持部材31Eの短手方向を3等分する位置で、支柱軸21Eを跨いで長手方向にスリットを2本入れ、2本のスリットの間の部分に、第1の位置決め手段である位置決め貫通孔21Fに対応した凸部貫通孔35gをあけておく。その後、図14(b)のように、2本のスリットの間の部分を隆起させて隙間を開け、その隙間を支柱軸21Eがスライドできるようにする。支柱軸21Eの位置決めは、位置決め貫通孔21Fと凸部貫通孔35gを連通させた後、位置決めビス38の軸をその両方の孔に挿入することによって行うことができる。
さらに、位置決めビス38の頭と橋架保持部材31Eの間に、位置決めビス38の頭に係止したスプリング38g(図示せず)を設けることができる。位置決めビス38の頭を橋架保持部材31Eから離れる方向に引っ張った後、支柱軸21Eを適宜な位置にスライドさせ、位置決め貫通孔21Fと凸部貫通孔35gを連通させて、位置決めビス38の頭をフリーにすると、スプリング38gの弾性力によって、位置決めビス38の軸がその両方の孔に連通することになる。この場合、位置決めビス38は位置決め凸部35Gに付属することになるから、第2の位置決め手段として扱うべきである。一方、スプリング38gを有しない場合には、位置決めビス38は第1又は第2の位置決め手段の補助手段として機能することになる。
位置決め貫通孔21Fの位置に従って、作業者Pの顎の位置に合わせて支柱軸21Eの上下方向における位置を選択することができる。図13のデスクッション本体1Eならば、6つの位置決め貫通孔21Fを有するので、6段階の位置の選択を行うことができる。
デスクッション90Aは、デスクッション本体1Fの顎受け部22、支柱軸21及び保持部30を、その内部に包み込んでいる。顎受け部22と支柱軸21の上方の部分は、クマの頭部71及びクマの首部72に、支柱軸21の下方の部分及び一対の伸長保持部材32は、クマの肩、クマの背中上部75から腹部あたりに、基台部40はクマの手部73に、圧接部50はクマの足部74に、それぞれ包み込まれている。作業者Pは、支柱軸21を自らの顎の位置に合った高さに調節した後、顎受け部22や支柱軸21、保持部30等をクッション70Aで包み込むことになる。クマの頭部71が上方向に移動できるように、クマの首部72はいわゆるたるみ等の伸縮可能な部分を有している。
例えばクッション70Aの後面側の左右方向の中央付近に、クマの頭部71からクマの足部74にわたるファスナーを有する切込みを有するクッション70Aを用いて、作業者Pは、その切込みからデスクッション本体1Fの包みこみを行うことができる。照明本体63はデスクッション本体1Fにおいて、その前面に備えられているので、デスクッション90Aの前面に、照明本体63が備えられていることになる。なお、照明本体63はデスクッション本体1Fでなく、クマの首部72等に適宜な紐等でかけてもよい。
そこで、以下にその作用の説明を行う。作業者Pがデスクッション90Aに作用させる力は、クッション70Aを介してデスクッション本体1Fに作用させる力となる。そして、その作用は、作業者Pがデスクッション90(図16)を使用した場合におけるデスクッション本体1(図1)に対する作用と同様であるから、以下の作用の説明においては、デスクッション本体1(図1)に基づいて行う。
ところが、図22のように、作業者Pの前傾姿勢が大きくなるにつれて、作業者Pから前面方向に向かってデスクッション本体1(図1)に作用する力AF2は大きくなる。それに伴い上方部分100が垂直線Vに対して前傾する程度が大きくなり、作用点42aに力F3を生じて、下方部分110が垂直線Vに対して後傾する程度も大きくなる。すなわち変化幅Xが発生することになる。そうして、作業者Pは変化幅Xに相応して大きくなった力RAF2からの作用を腹部に感知することによって、自らが前傾姿勢になっていることに気付くのである。そうなれば、前傾姿勢は良くない姿勢であることを弁えている作業者Pは、その前傾姿勢を矯正することができるのである。
ボランティアの3人の被験者が、机の天板80の縁部(机の天板80の上面端部)に支持されたデスクッション90(図17)を使用した感想を、A:顎と胸等を支えること(正しい姿勢を保つこと)に関する効果、B:照明に関する効果についてまとめた。
被験者1
使用前の状況:長時間の机上作業では、頭部の重みを首や肩で支える事が負担となり、肩こりや頭痛が起こりやすかった。長時間の机上作業では、猫背になったり、椅子に深く座り背もたれにもたれたりして姿勢が悪かった。夜間など、部屋の蛍光灯のみで机作業をしているが、自分の身体が陰になり見づらかった。
A:デスクッション90に顎を乗せると、首と肩の力が自然に抜ける感じがした。自分の座高に合わせて高さ調節ができるので、長時間の机上作業でも良い姿勢を保つことができた。
B:自分の目線から照明が出ていることで、細かい作業も影にならず、非常に見やすかった。
被験者2
使用前の状況:机上作業が長時間になると、椅子の背もたれ等にもたれるが、いつの間にか再び前傾姿勢になっていた。長時間の机上作業では、猫背になったり、椅子に深く座り背もたれにもたれたりして姿勢が悪くなった。机上に自分とは反対側に照明スタンドを使用しているが、本を立てて読書する際には、本は読みやすいが、影が出て見づらかった。
A:机上作業は前傾で行う事が多いが、前傾を支えてくれるので楽になった。腹部から胸部をデスクッションに当てる事で、自分の姿勢を自然に意識できた。
B:読書などを机上でする際、本を立てて読むが、自分の方向から照明が出ている事で陰にならず非常に読みやすかった。
被験者3
使用前の状況:机上作業が長時間になると、肘を机に置いたり、頬杖をついたりして姿勢が悪くなった。照明器具(蛍光灯など)を直視する事で、目を悪くする可能性があった。
A:頬杖をついたりしなくても頭部を支えてくれるので、長時間の作業が可能になった。頬杖をついたりする事で姿勢が悪くなるが、デスクッション90があれば姿勢を保つ事ができた。
B:自分の目線に照明器具(蛍光灯等)が入らないため、直視する事もなく、目に優しかった。
以上の結果によって、デスクッション90が、前傾姿勢の被験者に、そのことを気づかせ正しい姿勢を保つように促す効果と、被験者に作業の対象物を非常に見やすくさせる効果が確認された。たとえ被験者2のように、机上作業を前傾姿勢で行っても、デスクッション90によって、自分の姿勢を自然に意識しつつ、前傾姿勢が支えられて楽になったという効果をも生じさせる場合があった。
そのため、顎受け部22に作業者Pの顎が乗せられ、作業者Pが前傾姿勢になり、上方部分100は作業者の胸部等によって前面に押されると、上方部分100は机の縁部における垂直線Vに対して前面方向に傾くと同時に、下方部分110はその垂直線Vに対して後面方向に傾き、下方部分110が作業者Pの腹部に当たるため、無意識の内に前傾姿勢になっていたことを促されて気づいた作業者Pは、その前傾姿勢を矯正して首、肩等にかかる負担を低減することができる。そしてそのことによって、特にパソコンによる机上作業を強いられた作業者Pの苦痛を軽減し、作業効率の低下を防いでビジネスの円滑な運営の支障を除くという効果を奏する。
(3)第2の位置決め手段は、橋架保持部材31上に具設された(2)に記載のデスクッション本体1なので、橋架保持部材31の保持部30の上下方向における位置によって、支柱部20が保持部30に支持される位置を下方に調節することができるため、保持部30の重心が下方に調節されて、机の天面80に支持されたデスクッション本体1の安定性が増すという効果を奏する。
(4)所定形状は支柱軸21の軸線Mについて左右方向に略対称の形状であって、支柱軸21の軸線Mを跨ぐ少なくても一枚の平板状部材32Cを備えて構成され、第2の位置決め手段は、平板状部材32C上に具設され、一対の基台支持部材41によって形成された基台部40は、平板状部材32Cによって形成された保持部30に、平板状部材32Cの左右の両端で片方の基台支持部材31がそれぞれ接続された(1)に記載のデスクッション本体1なので、保持部30の強度を保つために必要な保持部30の厚みを薄くすることができ、保持部30の製造を一体成形することができうるという効果を奏する。
(6)(1)~(5)の何れか一つに記載のデスクッション本体1が、さらにその前面に照明60を備えたデスクッション本体1なので、照明60が作業者Pと作業の対象となっているものの間にあるため、照明60のための新たな机上の場所や設備は不要であり、照明60によって直接照らされた作業の対象物を、作業者Pが視認できるという効果を奏する。
(7)(1)~(5)の何れか一つに記載のデスクッション本体1に、クッションが保持されたデスクッション90であって、クッション70は顎受け部22の上面の少なくても一部分及び基台部40の反対側で保持部30の少なくても一部分に接するデスクッション90なので、クッション70がデスクッション本体1の支柱部20や保持部30と、作業者Pの顎や胸部との間で緩衝材となり、その支柱部20等が直接作業者Pの胸部等に当たることがなく、クッション70に支えられおんぶされている心地よさを作業者Pに与えることができるため、自らの重たい頭を支えつつ、良くない姿勢である前傾姿勢によって発生する首の痛みや、肩こり等の苦痛を解消でき、作業効率の低下を防止して、ビジネスの円滑な運営に資することができるという効果を奏する。
(8)(1)~(5)の何れか一つに記載のデスクッション本体1に、クッションが保持されたデスクッション90であって、クッション70は支柱部20の少なくても一部分及び保持部の少なくても一部分を、その内部に包み込むデスクッション90なので、(7)と同様に緩衝材の働きを担い、またクッション70が例えばクマや犬、猫等動物の造形等であれば作業者Pに愛着を湧かせうるため、作業者Pにデスクッションの使用を促進させることができるという効果を奏する。
(10)基台部40より下方の保持部30に接続されて、机の天板80の縁部を下方から圧接する圧接部50を、さらに備えた(2)~(6)の何れか一つに記載のデスクッション本体1なので、机の天板80の縁部の上面すなわち上方からは基台部40、下方からは圧接する圧接部50によって、その縁部を挟持することができるため、作業者Pが作業を行う机の位置に応じて、デスクッション本体1を容易に移動して支持することができるという効果を奏する。
所定間隔としては、デスクッション本体1を机により安定して支持するために、保持部30の両端までの幅が好ましい。
(12)基台部40より下方の保持部30に接続されて、机の天板80の縁部を下方から圧接する圧接部50を、さらに備えた(7)~(9)に記載のデスクッション90なので、机の天板80の縁部の上面すなわち上方からは基台部40、下方からは圧接する圧接部50によって、その縁部を挟持することができるため、作業者Pが作業を行う机の位置に応じて、デスクッション90を容易に移動して使用することができるという効果を奏する。
20 支柱部
21 支柱軸
22 顎受け部
30 保持部
40 基台部
70 クッション
80 机の天板
90 デスクッション
M 軸線
Claims (8)
- 支柱軸及び前記支柱軸の上端に顎受け部を有する支柱部と、前記支柱軸を内側に配置して、クッションを保持する保持部と、前記保持部を支持する基台部を備えたデスクッション本体において、
前記支柱軸は、前記顎受け部の上下方向の位置を決める第1の位置決め手段を有し、保持部材によって所定形状に形成された前記保持部は、前記第1の位置決め手段と対応する前記支柱軸の軸線上にある第2の位置決め手段を有し、前記基台部が机の天板の上面端部に支持されるように、前記基台部は前記保持部の上下方向における中央付近から中央付近より下方で、前記保持部に接続し、前面に向かって前記支柱軸の軸線と略垂直に延設して形成されたデスクッション本体であって、前記支柱部、前記保持部及び前記基台部の材料は鉄等の金属や強化プラスチックであり、前記顎受け部は前記上下方向に可動することができ、前記机での机上作業を行う、後面側から前記顎受け部に自らの顎を乗せた前記机に対する作業者が前傾姿勢になることにより、前記支柱部と、前記保持部のうち前記机の天板の上面より上方の保持部とで構成される前記軸線に沿った上方部分が、前記基台部の先端部分において前記机の天板の上面と接する作用点に基づいて、前記軸線に沿ったまま前記基台部と略垂直であることを維持しながら、前記机の縁部における垂直線に対して前傾し、前記保持部のうち前記机の天板の上面より下方の保持部で構成される前記軸線に沿った下方部分が、前記軸線に沿ったまま前記基台部に略垂直であることを維持しながら、前記垂直線に対して後傾するとき、前記垂直線と前記下方部分の下端との間に変化幅が発生し、かつ前記基台部が前記作用点から前記基台部が前記保持部に接続した位置に至るまでにおいて前記天板の上面から離間することを特徴とするデスクッション本体。 - 前記所定形状は前記支柱軸の軸線について左右方向に略対称の形状であって、前記支柱軸の軸線を跨ぐ少なくても一つの橋架保持部材と、前記橋架保持部材の両端でその橋架保持部材と接続して、少なくても上方に伸長する少なくても一対の伸長保持部材と、を備えて構成され、一対の基台支持部材によって形成された前記基台部は、前記一対の前記伸長保持部材によって形成された前記保持部に、片方の前記基台支持部材が片方の前記伸長保持部材にそれぞれ接続された請求項1に記載のデスクッション本体。
- 前記第2の位置決め手段は、前記橋架保持部材上に具設された請求項2に記載のデスクッション本体。
- 前記所定形状は前記支柱軸の軸線について左右方向に略対称の形状であって、前記支柱軸の軸線を跨ぐ少なくても一枚の平板状部材を備えて構成され、前記第2の位置決め手段は、前記平板状部材上に具設され、一対の基台支持部材によって形成された前記基台部は、前記平板状部材によって形成された前記保持部に、前記平板状部材の左右の両端で片方の前記基台支持部材がそれぞれ接続された請求項1に記載のデスクッション本体。
- 前記支柱軸の軸線上にあって前記第2の位置決め手段より上方で、前記保持部の内側に具設された前記支柱軸をガイドするガイド部を、さらに有する請求項3又は4に記載のデスクッション本体。
- 前記第1の位置決め手段は前記支柱軸に設けられたネジ山であり、前記第2の位置決め手段はナットである請求項1~5の何れか1項に記載のデスクッション本体。
- 請求項1~6の何れか1項に記載のデスクッション本体に、クッションが保持されたデスクッションであって、前記クッションは前記顎受け部の上面の少なくても一部分及び前記基台部の反対側で前記保持部の少なくても一部分に接するデスクッション。
- 請求項1~6の何れか1項に記載のデスクッション本体に、クッションが保持されたデスクッションであって、前記クッションは前記支柱部の少なくても一部分及び前記保持部の少なくても一部分を、その内部に包み込むデスクッション。
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