本発明のさらなる利点は、以下の説明に部分的に記載され、一部は説明から明らかになり、または本発明の実践によって習得されることができる。前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は両方とも例示であり、特許請求される本発明を限定するものではないことが理解されたい。
(発明の詳細な説明)
本発明は、本発明の以下の詳細な説明及びそこに含まれる実施例を参照することによってより容易に理解することができる。
本化合物、組成物、物品、システム、デバイス、及び/または方法を開示し説明する前に、別段の指示が無い限りそれらは特定の合成方法に限定されないこと、または別段の指示がない限り特定の試薬に限定されないこと、当然それ自体変化してよいことが理解されたい。本明細書で使用される用語は、単に特定の態様を説明する目的とするものであり、限定を意図するものではないことも理解されたい。本明細書に記載のものと類似または同等の任意の方法及び材料を、本発明の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法及び材料を以下に記載する。
本明細書で言及する全ての刊行物は、刊行物が引用されて関連する方法及び/または材料を開示及び記載するために参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で論じる刊行物は、本出願の出願日以前のその開示のためにのみ提供される。本明細書に記載のいずれも、本発明が先行発明によって、かかる刊行物に先行する権利がないという承認として解釈されるべきではない。
A.定義
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形は、文脈で明確に別段の指示が無い限り、複数の言及を含む。
範囲は、本明細書で「約」一特定の値から、及び/または「約」別の特定の値までとして表され得る。かかる範囲が表されるとき、さらなる態様は一特定の値から及び/または他の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」の使用によって、値が概数として表されるとき、特定の値がさらなる態様を形成することが理解されるだろう。それぞれの範囲の終点は、他の終点に関連して、及び他の終点から独立して、その両方で重要であることがさらに理解されるだろう。本明細書には多くの値が開示されており、その値自身に加えて、各値も本明細書で「約」その値と開示されることも理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」も開示される。二つの特定の単位間の各単位も開示されるということも理解される。例えば、10及び15が開示される場合、11、12、13、及び14も開示される。
組成物内の特定の要素または成分の重量部に対する本明細書及び請求項における言及は、重量部がそれについて表される、組成物または物品内の要素または成分及び任意の他の要素または成分間の重量の関係性を示す。ゆえに、2重量部の成分X及び5重量部の成分Yを含有する化合物において、X及びYは、2:5の重量比で存在し、化合物にさらなる成分が含有されているかいないかにかかわらず、かかる比率で存在する。
本明細書で用いるとき、用語「任意選択」または「任意選択的に」は、その後に記載される事象または出来事が起こり得るまたは起こり得ないことを意味し、その記載が前記事象または出来事が起こる場合及び起こらない場合を含むことを意味する。例えば、一態様では、標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む複合体は、任意選択的に検出可能標識を含み得る。一態様では、本開示の方法は、任意選択的に本開示の組成物及び/または複合体の投与を反復することを含み得る。
本明細書で用いるとき、用語「類似体」は、親化合物(例えば、本明細書に開示の化合物)の構造から由来する構造を有する化合物をさし、その構造は、本明細書に記載のそれと十分に類似し、その類似性に基づき、特許請求される化合物と同一または類似の活性及び有用性を呈する、または、前駆物質として特許請求される化合物と同一または類似の活性及び有用性を誘導すると当業者によって予期され得る。
本明細書で用いるとき、「相同体(homolog)」または「相同体(homologue)」は、特定の既知の配列に相同性を有するポリペプチドまたは核酸を指す。述べられたまたは既知の配列に対して、少なくとも40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99またはそれ以上の相同性パーセントを有する本明細書に開示の核酸及びポリペプチドの変異体を具体的に開示する。当業者は、どのようにして二つ以上のタンパク質または二つ以上の核酸の相同性を決定するかを容易に理解する。例えば、相同性は、相同性がその最高水準であるように、二つ以上の配列を整列させた後に算出され得る。本開示の遺伝子及び本明細書のタンパク質の任意の変異体、変更形態、及び誘導体を規定するための一方法は、特定の既知の配列に対する相同性に関して変異体、変更形態、及び誘導体を規定することを通してなされることが理解される。
本明細書で用いるとき、「アプタマー」は、好ましくは特定の方法で、標的分子と相互作用する分子を指す。一般的には、アプタマーは、ステムループまたはGカルテットなどの、定義された二次及び三次構造へと折りたたまれた15~50塩基の長さの小核酸である。アプタマーは、小分子及び大分子を結合し得る。アプタマーは、標的分子からのKdが10-12M未満で非常に堅固に結合し得る。アプタマーは、非常に高度の特異性で標的分子を結合し得る。アプタマーは当該分野で周知であり、種々の異なる標的分子を結合するためのアプタマーの作成及び使用方法の代表的な例は、米国特許の次の非限定的なリストにおいて見出され得る:5,476,766号、5,503,978号、5,631,146号、5,731,424号、5,780,228号、5,792,613号、5,795,721号、5,846,713号、5,858,660号、5,861,254号、5,864,026号、5,869,641号、5,958,691号、6,001,988号、6,011,020号、6,013,443号、6,020,130号、6,028,186号、6,030,776号、及び6,051,698号。
本明細書で用いるとき、「標的化部分」は、例えばB細胞などの、細胞または細胞の集団の表面上にある認識分子に特異的であり得る。本開示の組成物及び方法の一態様では、標的化部分は、限定されないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、完全長抗体、キメラ抗体、Fab’、Fab、F(ab)2、F(ab’)2、シングルドメイン抗体(DAB)、Fv、一本鎖Fv(scFv)、ミニボディ、ダイアボディ、トリアボディ、ハイブリッド断片、ファージディスプレイ抗体、リボソームディスプレイ抗体、ペプチド、ペプチドリガンド、ホルモン、成長因子、サイトカイン、糖類または多糖類、及びアプタマーを含むことができる。
本明細書で用いるとき、用語「対象」は、投与の標的、例えば動物を指す。用語「対象」は、飼育動物(例えば、ネコ、イヌ等)、家畜(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ等)、及び実験動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモット、ショウジョウバエ等)も含む。ゆえに、本明細書に開示の方法の対象は、哺乳類、魚類、鳥類、爬虫類または両生類などの脊椎動物であり得る。あるいは、本明細書に開示の方法の対象は、ヒト、非ヒト霊長類、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ネコ、モルモット、又は齧歯類であり得る。本用語は、特定の年齢または性別を示さない。ゆえに、成人及び新生児対象、ならびに胎児、男女いずれも、が包含されると意図される。一態様では、対象はヒト患者であり得る。
患者は、例えば、B細胞悪性腫瘍、炎症性障害、及びB細胞の関与する自己免疫疾患などの一つ以上の疾患または障害に罹患する対象を指す。一態様では、疾患及び障害は、限定されないが、非ホジキンリンパ腫、関節リウマチ、慢性リンパ性白血病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、自己免疫性溶血性貧血、赤芽球ろう、特発性血小板減少性紫斑病、エヴァンス症候群、血管炎、水疱性皮膚症、1型糖尿病、シェーグレン症候群、デビック病、またはグレーブス病眼症を含む。一態様では、対象は、次の一つ以上を有し得る:非ホジキンリンパ腫、臓器移植、関節リウマチ、慢性リンパ性白血病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、自己免疫性溶血性貧血、赤芽球ろう、特発性血小板減少性紫斑病、エヴァンス症候群、血管炎、水疱性皮膚症、1型糖尿病、シェーグレン症候群、デビック病、またはグレーブス病眼症。一態様では、患者はJCウイルスを有する。一態様では、患者は、臓器移植を受けている。本開示の方法の一態様では、患者は、投与ステップの前に一つ以上の前述の疾患または障害の処置が必要であると診断されている。本開示の方法の一態様では、患者は、例えば、悪性B細胞などの悪性細胞のアポトーシスを誘導する必要があると診断されている。
本明細書で用いるとき、「非ホジキンリンパ腫」または「NHL」は、リンパ組織の癌を指す。異質の病状として、NHLは、リンパ節及び全身系統の膨大を引き起こし得る。
本明細書で用いるとき、用語「処置」は、疾患、病態、または障害(例えば、B細胞悪性腫瘍、炎症性障害、及びB細胞の関与する自己免疫疾患など)を治療、改善、安定化、または予防することを意図した患者の医療管理を指す。この用語は、積極的処置、つまり、疾患、病態、または障害の改善に特異的に向けられた処置を含み、原因処置、つまり関連する疾患、病態、または障害の原因の除去に向けられた処置も含む。加えて、この用語は、緩和処置、つまり、疾患、病態、または障害の治療よりも症状の緩和のために設計された処置;予防的治療、つまり関連する疾患、病態、または障害の進展を最小化するまたは部分的または完全に阻害する処置;及び支持処置、つまり、関連する疾患、病態、または障害の改善に向けられた別の特定の治療法を補完するために採用される処置を含む。様々な態様では、本用語は、哺乳類(例えば、ヒト)を含む、対象の任意の処置を包含し、(i)まだ疾患を有すると診断されていないが、素因があり得る対象における疾患の発症を予防すること;(ii)疾患を阻害すること、すなわちその進展を阻止すること;または(iii)疾患を緩和すること、すなわち疾患の退縮を引き起こすことを含む。
本明細書で用いるとき、用語「予防」または「予防する」は、特に事前の作用によって、何かが起こることを、排除する、回避する、除去する、未然に防ぐ、停止する、または妨げることを指す。低減する、阻害するまたは予防するが本明細書で使用される場合、特に別段の指示がない限り、他の二つの単語の使用も明確に開示されることが理解される。一態様では、悪性の細胞増殖を予防することが意図される。
本明細書で用いるとき、用語「診断される」は、当業者、例えば医師による身体検査を受けており、本明細書に開示の化合物、組成物、または方法によって診断または処置され得る病状を有すると見出されていることを意味する。例えば、「NHLと診断される」は、当業者、例えば医師による身体検査を受けており、悪性細胞の増殖を予防または阻害し得る及び/またはB細胞などの細胞の集団においてアポトーシスを誘導し得る化合物または組成物によって診断され得るまたは処置され得る病状を有すると見出されていることを意味する。さらなる例として、「アポトーシスを誘導する必要があると診断される」は、当業者、例えば医師による身体検査を受けており、細胞の集団のアポトーシスを誘導することが対象に利益をもたらすだろう、悪性細胞の増殖または他の疾患を特徴とする病状を有すると見出されていることを指す。かかる診断は、本明細書に記載のように、例えばNHL等の障害に関連し得る。
本明細書で用いるとき、「一つ以上のオリゴヌクレオチド」は「一つ以上のモルフォリノ」を指し得る。例えば、一態様では本開示のコポリマー担体は、一つ以上のグラフトされたオリゴヌクレオチドを含み得、または一つ以上のグラフトされたモルフォリノを含み得る。一態様では、「一つ以上のオリゴヌクレオチド」または「一つ以上のモルフォリノ」は、1モルフォリノ、または2モルフォリノ、または3モルフォリノ、または4モルフォリノ、または5モルフォリノ、または6モルフォリノ、または7モルフォリノ、または8モルフォリノ、または9モルフォリノ、または10モルフォリノを含み得る。例えば、一態様では、本開示のコポリマーは、1モルフォリノを含み得る。一態様では、本開示のコポリマーは、3モルフォリノを含み得る。一態様では、本開示のコポリマーは、10モルフォリノを含み得る。一態様では、本開示のコポリマーは、10超のグラフトされたモルフォリノを含み得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、一つ以上のグラフトされたMORF2モルフォリノを含み得る。例えば、本開示のコポリマー-MORF2複合体は1つのグラフトされたモルフォリノ、または3つのグラフトされたモルフォリノ、または10のグラフトされたモルフォリノ、10超のグラフトされたモルフォリノを含み得る。例えば、本開示のコポリマー-MORF2複合体は、1つのグラフトされたMORF2、または3つのグラフトされたMORF2、または10のグラフトされたMORF2、または10超のグラフトされたMORF2を含み得る。
本明細書で用いるとき、語句「障害のための処置が必要であると同定される」または類似の表現は、障害の処置への必要性に基づいた対象の選択を指す。例えば、対象は、当業者による先の診断に基づいて、障害(例えば、NHLまたは悪性の細胞増殖に関連する何か他の障害または細胞の集団のアポトーシスを必要とする障害)の処置の必要性を有すると同定され得、その後に障害のための処置に供された。同定は、一態様では、診断をなした人とは異なる人によってなされ得ることが企図される。さらなる態様では、診断を行った人によって投与が行われ得ることも企図される。
本明細書で用いるとき、用語「投与すること」及び「投与」は、本開示の組成物、複合体、または医薬製剤を対象に提供する任意の方法を指す。かかる方法は、当業者に周知であり、限定されないが、経口投与、経皮投与、吸入による投与、経鼻投与、局所投与、膣内投与、点眼、経耳投与、脳内投与、直腸投与、舌下投与、バッカル投与、及び、静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、及び皮下投与などの注射剤を含む非経口投与を含む。投与は、連続的または間欠性であり得る。種々の態様では、製剤は、治療的に投与され得る;つまり、存在する疾患または病状を処置するために投与され得る。さらに種々の態様では、製剤は予防的に投与され得る;つまり疾患または病状の予防のために投与され得る。一態様では、当業者は、アポトーシスを誘導するように、本開示の組成物または本開示の複合体についての投与の有効用量、有効計画、または有効経路を決定することができる。一態様では、当業者は、本開示の複合体または本開示の組成物の有効性を改善するように、投与ステップの態様を変更または修正することもできる。
本明細書で用いるとき、「一つ以上の投与ステップを変更する」は、一つ以上の本開示の組成物または本開示の複合体の投与を変えるまた修正することを含み得る。一態様では、標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む複合体を投与することは、例えば、投与経路を変える、または組成物の用量を変える、または投与のタイミングを変える、または投与の頻度を変える、またはそれらの組み合わせによって、変更され得る。一態様では、コポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む複合体の投与は、例えば、投与経路を変える、または組成物の用量を変える、または投与のタイミングを変える、または投与の頻度を変える、またはそれらの組み合わせによって、変更され得る。一態様では、一つ以上の投与ステップの変更は、標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む複合体の投与を変更すること、及びコポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む複合体の投与を変更することを含み得る。
用語「接触する」は、本明細書で用いるとき、本開示の組成物、化合物、または複合体と目的の標的(例えば、細胞または細胞の集団、受容体、抗原、または他の生物学的実体など)を、本開示の組成物、化合物、または複合体が目的の標的(例えば、受容体、転写因子、細胞、細胞の集団、等)の活性に影響を及ぼし得る方法で、直接的(すなわち、標的自身と相互作用することによって)、または間接的(すなわち、標的の活性が依存する別の分子、余因子、因子、またはタンパク質と相互作用することによって)のいずれかで一緒にすることを指す。一態様では、本開示の組成物または複合体は、例えば、B細胞などの細胞または細胞の集団と接触し得る。
本明細書で用いるとき、用語「決定する」は、発現及び/または活性レベルまたは有病率及び/または発生率における活性または事象または数量または量または変化を測定するまたは確かめることを指し得る。例えば、決定は、アポトーシス誘導の数量または量を測定するまたは確かめることを指し得る。決定は、カスパーゼ活性または発現の数量または量を測定するまたは確かめることも指し得る。本明細書で用いる、発現及び/または活性レベルまたは有病率及び/または発生率における活性または事象または数量または量又は変化を決定するために使用される方法及び技術は、なんらかの定量化可能な値を測定または確かめるために当業者がとるであろうステップを指し得る。当該分野は、発現及び/または活性レベルまたは有病率及び/または発生率における活性または事象または数量または量または変化を測定する方法に精通している。
本明細書で用いるとき、用語「有効量」及び「有効な量」は、所望の結果を達成するまたは望ましくない病状に影響を与えるのに十分な量を指す。例えば、「治療有効量」は、所望の治療結果を達成するまたは望ましくない症状に影響を与えるのに十分であるが、通常、有害副作用を引き起こすには不十分である量を指す。例えば、一態様では、本開示の組成物または複合体の有効量は、所望の細胞または細胞の集団においてアポトーシスを誘導するのに有効な量である。任意の特定の患者のための特定の治療有効用量レベルは、処置される障害及び障害の重症度;採用される特定の組成物;患者の年齢、体重、一般健康状態、性別、及び食事;投与の時間;投与の経路;採用される特定の化合物の排出速度;処置の期間;採用される特定の化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物を含む種々の因子及び医療分野で周知の同様の因子に依存するだろう。例えば、所望の治療効果を達成するために必要なものより低いレベルで本開示の組成物または複合体の投薬を開始し、所望の効果が達成されるまで徐々に用量を増加させることは十分に当該分野の範囲内である。必要に応じて、有効一日用量は、投与の目的のために複数の用量に分割され得る。その結果、単回投与組成物は、一日用量を構成するためにかかる量またはその約数を含有し得る。用量は、任意の禁忌の事象において個別の医師によって調整され得る。用量は変動することができ、一日に一回以上の投薬を、一日または数日にわたって投与され得る。一態様では、製剤は「予防有効量」;つまり、疾患または病状の予防のために有効な量で投与され得る。
用語「薬学的に許容され得る」は、生物学的にまたは他に望ましくないことがない、すなわち、許容できないレベルの望ましくない生物学的影響を引き起こすまたは有害な様式での相互作用することがない、材料を説明する。本明細書で用いるとき、用語「薬学的に許容され得る担体」は、滅菌水性または非水性溶液、分散液、懸濁剤または乳剤、ならびに使用直前に滅菌注射用溶液または分散液へと再構成するための滅菌粉末を指す。好適な水性及び非水性担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例は、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロース及びその好適な混合物、植物油(オリーブオイルなど)及びオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルを含む。これらの組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤などの補助剤も含有し得る。微生物の作用の予防は、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の種々の抗菌剤及び抗真菌剤を含むことによって確保され得る。糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を含むことも望ましくあり得る。注射用医薬形態の持続的吸収は、吸収を遅延させるモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの薬剤の包含によってもたらされ得る。注射用デポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリド、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)などの生分解性ポリマー中に薬物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製される。ポリマーに対する薬物の比及び採用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出の速度は制御され得る。デポー注射製剤は、身体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルジョン中に薬物を閉じ込めることによっても調製される。注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターに通して濾過することによって、または使用直前に滅菌水または他の滅菌注射用媒体に溶解または分散させることができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌され得る。好適な不活性担体は、ラクトースなどの糖を含み得る。
i)コポリマー
従来のコポリマーは、世界中の多くの研究室で、及びいくつかの臨床試験でも使用されている。(その全体において参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,037,883号を参照)。例えば、N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)(HPMA)コポリマーは、(1)生体適合性であり、十分に確立された安全性プロフィールを有する;(2)水溶性であり、低分子量(遊離型、非結合)薬物と比較したとき良好な薬物動態を有する;及び(3)優れた化学的柔軟性(すなわち、異なる側鎖を含有するモノマーは、容易に合成され、その構造中に組み込まれ得る)を有する。しかしながら、HPMAポリマーは分解性ではなく、HPMAポリマーの分子量は、生体適合性を維持するために、腎閾値未満に保たれるべきである。これは、EPR(血管透過性・滞留性亢進)効果を介して、固形腫瘍におけるHPMAポリマーの血管内半減期及び蓄積を制限する。
これらの制限を克服するために、骨格分解性HPMAコポリマー担体が開発された。コポリマー担体は、酵素的に分解可能な配列(すなわち、カテプシンB、マトリックスメタロプロテアーゼ(matrix matalloproteinases)等によって)を主鎖(すなわち、ポリマー骨格)内に、及び酵素的に分解可能な側鎖(すなわち、薬物放出のために)を含有し得る。(例えば、その全体において参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/583,270を参照)。細胞のリソソームコンパートメントに到着する際、薬物は放出され、それに付随してポリマー担体は、腎閾値未満の分子に分解され、対象から除去され得る。ゆえに、分子量の増加したジブロックまたはマルチブロック生分解性コポリマーが生成され得る。これは、さらに、本明細書に開示のコポリマー-MORF2複合体の血液循環時間を向上させ得、それは、例えば、循環癌細胞(すなわち、悪性B細胞)を標的とする薬物を含まない高分子治療に好適である。さらには、米国特許第4,062,831号は、水溶性ポリマーの範囲を記載し、米国特許第5,037,883号は、種々のペプチド配列を記載し、その両方はその全体において参照により本明細書に組み込まれる。
ii)モルフォリノ
本明細書に開示の組成物及び方法は、化学的に修飾された骨格を有する生体適合性の、合成のオリゴヌクレオチド類似体を活用し得る。以下に示す概略図は、いくつかの類似体を一覧表示し、これらの類似体と天然DNAの特性を比較する。
これらの特性に基づき、本開示の組成物及び方法は、天然のDNAまたはRNAとは互換性がない。むしろ、類似体は生体適合性及び非分解性でないといけないため、本開示の組成物及び方法は、ホスホロジアミデート(phophorodiamidate)モルフォリノオリゴヌクレオチド(モルフォリノまたはMORFとしても知られる)を活用し得る。モルフォリノは、化学的に修飾された、非電荷骨格を有し、そのそれぞれが6員モルホリン環に連結された4つの核酸塩基(A、T、G、及びC)の1つを含有する、4つの異なるサブユニットから組み立てられる。サブユニットは、非イオン性ホスホロジアミデート(phosphordiamidate)結合によって結合されてモルフォリノオリゴヌクレオチドを生成する。モルフォリノは、また、強い結合親和性(すなわち、低nMからpMレベルまでのKd)、高い配列特異性、及び十分に実証された安全性プロファイルを有する。さらには、モルフォリノの免疫原性は、高度に配列依存性であり、それゆえに、取り組まれ得る。モルフォリノの合成、構造及び結合特徴は、米国特許第5,698,685号、5,217,866号、5,142,047号、5,034,506号、5,166,315号、5,521,063号、及び5,506,337号に詳述されており、そのそれぞれがその全体において参照により本明細書に組み込まれる。
より長い長さを有する本開示のモルフォリノは、より高い特異性及びより強い結合親和性を提供する;しかしながら、かかるモルフォリノは、劣った水溶性も有する。当該分野では、14bp~15bpのモルフォリノが理想的な標的化効果を維持するために必要な最低限の長さであると考える。25bpのモルフォリノは、強い結合親和性及び良好な水溶性(約5~30mN)を確保し得る。例えば、本開示の組成物及び方法において25bpのモルフォリノを使用することで、MORF1及びMORF2のハイブリダイゼーションへの立体障害の影響を避けることができる。より長い配列は、ハイブリダイゼーションに、より良好な「立体柔軟性」を提供し得る。従って、本開示の組成物及び方法では、モルフォリノは、10bp~40bpを含み得る。一態様では、例えば、モルフォリノは、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40bpの長さであり得る。
本開示のモルフォリノのA/T/C/G含有量は、三つの因子:(1)G+C含有量(G及びCの数または割合)、(2)G含有量(Gの数または割合)、及び(3)C含有量(Cの数または割合)に基づいて決定され得る。
G+C含有量について、本開示のモルフォリノは、約35%から約65%のG+C含有量を含み得る。この範囲は、最適な結合効率及び特異性を提供し得る。G含有量について、本開示のモルフォリノは、約36%未満のG含有量を含み得る。このレベルのG含有量は、良好な水溶解度を提供し得る;しかしながら、4またはそれ以上のGの反復は避けるべきである。C含有量について、本開示のモルフォリノは、7未満のC含有量を含み得る。このレベルのC含有量は、モルフォリノの腎臓蓄積を高める好ましくない効果を回避し得ることを保証し得る。さらには、一つ以上のモルフォリノとコポリマーのコンジュゲーションは、モルフォリノの薬物動態プロファイルを好ましく変更し得、腎臓蓄積を(モルフォリノとFab’断片のコンジュゲーションと比較して)低減させ得る。表1は、変動するC含有量のレベルを含むモルフォリノの腎臓蓄積を示す。25Cを有するモルフォリノは、注射わずか3時間後に正常マウスの腎臓において最も高い蓄積割合を有した(Liuら、2004)。
本開示の組成物及び方法では、Fab’断片にコンジュゲートされたモルフォリノは、より多くのA及びより少ないCを含み得、一方でコポリマーにコンジュゲートされた一つ以上のモルフォリノは、より多くのC及びより少ないAを含み得る。従って、一態様では、25bpのモルフォリノは、3C、6G、12A、4T(G+C=36%、G=24%)を含み得る。相補的な25bpのモルフォリノは、6C、3G、4A、12T(G+C=36%、G=12%)を含み得る。
各モルフォリノの核酸塩基組成を決定した後に、公的にアクセス可能な、オンライン配列「スクランブラ―」を、ヒトmRNAとの最小のオフターゲット結合を確保するために使用することができる。さらには、公的にアクセス可能な、オンライン配列解析ソフトウェアを、最小限の自己相補性を確保するために使用することができる。本明細書に開示の実験では、自己相補性を避けるために配列解析を行うとき、「自己二量体化のために必要な最小限の塩基対」及び「ヘアピンのために必要な最小限の塩基対」を、「2」及び「2」(10bp及び12bpについて);「3」及び「3」(15bp、18bp、20bp、23bp、及び25bpについて);「4」及び「4」(28bp、30bp、32bp、及び35bpについて);及び「5」及び「4」(38bp及び40bpについて)に設定した。表2は、本開示の組成物及び方法で使用するための例示的なモルフォリノの一覧を提供する。
一態様では、本開示のモルフォリノの対間でのハイブリダイゼーションは、塩基対合(すなわち、特定の水素結合パターン)によって達成され得る。ハイブリダイゼーションは、塩基スタッキング(すなわち、π相互作用)によって維持され得る。本開示のモルフォリノの対間でのハイブリダイゼーションは、コイルドコイルペプチドの形成より特異的であることに留意されたい。
一態様では、本開示の組成物及び方法で活用されるモルフォリノは、完全に相補的(100%)であり得、または完全より少なく相補的であり得る。それゆえ、一態様では、Fab’-MORF1複合体のモルフォリノ及びコポリマー-MORF2複合体の一つ以上のモルフォリノの相補性の割合は、80~85%、85~90%、90~95%、または95~100%相補的であり得る。一態様では、Fab’-MORF1複合体のモルフォリノ及びコポリマー-MORF2複合体の一つ以上のモルフォリノは、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%相補的であり得る。一態様では、Fab’-MORF1複合体のモルフォリノ及びコポリマー-MORF2複合体の一つ以上のモルフォリノは、少なくとも93%相補的であり得る。
一態様では、Fab’-MORF1複合体のモルフォリノ及びコポリマー-MORF2複合体の一つ以上のモルフォリノは、15nM未満の平衡解離定数Kdを有し得る。一態様では、Fab’-MORF1複合体のモルフォリノ及びコポリマー-MORF2複合体の一つ以上のモルフォリノは、10-7Mより小さい結合定数(Kd)を有し得る。一態様では、Fab’-MORF1複合体のモルフォリノ及びコポリマー-MORF2複合体の一つ以上のモルフォリノは、10-9Mより小さい結合定数(Kd)を有し得る。
B.組成物
i)標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む複合体
標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む複合体を本明細書に開示する。一態様では、本開示の複合体は、検出可能な標識を含む。検出可能な標識は当業者に周知であり、限定されないが、ローダミン、FITC、Cy3、Cy3.5、Cy5、Texas Red、Alexa Fluor488、Alexa Fluor610、Alexa Fluor647、及びAlexa Fluor750を含む。
本開示の複合体の一態様では、標的化部分は、非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子について特異的であり得る。非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子の例は、当業者に周知である。一態様では、非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子は、細胞または細胞の集団上にあり得る。一態様では、細胞または細胞の集団は、B細胞であり得る。一態様では、B細胞は、正常B細胞であり得る。一態様では、B細胞は、悪性B細胞であり得る。
本開示の複合体の一態様では、非内在化細胞表面分子は受容体であり得る。一態様では、緩徐内在化細胞表面分子は受容体であり得る。例えば、非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子は、限定されないが、CD20受容体、タンパク質チロシンホスファターゼ受容体C型(PTPRC)、細胞表面死受容体、前立腺幹細胞抗原(PSCA)受容体、及び腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーに属する受容体を含み得る。腫瘍壊死因子(TNFR)スーパーファミリーは、細胞死受容体5(DR5)、FAS受容体(CD95)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー18(TNFRSF18)、及びTNF様弱性アポトーシス誘導因子(TWEAKまたはTNFSF12)を含む。一態様では、受容体は、CD20受容体であり得る。一態様では、受容体は、タンパク質チロシンホスファターゼ受容体C型(PTPRC)であり得る。一態様では、受容体は、細胞表面死受容体であり得る。一態様では、受容体は、細胞死受容体4(DR4)であり得る。一態様では、受容体は、前立腺幹細胞抗原(PSCA)受容体であり得る。一態様では、受容体は、細胞死受容体5(DR5)であり得る。一態様では、受容体は、FAS受容体(CD95)であり得る。一態様では、受容体は、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー18(TNFRSF18)であり得る。一態様では、受容体は、アポトーシス受容体のTNF様弱性アポトーシス誘導因子(TWEAKまたはTNFSF12)であり得る。
本開示の複合体の一態様では、標的化部分は、多糖類、ペプチドリガンド、アプタマー、Fab’断片、または一本鎖可変部(single-chain variable fragment)であり得る。一態様では、標的化部分は、多糖類であり得る。一態様では、標的化部分は、ペプチドリガンドであり得る。一態様では、標的化部分は、アプタマーであり得る。一態様では、標的化部分は、一本鎖可変部であり得る。一態様では、標的化部分は、Fab’断片であり得る。一態様では、Fab’断片は、ヒト化され得る。一態様では、Fab’断片は、抗CD20受容体抗体から由来し得る。抗CD20受容体抗体の例は当該分野で周知であり、限定されないが、1F5、リツキシマブ、トシツモマブ、イブリツモマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、オクレリズマブ、オカラツズマブ(ocaratuzumab)、オビヌツズマブ(obinutuzumab)、PRO131921、BCD-020、IBI-301、ウブリツキシマブ(Ublituximab)、及びBLX-301を含む。一態様では、抗CD20受容体抗体は、1F5であり得る。
オリゴヌクレオチドは、当該分野で周知である。本開示の複合体の一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、非分解性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、水溶性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、電荷中性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性及び非分解性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、水溶性及び電荷中性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、次の一つ以上であり得る:生体適合性、非分解性、水溶性、及び電荷中性。例えば、一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性、非分解性、水溶性、及び電荷中性である。
本開示の複合体の一態様では、オリゴヌクレオチドは、ペプチド核酸であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、モルフォリノであり得る。一態様では、本開示のモルフォリノは、例えば、ヒトゲノムなどのゲノムの任意のmRNA標的に結合しない。一態様では、本開示のモルフォリノは、自己相補的でない。一態様では、モルフォリノは、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)修飾であり得る。
本開示の複合体の一態様では、モルフォリノは、10bp~40bpを含む。例えば、モルフォリノは、10bpの長さ、11bpの長さ、12bpの長さ、13bpの長さ、14bpの長さ、15bpの長さ、16bpの長さ、17bpの長さ、18bpの長さ、19bpの長さ、20bpの長さ、21bpの長さ、22bpの長さ、23bpの長さ、24bpの長さ、25bpの長さ、26bpの長さ、27bpの長さ、28bpの長さ、29bpの長さ、30bpの長さ、31bpの長さ、32bpの長さ、33bpの長さ、34bpの長さ、35bpの長さ、36bpの長さ、37bpの長さ、38bpの長さ、39bpの長さ、または40bpの長さであり得る。
一態様では、モルフォリノは、5’GAACTAATGCAATAACTATCACGAATGCGGGTAACTTAAT3’(配列番号1)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’ATTAAGTTACCCGCATTCGTGATAGTTATTGCATTAGTTC3’(配列番号2)であり得る。一態様では、モルフォリノは、GAAACCGCTATTTATTGGCTAAGAACAGATACGAATCATA3’(配列番号3)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’TATGATTCGTATCTGTTCTTAGCCAATAAATAGCGGTTTC3’(配列番号4)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’GTAAACGCGACAAATGCCGATAATGCTTCGATAATAAT3’(配列番号5)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’ATTATTATCGAAGCATTATCGGCATTTGTCGCGTTTAC3’(配列番号6)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’GACAGAGTTCACTATGACAAACGATTTCACGAGTAATA3’(配列番号7)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’TATTACTCGTGAAATCGTTTGTCATAGTGAACTCTGTC3’(配列番号8)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’CCTGATACAGAAGTAGAAAGCAGTCACGCAATATA3’(配列番号9)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’TATATTGCGTGACTGCTTTCTACTTCTGTATCAGG3’(配列番号10)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’GAACAACGAGAGGTGCTCAATACAGATATCAATCA3’(配列番号11)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’TGATTGATATCTGTATTGAGCACCTCTCGTTGTTC3’(配列番号12)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’AGTCATAGATAGACAGAATAGCCGGATAAACT3’(配列番号13)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’AGTTTATCCGGCTATTCTGTCTATCTATGACT3’(配列番号14)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’GATACAGAAGTAGAAAGCAGTCACGCAATATA3’(配列番号15)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’TATATTGCGTGACTGCTTTCTACTTCTGTATC3’(配列番号16)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’GGCATAGATAACAGAATAGCCGGATAAACT3’(配列番号17)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’AGTTTATCCGGCTATTCTGTTATCTATGCC3’(配列番号18)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’GACCAGTAGATAAGTGAACCAGATTGAACA3’(配列番号19)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’TGTTCAATCTGGTTCACTTATCTACTGGTC3’(配列番号20)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’GAGTACAGCCAGAGAGAGAATCAATATA3’(配列番号21)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’TATATTGATTCTCTCTCTGGCTGTACTC3’(配列番号22)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’GTGAACACGAAAGAGTGACGCAATAAAT3’(配列番号23)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’ATTTATTGCGTCACTCTTTCGTGTTCAC3’(配列番号24)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’GAGTAAGCCAAGGAGAATCAATATA3’(配列番号25)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’TATATTGATTCTCCTTGGCTTACTC3’(配列番号26)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’AGATGACGATAAAGACGCAAAGATT3’(配列番号27)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’AATCTTTGCGTCTTTATCGTCATCT3’(配列番号28)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’GGACCAAGTAAACAGGGATATAT3’(配列番号29)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’ATATATCCCTGTTTACTTGGTCC3’(配列番号30)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’GCTGAAAACCAATATGAGAGTGA3’(配列番号31)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’TCACTCTCATATTGGTTTTCAGC3’(配列番号32)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’GATGAAGTACCGACAAGATA3’(配列番号33)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’TATCTTGTCGGTACTTCATC3’(配列番号34)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’GACAGGATGAATAACACAGT3’(配列番号35)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’ACTGTGTTATTCATCCTGTC3’(配列番号36)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’GCAGCAAACGAAGTATAT3’(配列番号37)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’ATATACTTCGTTTGCTGC3’(配列番号38)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’GTCATAACAGAACAGGTA3’(配列番号39)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’TACCTGTTCTGTTATGAC3’(配列番号40)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’TCAAGACAGAAGGAT3’(配列番号41)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’ATCCTTCTGTCTTGA3’(配列番号42)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’TAGCAACATAGGAAG3’(配列番号43)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’CTTCCTATGTTGCTA3’(配列番号44)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’CAGAGAGCATAT3’(配列番号45)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’ATATGCTCTCTG3’(配列番号46)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’CAAGAGGTACAT3’(配列番号47)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’ATGTACCTCTTG3’(配列番号48)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’AAGAGGTACA3’(配列番号49)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’TGTACCTCTT3’(配列番号50)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’AAGGACAGTA3’(配列番号51)であり得る。一態様では、モルフォリノは、5’TACTGTCCTT3’(配列番号52)であり得る。
本開示の複合体の一態様では、モルフォリノは、25bpの長さであり得、3シチジン、6グアノシン、12アデノシン、及び4チミジンを含み得る。例えば、一態様では、3シチジン、6グアノシン、12アデノシン、及び4チミジンを含むモルフォリノは、5’GAGTAAGCCAAGGAGAATCAATATA3’(配列番号25)であり得る。一態様では、本開示の複合体のモルフォリノは、約35%から約65%のGC含有量を含み得る。一態様では、モルフォリノは36%未満のG含有量を含み得る。一態様では、モルフォリノは、7つ以下のCを含み得る。
本開示の複合体の一態様では、標的化部分は、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされ得る。コンジュゲーションの種類及びコンジュゲートの方法は、当該分野で周知である。一態様では、本開示の複合体の標的化部分は、オリゴヌクレオチドに、例えば、共有結合を介してコンジュゲートされ得る。一態様では、標的化部分は、オリゴヌクレオチドに、チオール基を介してコンジュゲートされ得る。チオール基は、当該分野で周知である。本開示の複合体の一態様では、標的化部分は、オリゴヌクレオチドに、チオエーテル結合、チオール-マレイミド結合、チオール-ビニルスルホン結合、チオール-ハロゲノ結合、チオール-ペンタフルオロフェニルエステル結合、チオール-エン結合、またはチオール-イン結合を介してコンジュゲートされ得る。
標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む複合体であって、標的化部分はFab’断片であり、Fab’断片はCD20受容体に特異的であり、オリゴヌクレオチドはモルフォリノであり、及びFab’断片は、チオエーテル結合を介してモルフォリノにコンジュゲートされる、複合体を本明細書に開示する。
ii)コポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む複合体
コポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む複合体を本明細書に開示する。一態様では、本開示の複合体は、検出可能な標識を含む。検出可能な標識は当該分野で周知であり、限定されないが、ローダミン、FITC、Cy3、Cy3.5、Cy5、Texas Red、Alexa Fluor488、Alexa Fluor610、Alexa Fluor647、及びAlexa Fluor750を含む。
本開示の複合体の一態様では、コポリマー担体は、水溶性であり得る。本開示のコポリマーの一態様では、コポリマー担体は、一本の主鎖及び一本以上の側鎖を含み得る。一態様では、主鎖担体は、酵素的に分解可能な配列を含み得る。一態様では、一本以上の側鎖は酵素的に分解可能な配列を含み得る。一態様では、一本以上の側鎖は、官能基で終わり得る。官能基は、当該分野で周知であり、限定されないが、アミン反応性活性エステル、マレイミド、アジド、及びアルキンを含む。一態様では、官能基は、本開示のコポリマー複合体の一本以上の側鎖への一つ以上のオリゴヌクレオチドの結合を可能にし得る。一態様では、一本以上の側鎖は、本開示の官能基を介して一つ以上のオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされ得る。一態様では、主鎖は、N-メタクリロイルグリシルグリシン-チアゾリジン-2-チオン(MA-GG-TT)モノマーと共重合したN-(2-ヒドロキシプロピル)メチルアクリルアミド(HPMA)を含み得る。一態様では、主鎖は、N-メタクリロイルグリシルグリシン-p-ニトロフェニルエステル(MA-GG-ONp)モノマーと共重合したN-(2-ヒドロキシプロピル)メチルアクリルアミド(HPMA)を含み得る。
オリゴヌクレオチドは、当該分野で周知である。本開示の複合体の一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、非分解性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、水溶性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、電荷中性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性及び非分解性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、水溶性及び電荷中性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、次の一つ以上であり得る:生体適合性、非分解性、水溶性、及び電荷中性。例えば、一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性、非分解性、水溶性、及び電荷中性である。
本開示の複合体の一態様では、一つ以上のオリゴヌクレオチドは、ペプチド核酸であり得る。一態様では、一つ以上のオリゴヌクレオチドは、モルフォリノであり得る。一態様では、本開示の一つ以上のモルフォリノは、例えば、ヒトゲノムなどの、ゲノムの任意のmRNA標的に結合しない。一態様では、本開示の一つ以上のモルフォリノは、自己相補的でない。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、アミン誘導体化され得る。典型的には官能基として求核剤の添加を必然的に含み、アミン誘導体化及びチオール誘導体化を含む誘導体化は、当該分野で周知である。一態様では、本開示の一つ以上のモルフォリノは、アミンペンタフルオロフェニルエステル、アミンサクシニミドキシエステル、またはアミンカルボキシルの使用を通して生成され得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、チオール誘導体化され得る。一態様では、本開示の一つ以上のモルフォリノは、チオール-マレイミドの使用を通して生成され得る。
一態様では、本開示のコポリマーは、一つ以上のグラフトされたモルフォリノを含み得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、1モルフォリノ、または2モルフォリノ、または3モルフォリノ、または4モルフォリノ、または5モルフォリノ、または6モルフォリノ、または7モルフォリノ、または8モルフォリノ、または9モルフォリノ、または10モルフォリノを含み得る。例えば、一態様では、本開示のコポリマーは、1モルフォリノを含み得る。一態様では、本開示のコポリマーは、3モルフォリノを含み得る。一態様では、本開示のコポリマーは、10モルフォリノを含み得る。一態様では、本開示のコポリマーは、10超のグラフトされたモルフォリノを含み得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、一つ以上のグラフトされたMORF2モルフォリノを含み得る。例えば、本開示のコポリマー-MORF2複合体は、1つのグラフトされたモルフォリノを含み得る。一態様では、本開示のコポリマー-MORF2複合体は、3つのグラフトされたモルフォリノを含み得る。一態様では、本開示のコポリマー-MORF2複合体は、10のグラフトされたモルフォリノを含み得る。一態様では、本開示のコポリマー-MORF2複合体は、10超のグラフトされたモルフォリノを含み得る。一態様では、一つ以上のオリゴヌクレオチドは、同一のオリゴヌクレオチドを含み得るか、異なるオリゴヌクレオチドを含み得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、同一のモルフォリノを含み得るか、異なるモルフォリノを含み得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノまたはグラフトされたモルフォリノは、同一の配列を有し得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノまたはグラフトされたモルフォリノは、異なる配列を有し得る。例えば、一態様では複数のモルフォリノが存在し得、ここで一つ以上のモルフォリノは、異なる配列を含み、または一つ以上のモルフォリノは同一の配列またはその組み合わせを含む。
本開示の複合体の一態様では、一つ以上のモルフォリノは、約35%から約65%のGC含有量を含み得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、36%未満のG含有量を含み得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、7つ以下のCを含み得る。
本開示の複合体の一態様では、一つ以上のモルフォリノは10bp~40bpを含む。例えば、モルフォリノは、10bpの長さ、11bpの長さ、12bpの長さ、13bpの長さ、14bpの長さ、15bpの長さ、16bpの長さ、17bpの長さ、18bpの長さ、19bpの長さ、20bpの長さ、21bpの長さ、22bpの長さ、23bpの長さ、24bpの長さ、25bpの長さ、26bpの長さ、27bpの長さ、28bpの長さ、29bpの長さ、30bpの長さ、31bpの長さ、32bpの長さ、33bpの長さ、34bpの長さ、35bpの長さ、36bpの長さ、37bpの長さ、38bpの長さ、39bpの長さ、または40bpの長さであり得る。
[107] 一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’GAACTAATGCAATAACTATCACGAATGCGGGTAACTTAAT3’(配列番号1)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’ATTAAGTTACCCGCATTCGTGATAGTTATTGCATTAGTTC3’(配列番号2)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、GAAACCGCTATTTATTGGCTAAGAACAGATACGAATCATA3’(配列番号3)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’TATGATTCGTATCTGTTCTTAGCCAATAAATAGCGGTTTC3’(配列番号4)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’GTAAACGCGACAAATGCCGATAATGCTTCGATAATAAT3’(配列番号5)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’ATTATTATCGAAGCATTATCGGCATTTGTCGCGTTTAC3’(配列番号6)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’GACAGAGTTCACTATGACAAACGATTTCACGAGTAATA3’(配列番号7)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’TATTACTCGTGAAATCGTTTGTCATAGTGAACTCTGTC3’(配列番号8)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’CCTGATACAGAAGTAGAAAGCAGTCACGCAATATA3’(配列番号9)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGCGTGACTGCTTTCTACTTCTGTATCAGG3’(配列番号10)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’GAACAACGAGAGGTGCTCAATACAGATATCAATCA3’(配列番号11)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’TGATTGATATCTGTATTGAGCACCTCTCGTTGTTC3’(配列番号12)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’AGTCATAGATAGACAGAATAGCCGGATAAACT3’(配列番号13)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’AGTTTATCCGGCTATTCTGTCTATCTATGACT3’(配列番号14)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’GATACAGAAGTAGAAAGCAGTCACGCAATATA3’(配列番号15)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGCGTGACTGCTTTCTACTTCTGTATC3’(配列番号16)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’GGCATAGATAACAGAATAGCCGGATAAACT3’(配列番号17)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’AGTTTATCCGGCTATTCTGTTATCTATGCC3’(配列番号18)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’GACCAGTAGATAAGTGAACCAGATTGAACA3’(配列番号19)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’TGTTCAATCTGGTTCACTTATCTACTGGTC3’(配列番号20)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’GAGTACAGCCAGAGAGAGAATCAATATA3’(配列番号21)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGATTCTCTCTCTGGCTGTACTC3’(配列番号22)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’GTGAACACGAAAGAGTGACGCAATAAAT3’(配列番号23)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’ATTTATTGCGTCACTCTTTCGTGTTCAC3’(配列番号24)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’GAGTAAGCCAAGGAGAATCAATATA3’(配列番号25)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGATTCTCCTTGGCTTACTC3’(配列番号26)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’AGATGACGATAAAGACGCAAAGATT3’(配列番号27)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’AATCTTTGCGTCTTTATCGTCATCT3’(配列番号28)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’GGACCAAGTAAACAGGGATATAT3’(配列番号29)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’ATATATCCCTGTTTACTTGGTCC3’(配列番号30)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’GCTGAAAACCAATATGAGAGTGA3’(配列番号31)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’TCACTCTCATATTGGTTTTCAGC3’(配列番号32)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’GATGAAGTACCGACAAGATA3’(配列番号33)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’TATCTTGTCGGTACTTCATC3’(配列番号34)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’GACAGGATGAATAACACAGT3’(配列番号35)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’ACTGTGTTATTCATCCTGTC3’(配列番号36)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’GCAGCAAACGAAGTATAT3’(配列番号37)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’ATATACTTCGTTTGCTGC3’(配列番号38)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’GTCATAACAGAACAGGTA3’(配列番号39)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’TACCTGTTCTGTTATGAC3’(配列番号40)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’TCAAGACAGAAGGAT3’(配列番号41)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’ATCCTTCTGTCTTGA3’(配列番号42)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’TAGCAACATAGGAAG3’(配列番号43)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’CTTCCTATGTTGCTA3’(配列番号44)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’CAGAGAGCATAT3’(配列番号45)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’ATATGCTCTCTG3’(配列番号46)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’CAAGAGGTACAT3’(配列番号47)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’ATGTACCTCTTG3’(配列番号48)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’AAGAGGTACA3’(配列番号49)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’TGTACCTCTT3’(配列番号50)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’AAGGACAGTA3’(配列番号51)であり得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、5’TACTGTCCTT3’(配列番号52)であり得る。
一態様では、本開示の複合体の一つ以上のモルフォリノは、25bpの長さであり得、6シチジン、3グアノシン、4アデノシン、及び12チミジンを含み得る。例えば、一態様では、6シチジン、3グアノシン、4アデノシン、及び12チミジンを含む一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGATTCTCCTTGGCTTACTC3’(配列番号26)であり得る。
コポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む複合体であって、コポリマー担体が主鎖及び一本以上の側鎖を含み、コポリマー担体がN-メタクリロイルグリシルグリシン-チアゾリジン-2-チオン(MA-GG-TT)モノマーと共重合したN-(2-ヒドロキシプロピル)メチルアクリルアミド(HPMA)を含み、一本以上の側鎖が一つ以上のオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされ得、一つ以上のオリゴヌクレオチドがモルフォリノである、複合体を本明細書に開示する。
iii)キット
標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む第一の複合体とコポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む第二の複合体を含むキットを本明細書に開示する。一態様では、本明細書に開示のキットは、標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む第一の複合体とコポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む第二の複合体を投与するための説明書を含み得る。
標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む第一の複合体、コポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む第二の複合体、及び第一の複合体及び第二の複合体を投与するための説明書を含むキットを本明細書に開示する。
一態様では、第一の複合体及び第二の複合体は同時に処方される。一態様では、第一の複合体及び第二の複合体は、同梱される。
本開示のキットの一態様では、標的化部分は、非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子に特異的であり得る。非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子の例は、当該分野で周知である。一態様では、非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子は、細胞または細胞の集団上にあり得る。一態様では、細胞または細胞の集団は、B細胞であり得る。一態様では、B細胞は、正常B細胞であり得る。一態様では、B細胞は、悪性B細胞であり得る。
本開示のキットの一態様では、非内在化細胞表面分子は受容体であり得る。一態様では、緩徐内在化細胞表面分子は受容体であり得る。例えば、非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子は、限定されないが、CD20受容体、タンパク質チロシンホスファターゼ受容体C型(PTPRC)、細胞表面死受容体、前立腺幹細胞抗原(PSCA)受容体、及び腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーに属する受容体を含む。腫瘍壊死因子(TNFR)スーパーファミリーは、細胞死受容体5(DR5)、FAS受容体(CD95)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー18(TNFRSF18)、及びTNF様弱性アポトーシス誘導因子(TWEAKまたはTNFSF12)を含む。一態様では、受容体は、CD20受容体であり得る。一態様では、受容体は、タンパク質チロシンホスファターゼ受容体C型(PTPRC)であり得る。一態様では、受容体は、細胞表面死受容体であり得る。一態様では、受容体は、細胞死受容体4(DR4)であり得る。一態様では、受容体は、前立腺幹細胞抗原(PSCA)受容体であり得る。一態様では、受容体は、細胞死受容体5(DR5)である。一態様では、受容体は、FAS受容体(CD95)であり得る。一態様では、受容体は、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー18(TNFRSF18)であり得る。一態様では、受容体は、アポトーシス受容体のTNF様弱性アポトーシス誘導因子(TWEAKまたはTNFSF12)であり得る。
一態様では、本開示のキットの標的化部分は、多糖類、ペプチドリガンド、アプタマー、Fab’断片、または一本鎖可変部であり得る。一態様では、標的化部分は、多糖類であり得る。一態様では、標的化部分は、ペプチドリガンドであり得る。一態様では、標的化部分は、アプタマーであり得る。一態様では、標的化部分は、一本鎖可変部であり得る。一態様では、標的化部分は、Fab’断片であり得る。一態様では、Fab’断片は、ヒト化され得る。一態様では、Fab’断片は、抗CD20受容体抗体から由来し得る。抗CD20受容体抗体の例は当該分野で周知であり、限定されないが、1F5、リツキシマブ、トシツモマブ、イブリツモマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、オクレリズマブ、オカラツズマブ、オビヌツズマブ、PRO131921、BCD-020、IBI-301、ウブリツキシマブ、及びBLX-301を含む。一態様では、抗CD20受容体抗体は、1F5であり得る。
本開示のキットの一態様では、コポリマー担体は、水溶性であり得る。一態様では、本開示のコポリマー担体は、一本の主鎖及び一本以上の側鎖を含み得る。一態様では、コポリマー担体の主鎖は、酵素的に分解可能な配列を含み得る。一態様では、コポリマー担体の一本以上の側鎖は、酵素的に分解可能な配列を含み得る。一態様では、コポリマー担体の一本以上の側鎖は、官能基で終わり得る。官能基は、当該分野で周知であり、限定されないが、アミン反応性活性エステル、マレイミド、アジド、ジスルフィド、及びアルキンを含む。一態様では、官能基は、コポリマー複合体の一本以上の側鎖への一つ以上のオリゴヌクレオチドの結合を可能にし得る。一態様では、一本以上の側鎖は、一つ以上のオリゴヌクレオチドに、官能基を介してコンジュゲートされ得る。一態様では、本開示のコポリマー担体の主鎖は、N-メタクリロイルグリシルグリシン-チアゾリジン-2-チオン(MA-GG-TT)モノマーと共重合したN-(2-ヒドロキシプロピル)メチルアクリルアミド(HPMA)を含み得る。一態様では、コポリマー担体の主鎖は、N-メタクリロイルグリシルグリシン-p-ニトロフェニルエステル(MA-GG-ONp)モノマーと共重合したN-(2-ヒドロキシプロピル)メチルアクリルアミド(HPMA)を含み得る。
オリゴヌクレオチドは、当該分野で周知である。一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性であり得る。一態様では、本開示のキットのオリゴヌクレオチドは、非分解性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは水溶性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、電荷中性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性及び非分解性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、水溶性及び電荷中性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、次の一つ以上であり得る:生体適合性、非分解性、水溶性、及び電荷中性。例えば、一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性、非分解性、水溶性、及び電荷中性である。
本開示のキットの一態様では、オリゴヌクレオチドは、ペプチド核酸であり得る。一態様では、本開示のオリゴヌクレオチドは、モルフォリノであり得る。一態様では、本開示のモルフォリノは、例えば、ヒトゲノムなどのゲノムの任意のmRNA標的に結合しない。一態様では、本開示のモルフォリノは、自己相補的でない。本開示のキットの一態様では、第一の複合体のモルフォリノ及び第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、相補的であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、自己相補的でない。一態様では、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、自己相補的でない。一態様では、第一の複合体のモルフォリノ及び第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、10-7Mより小さいKdを有し得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノ及び第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、10-9Mより小さいKdを有し得る。
一態様では、本開示のキットのコポリマーは、一つ以上のグラフトされたモルフォリノを含み得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、1モルフォリノ、または2モルフォリノ、または3モルフォリノ、または4モルフォリノ、または5モルフォリノ、または6モルフォリノ、または7モルフォリノ、または8モルフォリノ、または9モルフォリノ、または10モルフォリノを含み得る。例えば、一態様では、本開示のコポリマーは、1モルフォリノを含み得る。一態様では、本開示のコポリマーは、3モルフォリノを含み得る。一態様では、本開示のコポリマーは、10モルフォリノを含み得る。一態様では、本開示のコポリマーは、10超のグラフトされたモルフォリノを含み得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、一つ以上のグラフトされたMORF2モルフォリノを含み得る。例えば、本開示のコポリマー-MORF2複合体は、1つのグラフトされたモルフォリノを含み得る。一態様では、本開示のコポリマー-MORF2複合体は、3つのグラフトされたモルフォリノを含み得る。一態様では、本開示のコポリマー-MORF2複合体は、10のグラフトされたモルフォリノを含み得る。一態様では、本開示のコポリマー-MORF2複合体は、10超のグラフトされたモルフォリノを含み得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノまたはグラフトされたモルフォリノは、同一の配列を有し得る。一態様では、一つ以上のモルフォリノは、異なる配列を有し得る。例えば、一態様では、複数のモルフォリノが存在し得、ここで一つ以上のモルフォリノは、異なる配列を含み、または一つ以上のモルフォリノは同一の配列またはその組み合わせを含む。
本開示のキットの一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、10bp~40bpを含み得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、10bp~40bpを含み得る。例えば、一態様では、本開示のキット内のそれぞれのモルフォリノは、10bpの長さ、12bpの長さ、15bpの長さ、18bpの長さ、20bpの長さ、23bpの長さ、25bpの長さ、28bpの長さ、30bpの長さ、32bpの長さ、35bpの長さ、38bpの長さ、または40bpの長さであり得る。一態様では、それぞれのモルフォリノは、約35%から約65%のGC含有量を含み得る。一態様では、それぞれのモルフォリノは、36%未満のG含有量を含み得る。一態様では、それぞれのモルフォリノは、7つ以下のCを含み得る。
本開示のキットの一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、40bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、40bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GAACTAATGCAATAACTATCACGAATGCGGGTAACTTAAT3’(配列番号1)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATTAAGTTACCCGCATTCGTGATAGTTATTGCATTAGTTC3’(配列番号2)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、GAAACCGCTATTTATTGGCTAAGAACAGATACGAATCATA3’(配列番号3)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATGATTCGTATCTGTTCTTAGCCAATAAATAGCGGTTTC3’(配列番号4)であり得る。
本開示のキットの一態様では、第一の複合体のモルフォリノは38bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは38bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GTAAACGCGACAAATGCCGATAATGCTTCGATAATAAT3’(配列番号5)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATTATTATCGAAGCATTATCGGCATTTGTCGCGTTTAC3’(配列番号6)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GACAGAGTTCACTATGACAAACGATTTCACGAGTAATA3’(配列番号7)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATTACTCGTGAAATCGTTTGTCATAGTGAACTCTGTC3’(配列番号8)であり得る。
本開示のキットの一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、35bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、35bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’CCTGATACAGAAGTAGAAAGCAGTCACGCAATATA3’(配列番号9)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGCGTGACTGCTTTCTACTTCTGTATCAGG3’(配列番号10)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GAACAACGAGAGGTGCTCAATACAGATATCAATCA3’(配列番号11)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TGATTGATATCTGTATTGAGCACCTCTCGTTGTTC3’(配列番号12)であり得る。
本開示のキットの一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、32bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、32bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’AGTCATAGATAGACAGAATAGCCGGATAAACT3’(配列番号13)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’AGTTTATCCGGCTATTCTGTCTATCTATGACT3’(配列番号14)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GATACAGAAGTAGAAAGCAGTCACGCAATATA3’(配列番号15)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGCGTGACTGCTTTCTACTTCTGTATC3’(配列番号16)であり得る。
本開示のキットの一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、30bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、30bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GGCATAGATAACAGAATAGCCGGATAAACT3’(配列番号17)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’AGTTTATCCGGCTATTCTGTTATCTATGCC3’(配列番号18)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GACCAGTAGATAAGTGAACCAGATTGAACA3’(配列番号19)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TGTTCAATCTGGTTCACTTATCTACTGGTC3’(配列番号20)であり得る。
本開示のキットの一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、28bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、28bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GAGTACAGCCAGAGAGAGAATCAATATA3’(配列番号21)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGATTCTCTCTCTGGCTGTACTC3’(配列番号22)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GTGAACACGAAAGAGTGACGCAATAAAT3’(配列番号23)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATTTATTGCGTCACTCTTTCGTGTTCAC3’(配列番号24)であり得る。
本開示のキットの一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、25bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、25bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GAGTAAGCCAAGGAGAATCAATATA3’(配列番号25)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGATTCTCCTTGGCTTACTC3’(配列番号26)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’AGATGACGATAAAGACGCAAAGATT3’(配列番号27)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’AATCTTTGCGTCTTTATCGTCATCT3’(配列番号28)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、3C、6G、12A、及び4Tを含み得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは6C、3G、4A、及び12Tを含み得る。
本開示のキットの一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、23bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、23bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GGACCAAGTAAACAGGGATATAT3’(配列番号29)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATATATCCCTGTTTACTTGGTCC3’(配列番号30)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GCTGAAAACCAATATGAGAGTGA3’(配列番号31)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TCACTCTCATATTGGTTTTCAGC3’(配列番号32)であり得る。
本開示のキットの一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、20bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、20bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GATGAAGTACCGACAAGATA3’(配列番号33)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATCTTGTCGGTACTTCATC3’(配列番号34)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GACAGGATGAATAACACAGT3’(配列番号35)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ACTGTGTTATTCATCCTGTC3’(配列番号36)であり得る。
本開示のキットの一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、18bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、18bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GCAGCAAACGAAGTATAT3’(配列番号37)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATATACTTCGTTTGCTGC3’(配列番号38)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GTCATAACAGAACAGGTA3’(配列番号39)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TACCTGTTCTGTTATGAC3’(配列番号40)であり得る。
本開示のキットの一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、15bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、15bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’TCAAGACAGAAGGAT3’(配列番号41)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATCCTTCTGTCTTGA3’(配列番号42)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’TAGCAACATAGGAAG3’(配列番号43)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’CTTCCTATGTTGCTA3’(配列番号44)であり得る。
本開示のキットの一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、12bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、12bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’CAGAGAGCATAT3’(配列番号45)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATATGCTCTCTG3’(配列番号46)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’CAAGAGGTACAT3’(配列番号47)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATGTACCTCTTG3’(配列番号48)であり得る。
本開示のキットの一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、10bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、10bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’AAGAGGTACA3’(配列番号49)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TGTACCTCTT3’(配列番号50)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’AAGGACAGTA3’(配列番号51)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TACTGTCCTT3’(配列番号52)であり得る。
iv)医薬組成物
一つ以上の本開示の複合体を含む本開示の組成物を含む医薬組成物を本明細書に開示する。例えば、一態様では、本開示の医薬組成物は、(i)標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む複合体及び(ii)薬学的に許容され得る担体を含む。一態様では、本開示の医薬組成物は、(i)コポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む複合体及び(ii)薬学的に許容され得る担体を含む。一態様では、本開示の医薬組成物は、(i)標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む第一の複合体、(ii)コポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む第二の複合体、及び(iii)薬学的に許容され得る担体を含む。
一態様では、本開示の医薬組成物は、B細胞悪性腫瘍、炎症性障害、またはB細胞の関与する自己免疫疾患の処置を必要とする対象に投与され得る。例えば、一態様では、本開示の医薬組成物は、NHLの処置を必要とする対象に投与され得る。一態様では、本開示の医薬組成物は、次の一つ以上の処置を必要とする対象に投与され得る:関節リウマチ、慢性リンパ性白血病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、自己免疫性溶血性貧血、赤芽球ろう、特発性血小板減少性紫斑病、エヴァンス症候群、血管炎、水疱性皮膚症、1型糖尿病、シェーグレン症候群、デビック病、またはグレーブス病眼症。一態様では、対象は、次の一つ以上を有し得る:非ホジキンリンパ腫、臓器移植、関節リウマチ、慢性リンパ性白血病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、自己免疫性溶血性貧血、赤芽球ろう、特発性血小板減少性紫斑病、エヴァンス症候群、血管炎、水疱性皮膚症、1型糖尿病、シェーグレン症候群、デビック病、またはグレーブス病眼症。一態様では、本開示の医薬組成物は、臓器移植後の処置を必要とする患者に投与され得る。一態様では、本開示の医薬組成物は、処置を必要とする対象に投与され得、ここで患者はJCウイルスを有する。
採用される医薬担体は、例えば、固体、液体、または気体であり得る。固体担体の例としては、ラクトース、白土、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸が挙げられる。液体担体の例としては、糖シロップ、落花生油、オリーブオイル、及び水が挙げられる。気体担体の例としては、二酸化炭素及び窒素が挙げられる。
経口剤形用の組成物の調製において、任意の慣用の医薬媒体を採用することができる。例えば、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、防腐剤、着色剤などを用いて、懸濁液、エリキシル及び溶液などの経口液体製剤を形成することができる。一方で、デンプン、糖、微結晶セルロースなどの担体、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などを用いて、粉末、カプセル及び錠剤などの経口固体製剤を形成することができる。錠剤及びカプセルは、それにより固体の医薬的担体が用いられる好ましい経口投薬単位である。任意選択的に、錠剤に、標準的な水性または非水性の技術によるコーティングを施してよい。本明細書に開示の組成物または複合体を含有する錠剤は、任意選択的に一つ以上の副成分または補助剤とともに、圧縮または成形することにより調製され得る。圧縮錠剤は、好適な機械にて、任意選択的に結合剤、潤滑剤、不活性な希釈剤、界面活性剤または分散剤と混合した、粉末または顆粒などの流動性形態の本開示の組成物の複合体を圧縮することによって調製され得る。成形錠剤は、粉末化化合物の混合物を不活性な液体の希釈剤で湿らせ、適当な機械にて成形することにより作製することができる。
本開示の組成物は、本開示の化合物から調製され得ることが理解されたい。本開示の組成物は、本開示の使用法において採用され得ることも理解されたい。
C.方法
i)アポトーシスを誘導する方法
アポトーシスを誘導する方法であって、細胞の集団を標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む第一の複合体と接触させること;細胞の集団をコポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む第二の複合体と接触させることを含み、第一の複合体及び第二の複合体と細胞の接触が細胞のアポトーシスを誘導する方法を本明細書に開示する。一態様では、本開示の方法は、細胞の集団を標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む第一の複合体と接触させることを反復することを含み得る。一態様では、本開示の方法は、細胞の集団をコポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む第二の複合体と接触させることを反復することを含み得る。一態様では、本開示の方法は、細胞の集団を標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む第一の複合体と接触させること及び細胞の集団をコポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む第二の複合体と接触させることを含み得る。一態様では、当業者は、アポトーシスを誘導するように、本開示の組成物または本開示の複合体についての投与の有効用量、有効計画、または有効経路を決定することができる。
一態様では、アポトーシスを誘導する本開示の方法は、細胞のアポトーシスを確認することを含み得る。アポトーシスを確認する方法は、当該分野で周知であり、限定されないが、カスパーゼ3活性の測定、アネキシンV/ヨウ化プロピジウム結合の測定、及びターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼdUTPニック末端標識の測定を含む。一態様では、アポトーシスの確認は次の一つを含み得る:カスパーゼ3活性の測定、アネキシンV/ヨウ化プロピジウム結合の測定、及びターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼdUTPニック末端標識の測定。一態様では、アポトーシスの確認は次の二つを含み得る:カスパーゼ3活性の測定、アネキシンV/ヨウ化プロピジウム結合の測定、及びターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼdUTPニック末端標識の測定。一態様では、アポトーシスの確認は次の全てを含み得る:カスパーゼ3活性の測定、アネキシンV/ヨウ化プロピジウム結合の測定、及びターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼdUTPニック末端標識の測定。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、細胞の集団は、B細胞であり得る。一態様では、B細胞は、正常B細胞であり得る。一態様では、細胞は、悪性B細胞であり得る。一態様では、細胞の集団は、対象内にあり得る。一態様では、B細胞は、対象内にあり得る。一態様では、対象は、非ホジキンリンパ腫を有し得る。一態様では、対象は、臓器移植を受けたことがあり得る。一態様では、対象は、JCウイルスを有し得る。一態様では、対象は、関節リウマチ、慢性リンパ性白血病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、自己免疫性溶血性貧血、赤芽球ろう、特発性血小板減少性紫斑病、エヴァンス症候群、血管炎、水疱性皮膚症、1型糖尿病、シェーグレン症候群、デビック病、またはグレーブス病眼症を有し得る。一態様では、対象は、次の一つ以上を有し得る:非ホジキンリンパ腫、臓器移植、関節リウマチ、慢性リンパ性白血病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、自己免疫性溶血性貧血、赤芽球ろう、特発性血小板減少性紫斑病、エヴァンス症候群、血管炎、水疱性皮膚症、1型糖尿病、シェーグレン症候群、デビック病、またはグレーブス病眼症。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、標的化部分は、非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子について特異的であり得る。非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子の例は、当該分野で周知である。一態様では、非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子は、細胞または細胞の集団上にあり得る。一態様では、細胞または細胞の集団は、B細胞であり得る。一態様では、B細胞は正常B細胞であり得る。一態様では、B細胞は、悪性B細胞であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、非内在化細胞表面分子は受容体であり得る。一態様では、緩徐内在化細胞表面分子は受容体であり得る。例えば、非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子は、限定されないが、CD20受容体、タンパク質チロシンホスファターゼ受容体C型(PTPRC)、細胞表面死受容体、前立腺幹細胞抗原(PSCA)受容体、及び腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーに属する受容体を含む。腫瘍壊死因子(TNFR)スーパーファミリーは、細胞死受容体5(DR5)、FAS受容体(CD95)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー18(TNFRSF18)、及びTNF様弱性アポトーシス誘導因子(TWEAKまたはTNFSF12)を含む。一態様では、受容体は、CD20受容体であり得る。一態様では、受容体は、タンパク質チロシンホスファターゼ受容体C型(PTPRC)であり得る。一態様では、受容体は、細胞表面死受容体であり得る。一態様では、受容体は、細胞死受容体4(DR4)であり得る。一態様では、受容体は、前立腺幹細胞抗原(PSCA)受容体であり得る。一態様では、受容体は、細胞死受容体5(DR5)である。一態様では、受容体は、FAS受容体(CD95)であり得る。一態様では、受容体は、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー18(TNFRSF18)であり得る。一態様では、受容体は、TNF様弱性アポトーシス誘導因子受容体(TWEAKまたはTNFSF12)であり得る。
本開示の方法の一態様では、標的化部分は、多糖類、ペプチドリガンド、アプタマー、Fab’断片、または一本鎖可変部であり得る。一態様では、標的化部分は、多糖類であり得る。一態様では、標的化部分は、ペプチドリガンドであり得る。一態様では、標的化部分は、アプタマーであり得る。一態様では、標的化部分は、一本鎖可変部であり得る。一態様では、標的化部分は、Fab’断片であり得る。一態様では、Fab’断片は、ヒト化され得る。一態様では、Fab’断片は、抗CD20受容体抗体から由来し得る。抗CD20受容体抗体の例は、当該分野で周知であり、限定されないが、1F5、リツキシマブ、トシツモマブ、イブリツモマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、オクレリズマブ、オカラツズマブ、オビヌツズマブ、PRO131921、BCD-020、IBI-301、ウブリツキシマブ、及びBLX-301を含む。一態様では、抗CD20受容体抗体は、1F5であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、コポリマー担体は、水溶性であり得る。一態様では、コポリマー担体は、一本の主鎖及び一本以上の側鎖を含み得る。一態様では、コポリマー担体の主鎖は、酵素的に分解可能な配列を含み得る。一態様では、コポリマー担体の一本以上の側鎖は、酵素的に分解可能な配列を含み得る。一態様では、コポリマー担体の一本以上の側鎖は、官能基で終わり得る。官能基は、当該分野で周知であり、限定されないが、アミン反応性活性エステル、マレイミド、アジド、ジスルフィド、及びアルキンを含む。一態様では、官能基は、本開示のコポリマー複合体の一本以上の側鎖への一つ以上のオリゴヌクレオチドの結合を可能にし得る。一態様では、一本以上の側鎖は、本開示の官能基を介して一つ以上のオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされ得る。一態様では、本開示のコポリマー担体の主鎖は、N-メタクリロイルグリシルグリシン-チアゾリジン-2-チオン(MA-GG-TT)モノマーと共重合したN-(2-ヒドロキシプロピル)メチルアクリルアミド(HPMA)を含み得る。一態様では、本開示のコポリマー担体の主鎖は、N-メタクリロイルグリシルグリシン-p-ニトロフェニルエステル(MA-GG-ONp)モノマーと共重合したN-(2-ヒドロキシプロピル)メチルアクリルアミド(HPMA)を含み得る。
オリゴヌクレオチドは、当該分野で周知である。アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、非分解性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、水溶性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、電荷中性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性及び非分解性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、水溶性及び電荷中性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、次の一つ以上であり得る:生体適合性、非分解性、水溶性、及び電荷中性。例えば、一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性、非分解性、水溶性、及び電荷中性である。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、オリゴヌクレオチドは、ペプチド核酸であり得る。本開示の方法の一態様では、オリゴヌクレオチドは、モルフォリノであり得る。一態様では、モルフォリノは、例えば、ヒトゲノムなどのゲノムの任意のmRNA標的に結合しない。一態様では、モルフォリノは自己相補的でない。本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノ及び第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、相補的であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、自己相補的でない。一態様では、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、自己相補的でない。一態様では、第一の複合体のモルフォリノ及び第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、10-7Mより小さいKdを有し得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノ及び第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、10-9Mより小さいKdを有し得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、10bp~40bpを含み得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、10bp~40bpを含み得る。例えば、一態様では、本開示の方法におけるそれぞれのモルフォリノは、10bpの長さ、12bpの長さ、15bpの長さ、18bpの長さ、20bpの長さ、23bpの長さ、25bpの長さ、28bpの長さ、30bpの長さ、32bpの長さ、35bpの長さ、38bpの長さ、または40bpの長さであり得る。一態様では、それぞれのモルフォリノは、約35%から約65%のGC含有量を含み得る。一態様では、それぞれのモルフォリノは、36%未満のG含有量を含み得る。一態様では、それぞれのモルフォリノは、7つ以下のCを含み得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、40bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、40bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GAACTAATGCAATAACTATCACGAATGCGGGTAACTTAAT3’(配列番号1)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATTAAGTTACCCGCATTCGTGATAGTTATTGCATTAGTTC3’(配列番号2)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、GAAACCGCTATTTATTGGCTAAGAACAGATACGAATCATA3’(配列番号3)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATGATTCGTATCTGTTCTTAGCCAATAAATAGCGGTTTC3’(配列番号4)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、38bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、38bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GTAAACGCGACAAATGCCGATAATGCTTCGATAATAAT3’(配列番号5)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATTATTATCGAAGCATTATCGGCATTTGTCGCGTTTAC3’(配列番号6)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GACAGAGTTCACTATGACAAACGATTTCACGAGTAATA3’(配列番号7)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATTACTCGTGAAATCGTTTGTCATAGTGAACTCTGTC3’(配列番号8)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、35bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、35bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’CCTGATACAGAAGTAGAAAGCAGTCACGCAATATA3’(配列番号9)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGCGTGACTGCTTTCTACTTCTGTATCAGG3’(配列番号10)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GAACAACGAGAGGTGCTCAATACAGATATCAATCA3’(配列番号11)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TGATTGATATCTGTATTGAGCACCTCTCGTTGTTC3’(配列番号12)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、32bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、32bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’AGTCATAGATAGACAGAATAGCCGGATAAACT3’(配列番号13)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’AGTTTATCCGGCTATTCTGTCTATCTATGACT3’(配列番号14)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GATACAGAAGTAGAAAGCAGTCACGCAATATA3’(配列番号15)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGCGTGACTGCTTTCTACTTCTGTATC3’(配列番号16)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、30bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、30bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GGCATAGATAACAGAATAGCCGGATAAACT3’(配列番号17)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’AGTTTATCCGGCTATTCTGTTATCTATGCC3’(配列番号18)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GACCAGTAGATAAGTGAACCAGATTGAACA3’(配列番号19)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TGTTCAATCTGGTTCACTTATCTACTGGTC3’(配列番号20)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、28bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、28bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GAGTACAGCCAGAGAGAGAATCAATATA3’(配列番号21)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGATTCTCTCTCTGGCTGTACTC3’(配列番号22)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GTGAACACGAAAGAGTGACGCAATAAAT3’(配列番号23)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATTTATTGCGTCACTCTTTCGTGTTCAC3’(配列番号24)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、25bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、25bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GAGTAAGCCAAGGAGAATCAATATA3’(配列番号25)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGATTCTCCTTGGCTTACTC3’(配列番号26)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’AGATGACGATAAAGACGCAAAGATT3’(配列番号27)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’AATCTTTGCGTCTTTATCGTCATCT3’(配列番号28)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、3シチジン、6グアノシン、12アデノシン、及び4チミジンを含み得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、6シチジン、3グアノシン、4アデノシン、及び12チミジンを含み得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、23bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、23bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GGACCAAGTAAACAGGGATATAT3’(配列番号29)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATATATCCCTGTTTACTTGGTCC3’(配列番号30)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GCTGAAAACCAATATGAGAGTGA3’(配列番号31)であり得、ここで、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TCACTCTCATATTGGTTTTCAGC3’(配列番号32)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、20bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、20bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GATGAAGTACCGACAAGATA3’(配列番号33)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATCTTGTCGGTACTTCATC3’(配列番号34)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GACAGGATGAATAACACAGT3’(配列番号35)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ACTGTGTTATTCATCCTGTC3’(配列番号36)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、18bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、18bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GCAGCAAACGAAGTATAT3’(配列番号37)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATATACTTCGTTTGCTGC3’(配列番号38)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GTCATAACAGAACAGGTA3’(配列番号39)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TACCTGTTCTGTTATGAC3’(配列番号40)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、15bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、15bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’TCAAGACAGAAGGAT3’(配列番号41)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATCCTTCTGTCTTGA3’(配列番号42)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’TAGCAACATAGGAAG3’(配列番号43)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’CTTCCTATGTTGCTA3’(配列番号44)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、12bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、12bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’CAGAGAGCATAT3’(配列番号45)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATATGCTCTCTG3’(配列番号46)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’CAAGAGGTACAT3’(配列番号47)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATGTACCTCTTG3’(配列番号48)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、10bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、10bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’AAGAGGTACA3’(配列番号49)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TGTACCTCTT3’(配列番号50)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’AAGGACAGTA3’(配列番号51)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TACTGTCCTT3’(配列番号52)であり得る。
ii)アポトーシスを誘導する方法
アポトーシスを誘導する方法であって、細胞の集団を、標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む第一の複合体とコポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む複合体を含む第二の複合体とを含む組成物と接触させることを含み、該組成物と細胞の接触がアポトーシスを誘導する方法を本明細書に開示する。本開示の方法は、細胞と該組成物の接触を反復することを含み得る。本開示の方法は、細胞のアポトーシスを確認することを含み得る。アポトーシスを確認する方法は、当該分野で周知であり、限定されないが、カスパーゼ3活性の測定、アネキシンV/ヨウ化プロピジウム結合の測定、及びターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼdUTPニック末端標識の測定を含む。一態様では、アポトーシスの確認は次の一つを含み得る:カスパーゼ3活性の測定、アネキシンV/ヨウ化プロピジウム結合の測定、及びターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼdUTPニック末端標識の測定。一態様では、アポトーシスの確認は次の二つを含み得る:カスパーゼ3活性の測定、アネキシンV/ヨウ化プロピジウム結合の測定、及びターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼdUTPニック末端標識の測定。一態様では、アポトーシスの確認は次の全てを含み得る:カスパーゼ3活性の測定、アネキシンV/ヨウ化プロピジウム結合の測定、及びターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼdUTPニック末端標識の測定。一態様では、当業者は、アポトーシスを誘導するように、本開示の組成物または本開示の複合体についての投与の有効用量、有効計画、または有効経路を決定することができる。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、細胞の集団は、B細胞であり得る。一態様では、B細胞は、正常B細胞であり得る。一態様では、細胞は、悪性B細胞であり得る。一態様では、細胞の集団は、対象内にあり得る。一態様では、B細胞は、対象内にあり得る。一態様では、対象は、非ホジキンリンパ腫を有し得る。一態様では、対象は、臓器移植を受けたことがあり得る。一態様では、対象は、JCウイルスを有し得る。一態様では、対象は、関節リウマチ、慢性リンパ性白血病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、自己免疫性溶血性貧血、赤芽球ろう、特発性血小板減少性紫斑病、エヴァンス症候群、血管炎、水疱性皮膚症、1型糖尿病、シェーグレン症候群、デビック病、またはグレーブス病眼症を有し得る。一態様では、対象は、次の一つ以上を有し得る:非ホジキンリンパ腫、臓器移植、関節リウマチ、慢性リンパ性白血病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、自己免疫性溶血性貧血、赤芽球ろう、特発性血小板減少性紫斑病、エヴァンス症候群、血管炎、水疱性皮膚症、1型糖尿病、シェーグレン症候群、デビック病、またはグレーブス病眼症。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、非内在化細胞表面分子は受容体であり得る。一態様では、緩徐内在化細胞表面分子は受容体であり得る。例えば、非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子は、限定されないが、CD20受容体、タンパク質チロシンホスファターゼ受容体C型(PTPRC)、細胞表面死受容体、前立腺幹細胞抗原(PSCA)受容体、及び腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーに属する受容体を含む。腫瘍壊死因子(TNFR)スーパーファミリーは、細胞死受容体5(DR5)、FAS受容体(CD95)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー18(TNFRSF18)、及びTNF様弱性アポトーシス誘導因子(TWEAKまたはTNFSF12)を含む。一態様では、受容体は、CD20受容体であり得る。一態様では、受容体は、タンパク質チロシンホスファターゼ受容体C型(PTPRC)であり得る。一態様では、受容体は、細胞表面死受容体であり得る。一態様では、受容体は、細胞死受容体4(DR4)であり得る。一態様では、受容体は、前立腺幹細胞抗原(PSCA)受容体であり得る。一態様では、受容体は、細胞死受容体5(DR5)である。一態様では、受容体は、FAS受容体(CD95)であり得る。一態様では、受容体は、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー18(TNFRSF18)であり得る。一態様では、受容体は、TNF様弱性アポトーシス誘導因子受容体(TWEAKまたはTNFSF12)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、標的化部分は、多糖類、ペプチドリガンド、アプタマー、Fab’断片、または一本鎖可変部であり得る。一態様では、標的化部分は、多糖類であり得る。一態様では、標的化部分は、ペプチドリガンドであり得る。一態様では、標的化部分は、アプタマーであり得る。一態様では、標的化部分は、一本鎖可変部であり得る。一態様では、標的化部分は、Fab’断片であり得る。一態様では、Fab’断片は、ヒト化され得る。一態様では、Fab’断片は、抗CD20受容体抗体から由来し得る。抗CD20受容体抗体の例は、当該分野で周知であり、限定されないが、1F5、リツキシマブ、トシツモマブ、イブリツモマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、オクレリズマブ、オカラツズマブ、オビヌツズマブ、PRO131921、BCD-020、IBI-301、ウブリツキシマブ、及びBLX-301を含む。一態様では、抗CD20受容体抗体は、1F5であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、コポリマー担体は、水溶性であり得る。一態様では、コポリマー担体は、一本の主鎖及び一本以上の側鎖を含み得る。一態様では、コポリマー担体の主鎖は、酵素的に分解可能な配列を含み得る。一態様では、コポリマー担体の一本以上の側鎖は、酵素的に分解可能な配列を含み得る。一態様では、コポリマー担体の一本以上の側鎖は、官能基で終わり得る。官能基は、当該分野で周知であり、限定されないが、アミン反応性活性エステル、マレイミド、アジド、及びアルキンを含む。一態様では、官能基は、本開示のコポリマー複合体の一本以上の側鎖への一つ以上のオリゴヌクレオチドの結合を可能にし得る。一態様では、一本以上の側鎖は、本開示の官能基を介して一つ以上のオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされ得る。一態様では、主鎖は、N-メタクリロイルグリシルグリシン-チアゾリジン-2-チオン(MA-GG-TT)モノマーと共重合したN-(2-ヒドロキシプロピル)メチルアクリルアミド(HPMA)を含み得る。一態様では、コポリマー担体の主鎖(main chain copolymer carrier)は、N-メタクリロイルグリシルグリシン-p-ニトロフェニルエステル(MA-GG-ONp)モノマーと共重合したN-(2-ヒドロキシプロピル)メチルアクリルアミド(HPMA)を含み得る。
オリゴヌクレオチドは、当該分野で周知である。本開示の方法の一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、非分解性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、水溶性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、電荷中性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性及び非分解性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、水溶性及び電荷中性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、次の一つ以上であり得る:生体適合性、非分解性、水溶性、及び電荷中性。例えば、一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性、非分解性、水溶性、及び電荷中性である。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、オリゴヌクレオチドは、ペプチド核酸であり得る。本開示の方法の一態様では、オリゴヌクレオチドは、モルフォリノであり得る。一態様では、モルフォリノは、例えば、ヒトゲノムなどのゲノムの任意のmRNA標的に結合しない。一態様では、モルフォリノは自己相補的でない。本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノ及び第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは相補的であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、自己相補的でない。一態様では、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、自己相補的でない。一態様では、第一の複合体のモルフォリノ及び第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、10-7Mより小さいKdを有し得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノ及び第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、10-9Mより小さいKdを有し得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、10bp~40bpを含み得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、10bp~40bpを含み得る。例えば、一態様では、本開示の方法におけるそれぞれのモルフォリノは、10bpの長さ、12bpの長さ、15bpの長さ、18bpの長さ、20bpの長さ、23bpの長さ、25bpの長さ、28bpの長さ、30bpの長さ、32bpの長さ、35bpの長さ、38bpの長さ、または40bpの長さであり得る。一態様では、それぞれのモルフォリノは、約35%から約65%のGC含有量を含み得る。一態様では、それぞれのモルフォリノは、36%未満のG含有量を含み得る。一態様では、それぞれのモルフォリノは、7つ以下のCを含み得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、40bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、40bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GAACTAATGCAATAACTATCACGAATGCGGGTAACTTAAT3’(配列番号1)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATTAAGTTACCCGCATTCGTGATAGTTATTGCATTAGTTC3’(配列番号2)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、GAAACCGCTATTTATTGGCTAAGAACAGATACGAATCATA3’(配列番号3)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATGATTCGTATCTGTTCTTAGCCAATAAATAGCGGTTTC3’(配列番号4)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、38bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、38bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GTAAACGCGACAAATGCCGATAATGCTTCGATAATAAT3’(配列番号5)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATTATTATCGAAGCATTATCGGCATTTGTCGCGTTTAC3’(配列番号6)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GACAGAGTTCACTATGACAAACGATTTCACGAGTAATA3’(配列番号7)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATTACTCGTGAAATCGTTTGTCATAGTGAACTCTGTC3’(配列番号8)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、35bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、35bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’CCTGATACAGAAGTAGAAAGCAGTCACGCAATATA3’(配列番号9)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGCGTGACTGCTTTCTACTTCTGTATCAGG3’(配列番号10)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GAACAACGAGAGGTGCTCAATACAGATATCAATCA3’(配列番号11)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TGATTGATATCTGTATTGAGCACCTCTCGTTGTTC3’(配列番号12)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、32bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、32bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’AGTCATAGATAGACAGAATAGCCGGATAAACT3’(配列番号13)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’AGTTTATCCGGCTATTCTGTCTATCTATGACT3’(配列番号14)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GATACAGAAGTAGAAAGCAGTCACGCAATATA3’(配列番号15)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGCGTGACTGCTTTCTACTTCTGTATC3’(配列番号16)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、30bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、30bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GGCATAGATAACAGAATAGCCGGATAAACT3’(配列番号17)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’AGTTTATCCGGCTATTCTGTTATCTATGCC3’(配列番号18)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GACCAGTAGATAAGTGAACCAGATTGAACA3’(配列番号19)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TGTTCAATCTGGTTCACTTATCTACTGGTC3’(配列番号20)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、28bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、28bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GAGTACAGCCAGAGAGAGAATCAATATA3’(配列番号21)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGATTCTCTCTCTGGCTGTACTC3’(配列番号22)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GTGAACACGAAAGAGTGACGCAATAAAT3’(配列番号23)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATTTATTGCGTCACTCTTTCGTGTTCAC3’(配列番号24)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、25bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、25bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GAGTAAGCCAAGGAGAATCAATATA3’(配列番号25)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGATTCTCCTTGGCTTACTC3’(配列番号26)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’AGATGACGATAAAGACGCAAAGATT3’(配列番号27)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’AATCTTTGCGTCTTTATCGTCATCT3’(配列番号28)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、3シチジン、6グアノシン、12アデノシン、及び4チミジンを含み得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、6シチジン、3グアノシン、4アデノシン、及び12チミジンを含み得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、23bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、23bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GGACCAAGTAAACAGGGATATAT3’(配列番号29)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATATATCCCTGTTTACTTGGTCC3’(配列番号30)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GCTGAAAACCAATATGAGAGTGA3’(配列番号31)であり得、ここで第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TCACTCTCATATTGGTTTTCAGC3’(配列番号32)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、20bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、20bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GATGAAGTACCGACAAGATA3’(配列番号33)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATCTTGTCGGTACTTCATC3’(配列番号34)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GACAGGATGAATAACACAGT3’(配列番号35)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ACTGTGTTATTCATCCTGTC3’(配列番号36)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、18bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、18bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GCAGCAAACGAAGTATAT3’(配列番号37)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATATACTTCGTTTGCTGC3’(配列番号38)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GTCATAACAGAACAGGTA3’(配列番号39)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TACCTGTTCTGTTATGAC3’(配列番号40)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、15bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、15bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’TCAAGACAGAAGGAT3’(配列番号41)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATCCTTCTGTCTTGA3’(配列番号42)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’TAGCAACATAGGAAG3’(配列番号43)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’CTTCCTATGTTGCTA3’(配列番号44)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、12bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、12bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’CAGAGAGCATAT3’(配列番号45)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATATGCTCTCTG3’(配列番号46)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’CAAGAGGTACAT3’(配列番号47)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATGTACCTCTTG3’(配列番号48)であり得る。
アポトーシスを誘導する本開示の方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、10bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、10bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’AAGAGGTACA3’(配列番号49)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TGTACCTCTT3’(配列番号50)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’AAGGACAGTA3’(配列番号51)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TACTGTCCTT3’(配列番号52)であり得る。
iii)処置の方法
それを必要とする対象の処置方法であって、標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む第一の複合体を含む第一の組成物を対象に投与すること;及びコポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む第二の複合体を含む第二の組成物を対象に投与することを含み、第一の組成物及び第二の組成物の投与が、対象における細胞の標的集団のアポトーシスを誘導する方法を本明細書に開示する。一態様では、投与は、静脈内投与を含む。一態様では、本開示の方法は、第一の組成物の投与を反復することを含み得る。一態様では、本開示の方法は、第二の組成物の投与を反復することを含み得る。一態様では、本開示の方法は、第一の組成物の投与を反復すること及び第二の組成物の投与を反復することを含み得る。一態様では、本開示の方法は、細胞の標的集団のアポトーシスを確認することを含み得る。一態様では、当業者は、本開示の組成物または本開示の複合体について、それを必要とする対象を処置するための投与の有効用量、有効計画、または有効経路を決定し得る。
アポトーシスを確認する方法は、当該分野で周知であり、限定されないが、カスパーゼ3活性の測定、アネキシンV/ヨウ化プロピジウム結合の測定、及びターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼdUTPニック末端標識の測定を含む。一態様では、アポトーシスの確認は次の一つを含み得る:カスパーゼ3活性の測定、アネキシンV/ヨウ化プロピジウム結合の測定、及びターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼdUTPニック末端標識の測定。一態様では、アポトーシスの確認は次の二つを含み得る:カスパーゼ3活性の測定、アネキシンV/ヨウ化プロピジウム結合の測定、及びターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼdUTPニック末端標識の測定。一態様では、アポトーシスの確認は次の全てを含み得る:カスパーゼ3活性の測定、アネキシンV/ヨウ化プロピジウム結合の測定、及びターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼdUTPニック末端標識の測定。
本開示の処置方法の一態様では、細胞の集団は、B細胞であり得る。一態様では、B細胞は、正常B細胞であり得る。一態様では、細胞は悪性B細胞であり得る。一態様では、細胞の集団は、対象内にあり得る。一態様では、B細胞は、対象内にあり得る。一態様では、対象は、非ホジキンリンパ腫を有し得る。一態様では、対象は、臓器移植を受けたことがあり得る。一態様では、対象は、JCウイルスを有し得る。一態様では、対象は、関節リウマチ、慢性リンパ性白血病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、自己免疫性溶血性貧血、赤芽球ろう、特発性血小板減少性紫斑病、エヴァンス症候群、血管炎、水疱性皮膚症、1型糖尿病、シェーグレン症候群、デビック病、またはグレーブス病眼症を有し得る。一態様では、対象は、次の一つ以上を有し得る:非ホジキンリンパ腫、臓器移植、関節リウマチ、慢性リンパ性白血病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、自己免疫性溶血性貧血、赤芽球ろう、特発性血小板減少性紫斑病、エヴァンス症候群、血管炎、水疱性皮膚症、1型糖尿病、シェーグレン症候群、デビック病、またはグレーブス病眼症。
本開示の処置方法の一態様では、非内在化細胞表面分子は受容体であり得る。一態様では、緩徐内在化細胞表面分子は受容体であり得る。例えば、非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子は、限定されないが、CD20受容体、タンパク質チロシンホスファターゼ受容体C型(PTPRC)、細胞表面死受容体、前立腺幹細胞抗原(PSCA)受容体、及び腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーに属する受容体を含む。腫瘍壊死因子(TNFR)スーパーファミリーは、細胞死受容体5(DR5)、FAS受容体(CD95)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー18(TNFRSF18)、及びTNF様弱性アポトーシス誘導因子(TWEAKまたはTNFSF12)を含む。一態様では、受容体は、CD20受容体であり得る。一態様では、受容体は、タンパク質チロシンホスファターゼ受容体C型(PTPRC)であり得る。一態様では、受容体は、細胞表面死受容体であり得る。一態様では、受容体は、細胞死受容体4(DR4)であり得る。一態様では、受容体は、前立腺幹細胞抗原(PSCA)受容体であり得る。一態様では、受容体は、細胞死受容体5(DR5)である。一態様では、受容体は、FAS受容体(CD95)であり得る。一態様では、受容体は、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー18(TNFRSF18)であり得る。一態様では、受容体は、TNF様弱性アポトーシス誘導因子受容体(TWEAKまたはTNFSF12)であり得る。
本開示の処置方法の一態様では、標的化部分は、多糖類、ペプチドリガンド、アプタマー、Fab’断片、または一本鎖可変部であり得る。一態様では、標的化部分は、多糖類であり得る。一態様では、標的化部分は、ペプチドリガンドであり得る。一態様では、標的化部分は、アプタマーであり得る。一態様では、標的化部分は、一本鎖可変部であり得る。一態様では、標的化部分は、Fab’断片であり得る。一態様では、Fab’断片は、ヒト化され得る。一態様では、Fab’断片は、抗CD20受容体抗体から由来し得る。抗CD20受容体抗体の例は、当該分野で周知であり、及び限定されないが、1F5、リツキシマブ、トシツモマブ、イブリツモマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、オクレリズマブ、オカラツズマブ、オビヌツズマブ、PRO131921、BCD-020、IBI-301、ウブリツキシマブ、及びBLX-301を含む。一態様では、抗CD20受容体抗体は、1F5であり得る。
本開示の処置方法の一態様では、コポリマー担体は、水溶性であり得る。一態様では、コポリマー担体は、一本の主鎖及び一本以上の側鎖を含み得る。一態様では、コポリマー担体の主鎖は、酵素的に分解可能な配列を含み得る。一態様では、コポリマー担体の一本以上の側鎖は、酵素的に分解可能な配列を含み得る。一態様では、コポリマー担体の一本以上の側鎖は、官能基で終わり得る。官能基は、当該分野で周知であり、限定されないが、アミン反応性活性エステル、マレイミド、アジド、及びアルキンを含む。一態様では、官能基は、本開示のコポリマー複合体の一本以上の側鎖への一つ以上のオリゴヌクレオチドの結合を可能にし得る。一態様では、一本以上の側鎖は、本開示の官能基を介して一つ以上のオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされ得る。一態様では、本開示のコポリマー担体の主鎖は、N-メタクリロイルグリシルグリシン-チアゾリジン-2-チオン(MA-GG-TT)モノマーと共重合したN-(2-ヒドロキシプロピル)メチルアクリルアミド(HPMA)を含み得る。一態様では、本開示のコポリマー担体の主鎖は、N-メタクリロイルグリシルグリシン-p-ニトロフェニルエステル(MA-GG-ONp)モノマーと共重合したN-(2-ヒドロキシプロピル)メチルアクリルアミド(HPMA)を含み得る。
オリゴヌクレオチドは、当該分野で周知である。本開示の処置方法の一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、非分解性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、水溶性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、電荷中性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性及び非分解性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、水溶性及び電荷中性であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、次の一つ以上であり得る:生体適合性、非分解性、水溶性、及び電荷中性。例えば、一態様では、オリゴヌクレオチドは、生体適合性、非分解性、水溶性、及び電荷中性である。
本開示の処置方法の一態様では、オリゴヌクレオチドは、ペプチド核酸であり得る。本開示の方法の一態様では、オリゴヌクレオチドは、モルフォリノであり得る。一態様では、モルフォリノは、例えば、ヒトゲノムなどのゲノムの任意のmRNA標的に結合しない。一態様では、モルフォリノは自己相補的でない。一態様では、第一の複合体のモルフォリノ及び第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは相補的であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは自己相補的でない。一態様では、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、自己相補的でない。一態様では、第一の複合体のモルフォリノ及び第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、10-7Mより小さいKdを有し得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノ及び第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、10-9Mより小さいKdを有し得る。
本開示の処置方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、10bp~40bpを含み得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、10bp~40bpを含み得る。例えば、一態様では、本開示の方法におけるそれぞれのモルフォリノは、10bpの長さ、12bpの長さ、15bpの長さ、18bpの長さ、20bpの長さ、23bpの長さ、25bpの長さ、28bpの長さ、30bpの長さ、32bpの長さ、35bpの長さ、38bpの長さ、または40bpの長さであり得る。一態様では、それぞれのモルフォリノは、約35%から約65%のGC含有量を含み得る。一態様では、それぞれのモルフォリノは、36%未満のG含有量を含み得る。一態様では、それぞれのモルフォリノは、7つ以下のC核酸塩基を含み得る。
本開示の処置方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、40bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、40bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GAACTAATGCAATAACTATCACGAATGCGGGTAACTTAAT3’(配列番号1)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATTAAGTTACCCGCATTCGTGATAGTTATTGCATTAGTTC3’(配列番号2)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、GAAACCGCTATTTATTGGCTAAGAACAGATACGAATCATA3’(配列番号3)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATGATTCGTATCTGTTCTTAGCCAATAAATAGCGGTTTC3’(配列番号4)であり得る。
本開示の処置方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、38bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、38bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GTAAACGCGACAAATGCCGATAATGCTTCGATAATAAT3’(配列番号5)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATTATTATCGAAGCATTATCGGCATTTGTCGCGTTTAC3’(配列番号6)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GACAGAGTTCACTATGACAAACGATTTCACGAGTAATA3’(配列番号7)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATTACTCGTGAAATCGTTTGTCATAGTGAACTCTGTC3’(配列番号8)であり得る。
本開示の処置方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、35bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、35bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’CCTGATACAGAAGTAGAAAGCAGTCACGCAATATA3’(配列番号9)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGCGTGACTGCTTTCTACTTCTGTATCAGG3’(配列番号10)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GAACAACGAGAGGTGCTCAATACAGATATCAATCA3’(配列番号11)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TGATTGATATCTGTATTGAGCACCTCTCGTTGTTC3’(配列番号12)であり得る。
本開示の処置方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、32bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、32bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’AGTCATAGATAGACAGAATAGCCGGATAAACT3’(配列番号13)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’AGTTTATCCGGCTATTCTGTCTATCTATGACT3’(配列番号14)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GATACAGAAGTAGAAAGCAGTCACGCAATATA3’(配列番号15)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGCGTGACTGCTTTCTACTTCTGTATC3’(配列番号16)であり得る。
本開示の処置方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、30bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、30bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GGCATAGATAACAGAATAGCCGGATAAACT3’(配列番号17)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’AGTTTATCCGGCTATTCTGTTATCTATGCC3’(配列番号18)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GACCAGTAGATAAGTGAACCAGATTGAACA3’(配列番号19)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TGTTCAATCTGGTTCACTTATCTACTGGTC3’(配列番号20)であり得る。
本開示の処置方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、28bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、28bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GAGTACAGCCAGAGAGAGAATCAATATA3’(配列番号21)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGATTCTCTCTCTGGCTGTACTC3’(配列番号22)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GTGAACACGAAAGAGTGACGCAATAAAT3’(配列番号23)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATTTATTGCGTCACTCTTTCGTGTTCAC3’(配列番号24)であり得る。
本開示の処置方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、25bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、25bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GAGTAAGCCAAGGAGAATCAATATA3’(配列番号25)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATATTGATTCTCCTTGGCTTACTC3’(配列番号26)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’AGATGACGATAAAGACGCAAAGATT3’(配列番号27)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’AATCTTTGCGTCTTTATCGTCATCT3’(配列番号28)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、3シチジン、6グアノシン、12アデノシン、及び4チミジンを含み得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、6シチジン、3グアノシン、4アデノシン、及び12チミジンを含み得る。
本開示の処置方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、23bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、23bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GGACCAAGTAAACAGGGATATAT3’(配列番号29)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATATATCCCTGTTTACTTGGTCC3’(配列番号30)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GCTGAAAACCAATATGAGAGTGA3’(配列番号31)であり得、ここで、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TCACTCTCATATTGGTTTTCAGC3’(配列番号32)であり得る。
本開示の処置方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、20bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、20bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GATGAAGTACCGACAAGATA3’(配列番号33)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TATCTTGTCGGTACTTCATC3’(配列番号34)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GACAGGATGAATAACACAGT3’(配列番号35)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ACTGTGTTATTCATCCTGTC3’(配列番号36)であり得る。
本開示の処置方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、18bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、18bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GCAGCAAACGAAGTATAT3’(配列番号37)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATATACTTCGTTTGCTGC3’(配列番号38)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’GTCATAACAGAACAGGTA3’(配列番号39)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TACCTGTTCTGTTATGAC3’(配列番号40)であり得る。
本開示の処置方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、15bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、15bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’TCAAGACAGAAGGAT3’(配列番号41)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATCCTTCTGTCTTGA3’(配列番号42)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’TAGCAACATAGGAAG3’(配列番号43)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’CTTCCTATGTTGCTA3’(配列番号44)であり得る。
本開示の処置方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、12bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、12bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’CAGAGAGCATAT3’(配列番号45)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATATGCTCTCTG3’(配列番号46)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’CAAGAGGTACAT3’(配列番号47)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’ATGTACCTCTTG3’(配列番号48)であり得る。
本開示の処置方法の一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、10bpの長さであり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、10bpの長さであり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’AAGAGGTACA3’(配列番号49)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TGTACCTCTT3’(配列番号50)であり得る。一態様では、第一の複合体のモルフォリノは、5’AAGGACAGTA3’(配列番号51)であり得、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノは、5’TACTGTCCTT3’(配列番号52)であり得る。
D.合成
i)標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む複合体の合成
標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む複合体を合成するプロセスであって、標的化部分を得ること、オリゴヌクレオチドを修飾すること、及び標的化部分とオリゴヌクレオチドとをコンジュゲートすることを含むプロセスを本明細書に開示する。一態様では、標的化部分は、チオエーテル結合を介してオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされ得る。一態様では、オリゴヌクレオチドはSMCC修飾であり得る。一態様では、オリゴヌクレオチドは、3’-マレイミド基を含有し得る。一態様では、複合体を合成する本開示のプロセスは、検出可能標識を導入することを含み得る。複合体を合成する本開示のプロセスの一態様では、標的化部分は、本開示の標的化部分であり得る。例えば、標的化部分は、CD20に特異的なFab’断片であり得る。複合体を合成する本開示のプロセスの一態様では、オリゴヌクレオチドは、本開示のオリゴヌクレオチドであり得る。例えば、本開示のオリゴヌクレオチドは、10bp~40bpを含むモルフォリノであり得る。
ii)コポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む複合体の合成
コポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む複合体を合成するプロセスであって、コポリマー担体を得ること、一つ以上のオリゴヌクレオチドを修飾すること、及びコポリマー担体を一つ以上のオリゴヌクレオチドにコンジュゲートすることを含むプロセスを本明細書に開示する。一態様では、コポリマー担体は、一本の主鎖及び一本以上の側鎖を含み得る。一態様では、RAFT重合を、本開示の主鎖を生成するために使用することができる。一態様では、複合体を合成する本開示のプロセスは、検出可能標識を導入することを含み得る。複合体を合成する本開示のプロセスの一態様では、コポリマー担体は、本開示のコポリマー担体であり得る。例えば、本開示のコポリマー担体は、MA-GG-TTモノマーと共重合したHPMAコポリマーを含み得る。複合体を合成する本開示のプロセスの一態様では、一つ以上のオリゴヌクレオチドは、一つ以上の本開示のオリゴヌクレオチドであり得る。例えば、一つ以上の本開示のオリゴヌクレオチドは、それぞれ10bp~40bpを含むモルフォリノであり得る。
iii)標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む複合体、及びコポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む複合体を含む組成物の合成
標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む複合体、及びコポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む複合体を合成するプロセスであって、標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む第一の複合体を、コポリマー担体から一つ以上のオリゴヌクレオチドまでを含む第二の複合体と接触させることを含むプロセスを本明細書に開示する。一態様では、第一の複合体のオリゴヌクレオチドは、第二の複合体の一つ以上のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする。一態様では、本開示のプロセスは、第一の複合体を生成することを含み得る。一態様では、本開示のプロセスは、第二の複合体を生成することを含み得る。一態様では、本開示のプロセスは、第一の複合体を生成すること及び第二の複合体を生成することを含み得る。一態様では、第一の複合体は、標的化部分及びオリゴヌクレオチドを含む任意の本開示の複合体であり得る。一態様では、第二の複合体は、コポリマー担体及び一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む任意の本開示の複合体であり得る。例えば、本開示のプロセスの一態様では、標的化部分は、CD20に特異的なFab’断片であり得、コポリマー担体は、MA-GG-TTモノマーと共重合したHPMAコポリマーを含み得、それぞれのオリゴヌクレオチドは、10bp~40bpを含むモルフォリノであり得、ここで第一の複合体のモルフォリノは、第二の複合体の一つ以上のモルフォリノに相補的である。
各本開示の方法は、さらに、追加のステップ、操作及び/または成分を含み得ることが企図される。任意の一つ以上のステップ、操作及び/または成分は、任意選択的に省略され得ることも企図される。本開示の方法は本開示の化合物を提供するために使用され得ることが理解されたい。本開示の方法の生成物は、本開示の使用法において採用され得ることも理解されたい。
E.実施例
以下の実施例は、当業者に、どのようにして本明細書にて特許請求される化合物、組成物、物品、デバイス及び/または方法が作成及び評価されるかについての、完全な開示および説明を提供するように述べられ、純粋に本発明の例示として意図され、発明者が彼らの発明だとみなすものの範囲を限定することを意図しない。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、開示され同様または類似の結果を得る特定の実施形態において多くの変更がなされ得ることを理解するべきである。数字(例えば、量、温度など)に関して正確さを保証するために努力がなされているが、いくらかの誤差および偏差が考慮されるべきである。
i)IN VITRO評価
a.モルフォリノの設計
25bpの一対の相補的モルフォリノ(MORF1-m=5’GAGTAAGCCAAGGAGAATCAATATA3’(配列番号25)及びMORF2-m=5’TATATTGATTCTCCTTGGCTTACTC3’(配列番号26))を設計した。モルフォリノを、コンジュゲーションのために使用される3’第一級アミンで修飾した(図2、Gene Tools,LLC、(オレゴン州フィロマス))。それぞれ25bpを有する二つのモルフォリノ間のハイブリダイゼーションのKdが典型的にPMレベルであるため、25bpのオリゴヌクレオチドを選択することによって、後続の実験のための強い結合親和性が確保された。それぞれのこれらの二つのモルフォリノの配列組成は、最適な結合効率及び特異性を達成するように設計された。ここで、各モルフォリノのGC含有量は約35~65%であった。良好な水溶解度を確保するために、総G含有量は36%未満であった。急速な腎クリアランスを妨害することによって望ましい薬物動態を確保するために、C核酸塩基の総数は7未満であった。各モルフォリノの塩基組成を決定した後に、公的にアクセス可能な、オンライン配列「スクランブラ―」を、ヒト及びマウスmRNAとの最小のオフターゲット結合を確保するために使用した(www.simawizard.com/scrambled.phpのウェブページ)。さらに、公的にアクセス可能な、オンライン配列解析ソフトウェアを最小の自己相補性を確保するために使用した。(www.basic.northwestern.edu/biotools/oligocalc.htmlのウェブページ)。
b.FAB’-MORF1複合体の合成
マウスの抗CD20IgG抗体(1F5)を、バイオリアクター(CellMax)内でハイブリドーマクローン1F5から調製し、プロテインGカラムで精製した。抗体をペプシンで消化してF(ab’)2断片を得て、さらにトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)によって還元して、Fab’断片を得た。Fab’断片を、次いで、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)修飾されたモルフォリノ(すなわち、3’-マレイミド基を有するモルフォリノ)にコンジュゲートした。ここで、モルフォリノは、チオール反応性3’マレイミド基を有する配列番号25によって表され、コンジュゲーションはチオエーテル結合を介して生じた。最終生成物はFab’-MORF1複合体であった(図3A)。Fab’-MORF1複合体を、イメージング目的のためにローダミンを用いて標識した。
c.コポリマー-MORF2複合体の合成
アミン反応性チアゾリジン-2-チオン(TT)基を有する側鎖を含有するHPMAコポリマーを、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合によって合成した。RAFT重合は、当該分野で周知である(図3B)。N-メタクリロイルグリシルグリシン-TT(MA-GG-TT)モノマーを使用して、グリシン-グリシンスペーサーを介してTTを導入した。任意選択である、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)を含有する少量のコモノマーを、イメージング目的のために添加した。RAFT重合を使用して、狭い分子量分布を有するポリマー骨格を、再現性よく合成した。側鎖のTT基とアミン誘導体化MORF2(配列番号26)との反応は、安定アミド結合を介してMORF2の複数のコピーでグラフトされたHPMAコポリマーを生成した。結果得られた生成物は、コポリマー-MORF2複合体であった。異なる原子価(すなわち、コポリマー鎖でグラフトされたモルフォリノ数)を有するコポリマー-MORF2複合体を合成して、これらの複合体の生物学的効果の比較を可能にした。コポリマー-MORF2複合体を、イメージング目的のためにFITCを用いて標識した(図3B)。
d.複合体のIN VITRO評価
Fab’-MORF1複合体及びコポリマー-MORF2複合体のin vitroハイブリダイゼーションを、次の三つの方法により決定した:(1)可視・紫外分光法(ハイブリダイゼーションが吸光度260nmで淡色効果を引き起こす)、(2)SDS-PAGE(ハイブリダイゼーションがゲル遅延を引き起こす)、及び(3)動的光散乱法(ハイブリダイゼーションが流体力学的有効直径の変化を引き起こす)。細胞レベルでは、ヒトバーキットB細胞非ホジキンリンパ腫Raji細胞(ATCC、メリーランド州ベセスダ)を使用して、Fab’-MORF1複合体及びコポリマー-MORF2複合体の生体認識を試験した。Raji細胞の細胞表面での複合体の認識及び結合を、共焦点蛍光顕微鏡によって決定した。アポトーシス誘導を三つの異なる尺度を使用して解析した:(1)カスパーゼ3活性(すなわち、アポトーシス性遺伝子発現)、(2)アネキシンV/ヨウ化プロピジウム(PI)結合(すなわち、初期アポトーシス事象としての膜反転(membrane flipping))、及び(3)ターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼdUTPニック末端標識法(TUNEL)アッセイ(すなわち、後期アポトーシス事象としてのゲノムDNA断片化)。これらの試験全体を通して、ヤギ抗マウス(GAM)二次抗体と高度架橋された1F5mAbを、臨床的に関連する陽性対照として使用した。加えて、CD20発現が低いまたは無いヒトNHL DG-75B細胞を陰性対照細胞系統として使用した。
Fab’-MORF1複合体及びコポリマー-MORF2複合体のハイブリダイゼーション、ならびにかかるハイブリダイゼーションがアポトーシス誘導に及ぼす直接効果を評価するために、一連の対照実験を行った。具体的には、次の実験を行った:(1)Fab’-MORF1複合体を用いた単一成分処置、(2)コポリマー-MORF2複合体を用いた単一成分処置、(3)Fab’-MORF1複合体プラス遊離型コポリマー(free copolymer)を用いた二成分処置、(4)コポリマー-MORF2複合体プラス遊離型Fab’断片(free Fab’ fragment)を用いた二成分処置、及び(5)過剰な、(i)遊離型及び非コンジュゲートMORF1及び(ii)遊離型及び非コンジュゲートMORF2で処置された「ブロッキング」対照(例えば、遊離型MORF1及び遊離型MORF2は、複合体の結合と競合した)。
FPLC、HPLC、可視・紫外分光法、及びMALDI飛行時間型質量分析によって確証されるように、Fab’-MORF1複合体及びコポリマー-MORF2複合体は、合成に成功した。Fab’-MORF1複合体及びコポリマー-MORF2複合体のin vitroハイブリダイゼーションは、(1)可視・紫外分光法(ハイブリダイゼーションが淡色効果を260nmで引き起こす)、(2)SDS-PAGE(ハイブリダイゼーションがゲル遅延を引き起こす)、及び(3)動的光散乱法(DLS)を介して確証された(図4)。Fab-MORF1複合体及びコポリマー-MORF2複合体間のハイブリダイゼーションの結合速度論が速いこと(~10分)は、二つの複合体の混合時の、粒子の流体力学的有効径の著しい及び急速な増加によって実証された(DLSによって特徴づけられる)。これらの実験では、各MORF複合体ならびに二つのMORF複合体の混合物(MORF1:MORF2のモル比は1:1である)の流体力学的粒径を解析した。Fab’-MORF1複合体及びコポリマー-MORF2複合体の急速なハイブリダイゼーション(~10分)は、混合後10分、30分、60分で測定された類似の粒子サイズによって反映された。測定を三重化した。ハイブリダイゼーションは、コイルドコイルペプチド形成のハイブリダイゼーション(~60分)と比較して非常に早かった。(抗CD20Fab’-CCEペプチドとHPMAコポリマーCCKペプチドの自己組織化を示す、Wuら、2010を参照)。
e.実験結果
非ホジキンリンパ腫(NHL)は、高い死亡率を有する世界中で蔓延している癌である。約85%のNHLはB細胞を起源とし、B細胞リンパ腫の95%超は細胞表現抗原CD20を有する。それゆえ、Raji B細胞(すなわち、高CD20発現を伴う細胞)の細胞表面での二つのMORF複合体の生体認識を、共焦点蛍光顕微鏡によって評価した(図5)。図5では、次の略語を適用する:Trans-透過光下で得られた細胞画像;R-赤色チャネル;G-緑色チャネル;O-R及びGのオーバーレイ。B細胞をFab’-MORF1複合体(ローダミンを用いて標識)に曝露することにより、(赤色チャネルによって示されるように)Fab’-MORF1複合体を用いたB細胞の表面の「装飾」を、Fab’-MORF1複合体がCD20に結合すること介してもたらした。コポリマー-MORF2複合体(FITCを用いて標識)に曝露された細胞は、観察可能ないずれの蛍光シグナルも示さず、それは生体認識対がないことによるものだと予想された。しかしながら、両方の複合体(Fab’-MORF1複合体及びコポリマー-MORF2複合体)を使用したとき、両方の処置プロトコル(すなわち、両方の複合体の同時曝露を伴う(「予混合」)処置または各複合体への連続曝露を伴う処置)は、B細胞表面での両方の複合体の共局在をもたらし、それゆえFab’-MORF1複合体及びコポリマー-MORF2複合体のハイブリダイゼーションをもたらす(黄色蛍光で示す)。このハイブリダイゼーションは、B細胞の表面上の蛍光シグナルのオーバーレイによって示される。
同時または予混合処置プロトコルは、細胞表面でより強い蛍光シグナルを生成するように見え、それはより高い結合親和性を有する予混合複合体の多価の結果である。対照実験では、Fab’-MORF1複合体及びFITCを用いて標識した遊離ポリマーの予混合(すなわち、コポリマー-MORF2複合体無し)は、B細胞表面で赤色シグナルのみもたらした。同様に、対照実験では、Fab’-MORF1複合体及び過剰の遊離型、非コンジュゲートMORF1の予混合は、B細胞表面で赤色シグナルのみもたらした。これらの結果は、MORF1複合体とMORF2複合体のハイブリダイゼーションが優れた生体認識を与えることを確かにした。
二つのMORF複合体間のハイブリダイゼーションの効率は、他の分子(例えば、コイルドコイルペプチド)のそれよりも大いに良好であると証明された。例えば、1:1のモル比(MORF1:MORF2)を適用した。本明細書に記載の組成物及び方法によって提供された優れたハイブリダイゼーション効率及び生体認識とは対照的に、コイルドコイルペプチドは、観察可能な生体認識を達成するために25倍過剰の第二ペプチドを要した。これらの実験は、コイルドコイルペプチドが有したものよりも、コポリマー鎖へのモルフォリノのより良好なアクセシビリティがあったことを実証した。(図4のDLS結果によって実証されるように)より速い結合速度論と相まってモルフォリノの改善されたアクセシビリティは、モルフォリノを含む本開示の組成物が、アポトーシス誘導及びin vivo治療有効性に関して有利であることを示す。
モルフォリノを含む本開示の複合体を用いた処置に従ったRaji B細胞のアポトーシスの誘導を、三つの異なる方法によって確認した:(A)カスパーゼ3の活性化、(B)アネキシンV/ヨウ化プロピジウム(PI)結合、及び(C)TUNELアッセイ。(図6A~図6C)。両方の複合体(Fab’-MORF1複合体及びコポリマー-MORF2複合体)を用いた処置は、連続的に投与または予混合物としての投与のいずれでも、検出可能な細胞アポトーシスを誘導した。対照群(すなわち、両方の単一処置群(Fab’-MORF1複合体単独またはコポリマー-MORF2複合体単独)におけるアポトーシス誘導のレベルは、未処置細胞のそれと統計学的に差異はなかった。MORF1:MORF2のモル比が1:10であるとき、アポトーシス誘導のレベルは、MORF1:MORF2のモル比を1:1として使用した群から区別できなかった。これらのデータは、細胞表面上のMORF1結合部位の飽和の可能性を示す。これらのデータはまた、コポリマー鎖へのモルフォリノの優れたアクセシビリティを確認した。図6A~図6Cに示す実験について、0.5μMの二つの異なるモルフォリノ複合体または1F5 mAbを使用して、2×105個の細胞/0.4mL(カスパーゼ3(図6A)及びアネキシンV/PIアッセイ(図6B)について)または106個の細胞/0.5mL(TUNELアッセイ(図6C)について)を処置した。全ての実験は三回実施された。
表3は、本開示のモルフォリノ複合体及びコイルドコイルペプチド間のアポトーシス誘導の対照比較を示す。これらの実験では、ヒトNHL Raji B細胞のアポトーシス指数(%)を、同一の細胞数及び濃度下(400μLの培養培地中に2×105個の細胞)で評価した。二つの成分のモル比は両方とも1:1(CCE:CCKまたはMORF1:MORF2)である。ポリマー骨格の分子量も非常に類似する(~100kDa)。これらのデータは、モルフォリノをベースとする組成物及び方法(より低い濃度またはより低い原子価のポリマーコンジュゲートで試験された)が、コイルドコイルペプチド系と比較して、より高いレベルのアポトーシスを誘導したことを示す。このデータは、両方の処置プロトコル(すなわち、複合体が連続的に投与されたまたは複合体が予混合組成物として投与された)において観察された。
表3では、アポトーシス指数(%)をアネキシンV/PI結合アッセイによって評価し、フローサイトメトリーによって定量化した。二つの系統を最大のアポトーシスに対応する時間間隔(すなわち、コイルドコイルペプチド(CCE-CCK)については12時間、及びMORF1-MORF2ハイブリダイゼーションについては48時間)で比較した。Fab’(CCEまたはMORF1当量)のモル濃度及びポリマーコンジュゲート(CCKの数またはMORF2の数/鎖)の結合価を記載した。
図7に示すように、複合体の濃度増加(図6の0.5μMから1μM、2μM、及び5μMまで)は、高レベルのアポトーシスの誘導をもたらした(図7)。用量依存的なアポトーシス誘導のレベルは、両方の処置プロトコル(すなわち、二つの複合体が予混合組成物として投与されたかまたは二つの複合体が連続的に投与された)、ならびに陽性対照(1F5 mAb+ヤギ抗マウス二次抗体)において観察された。濃度が2μMから5μMに増加したとき、陽性対照細胞のアポトーシス指数は飽和し始めた。しかしながら、Fab’-MORF1複合体及びコポリマー-MORF2複合体のハイブリダイゼーションを活用する処置プロトコルでは飽和は観察されなかった。図7では、1μM、2μM、または5μMの濃度のモルフォリノ複合体または1F5 mAbを使用して、0.4mL培地中の2×105個の細胞を処置した。インキュベーション時間は48時間であり、フローサイトメトリーを介して解析を生じた。
図8A~図8Bは、いくつかの対照実験の結果を示す。(i)遊離コポリマーとの予混合Fab’-MORF1複合体(すなわち、MORF2を欠く)または(ii)遊離Fab’断片との予混合コポリマー-MORF2複合体(すなわち、MORF1を欠く)のいずれかを活用した処置プロトコルは、未処置細胞のアポトーシス指数と比較して、両方とも類似したアポトーシス指数をもたらした。連続的に処置された「ブロッキング」対照群(すなわち、ハイブリダイゼーションのための結合部位と競合するために過剰遊離MORF1または過剰遊離MORF2と予混合された複合体)も観察可能なアポトーシス誘導を生成しなかった。これらの結果は、MORF1-MORF2のハイブリダイゼーションがアポトーシス誘導に必要とされることを証明した。最後に、陰性対照として(図8B)、細胞表面CD20発現を欠く、NHL B細胞系統DG-75を使用し、アネキシンV/ヨウ化プロピジウムアッセイを用いて解析した。DG-75細胞曝露がもたらしたアポトーシス誘導は非常に低かった、またはアポトーシスを誘導しなかった。この結果は、本開示のモルフォリノをベースとしたアプローチのin vitro有効性は、CD20架橋によって媒介されたことを実証した。図8A~図8Bでは、P-deMF2は、遊離MORF1と予混合(20倍過剰、室温で1時間)されたコポリマー-MORF2複合体を指し、Fab’-deMF1は、遊離MORF2と予混合(20倍過剰、室温で1時間)されたFab’-MORF1複合体を指す。
ii)in vivo評価
a.in vivo実験No.1
進行NHLの動物モデルを提供するために、雌SCID(C.B-17)マウスは、Raji B細胞を静脈内移植され得る。このモデルは、様々な臓器、特に脊髄および骨髄における悪性(NHL)B細胞の播種、浸潤及び増殖を表す。被検体は、後肢麻痺を発症し死亡する。ゆえに、被検体が本開示の組成物または本開示の複合体を用いた処置を受けた後から後肢麻痺の発症するまでに経過する時間の量が決定され得る。ここで、処置後から麻痺の発症前までに経過する時間の量は、治療有効性の指標として使用され得る。
Fab’-MORF1複合体及びコポリマー-MORF2複合体の免疫原性は、免疫応答性(例えば、Balb/c)マウスにおいて評価され得る。酵素結合免疫吸着法(ELISA)は、コンジュゲートの静脈注射の際のマウスの血液中の初期サイトカイン放出(例えば、IFNα、TNFα)を検出することができ、免疫化したBalb/cマウスの血液及び脾臓中の長期抗体産生を検出することができる。
b.in vivo実験No.2
合成及び生物学的ビルディング・ブロックからなるハイブリッドナノマテリアルは、ナノ医療のための高い可能性を有する。標的細胞の表面受容体を架橋しアポトーシスを誘導する免疫エフェクター細胞のメカニズムを模倣する治療プラットフォームを設計した。このプラットフォームを、表面抗原CD20を高度に発現するB細胞リンパ腫に対して試験した。二つのナノコンジュゲートを合成した:(1)一本鎖モルフォリノオリゴヌクレオチド(MORF1)に共有結合した抗CD20Fab’断片、及び(2)相補的オリゴヌクレオチドMORF2の複数のコピーでグラフトされたN-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド(HPMA)のリニアポリマー。二つのコンジュゲートは、MORF1-MORF2ハイブリダイゼーションを介して、CD20+悪性B細胞の表面で自己組織化し、それはCD20抗原を架橋し、アポトーシスを開始した。ヒト非ホジキンリンパ腫のマウスモデルにて試験したとき、二つのコンジュゲートは、連続的に投与されても予混合物として投与されても、癌細胞を根絶して、長期生存者を生成した。本明細書に記載の実験は、本開示の方法および本開示の組成物及び複合体が小分子細胞毒性化合物を含有せず、免疫独立性であったことを実証する。
分子の生体認識は、生命の基本的な特色である-多くの生物学的プロセスは、高分子間の複雑かつ特異的な相互作用、例えば、抗体-抗原結合及びDNA塩基対合によって支配されている。天然のこれらの忠実度の高い認識モチーフは、薬物送達(Douglasら、2012;Mulveyら、2013;Luら、1999)、生体組織工学(Gungormusら、2010;Holmesら、2000)、バイオ検知(Yuanら、2008;Ehrickら、2005;Liuら、2006)、等における適用のための自己組織化ナノマテリアルを設計するために採用され得る。研究の新たな方向は、かかる正確に定義された「スマート」マテリアルを、細胞の活性を刺激するまたは制御するために使用するものである(Wuら、2010;Choら、2012;Kopecekら、2012)。本明細書に記載のように、いずれの従来の薬物も含まない、マテリアル単独での使用は治療効果を提供した。
非ホジキンリンパ腫(NHL)は、高い死亡率を有する世界中で蔓延している癌である(Siegelら、2013)。従来の化学療法及び放射線療法は、重大な有害反応、特に、感染のリスクの増大や輸血の必要性につながる血球減少症を伴う。大半のNHLがB細胞を起源とするため、B細胞表面抗原CD20を標的とするモノクローナル抗体(mAb)を使用する免疫療法が一般的な処置となってきた(Chesonら、2008)。しかしながら、特に再発状態において、免疫療法に応答しない多くの患者が存在する。例えば、最も一般的に使用されるCD20mAbであるリツキシマブが再発/難治性NHLに対して有する全奏効率は50%未満である(Molinaら、2008)。これは、結合mAbを高度に架橋する免疫エフェクター細胞の不活性に大いに帰する(Cartronら、2002;Smithら、2003)。さらには、mAb処置は、稀ではあるが、進行性多巣性白質脳症(Allison 2010)及び肺損傷(Lands 2010;Kameiら、2010)などの致死副作用を引き起こし、これはFc媒介性エフェクター細胞事象(例えば、補体活性化)に起因する(vander Kolkら、2001)。
自己組織化ハイブリッドナノコンジュゲートからなる生体模倣材料プラットフォーム(図9)をB細胞リンパ腫に対する治療システムとして設計した(図1)。それは、抗CD20Fab’抗体断片、一対の相補的ホスホロジアミデートモルフォリノオリゴマー(MORF1及びMORF2)、及びN-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド(HPMA)のリニアポリマー(P)を含む。本明細書に記載の実験は、(1)悪性CD20+B細胞を抗CD20Fab’及びMORF1(Fab’-MORF1)のコンジュゲートに曝露することで、細胞表面がMORF1で装飾され、(2)MORF2の複数のコピーでグラフトされたHPMAコポリマー(P-MORF2)を用いた、装飾されたB細胞のさらなる処置が、CD20架橋を随伴する細胞表面でのMORF1-MORF2ハイブリダイゼーションをもたらし、それがアポトーシスを引き起こしたこと実証する(図1)。具体的には、図1は、相補的モルフォリノオリゴヌクレオチド(MORF1-MORF2)の細胞外ハイブリダイゼーションによって媒介されるCD20抗原の架橋によるB細胞のアポトーシス誘導を示す。具体的には、図9は、治療プラットフォームの一般的設計概念を示す。生体認識を介して自己組織化する二つのナノコンジュゲートは、標的化前用量及び架橋用量として連続的に投与され得る、または予混合されて多価構築物を形成して単回用量として使用され得る。
CD20結合抗体が、Fc受容体(FcR)発現免疫エフェクター細胞(例えば、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞)によって高架橋されるとき、CD20のクラスター形成が脂肪ラフト内で生じ、アポトーシスを誘導する(Deansら、2002)。本開示のシステムの各成分(例えば、Fab’、モルフォリノオリゴ、HPMAポリマー)は、個別に使用されるとき、いずれの薬理学的有効性も有さない。アポトーシス誘導は直接的(すなわち、免疫機能から独立)であり、特異的(すなわち、CD20を標的とする)である;それによって、現在使用されている免疫療法、化学療法、及び放射線療法の副作用及び問題を回避した。
本開示のシステムは、相補配列を有する一対のモルフォリノ(MORF)オリゴヌクレオチドに基づく。MORFオリゴは、ワトソン・クリック型塩基対合(ハイブリダイゼーション)によって二重らせんを形成し、及び物理的架橋剤としての役割を果たす。MORFオリゴは、DNAまたはRNAより強い結合親和性を結果もたらす電荷中性ホスホロジアミデート骨格を有する(Nielsen 1995)。MORFオリゴは、生体適合性及びヌクレアーゼ耐性であり;これは、in vivo安定性及び安全性を保証する(Summertonら、1997)。これらの利点のために、MORFオリゴは、治療の送達を強化するための高分子バインダーとして十分に使用されている(Mulveyら、2013;Liuら、2004;Mang’eraら、2001)。本明細書に記載のHPMAコポリマーは、水溶性であり長く血流を循環する。本開示のコポリマーは、安全性プロファイルを十分に確立しており、治療担体として広く使用されている(Kopecekら、2010)。水溶液では、線状HPMAコポリマーは、ランダムコイルコンフォメーションを有し、側鎖にグラフトされた標的化部分を効果的に提示することができる(Ulbrichら、2010)。
本明細書に記載の実験では、本提案の抗リンパ腫組成物及び複合体(すなわち、ナノ医療)の開発及び前臨床評価が試みられた。二つのナノコンジュゲート(Fab’-MORF1及びP-MORF2)の生体認識を特徴付けた。悪性B細胞系統の効果的なアポトーシス誘導を達成するように治療システムを最適化した。優れた抗癌有効性(残存腫瘍なく100%生存)がヒトNHLのマウスモデルにおいて実証された。
ハイブリダイゼーションを媒介する薬物を含まない高分子治療プラットフォームの概念を検証するため、CD20を薬理学的標的として選択した。CD20は、大半のNHL悪性B細胞ならびに正常B細胞上に発現する非内在化受容体である(Stashenkoら、1980)。しかしながら、CD20は、形質細胞(エフェクターB細胞)及び幹細胞上には発現しない。その結果、患者の体液性免疫は重度に影響を受けず、正常数のB細胞が処置後に回復され得る(Andersonら、1984;Kimbyら、2005)3。ここで、抗CD20Fab’断片を治療システムにおいて採用し、それはNHLを疾患モデルとして使用して本開示のシステムの第一例を実証した。
(1)MORF1及びMORF2の設計
使用したMORFオリゴは、25bpであり、約8.5kDaであった(図10A、図10C、及び図2)。それらの3’末端をコンジュゲーションのために使用された第一級アミンで修飾した。A/T/C/G含有量を、最適な結合効率及び特異性を達成し(GC=35~65%)、水溶解度を維持し(G<36%(Summertonら、1997))、好ましい薬物動態を提供(急速な腎臓吸収を回避するためにCの数<7(Liuら、2004))するように選択した。塩基組成を決定した後、配列スクランブリングソフトウェアによってヒト及びマウスのmRNAとのオフターゲット結合を最小にするように生成し、さらに自己相補性を防ぐように最適化した。
(2)Fab’-MORF1及びP-MORF2の合成及び特徴付け
Fab’-MORF1コンジュゲートを調製するため(図10A)、マウス抗ヒトCD20 IgG2a mAb(1F5)からのFab’断片(Pressら、1987)を、チオエーテル結合を介してMORF1の3’末端に係留した。図10Aでは、*は、SMCCまたはスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレートヘテロ二官能性リンカーを示す。コンジュゲートを、イメージング試験のために任意選択的にローダミン(RHO)を用いて標識した。HPLC(図10B、緩衝液A(H20+0.1%トリフルオロ酢酸v/v)及び緩衝液B(アセトニトリル+0.1%トリフルオロ酢酸v/v)のグラジエントで溶出されたAgilent Zorbax 300SB-C18カラム(4.6×250mm)を活用した)及びサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(図17A、PBSで溶出されたSephacryl S-100 HR16/60カラムを使用)によって確認されるようにFab’-MORF1は合成に成功した;カップリング反応は、飛行時間型質量分析(図17B)及び可視・紫外分光法(図17C~図17E)によって特徴付けられるように1:1化学量論に従った。Fab’-MORF1の分子量(MW)は、約57.5kDaであった。図17では、Fab’-MORF1のプロファイルは、AKTA FPLCによる精製のプロセスを実証し、第一のピーク(53mLで溶出)はコンジュゲート(精製中に収集された)を表し;第二のピーク(70mLで溶出)は非コンジュゲートMORF1(除去された)を示した。Fab’-MORF1は、Fab’-SH(56mL)と比較して、より早い溶出体積によって特徴付けられた。図17Bでは、主要画分は分子量が約57.5kDaであることを示し(Fab’:~48.8kDa、MORF1:~8.6kDa);ほんのわずかな非コンジュゲートFab’が観察された。精製されたFab’-MORF1(図17C)、非コンジュゲートMORF1(図17D)、及びFab’断片(図17E)の可視・紫外吸収スペクトルも示す。全ての成分の濃度は2.5μMであった。Fab’-MORF1コンジュゲートは、260nm(MORF1によって寄与される)及び280nm(Fab’によって寄与される)での吸光度の組み合わせによって特徴付けられた。
多価P-MORF2コンジュゲートを調製するため(図10C)、(アミン反応性)チアゾリジン-2-チオン(TT)基で終わるグリシル-グリシン(GG;スペーサー)側鎖を含有するHPMAコポリマーを合成した。図10Cでは、MA-GG-TTは、N-メタクリロイルグリシルグリシンチアゾリジン-2-チオン(MA-GG-TT)を示す。これらのポリマー前駆体(P-TT)を、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合によって合成した。重合可能フルオレセインイソチオシアネート(FITC)誘導体を、イメージング試験のために任意選択的に添加した。RAFT重合を使用して、狭い分子量分布(多分散性指数≦1.15、SECによって決定される)を有するポリマー骨格は、再現性よく合成された。さらには、アミン誘導体化MORF2オリゴ(MORF2-NH2)を、HPMAコポリマーの側鎖への安定アミド結合を介してグラフトし、多価P-MORF2を生成した。該コンジュゲートを精製し、SECによって特徴付けた(図10D)。図10Dは、Superose 6 HR10/30カラム(酢酸緩衝液+30%アセトニトリルv/v)を使用した代表的なP-TT及びP-MORF2(結合価=3)のSEC解析を示す。変動する骨格分子量及び結合価(すなわち、ポリマー鎖当たりのMORF2の数)を有する三つの異なるP-MORF2を合成した(図18A~図18E)。これらのコンジュゲートの骨格数平均分子量(Mn)は、70から136kDaの範囲であった。三つのP-MORF2製剤の結合価は、それぞれ、2、3、及び10であった。
図18は、SECで精製されたP-MORF2コンジュゲート(1mg/mL(図18A))、非コンジュゲートMORF2(2.5μM(図18B))、及びHPMAポリマー(P)(1mg/mL(図18C))の可視・紫外吸収スペクトルを示す。多価P-MORF2コンジュゲートを、260nm(MORF2によって寄与される)でのUV吸光度によって特徴付けた。図18Dは、合成され、本明細書に記載の実験において使用された、異なるP-MORF2コンジュゲート及びそのポリマー前駆体(P-TT)の物理化学的特性を要約する表を提供する。数平均分子量(Mn)及び多分散性(Pd)をSECによって決定した。ポリマー鎖あたりのチアゾリジン-2-チオン(TT)基の数(TT/P)を305nmでのUV吸光度で決定した;鎖当たりのFITCの数(FITC/P)を495nmでの吸光度で決定した;鎖あたりのMORF2オリゴの数(MORF2/P)を260nmでのUV吸光度で決定した。図18Eは、AKTA FPLCによる、P-MORF2#3及びそのP-TTポリマー前駆体のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)解析を示す;Superose 6 HR10/30カラム(酢酸緩衝液pH6.5+30%アセトニトリルv/v)。このカラムの保有限度は約7mLである。
(3)Fab’-MORF1及びP-MORF2のIn Vitroハイブリダイゼーション
MORF1-MORF2生体認識を介する二つのコンジュゲートのハイブリダイゼーションを、まず紫外・可視分光法によって評価した。二つのコンジュゲートを異なる比率で混合し、260nm(塩基によって寄与される)での光学濃度を測定した。Fab’-MORF1及びP-MORF2を混合する際、「淡色効果」が観察された(図11A);OD260nmは、1:1(MORF1:MORF2)のモル比が使用されたときに、最小に達した。かかる低減は、芳香族環の共鳴を制限する相補的塩基間の水素結合に起因した。同じ方法を使用して、遊離型、非コンジュゲートMORF1及びMORF2のハイブリダイゼーション、及び同一の淡色性が観察された(図19)。図19では、260nmでの光学濃度(OD)は、二つのMORF(PBS中、pH=7.4)が(異なるパーセンテージで)混合されたときに低減した。データを、平均±SD(n=3)として表す。これらの結果は、MORF1-MORF2ハイブリダイゼーションの機能がFab’またはポリマーへのコンジュゲーション後に保存されたことを示した。
さらには、Fab’-MORF1及びP-MORF2の結合を動的光散乱法(DLS)によって特徴付けた(図11B、図20)。図11Bに示すように、二つのコンジュゲート混合時(等モルのMORF1/MORF2で)の、流体力学的サイズの有意な及び急速な増加が明らかになった。安定した直径(~40nm)を早く達成することは、コンジュゲートのMORF1-MORF2ハイブリダイゼーションの速い結合速度論(<10分)を反映した。この特性は、薬物を含まない高分子治療の設計に好ましい。図11Bでは、P-MORF2の結合価は3であった。別段の指示がない限り、混合物をP-MORF2と比較することによって統計を実施した(*p<0.05、**p<0.005、n.s.=有意差なし)。図20では、全ての成分は、PBS(pH=7.4)中に溶解され、直径102±3nm(標準100nm)のNanosphere(商標)ポリスチレンサイズ標準に則して測定された。データを、平均±SD(n=3)として表す。
円偏光二色性(CD)分光法を、生理的条件(PBS pH=7.4)のFab’-MORF1/P-MORF2複合体の融解温度(Tm)を決定するために使用した(図11C)。まず、A形二重らせんを示している明白な光学サイン(260nmで最大、210nmで最小)(Johnsonら、2000)が、二つのコンジュゲートの混合時に得られた;類似のCDプロファイルが、非コンジュゲートMORF1及びMORF2が混合されたときに観察された(図21A~図2ID)。
例えば、図21は、ハイブリダイゼーションの解析のための、遊離型、非コンジュゲートMORF、コンジュゲート、及びその混合物のCDスペクトルを示す(sow)。全ての成分はPBS(pH7.4)中に50μMのMORF当量濃度で溶解された。y軸はモル楕円率(θ)を表す。図21Aは、遊離MORF1、MORF2、及び両方の等モル混合物を示す。混合されたとき、光学サイン(260nmで最大、210nmで最小)は、A形二重らせんが得られたことを示す。図21Bは、P-MORF2(結合価=3)と遊離MORF2の比較を示す。同一のスペクトルが観察された。図21Cは、Fab’-MORF1コンジュゲートと遊離Fab’断片及び遊離MORF1の比較を示す。コンジュゲートは、Fab’及びMORF1の組み合わさった光学サインを有するように見える。図21Dは、P-MORF2と、遊離MORF1またはFab’-MORF1(等モルのMORF1/MORF2)のいずれかを混合することは、CDスペクトルを一本鎖MORF2のそれからA形二本鎖オリゴを示すそれへとシフトさせたことを示す。かかるスペクトルのシフトは、MORF1-MORF2ハイブリダイゼーションの機能がFab’またはポリマーへのコンジュゲーションの後に保存されたことを示した。
次に、Fab’-MORF1及びP-MORF2の混合物を解析するために熱融解試験を実施した。データは、前述のCDサインが95℃ではもはや存在しないことを示した;260nmでの正の帯は、275nm付近を中心とするピークを生成した有意な深色シフトを受けた(図22A~図22B、図23A~図23C)。図11Cに示す熱融解曲線は、260nmでのシグナルが、温度が上昇するにつれてS字パターンに低減することを実証した。非線形回帰の結果は、約57℃から62℃のTm値を示した。Tmは、体温より十分に高く、結合のin vivo安定性を示す。図11Cでは、融解温度(Tm)は、非線形回帰(グラフパッドプリズム5ソフトウェア)を使用してロジスティック関数にデータをフィットさせることから得られた。全ての実験は、生理学的条件(PBS、pH=7.4)で実施された。データを、平均±SD(n=3)として表す。
図22A~図22Bは、CDスペクトル測定による、Fab’-MORF1/P-MORF2ハイブリダイゼーションの融解温度(Tm)の解析を示す。図22Aは、異なる温度でのPBS(pH7.4)中のFab’-MORF1(5μM MORF1当量)及びP-MORF2/v3(5μM MORF2当量;結合価=3)の混合物のCDスペクトルを示す。温度が25℃から60℃及び95℃に上昇したとき、260nmでの正の帯は、275nm付近を中心とするピークを生成した深色シフトを受けた。260nmでのモル楕円率(θ)を、以下の熱融解試験において使用した。図22Bは、ハイブリダイズされたFab’-MORF1/P-MORF2のCD熱融解曲線を示す。温度が上昇するにつれ、260nmでのθのS字低減が観察された。データを、平均±SD(n=3)として表す。これらのデータをロジスティック関数にフィットさせてTmを得た;非線形回帰の結果は、Tm=60~62℃を示した。ここに示す順方向走査(温度の上昇)解析は、逆方向走査(温度の低減-図11Cを参照)と類似の結果をもたらした。
図23は、CDスペクトル測定による、遊離型、非コンジュゲートMORF1/MORF2ハイブリダイゼーションの融解温度(Tm)の解析を示す。例えば、図23Aは、異なる温度でのPBS(pH7.4)中のMORF1(5μM)及びMORF2(5μM)の混合物のCDスペクトルを示す。温度が25℃から60℃及び95℃まで上昇したとき、260nmでの正の帯は、275nm付近を中心とするピークを生成した深色シフトを起こした。260nmでのモル楕円率(θ)を、以下の熱融解試験において使用した。図23Bは、温度が上昇するにつれてそのデータが収集された、ハイブリダイズされたMORF1/MORF2の順方向CD熱融解曲線を示す。図23Cは、温度が低減するにつれてそのデータが収集された、ハイブリダイズされたMORF1/MORF2の逆方向CD熱融解曲線を示す。260nmでθのS字変化を実証するプロファイルは、順方向走査及び逆方向走査の両方で同じであった。データを、平均±SD(n=3)として表す。ロジスティック関数を使用した非線形回帰の結果は、Tm=57~61℃を示した。
(4)B細胞表面でのFab’-MORF1及びP-MORF2の生体認識
ヒトB細胞リンパ腫Raji細胞系統(CD20+)(Stashenkoら、1980;Shanら、1998)を、細胞表面でのFab’-MORF1及びP-MORF2(結合価=2)の生体認識を試験するために使用した。この試験を、共焦点蛍光顕微鏡によって実施した。まず、Raji細胞をローダミンで標識されたFab’-MORF1に曝露することで、CD20へのFab’-MORF1結合により、細胞表面赤色シグナル(RHO)装飾がもたらされた;FITCで標識されたP-MORF2のみに曝露された細胞は、いずれの蛍光シグナルも示さなかった(図12A、0.4μMでのFab’-MORF1または0.4μMでのP-MORF2、MORF2当量)。次に、Raji細胞が両方の蛍光で標識されたコンジュゲート(Fab’-MORF1+P-MORF2)に連続的に(1時間空けて)または予混合物として(すなわち、Fab’-MORF1(0.4μM)及びP-MORF2(0.4μM)の混合物、MORF2当量)のいずれかで曝露されたとき、赤色及び緑色(FITC)シグナルが、B細胞の表面でうまく共局在化した(図12B)。この観察は、細胞表面での好結果のMORF1-MORF2ハイブリダイゼーションを示した。図12Cは、二つの対照群から得られた顕微画像を示す:(1)Fab’-MORF1(ローダミン)及びFITC色素を有するがMORF2を有さないHPMAコポリマー(P-FITC、過剰量)の予混合物に曝露された細胞;(2)連続的にFab’-MORF1(0.5μM)(ローダミン)に、その後過剰の非コンジュゲートMORF1を有するP-MORF2(FITC)の混合物(これが二本鎖MORFでグラフトされたHPMAコポリマー;P-dsMORFを生成する)に細胞を曝露することにより達成された「プレブロッキング」対照。両方の対照処置は、生体認識対が存在しないために、赤色シグナルのみを細胞表面でもたらした(図12C)。これらの対照の結果は、Fab’-MORF1及びP-MORF2の細胞表面生体認識が、確かにMORF1-MORF2ハイブリダイゼーションを媒介したことを確証させた。
(5)ヒトNHL B細胞のアポトーシスの誘導
ヒトB細胞系統(Raji及びDG75)のアポトーシス誘導を、三つの方法によって評価した:カスパーゼ3の活性化アッセイ、アネキシンV/ヨウ化プロピジウム(PI)結合アッセイ、及びターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼdUTPニック末端標識法(TUNEL)アッセイ。これらの実験では、ヤギ抗マウス二次抗体(2°Ab)と高架橋された抗CD20 1F5 mAbを、FcR+免疫エフェクター細胞の機能を模倣する陽性対照として使用した(Shanら、1998)。この対照は、抗CD20mAbの治療有効性を部分的に反映した。結果は、Fab’-MORF1及びP-MORF2の共処置が、連続的または予混合物としてのいずれかで、効果的にRaji B細胞のアポトーシスを誘導したことを示した(図13)。対照的に、Fab’-MORF1またはP-MORF2のいずれかを用いた単一成分処置は、アポトーシスの開始に失敗した。一連の対照実験(図24)は、CD20抗原の架橋を随伴するMORF1-MORF2ハイブリダイゼーションがアポトーシス誘導の要因であるという仮説を検証した。Raji細胞を(1)Fab’-MORF1及びポリマー前駆体P-TTの混合物;(2)Fab’及びP-MORF2の混合物;(3)そのMORF1またはMORF2結合部位が、過剰な非コンジュゲート相補的MORFによって処置の前にブロックされた「プレブロックされた」コンジュゲートに曝露した。MORF1-MORF2ハイブリダイゼーションが存在しないために、これらの処置のどれもアポトーシスを誘導しなかった(図24A)。さらには、CD20を発現しない(または最小限に発現する)陰性対照B細胞系統(DG75)のアポトーシスを評価した(Ben-Bassatら、1977)。二つのナノコンジュゲートを用いた共処置後のアポトーシスのレベルは非常に低く、未処置細胞のそれに類似していた(図24B)。この結果は、CD20結合がアポトーシス誘導に必要な事象であることを示した。
例えば、図24は、アネキシンV/PI結合アッセイによるin vitroアポトーシスの対照試験を示す。図24Aは、Raji B細胞(高レベルのCD20発現)のアポトーシス誘導を示す。インキュベーション時間は、48時間であった。図24Bは、DG75B細胞(最小のCD20発現または発現なし)のアポトーシス誘導を示す。インキュベーション時間は示した通りであった。以下の表示を図24A及び図24Bに適用する:未処置:培養培地内の細胞;mAb+2°Ab:1F5 mAb(0.5μM)、その後(1時間後)ヤギ抗マウス二次抗体(0.25μM);Fab’-MORF1:0.5μMの単一成分;P-MORF2:0.5μMのP-MORF2/v3の単一成分(MORF2当量);連続:Fab’-MORF1(0.5μM)、その後(1時間後)P-MORF2/v3(0.5μM MORF2当量);予混合:Fab’-MORF1(0.5μM)及びP-MORF2/v3(0.5μM MORF2当量)の予混合物;Fab’-MORF1+P-TT:Fab’-MORF1(0.5μM)及びポリマー前駆体P-TT No.2(1mg/mL)の予混合物;Fab’-SH+P-MORF2:遊離Fab’(0.5μM)及びP-MORF2(0.5μM MORF2当量)の予混合物;Fab’-MORF1+P-dsMORF:Fab’-MORF1(0.5μM)及びそのMORF2結合部位が過剰な遊離MORF1によって(処置1時間前に)ブロックされた「プレブロックされた」P-MORF2(~1mg/mL)の連続処置(1時間間隔);Fab’-dsMORF+P-MORF2:そのMORF1結合部位が過剰な遊離MORF2によって(処置1時間前に)ブロックされた「プレブロックされた」Fab’-MORF1(0.5μM)及びP-MORF2(0.5μM MORF2当量)の連続処置(1時間間隔)。アポトーシス細胞のパーセンテージをフローサイトメトリーによって定量化した。データを、平均±SD(n=3)として表す。
(6)アポトーシス誘導の最適化
本開示の治療システムを最適化するために、コンジュゲートの濃度、二つのコンジュゲート間の比率、P-MORF2の結合価、及び曝露時間を含む、いくつかの因子及びRaji B細胞のアポトーシスに及ぼすその影響を検査した。ポリマー鎖当たり約3オリゴを含有するP-MORF2(P-MORF2/v3)をまず使用した。アネキシンV/PI染色アッセイの結果は、1μMのFab’-MORF1及び等モルのP-MORF2/v3(MORF1:MORF2=1:1)が、約40%のアポトーシス細胞(未処置と比較して4倍超)を誘導したことを示した(図13A)。図13Aでは、以下を適用する:未処置:培養培地内の未処置細胞;mAb+2°Ab:1F5 mAb(1μM)、その後(1時間後)ヤギ抗マウス二次抗体(0.5μM);Fab’-MORF1:1μMの単一成分;P-MORF2:1μMのP-MORF2/v3の単一成分(MORF2当量);連続:Fab’-MORF1(1μM)、その後(1時間後)P-MORF2/v3(1μM);予混合:Fab’-MORF1(1μM)及びP-MORF2/v3(1μM)の予混合物。別段の指示が無い限り、各群を未処置と比較することによって統計を実施した(***p<0.0001、n.s.=有意差なし)。
Fab’-MORF1(及び対応するP-MORF2/v3)の異なる濃度を除いて、全ての条件を同一に維持したとき、濃度依存的アポトーシス誘導が観察された(図13B)。図13Bでは、以下を適用する:**p<0.005、n.s.=有意差なし。データは、コンジュゲートの濃度の増加(0.5μMから2μM及び5μM(Fab’当量))がより高いレベルのアポトーシスをもたらしたことを示した。連続及び予混合処置レジメンの両方、ならびに陽性対照(mAb+2°Ab)において用量依存的傾向が観察された。試験された最高濃度(5μM)では、薬物を含まない高分子治療(Fab’-MORF1+P-MORF2/v3)によるアポトーシス誘導は、未処置対象と比較して7倍に達した。さらには、mAb+2°Abによって誘導されたアポトーシス細胞のパーセンテージは、1F5 mAbの濃度が2μMから5μMに増加したときに飽和したように見えた。しかしながら、かかる飽和は、本開示の組成物及び複合体を受けている処置群では観察されなかった。この差異は、二つの結合部位しか有さないmAbとは対照的に、P-MORF2が標的との多量体相互作用を有することによると思われる。
さらには、P-MORF2の結合価及びFab’-MORF1及びP-MORF2間の比率が、Raji B細胞のアポトーシス誘導に及ぼす影響を検査した。鎖あたり10オリゴを含有する「高結合価」P-MORF2(P-MORF2/v10)を、P-MORF2/v3(鎖当たり3オリゴ)と比較した。結果は、全ての処置条件が同じであるとき(0.5μM Fab’、MORF1:MORF2=1:1または1:10)、P-MORF2/v10コンジュゲートがP-MORF2/v3と比較して、約2倍高いレベルのアポトーシスを誘導したことを示した(図13C)。Fab’-MORF1及びP-MORF2/v10の連続処置は、陽性対照(mAb及び2°Abの連続処置;すなわち、1F5 mAb(0.5μM)、その後にヤギ抗マウス二次抗体(0.25μM))より有効にアポトーシスを誘導した。ここで観察されたより高いレベルのアポトーシス誘導は、P-MORF2/v10の多価に起因し、それは、B細胞へのより高い結合活性ならびにより有効なCD20クラスター形成をもたらした(Johnsonら、2009、2012;Chuら、2012)。Raji細胞が同一濃度のFab’-MORF1(0.5μM)に曝露され、一方で10倍過剰のP-MORF2(MORF1:MORF2=1:10)が使用されたとき、等モルのMORF1/MORF2を用いた処置と比較してアポトーシスレベルは有意に増強されなかった(図13C)。別段の指示が無い限り、各「高結合価」群と対応する「低結合価」群を比較することによって、統計を実施した(**p<0.005、n.s.:有意差なし)。全てのデータを平均±SD(n=3)として表した。Fab’-MORF1で装飾された細胞の表面上のMORF1結合部位は飽和し、それはハイブリダイゼーションのためのポリマー鎖へのMORFの良好なアクセシビリティを示した(ポリマー鎖による最小立体障害効果)。アポトーシス誘導の同一の傾向が異なる曝露時間で、及び異なるアポトーシスアッセイから観察された(図25A~図25B)。
図25は、異なるアッセイによって解析された、異なるインキュベーション時間でのRaji B細胞のアポトーシスを示す。図25Aは、カスパーゼ3活性化アッセイを示す。図25Bは、TUNELアッセイを示す。インキュベーション時間は示した通りであった。以下の表示を両方の図に適用する-未処置:培養培地内の細胞;mAb+2°Ab:1F5 mAb(0.5μM)、その後(1時間後)ヤギ抗マウス二次抗体(0.25μM);Fab’-MORF1:0.5μMの単一成分;P-MORF2:5μMのP-MORF2/v3の単一成分(MORF2当量);連続(1:1):Fab’-MORF1(0.5μM)、その後(1時間後)P-MORF2/v3(0.5μM MORF2当量);連続(1:10):Fab’-MORF1(0.5μM)、その後(1時間後)P-MORF2/v3(5μM MORF2当量);予混合(1:1):Fab’-MORF1(0.5μM)及びP-MORF2/v3(0.5μM MORF2当量)の予混合物;予混合(1:10):Fab’-MORF1(0.5μM)及びP-MORF2/v3(5μM MORF2当量)の予混合物。アポトーシス細胞のパーセンテージを、フローサイトメトリーによって定量化した。データを、平均±SD(n=3)として表す。等モルのMORF1/MORF2(1:1)の処置によりもたらされたRaji細胞のアポトーシスレベルは、10倍過剰のP-MORF2(1:10)を使用したそれを類似した。これは、Fab’-MORF1で装飾された細胞の表面上のMORF1結合部位の飽和を示した。
(7)ヒトNHLのマウスモデルにおける前臨床評価
ハイブリダイゼーションを媒介する薬物を含まない高分子治療のin vivo治療有効性を、全身播種性のRaji B細胞を有するSCID(C.B-17)マウスにおいて評価した。この動物モデルは100%に近い腫瘍生着率(Ghetieら、1990)を有し、及び処置後の後肢麻痺のない生存期間は、抗癌有効性を正確に反映する(Ghetieら、1992;Griffithsら、203)。400万個のRaji B細胞を、尾静脈を介して0日目に注射した;後肢麻痺の発生率またはマウスの生存時間を125日目までモニターした。コンジュゲート、Fab’-MORF1及びP-MORF2/v10を、マウスの尾静脈を介して、連続的にまたは予混合物としてのいずれかで注射した。異なる群に分けられたマウス(n=6~7)は、本開示の組成物及び複合体を含む単回用量または3用量の処置のいずれかを受け、それは腫瘍注射の24時間後に開始した。1日目に単回用量処置;1、3、5日目に3用量処置。動物生存曲線を図14に示す。PBS(n=8)で処置された陰性対照マウスは、癌細胞の注射後17~35日目に後肢麻痺を発症した;生存期間中央値は24日間であった。この観察は文献と一致した(Griffithsら、2003;Wuら、2012)。連続処置の単回投与(連続×1;MORF1:MORF2=1:1)は実質的に動物生存時間を延長させた(生存期間中央値:81日間)。単回予混合用量(予混合×1;MORF1:MORF2=1:1)は、連続処置と類似の有効性を有し、78日の生存期間中央値をもたらした。同一用量のFab’-MORF1(57.5μg/20g)が与えられるが、その後に5倍過剰のP-MORF2/v10(MORF1:MORF2=1:5)が与えられるとき、有効性は、等モルのMORF1/MORF2処置より有意に改善された。かかる処置の単回投与(連続(1:5)×1)は、67%生存率(4/6長期生存者;125日間)を生成した。in vivo及びin vitroデータ(図13C)間の矛盾は、過剰なP-MORF2が使用されたとき、結合飽和を阻害するコンジュゲートの血液希釈によって説明され得る。要約すると、図14では、以下を適用する:PBS:PBS(n=8)を注射されたマウス;連続×1:Fab’-MORF1及びP-MORF2/v10の連続処置、単回用量(n=7);予混合×1;Fab’-MORF1及びP-MORF2/v10の予混合物、単回用量(n=7);連続(1:5)×1;連続処置、MORF1:MORF2=1:5、単回用量(n=6);連続×3;3用量の連続処置(n=7);予混合×3;3用量の予混合物(n=7);1F5 mAb×3;3用量の1F5 mAb(n=7)。マウスの麻痺無し生存時間を、カプラン・マイヤープロットにて表す。各群における長期生存者の数を示した(もしあれば)。ログランク検定で統計を実施した(*p<0.05、***p<0.0001、n.s.=有意差なし)。
優れた治療有効性が、3連続投与用量(連続×3;n=7)または3予混合投与用量(予混合×3;n=7)を受けたマウスの群で観察された。全てのマウスは実験のエンドポイント(125日目)まで生存した。3等価用量の1F5 mAb(静脈内)を受けた陽性対照群(n=7)は、86%生存率を有した。3用量処置群(すなわち、本開示の組成物及び複合体を受けている)に対する差異は統計的に有意ではないが、本開示の組成物及び複合体の抗癌活性は、mAbと違い、抗体依存性細胞傷害(ADCC)及び補体依存性細胞傷害(CDC)などの免疫エフェクターメカニズム(Okrojら、2013)から独立している。これらのデータは、本開示の直接アポトーシス誘導システムが、主にADCC及びCDCに関連する副作用(van der Kolkら、2001;Okrojら、2013)の懸念を同時に減少させる一方で、免疫療法として有効であり得ることを示した。
(8)in vivo抗リンパ腫有効性の解析
4×106個のRaji B細胞を0日目に静脈内注射されたマウスを、異なる処置に曝露した-PBS:PBSを注射されたマウス;連続×3;1、3、5日目に、Fab’-MORF1及びP-MORF2/v10の連続処置;予混合×3;1、3、5日目に、3用量のFab’-MORF1及びP-MORF2/v10の予混合物。Fab’-MORF1及びP-MORF2を用いた処置後のSCIDマウスにおけるRaji細胞の根絶は、MRI、フローサイトメトリー、及び組織学によって確証された。癌細胞の注射後4~5週間での、ガドリニウムベースの造影剤を用いるMRIは、PBSで処置された対照マウスが腰髄に腫瘍を発症し(図15A)、一方で3用量の本開示の組成物及び複合体が腫瘍発症を防止した(図15B~図15C)ことを示した。図15A~図15Cは、マウスの腰椎に焦点を当てた造影(T1)強調矢状断像MRIを示す。腫瘍小結節(赤矢印)を示す異質な見た目及び不規則な形状の腫瘤が対照マウスの脊髄にて観察された(PBS、n=4、図15A)が、処置マウス(連続×3及び予混合×3、n=4)では観察されなかった。連続×3(図15B)または予混合×3(図15C)で処置された生存マウスは、16週目に再度撮像された;疾患の再発は観察されなかった(図26A~図26C)。
図26は、Raji B細胞を注入され、異なる処置に曝露されたマウスの造影T1強調矢状断像MRIを示す。図26Aは、PBSで処置された対照マウスが、腫瘍を腰髄に発症したことを示し、それは腫瘍小結節(矢印)を示す異質な見かけ及び不規則な形状の腫瘤によって特徴付けられる。MRシグナル強度(任意単位)の範囲を示す灰色のスケールバーを示す。図26Bは、腰椎に焦点を当てた、本開示の組成物及び複合体(連続×3)で処置されたマウスのMR画像を示し、図26Cは、腰椎に焦点を当てた、本開示の組成物及び複合体(予混合×3)で処置されたマウスのMR画像を示す。撮像は、癌細胞の注射後105日目に実施された;走査されたマウスのいずれにおいても腫瘍は見出されなかった(n=4)。
マウスを屠殺した後、フローサイトメトリーを実施して、大腿骨髄における残留Raji細胞(ヒトCD10+CD19+)を解析した(図15D)。二つの蛍光標識抗体、PE標識マウス抗ヒトCD10及びAPC標識マウス抗ヒトCD19を、フローサイトメトリー解析のために使用した(Wuら、2012;Chenら、2010)。結果は、麻痺した動物(PBS処置)が相当量のRaji細胞を骨髄(大腿から得た)内に有し、一方で治療群(連続×3及び予混合×3)における長期生存者は腫瘍が無かった(図15E)ことを示した。フローサイトメトリーは、また、麻痺したマウス(PBS処置)の脊髄内のRaji細胞があり、長期生存者(図27A~図27F)ではないことも確認した。これはMRIデータと一致した。さらには、図15Eは、フローサイトメトリーによって解析された、対象マウス(PBS、n=6)及び本開示の組成物及び複合体で処置されたマウス(連続×3及び予混合×3、群当たりn=7)の骨髄におけるRaji細胞%(ヒトCD10+CD19+)の定量的比較を示す(図15D)。各データ点は個別のマウスを表す;平均%を示す。ペアのないサンプルのスチューデントのT検定によって統計を実施した(*p<0.05)。
図27は、異なる処置を受けた腫瘍を有するマウスの異なる臓器/組織内の残留Raji B細胞のフローサイトメトリー解析を示す。図27は、PBS(図27A)、3連続処置(図27B)、3予混合処置(図27C)で処置されたマウスの鼠径リンパ節及び腸間膜リンパ節(LN)から単離された細胞を示す。図27は、PBS(図27D)、3連続処置(図27E)、及び3予混合処置(図27F)で処置されたマウスの脊髄(SC)から単離された細胞も示す。これらの細胞をPEマウス抗ヒトCD10及びAPCマウス抗ヒトCD19抗体で染色した;右上四分儀(CD10+CD19+)はRaji細胞を表す。PBSで処置された、麻痺のあるマウス(PBS)は、LN(n=6)及びSC(n=3)の両方でRaji細胞を有するが、一方で治療群(連続×3、予混合×3;図27B、図27C、図27E、及び図27F)における長期生存者は腫瘍がなかったことを示した(群当たりn=6)。
さらには、組織学的検査は、PBS処置マウスの肝臓、肺及び脳におけるリンパ腫播種を開示した(図16A~図16C)。対照的に、長期生存者では腫瘍は見られなかった。いずれの組織においても処置によって引き起こされる毒性は検出されなかった;処置マウスの組織学及び安定した体重増加によって証拠づけられる(図28)。図28は、尾静脈を介してRaji B細胞を注射され、異なる処置に曝露されたマウスの体重を示す。単回用量投与は1日目であった;3用量は1、3、5日目に投与された。体重を平均-SDとして表す。全てのマウスの最初の平均化された体重の80%を示す黒い点線を示す。これらの結果は、本開示の組成物及び複合体がリンパ腫細胞の増殖/播種をin vivoで急性毒性なしに阻害することに成功したことを示した。図16Aでは、Raji細胞を注射され、PBSで処置された対照マウスは、肝臓(2マウス(腫瘍を見出された)/4マウス(検査した))、肺(3/4)、及び脳(1/4)に転移性腫瘍を発症し、これは単形リンパ腫細胞の侵襲(アスタリスク)及び正常組織構造の破壊によって実証された。図16Bでは、3用量の、Fab’-MORF1及びP-MORF2の連続処置(連続×3)では、結果としてリンパ腫侵襲の証拠がなかった(0/3、全ての臓器について)。図16Cでは、3用量の予混合処置(予混合×3)は、リンパ腫播種を予防した(0/3、全ての臓器について)。ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)で染色された組織検体は、盲検獣医病理学者(blinded veterinary pathologist)によって検査された。評価されたいずれの臓器においても処置の毒性は示されなかった。
(9)関連材料及び方法
(a)MORF1及びMORF2
二つの相補的な3’アミン誘導体化25merホスホロジアミデートモルフォリノオリゴマーは、Gene Tools,LLC(オレゴン州フィロマス)からであった。MORF1:5’-GAGTAAGCCAAGGAGAATCAATATA-リンカー-アミン-3’(MW=8630.5Da);MORF2:5’-TATATTGATTCTCCTTGGCTTACTC-リンカー-アミン-3’(MW=8438.5Da)。リンカーの構造を図2に示す。塩基配列の設計のために、配列スクランブリングソフトウェア(http://www.sirnawizard.com/scrambled.php)及び配列解析ソフトウェア(http://www.basic.northwestern.edu/biotools/oligocalc.html)を使用した。
(b)Fab’-MORF1の調製
1F5 mAbを、マウスのハイブリドーマ細胞サブクローン1F5(ATCC、メリーランド州ベセスダ)からCellMax(登録商標)バイオリアクター(Spectrum Laboratories、カリフォルニア州ランチョ・ドミンゲス)内で調製した。抗体を培養培地から回収し、Protein G Sepharose4Fast Flowカラム(GE Healthcare、ニュージャージー州ピスカタウェイ)で精製した。mAbからのFab’の調製は、Fowersら、2001に明記のプロトコルに従った。簡潔には、mAbをクエン酸緩衝液(pH4.0)中でF(ab’)2へと10%(w/w)ペプシン(Sigma、ミズーリ州セントルイス)を用いて消化した。コンジュゲーションの直前に、F(ab’)2を10mMのトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(Thermo Scientific、マサチューセッツ州ウォルサム)によってFab’へと還元した。Fab’-MORF1コンジュゲートを調製するため、3’第一級アミンを含有するMORF1オリゴをスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)と反応させて、末端(チオール反応性)マレイミド基を導入した。これによって3’-マレイミドを有するMORF1(MORF1-mal)を生成した。MORF1-malを次いでFab’(末端チオール基を含有する)にチオエーテル結合を介してコンジュゲートさせて、Fab’-MORF1を得た。コンジュゲートを、SECを用いて精製して遊離型、非コンジュゲートFab’及びMORF1を除去した。
具体的には、Fab’-MORF1コンジュゲートを調製するために、次のステップを実施した:まず、200nmolのMORF1-NH2(3’第一級アミンを含有する)(Gene Tools、オレゴン州フィロマス)を、170μLのDMSO中で0.67mg(2μmol)のスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)(Soltec Ventures、マサチューセッツ州ビバリー)と反応させて、MORF1-mal(3’マレイミドを含有する)を生成した。反応は室温で24時間行われた。生成物を1.5mLのアセトンに沈殿させることで単離し、脱イオン化水アセトンに2回溶解沈殿することすることによって精製して、真空下で乾燥させた。次に、200nmolのMORF1-malを200μLの10mM PBS(pH6.5)内に溶解し、次いで該溶液を2mLのPBS(pH6.5)中で200nmol(~10mg)の新たに還元されたFab’-SHと混合した。反応は4℃で24時間行われた。最後に、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用してFab’-MORF1コンジュゲートを精製し、遊離型、非コンジュゲートFab’及びMORF1を除去した。PBS(pH7.2)で溶出されたSephacryl S-100 HR16/60カラム(GE Healthcare)を備えたAKTA FPLCシステム(GE Healthcare、ニュージャージー州ピスカタウェイ)を使用した。任意選択的に、イメージング試験のために、Fab’-MORF1を5~10モル過剰のローダミンRed(商標)-Xスクシンイミジルエステル(R6010)(Molecular Probes(登録商標)、invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)で標識した。生成物をPD-10脱塩カラム(GE Healthcare)を使用して精製した。Fab’-MORF1コンジュゲートのFab’当量濃度を決定するため、ビシンコニン酸(BCA)タンパク質アッセイ(Thermo Scientific Pierce、イリノイ州ロックフォード)を使用した。得られた値を、紫外・可視分光法(278,000M-1cm-1のモル吸光係数を使用)から得られたMORF1当量濃度と比較した。かかる比較によって、カップリング反応の1:1化学量論が確証された。
(c)P-MORF2の調製
ポリマー前駆体(P-TT及びP-TT-FITC)、いわゆる、N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド(HPMA)、N-メタクリロイルグリシルグリシンチアゾリジン-2-チオン(MA-GG-TT)、及び任意選択的に、N-メタクリロイルアミノプロピルフルオレセインチオウレア(MA-FITC)のコポリマーを、RAFT共重合によって合成した。2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VA-044;Wako Chemicals、バージニア州リッチモンド)を開始剤として使用し、4-シアノペンタン酸ジチオベンゾアト(CPDB)を連鎖移動剤として使用した。CPDB(Panら、2011)及びモノマーHPMA(Kopecekら、1973)、MA-GG-TT(Subrら、2006)、及びMA-FITC(Omelyanekoら、1998)を合成した。
多価P-MORF2コンジュゲートを二つのステップで調製した。まず、ポリマー前駆体(P-TT)、いわゆる、N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド(HPMA)、N-メタクリロイルグリシルグリシングリシルチアゾリジン-2-チオン(MA-GG-TT)、及び任意選択的に(イメージング試験のためのみ)、N-メタクリロイルアミノプロピルフルオレセインチオウレア(MA-FITC)のコポリマーをRAFT共重合によって合成した。次に、P-TTをMORF2-NH2と反応させて多価P-MORF2を生成した。
P-TTの合成に関して、RAFT共重合では、4-シアノペンタン酸ジチオベンゾエート(CPDB)を連鎖移動剤として使用し、及び2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VA-044)を開始剤として使用した。反応は、0.3%(v/v)酢酸(MeOH/H+)を含有するメタノール中で実行された。一般的な手順は次の通りである:HPMA(272mg、1.9mmol)及びMA-GG-TT(30.1mg、0.1mmol)をシュレンクライン(Schlenk-line)に付いているアンプル内へと添加した。3回の真空窒素循環で酸素を除去した後、1mLの脱気MeOH/H+を添加してモノマーを溶解した。その後、CPDB溶液(50μL MeOH/H+中に0.43mg)及びVA-044溶液(50μL MeOH/H+中に0.25mg)を、シリンジを介して添加した。アンプルを密封する前に該混合物を窒素で15分間泡立てた;共重合を40℃で36時間行った。該コポリマーを、アセトンへの沈殿によって単離し、メタノール-アセトンに2回溶解沈殿することによって精製し、真空下で乾燥させた。P-TTの収率は、160mg(53%)であった。P-TTの数平均分子量(Mn)及び分子量分布(多分散性、Pd)をSECによって、miniDAWN及びOptilabREX検出器(GE Healthcare)を備えたAKTA FPLCを使用して決定した。Superose 6 HR10/30カラム(GE Healthcare)を、酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)及び30%アセトニトリル(v/v)を移動相として、使用した。末端(活性)ジチオベンゾアト基を除去するために、P-TTコポリマーを、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(V-65)(Wako Chemicals、バージニア州リッチモンド)と反応させた。簡潔には、P-TT(39mg、Mn=92kDa、~0.42mmol)及びV-65(20倍過剰、2.1mg、~8.47mmol)をアンプル内に添加した。3回の真空窒素循環で酸素を除去した後、0.4mLのMeOH/H+を添加した。該溶液を窒素で15分間泡立て、密閉し、50℃で3時間反応させた。末端修飾コポリマーを、アセトンへの2回沈殿によって精製し、次いで真空下で乾燥させた(収率34mg、または86%)。コポリマー内のTT基の含有量を、305nmでのUV吸光度によって決定した(モル吸光係数=10,900M-1cm-1;メタノール中)(Subrら、2006)。FITCの含有量を、495nmでの吸光度によって決定した(モル吸光係数=82,000M-1cm-1;ホウ酸緩衝液pH9.2+10%(v/v)DMF中)(Omelyanenkoら、1998)。
P-MORF2を生成するためのP-TTへのMORF2-NH2の付着に関して、上述のP-TTをMORF2-NH2と反応させて、多価P-MORF2を生成した。例えば、次のステップを実施した:10mgのP-TT(92kDa;3.83μMolのTT基を含有する)を6.46mg(766nmol)のMORF2-NH2と、400μLの10mM PBS(pH7.4)中で混合した。アンプル内の該溶液混合物を室温で24時間撹拌した;次いで1μLの1-アミノ-2-プロパノール(Sigma-Aldrich、ミズーリ州セントルイス)を添加し、さらに15分間撹拌して、ポリマー鎖上の未反応TT基をアミノライズ(aminolyze)した。反応後、該溶液を0.22μMフィルターを通してろ過し、該コンジュゲートを、PBS(pH7.2)で溶出されたSuperose6HR16/60カラム(GE Healthcare)を有するAKTA FPLCを使用してSECによって精製した。P-MORF2を、非コンジュゲートMORF2(あれば)の除去後、265nmでのUV吸光度によって特徴付けた。MORF2の含有量を定量化し、結合価(ポリマー鎖あたりのMORF2の数)を決定するために、紫外・可視解析の前に、分取りしたP-MORF2コンジュゲートを凍結乾燥し、0.1N HClに溶解した。252,000(M-1cm-1)のモル吸光係数をMORF2の定量化のために使用した。P-MORF2コンジュゲートの結合価を、結果得られたMORF2含有量及びポリマー骨格のMn(以前にSECによって決定された)に基づいて算出した。
(d)Fab’-MORF1及びP-MORF2の特徴付け
MORF1及びMORF2オリゴの定量化、ならびにコンジュゲート内のMORFの含有量の決定のために紫外・可視分光法を使用した。MORF1及びMORF2のモル吸光係数(265nmで、0.1N HCl中)は、それぞれ、278,000及び252,000(M-1cm-1)であった。P-MORF2コンジュゲートの結合価を、MORF2の消衰係数及びポリマー骨格のMnを使用して決定した。P-MORF2コンジュゲートのMORF2当量濃度を、紫外・可視分光法を使用して定量化した。Fab’-MORF1コンジュゲートのFab’当量濃度を、ビシンコニン酸(BCA)タンパク質アッセイ(Thermo Scientific Pierce、イリノイ州ロックフォード)によって定量化した。
MORF1-MORF2ハイブリダイゼーションの際の淡色効果の解析をVarian Cary400Bio紫外可視分光光度計(Agilent Technologies、カリフォルニア州サンタクララ)を使用して実施した。MORF1及びMORF2(またはFab’-MORF1及びP-MORF2)をまず1mLのPBS(pH=7.4)にそれぞれ2.5μM(MORF当量)の濃度で溶解し、次に、異なる比率で混合した。全ての溶液混合物におけるMORFオリゴ(MORF1+MORF2)の最終濃度は、一定に保たれた(2.5μM)。例えば、75%のMORF1(または25%MORF2)を含有する混合物は、0.75mLの2.5μM MORF1溶液と0.25mLの2.5μM MORF2溶液を混合することによってなされた。試料を、1cmのクォーツ製のキュベット内に配置した。260nm(塩基によって寄与される)での光学濃度(OD)を記録した。全ての測定を三重で行った。
コンジュゲート、Fab’-MORF1及びP-MORF2、及びその前駆体、Fab’-SH及びP-TTの流体力学的有効直径を、DLS(動的光散乱法)によって、Brookhaven製BI-200SMゴニオメーター及びHe-Neレーザー(λ=633nm)を備えたBI-9000ATデジタルコリレーターを使用して室温でPBS(pH7.4)中で解析した。散乱角は90°であった。直径102±3nm(標準100nm)のNanosphere(商標)ポリスチレンサイズ標準(Thermo Scientific、マサチューセッツ州ウォルサム)を並べて(in line)測定した。約1mg/mLの濃度でのコンジュゲート及び前駆体を、測定の前に0.22μMフィルターを通してろ過した。全ての試料は、0.2未満の多分散性を示し、平均粒子直径を記録した。さらには、DLSを使用してFab’-MORF1及びP-MORF2が結合する際の粒子サイズの変化を特徴付けた。解析を、二つのコンジュゲートを(等モルのMORF1/MORF2濃度で)混合した後、異なる時間(10分後、30分後、60分後)で解析を行った。全ての試料は、ハイブリダイズされたコンジュゲートを示す主要集団粒子(多分散性<0.2)、ならびに非結合Fab’-MORF1及びP-MORF2を示す小数集団粒子を含有した。主要集団の平均有効直径を記録した。全ての測定を三重で行った。
熱電性温度制御システムを有するAviv 62DS CD分光計(Aviv Biomedical、ニュージャージー州レイクウッド)を使用した。定期的な測定(熱融解解析を除く)を、各試料が1nm/ステップ(帯域幅=1nm、各ステップ=2秒)で200から340nmまで走査される25℃で実行した。試料を10mM PBS(pH7.4)中で50μM MORF当量濃度(50μM Fab’当量でのFab’-SH)で調整した。測定の前に、試料を0.22μMフィルターを通してろ過し、0.1cm光路長のクォーツ製のキュベット内に配置した。得られたスペクトルをバックグラウンド(PBS pH=7.4)から差し引いた;三つの連続走査からのデータを平均化した。熱融解試験については、260nmでのCDシグナルを記録した(n=3)。
Fab’-MORF1及びP-MORF2(またはMORF1及びMORF2)を等モル比(5μM/5μM MORF1/MORF2)でPBS pH=7.4中で1時間室温で混合した。該溶液混合物を、測定の前に、ろ過し、1cm光路長のクォーツ製のキュベット内に配置した。各試料は、まず2℃/ステップで、25℃から95℃へ温度が上昇する順方向走査を受けた。各ステップについて、各試料を2分間平衡化し、その後30秒間のデータ点平均化を行った。その後、-10℃/ステップで95℃から25℃に温度低減する逆方向走査を実施した。各ステップについて、試料を5分間平衡化し、30秒間のデータ点平均化を行った。
測定された楕円率(θobs)を、次の式を使用してモル楕円率(θ)に変換した:θ=θobs/(l×c)、式中、lはキュベットの光学的距離であり、cはMORF当量モル濃度である。MORF1-MORF2ハイブリダイゼーションの融解温度(Tm)を解析するため、θ(260nmで)を温度(T)に対してプロットし、データを、次の4パラメータロジスティック関数を使用して非線形回帰(グラフパッドプリズム5ソフトウェア)によって熱融解曲線にフィットさせた:
θ=θmin+(θmax-θmin)/[1+(T/Tm)^H]
式中、θminは曲線における最小モル楕円率(260nmで)であり、θmaxは曲線における最大モル楕円率(260nmで)であり、Hは、Hill slopeである。
(e)共焦点蛍光顕微鏡
ヒトバーキットB細胞非ホジキンリンパ腫Raji細胞系統(ATCC、メリーランド州ベセスダ)を、10%ウシ胎児血清(Hyclone、ユタ州ローガン)を補充されたRPMI-1640培地(Sigma、ミズーリ州セントルイス)において、5%のCO2(v/v)を有する37℃の加湿雰囲気下で培養した。全ての実験は、対数増殖期の細胞を使用して行われた。連続処置については、ウェルあたり106の密度の細胞を0.4mLのFab’-MORF1-RHO(0.4μM Fab’当量)と培養培地にて37℃で一時間インキュベートした;次いで、0.4mLのP-MORF2-FITC(0.4μM MORF2当量)とのさらに1時間にわたるインキュベーションの前に、細胞を2回PBSで洗浄した。予混合処置については、Fab’-MORF1-RHO及びP-MORF2-FITCを最初に培養培地内で等モル濃度(0.4μM)で1時間混合した;次いで、同一密度の細胞を0.4mLの予混合溶液と1時間インキュベートした。インキュベーションの後、細胞をPBSで2回洗浄し(コンジュゲートを含有する培地を捨てるため)、次いで、オリンパス製レーザー走査型共焦点顕微鏡(FV1000)を使用して、イメージングするために、14mmのマイクロウェルを有する滅菌された35mmガラス底培養皿(MatTek Corporation、マサチューセッツ州アッシュランド)上に配置した。対照試験については、全ての対応する成分の濃度を一貫して維持した;過剰量のP-FITC及びP-dsMORFを使用した。解析の前に、FITC標識1F5 mAb、ローダミン標識F(ab’)2、及びPBSとインキュベートされた細胞を、チャネル設定を調整する及びCD20結合を確認するために使用した。
(f)IN VITROアポトーシスの評価
ヒトNHL B細胞のアポトーシスを三つの方法によって評価した:カスパーゼ3アッセイ、アネキシンV/PIアッセイ、及びTUNELアッセイ。これらのアッセイは異なる側面からアポトーシスを評価した-カスパーゼ3活性化のレベルは、アポトーシス性タンパク質発現を表した;アネキシンV/PI結合は、初期アポトーシス事象としての細胞膜反転を特徴付けた;TUNELアッセイは、後期アポトーシス事象としてのゲノムDNA断片化を解析した。アポトーシス活性(アポトーシス細胞%)の定量化をフローサイトメトリーによって実施した。
Fab’-MORF1及びP-MORF2との共処置によるヒトバーキットB細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)Raji細胞のin vitroアポトーシス誘導を三つのアッセイによって評価した:カスパーゼ3活性化アッセイ、アネキシンV/ヨウ化プロピジウム(PI)結合アッセイ、及びTUNEL(ターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼdUTPニック末端標識法)アッセイ。全ての実験において、ヤギ抗マウス(GAM)二次抗体(2°Ab)(KPL、メリーランド州ゲイザースバーグ)と高架橋した1F5 mAbを、陽性対照として使用した(モル比 1F5:GAM=2:1)。未処置細胞(培養培地内)を陰性対照として使用した。
カスパーゼ3活性を評価するために、Phi-PhiLuxキット(OncoImmunin、メリーランド州ゲイザースバーグ)を使用した。連続処置について、2×105個のRaji細胞を0.5μMのFab’-MORF1を含有する0.4mLの新鮮な増殖培地に懸濁した。該細胞を、5%のCO2を有する37℃の加湿雰囲気中で1時間インキュベートし、次いでPBS+1%ウシ血清アルブミン(BSA)を用いて2回洗浄し、その後、0.5μMまたは5μM(MORF2当量)のP-MORF2を含有する0.4mLの培地に再懸濁した。該細胞懸濁液を6時間または24時間インキュベートした。予混合処置については、まず、0.5μMのFab’-MORF1を0.5μMまたは5μM(MORF2当量)のP-MORF2と培養培地にて室温で1時間混合し、次いで2×105個のRaji細胞を0.4mLの予混合溶液に懸濁した。該細胞懸濁液を6時間または24時間インキュベートした。陽性対照については、細胞をまず0.4mLの0.5μMの1F5 mAbと培養培地にて1時間インキュベートし、次いでPBS+1%BSAを用いて2回洗浄し、その後0.25μMのGAMを含有する0.4mLの新鮮な増殖培地に再懸濁した。該細胞を、37℃でさらに6時間または24時間インキュベートした。処置の後、細胞をPBSを用いて2回洗浄し、製造業者のプロトコルに従ってカスパーゼ3活性について解析した。全ての実験を三重で行った。
アネキシンV-FITC及びPI染色を製造業者(Oncogene Research Products、マサチューセッツ州ボストン)によって提供されるRAPID(商標)プロトコルに従って行った。連続処置については、2×105個のRajiまたはDG75(CD20陰性;対照)細胞を0.5、1、2または5μMのFab’-MORF1を含有する0.4mLの新鮮な増殖培地に懸濁した。該細胞を5%のCO2を有する37℃の加湿雰囲気中で1時間インキュベートし、次いでPBS+1%ウシ血清アルブミン(BSA)を用いて2回洗浄し、その後0.5μM、1μM、2μM、または5μM(MORF2当量)のP-MORF2を含有する0.4mLの培地に再懸濁した。該細胞懸濁液を24時間または48時間インキュベートした。予混合処置については、まず、0.5μM、1μM、2μM、または5μMのFab’-MORF1を0.5μM、1μM、2μM、または5μM(MORF2当量)のP-MORF2と、培養培地にて室温で1時間混合し、次いで2×105個のRajiまたはDG75細胞を0.4mLの予混合溶液に懸濁した。該細胞懸濁液を24時間または48時間インキュベートした。陽性対照については、細胞をまず0.4mLの0.5μM、1μM、2μM、または5μMの1F5 mAbと培養培地にて1時間インキュベートし、次いでPBS+1%BSAを用いて2回洗浄し、その後0.25μM、0.5μM、1μM、または2.5μMのGAMを含有する0.4mLの新鮮な増殖培地に再懸濁した。該細胞を37℃でさらに24時間または48時間インキュベートした。染色の前に、細胞をPBSで2回洗浄した。全ての実験を三重で実行した。
TUNELアッセイについて、Apo Direct TUNELキット(Phoenix Flow Systems、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用した。連続処置については、106個のRaji細胞を、0.5μMのFab’-MORF1を含有する0.5mLの新鮮な増殖培地に懸濁した。該細胞を5%のCO2を有する37℃の加湿雰囲気中で1時間インキュベートし、次いでPBS+1%ウシ血清アルブミン(BSA)を用いて2回洗浄し、その後、0.5μMまたは5μM(MORF2当量)のP-MORF2を含有する0.5mLの培地に再懸濁した。該細胞懸濁液を24時間または48時間インキュベートした。予混合処置については、まず、0.5μMのFab’-MORF1を0.5μMまたは5μM(MORF2当量)のP-MORF2と培養培地にて室温で1時間混合し、次いで106個のRaji細胞を0.5mLの予混合溶液に懸濁した。該細胞懸濁液を24時間または48時間インキュベートした。陽性対照については、細胞をまず0.5mLの0.5μMの1F5 mAbと培養培地にて1時間インキュベートし、次いでPBS+1%BSAを用いて2回洗浄し、その後0.25μMのGAMを含有する0.5mLの新鮮な増殖培地に再懸濁した。該細胞を37℃でさらに24時間または48時間インキュベートした。処置後、該細胞をPBSで2回洗浄し、PBS中2%パラホルムアルデヒドを用いて室温で1時間固定した。次いで、該細胞を70%のエタノール中で4℃で一晩透過処理をした。解析の前に、ニック末端標識を製造業者のプロトコルに従って実行した。全ての実験を三重で実行した。
(g)in vivo抗癌有効性の決定
約7週齢の雌C.B-17SCIDマウス(Charles River Laboratories、マサチューセッツ州ウィルミントン)に尾静脈を介して200μL食塩水中の4×106個のRaji細胞を静脈注射した(0日目)。この動物モデルは、後肢麻痺及びその後の動物の死亡につながる、脊髄を含む様々な臓器におけるリンパ腫細胞の播種、浸潤、及び増殖を表す(Ghetieら、1990、1992;Griffirthsら、2003)。後肢麻痺の発症を実験のエンドポイントとした;加えて、体重損失が>20%となったときマウスを屠殺した。麻痺/病気のサインがない動物は125日目まで維持され、長期生存者と考えられた。コンジュゲート、Fab’-MORF1(57.5μg/20g;1nmolのMORF1)及びP-MORF2/v10(22μg/20g;1nmolのMORF2)、を100μLのPBSに溶解し、尾静脈を介して連続的に(1時間間隔)または予混合物(処置の1時間前に混合)としてのいずれかで注射した。接種マウスを7群に分けた:(1)陰性対照(200μLのPBSを注射)、(2)連続処置の単回投与(連続×1)、(3)予混合処置の単回投与(予混合×1)、(4)3回投与された連続処置(連続×3)(5)3回投与された予混合処置(予混合×3)(6)連続処置の単回投与だが、Fab’-MORF1に対して5倍過剰なP-MORF2/v10(110μg/20g;5nmolのMORF2)を用いる(連続(1:5)×1)、及び(7)3用量(75μg/20g;用量あたり1nmolのFab’当量)の1F5 mAbを尾静脈を介して注射された陽性対照。単回用量群については、コンジュゲートを1日目に投与した(癌細胞投与の24時間後);複数用量群については、コンジュゲート(またはmAb)を1、3、5日目に与えた。疾患進行をモニターするため、マウス(群あたり2~4匹)をT1強調MRIによって4、5、及び16週目に走査した。ガドベン酸メグルミン(MultiHance(登録商標);Bracco SpA、イタリア、ミラノ)を0.3mmol/kgで撮像の20分前に(静脈内)注射した。造影前画像を比較に使用した。
ハイブリダイゼーションを媒介する薬物を含まない高分子治療、いわゆる、Fab’-MORF1とP-MORF2を用いた共処置の治療有効性を、SCID(C.B-17)マウスが静脈内にヒトRaji B細胞を移植された、進行性NHLの動物モデルにおいて評価した。全ての処置レジメンは本項に記載される。動物の処置後モニタリングを、1日に2回行った。マウスの体重を一日おきに記録した。綿密に評価されたマウスの主要な態様は、後肢麻痺、食餌/水消費量、異常な行動/活動のバイタルサイン(例えば、特定の領域を舐める、噛む、引っ掻く、及び発声する)、及び容姿(例えば、身繕いに失敗する、ボサボサの外見、異常な休息/猫背姿勢、起毛)を含む。次のシナリオ(どれでも最初に現れたもの)に従って動物を屠殺した:(1)(後肢)麻痺の発症、及び(2)最初(癌細胞の注射の1日前)の20%を超える体重損失。前述のサインをいずれも伴わない動物は(癌細胞の注射後)125日目まで維持され、さらなる解析のために屠殺された。
in vivo MRIの取得のために、マウスを精密気化器からの酸素中で1%~2.5%のイソフルラン(IsoFlo(登録商標)、Abbott Laboratories、イリノイ州アボットパーク)を用いて麻酔した。マウスをコイル中心で腹臥位に配置した。30cm幅の円筒穴及び12cmの傾斜磁場インサートを有する7テスラのBruker BioSpec MRIスキャナー(Bruker Biospin、マサチューセッツ州ビレリカ)を使用した。造影前画像をまず取得し、次いでマウスにガドリニウムをベースとした造影剤、ガドベン酸メグルミン(Multihance(登録商標);Bracco Imaging、イタリア、ミラノ)を、尾静脈を介して0.3mmol/kg(100μL、生理食塩水中)で注射した。注射の20分後、造影後画像を取得した。走査の間、マウスの体温は、温風循環システム(SA Instruments、ニューヨーク州ストーニー・ブルック)を使用して37℃に維持された。呼吸を継続的にモニターした。ParaVision(登録商標)5.1ソフトウェア環境下で走査を実行した。取得パラメータは次の通りであった:呼吸アーチファクトを抑制するためにレトロスペクティブゲーティングを用いたT1強調FLASHシーケンス、エコー時間(TE)2.9ミリ秒、繰り返し時間(TR)43.2ミリ秒、フリップアングル50°、厚さ0.5mmでの6枚の矢状面切片、マトリクス256×256、視野(FOV)3cm×3cm、50反復。走査の後、画像を解析し、オフラインワークステーション(OsiriX)上で処理した。
(h)残留Raji細胞のフローサイトメトリー解析
マウスを屠殺した後、次の臓器/組織を残留Raji細胞についてフローサイトメトリーによって解析した:骨髄(大腿)、腸間膜リンパ節及び鼠径リンパ節、脊髄、及び脾臓。二つの蛍光標識された抗体、R-フィコエリスリン(PE)標識マウス抗ヒトCD10(IgG1、κイソタイプ)及びアロフィコシアニン(APC)標識マウス抗ヒトCD19(IgG1、κイソタイプ)(BD Biosciences、カリフォルニア州サンノゼ)を使用してRaji B細胞を染色した(Chenら、2010)。単細胞懸濁液を次の手順を使用して臓器/組織から調製した。骨髄については、新鮮な大腿部を1mLのPBSでパージして細胞懸濁液を得た。細胞を5mLの赤血球(RBC)溶解バッファーに再懸濁し、室温で5分間インキュベートした。次いで、細胞を5mLのPBSで洗浄し、遠心分離してデブリを除去し、その後400μLの冷たい洗浄バッファーに再懸濁して、4つのチューブに等しく分けた:(1)非染色対照、(2)CD10単独染色、(3)CD19単独染色、及び(4)CD10/CD19二重染色細胞。染色については、20μLの各抗体を、約106個の細胞を含有する100μLの細胞懸濁液に添加した。細胞を30分間4℃で暗所でインキュベートし、解析の前に1.5mLの洗浄バッファーで洗浄した。リンパ節、脊髄及び脾臓については、機械的な方法を使用した。1mLのPBSを含有するシャーレ内のピンセットの助けを借りて組織を優しく脱凝集した。懸濁液を、70μmのFalcon(商標)cell strainer(BD Biosciences)を通過させて大きな凝集塊及びデブリを除去し、次いで細胞を遠心分離して5mLのRBC溶解バッファーに再懸濁した。残りの手順は上述と同じである。フローサイトメトリー解析については、1~1.5×105個の細胞のデータを記録した。
(i)病理学及び病理組織学的検査
マウスを屠殺した直後、次の臓器/組織を病理学的評価のために回収した:脳、心臓、肺、肝臓、脾臓、腎臓、脊髄及びリンパ節。これらの臓器/組織を10%ホルマリン中で一晩室温で固定し、それから移動させて70%エタノール中で保存した。病理組織学的検査を盲検獣医病理学者によってARUP Laboratories(ユタ州ソルトレイクシティ)で行った。切片を4μmの厚さで切断し、ガラススライド上に乗せ、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)で染色した。
(j)統計解析
この試験における全ての実験は少なくとも3回実施された。定量化したデータを、平均±標準偏差(SD)として表した。統計解析は、2群間を比較するためのスチューデントのT検定、または、三つまたはそれを超える群を比較するための一元配置分散分析(ANOVA)によって実施された(p値<0.05は、統計学的に有意な差を示す)。動物の生存解析を、グラフパッドプリズム5ソフトウェアを使用してログランク検定を用いて実施した。
iii)実験の利点
ハイブリダイゼーションを媒介する細胞表面抗原架橋及びアポトーシス誘導を含むシステムを本明細書に開示する。細胞事象(アポトーシス)は、正確に標的された治療の設計に適した分子レベルから規定される特定の生体認識(すなわち、塩基対合)によって引き起こされる。本開示の二つのステップ(連続)処置は、事前標的の機会を提供する(Goodwinら、2001;Gunら、2011;Zhouら、2009)。これは、予混合処置及び他の単一成分抗CD20構築物、例えばリツキシマブポリマー(Zhangら、2005)及び多価抗CD20Fab’官能化ポリマー(Johnsonら、2009、2012;Chuら、2012)と比べて有利である。例えば、架橋用量(P-MORF2)の投与のタイミングは、事前標的用量(Fab’-MORF1)の生体分布に基づいて、個別の患者において最大の腫瘍対組織の蓄積を達成し、より有効な処置を可能にするために最適化され得る。このアプローチは、また、オフターゲット結合に関する有害反応の可能性を制限し、それゆえ固形腫瘍ならびに播種性疾患の処置に有益である。血液系の癌については、Fab’-MORF1の薬物動態及び病気細胞に対するFab’-MORF1の結合速度論は、P-MORF2投与の最良のタイミングを決定するためにさらに研究され得る。
例えば、連続処置においてFab’-MORF1後のP-MORF2コンジュゲートの最適な投与スケジュールを探索するために、Fab’-MORF1コンジュゲートの薬物動態を調査した。マウスの125I標識Fab’-MORF1コンジュゲートの血液(放射)活性時間プロファイルを図29に示し、ここで閉環は平均放射能を表し、血液のグラムあたりの注射された用量のパーセンテージとして表される(ID/g%)。データを、平均±標準偏差(SD)として表した(n=5)。結果は、連続処置において最大の事前標的有効性を達成するためには、P-MORF2は、(ほとんどのコンジュゲートが血液から排除されるとき)、Fab’-MORF1の静脈注射後5時間以内で投与され得ることを示す。このとき、ハイブリダイゼーションを妨害するだろう最低限の遊離Fab’-MORF1(B細胞に非結合)がある。このデータは、本提案の組成物及び方法の治療有効性がさらに最適化され得ることを示す。
本明細書に記載の動物実験は、同等用量での、Fab’-MORF1+P-MORF2(1:1)の単一処置は、Fab’-CCE+P-CCK(1:25)の単一処置よりも、リンパ腫播種の予防に有意に有効であったことを示す(連続処置:MORFについて81日間の生存期間中央値、対、CCについて50日間の生存期間中央値;予混合処置:MORFについて78日間の生存期間中央値、対、CCについて55日間の生存期間中央値)。これらのデータは、コイルドコイル形成ペプチドと比較してMORFオリゴのHPMAポリマー鎖へのより優れた結合及びアクセシビリティを示す。加えて、MORF1-MORF2ハイブリダイゼーションについて、速い結合速度論が観察された(DLSによって特徴付けられたとき、~10分;図11B)。逆に、CCE-CCKコイルドコイル形成は、より長い時間(~60分)を要した(Wuら、2010)。CC対MORFの比較は、本開示の組成物、複合体、及び方法が、薬物を含まない高分子治療の設計について有利であることを示す。
本明細書に開示の組成物、複合体、及び方法は、少なくとも二つの重要な利点を有する:(1)多価による、より優れたB細胞の標的化、及び(2)免疫機能に関連する副作用の低減の可能性。ペプチドを使用した以前の設計(すなわち、生体認識部分としてアンチパラレルなコイルドコイルヘテロ二量体を形成するペンタヘプタド(pentaheptad)ペプチドの対を使用する抗CD20の薬物を含まない高分子治療システム(Wuら、2010;Wuら、2012)と比較するとき、本明細書に開示のMORFオリゴはより速い結合速度論を実証し、それゆえより優れたアポトーシス誘導及びin vivo抗リンパ腫をもたらす。本開示のMORFオリゴの他の利点は、(1)in vivo安定性(すなわち、ヌクレアーゼ耐性)を保証する化学的に修飾された骨格、(2)十分に定義された結合特異性(すなわち、オフターゲット影響の可能性を予防する)、(3)電荷中性の性質(すなわち、強い結合親和性をもたらす)、(4)十分に確立された安全性プロファイル(すなわち、コイルドコイルペプチドの免疫原性の懸念に対処する)、及び(5)良好な水溶性及び好ましい薬物動態。
様々な修正及び変形が本発明の範囲または精神から逸脱することなく本発明においてなされ得ることは当業者に明らかであろう。本発明の他の態様は、本明細書に開示された本発明の明細書および実行の考察から当業者には明らかであろう。本発明の真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲によって示され、明細書および実施例は単なる例示として考えられることが意図される。本明細書に開示及び特許請求される全ての組成物及び/または方法は、本開示に照らして過度の実験なしに作成及び実行されることができる。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕アポトーシスを誘導する方法であって、
(i)細胞の集団を標的化部分及びモルフォリノを含む第一の複合体と接触させる工程、及び
(ii)細胞の集団をコポリマー担体及び一つ以上のモルフォリノを含む第二の複合体と接触させる工程を含み、
前記第一の複合体及び前記第二の複合体と前記細胞との前記接触が、前記細胞のアポトーシスを誘導することを特徴とする、方法。
〔2〕ステップ(i)及びステップ(ii)を反復する工程をさらに含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕(iii)前記細胞のアポトーシスを確認する工程をさらに含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔4〕前記細胞が、B細胞である、前記〔1〕に記載の方法。
〔5〕前記細胞が、対象内にある、前記〔1〕に記載の方法。
〔6〕前記対象が、非ホジキンリンパ腫を有する、前記〔5〕に記載の方法。
〔7〕前記標的化部分が、非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子に特異的である、前記〔1〕に記載の方法。
〔8〕前記非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子が、CD20受容体、タンパク質チロシンホスファターゼ受容体C型、細胞表面死受容体、前立腺幹細胞抗原受容体、または腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーに属する受容体である、前記〔7〕に記載の方法。
〔9〕前記標的化部分が、多糖類、ペプチドリガンド、アプタマー、Fab’断片、または一本鎖可変部である、前記〔7〕に記載の方法。
〔10〕前記標的化部分が、Fab’断片である、前記〔9〕に記載の方法。
〔11〕前記Fab’断片が、抗CD20受容体抗体に由来する、前記〔10〕に記載の方法。
〔12〕前記抗CD20受容体抗体が、1F5、リツキシマブ、トシツモマブ、イブリツモマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、オクレリズマブ、オカラツズマブ、オビヌツズマブ、PRO131921、BCD-020、IBI-301、ウブリツキシマブ、またはBLX-301である、前記〔11〕に記載の方法。
〔13〕前記第一の複合体のモルフォリノ及び前記第二の複合体の一つ以上のモルフォリノが、相補的である、前記〔1〕に記載の方法。
〔14〕前記第一の複合体のモルフォリノが、5’GAGTAAGCCAAGGAGAATCAATATA3’(配列番号25)であり、前記第二の複合体の一つ以上のモルフォリノが、5’TATATTGATTCTCCTTGGCTTACTC3’(配列番号26)である、前記〔1〕に記載の方法。
〔15〕アポトーシスを誘導する方法であって、
細胞の集団を、標的化部分及びモルフォリノを含む第一の複合体と、コポリマー担体及び一つ以上のモルフォリノを含む複合体を含む第二の複合体とを含む組成物と接触させる工程を含み、前記細胞の前記組成物との前記接触が、前記細胞のアポトーシスを誘導することを特徴とする、方法。
〔16〕前記組成物と前記細胞の前記接触を反復する工程をさらに含む、前記〔15〕に記載の方法。
〔17〕前記細胞が、B細胞である、前記〔15〕に記載の方法。
〔18〕前記細胞が、対象内にある、前記〔15〕に記載の方法。
〔19〕前記対象が、非ホジキンリンパ腫を有する、前記〔18〕に記載の方法。
〔20〕前記標的化部分が、非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子に特異的である、前記〔15〕に記載の方法。
〔21〕前記非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子が、CD20受容体、タンパク質チロシンホスファターゼ受容体C型、細胞表面死受容体、前立腺幹細胞抗原受容体、または腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーに属する受容体である、前記〔20〕に記載の方法。
〔22〕前記標的化部分が、多糖類、ペプチドリガンド、アプタマー、Fab’断片、または一本鎖可変部である、前記〔15〕に記載の方法。
〔23〕前記標的化部分が、Fab’断片である、前記〔22〕に記載の方法。
〔24〕前記Fab’断片が、抗CD20受容体抗体に由来する、前記〔23〕に記載の方法。
〔25〕前記抗CD20受容体抗体が、1F5、リツキシマブ、トシツモマブ、イブリツモマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、オクレリズマブ、オカラツズマブ、オビヌツズマブ、PRO131921、BCD-020、IBI-301、ウブリツキシマブ、またはBLX-301である、前記〔24〕に記載の方法。
〔26〕前記第一の複合体のモルフォリノ及び前記第二の複合体の一つ以上のモルフォリノが、相補的である、前記〔15〕に記載の方法。
〔27〕前記第一の複合体のモルフォリノが、5’GAGTAAGCCAAGGAGAATCAATATA3’(配列番号25)であり、前記第二の複合体の一つ以上のモルフォリノが、5’TATATTGATTCTCCTTGGCTTACTC3’(配列番号26)である、前記〔15〕に記載の方法。
〔28〕(i)標的化部分及びモルフォリノを含む第一の複合体と、(ii)コポリマー担体及び一つ以上のモルフォリノを含む第二の複合体とを備えることを特徴とするキット。
〔29〕(iii)前記(i)の複合体及び前記(ii)の複合体を投与するための説明書をさらに備える、前記〔28〕に記載のキット。
〔30〕前記第一の複合体及び前記第二の複合体が、同時に処方される、前記〔28〕に記載のキット。
〔31〕前記標的化部分が、非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子に特異的である、前記〔28〕に記載のキット。
〔32〕前記非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子が、細胞上にある、前記〔31〕に記載のキット。
〔33〕前記細胞が、B細胞である、前記〔32〕に記載のキット。
〔34〕前記非内在化細胞表面分子または緩徐内在化細胞表面分子が、CD20受容体、タンパク質チロシンホスファターゼ受容体C型、細胞表面死受容体、前立腺幹細胞抗原受容体、または腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーに属する受容体である、前記〔31〕に記載のキット。
〔35〕前記標的化部分が、多糖類、ペプチドリガンド、アプタマー、Fab’断片、または一本鎖可変部である、前記〔28〕に記載のキット。
〔36〕前記Fab’断片が、抗CD20受容体抗体に由来する、前記〔35〕に記載のキット。
〔37〕前記抗CD20受容体抗体が、1F5、リツキシマブ、トシツモマブ、イブリツモマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、オクレリズマブ、オカラツズマブ、オビヌツズマブ、PRO131921、BCD-020、IBI-301、ウブリツキシマブ、またはBLX-301である、前記〔36〕に記載のキット。
〔38〕前記第一の複合体のモルフォリノ及び前記第二の複合体の一つ以上のモルフォリノが、相補的である、前記〔28〕に記載のキット。
〔39〕前記第一の複合体のモルフォリノが、5’GAGTAAGCCAAGGAGAATCAATATA3’(配列番号25)であり、前記第二の複合体の一つ以上のモルフォリノが、5’TATATTGATTCTCCTTGGCTTACTC3’(配列番号26)である、前記〔28〕に記載のキット。
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