JP7173000B2 - 半導体装置の製造方法及びエキスパンドテープ - Google Patents

半導体装置の製造方法及びエキスパンドテープ Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置の製造方法及びエキスパンドテープに関する。
近年、半導体装置の小型化、高機能化及び高集積化に伴い、半導体の多ピン化、高密度化及び配線の狭ピッチ化が進展している。そのため、ピン又は配線の微細化又は低誘電率化を目的としたlow-K層のような脆弱層が適用され、これに伴い高信頼性化技術が求められている。
このような背景の中、高信頼性化、高生産化等が可能なウエハレベルパッケージ(Wafer Level Package:WLP)技術が進展している。
WLP技術は、ウエハ状態のままで組立を行い、その最終工程でダイシングによってウエハを個片化することを特徴とする。ウエハレベルで一括に組立てる(封止を行う)ことから、高生産化及び高信頼性化が可能な技術である。
WLP技術では、半導体チップの回路面の絶縁膜上にポリイミド、銅配線等で再配線パターンを形成した再配線層を形成し、その再配線上にメタルパッド、はんだボール等を搭載して、接続端子用バンプを構成する。
WLPには、WLCSP(Wafer Level Chip Scale Package)又はFI-WLP(Fan In Wafer Level Package)のような、半導体チップとパッケージ面積が同程度の半導体パッケージと、FO-WLP(Fan Out Wafer Level Package)のような、パッケージ面積が半導体チップ面積よりも大きく、チップの外側まで端子を広げることができる半導体パッケージとがある。このような半導体パッケージは小型化及び薄型化が急速に進展しているため、信頼性を確保するためにウエハレベルで封止を行って半導体チップ周辺を保護した後に、再配線層の形成、パッケージ毎の個片化等を行う。
このようなウエハレベルでの封止を行い、その後の二次実装等のハンドリングを行うことで信頼性を確保している。また、ディスクリート半導体のような単機能半導体の実装分野もハンドリングの際の半導体チップのクラック又はパッド周辺部にかかるストレス低減を目的に、ウエハレベルで封止を行って半導体チップ周辺を保護した後に、パッケージ毎に個片化して次の工程に(SMTプロセス等)に進んでいる。ディスクリート半導体はシステムLCIに比べて小型のものが多く、半導体チップをより高度に保護するため、半導体チップの5面又は6面封止が特に求められている。
ところで、半導体チップの側面を封止するためには、ウエハを個片化して半導体チップを作製した後に、半導体チップの間隔を広げる必要がある。半導体チップの間隔を広げる方法としては、半導体ウエハをダイシングすることによって得られる個片化された半導体チップをキャリア等に再配置する再配置工程を備える方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
Kang Chen et al., "Innovative Wafer Level Packaging Manufacturing with FlexLine," 2014 IEEE 16th Electronics Packaging Technology Conference (EPTC).
しかしながら、半導体チップの小型化により、ウエハ毎の半導体チップ数が増えるため、マウンタ、フリップチップボンダ等を使用して半導体チップを再配置する再配置工程の長時間化が課題となっている。また、半導体チップの薄型化等によって再配置工程におけるチップマウントの際に、チップにダメージが生じるおそれがある。
上記事情に鑑み本発明は、再配置工程を有する従来のプロセスと比べて短時間化が可能であり、且つチップに与えるダメージが小さい半導体装置の製造方法及び当該製造方法に適用可能なエキスパンドテープを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、以下の[1]~[9]に記載の発明により、上記課題を解決できることを見出すに至った。
[1] エキスパンドテープを加熱しながら延伸することにより、当該エキスパンドテープ上に固定された、個片化された半導体チップの間隔を100μm以下から300μm以上に広げるテープエキスパンド工程を備える半導体装置の製造方法に用いられるエキスパンドテープであって、
テープエキスパンド工程の加熱温度における引張応力が10MPa以下であり、且つ室温における引張応力が上記加熱温度における引張応力よりも5MPa以上高いエキスパンドテープ。
[2] 半導体装置の製造方法が、延伸されたエキスパンドテープのテンションを保持するテンション保持工程と、テンションが保持されたエキスパンドテープ上の半導体チップをキャリアに転写する転写工程と、キャリアに転写された半導体チップからエキスパンドテープを剥離する剥離工程とを更に備える、[1]に記載のエキスパンドテープ。
[3] 基材層及び粘着層を有する、[1]又は[2]に記載のエキスパンドテープ。
[4] 粘着層が紫外線硬化型の粘着剤から構成される、[3]に記載のエキスパンドテープ。
[5] [1]~[4]のいずれかに記載のエキスパンドテープを加熱しながら延伸することにより、当該エキスパンドテープ上に固定された、個片化された半導体チップの間隔を100μm以下から300μm以上に広げるテープエキスパンド工程を備える、半導体装置の製造方法。
[6] 回路面にパッドが設けられた半導体チップを有する半導体装置の製造方法であって、
エキスパンドテープと、当該エキスパンドテープ上に回路面とは反対側の面が固定された複数の半導体チップと、を準備する第1A工程と、
エキスパンドテープを延伸することにより、エキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップの間隔を広げる第2A工程と、
延伸されたエキスパンドテープのテンションを保持する第3A工程と、
キャリアに、複数の半導体チップの回路面が固定されるように転写する第4A工程と、
複数の半導体チップからエキスパンドテープを剥離する第5A工程と、
キャリア上の複数の半導体チップを封止材により封止する第6A工程と、
封止材により封止された複数の半導体チップからキャリアを剥離する第7A工程と、
を備える半導体装置の製造方法。
[7] 回路面にパッドが設けられた半導体チップを有する半導体装置の製造方法であって、
エキスパンドテープと、当該エキスパンドテープ上に回路面が固定された複数の半導体チップと、を準備する第1B工程と、
エキスパンドテープを延伸することにより、エキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップの間隔を広げる第2B工程と、
延伸されたエキスパンドテープのテンションを保持する第3B工程と、
キャリアに、複数の半導体チップを回路面とは反対側の面が固定されるように転写する第4B工程と、
複数の半導体チップからエキスパンドテープを剥離する第5B工程と、
キャリア上の複数の半導体チップを封止材により封止する第6B工程と、
を備える半導体装置の製造方法。
[8] 回路面にパッドが設けられた半導体チップを有する半導体装置の製造方法であって、
エキスパンドテープと、当該エキスパンドテープ上に回路面とは反対側の面が固定された複数の半導体チップと、を準備する第1C工程と、
エキスパンドテープを延伸することにより、エキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップの間隔を広げる第2C工程と、
延伸されたエキスパンドテープのテンションを保持する第3C工程と、
キャリアに、複数の半導体チップの回路面が固定されるように転写する第4C工程と、
複数の半導体チップからエキスパンドテープを剥離する第5C工程と、
キャリア上の複数の半導体チップを封止材により封止する第6C工程と、
封止材により封止された複数の半導体チップからキャリアを剥離する第7C工程と、
封止材により封止された複数の半導体チップを、半導体チップ毎に個片化し、複数の半導体パッケージを形成する第8C工程を備える半導体装置の製造方法。
[9] 回路面にパッドが設けられた半導体チップを有する半導体装置の製造方法であって、
エキスパンドテープと、当該エキスパンドテープ上に回路面が固定された複数の半導体チップと、を準備する第1D工程と、
エキスパンドテープを延伸することにより、エキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップの間隔を広げる第2D工程と、
延伸されたエキスパンドテープのテンションを保持する第3D工程と、
キャリアに、複数の半導体チップの回路面とは反対側の面が固定されるように転写する第4D工程と、
複数の半導体チップからエキスパンドテープを剥離する第5D工程と、
キャリア上の複数の半導体チップを封止材により封止する第6D工程と、
封止材を研磨してパッドを露出させる第7D工程と、
封止材により封止された複数の半導体チップからキャリアを剥離する第8D工程と、
封止材により封止された複数の半導体チップを、半導体チップ毎に個片化し、複数の半導体パッケージを形成する第9D工程を備える半導体装置の製造方法。
本発明によれば、再配置工程を有する従来のプロセスと比べて短時間化が可能であり、且つチップに与えるダメージが小さい半導体装置の製造方法及び当該製造方法に適用可能なエキスパンドテープを提供することができる。
第1の半導体装置の製造方法における第1A工程~第4A工程の一実施形態を説明するための模式断面図である。 第1の半導体装置の製造方法における第5A工程~第7A工程の一実施形態を説明するための模式断面図である。 第1の半導体装置の製造方法における第8A工程及び第9A工程の一実施形態を説明するための模式断面図である。 第2の半導体装置の製造方法における第1B工程~第4B工程の一実施形態を説明するための模式断面図である。 第2の半導体装置の製造方法における第5B工程~第8B工程の一実施形態を説明するための模式断面図である。 第2の半導体装置の製造方法における第7B工程及び第8B工程の他の実施形態を説明するための模式断面図である。 第2の半導体装置の製造方法における第9B工程及び第10B工程の一実施形態を説明するための模式断面図である。 第3の半導体装置の製造方法における第1C工程~第4C工程の一実施形態を説明するための模式断面図である。 第3の半導体装置の製造方法における第5C工程~第8C工程の一実施形態を説明するための模式断面図である。 第3の半導体装置の製造方法における第4C工程~第8C工程の他の実施形態を説明するための模式断面図である。 第4の半導体装置の製造方法における第1D工程~第4D工程の一実施形態を説明するための模式断面図である。 第4の半導体装置の製造方法における第5D工程~第9D工程の一実施形態を説明するための模式断面図である。 第4の半導体装置の製造方法における第7D工程及び第8D工程の他の実施形態を説明するための模式断面図である。 第5の半導体装置の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。 第5の半導体装置の製造方法の他の実施形態を説明するための模式断面図である。
以下、図面を参照しながら本実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(半導体装置の製造方法)
[第1の半導体装置の製造方法]
本実施形態の第1の半導体装置の製造方法は、
回路面にパッドが設けられた半導体チップを有する半導体装置の製造方法であって、
エキスパンドテープと、当該エキスパンドテープ上に回路面とは反対側の面が固定された複数の半導体チップと、を準備する第1A工程と、
エキスパンドテープを延伸することにより、エキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップの間隔を広げる第2A工程と、
延伸されたエキスパンドテープのテンションを保持する第3A工程と、
キャリアに、複数の半導体チップの回路面が固定されるように転写する第4A工程と、
複数の半導体チップからエキスパンドテープを剥離する第5A工程と、
キャリア上の複数の半導体チップを封止材により封止する第6A工程と、
封止材により封止された複数の半導体チップからキャリアを剥離する第7A工程と、
封止材により封止された複数の半導体チップにおけるパッドから、再配線パターンを有する再配線層を形成して、半導体チップの領域外に、再配線パターンにより半導体チップに接続された接続端子用パッドを設ける第8A工程と、
半導体チップ及びこれに接続された接続端子用パッドを一群として個片化し、複数の半導体パッケージを形成する第9A工程と、
を備える。
本実施形態の第1の半導体装置の製造方法によれば、パッケージ面積が半導体チップ面積よりも大きく、チップの外側まで端子を広げることができる半導体パッケージ(FO-WLP)を製造することが可能となる。
FO-WLPは、チップ面積と比べて端子数が多い用途でも採用できるため、広がりつつある。また、半導体チップとパッケージ基板をはんだバンプ等でつないで、パッケージ基板にはんだボールを搭載するフリップチップBGAに対して、FO-WLPは半導体チップから再配線層につなぎ、再配線層にメタルパッド(接続用端子)を設けてはんだボールを搭載する。このため、FO-WLPは、パッケージの小型化及び薄型化に寄与し、さらには配線長が短くなるため、伝送の高速化(高機能化)、パッケージ基板レスによる低コスト化が可能となる。
FO-WLPでは、半導体ウエハをダイシング後、半導体チップ外に再配線層を介して接続端子用パッドを作製するため、半導体チップの間隔を広げる必要がある。半導体チップの間隔を広げる方法としては、従来半導体ウエハをダイシングすることによって得られる個片化された半導体チップをキャリア等に再配置する再配置工程を備える方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、半導体チップの小型化により、ウエハ毎の半導体チップ数が増えるため、マウンタ、フリップチップボンダ等を使用して半導体チップを再配置する再配置工程の長時間化が課題となっている。また、半導体チップの薄型化等によって再配置工程におけるチップマウントの際に、チップにダメージが生じるおそれがある。これに対して、本実施形態の第1の半導体装置の製造方法によれば、これらの問題を解消することができる。
以下、上述の第1A工程~第9A工程について、図1~3に基づいて説明する。図1は、第1A工程~第4A工程の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図2は、第5A工程~第7A工程の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図3は、第8A工程及び第9A工程の一実施形態を説明するための模式断面図である。
まず、第1A工程では、エキスパンドテープ1と、エキスパンドテープ1上に固定された複数の半導体チップ2とを準備する。エキスパンドテープ1は、粘着層1aと基材フィルム1bとを有し、粘着層1aが半導体チップ2と接する。また、半導体チップ2は、パッド(回路)3が設けられた回路面を有し、回路面とは反対側の面がエキスパンドテープ1に固定されている(図1(a))。なお、複数の半導体チップ2は、間隔を置いて配置されている。
第2A工程では、エキスパンドテープ1を延伸することにより、エキスパンドテープ1上に固定された、複数の半導体チップ2の間隔を広げる(図1(b))。
第3A工程では、延伸されたエキスパンドテープ1を、固定用ジグ4を用いて固定することにより、エキスパンドテープ1のテンションを保持する(図1(c))。
第4A工程では、キャリア5に、複数の半導体チップ2の回路面が固定されるように転写する(図1(d))。なお、転写の際には、パッド3がキャリア5に埋め込まれてもよく(図1(d))、パッド3のみがキャリア5と接し、半導体チップ2の回路面とキャリア5との間に隙間が存在してもよい(図示せず)。
第5A工程では、複数の半導体チップ2から、エキスパンドテープ1を剥離する(図2(a))。
第6A工程では、キャリア5上の複数の半導体チップ2を封止材6により封止する(図2(b))。なお、パッド3がキャリア5に埋め込まれ、半導体チップ2の回路面がキャリア5と接している場合には、回路面は封止されず、半導体チップの回路面とは反対側の面及び4側面の計5面が封止される(図2(b))。一方、半導体チップ2の回路面とキャリア5との間に、封止材6が流入するのに十分な隙間が存在する場合には、回路面も封止され、半導体チップの6面全てが封止される(図示せず)。
第7A工程では、封止材6で封止された複数の半導体チップ2からキャリア5を剥離する(図2(c))。
図3(a)は、図2(c)の拡大図である。
第8A工程では、封止材6により封止された複数の半導体チップ2におけるパッド3から、再配線パターン7を有する再配線層8を形成して、半導体チップ2の領域外に、再配線パターン7により半導体チップ2に接続された接続端子用パッド9を設ける(図3(b))。
第9A工程では、半導体チップ2及びこれに接続された接続端子用パッド9を一群として個片化し、複数の半導体パッケージ10を形成する(図3(c))。
以下、各工程について詳細に説明する。
<第1A工程>
エキスパンドテープと、エキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップと、を準備する方法に特に制限はない。例えば、ダイシングテープ等に半導体ウエハをラミネート後、ブレード又はレーザーでダイシングして複数の個片化された半導体チップを得た後、これらをエキスパンドテープに転写することにより作製することができる。
ダイシングは、レーザーで脆弱層を形成してエキスパンドすることによって行ってもよい。また、上述の転写を省略して生産性を向上させる観点から、エキスパンドテープに半導体ウエハを直接ラミネートして、上述の方法で半導体ウエハをダイシングして作製してもよい。
生産性向上及び低コスト化の観点から、初期の半導体のチップ間隔(第2A工程前の半導体チップの間隔)は狭い方が好ましく、100μm以下が好ましく、80μm以下がより好ましく、60μm以下が更に好ましい。ダイシングによるウエアの切削は、上記チップ間隔が広い程半導体ウエハを無駄にするため、低コスト化の観点から、上述のように狭い方が好ましい。チップ間隔を広げる際に、半導体チップにストレスがかからないようにするために、初期の半導体チップの間隔は10μm以上が好ましい。10μmより小さいと複数の半導体チップの間のエキスパンドテープ領域が少ないため広がりにくい。
半導体チップの回路面上のパッドの種類は、半導体チップの回路面に形成され得るものであれば特に限定されず、銅バンプ、はんだバンプ等のバンプ(突起電極)であっても、Ni/Auめっきパッド等の比較的平坦な金属パッドであってもよい。
<第2A工程>
エキスパンドテープを延伸することにより、複数の半導体チップの間隔を広げる。
エキスパンドテープの延伸方法としては、例えば、突き上げ方式と引張り方式がある。突き上げ方式は、エキスパンドテープを固定後、所定の形をしたステージが上昇することでエキスパンドテープが引き伸ばされる。引張り方式はエキスパンドテープを固定後、設置したエキスパンドテープ面と平行に所定の方向に引っ張ることで、エキスパンドテープが引き伸ばされる方式である。半導体チップの間隔を均一に引き伸ばせる点、及び必要な(占有する)装置面積が小さくてコンパクトである点から、突き上げ方式の方が好ましい。
延伸条件は、エキスパンドテープの特性に応じて適宜設定すればよい。例えば、突き上げ方式を採用した場合の突き上げ量(引張り量)は10mm~500mmが好ましく、10mm~300mmがより好ましい。10mm以上であると、複数の半導体チップの間隔が広がりやすく、500mm以下であると半導体チップの飛散又は位置ずれが起こりづらくなる。
温度もエキスパンドテープ特性に応じて適宜設定すればよいが、例えば10℃~200℃であってもよく、10℃~150℃、20℃~100℃であってもよい。温度が10℃以上であるとエキスパンドテープが延伸しやすくなり、温度が200℃以下であるとエキスパンドテープの熱膨張又は低弾性化による歪み又はたるみによる半導体チップの位置ずれ(エキスパンドテープと半導体チップ間の剥離)、半導体チップの飛散等が起こりづらくなる。
突き上げ速度もエキスパンドテープ特性に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.1mm/秒~500mm/秒であってもよく、0.1mm/秒~300mm/秒、0.1mm/秒~200mm/秒であってもよい。0.1mm/秒以上であると生産性が向上する。500mm/秒以下であると、半導体チップとエキスパンドテープ間での剥離が生じづらくなる。
第2A工程後の複数の半導体チップの間隔は、半導体チップの領域外に再配線パターン及び接続端子用パッドを設けるために必要なスペースを確保するため、500μm以上が好ましい。高密度化及び高機能化された半導体パッケージでは再配線層の総数も増えるため、半導体チップのより外側に接続端子用パッドを設ける必要がある。このため、半導体チップ間隔は広い方が好ましい。上述の観点から、第2A工程後の複数の半導体チップの間隔は、1mm以上がより好ましく、2mm以上が更に好ましい。上限は特に制限はないが、5mm以下とすることができる。
<第3A工程>
延伸されたエキスパンドテープが元の状態に戻ることを防ぐために、エキスパンドテープのテンションを保持する。
エキスパンドテープのテンションを保持する方法は、テンションが保持され、半導体チップの間隔が元に戻らなければ特に制限はない。例えば、グリップリング(株式会社テクノビジョン製)等の固定用ジグを用いて固定する方法、エキスパンドテープの外周部を加熱して収縮させて(ヒートシュリンク)テンションを保持する方法等が挙げられる。
<第4A工程>
キャリアに、複数の半導体チップの回路面が固定されるように転写(ラミネート)する。ラミネート方法は特に制限はないが、ロールラミネータ、ダイヤフラム式ラミネータ、真空ロールラミネータ、真空ダイヤフラム式ラミネータ等を採用することができる。
ラミネート条件は、エキスパンドテープ、半導体チップ及びキャリアの物性及び特性によって適宜設定すればよい。例えば、ロールラミネータであれば、室温(25℃)~200℃であってもよく、室温(25℃)~150℃が好ましく、室温(25℃)~100℃がより好ましい。室温以上であると、半導体チップがキャリアに転写(ラミネート)しやすくなり、200℃以下であるとエキスパンドテープの熱膨張又は低弾性化による歪み又はたるみによる半導体チップの位置ずれ(エキスパンドテープと半導体チップ間の剥離)、半導体チップの飛散等が起こりづらくなる。ダイヤフラム式のラミネータであれば、温度条件に関しては、上述のロールラミネータと同様である。圧着時間は5秒~300秒であってもよく、5秒~200秒が好ましく、5秒~100秒がより好ましい。5秒以上であると半導体チップがキャリアに転写(ラミネート)しやすく、300秒以下であると生産性が向上する。圧力は0.1MPa~3MPaであってもよく、0.1MPa~2MPaが好ましく、0.1MPa~1MPaがより好ましい。0.1MPa以上であると、半導体チップがキャリアに転写(ラミネート)しやすく、2MPa以下であると半導体チップへのダメージが軽減される。
<第5A工程>
複数の半導体チップからエキスパンドテープを剥離(除去)する。
エキスパンドテープを剥離する際は、キャリア上に転写された半導体チップが位置ずれを起こしたり、キャリアから剥がれたりしないように、エキスパンドテープとキャリア、エキスパンドテープと半導体チップ、半導体チップとキャリアの密着力は適宜設定する必要がある。例えば、エキスパンドテープと半導体チップの密着力が、半導体チップとキャリアの密着力と同じかそれよりも小さいことが好ましい。
エキスパンドテープ、又はキャリア面にUV硬化機能を付与し、UVを照射することで密着力(接着力)が上下するように設定してもよい。この場合は、UV照射後(UV照射工程を追加)にエキスパンドテープを除去する。例えば、第3A工程後にUVを照射してエキスパンドテープの密着力(接着力)を下げた後に、キャリアにラミネートして、エキスパンドテープを半導体チップから剥離することができる。これによって半導体チップへのストレスが軽減され、転写を位置ずれなくスムーズに行うことができる。
<第6A工程>
キャリア上の複数の半導体チップを封止材により封止する。
封止方法は特に制限はないが、例えば、コンプレッションモールド(封止材形状は液状材、固形材、顆粒材、フィルム材等)、トランスファーモールド(封止材形状は液状材、固形材、顆粒材、フィルム材等)、フィルム状の封止材のラミネート等が挙げられる。
第6A工程後に、封止材の物性調整の観点から、ポストキュアを含めた加熱処理工程を入れてもよい。第6A工程後、又は追加の上記加熱処理工程後にキャリアを剥がす必要がある。剥がす際にも、加熱処理、UV処理工程等を加えてもよい。上述の工程後に、キャリアが半導体チップ及び封止材にダメージを与えることなく剥がせるように、キャリア(キャリア+粘着層、キャリア+仮固定材等)の密着力は設定する必要がある。
<第7A工程>
封止材で封止された複数の半導体チップからキャリアを剥離する。キャリアを剥離する前に、加熱処理又はUV照射によって、封止材面に接しているキャリア表層に化学的又は機械的な変化を加えて、キャリアを剥がしやすくする工程を導入してもよい。
第4A工程~第7A工程において、エキスパンドテープからキャリアに半導体チップを転写することで、封止工程等の加熱工程における耐熱性へのリスクを低減することができる。例えば、エキスパンドテープ上に半導体チップが存在する状態で(キャリアを使用しないで)封止すると、延伸性を有するエキスパンドテープの歪み又は熱膨張による変形等に起因する半導体チップの位置ずれ、飛散等が発生するおそれがある。位置ずれ又はチップ飛散が発生すると、生産性が低下し、高コスト化を招くため、キャリアに半導体チップを転写する必要がある。
<第8A工程>
封止材により封止された複数の半導体チップにおけるパッドから、再配線パターンを有する再配線層を形成して、半導体チップの領域外に、再配線パターンにより半導体チップに接続された接続端子用パッドを設ける。高密度化及び高機能化が進展している半導体チップでは、端子間隔が狭いため、再配線層を形成して、半導体チップの領域外に接続端子用パッドを設けることでバンプ間隔を広くする(FO-WLP)。これによって、バンプにかかるストレス低下、絶縁性向上、接続信頼性向上等、信頼性が向上する。本工程は、従来公知の方法により行うことができる。
<第9A工程>
半導体チップ及びこれに接続された接続端子用パッドを一群として個片化し、複数の半導体パッケージを形成する。ブレードでダイシングする場合は、ブレード幅(切削してなくなる部分)も考慮して第2A工程で半導体チップの間隔を設定する必要がある。本工程は、従来公知の方法により行うことができる。
小型化及び薄型化を目的に半導体パッケージの厚みを薄くする場合は、バックグラインド工程(半導体チップの回路面の裏面側の封止材を削って薄くする工程)を導入してもよい。バックグラインド工程は、例えば、第6A工程後、第7A工程後又は第8A工程後に導入することができる。
次に各工程で用いられる材料について説明する。
(エキスパンドテープ)
第1の半導体装置の製造方法に用いることができるエキスパンドテープは、複数の半導体チップの間隔を広げることができる延伸性を有していれば特に制限はない。第2A工程後(半導体チップの間隔を広げた後)のMDとTDのチップ間隔が均一であることが好ましいが、第6A工程後(封止後)に半導体チップ及びこれに接続された接続端子用パッドを一群として個片化する際に、半導体チップへのダメージがない状態でダイシングが可能であれば(ブレードが半導体チップにダメージを与えなければ)、MDとTDの幅は均一でなくてもよい。ダイシングの際に、MDとTDのダイシング間隔幅は同じでなくてもよい。ただし、MDのライン同士、TDのライン同士は均一であることが好ましい。
エキスパンドテープは、延伸性に大きく寄与する基材フィルム(基材層)、粘着力を制御する粘着層等、複数の層構造であってもよい。
基材フィルムは、延伸性、テンション保持工程(第3A工程)後に半導体チップ間隔を保持する安定性があれば特に制限はない。
基材フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系フィルム;ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリビニルアセテートフィルム、及びポリ-4-メチルペンテン-1等のα-オレフィンの単独重合体及びそれらの共重合体、並びに上記単独重合体又は上記共重合体のアイオノマーを含むポリオレフィン系フィルム;ポリ塩化ビニルフィルム;及びポリイミドフィルム;ウレタン樹脂フィルムなどの各種プラスチックフィルムであってよい。上記基材フィルムは、単層のフィルムに限らず、上記プラスチックフィルムを2種以上又は同種のプラスチックフィルムを2つ以上組み合わせて得られる多層のフィルムであってもよい。
上記基材フィルムは、延伸性の観点から、ポリオレフィンフィルム又はウレタン樹脂フィルムであることが好ましい。基材フィルムは、必要に応じて、ブロッキング防止剤等の各種添加剤を含んでもよい。
上記基材フィルムの厚みは、必要に応じて適宜設定すればよいが、50μm~500μmが好ましい。50μmより薄いと延伸性が低下し、500μmより大きいと歪みが発生しやすくなったり、取り扱い性が低下したりする等、不具合が生じる。
上記基材フィルムの厚みは、作業性を損なわない範囲で適宜選択される。ただし、粘着層を構成する粘着剤として、高エネルギー線(中でも、紫外線)硬化性粘着剤を用いる場合は、その高エネルギー線の透過を阻害しない厚さにする必要がある。このような観点から、基材フィルムの厚さは、通常は10~500μmであってもよく、50~400μmが好ましく、70~300μmがより好ましい。
基材層を複数の基材フィルムから構成する場合、基材層全体の厚さが上記範囲内となるように調整することが好ましい。基材フィルムは、粘着層との密着性を向上させるために、必要に応じて、化学的又は物理的に表面処理を施したものであってもよい。上記表面処理としては、例えば、コロナ処理、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等が挙げられる。
粘着層は、粘着力を制御する(工程毎に半導体チップの位置ずれ、飛散が起きないように設定)ことができれば、特に制限はない。
粘着層は、室温で粘着力があり、半導体チップに対し密着力を有する粘着剤成分から構成することが好ましい。粘着層を構成する粘着剤成分のベース樹脂の一例としては、アクリル樹脂、合成ゴム、天然ゴム、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
粘着剤成分の糊残りを減少させる観点から、上記ベース樹脂は、他の添加剤と反応し得る官能基(水酸基、カルボキシル基等)を有することが好ましい。粘着剤成分として、紫外線、放射線等の高エネルギー線、又は熱によって硬化する樹脂を使用してもよい。このような硬化性樹脂を使用した場合、樹脂を硬化させることによって粘着力を低下させることができる。また、粘着力を調整するため、上記粘着剤成分は、上記ベース樹脂の官能基と架橋反応できる架橋剤を含んでもよい。架橋剤は、エポキシ基、イソシアネート基、アジリジン基、及びメラニン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有することが好ましい。これらの架橋剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、反応速度が遅い場合は、必要に応じて、アミン、スズ等の触媒を使用してもよい。その他、粘着特性を調整するために、上記粘着剤成分は、ロジン系、テルペン樹脂等のタッキファイヤー、及び各種界面活性剤等の任意成分を適宜含有してもよい。
粘着層の厚さは、通常は1~100μmであり、2~50μmが好ましく、5~40μmがより好ましい。粘着層の厚さを1μm以上にすることによって、半導体チップとの十分な粘着力を確保することができるため、第2A工程の際(半導体チップ間隔を広げる)に半導体のチップの飛散を抑制することが容易となる。一方、100μmを超える厚さとしても、特性において利点はなく、不経済となる。
粘着層が10μm以上であると、ダイシングテープを用いずに、エキスパンドテープ上で半導体ウエハをダイシングしても基材フィルムにダメージ(切り込み等)が入らないため、第1A工程において、ダイシングテープ上で半導体ウエハをダイシングしてエキスパンドテープに転写する(貼り付ける)工程を省略することができる。
(エキスパンドテープの作製方法)
エキスパンドテープは、当技術分野で周知の技術に沿って製造することができる。例えば、以下の方法に従って製造することができる。保護フィルムの上に、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等によって粘着剤成分及び溶媒を含むワニスを塗工し、溶媒を除去することによって粘着層を形成する。具体的には、50~200℃、0.1~90分間の加熱を行うことが好ましい。各工程でのボイド発生又は粘度調整に影響がなければ、有機溶媒が1.5%以下となるまで揮発する条件とすることが好ましい。
作製した粘着層付保護フィルムと、基材フィルムを、常温~60℃の温度条件下で、粘着層と基材フィルムが対向するように積層する。
エキスパンドテープ(基材フィルム、もしくは基材フィルム+粘着層)は保護フィルムを剥がして使用する。
保護フィルムとしては、例えば、A-63(帝人デュポンフィルム株式会社製、離型処理剤:変性シリコーン系)、A-31(帝人デュポンフィルム株式会社製、離型処理剤:Pt系シリコーン系)等が挙げられる。
保護フィルムの厚さは、作業性を損なわない範囲で適宜選択され、通常は、経済的観点から100μm以下であることが好ましい。上記保護フィルムの厚さは、10~75μmが好ましく、25~50μmがより好ましい。上記保護フィルムの厚さが10μm以上であれば、エキスパンドテープの作製時にフィルムが破れる等の不具合が起こり難い。また、上記保護フィルムの厚さが75μm以下であれば、エキスパンドテープの使用時に保護フィルムを容易に剥離することができる。
(キャリア)
キャリアは、転写時の温度及び圧力に耐えられること(チップが破損しないこと、チップ間隔が変わらないこと)、また、第6A工程の封止時の温度及び圧力にも耐えられることができれば特に制限はない。例えば、封止温度が100~200℃の場合、その温度領域に耐えうる耐熱性があることが好ましい。また、熱膨張率が100ppm/℃以下が好ましく、50ppm/℃以下がより好ましく、20ppm/℃以下が更に好ましい。熱膨張率が大きいと半導体チップの位置ずれ等の不具合が発生する。また、熱膨張率は、半導体チップよりも熱膨張率が小さいと歪み又は反りが生じるため、3ppm/℃以上が好ましい。
キャリアの材質としては、特に制限はないが、シリコン(ウエハ)、ガラス、SUS、鉄、Cu等の板、ガラスエポキシ基板などが挙げられる。
キャリアの厚みは100μm~5000μmであってもよく、100μm~4000μmが好ましく、100μm~3000μmがより好ましい。100μm以上であると取り扱い性が向上する。厚くても格段の取り扱い性向上が見込めるわけではなく、経済面から考慮して5000μm以下であればよい。
キャリアは、複数の層から成っていてもよい。上述の耐熱性及び取り扱い性を担う層に加えて、密着力制御を付与する観点から、粘着層又は仮固定材をラミネートした層があってもよい。密着力は半導体チップ又はエキスパンドテープの密着力を考慮して、適宜設定すればよい。厚みも特に制限はないが、例えば、1μm~300μmであってもよく、1μm~200μmが好ましい。1μm以上とすることで半導体チップとの十分な粘着力を確保することができる。一方、300μmを超える厚さとしても、特性において利点はなく、不経済となる。
(封止材(モールド材))
封止方法は特に制限はないが、例えば、コンプレッションモールド(封止材形状は液状材、固形材、顆粒材、フィルム材等)、トランスファーモールド(封止材形状は液状材、固形材、顆粒材、フィルム材等)、フィルム状の封止材のラミネート等が挙げられる。
封止材料形状、特性及び封止条件は、上述の封止方法毎に適宜設定すればよい。封止の際にキャリア上の半導体チップが移動したり剥がれたり、半導体チップにダメージがかからないように封止材料形状、特性及び封止条件は適宜設定する必要がある。
例えば、封止温度は80℃~220℃が好ましく、90℃~210℃がより好ましく、100℃~200℃が更に好ましい。封止温度が80℃以上であると、半導体チップ周辺の充填不足を十分抑制できる。封止温度が220℃以下であると、封止材の硬化が早すぎすることによる未充填、封止後の反り量の増加等を防止することができる。
封止工程(第6A工程)後、封止材の物性調整の観点から、ポストキュアを含めた加熱処理工程を入れてもよい。ポストキュアであれば、100℃~200℃、10分~5時間であり、封止材の硬化特性によって設定する。反り抑制を目的とした加熱処理工程が必要な場合は、ポストキュア後にさらに、ポストキュアよりも低い温度(200℃以下)で10分~3時間処理すればよい。
[第2の半導体装置の製造方法]
本実施形態の第2の半導体装置の製造方法は、
回路面にパッドが設けられた半導体チップを有する半導体装置の製造方法であって、
エキスパンドテープと、当該エキスパンドテープ上に回路面が固定された複数の半導体チップと、を準備する第1B工程と、
エキスパンドテープを延伸することにより、エキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップの間隔を広げる第2B工程と、
延伸されたエキスパンドテープのテンションを保持する第3B工程と、
キャリアに、複数の半導体チップの回路面とは反対側の面が固定されるように転写する第4B工程と、
複数の半導体チップからエキスパンドテープを剥離する第5B工程と、
キャリア上の複数の半導体チップを封止材により封止する第6B工程と、
封止材を研磨してパッドを露出させる第7B工程と、
封止材により封止された複数の半導体チップからキャリアを剥離する第8B工程と、
封止材により封止された複数の半導体チップにおけるパッドから、再配線パターンを有する再配線層を形成して、半導体チップの領域外に、再配線パターンにより半導体チップに接続された接続端子用パッドを設ける第9B工程と、
半導体チップ及びこれに接続された接続端子用パッドを一群として個片化し、複数の半導体パッケージを形成する第10B工程と、
を備える。
本実施形態の第2の半導体装置の製造方法によれば、パッケージ面積が半導体チップ面積よりも大きく、チップの外側まで端子を広げることができる半導体パッケージ(FO-WLP)を製造することが可能となる。本実施形態の第2の半導体装置の製造方法によれば、本実施形態の第1の半導体装置の製造方法と同様に、従来のFO-WLPの製造方法における問題を解消することができる。
上述の第1B工程~第10B工程について、図4~7に基づいて説明する。図4は、第1B工程~第4B工程の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図5は、第5B工程~第8B工程の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図6は、第7B工程及び第8B工程の他の実施形態を説明するための模式断面図であり、図7は、第9B工程及び第10B工程の一実施形態を説明するための模式断面図である。
まず、第1B工程では、エキスパンドテープ1と、エキスパンドテープ1上に固定された複数の半導体チップ2とを準備する。エキスパンドテープ1は、粘着層1aと基材フィルム1bとを有し、粘着層1aが半導体チップ2と接する。また、半導体チップ2は、パッド(回路)3が設けられた回路面を有し、回路面がエキスパンドテープ1に固定されている(図4(a))。なお、複数の半導体チップ2は、間隔を置いて配置されている。また、固定の際は、パッド3がエキスパンドテープ1に埋め込まれていてもよい。
第2B工程では、エキスパンドテープ1を延伸することにより、エキスパンドテープ1上に固定された、複数の半導体チップ2の間隔を広げる(図4(b))。
第3B工程では、延伸されたエキスパンドテープ1を、固定用ジグ4を用いて固定することにより、エキスパンドテープ1のテンションを保持する(図4(c))。
第4B工程では、キャリア5に、複数の半導体チップ2の回路面とは反対側の面が固定されるように転写する(図4(d))。
第5B工程では、複数の半導体チップ2から、エキスパンドテープ1を剥離する(図5(a))。
第6B工程では、キャリア5上の複数の半導体チップ2を封止材6により封止する(図5(b))。この際、半導体チップ2の回路面とは反対側の面がキャリア5と接しているので、この面は封止されず、半導体チップ2の回路面及び4側面の計5面が封止される。
第7B工程では、封止材6を研磨してパッド3を露出させる。
第8B工程では、封止材6で封止された複数の半導体チップ2からキャリア5を剥離する。
なお、第7B工程と第8B工程の順番は入れ替えることができる。すなわち、封止材6を研磨してパッド3を露出させた(図5(c))後に、封止材6で封止された複数の半導体チップ2からキャリア5を剥離してもよく(図5(d))、封止材6で封止された複数の半導体チップ2からキャリア5を剥離した(図6(a))後に、封止材6を研磨してパッド3を露出させてもよい(図6(b))。
図7(a)は、図5(d)又は図6(b)の拡大図である。
第9B工程では、封止材6により封止された複数の半導体チップ2におけるパッド3から、再配線パターン7を有する再配線層8を形成して、半導体チップ2の領域外に、再配線パターン7により半導体チップ2に接続された接続端子用パッド9を設ける(図7(b))。
第10B工程では、半導体チップ2及びこれに接続された接続端子用パッド9を一群として個片化し、複数の半導体パッケージ10を形成する(図7(c))。
なお、上述の第1B工程~第6B工程は、それぞれ上述の第1A工程~第6A工程と同様の方法で実施することができ、第8B工程~第10B工程は、それぞれ上述の第7B工程~第9B工程と同様の方法で実施することができる。第7B工程では、封止材を研磨してパッドを露出させる。研磨は従来公知の研磨装置等を用いて行うことができる。なお、第6B工程において回路面のパッドが露出した状態で封止できたときには、第7B工程は必ずしも設けなくともよい。
また、各工程で用いられる材料としては、第1の半導体装置の製造方法における材料と同様のものを用いることができるが、キャリア5に関しては、半導体チップの回路面とは反対側の面を保護する観点から、上述の耐熱性及び取り扱い性を担う層の上に、封止材及びチップを保護可能な材料を塗工、スピンコート、ラミネート等で積層してなる層を有するものをキャリアとしてもよい。
[第3の半導体装置の製造方法]
本実施形態の第3の半導体装置の製造方法は、
回路面にパッドが設けられた半導体チップを有する半導体装置の製造方法であって、
エキスパンドテープと、当該エキスパンドテープ上に回路面とは反対側の面が固定された複数の半導体チップと、を準備する第1C工程と、
エキスパンドテープを延伸することにより、エキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップの間隔を広げる第2C工程と、
延伸されたエキスパンドテープのテンションを保持する第3C工程と、
キャリアに、複数の半導体チップの回路面が固定されるように転写する第4C工程と、
複数の半導体チップからエキスパンドテープを剥離する第5C工程と、
キャリア上の複数の半導体チップを封止材により封止する第6C工程と、
封止材により封止された複数の半導体チップからキャリアを剥離する第7C工程と、
封止材により封止された複数の半導体チップを、半導体チップ毎に個片化し、複数の半導体パッケージを形成する第8C工程と、
を備える。
以下、上述の第1C工程~第8C工程について、図8~10に基づいて説明する。図8は、第1C工程~第4C工程の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図9は、第5C工程~第8C工程の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図10は、第4C工程~第8C工程の他の実施形態を説明するための模式断面図である。
まず、第1C工程では、エキスパンドテープ1と、エキスパンドテープ1上に固定された複数の半導体チップ2とを準備する。エキスパンドテープ1は、粘着層1aと基材フィルム1bとを有し、粘着層1aが半導体チップ2と接する。また、半導体チップ2は、パッド(回路)3が設けられた回路面を有し、回路面とは反対側の面がエキスパンドテープ1に固定されている(図8(a))。なお、複数の半導体チップ2は、間隔を置いて配置されている。
第2C工程では、エキスパンドテープ1を延伸することにより、エキスパンドテープ1上に固定された、複数の半導体チップ2の間隔を広げる(図8(b))。
第3C工程では、延伸されたエキスパンドテープ1を、固定用ジグ4を用いて固定することにより、エキスパンドテープ1のテンションを保持する(図8(c))。
第4C工程では、キャリア5に、複数の半導体チップ2の回路面が固定されるように転写する。なお、転写の際には、パッド3がキャリア5に完全に埋め込まれて、半導体チップ2の回路面がキャリア5に接していてもよく(図8(d))、パッド3の一部のみがキャリア5に埋め込まれ、又はパッド3の端面のみがキャリア5と接し、半導体チップ2の回路面とキャリア5との間に隙間が存在してもよい(図10(a))。
第5C工程では、複数の半導体チップ2から、エキスパンドテープ1を剥離する(図9(a)又は図10(b))。
第6C工程では、キャリア5上の複数の半導体チップ2を封止材6により封止する。なお、第5C工程後に半導体チップ2の回路面がキャリア5に接する場合(図9(a))には、回路面は封止されず、半導体チップ2の回路面とは反対側の面及び4側面の計5面が封止される(図9(b))。一方、第5C工程後に半導体チップ2の回路面とキャリア5との間に、封止材6が流入するのに十分な隙間が存在する場合(図10(b))には、回路面も封止され、半導体チップ2の6面全てが封止される(図10(c))。
第7C工程では、封止材6で封止された複数の半導体チップ2からキャリア5を剥離する(図9(c)又は図10(d))。
第8C工程では、封止材6により封止された複数の半導体チップ2を、半導体チップ2毎に個片化し、複数の半導体パッケージ10を形成する(図9(d)又は図10(e))。
以下、各工程について詳細に説明する。
<第1C工程>
エキスパンドテープと、エキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップと、を準備する方法に特に制限はない。例えば、ダイシングテープ等に半導体ウエハをラミネート後、ブレード又はレーザーでダイシングして複数の個片化された半導体チップを得た後、これらをエキスパンドテープに転写することにより作製することができる。
ダイシングは、レーザーで脆弱層を形成してエキスパンドすることによって行ってもよい。また、上述の転写を省略して生産性を向上させる観点から、エキスパンドテープに半導体ウエハを直接ラミネートして、上述の方法で半導体ウエハをダイシングして作製してもよい。
生産性向上及び低コスト化の観点から、初期の半導体のチップ間隔(第2C工程前の半導体チップの間隔)は狭い方が好ましく、100μm以下が好ましく、80μm以下がより好ましく、60μm以下が更に好ましい。ダイシングによるウエアの切削は、上記チップ間隔が広い程半導体ウエハを無駄にするため、低コスト化の観点から、上述のように狭い方が好ましい。チップ間隔を広げる際に、半導体チップにストレスがかからないようにするために、初期の半導体チップの間隔は10μm以上が好ましい。10μmより小さいと複数の半導体チップの間のエキスパンドテープ領域が少ないため広がりにくい。
半導体チップの回路面上のパッドの種類は、半導体チップの回路面に形成され得るものであれば特に限定されず、銅バンプ、はんだバンプ等のバンプ(突起電極)であっても、Ni/Auめっきパッド等の比較的平坦な金属パッドであってもよい。
<第2C工程>
エキスパンドテープを延伸することにより、複数の半導体チップの間隔を広げる。
エキスパンドテープの延伸方法としては、例えば、突き上げ方式と引張り方式がある。突き上げ方式は、エキスパンドテープを固定後、所定の形をしたステージが上昇することでエキスパンドテープが引き伸ばされる。引張り方式はエキスパンドテープを固定後、設置したエキスパンドテープ面と平行に所定の方向に引っ張ることで、エキスパンドテープが引き伸ばされる方式である。半導体チップの間隔を均一に引き伸ばせる点、及び必要な(占有する)装置面積が小さくてコンパクトである点から、突き上げ方式の方が好ましい。
延伸条件は、エキスパンドテープの特性に応じて適宜設定すればよい。例えば、突き上げ方式を採用した場合の突き上げ量(引張り量)は10mm~500mmが好ましく、10mm~300mmがより好ましい。10mm以上であると、複数の半導体チップの間隔が広がりやすく、500mm以下であると半導体チップの飛散又は位置ずれが起こりづらくなる。
温度もエキスパンドテープ特性に応じて適宜設定すればよいが、例えば10℃~200℃であってもよく、10℃~150℃、20℃~100℃であってもよい。温度が10℃以上であるとエキスパンドテープが延伸しやすくなり、温度が200℃以下であるとエキスパンドテープの熱膨張又は低弾性化による歪み又はたるみによる半導体チップの位置ずれ(エキスパンドテープと半導体チップ間の剥離)、半導体チップの飛散等が起こりづらくなる。
突き上げ速度もエキスパンドテープ特性に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.1mm/秒~500mm/秒であってもよく、0.1mm/秒~300mm/秒、0.1mm/秒~200mm/秒であってもよい。0.1mm/秒以上であると生産性が向上する。500mm/秒以下であると、半導体チップとエキスパンドテープ間での剥離が生じづらくなる。
第2C工程後の複数の半導体チップの間隔は、封止工程(第6C工程)において半導体チップの側面を封止材によりより確実に保護する観点から、300μm以上が好ましい。取り扱い性の観点から、第2C工程後の複数の半導体チップの間隔は、500μm以上がより好ましく、1mm以上が更に好ましい。上限は特に制限はないが、5mm以下とすることができる。
<第3C工程>
延伸されたエキスパンドテープが元の状態に戻ることを防ぐために、エキスパンドテープのテンションを保持する。
エキスパンドテープのテンションを保持する方法は、テンションが保持され、半導体チップの間隔が元に戻らなければ特に制限はない。例えば、グリップリング(株式会社テクノビジョン製)等の固定用ジグを用いて固定する方法、エキスパンドテープの外周部を加熱して収縮させて(ヒートシュリンク)テンションを保持する方法等が挙げられる。
<第4C工程>
キャリアに、複数の半導体チップの回路面が固定されるように転写(ラミネート)する。ラミネート方法は特に制限はないが、ロールラミネータ、ダイヤフラム式ラミネータ、真空ロールラミネータ、真空ダイヤフラム式ラミネータ等を採用することができる。
ラミネート条件は、エキスパンドテープ、半導体チップ及びキャリアの物性及び特性によって適宜設定すればよい。例えば、ロールラミネータであれば、室温(25℃)~200℃であってもよく、室温(25℃)~150℃が好ましく、室温(25℃)~100℃がより好ましい。室温以上であると半導体チップがキャリアに転写(ラミネート)しやすくなり、200℃以下であるとエキスパンドテープの熱膨張又は低弾性化による歪み又はたるみによる半導体チップの位置ずれ(エキスパンドテープと半導体チップ間の剥離)、半導体チップの飛散等が起こりづらくなる。ダイヤフラム式のラミネータであれば、温度条件に関しては、上述のロールラミネータと同様である。圧着時間は5秒~300秒であってもよく、5秒~200秒が好ましく、5秒~100秒がより好ましい。5秒以上であると半導体チップがキャリアに転写(ラミネート)しやすく、300秒以下であると生産性が向上する。圧力は0.1MPa~3MPaであってもよく、0.1MPa~2MPaが好ましく、0.1MPa~1MPaがより好ましい。0.1MPa以上であると半導体チップがキャリアに転写(ラミネート)しやすく、2MPa以下であると半導体チップへのダメージが軽減される。
<第5C工程>
複数の半導体チップからエキスパンドテープを剥離(除去)する。
エキスパンドテープを剥離する際は、キャリア上に転写された半導体チップが位置ずれを起こしたり、キャリアから剥がれたりしないように、エキスパンドテープとキャリア、エキスパンドテープと半導体チップ、半導体チップとキャリアの密着力は適宜設定する必要がある。例えば、エキスパンドテープと半導体チップの密着力が、半導体チップとキャリアの密着力と同じかそれよりも小さいことが好ましい。
エキスパンドテープ、又はキャリア面にUV硬化機能を付与し、UVを照射することで密着力(接着力)が上下するように設定してもよい。この場合は、UV照射後(UV照射工程を追加)にエキスパンドテープを除去する。例えば、第3C工程後にUVを照射してエキスパンドテープの密着力(接着力)を下げた後に、キャリアにラミネートして、エキスパンドテープを半導体チップから剥離することができる。これによって半導体チップへのストレスが軽減され、転写を位置ずれなくスムーズに行うことができる。
<第6C工程>
キャリア上の複数の半導体チップを封止材により封止する。
封止方法は特に制限はないが、例えば、コンプレッションモールド(封止材形状は液状材、固形材、顆粒材、フィルム材等)、トランスファーモールド(封止材形状は液状材、固形材、顆粒材、フィルム材等)、フィルム状の封止材のラミネート等が挙げられる。
第6C工程後に、封止材の物性調整の観点から、ポストキュアを含めた加熱処理工程を入れてもよい。第6C工程後、又は追加の上記加熱処理工程後にキャリアを剥がす必要がある。剥がす際にも、加熱処理、UV処理工程等を加えてもよい。上述の工程後に、キャリアが半導体チップ及び封止材にダメージを与えることなく剥がせるように、キャリア(キャリア+粘着層、キャリア+仮固定材等)の密着力は設定する必要がある。
<第7C工程>
封止材で封止された複数の半導体チップからキャリアを剥離する。キャリアを剥離する前に、加熱処理又はUV照射によって、封止材面に接しているキャリア表層に化学的又は機械的な変化を加えて、キャリアを剥がしやすくする工程を導入してもよい。
第4C工程~第7C工程において、エキスパンドテープからキャリアに半導体チップを転写することで、封止工程等の加熱工程における耐熱性へのリスクを低減することができる。例えば、エキスパンドテープ上に半導体チップが存在する状態で(キャリアを使用しないで)封止すると、延伸性を有するエキスパンドテープの歪み又は熱膨張による変形等に起因する半導体チップの位置ずれ、飛散等が発生するおそれがある。位置ずれ又はチップ飛散が発生すると、生産性が低下し、高コスト化を招くため、キャリアに半導体チップを転写する必要がある。
<第8C工程>
封止材により封止された複数の半導体チップを、半導体チップ毎に個片化し、複数の半導体パッケージを形成する。本工程は、従来公知の方法により行うことができる。
ブレードでダイシングする場合は、ブレード幅(切削してなくなる部分)も考慮して第2C工程で半導体チップの間隔を設定する必要がある。例えば、半導体チップの側面に50μmの厚みの封止材を残したい場合に、ダイシングブレード幅が250μmであるときは、第2C工程後の複数の半導体チップの間隔が350μmとなるようにエキスパンドテープの特性及び突き上げ条件(エキスパンド条件)を設定すればよい。
半導体チップのサイズに特に制限はないが、封止材での保護が必要なサイズという観点から、□20mm以下が好ましく、□15mm以下がより好ましく、□10mm以下が更に好ましい。
小型化及び薄型化を目的に半導体パッケージの厚みを薄くする場合は、バックグラインド工程(半導体チップの回路面の裏面側の封止材を削って薄くする工程)を導入してもよい。バックグラインド工程は、例えば、第6C工程後又は第7C工程後に導入することができる。
また、第6C工程において、半導体チップの回路面が覆われるように封止(6面封止)した場合、バックグラインドによってパッドを露出させるバックグラインド工程(回路面側の封止材を削る)を導入してもよい。
なお、各工程で用いられる材料としては、第1の半導体装置の製造方法における材料と同様のものを用いることができる。
[第4の半導体装置の製造方法]
本実施形態の第4の半導体装置の製造方法は、
回路面にパッドが設けられた半導体チップを有する半導体装置の製造方法であって、
エキスパンドテープと、当該エキスパンドテープ上に回路面が固定された複数の半導体チップと、を準備する第1D工程と、
エキスパンドテープを延伸することにより、エキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップの間隔を広げる第2D工程と、
延伸されたエキスパンドテープのテンションを保持する第3D工程と、
キャリアに、複数の半導体チップの回路面とは反対側の面が固定されるように転写する第4D工程と、
複数の半導体チップからエキスパンドテープを剥離する第5D工程と、
キャリア上の複数の半導体チップを封止材により封止する第6D工程と、
封止材を研磨してパッドを露出させる第7D工程と、
封止材により封止された複数の半導体チップからキャリアを剥離する第8D工程と、
封止材により封止された複数の半導体チップを、半導体チップ毎に個片化し、複数の半導体パッケージを形成する第9D工程と、
を備える。
以下、上述の第1D工程~第9D工程について、図11~13に基づいて説明する。図11は、第1D工程~第4D工程の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図12は、第5D工程~第9D工程の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図13は、第7D工程及び第8D工程の他の実施形態を説明するための模式断面図である。
まず、第1D工程では、エキスパンドテープ1と、エキスパンドテープ1上に固定された複数の半導体チップ2とを準備する。エキスパンドテープ1は、粘着層1aと基材フィルム1bとを有し、粘着層1aが半導体チップ2と接する。また、半導体チップ2は、パッド(回路)3が設けられた回路面を有し、回路面がエキスパンドテープ1に固定されている(図11(a))。なお、複数の半導体チップ2は、間隔を置いて配置されている。また、固定の際は、パッド3がエキスパンドテープ1に埋め込まれていてもよい。
第2D工程では、エキスパンドテープ1を延伸することにより、エキスパンドテープ1上に固定された、複数の半導体チップ2の間隔を広げる(図11(b))。
第3D工程では、延伸されたエキスパンドテープ1を、固定用ジグ4を用いて固定することにより、エキスパンドテープ1のテンションを保持する(図11(c))。
第4D工程では、キャリア5に、複数の半導体チップ2の回路面とは反対側の面が固定されるように転写する(図11(d))。
第5D工程では、複数の半導体チップ2から、エキスパンドテープ1を剥離する(図12(a))。
第6D工程では、キャリア5上の複数の半導体チップ2を封止材6により封止する(図12(b))。この際、半導体チップ2の回路面とは反対側の面がキャリア5と接しているので、この面は封止されず、半導体チップ2の回路面及び4側面の計5面が封止される。
第7D工程では、封止材6を研磨してパッド3を露出させる。
第8D工程では、封止材6で封止された複数の半導体チップ2からキャリア5を剥離する。
なお、第7D工程と第8D工程の順番は入れ替えることができる。すなわち、封止材6を研磨してパッド3を露出させた(図12(c))後に、封止材6で封止された複数の半導体チップ2からキャリア5を剥離してもよく(図12(d))、封止材6で封止された複数の半導体チップ2からキャリア5を剥離した(図13(a))後に、封止材6を研磨してパッド3を露出させてもよい(図13(b))。
第9D工程では、封止材6により封止された複数の半導体チップ2を、半導体チップ2毎に個片化し、複数の半導体パッケージ10を形成する(図12(e))。
なお、上述の第1D工程~第6D工程は、それぞれ上述の第1C工程~第6C工程と同様の方法で実施することができ、第8D工程及び第9D工程は、それぞれ上述の第7C工程及び第8C工程と同様の方法で実施することができる。第7D工程では、封止材を研磨してパッドを露出させる。研磨は従来公知の研磨装置等を用いて行うことができる。なお、第6D工程において回路面のパッドが露出した状態で封止できたときには、第7D工程は必ずしも設けなくともよい。
また、各工程で用いられる材料としては、第1の半導体装置の製造方法における材料と同様のものを用いることができるが、キャリア5に関しては、半導体チップの回路面とは反対側の面を保護する観点から、上述の耐熱性及び取り扱い性を担う層の上に、封止材及びチップを保護可能な材料を塗工、スピンコート、ラミネート等で積層してなる層を有するものをキャリアとしてもよい。
[第5の半導体装置の製造方法]
本実施形態の第5の半導体装置の製造方法は、エキスパンドテープを加熱しながら延伸することにより、当該エキスパンドテープ上に固定された、個片化された半導体チップの間隔を100μm以下から300μm以上に広げるテープエキスパンド工程を備える。本実施形態の半導体装置の製造方法は、延伸されたエキスパンドテープのテンションを保持するテンション保持工程と、テンションが保持されたエキスパンドテープ上の半導体チップをキャリアに転写する転写工程と、キャリアに転写された半導体チップからエキスパンドテープを剥離する剥離工程とを更に備えてもよい。以下、各工程について説明する。
図14は、第5の半導体装置の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図15は、第5の半導体装置の製造方法の他の実施形態を説明するための模式断面図である。
まず、個片化された半導体チップ2が固定されたエキスパンドテープ1を準備する(以下、「準備工程」ともいう)。エキスパンドテープ1は、粘着層1aと基材フィルム1bとを有し、粘着層1aが半導体チップ2と接する。また、半導体チップ2は、パッド(回路)3が設けられた回路面を有する。半導体チップ2は、回路面とは反対側の面がエキスパンドテープ1に固定されていても(図14(a))、回路面がエキスパンドテープ1に固定されていてもよい(図15(a))。
テープエキスパンド工程では、エキスパンドテープ1を加熱しながら延伸することにより、エキスパンドテープ1上に固定された、半導体チップ2の間隔を広げる(図14(b)又は図15(b))。
テンション保持工程では、延伸されたエキスパンドテープ1を、固定用ジグ4を用いて固定することにより、エキスパンドテープ1のテンションを保持する(図14(c)又は図15(c))。
転写工程では、キャリア5に半導体チップ2を転写する。準備工程において、半導体チップ2の回路面とは反対側の面をエキスパンドテープ1に固定した場合には、上記転写により、回路面がキャリア5に固定され(図14(d))、半導体チップ2の回路面をエキスパンドテープ1に固定した場合には、上記転写により、回路面とは反対側の面がキャリア5に固定される(図15(d))。
剥離工程では、半導体チップ2から、エキスパンドテープ1を剥離する(図14(e)又は図15(e))。
以下、各工程について詳細に説明する。
<準備工程>
個片化された半導体チップが固定されたエキスパンドテープを準備する方法に特に制限はない。例えば、ダイシングテープ等に半導体ウエハをラミネート後、ブレード又はレーザーでダイシングして複数の個片化された半導体チップを得た後、これらをエキスパンドテープに転写することにより作製することができる。
ダイシングは、レーザーで脆弱層を形成してエキスパンドすることによって行ってもよい。また、上述の転写を省略して生産性を向上させる観点から、エキスパンドテープに半導体ウエハを直接ラミネートして、上述の方法で半導体ウエハをダイシングして作製してもよい。
生産性向上及び低コスト化の観点から、初期の半導体のチップ間隔(テープエキスパンド工程前の半導体チップの間隔)は狭い方が好ましく、100μm以下であり、80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましい。ダイシングによるウエアの切削は、上記チップ間隔が広い程半導体ウエハを無駄にするため、低コスト化の観点から、上述のように狭い方が好ましい。チップ間隔を広げる際に、半導体チップにストレスがかからないようにするために、初期の半導体チップの間隔は10μm以上が好ましい。10μmより小さいと複数の半導体チップの間のエキスパンドテープ領域が少ないため広がりにくい。
半導体チップの回路面上のパッドの種類は、半導体チップの回路面に形成され得るものであれば特に限定されず、銅バンプ、はんだバンプ等のバンプ(突起電極)であっても、Ni/Auめっきパッド等の比較的平坦な金属パッドであってもよい。
<テープエキスパンド工程>
エキスパンドテープを加熱しながら延伸することにより、当該エキスパンドテープ上に固定された、個片化された半導体チップの間隔を広げる。
エキスパンドテープの延伸方法としては、例えば、突き上げ方式と引張り方式がある。突き上げ方式は、エキスパンドテープを固定後、所定の形をしたステージが上昇することでエキスパンドテープが引き伸ばされる。引張り方式はエキスパンドテープを固定後、設置したエキスパンドテープ面と平行に所定の方向に引っ張ることで、エキスパンドテープが引き伸ばされる方式である。半導体チップの間隔を均一に引き伸ばせる点、及び必要な(占有する)装置面積が小さくてコンパクトである点から、突き上げ方式の方が好ましい。
延伸条件は、エキスパンドテープの特性に応じて適宜設定すればよい。例えば、突き上げ方式を採用した場合の突き上げ量(引張り量)は10mm~500mmが好ましく、10mm~300mmがより好ましい。10mm以上であると、複数の半導体チップの間隔が広がりやすく、500mm以下であると半導体チップの飛散又は位置ずれが起こりづらくなる。
加熱温度もエキスパンドテープ特性に応じて適宜設定すれば良いが、例えば25℃~200℃が良い。より好ましくは25℃~150℃、さらに好ましくは30℃~100℃である。温度が25℃以上であるとエキスパンドテープが延伸しやすくなり、温度が200℃以下であるとエキスパンドテープの熱膨張又は低弾性化による歪み又はたるみによる半導体チップの位置ずれ(エキスパンドテープと半導体チップ間の剥離)、半導体チップの飛散等が起こりづらくなる。
突き上げ速度もエキスパンドテープ特性に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.1mm/秒~500mm/秒であってもよく、0.1mm/秒~300mm/秒、0.1mm/秒~200mm/秒であってもよい。0.1mm/秒以上であると生産性が向上する。500mm/秒以下であると、半導体チップとエキスパンドテープ間での剥離が生じづらくなる。
テープエキスパンド工程後の半導体チップの間隔は300μm以上であればよいが、用途に応じて適切な間隔を選択することができる。
FO-WLP用途では、半導体チップの領域外に再配線パターン及び接続端子用パッドを設けるために必要なスペースを確保するため、500μm以上が好ましい。高密度化及び高機能化された半導体パッケージでは再配線層の総数も増えるため、半導体チップのより外側に接続端子用パッドを設ける必要がある。このため、半導体チップ間隔は広い方が好ましい。上述の観点から、テープエキスパンド工程後の複数の半導体チップの間隔は、1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましい。
また、テープエキスパンド工程後の半導体チップの間隔は、FI-WLP用途又はディスクリート半導体チップ実装用途では、封止工程において半導体チップの側面を封止材によりより確実に保護する観点から、300μm以上である。取り扱い性の観点から、テープエキスパンド工程後の複数の半導体チップの間隔は、500μm以上が好ましく、1mmがより好ましい。
なお、テープエキスパンド工程後の半導体チップの間隔の上限は特に制限はないが、5mm以下とすることができる。
<テンション保持工程>
延伸されたエキスパンドテープが元の状態に戻ることを防ぐために、エキスパンドテープのテンションを保持する。
エキスパンドテープのテンションを保持する方法は、テンションが保持され、半導体チップの間隔が元に戻らなければ特に制限はない。例えば、グリップリング(株式会社テクノビジョン製)等の固定用ジグを用いて固定する方法、エキスパンドテープの外周部を加熱して収縮させて(ヒートシュリンク)テンションを保持する方法等が挙げられる。
<転写工程>
キャリアに、半導体チップが固定されるように転写(ラミネート)する。ラミネート方法は特に制限はないが、ロールラミネータ、ダイヤフラム式ラミネータ、真空ロールラミネータ、真空ダイヤフラム式ラミネータ等を採用することができる。
ラミネート条件は、エキスパンドテープ、半導体チップ及びキャリアの物性及び特性によって適宜設定すればよい。例えば、ロールラミネータであれば、室温(25℃)~200℃であってもよく、室温(25℃)~150℃が好ましく、室温(25℃)~100℃がより好ましい。室温以上であると半導体チップがキャリアに転写(ラミネート)しやすくなり、200℃以下であるとエキスパンドテープの熱膨張又は低弾性化による歪み又はたるみによる半導体チップの位置ずれ(エキスパンドテープと半導体チップ間の剥離)、半導体チップの飛散等が起こりづらくなる。ダイヤフラム式のラミネータであれば、温度条件に関しては、上述のロールラミネータと同様である。圧着時間は5秒~300秒であってもよく、5秒~200秒が好ましく、5秒~100秒がより好ましい。5秒以上であると半導体チップがキャリアに転写(ラミネート)しやすく、300秒以下であると生産性が向上する。圧力は0.1MPa~3MPaであってもよく、0.1MPa~2MPaが好ましく、0.1MPa~1MPaがより好ましい。0.1MPa以上であると半導体チップがキャリアに転写(ラミネート)しやすく、2MPa以下であると半導体チップへのダメージが軽減される。
エキスパンドテープからキャリアに半導体チップを転写することで、後述する封止工程等の加熱工程における耐熱性へのリスクを低減することができる。
<剥離工程>
半導体チップからエキスパンドテープを剥離(除去)する。
エキスパンドテープを剥離する際は、キャリア上に転写された半導体チップが位置ずれを起こしたり、キャリアから剥がれたりしないように、エキスパンドテープとキャリア、エキスパンドテープと半導体チップ、半導体チップとキャリアの密着力は適宜設定する必要がある。例えば、エキスパンドテープと半導体チップの密着力が、半導体チップとキャリアの密着力と同じかそれよりも小さいことが好ましい。
エキスパンドテープ、又はキャリア面にUV(紫外線)硬化機能を付与し、UVを照射することで密着力(接着力)が上下するように設定してもよい。この場合は、UV照射後(UV照射工程を追加)にエキスパンドテープを除去する。例えば、テンション保持工程後にUVを照射してエキスパンドテープの密着力(接着力)を下げた後に、キャリアにラミネートして、エキスパンドテープを半導体チップから剥離することができる。これによって半導体チップへのストレスが軽減され、転写を位置ずれなくスムーズに行うことができる。
<封止工程>
半導体装置の製造方法は、剥離工程後に更にキャリア上に固定された半導体チップを封止材により封止する封止工程を備えていてもよい(図示せず)。本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半導体チップ同士の間に十分な間隔があるので、半導体チップの4側面及びキャリアに固定されていない面とは反対側の面の計5面が少なくとも封止される。また、本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、テープエキスパンド工程において半導体チップの間隔を十分に広げることができるため、再配置工程なしでも、封止工程後の半導体チップを上述のWLP技術に適用することができる。
なお、封止工程は、テンション保持工程後にエキスパンドテープ上に固定された半導体チップを封止材により封止する封止工程であってもよい。
封止方法は特に制限はないが、例えば、コンプレッションモールド(封止材形状は液状材、固形材、顆粒材、フィルム材等)、トランスファーモールド(封止材形状は液状材、固形材、顆粒材、フィルム材等)、フィルム状の封止材のラミネート等が挙げられる。
封止工程後に、封止材の物性調整の観点から、ポストキュアを含めた加熱処理工程を入れてもよい。封止工程後、又は追加の上記加熱処理工程後にキャリアを剥がす必要がある。剥がす際にも、加熱処理、UV処理工程等を加えてもよい。上述の工程後に、キャリアが半導体チップ及び封止材にダメージを与えることなく剥がせるように、キャリア(キャリア+粘着層、キャリア+仮固定材等)の密着力は設定する必要がある。
小型化及び薄型化を目的に半導体パッケージの厚みを薄くする場合は、封止工程後にバックグラインド工程(半導体チップの回路面の裏面側の封止材を削って薄くする工程)を導入してもよい。
なお、第5の半導体装置の製造方法においては、上述の第1の半導体装置の製造方法に用いられている材料と同様の材料を用いることができるが、以下に示す本実施形態のエキスパンドテープを特に好適に用いることができる。なお、本実施形態のエキスパンドテープは、上述の第1の半導体装置の製造方法におけるエキスパンドテープの作製方法と同様の方法で作製することができる。
本実施形態のエキスパンドテープは、上述のテープエキスパンド工程の加熱温度(例えば50℃)における引張応力が10MPa以下であり、且つ室温(25℃)における引張応力が上記加熱温度における引張応力よりも5MPa以上高い。本実施形態のエキスパンドテープが、上述の半導体装置の製造方法、特にテープエキスパンド工程に好適に適用できる理由は必ずしも明らかでないが、本発明者等は以下のように考えている。
テープエキスパンド工程において、半導体チップの間隔を広げるのに寄与するのは、半導体チップが固定された領域のエキスパンドテープの伸びであり、エキスパンドテープの端の部分の伸びは半導体チップの間隔を広げるのに寄与しない。ここで、テープエキスパンド工程においては、半導体チップが固定された領域(ステージの領域)のエキスパンドテープが加熱される一方、エキスパンドテープの端の部分は加熱されず、室温となる。また、エキスパンドテープは加熱することで引張応力が小さくなり、引張応力が小さい方がエキスパンドテープは伸びやすい。
このため、テープエキスパンド工程の加熱温度におけるエキスパンドテープの引張応力が上記所定の範囲の小さいものとするとともに、エキスパンドテープの室温における引張応力を上記加熱温度における引張応力よりも上記所定の値以上高くすることにより、テープエキスパンド工程において、半導体チップが固定された領域でのエキスパンドテープの伸びがエキスパンドテープの端の部分の伸びよりも十分に大きくなり、半導体チップの間隔をより広げることができる。
エキスパンドテープの上記加熱温度における引張応力は、エキスパンド後の半導体チップの間隔をより広げるためには、9MPa以下が好ましく、8MPa以下がより好ましい。
エキスパンドテープの上記加熱温度における引張応力は、特に限定されないが、0.1MPa以上が好ましい。0.1MPaより小さいとチップの歪み又はテープのたわみが発生しやすい。
エキスパンドテープの室温(25℃)における引張応力は、エキスパンド後の半導体チップの間隔をより広げるためには、上記加熱温度における引張応力よりも、6MPa以上高いことが好ましく、7MPa以上高いことがより好ましい。
なお、引張応力とは、マイクロフォース試験機(INSTRON製、INSTRON5948)で測定した場合の引張ひずみ1(mm/mm)の時の値である。引張速度は5mm/秒とした。
テープエキスパンド工程後のMDとTDのチップ間隔が均一であることが好ましいが、封止後に半導体チップ及びこれに接続された接続端子用パッドを一群として個片化する際に、半導体チップへのダメージがない状態でダイシングが可能であれば(ブレードが半導体チップにダメージを与えなければ)、MDとTDの幅は均一でなくてもよい。ダイシングの際に、MDとTDのダイシング間隔幅は同じでなくてもよい。ただし、MDのライン同士、TDのライン同士は均一であることが好ましい。
エキスパンドテープは延伸性に大きく寄与する基材フィルム(基材層)、粘着力を制御する粘着層等、複数の層構造であることが好ましい。
基材フィルムは、延伸性、テンション保持工程後に半導体チップの間隔を保持する安定性があることが好ましい。
基材フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系フィルム;ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリビニルアセテートフィルム、及びポリ-4-メチルペンテン-1等のα-オレフィンの単独重合体及びそれらの共重合体、並びに上記単独重合体又は上記共重合体のアイオノマーを含むポリオレフィン系フィルム;ポリ塩化ビニルフィルム;及びポリイミドフィルム;ウレタン樹脂フィルムなどの各種プラスチックフィルムであってよい。上記基材フィルムは、単層のフィルムに限らず、上記プラスチックフィルムを2種以上又は同種のプラスチックフィルムを2つ以上組み合わせて得られる多層のフィルムであってもよい。
上記基材フィルムは、延伸性の観点から、ポリオレフィンフィルム又はウレタン樹脂フィルムであることが好ましい。基材フィルムは、必要に応じて、ブロッキング防止剤等の各種添加剤を含んでもよい。
上記基材フィルムの厚みは、必要に応じて適宜設定すればよいが、50μm~500μmが好ましい。50μmより薄いと延伸性が低下し、500μmより大きいと歪みが発生しやすくなったり、取り扱い性が低下したりする等、不具合が生じる。
上記基材フィルムの厚みは、作業性を損なわない範囲で適宜選択される。ただし、粘着層を構成する粘着剤として、高エネルギー線(中でも、紫外線)硬化性粘着剤を用いる場合は、その高エネルギー線の透過を阻害しない厚さにする必要がある。このような観点から、基材フィルムの厚さは、通常は10~500μmであってもよく、50~400μmが好ましく、70~300μmがより好ましい。
基材層を複数の基材フィルムから構成する場合、基材層全体の厚さが上記範囲内となるように調整することが好ましい。基材フィルムは、粘着層との密着性を向上させるために、必要に応じて、化学的又は物理的に表面処理を施したものであってもよい。上記表面処理としては、例えば、コロナ処理、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等が挙げられる。
粘着層は、粘着力を制御する(工程毎に半導体チップの位置ずれ、飛散が起きないように設定)ことができれば、特に制限はない。
粘着層は、室温で粘着力があり、半導体チップに対し密着力を有する粘着剤成分から構成することが好ましい。粘着層を構成する粘着剤成分のベース樹脂の一例としては、アクリル樹脂、合成ゴム、天然ゴム、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
粘着剤成分の糊残りを減少させる観点から、上記ベース樹脂は、他の添加剤と反応し得る官能基(水酸基、カルボキシル基等)を有することが好ましい。粘着剤成分として、紫外線、放射線等の高エネルギー線によって硬化する樹脂(特に紫外線硬化型樹脂)、又は熱によって硬化する樹脂(熱硬化性樹脂)を使用してもよい。このような硬化性樹脂を使用した場合、樹脂を硬化させることによって粘着力を低下させることができる。特に、紫外線硬化型樹脂を含む、紫外線硬化型の粘着剤が好適に用いられる。
また、粘着力を調整するため、上記粘着剤成分は、上記ベース樹脂の官能基と架橋反応できる架橋剤を含んでもよい。架橋剤は、エポキシ基、イソシアネート基、アジリジン基、及びメラニン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有することが好ましい。これらの架橋剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、反応速度が遅い場合は、必要に応じて、アミン、スズ等の触媒を使用してもよい。その他、粘着特性を調整するために、上記粘着剤は、ロジン系、テルペン樹脂等のタッキファイヤー、及び各種界面活性剤等の任意成分を適宜含有してもよい。
粘着層の厚さは、通常は1~100μmであり、2~50μmが好ましく、5~40μmがより好ましい。粘着層の厚さを1μm以上にすることによって、半導体チップとの十分な粘着力を確保することができるため、テープエキスパンド工程において半導体チップの飛散を抑制することが容易となる。一方、100μmを超える厚さとしても、特性において利点はなく、不経済となる。
粘着層が10μm以上であると、ダイシングテープを用いずに、エキスパンドテープ上で半導体ウエハをダイシングしても基材フィルムにダメージ(切り込み等)が入らないため、準備工程において、ダイシングテープ上で半導体ウエハをダイシングしてエキスパンドテープに転写する(貼り付ける)工程を省略することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(アクリル樹脂溶液の調製)
スリーワンモータ、撹拌翼、窒素導入管が備え付けられた容量4000mlのオートクレーブに酢酸エチル1000g、2-エチルヘキシルアクリレート650g、2-ヒドロキシエチルアクリレート350g、及びアゾビスイソブチロニトリル3.0gを配合し、均一になるまで撹拌後、流量100ml/分にて60分間窒素バブリングを実施し、系中の溶存酸素を脱気した。1時間かけて60℃まで昇温し、昇温後4時間重合させた。その後1時間かけて90℃まで昇温し、更に90℃にて1時間保持後、室温に冷却した。
次に酢酸エチルを1000g加えて撹拌し希釈した。これに重合禁止剤としてメトキノンを0.1g、ウレタン化触媒として、ジオクチルスズジラウレートを0.05g添加した後、2-メタクリロキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズMOI)を100g加えた。70℃で6時間反応させた後、室温に冷却した。その後、酢酸エチルを加え、アクリル樹脂溶液中の不揮発分含有量が35質量%となるよう調整し、連鎖重合可能な官能基を有するアクリル樹脂溶液を得た。
この樹脂の酸価と水酸基価を、JIS K0070に従って測定したところ、酸価は検出されず、水酸基価は121mgKOH/gであった。
また、得られたアクリル樹脂溶液を60℃で一晩真空乾燥し、得られた固形分を全自動元素分析装置(エレメンタール株式会社製、varioEL)にて元素分析した。測定された窒素含有量から、アクリル樹脂に導入された2-メタクリロキシエチルイソシアネートの含有量を算出したところ、0.59mmol/gであった。
また、SD-8022/DP-8020/RI-8020(東ソー株式会社製)を使用し、カラムには、Gelpack GL-A150-S/GL-A160-S(日立化成株式会社製)を用い、溶離液にテトラヒドロフランを用いてGPC測定をした結果、ポリスチレン換算重量平均分子量は42万であった。
(エキスパンドテープの作製)
上記アクリル樹脂溶液(固形分:100重量部)に対し、架橋剤として多官能イソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、コロネートL、固形分75%)を固形分として12.0g、光開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF株式会社製、イルガキュア184)を1.0g、更に総固形分含有量が27質量%となるように酢酸エチルを加え、10分間均一に撹拌した。その後、得られた溶液を、保護フィルム(表面離型処理ポリエチレンテレフタレート、厚さ25μm)の上に塗工乾燥して、粘着層を形成した。この際、乾燥時の粘着層厚さが10μm又は30μmとなる2種を作製した。更に、基材フィルム(厚さ100μm)に粘着層面をラミネートした。その後、得られた2種のテープを40℃で4日間エージングした。粘着層が10μmのテープをエキスパンドテープA、30μmのテープをエキスパンドテープBとした。
なお、上記基材フィルムとしては、ハイミラン1706(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製、アイオノマー樹脂)、エチレン・1-ヘキセン共重合体とブテン・α-オレフィン共重合体、及びハイミラン1706がこの順で積層された三層の樹脂フィルムを用いた。
また、粘着層及び保護フィルムと基材フィルムとは、40℃のロールラミネータでラミネートし、保護フィルム/粘着層/基材フィルムの順の構成とした。エキスパンドテープとして使用する際は、保護フィルムを剥がして使用した。
<エキスパンドテープ上の個片化された半導体チップの作製(工程1)>
(評価サンプルA)
ダイシングテープに8インチシリコンウエハ(厚み250μm)を40℃で、ウエハマウント装置(DM-300-H、株式会社ジェイシーエム製)を用いてラミネートし、5mm×5mmのサイズにブレードでダイシング装置(DFD6361、株式会社ディスコ製)を用いてダイシングした。その後、UV露光機(ML-320FSAT、ミカサ株式会社製)を用いて、UVを300mJ照射して、ダイシングテープの密着力を下げ、エキスパンドテープAに個片化された半導体チップをラミネート装置(V130、ニッコー・マテリアルズ株式会社製)を用いて転写(40℃/0.5MPa/10秒の条件)し、評価サンプルAを作製した。ダイシングテープを剥がした評価サンプルAは12インチサイズのダイシングリングに固定した。この時、初期の半導体チップ間隔は約50μmだった。
(評価サンプルB)
エキスパンドテープBに8インチシリコンウエハ(厚み250μm)を40℃で、ウエハマウント装置(DM-300-H、株式会社ジェイシーエム製)を用いてラミネートし、5mm×5mmのサイズにブレードでダイシング装置(DFD6361、株式会社ディスコ製)を用いてダイシングし、評価サンプルBを作製した。評価サンプルBは12インチサイズのダイシングリングに固定した。この時、初期の半導体チップ間隔は約50μmだった。
(評価サンプルC)
ダイシングテープに8インチシリコンウエハ(厚み250μm)を40℃で、ウエハマウント装置(DM-300-H、株式会社ジェイシーエム製)を用いてラミネートし、5mm×5mmのサイズにブレードでダイシング装置(DFD6361、株式会社ディスコ製)を用いてダイシングして、評価サンプルCを作製した。この時、初期の半導体チップ間隔は約50μmだった。
(キャリア)
12インチシリコンウエハ(元厚み775μm)に仮固定材を真空ラミネータ(V130、ニッコー・マテリアルズ株式会社製)でラミネート後、ウエハの形に外形加工してキャリアを作製した。ラミネート条件は、ダイヤフラム温度80℃、ステージ40℃、時間60s、圧力0.5MPaとした。
(封止材)
封止材としてはCEL-400ZHF-40WG(日立化成株式会社製)を用いた。
(実施例1、2)
<工程2>
評価サンプルA、Bを12インチエキスパンダー装置(大宮工業株式会社製、MX-5154FN)にセットし、突き上げ速度100mm/秒、温度(ステージ温度)50℃で1秒間突き上げ(突き上げ量:100mm)、エキスパンドテープを引き伸ばした。この時、半導体のチップ間隔は評価サンプルA、B共に初期の約50μmから約1mmに広がった。
<工程3>
エキスパンドテープを引き伸ばした評価サンプルA、Bを、12インチエキスパンダー用のグリップリング(株式会社テクノビジョン製、GR-12)で固定して、テンションを保持した。工程2と工程3は連動して起きるため(突き上げ100mmに達すると同時にグリップリングで固定される装置)、工程2と工程3は合わせて1秒で完了した。
<工程4>
テンションを保持した評価サンプルA、BにUVを照射(UV露光機ML-320FSAT、ミカサ株式会社製)した後、真空ラミネータ(V130、ニッコー・マテリアルズ株式会社製)を用いて、キャリアに半導体チップ面をラミネートした。ラミネート条件はダイヤフラム温度60℃、ステージ温度60℃、圧力0.5MPa、60秒とした。
<工程5>
ラミネート後の評価サンプルA、Bからエキスパンドテープのみを剥がし、キャリア上(仮固定材)に半導体チップが配列した評価サンプルA’、B’を作製した。評価サンプルA、Bから作製した評価サンプルA’、B’は共に半導体チップ飛散又は位置ずれもなく良好だった。なお、エキスパンドテープのピール作業は室温(25℃)/10秒で行った。
<工程6及び工程7>
評価サンプルA’、B’を、上記封止材を用いて、封止装置(CPM1180、TOWA株式会社製)により封止した。封止のサイズは12インチウエハサイズ、厚みは350μmで行った。封止材の形状は顆粒を用いた。方式はコンプレッションモールドで行った。封止条件は150℃/10分/37tonとした。その後、150℃/1hのキュアを行った。キュア後、キャリアを剥離するため180℃/5分加熱処理を行い、キャリアを剥離した。
(比較例1)
評価サンプルCをフリップチップボンダ(LFB2301、株式会社新川製)でダイシングテープからピックアップしてキャリアに再配置した。5mm×5mmのサイズの半導体チップ一つ辺りの圧着時間(再配置時間)はピックアップを含めて2秒で行った。評価サンプルCには5mm×5mmのサイズの半導体チップが約1250個(計算上は1256個程度となるが、ダイシング時に5mm×5mmのサイズ以下となる周辺部のチップは除いた)のため、再配置に2500秒を要した。半導体チップの間隔は評価サンプルA、Bと同様に1mmとした。キャリアに再配置したサンプルを評価サンプルC’とした。
評価サンプルC’を、上記封止材を用いて、封止装置(CPM1180、TOWA株式会社製)により封止した。封止のサイズは12インチウエハサイズ、厚みは350μmで行った。封止材の形状は顆粒を用いた。方式はコンプレッションモールドで行った。封止条件は150℃/10分/37tonとした。その後、150℃/1hのキュアを行った。キュア後、キャリアを剥離するため180℃/5分加熱処理を行い、キャリアを剥離した。
(i)半導体チップ間隔の測定方法
半導体チップと半導体チップの間隔は測長可能な顕微鏡(ECLIPSE-L、株式会社ニコン製)で測定した。測定は中心部1点、周辺部4点(中心部を中心に上下左右の1点づつ)、計5点を測長した。半導体チップ間隔は5点の平均値とした。
(ii)封止工程(工程6)前後の半導体チップ間隔の位置ずれ評価
封止工程前後の半導体チップ間隔を(i)と同様な方法で測定した。(i)と同様に5点を選抜し、封止前後で同様の点を測長した。計5点の各半導体チップ間隔が封止工程前後で10μmよりも大きく変動しているサンプルをNG評価、10μm以内をOK評価(良好)とした。
実施例1、2及び比較例1に関する評価結果を表1にまとめる。
Figure 0007173000000001
本発明の製造方法(実施例1~2)は、従来の方法(比較例)と比較して、精度は同等(位置ずれ評価)であり、且つ生産性が著しく向上する。
1…エキスパンドテープ、1a…粘着層、1b…基材フィルム、2…半導体チップ、3…パッド(回路)、4…固定用ジグ、5…キャリア、6…封止材、7…再配線パターン、8…再配線層、9…接続端子用パッド、10…半導体パッケージ。

Claims (9)

  1. エキスパンドテープを加熱しながら延伸することにより、当該エキスパンドテープ上に固定された、個片化された半導体チップの間隔を100μm以下から300μm以上に広げるテープエキスパンド工程を備える半導体装置の製造方法に用いられるエキスパンドテープであって、
    前記テープエキスパンド工程の加熱温度における引張応力が10MPa以下であり、且つ室温における引張応力が前記加熱温度における引張応力よりも5MPa以上高いエキスパンドテープ。
  2. 前記半導体装置の製造方法が、延伸された前記エキスパンドテープのテンションを保持するテンション保持工程と、テンションが保持された前記エキスパンドテープ上の前記半導体チップをキャリアに転写する転写工程と、前記キャリアに転写された前記半導体チップから前記エキスパンドテープを剥離する剥離工程とを更に備える、請求項1に記載のエキスパンドテープ。
  3. 基材層及び粘着層を有する、請求項1又は2に記載のエキスパンドテープ。
  4. 前記粘着層が紫外線硬化型の粘着剤から構成される、請求項3に記載のエキスパンドテープ。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載のエキスパンドテープを加熱しながら延伸することにより、当該エキスパンドテープ上に固定された、個片化された半導体チップの間隔を100μm以下から300μm以上に広げるテープエキスパンド工程を備える、半導体装置の製造方法。
  6. 回路面にパッドが設けられた半導体チップを有する半導体装置の製造方法であって、
    請求項1~4のいずれか一項に記載のエキスパンドテープと、当該エキスパンドテープ上に前記回路面とは反対側の面が固定された複数の前記半導体チップと、を準備する第1A工程と、
    前記エキスパンドテープを延伸することにより、前記エキスパンドテープ上に固定された複数の前記半導体チップの間隔を広げる第2A工程と、
    延伸された前記エキスパンドテープのテンションを保持する第3A工程と、
    キャリアに、複数の前記半導体チップの前記回路面が固定されるように転写する第4A工程と、
    複数の前記半導体チップから前記エキスパンドテープを剥離する第5A工程と、
    前記キャリア上の複数の前記半導体チップを封止材により封止する第6A工程と、
    前記封止材により封止された複数の半導体チップから前記キャリアを剥離する第7A工程と、
    を備える半導体装置の製造方法。
  7. 回路面にパッドが設けられた半導体チップを有する半導体装置の製造方法であって、
    請求項1~4のいずれか一項に記載のエキスパンドテープと、当該エキスパンドテープ上に前記回路面が固定された複数の前記半導体チップと、を準備する第1B工程と、
    前記エキスパンドテープを延伸することにより、前記エキスパンドテープ上に固定された複数の前記半導体チップの間隔を広げる第2B工程と、
    延伸された前記エキスパンドテープのテンションを保持する第3B工程と、
    キャリアに、複数の前記半導体チップを前記回路面とは反対側の面が固定されるように転写する第4B工程と、
    複数の前記半導体チップから前記エキスパンドテープを剥離する第5B工程と、
    前記キャリア上の複数の前記半導体チップを封止材により封止する第6B工程と、
    を備える半導体装置の製造方法。
  8. 回路面にパッドが設けられた半導体チップを有する半導体装置の製造方法であって、
    請求項1~4のいずれか一項に記載のエキスパンドテープと、当該エキスパンドテープ上に前記回路面とは反対側の面が固定された複数の前記半導体チップと、を準備する第1C工程と、
    前記エキスパンドテープを延伸することにより、前記エキスパンドテープ上に固定された複数の前記半導体チップの間隔を広げる第2C工程と、
    延伸された前記エキスパンドテープのテンションを保持する第3C工程と、
    キャリアに、複数の前記半導体チップの前記回路面が固定されるように転写する第4C工程と、
    複数の前記半導体チップから前記エキスパンドテープを剥離する第5C工程と、
    前記キャリア上の複数の前記半導体チップを封止材により封止する第6C工程と、
    前記封止材により封止された複数の半導体チップから前記キャリアを剥離する第7C工程と、
    前記封止材により封止された複数の半導体チップを、半導体チップ毎に個片化し、複数の半導体パッケージを形成する第8C工程を備える半導体装置の製造方法。
  9. 回路面にパッドが設けられた半導体チップを有する半導体装置の製造方法であって、
    請求項1~4のいずれか一項に記載のエキスパンドテープと、当該エキスパンドテープ上に回路面が固定された複数の前記半導体チップと、を準備する第1D工程と、
    前記エキスパンドテープを延伸することにより、前記エキスパンドテープ上に固定された複数の前記半導体チップの間隔を広げる第2D工程と、
    延伸された前記エキスパンドテープのテンションを保持する第3D工程と、
    キャリアに、複数の前記半導体チップの前記回路面とは反対側の面が固定されるように転写する第4D工程と、
    複数の前記半導体チップから前記エキスパンドテープを剥離する第5D工程と、
    前記キャリア上の複数の前記半導体チップを封止材により封止する第6D工程と、
    封止材を研磨して前記パッドを露出させる第7D工程と、
    前記封止材により封止された複数の半導体チップから前記キャリアを剥離する第8D工程と、
    前記封止材により封止された複数の半導体チップを、半導体チップ毎に個片化し、複数の半導体パッケージを形成する第9D工程を備える半導体装置の製造方法。
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