以下、本発明を具現化したヒートポンプシステム1Aについて説明する。ヒートポンプシステム1Aは、例えば、海の近くのリゾート施設などに設置されるシステムである。
図1に示すように、ヒートポンプシステム1Aは、井戸90、ユニット10A、温水利用設備81、冷水利用設備82、及び濃縮水利用設備83を備えている。井戸90は、海98の近くに配置されており、地表909から下方(重力方向)に向けて設けられている。海98の海水91は、地中を通して、井戸90に供給され、貯留される(矢印700参照)。
ユニット10Aは、直方体状の外装である収納部100を備えている。なお、収納部100は、直方体状とは異なる形であってもよい。収納部100は、海水槽101、ROモジュール102、熱交換部30、淡水槽803、淡水貯留部804、貯湯槽110、冷水貯留部805、及び制御盤60など、ユニット10Aが有する機器を内部に収納している。ROとは、Reverse Osmosis(逆浸透)の略である。制御盤60は、電力会社が提供する商用電力61からの電力を利用し、ユニット10Aの制御を行う。
流路301の一端は、井戸90の海水91の中に配置され、他端は、海水槽101に延びる。流路301の一端には、海水供給ポンプ911が接続されている。海水供給ポンプ911は、CPU601(図2参照)によって駆動され、井戸90から海水槽101に海水91を流す(矢印701参照)。
海水槽101は、流路302を介してROモジュール102に接続されている。流路302には、ポンプ890が設けられている。ポンプ890は、CPU601(図2参照)によって駆動され、海水槽101からROモジュール102に海水91を流す(矢印702参照)。ROモジュール102は、逆浸透処理により、海水91よりミネラル成分の濃度が小さい淡水92と、海水91よりミネラル成分の濃度が大きい濃縮水93とを生成する淡水化装置である。生成される淡水92と濃縮水93の量の比率は、一例として、2:1である。なお、本実施形態においては、海水91に含まれるミネラル成分が、本発明の「不純物」の一例である。また、ミネラル成分が含まれる海水91が、本発明の「不純物含有水」の一例である。
淡水槽803は、淡水貯留部804と冷水貯留部805を備えている。ROモジュール102は、流路303を介して、淡水槽803の淡水貯留部804に接続されている。流路303は、ROモジュール102によって生成される淡水92を、淡水槽803の淡水貯留部804に供給する流路である(矢印703参照)。流路303には、流量センサ871が設けられている。CPU601(図2参照)は、流量センサ871の出力を参照し、流路303を流れる淡水92の流量を検出する。
熱交換部30は、淡水貯留部804から第一流路304を介して供給された淡水92である第一淡水921から採熱し、淡水貯留部804から第二流路552を介して供給された淡水92である第二淡水922を加温する。熱交換部30は、ヒートポンプ部35、第一熱交換器36、及び第二熱交換器37を含む。第一熱交換器36と第二熱交換器37は、例えば、プレート式熱交換器である。ヒートポンプ部35は、一次側冷媒-冷媒熱交換器351と、二次側冷媒-冷媒熱交換器352と、圧縮機353と、膨張弁354と、中間冷媒配管355とを備えている。中間冷媒配管355は、冷媒356が通流する循環配管である。
圧縮機353及び膨張弁354は、中間冷媒配管355に介装されている。圧縮機353は、一次側冷媒-冷媒熱交換器351を経て気化(蒸発)した冷媒356を圧縮して二次側冷媒-冷媒熱交換器352に向けて送出するように設けられている。膨張弁354は、二次側冷媒-冷媒熱交換器352を経て凝縮された冷媒356を膨張させるように設けられている。冷媒356は、常温常圧で気体の冷媒であって、例えば、R410Aである。
第一流路304の一端は、淡水貯留部804に接続され、他端は、第一熱交換器36に接続されている。流路305の一端は、冷水貯留部805に接続され、他端は、第一熱交換器36に接続されている。流路305には、ポンプ891が設けられている。ポンプ891は、CPU601(図2参照)によって駆動され、淡水92を流す。淡水92(第一淡水921)は、淡水貯留部804から、第一流路304を介して、第一熱交換器36に流れる(矢印705参照)。淡水92(第一淡水921)は、第一熱交換器36において採熱されることで冷却されて、冷水94となる。冷水94は、第一熱交換器36から、流路305を介して、冷水貯留部805に流れ、貯留される(矢印706参照)。
流路514と流路515の夫々の一端は、第一熱交換器36に接続され、他端は、一次側冷媒-冷媒熱交換器351に接続されている。流路516と流路517の夫々の一端は、第二熱交換器37に接続され、他端は、二次側冷媒-冷媒熱交換器352に接続されている。流路515には、ポンプ581が設けられている。ポンプ581は、CPU601(図2参照)によって駆動され、第一熱媒体73を流す。第一熱媒体73は、流路515、第一熱交換器36、流路514、一次側冷媒-冷媒熱交換器351、流路515の順に循環する(矢印707,708参照)。
流路517には、ポンプ582が設けられている。ポンプ582は、CPU601(図2参照)によって駆動され、第二熱媒体74を流す。第二熱媒体74は、流路517、第二熱交換器37、流路516、二次側冷媒-冷媒熱交換器352、及び流路517の順に循環する(矢印709,710参照)。
第二流路552は、淡水貯留部804から貯湯槽110に延びる。第二流路552には、ポンプ892が設けられている。ポンプ892は、淡水貯留部804から貯湯槽110に淡水92(第二淡水922)を流す(矢印713参照)。
流路306と流路307の夫々の一端は、貯湯槽110に接続され、他端は、第二熱交換器37に接続されている。流路307には、ポンプ893が設けられている。ポンプ893は、CPU601(図2参照)によって駆動され、淡水92(第二淡水922)を流す。淡水92(第二淡水922)は、貯湯槽110から、流路306を介して、第二熱交換器37に流れる(矢印711参照)。淡水92(第二淡水922)は、第二熱交換器37において加温されて温水95となる。温水95は、第二熱交換器37から、流路307を介して、貯湯槽110に流れ、貯留される(矢印712参照)。
貯湯槽110には、流路553が接続されている。流路553は、貯湯槽110に貯留された温水95を、温水利用設備81に供給する流路である。温水利用設備81は、ユニット10Aの外部に配置されている。本実施形態では、一例として、温水利用設備81は、シャワー811、足湯812、及び風呂813であるとする。これらは、例えば、リゾート施設に設置されている設備である。
流路553には、ポンプ894が配置されている。ポンプ894は、収納部100の内側に配置されている。ポンプ894は、CPU601(図2参照)の制御によって、温水利用設備81側に向けて温水95に圧力を常に与えている。温水利用設備81が使用される場合に、弁(図示せず)が開かれると、ポンプ894によって貯湯槽110から温水利用設備81に向けて温水95が流れる(矢印714参照)。流路553には、流量センサ872が設けられている。CPU601(図2参照)は、流量センサ872の出力を参照し、流路553を流れる温水95の流量を検出する。
ROモジュール102には、流路554が接続されている。流路554は、ROモジュール102によって生成される濃縮水93を、濃縮水利用設備83に供給する流路である。濃縮水利用設備83は、ユニット10Aの外部に配置されている。本実施形態では、一例として、濃縮水利用設備83は、エステ施設831、製塩施設832であるとする。濃縮水93は、海水91に比べて、塩分などのミネラル成分の濃度が大きい。エステ施設831においては、濃縮水93を貯留し、濃縮水93をエステの施術に使用することで、美肌効果が期待できる。また、製塩施設において、塩分濃度が高い濃縮水93を使用して塩を製造することで、海水91を使用して塩を製造する場合に比べて、より低コストで、塩を製造することができる。
濃縮水93は、ポンプ890の圧力によって、ROモジュール102から濃縮水利用設備83に流れる(矢印704参照)。なお、ROモジュール102において生成された濃縮水93を貯留する濃縮水貯留槽を設け、該濃縮水貯留槽から、濃縮水利用設備83に濃縮水93が供給されてもよい。また、濃縮水93は、図示しない雨水桝から排出されてもよい。
冷水貯留部805には、流路555が接続されている。流路555は、冷水貯留部805に貯留された冷水94を、冷水利用設備82に供給する流路である。冷水利用設備82は、ユニット10Aの外部に配置されている。本実施形態では、一例として、冷水利用設備82は、蛇口821及び受水槽822であるとする。例えば、冷水94が飲用に適していれば、使用者は、蛇口821を介して、冷水貯留部805に貯留された冷水94をコップに受け、飲むことができる。また、受水槽822に冷水94を供給することで、受水槽822に冷水94、又は、冷水94が常温に戻った淡水92を貯めておくことができる。
流路555には、ポンプ895が配置されている。ポンプ895は、CPU601(図2参照)の制御によって、冷水利用設備82側に向けて冷水94に圧力を常に与えている。冷水利用設備82が使用される場合に、弁(図示せず)が開かれると、ポンプ895によって冷水貯留部805から冷水利用設備82に向けて冷水94が流れる(矢印715参照)。流路555には、流量センサ873が設けられている。CPU601(図2参照)は、流量センサ873の出力を参照し、流路555を流れる冷水94の流量を検出する。
ヒートポンプシステム1Aの動作について説明する。井戸90に貯留されている海水91の温度は、一例として30℃であるとする。海水供給ポンプ911は、海水91を、流路301を介して、海水槽101に流す(矢印701参照)。海水91は、海水槽101に貯留される。ポンプ890は、海水槽101に貯留された海水91を、ROモジュール102に流す(矢印702参照)。ROモジュール102は、海水91を利用し、海水91よりミネラル成分の濃度が小さい淡水92と、海水91よりミネラル成分の濃度が大きい濃縮水93とを生成する。
ROモジュール102において生成された淡水92は、流路303を介して淡水槽803の淡水貯留部804に流れ、貯留される(矢印703参照)。ポンプ891は、淡水貯留部804から第一熱交換器36に淡水92(第一淡水921)を流す(矢印705参照)。第一熱交換器36は、淡水貯留部804を介して供給された第一淡水921から採熱して第一熱媒体73を加温するとともに、第一淡水921を冷却する。冷却された第一淡水921である冷水94は、ポンプ891によって流路305を介して冷水貯留部805に流され、貯留される(矢印706参照)。冷水94の温度は、例えば、25℃である。
ヒートポンプ部35は、第一熱交換器36において加温された第一熱媒体73の熱を利用して、第二熱媒体74を加温する。より詳細には、第一熱交換器36において加温された第一熱媒体73は、ポンプ581によって、流路514を介してヒートポンプ部35の一次側冷媒-冷媒熱交換器351に供給される(矢印707参照)。ヒートポンプ部35は、第一熱媒体73から採熱する。ヒートポンプ部35は、第一熱媒体73から採熱した熱を利用して、二次側冷媒-冷媒熱交換器352において、第二熱媒体74を加温する。
第二熱媒体74は、ポンプ582によって、流路517を介して第二熱交換器37に供給される(矢印710参照)。また、ポンプ892は、淡水貯留部804から第二流路552を介して、貯湯槽110に淡水92(第二淡水922)を流す(矢印713参照)。さらに、ポンプ893は、貯湯槽110から流路306を介して第二熱交換器37に淡水92(第二淡水922)を流す(矢印711参照)。第二熱交換器37は、第二熱媒体74と第二淡水922との熱交換を行い、第二淡水922を加温する。加熱された第二淡水922である温水95は、ポンプ893によって流路307を介して貯湯槽110に流され、貯留される(矢印712参照)。温水95の温度は、例えば、40℃~65℃である。
温水利用設備81が温水95を使用する場合、貯湯槽110に貯留された温水95が、ポンプ894によって温水利用設備81に供給される(矢印714参照)。また、冷水利用設備82が冷水94を使用する場合、冷水貯留部805に貯留された冷水94が、ポンプ895によって冷水利用設備82に供給される(矢印715参照)。ROモジュール102で生成された濃縮水93は、濃縮水利用設備83に流れる(矢印704参照)。
図2を参照して、ヒートポンプシステム1Aのユニット10Aの電気的構成について説明する。制御盤60は、CPU601、ROM602、及びRAM603を備えている。ユニット10Aの内側には、ヒートポンプ部35、ポンプ581,582,890,891,892,893,894,895、流量センサ871,872,873、及び温水残量センサ461が設けられている。ユニット10Aの外側には、海水供給ポンプ911及び操作部586が設けられている。
CPU601は、ユニット10Aの制御を行う。CPU601は、ROM602とRAM603とに電気的に接続されている。ROM602には、後述するメイン処理(図3参照)のプログラム等、種々のプログラムデータが記憶されている。RAM603には、種々の一時データが記憶される。
CPU601は、ヒートポンプ部35に、電気的に接続されている。CPU601は、ヒートポンプ部35を制御し、ヒートポンプ方式により、第一熱媒体73と第二熱媒体74との熱交換を行う。
CPU601は、海水供給ポンプ911、ポンプ581,582,890,891,892,893,894,895、流量センサ871,872,873、及び温水残量センサ461に電気的に接続されている。海水供給ポンプ911、ポンプ581,582,890,891,892,893,894,895は、一例として、液体及び熱媒体の流量を調整可能なポンプ(例えば、インバータポンプ)であるとする。CPU601は、海水供給ポンプ911、ポンプ581,582,890,891,892,893,894,895を制御して、海水91、淡水92、第一淡水921、第二淡水922、温水95、冷水94、第一熱媒体73、及び第二熱媒体74の流量を調整する。
流量センサ871は、流路303を流れる淡水92の流量に対応する信号を、CPU601に出力する。CPU601は、流量センサ871の出力に基づき、流路303を流れる淡水92の流量を検出する。流量センサ872は、流路553を流れる温水95の流量に対応する信号を、CPU601に出力する。CPU601は、流量センサ872の出力に基づき、流路553を流れる温水95の流量を検出する。流量センサ873は、流路555を流れる冷水94の流量に対応する信号を、CPU601に出力する。CPU601は、流量センサ871の出力に基づき、流路555を流れる冷水94の流量を検出する。
温水残量センサ461は、貯湯槽110(図1参照)の内部に配置されている。温水残量センサ461は、貯湯槽110に貯留されている温水95の量に対応する信号を、CPU601に出力する。CPU601は、温水残量センサ461の出力に基づき、貯湯槽110に貯留されている温水95の量を検出する。
CPU601は、操作部586に電気的に接続されている。操作部586は、例えば、ユニット10Aの外面に設けられている。CPU601は、操作部586から入力される使用者からの指示を取得する
本実施形態では、一例として、第一熱交換器36及び第二熱交換器37は、電気的な駆動源を使用しない熱交換を行うとする。この場合、第一熱交換器36及び第二熱交換器37は、CPU601に電気的に接続されなくてもよい。なお、第一熱交換器36及び第二熱交換器37は、例えば電気で駆動する駆動源などを用いて強制的に熱交換を行う装置であってもよい。この場合、第一熱交換器36及び第二熱交換器37はCPU601に電気的に接続され、CPU601によって制御される。
図3を参照し、ユニット10AのCPU601によって実行されるメイン処理について説明する。ユニット10Aの電源がONされると、CPU601は、ROM602に記憶されたメイン処理のプログラムを読み出し、RAM603に展開する。CPU601は、メイン処理のプログラムに基づき、メイン処理を実行する。
メイン処理では、まず、熱交換を開始するか否かが判断される(S1)。CPU601は、熱交換を開始しない場合(S1:NO)、待機する。本実施形態では、一例として、温水95又は冷水94が使用される場合に、熱交換を開始すると判断される。
例えば、温水利用設備81において、弁(図示せず)が開かれると、ポンプ894によって、貯湯槽110から温水利用設備81に温水95が流れる。CPU601は、流量センサ872の出力を参照し、温水95の流れを検出し、熱交換を開始すると判断する(S1:YES)。なお、温水95の流量が所定流量以上となった場合に、熱交換を開始すると判断してもよい。
また、冷水利用設備82において、弁(図示せず)が開かれると、ポンプ895によって、冷水貯留部805から冷水利用設備82に冷水94が流れる。CPU601は、流量センサ873の出力を参照し、冷水94の流れを検出し、熱交換を開始すると判断する(S1:YES)。なお、冷水94の流量が所定流量以上となった場合に、熱交換を開始すると判断してもよい。
熱交換を開始すると判断された場合(S1:YES)、熱交換が開始される(S2)。S2においては、ヒートポンプ部35が駆動され、熱交換が開始される。ポンプ581によって第一熱媒体73の循環が行われる。ポンプ582によって第二熱媒体74の循環が行われる。海水供給ポンプ911、ポンプ890,891,892,893等が駆動され、海水91、淡水92、濃縮水93、冷水94、及び温水95が流れる。これによって、第一熱交換器36において、淡水92(第一淡水921)と第一熱媒体73との熱交換により、淡水92(第一淡水921)から熱が採熱され、第一熱媒体73が加温される。ヒートポンプ部35において、第一熱媒体73から熱が採熱され、第二熱媒体74が加温される。第二熱交換器37において、第二熱媒体74と淡水92(第二淡水922)との熱交換よって、温水95が生成される。温水利用設備81において温水95が使用される場合、ポンプ894によって温水95が流れる。冷水利用設備82において冷水94が使用される場合、ポンプ895によって冷水94が流れる。
次いで、ROモジュール102の劣化の度合いが検出される(S3)。S3においては、種々の方法により、ROモジュール102の劣化の度合いを検出できる。本実施形態では、一例として、CPU601は、流量センサ871の出力から、流路303を流れる淡水92の流量を検出する。ROモジュール102の劣化の度合いが大きくなるほど、ROモジュール102において生成される淡水92の量が少なくなり、流路303を流れる淡水92の流量は小さくなる。CPU601は、流路303を流れる淡水92の流量が小さいほど、ROモジュール102の劣化が大きいと判断する。
次いで、S3において検出された、ROモジュール102の劣化の度合いが参照され、ROモジュール102が劣化しているか否かが判断される(S4)。本実施形態では、一例として、S3において検出された流路303を流れる淡水92の流量が所定量以下である場合に、ROモジュール102が劣化していると判断される。所定量は、例えば、ROモジュール102が生成できる最大量の淡水92が流路303を流れる場合の流量の70%に設定される。
なお、S4においては、他の方法によって、ROモジュール102が劣化していることを判断してもよい。例えば、流路302と流路303とに、不純物の濃度を検出する導電率計を設ける。CPU601は、導電率計の出力に基づき、流路302を流れる海水91の不純物の濃度と、流路303を流れる淡水92の不純物の濃度とを検出する。CPU601は、検出した海水91の不純物の濃度と、淡水92の不純物の濃度とを参照し、ROモジュール102における不純物の除去率を算出する。CPU601は、不純物の除去率が所定値以下である場合に、ROモジュール102が劣化していると判断する。なお、所定値は、例えば、90%である。
ROモジュール102が劣化していない場合(S4:NO)、貯湯槽110に貯留されている温水95の量が検出される(S5)。S5においては、CPU601は、温水残量センサ461の出力から、貯湯槽110に貯留されている温水95の量を検出する。次いで、S5で検出された温水95の量が、所定量以下であるか否かが判断される(S6)。
貯湯槽110に貯留されている温水95の量が所定量以下でない場合(S6:NO)、熱交換を終了するか否かが判断される(S7)。本実施形態では、一例として、温水95又は冷水94の使用が停止された場合に、熱交換を終了すると判断される。
例えば、温水利用設備81における温水95の使用が停止されると、温水利用設備81の弁(図示せず)が閉じられる。CPU601は、流量センサ872の出力を参照し、温水95の流れが停止したことを検出し、熱交換を停止すると判断する(S7:YES)。なお、温水95の流量が所定流量以下となった場合に、熱交換を停止すると判断してもよい。
また、冷水利用設備82における冷水94の使用が停止されると、冷水利用設備82の弁(図示せず)が閉じられる。CPU601は、流量センサ873の出力を参照し、冷水94の流れが停止したことを検出し、熱交換を終了すると判断する(S7:YES)。なお、冷水94の流量が所定流量以下となった場合に、熱交換を停止すると判断してもよい。熱交換を停止しない場合(S7:NO)、処理は、S3に戻る。
S4の処理において、ROモジュール102が劣化していると判断された場合(S4:YES)、ROモジュール102の劣化の度合いに応じて、熱交換の動作が制御される(S8)。S8では、S3において検出されたROモジュール102の劣化の度合いが大きいほど(すなわち、より劣化が進んでいるほど)、熱交換によって温水95を生成する量が減らされる。この場合、ポンプ891,892,893によって流される淡水92及び温水95の流量が減らされる。また、ポンプ581,582によって流される第一熱媒体73及び第二熱媒体74の流量が減らされる。次いで、処理はS5に進む。
S6の処理において、貯湯槽110に貯留されている温水95の量が所定量以下である場合(S6:YES)、流量センサ872の出力が参照され、温水利用設備81に温水95を供給しているか否かが判断される(S9)。温水利用設備81に温水95を供給していない場合(S9:NO)、処理はS7に進む。
温水利用設備81に温水95を供給している場合(S9:YES)、貯湯槽110に貯留されている温水95の量に応じて、温水95の温水利用設備81に供給する温水95の量が減らされる(S10)。S10では、ポンプ894による流量が制御され、S5において検出された貯湯槽110の温水95の量が少ないほど、温水利用設備81に供給する温水95の量が減らされる。次いで、処理は、S7に進む。
S7において、熱交換を停止すると判断された場合(S7:YES)、熱交換が停止される(S11)。S11においては、ヒートポンプ部35の駆動が停止され、熱交換が停止される。海水供給ポンプ911及びポンプ581,582,890,891、892,893の駆動が停止される。次いで、処理はS1に戻る。
以上のように、本実施形態のヒートポンプシステム1Aは、海水91から、温水95、冷水94、及び濃縮水93を生成し、利用することができる。本実施形態では、海水槽101から供給された海水91が利用され、ROモジュール102によって、淡水92と濃縮水93とが生成される。淡水92は、淡水貯留部804に貯留される。熱交換部30は、ヒートポンプ部35を含み、淡水貯留部804から第一流路304を介して供給された第一淡水921から採熱し、淡水貯留部804から第二流路552を介して供給された第二淡水922を加温する。加温された第二淡水922である温水95は、貯湯槽110に貯留される。熱交換部30において第一淡水921が冷却された冷水94は、冷水貯留部805に貯留される。すなわち、ヒートポンプシステム1Aは、海水91から淡水92を生成し、淡水92を熱交換に利用して、温水95と冷水94を生成する。コストのかからない海水91を使用して、温水95と冷水94とを生成できるので、水道水を使用して、温水95と冷水94を生成する場合に比べて、温水95と冷水94を生成するための運用コストを低減することができる。
また、熱交換部30は、第一熱交換器36、ヒートポンプ部35、及び第二熱交換器37を含む。第一熱交換器36は、第一淡水921から採熱し、第一熱媒体73を加温するとともに、冷水94を生成する。ヒートポンプ部35は、第一熱交換器36において加温された第一熱媒体73の熱を利用して、第二熱媒体74を加温する。第二熱交換器37は、ヒートポンプ部35において加温された第二熱媒体74と、第二淡水922との熱交換を行い、温水95を生成する。この場合、ヒートポンプ部35には、第一淡水921と第二淡水922は供給されない。よって、仮に、第一淡水921と第二淡水922に、硬化成分(例えば、カルシウム、塩、マグネシウム等)がわずかに含まれていた場合でも、ヒートポンプ部35に、硬化成分が固まったスケールが発生する可能性を低減できる。よって、ヒートポンプ部35のメンテナンスコストを低減できる。また、第一淡水921と第二淡水922に、腐食成分(例えば、鉄分、塩分など)がわずかに含まれていた場合でも、ヒートポンプ部35に腐食成分が供給されないので、ヒートポンプ部35が腐食する可能性を低減できる。よって、ヒートポンプ部35のメンテナンスコストを低減できる。
また、ユニット10Aは、ROモジュール102、淡水貯留部804、熱交換部30、貯湯槽110、及び冷水貯留部805が、1つの収納部100に収納されたユニットである。よって、例えば、工場で、ユニット10Aを製造し、設置場所に置くことで、ROモジュール102、淡水貯留部804、熱交換部30、貯湯槽110、及び冷水貯留部805の設置が完了する。よって、ROモジュール102、淡水貯留部804、熱交換部30、貯湯槽110、及び冷水貯留部805のそれぞれを別々に、設置現場に設置する場合に比べて、設置のための工事コストを低減できる。
また、ROモジュール102において淡水92が生成される過程で生成される濃縮水93が、濃縮水利用設備83において使用される。よって、ROモジュール102とは異なる設備を追加して、濃縮水93を生成する場合に比べて、ヒートポンプシステム1Aの設備のコストを低減することができる。
また、ROモジュール102の劣化の度合いが検出される(S3)。S3において検出された劣化の度合いが大きいほど、熱交換部30が熱交換によって温水95を生成する量を減らされる(S8)。ROモジュール102の劣化の度合いに合わせて、生成される温水95の量が減らされるので、温水95の生成量が減らされない場合に比べて、温水95を生成するための電力コストを低減することができる。
また、貯湯槽110に貯留されている温水95の量が検出される(S5)。S5において検出された温水95の量が少ないほど、温水利用設備81に供給される温水95の量が減らされる(S10)。よって、温水利用設備81に供給される温水95の量が減らされない場合に比べて、温水利用設備81における温水95の使用時間を延ばすことができる。
なお、本実施形態は、上記実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。例えば、ROモジュール102による逆浸透処理によって、海水91が、淡水92と濃縮水93とが生成されていたが、これに限定されない。逆浸透処理とは異なる処理によって、淡水92と濃縮水93とが生成されてもよい。
また、ポンプ894による流量が制御され、S5において検出された貯湯槽110の温水95の量が少ないほど、温水利用設備81に供給する温水95の量が減らされていたが(図3のS10)、流量の制御はポンプ894の制御に限られない。例えば、ポンプ894は、一定の流量で温水95を流すことができるポンプであり、比例弁を流路553に設けてもよい。この場合、該比例弁がCPU601によって制御され、温水95の量が減らされてもよい。また、S5において検出された貯湯槽110の温水95の量が少ないほど、温水利用設備81に供給する温水95の量が減らされる制御(図3のS10)が行われなくてもよい。
S3において検出されたROモジュール102の劣化の度合いが大きいほど(すなわち、より劣化が進んでいるほど)、熱交換によって温水95を生成する量が減らされていた(S8)。このとき、ポンプ891,892,893によって流される淡水92及び温水95の流量が減らされ、ポンプ581,582によって流される第一熱媒体73及び第二熱媒体74の流量が減らされていたが、これに限定されない。例えば、複数のヒートポンプ部35を並列に設け、該ヒートポンプ部35を駆動させる数を減らすことで、温水95の生成量が減らされてもよい。また、S3において検出されたROモジュール102の劣化の度合いが大きいほど、熱交換による温水95の生成量が減らされる制御(図3のS8)が行われなくてもよい。
また、ヒートポンプシステム1Aは、海水槽101、ROモジュール102、淡水貯留部804、熱交換部30、貯湯槽110、及び冷水貯留部805が、1つの収納部100に収納されたユニット10Aを備えていたが、これに限定されない。例えば、収納部100が設けられなくてもよい。また、濃縮水93を貯留する濃縮水貯留部を設け、濃縮水貯留部から、濃縮水利用設備83に濃縮水93を供給してもよい。また、熱交換を実施するか否かにかかわらず、ROモジュール102による淡水92の生成は、常に行ってもよい。
また、ヒートポンプシステム1Aを、以下で説明する変形例のように変形してもよい。以下の説明では、上記実施形態と同様の構成は、同じ符号で示し、説明は省略する。
図4に示すヒートポンプシステム1Bのように、ユニット10A(図1参照)をユニット10B(図4参照)としてもよい。ユニット10Bにおいては、収納部100の周囲に、液体96が流れる液体流通部391が設けられている。より詳細に説明する。図5に示すように、収納部100の前面、後面、左面、右面、及び上面は、壁部451によって覆われている。収納部100と壁部451とは、互いに離間している。収納部100の下部(重力方向側の端部)と、壁部451の下部とは、壁部452によって接続されている。液体流通部391は、収納部100の外面と壁部451の内面とによって形成される。液体流通部391には、液体96が流れる。本実施形態では、一例として、液体96は、淡水92であるとする。
淡水貯留部804から、流路471が延び、液体流通部391に接続されている。流路471には、ポンプ584が設けられている。液体流通部391には、排出流路482が接続されている。排出流路482は、液体流通部391の外側に延びる。CPU601がポンプ584を駆動すると、淡水貯留部804の淡水92が、流路471を介して、液体流通部391に供給され、液体流通部391を流れる(矢印751参照)。液体流通部391を淡水92が流れることで、収納部100が冷却される。これによって、収納部100の内部の温度上昇を低減することができる。液体流通部391を流れた淡水92は、排出流路482を介して、外部に排出される。なお、液体96は、淡水92とは異なる液体であってもよい。例えば、液体96は、濃縮水93、冷水94、又は水道水であってもよい(後述する図7の場合も同様)。また、液体流通部391は、収納部100の前面、後面、左面、右面、及び上面に設けられていたが、これに限定されない。例えば、液体流通部391は、収納部100の底面にも設けられてもよいし、収納部100の周囲に液体流通部391が設けられない部分があってもよい(後述する図7の場合も同様)。また、液体流通部391が設けられることによって、収納部100の内部が冷却されるので、収納部100の内部に野菜を貯蔵する野菜貯蔵室を設けてもよい(後述する図7の場合も同様)。また、液体流通部391を設けるのではなく、収納部100に液体96を散水して、収納部100の内部を冷却してもよい。
また、図5に示す変形例に係るヒートポンプシステム1Cのように、商用電力61(図1参照)ではなく、再生可能エネルギーを使用して、ヒートポンプシステム1Cにおいて使用する電力を生成する発電装置を設けてもよい。ヒートポンプシステム1Cにおいては、再生可能エネルギーを使用して、ヒートポンプシステム1Cにおいて使用する電力を生成する発電装置の一例として、太陽光発電によって電力を生成する太陽光発電装置62Aが設けられている。太陽光発電装置62Aは、ヒートポンプシステム1Cにおいて使用する電力を生成する。また、図示しないが、図4に示すヒートポンプシステム1Bの商用電力61を、太陽光発電装置62Aにしてもよい。これらの場合、太陽光発電装置62Aによって生成される電力によって、ヒートポンプシステム1B,1Cを駆動することができる。よって、商用電力61を使用する場合に比べて、電力コストを低減できる。以下、後述する各実施形態において、商用電力61を太陽光発電装置にしてもよい。
また、図6に示す変形例に係るヒートポンプシステム1Dのように、ユニット10A(図1参照)をユニット10Cとしてもよい。ユニット10Cは、太陽光発電装置62Bを備えている。太陽光発電装置62Bは、ヒートポンプシステム1Dにおいて使用する電力を生成する。太陽光発電装置62Bは、収納部100の上側(重力方向の反対側)に設けられている。この場合、太陽光発電装置62Bによって太陽光が遮光され、収納部100に届く太陽光の量が小さくなる。よって、太陽光発電装置62Bが収納部100の上側に設けられていない場合に比べて、太陽光による収納部100の内部の温度上昇が低減される。よって、収納部100の内部の機器が、温度上昇によって故障する可能性を低減できる。なお、太陽光発電装置62Bは、収納部100の上側に設けられていればよく、設置の向きは限定されない。例えば、太陽光発電装置62Bは、収納部100の上側において、南方向且つ下方から、北方向且つ上方に向けて、斜めに配置されてもよい。
また、図7に示す変形例に係るヒートポンプシステム1Eのように、ユニット10C(図5参照)をユニット10Dとしてもよい。ユニット10Dは、図4の場合と同様に、液体流通部391を備えている。また、ユニット10Dは、図6の場合と同様に、太陽光発電装置62Bを備えている。太陽光発電装置62Bは、液体流通部391の上側に設けられている。
この場合、太陽光発電装置62Bによって太陽光が遮光される。よって、太陽光発電装置62Bが収納部100の上側に設けられていない場合に比べて、太陽光による収納部100の内部の温度上昇が低減される。また、液体流通部391に淡水92が流れるので、淡水92によって、収納部100の内部の温度の上昇が低減される。よって、収納部100の内部の機器が、温度上昇によって故障する可能性を低減できる。また、液体流通部391に淡水92が流れているので、液体流通部391が設けられていない場合に比べて、太陽光発電装置62Bが冷却される。よって、太陽光発電装置62Bの温度が上がりすぎることが防止され、太陽光発電装置62Bの発電効率が上がる。
また、液体流通部391(図4及び図7参照)を流れる液体96は、ROモジュール102において生成された淡水92である。ROモジュール102において生成された淡水92が、液体流通部391を流れるので、例えば、水道水を使用する場合に比べて、コストを低減することができる。
なお、ヒートポンプ部35において生成した冷エネルギーを太陽光発電装置62Bの冷却に使用してもよい。例えば、流路471を冷水貯留部805に接続してもよい。これによって、ヒートポンプ部35において生成した冷エネルギーによって冷却された冷水94が、冷水貯留部805から液体流通部391に流される。これによって、淡水92によって太陽光発電装置62Bを冷却する場合に比べて、より効率的に、太陽光発電装置62Bを冷却することができる。
また、図8に示す変形例に係るヒートポンプシステム1Fのように、ユニット10A(図1参照)をユニット10Eとしてもよい。ユニット10Eにおいては、熱交換部30は、ヒートポンプ部35を備え、第一熱交換器36及び第二熱交換器37が設けられていない。第一流路304と流路305は、一次側冷媒-冷媒熱交換器351に接続されている。流路306と流路307は、二次側冷媒-冷媒熱交換器352に接続されている。
淡水貯留部804から第一流路304を介して、ヒートポンプ部35の一次側冷媒-冷媒熱交換器351に第一淡水921が供給され、採熱される(矢印791参照)。第一淡水921が採熱された冷水94は、流路305を介して冷水貯留部805に流れ、貯留される(流路792参照)。
貯湯槽110から流路306を介して、ヒートポンプ部35の二次側冷媒-冷媒熱交換器352に第二淡水922が供給され、加温される(矢印793参照)。第二淡水922が加温された温水95は、流路307を介して貯湯槽110に流れ、貯留される(矢印794参照)。この場合、第一熱交換器36と第二熱交換器37が設けられないので、ヒートポンプシステム1Fの装置のコストを低減できる。なお、ユニット10Eにおいても、ヒートポンプシステム1B,1C,1D,1E,1Fと同様に液体流通部391、太陽光発電装置62A,62B等を設けてもよい。
また、図9に示す変形例に係るヒートポンプシステム1Gのように、太陽光発電装置62C、洗浄装置869、ROモジュール103、及びユニット10Fを備えてもよい。ユニット10Fは、ユニット10A(図5参照)の変形例である。太陽光発電装置62C及び洗浄装置869は、ユニット10Fの外側に設けられている。ROモジュール103は、ユニット10Fの内側に設けられている。
ROモジュール103は、ROモジュール102とは別に設けられている。ROモジュール103と海水槽101とは、流路861によって接続されている。流路861には、ポンプ77が配置されている。洗浄装置869とROモジュール103とは、流路862によって接続されている。ROモジュール103と濃縮水利用設備83とは、流路863によって接続されている。なお、図9においては、流路302を示す線と流路863を示す線とが交差しているが、流路302と流路863は接続されていない。
ポンプ77は、CPU601(図2参照)によって駆動され、流路861を介して、海水槽101からROモジュール103に海水91を流す(矢印864参照)。ROモジュール103は、逆浸透処理により、海水91よりミネラル成分の濃度が小さい第三淡水865と、海水91よりミネラル成分の濃度が大きい濃縮水866とを生成する。生成される第三淡水865と濃縮水866の量の比率は、一例として、2:1である。
ROモジュール103によって生成された濃縮水866は、ポンプ77の駆動によって、流路863を介して濃縮水利用設備83に流れる。濃縮水866は、濃縮水利用設備83において使用される。
ROモジュール103によって生成された第三淡水865は、ポンプ77の駆動によって、流路862を介して洗浄装置869に流れる。洗浄装置869は、CPU601(図2参照)によって駆動され、太陽光発電装置62Cに第三淡水865を吹きかけ、太陽光発電装置62Cの表面(太陽電池が配置されている面)に第三淡水865を流して洗浄する。例えば、シリカ等の異物が、太陽光発電装置62Cの表面に付着すると、太陽光発電装置62Cの発電効率が減少する。しかし、洗浄装置869によって太陽光発電装置62Cの表面が洗浄され、異物が除去される。よって、太陽光発電装置62Cの発電効率が向上する。
また、ヒートポンプシステム1Gは、海水91から第三淡水865を生成し、太陽光発電装置62Cの洗浄に使用することができる。このため、水道水を使用して、太陽光発電装置62Cの洗浄に使用する場合に比べて、洗浄のコストを低減することができる。
なお、CPU601が、洗浄装置869を制御して太陽光発電装置62Cを洗浄するタイミングは限定されない。例えば、CPU601は、所定時間毎(例えば、8時間毎)に、太陽光発電装置62Cを洗浄してもよい。CPU601は、操作部586(図2参照)から入力される使用者からの洗浄の指示によって、太陽光発電装置62Cを洗浄してもよい。また、CPU601は、太陽光発電装置62Cの所定時間の平均発電量が減少したことを検出することで、太陽光発電装置62Cの表面に異物が付着したことを検出し、太陽光発電装置62Cを洗浄してもよい。また、CPU601が洗浄装置869を操作しなくてもよい。例えば、使用者が手動で洗浄装置869を操作して、太陽光発電装置62Cを洗浄してもよい。また、洗浄装置869は、太陽光発電装置62Cだけでなく、収納部100の上部に散水して、収納部100の内部を冷却してもよい。
また、洗浄装置869は、太陽光発電装置62Cに第三淡水865に吹きかけていたが、これに限定されない。例えば、洗浄装置869は、太陽光発電装置62Cと一体に設けられ、太陽光発電装置62Cの表面の上部から下部に向けて、第三淡水865を流して洗浄してもよい。また、ROモジュール103によって生成された第三淡水865が、洗浄装置869による太陽光発電装置62Cの洗浄に使用されていたが、これに限定されない。例えば、ROモジュール103を設けず、ROモジュール102によって生成された淡水92が洗浄装置869に使用され、太陽光発電装置62Cが洗浄されてもよい。
また、図10に示す変形例に係るヒートポンプシステム1Hのユニット10Gの電気的構成のように、無線通信部852、塩素添加装置853、塩素濃度センサ854、報知装置855、蓄電池691、太陽光発電装置62D、空調設備856、表示装置857、温度センサ858、電池残量検出器859、及び情報端末867を設けてもよい。無線通信部852、塩素添加装置853、塩素濃度センサ854、報知装置855、蓄電池691、太陽光発電装置62D、空調設備856、表示装置857、温度センサ858、及び電池残量検出器859は、CPU601と電気的に接続されている。無線通信部852は、制御盤60に設けられている。無線通信部852は、例えば、WIFI(Wireless Fidelity)によって、インターネット等の通信網に接続する。CPU601は、無線通信部852を介してインターネット等の通信網から種々の情報を取得又は送信する。なお、後述する各実施形態において、外部の機器と、種々の情報を送受信する場合、無線通信部852が利用される。
電池残量検出器859は、蓄電池691の電力残量を示す信号をCPU601に出力する。CPU601は、電池残量検出器859からの出力を参照し、蓄電池691の電力残量を検出する。温度センサ858は、淡水92、冷水94、及び温水95等の温度を示す信号を、CPU601に出力する。CPU601は、温度センサ858の出力を参照し、淡水92、冷水94、及び温水95等の温度を検出可能である。
空調設備856は、冷房機能を有しており、ユニット10Gの内側を冷却する。なお、空調設備856は、ヒートポンプ部35において生成した冷エネルギーを冷房機能に使用してもよい。例えば、冷水貯留部805に貯留された冷水94が空調設備856に供給され、熱交換によって、ユニット10Gの内側の冷却に使用されてもよい。これによって、ヒートポンプ部35において生成した冷エネルギーが、冷房機能に使用される。ユニット10Gの内側が冷却されると、冷却されない場合に比べて、蓄電池691の寿命が長くなる。
CPU601は、表示装置857に種々の情報を表示可能である。ユニット10Gは、使用者が入ることが可能な大きさである。よって、使用者はユニット10Gの内側で、表示装置857に表示される情報を確認可能である。表示装置857には、電池残量検出器859の出力、及び、温度センサ858の出力に基づき、蓄電池691の電力残量と、淡水92、冷水94、及び温水95等の温度が表示される。また、蓄電池691の電力残量を示す情報と、淡水92、冷水94、及び温水95等の温度の情報は、無線通信部852から通信網を介して、情報端末867に送信される。情報端末867には、蓄電池691の電力残量と、淡水92、冷水94、及び温水95等の温度が表示される。
太陽光発電装置62Dは、蓄電池691に電気的に接続されている。太陽光発電装置62Dは、蓄電池691を充電する。ヒートポンプシステム1Hは、蓄電池691、又は、太陽光発電装置62Dからの電力で動作する。
塩素添加装置853は、CPU601の制御によって、淡水貯留部804(図1参照)に貯留されている淡水92に塩素を添加する。塩素濃度センサ854は、淡水貯留部804の内側に設けられている。報知装置855は、ユニット10Gの外面に設けられている。本実施形態では一例として、報知装置855は、ランプであるとする。
本変形例においては、図11に示す塩素濃度検出処理が実行される。なお、塩素濃度検出処理は、メイン処理(図3参照)が実行されている間に、並列で実行されてもよい。ユニット10Gの電源がONされると、CPU601は、ROM602に記憶された塩素濃度検出処理のプログラムを読み出し、RAM603に展開する。CPU601は、塩素濃度検出処理のプログラムに基づき、塩素濃度検出処理を実行する。
図11を参照し、塩素濃度検出処理について説明する。塩素濃度検出処理では、まず、塩素濃度センサ854が制御され、塩素添加装置853によって塩素が添加された淡水92の塩素濃度が検出される(S21)。次いで、S21において検出された塩素濃度が所定濃度以上であるか否かが判断される(S22)。所定濃度は、例えば、飲料水として使用可能な塩素濃度の上限である。
塩素濃度が所定濃度以上でない場合(S22:NO)、処理はS21に戻る。塩素濃度が所定濃度以上である場合(S22:YES)、CPU601は、報知装置855を点灯させることで、塩素濃度が所定濃度以上であることを報知する(S23)。次いで、処理はS21に戻る。塩素濃度が所定濃度以上であることが報知されるので、使用者が塩素濃度の異常に気付くことができる。よって、使用者の利便性が向上する。
なお、本実施形態において、報知装置855は、ランプであったが、これに限定されない。例えば、音を発する装置でもよい。この場合、CPU601は、報知装置855から警報音を発することで、塩素濃度が所定濃度以上であることを報知してもよい(S23)。また、CPU601は、無線通信部852を介して、外部の機器に塩素濃度が所定濃度以上であることを報知する報知情報を発信してもよい(S23)。この場合、該報知情報を受信した機器(例えば、情報端末867など)に、塩素濃度が所定濃度以上であることが表示されてもよい。
図12は、図10に示すヒートポンプシステム1Hの変形例であるヒートポンプシステム1Jである。ヒートポンプシステム1Jのように、商用電力61、蓄電池691、及び太陽光発電装置62Dを備えてもよい。蓄電池691は、ユニット10Hの内側に設けられ、太陽光発電装置62D及び商用電力61によって充電可能である。
本変形例において、図13に示す第一電力切替処理が実行されてもよい。第一電力切替処理は、ヒートポンプシステム1Jへの電力の供給方法を制御する処理であり、CPU601によって実行される処理である。第一電力切替処理は、上述の各処理と並列で実行される。
図13に示すように、第一電力切替処理では、商用電力61が使用可能な通常時であるか否かが判断される(S41)。商用電力61が使用可能な通常時である場合(S41:YES)、CPU601は、商用電力61と太陽光発電装置62Dとの少なくとも一方からの電力によって蓄電池691を充電し、商用電力61、太陽光発電装置62D、及び蓄電池691のうち、少なくとも1つからヒートポンプシステム1Jに電力を供給する(S42)。なお、例えば、蓄電池691の電力残量が所定電力残量以下の場合は、商用電力61又は太陽光発電装置62Dから、ヒートポンプシステム1Jに電力を供給してもよい。所定電力残量は、例えば、ヒートポンプシステム1Jを動作させることができない電力残量である。次いで、処理はS41に戻る。
商用電力61が使用可能な通常時でない場合とは、例えば、停電、商用電力61の電力系統の不具合等によって、商用電力が使用不能な非常時である。非常時である場合(S41:NO)、CPU601は、太陽光発電装置62Dによって生成された電力で蓄電池691を充電し、太陽光発電装置62Dと蓄電池691との少なくとも一方からヒートポンプシステム1Jに電力を供給する(S43)。なお、蓄電池691の電力残量が所定電力残量以下の場合は、太陽光発電装置62Dのみから、ヒートポンプシステム1Jに電力を供給してもよい。次いで、処理はS41に戻る。商用電力61が使用不能な非常時から、商用電力61が使用可能な通常時に戻る場合は、商用電力61と太陽光発電装置62Dとの少なくとも一方からの電力によって蓄電池691を充電し、商用電力61、太陽光発電装置62D、及び蓄電池691のうち、少なくとも1つからヒートポンプシステム1Jに電力を供給する状態に、自動的に切り替わる(S41:YES、及び、S42)。
本変形例の場合、非常時においても、太陽光発電装置62Dによって蓄電池691を充電しつつ、太陽光発電装置62Dと蓄電池691の少なくとも一方からヒートポンプシステム1Jに電力を供給することができる。このため、非常時にヒートポンプシステム1Jが使用できなくなる可能性を低減できる。なお、ヒートポンプシステム1Jに電力が供給される場合、蓄電池691のみから電力が供給されてもよい。
また、複数の蓄電池が設けられてもよい。図14に示すヒートポンプシステム1Kは、複数の蓄電池の一例として、2台の蓄電池691,693が設けられている。2台の蓄電池691,692は、ユニット10Jの内側に設けられている。本変形例において、図15に示す第二電力切替処理が実行されてもよい。第二電力切替処理は、ヒートポンプシステム1Kへの電力の供給方法を制御する処理であり、CPU601によって実行される処理である。第二電力切替処理は、上述の第一電力切替処理(図13参照)の変形例である。以下の説明では、第一電力切替処理と同様の処理は、同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。なお、本変形例においては、CPU601は、時刻及び日付を計測可能である。
図15に示すように、S41とS42の処理が実行される。なお、S42においては、商用電力61と太陽光発電装置62Dとの少なくとも一方からの電力によって蓄電池691,692を充電し、商用電力61、太陽光発電装置62D、及び蓄電池691,692のうち、少なくとも1つからヒートポンプシステム1Kに電力を供給する。
商用電力61が使用不能な非常時である場合(S41:NO)、CPU601は、複数の蓄電池のうち、一部の蓄電池からヒートポンプシステム1Kに電力を供給し、他の蓄電池を太陽光発電装置63Dによって充電する(S51)。本実施形態においては、蓄電池691,692の一方の蓄電池からヒートポンプシステム1Kに電力を供給し、他方の蓄電池を、太陽光発電装置62Dからの電力で充電する(S51)。なお、一部の蓄電池からヒートポンプシステム1Kに電力が供給されつつ、太陽光発電装置62Dからの電力も、ヒートポンプシステム1Kに供給されてもよい。次いで、日付が変わったか否かが判断される(S52)。日付が変わっていない場合(S52:NO)、処理はS41に戻る。
日付が変わっている場合(S52:YES)、複数の蓄電池のうち、ヒートポンプシステム1Kに電力を供給する蓄電池と、太陽光発電装置62Dによって充電する蓄電池とが切り替えられる(S53)。本実施形態においては、CPU601は、蓄電池691,692について、ヒートポンプシステム1Kに電力を供給する蓄電池と、太陽光発電装置62Dからの電力で充電する蓄電池とを切り替える(S53)。これによって、S51においてヒートポンプシステム1Kに電力を供給する蓄電池691,692と、充電される蓄電池691,692とが一日ごとに切り替えられる。次いで、処理はS41に戻る。
以上のように、本実施形態における処理が行われる。本実施形態では、非常時の場合に、複数の蓄電池691,692のうち、一部の蓄電池からヒートポンプシステム1Kに電力を供給し、他の蓄電池を太陽光発電装置63Dによって充電することができる(S51)。このため、一部の蓄電池に充電しながら、該一部の蓄電池からヒートポンプシステム1Kに電力を供給する場合に比べて、太陽光発電装置62Dからの電力で充電する蓄電池691,692を十分充電できる。このため、十分に充電できた蓄電池691,692を、ヒートポンプシステム1Kに電力を供給する蓄電池として使用できる。よって、非常時に蓄電池691,692の電力が不足し、ヒートポンプシステム1Kが使用できなくなる可能性を低減できる。
また、S53の処理が行われることによって、S51において、ヒートポンプシステム1Kに電力に供給する蓄電池691,692と、太陽光発電装置62Dからの電力で充電する蓄電池691,692とが、一日ごとに切り替えられる。このため、一日充電することで十分に充電できた蓄電池691,692を、翌日のヒートポンプシステム1Kの稼働に使用することができる。よって、非常時に蓄電池691,692の電力が不足し、ヒートポンプシステム1Kが使用できなくなる可能性を低減できる。なお、太陽光発電装置62Dはすべて、図6の太陽光発電装置62Bと同様に、ユニット10G,10H,10Jの上に配置されてもよい。また、ヒートポンプシステム1Kに電力が供給される場合、蓄電池691,692のみから電力が供給されてもよい。
また、図16に示すヒートポンプシステム1Lのように、太陽光発電装置62E、蓄電池693、カメラ841、カメラ842、音声出力装置843、空調設備844、電力利用設備97、車両充電器971、農業用水供給装置823、及び農地845を設けてもよい。また、海水槽101は、ユニット10Kの外側に設けてもよい。
太陽光発電装置62Eは、ヒートポンプシステム1Lにおいて使用する電力を生成する。太陽光発電装置62Eは、ユニット10Kの外側に配置されている。なお、太陽光発電装置62Eをユニット10Kの外側に設けた場合、ユニット10Kの上側に設けられる場合に比べて、太陽光発電装置62Eの設置面積を大きくすることができる。よって、太陽光発電装置62Eの発電容量が増加する。また、商用電力61と太陽光発電装置62Eが併用される場合、太陽光発電装置62Eの発電容量が増えることによって商用電力が使用される時間を短くすることができる。よって、商用電力を発電する際に発生する二酸化炭素の排出量を低減することができる。
蓄電池693は、太陽光発電装置62Eに接続されている。蓄電池693は、太陽光発電装置62Eによって生成された電力によって充電される。蓄電池693は、ヒートポンプシステム1Lに電力を供給する。
カメラ841,842は、それぞれ、1台のみを図示しているが、複数台設けられてもよい。カメラ841,842及び音声出力装置843は、CPU601の制御によって制御される。カメラ841,842によって撮像された映像は、インターネット等の通信網を介して、外部の拠点に送信され、外部の拠点の人物によって確認される。例えば、前述の情報端末867を使用する使用者によって確認される。
カメラ841及び音声出力装置843は、ユニット10Kの内側に配置されている。カメラ841によって、例えば、ユニット10K内の計器(例えば、図示しない水圧力計など)が撮影される。外部の拠点の人物は、撮影された計器を確認して、ユニット10K内の装置が正常に動作しているか否かを、遠隔で判断できる。外部の拠点の人物は、音声出力装置843を介して、ユニット10Kの内側の人物に、各種の指示を与えることができる。これによって、外部の拠点の人物は、ユニット10Kの内側の人物に、例えば、メンテナンスの方法を伝えたり、緊急時の対応方法を伝えたりすることができる。なお、ユニット10Kの内部に、マイクを設けて、外部の拠点の使用者と、ユニット10Kの内側の人物とが、会話できるようにしてもよい。
農業用水供給装置823は、冷水利用設備82の一種である。農業用水供給装置823は、CPU601の制御によって、冷水94を、農業用水として農地845に供給する。CPU601が、農地845に冷水94に供給する方法は限定されない。例えば、CPU601は、所定の時間に、農地845に冷水94を供給してもよい。また、CPU601は、天候によって、農地845に冷水94を供給する時間及び供給量を調整してもよい。
また、カメラ842は、ユニット10Kの外側に設けられている。カメラ842によって、例えば、農地845が撮影される。外部の拠点の人物は、カメラ842によって撮影された農地845を確認して、農作物の生育状況を確認できる。また、CPU601は、第一熱交換器36によって生成される冷水94の温度を、農地845の農作物に適した温度に調整することができる。
また、電力利用設備97は、ユニット10Kの外側に配置されている。電力利用設備97は、太陽光発電装置62E、又は、蓄電池693から供給される電力を使用する設備である。車両充電器971は、電力利用設備97の一種である。車両充電器971は、電気自動車を充電することができる。
空調設備844は、冷房機能を有しており、ユニット10Kの内側を冷却する。空調設備844は、例えば、ファンコイルユニットである。なお、空調設備844は、ヒートポンプ部35において生成した冷エネルギーを冷房機能に使用してもよい。例えば、冷水貯留部805に貯留された冷水94が空調設備844に供給され、熱交換によって、ユニット10Kの内側の冷却に使用されてもよい。また、流路305を流れる冷水が、空調設備844に供給され、熱交換によって、ユニット10Kの内側の冷却に使用されてもよい。これによって、ヒートポンプ部35において生成した冷エネルギーが、冷房機能に使用される。ユニット10Gの内側が冷却されると、冷却されない場合に比べて、蓄電池693及び制御盤60の寿命が長くなる。
一例として、ヒートポンプ部35から第一熱交換器36に延びる流路515を流れる第一熱媒体73の温度は、15℃である。また、CPU601は、冷水貯留部805に貯留された冷水94の温度が20℃になるように、第一熱交換器36を流れる第一熱媒体73及び第一淡水921の流量を制御してもよい。
また、受水槽822に温度センサを設けてもよい。そして、CPU601は、受水槽822の温度センサの出力を参照し、受水槽822に流れる冷水94の温度によって、受水槽822及び流路555が、結露しないように、第一熱交換器36において冷却する冷水94の温度を制御してもよい。
なお、図17に示す農業用水供給処理によって、農地845に冷水94を供給してもよい。本変形例の場合、農業用水供給処理は、メイン処理(図3参照)が実行されている間に、並列で実行されてもよい。例えば、所定の時間(例えば、午前8時など)になると、CPU601は、ROM602に記憶された農業用水供給処理のプログラムを読み出し、RAM603に展開する。CPU601は、農業用水供給処理のプログラムに基づき、農業用水供給処理を実行する。
農業用水供給処理においては、天気予報の情報である天気情報が取得される(S71)。S71においては、CPU601は、無線通信部852を介してインターネット等の通信網に接続し、天気情報を取得する。次いで、S71において取得された天気情報に基づく天気が参照され、所定期間に、雨が降るか否かが判断される(S72)。所定期間は、例えば、2日間である。
所定期間に、雨が降る場合(S72:YES)農業用水供給処理が終了される。所定期間に、雨が降らない場合(S72:NO)、CPU601は、農業用水供給装置823を制御し、冷水94を、農業用水として農地845に供給する(S73)。次いで、農業用水供給処理が終了される。
この場合において、所定期間に、雨が降らない場合、自動的に、冷水94が、農業用水として農地845に供給される。よって、使用者が天気予報を確認して、農地845に水を撒く必要がない。よって、使用者の利便性が向上する。また、農業用水として使用される冷水94は、海水91から生成された淡水92が冷却されたものである。このため、水道水を使用する場合に比べて、コストダウンできる。
なお、本変形例において、所定期間に、雨が降らない場合に、冷水94が、農業用水として農地845に供給されていたが、これに限定されない。例えば、天気情報に日照時間が含まれてもよい。そして、S72において、所定期間の日照時間の合計が、所定時間以上である場合に、S73が実行されてもよい。また、天気情報に日射量が含まれてもよい。そして、S72において、所定期間の日射量の合計が、所定量以上である場合に、S73が実行されてもよい。
また、図18に示す変形例に係るヒートポンプシステム1Mのように、ユニット10A(図5参照)をユニット10Lとしてもよい。ユニット10Lにおいては、熱交換部30は、第一熱交換器36とヒートポンプ部35とを備え、第二熱交換器37が設けられていない。流路306と流路307は、二次側冷媒-冷媒熱交換器352に接続されている。
貯湯槽110から流路306を介して、ヒートポンプ部35の二次側冷媒-冷媒熱交換器352に第二淡水922が供給され、加温される(矢印795参照)。第二淡水922が加温された温水95は、流路307を介して貯湯槽110に流れ、貯留される(矢印796参照)。
熱交換部30は、第一熱交換器36及びヒートポンプ部35含む。第一熱交換器36は、第一淡水921から採熱し、第一熱媒体73を加温するとともに、冷水94を生成する。ヒートポンプ部35は、第一熱交換器36において加温された第一熱媒体73の熱を利用して、第二淡水922を加温して、温水95を生成する。この場合、ヒートポンプ部35には、第一淡水921は供給されない。よって、仮に、第一淡水921に、硬化成分(例えば、カルシウム、塩、マグネシウム等)がわずかに含まれていた場合でも、ヒートポンプ部35に、硬化成分が固まったスケールが発生する可能性を低減できる。よって、ヒートポンプ部35のメンテナンスコストを低減できる。また、第一淡水921に、腐食成分(例えば、鉄分、塩分など)がわずかに含まれていた場合でも、ヒートポンプ部35に腐食成分が供給されないので、ヒートポンプ部35が腐食する可能性を低減できる。よって、ヒートポンプ部35のメンテナンスコストを低減できる。また、ヒートポンプ部35と貯湯槽110との間に、第二熱交換器37(図1参照)が設けられていないので、ヒートポンプ部35と貯湯槽110との間に、第二熱交換器37を設ける場合に比べて、ヒートポンプシステム1Mをコストダウンできる。
また、図19に示すヒートポンプシステム1Nのように、サーモグラフィー481を設けてもよい。サーモグラフィー481は、ユニット10M内に設けられている。ユニット10Mには、図16に示すヒートポンプシステム1Lと同様に、蓄電池693が設けられている。
ユニット10Mが設置されている拠点(例えば、離島)とは異なる拠点489には、情報端末488が設けられている。制御盤60のCPU601は、インターネット網等の通信網を介して、情報端末488と通信可能である。情報端末488は、CPU484、操作部485、スピーカ486、及び画像表示部487が設けられている。操作部485、スピーカ486、及び画像表示部487は、CPU484に電気的に接続され、CPU484によって制御される。
サーモグラフィー481は、1台のみを図示しているが、複数台設けられてもよい。サーモグラフィー481は、CPU601の制御によって制御される。CPU601は、サーモグラフィー481を制御し、ユニット10M内の温度分布の情報である温度分布情報を取得する。
サーモグラフィー481は、ユニット10M内に固定されていてもよい。また、使用者がサーモグラフィー481を持ち歩いて、ヒートポンプシステム1Nの様々な箇所の温度分布を測定できるようにしてもよい。
図20を参照し、CPU601によって、実行される温度分布送信処理について説明する。温度分布送信処理においては、CPU601は、サーモグラフィー481を制御し、温度分布情報を取得する(S81)。これによって、例えば、ヒートポンプシステム1Nの流路、ヒートポンプ部35、第一熱交換器36、第二熱交換器37、及び蓄電池693等、ヒートポンプシステム1Nの各箇所の温度が取得される。
次いで、S81において取得された温度分布情報に基づき、ヒートポンプシステム1Nの所定箇所の温度が、第一所定温度以上であるか否かが判断される(S82)。所定箇所は、例えば、ヒートポンプ部35、第一熱交換器36、第二熱交換器37、各流路、及び蓄電池693等である。第一所定温度は、例えば、ヒートポンプ部35、第一熱交換器36、第二熱交換器37、及び蓄電池693等のヒートポンプシステム1Nの所定箇所が故障して高温状態となる温度よりも低い温度に設定されている。なお、第一所定温度は、複数の所定箇所ごとに設定され、ROM602に記憶されている。
所定箇所の温度が、第一所定温度以上でない場合(S82:NO)、ヒートポンプシステム1Nの所定箇所の温度が、第二所定温度以下であるか否かが判断される(S83)。第二所定温度は、第一所定温度より低い温度である。第二所定温度は、例えば、ヒートポンプ部35、第一熱交換器36、第二熱交換器37、及び蓄電池693等のヒートポンプシステム1Nの所定箇所が故障して低温状態となる温度よりも高い温度に設定されている。なお、第二所定温度は、複数の所定箇所ごとに設定され、ROM602に記憶されている。
所定箇所の温度が、第二所定温度以下でない場合(S83:NO)、情報端末488によって実行されるS96(図21参照、後述)の処理において送信される、温度分布送信指示情報を受信したか否かが判断される(S84)。温度分布送信指示情報は、温度分布情報の送信を指示する情報である。温度分布送信指示情報を受信していない場合(S84:NO)、処理はS81に戻る。
所定箇所の温度が、第一所定温度以上である場合(S82:YES)、又は、所定箇所の温度が第二所定温度以下である場合(S83:YES)、情報端末488に通知する(S85)。S85において送信される通知は、情報端末488のS92の処理(図21参照)において受信される。次いで、S81において取得された温度分布情報が、情報端末488に送信される(S86)。S86において送信される温度分布情報は、情報端末488のS91の処理(図21参照)において受信される。次いで、処理はS81に戻る。
温度分布送信指示情報が受信された場合(S84:YES)、S81において取得された温度分布情報が情報端末488に送信される(S86)。次いで、処理はS81に戻る。
図21を参照し、情報端末488のCPU484によって実行される情報端末処理について説明する。情報端末488の操作部485を介して、情報端末処理を実行する指示が入力された場合、CPU484は、ROM(図示せず)に記憶された情報端末処理のプログラムを読み出し、RAM(図示せず)に展開する。CPU484は、情報端末処理のプログラムに基づき、情報端末処理を実行する。
情報端末処置においては、まず、S86の処理(図20参照)において送信される温度分布情報が受信されたか否かが判断される(S91)。温度分布情報が受信されていない場合(S91:NO)、S85の処理(図20参照)において送信される通知が、受信されたか否かが判断される(S92)。S86において送信される通知が受信されていない場合(S92:NO)、操作部485を介して、温度分布を確認する指示が入力されたか否かが判断される(S93)。温度分布を確認する指示が入力されていない場合(S93:NO)、処理は、S91に戻る。
S92において、通知が受信された場合(S92:YES)、報知する(S94)。S94においては、例えば、情報端末488の画像表示部487に、通知があったことが表示されたり、スピーカ486から音声が出力されたりする。これによって、情報端末488の使用者は、ヒートポンプシステム1Nにおいて、第一所定温度以上の温度となったこと、又は、第二所定温度以下の温度となったことを認識できる。次いで処理は、S91に戻る。
S86において送信される温度分布情報が受信された場合(S91:YES)、温度分布情報に基づき、情報端末488の画像表示部487に温度分布が表示される(S95)。これによって、情報端末488の使用者は、第一所定温度以上、又は、第二所定温度以下となった箇所を確認できる。これによって、例えば、情報端末488の使用者は、ヒートポンプシステム1Nが設置されている離島の宿泊施設に電話をかけ、部品の交換等を指示することができる。次いで、処理はS91に戻る。
S93において、操作部485を介して、温度分布を確認する指示が入力された場合(S93:YES)、温度分布情報の送信を指示する温度分布送信指示情報が、CPU601に送信される(S96)。次いで、処理はS91に戻る。S96において送信された温度分布送信指示情報は、CPU601のS84(図20参照)において受信され(S84:YES)、温度分布情報が情報端末488に送信される(S86)。情報端末488のCPU484は、温度分布情報を受信した場合(S91:YES)、温度分布情報に基づき、画像表示部487に温度分布を表示する(S95)。このように、情報端末488の使用者は、操作部485を介して、温度分布を確認する指示を入力することで、任意のタイミングで、温度分布を確認できる。
以上のように、本変形例の処理が実行される。本変形例においては、サーモグラフィー481が制御され、温度分布情報が取得される(S81)。S81において取得された温度分布情報は、情報端末488に送信される(S86)。温度分布情報が情報端末488に送信されるので、情報端末488において、温度分布情報に基づく温度分布を確認することができる。よって、情報端末488の使用者は、設備が正常に動作しているか否かを確認できる。
また、S81において取得された温度分布情報に基づき、ヒートポンプシステム1Nの所定箇所の温度が、第一所定温度以上となったか否かが判断される(S82)。そして、所定箇所の温度が第一所定温度以上となった場合(S82:YES)、情報端末488に通知される(S85)。所定箇所の温度が高くなりすぎると、ヒートポンプシステム1Nが故障する可能性がある。しかし、所定箇所の温度が第一所定温度以上となる場合に、情報端末488に通知されるので、情報端末488の使用者は、ヒートポンプシステム1Nが故障する前に、温度が高くなりすぎる可能性を認識できる。よって、ヒートポンプシステム1Nが故障する前に、部品の交換等を行うことができる。
また、S81において取得された温度分布情報に基づき、ヒートポンプシステム1Nの所定箇所の温度が、第二所定温度以下となったか否かが判断される(S83)。そして、所定箇所の温度が第二所定温度以下となった場合(S83:YES)、情報端末488に通知される(S86)。所定箇所の温度が低くなりすぎると、凍結等により、ヒートポンプシステム1Nが故障する可能性がある。しかし、所定箇所の温度が第二所定温度以下となる場合に、情報端末488に通知されるので、情報端末488の使用者は、ヒートポンプシステム1Nが故障する前に、ヒートポンプシステム1Nが故障する可能性を認識できる。よって、ヒートポンプシステムが故障する前に、部品の交換等を行うことができる。
例えば、世界各国の離島に設置されたヒートポンプ部35を含む各種の機器に故障が発生した場合、技術者がすぐに離島に向かうことは難しい。また、離島に向かう場合、移動費用が必要となり、ヒートポンプシステム1Nの修理作業の費用が増大する。本変形においては、温度分布情報に基づく温度分布を、情報端末488において確認することで、遠隔で、ヒートポンプシステム1Nに故障が発生する可能性があるか否かを確認できる。よって、故障する前に、離島の宿泊施設の従業員などに、部品の交換を指示することができる。
なお、本変形例において、所定箇所の温度が、第一所定温度以上となったか否かが判断されている(S82)。また、所定箇所の温度が、第二所定温度以下となったか否かが判断されている(S83)。該所定箇所は、第一淡水921が流れる第一流路304よりも、故障に至る場合の温度変化が大きい箇所であってもよい。第一流路304よりも、故障に至る場合の温度変化が大きい箇所は、例えば、ヒートポンプ部35の冷媒流路、制御盤60、及び蓄電池693などである。
ヒートポンプ部35の冷媒流路は、冷媒356が流れる流路であり、具体的には、中間冷媒配管355、圧縮機353、膨張弁354、一次側冷媒-冷媒熱交換器351、及び二次側冷媒-冷媒熱交換器352である。ヒートポンプ部35の冷媒流路は、熱の移動が繰り返される箇所であるため、第一流路304よりも温度変化が起こりやすい。また、ヒートポンプ部35の冷媒流路は、第一流路304よりも故障に至る場合の温度変化が大きい。該ヒートポンプ部35の冷媒回路の正常動作中の温度の上限に、第一所定温度が設定され、下限に、第二所定温度が設定されてもよい。また、ヒートポンプ部35の冷媒回路に含まれる、中間冷媒配管355、圧縮機353、膨張弁354、一次側冷媒-冷媒熱交換器351、及び二次側冷媒-冷媒熱交換器352のそれぞれについて、正常動作中の温度の上限に、第一所定温度が設定され、下限に、第二所定温度が設定されてもよい。
また、制御盤60には、ヒートポンプ部35を制御するCPU601が設けられている。制御盤60に、例えば、制御盤60に含まれる電気回路に電気的なショートなどの故障が起こる場合、第一流路304に比べて、温度変化が大きくなる。また、制御盤60は、正常動作中においても、発熱する箇所でもあるため、第一流路304に比べて、温度変化が起こりやすい。制御盤60の正常動作中の温度の上限に、第一所定温度が設定され、下限に、第二所定温度が設定されてもよい。
また、蓄電池693は、故障が起こる場合、第一流路304に比べて、温度変化が大きくなる。また、蓄電池693は、正常動作中においても、発熱する箇所でもあるため、第一流路304に比べて、温度変化が起こりやすい。蓄電池693の正常動作中の温度の上限に、第一所定温度が設定され、下限に、第二所定温度が設定されてもよい。
このように、所定箇所は、第一流路304と比べて、故障に至る場合の温度変化が大きい箇所であってもよい。故障に至る場合の温度変化が大きい方が、故障する前に、故障する可能性のある温度の変化を検出できる可能性が高くなる。よって、S82において所定箇所が第一所定温度以上となったか否かを判断される場合に、又は、S83において所定箇所が第二所定温度以上となった否かが判断される場合に、第一流路304の温度で判断される場合に比べて、より確実に、第一所定温度以上となったこと、又は、第二所定温度以下となったことを検出できる。よって、情報端末488の使用者は、より確実に、ヒートポンプシステム1Nが故障する前に、温度が高くなりすぎる可能性を認識できる。
また、第一流路304と比べて、故障に至る場合の温度変化が大きい所定箇所は、制御盤60とヒートポンプ部35の冷媒流路との少なくとも一方であってもよい。この場合、S82において、制御盤60とヒートポンプ部35の冷媒流路との少なくとも一方が、第一所定温度以上となったか否かが判断される。また、S83において、制御盤60とヒートポンプ部35の冷媒流路との少なくとも一方が、第二所定温度以上となったか否かが判断される。これによって、第一流路304の温度で判断される場合に比べて、より確実に、第一所定温度以上となったこと、又は、第二所定温度以下となったことを検出できる。よって、情報端末488の使用者は、より確実に、ヒートポンプシステム1Nが故障する前に、温度が高くなりすぎる可能性を認識できる。
なお、本変形例においては、サーモグラフィー481が設けられているので、例えば、離島の島民に、サーモグラフィー481の前に立ってもらい、島民の体温の測定もできる。離島には、医師が不足している場合が多い。しかし、サーモグラフィー481による温度分布情報を、情報端末488に送信し、医師が情報端末488に表示される島民の体温を確認することで、遠隔医療を行うこともできる。
なお、離島にヒートポンプシステム1Nが設置される場合を例にしたが、離島でなくても、同様の効果が得られる。また、図19においては海水槽101がユニット10Mの外側に設けられているが、ユニット10Mの内側に設けられてもよい。
また、海水91を淡水92にして、熱交換に利用する例について説明したが、これに限定されない。不純物を含有する水である不純物含有水を利用し、不純物含有水より不純物の濃度が小さい淡水92と、不純物の濃度が大きい濃縮水93とを生成する態様であれば、海水91以外の水を使用してもよい。
図22に示す変形例に係るヒートポンプシステム1Pは、不純物含有水の一例として、池981の池水910を利用する場合の例である。また、ユニット10Nには、ROモジュール102の代わりに、不純物除去装置192が設けられ、海水槽101の代わりに、貯留槽191が設けられている。また流路301は、池981に延びている。ポンプ912は、池981の中に配置された流路301の先端に設けられている。ポンプ912は、CPU601によって制御される。
池981の池水910は、ポンプ912によって、流路301を介して、貯留槽191に供給される。池水910は、ポンプ890によって、貯留槽191から、不純物除去装置192に流れる。不純物除去装置192は、池水910を利用し、池水910より不純物の濃度が小さい淡水92と、池水910より不純物の濃度が大きい濃縮水93とを生成する。不純物は、例えば、藻、草、及び泥などである。
不純物除去装置192は、例えば、不純物除去装置192に、網、及び、ろ過装置などを設け、網、及び、ろ過装置などにおいて、池水910から藻、草、及び泥などを除去したものを淡水92とし、除去した藻、草、及び泥などを池水910と共に流したものを濃縮水93としてもよい。なお、不純物除去装置192は、池水910を貯留し、網が付いた水中ポンプによって取水するとともに、網などによって藻、草、及び泥を除去した池水910を、流路303に流す淡水92としてもよい。また、藻、草、及び泥が残った池水910を、流路554に流す濃縮水93としてもよい。この場合、貯留槽191を設けず、不純物除去装置192に、池水910が貯留されてもよい。
不純物除去装置192において生成された淡水92は、淡水貯留部804に供給され、貯留される。淡水貯留部804に貯留された後の淡水92の処理は、上記実施形態と同様である。濃縮水93は、流路554を通って、濃縮水利用設備83に送られる。濃縮水利用設備83は、一例として、製塩施設832である。池水910は、海水91よりも塩分濃度は低いが、濃縮水93に塩分が含まれる場合は、濃縮水93を製塩施設832における製塩に使用できる。その他、例えば、濃縮水利用設備83は、濃縮水93に含まれる藻、草などから肥料を製造する肥料製造設備であってもよい。
本変形例の場合、不純物含有水である池水910から、淡水92が生成され、淡水92が熱交換に利用され、温水95と冷水94とが生成される。コストのかからない池981の池水910を使用して、温水95と冷水94とを生成できるので、水道水を使用して、温水95と冷水94を生成する場合に比べて、温水95と冷水94を生成するための運用コストを低減することができる。なお、不純物含有水は、海水91及び池水910の他、井戸水、河川水、湖水、沼水、温泉水、及び冷泉水であってもよい。河川水、沼水、及び湖水においては、不純物は、例えば、泥、砂、藻、及び草などである。温泉水及び冷泉水においては、不純物は、例えば、塩分、炭酸カルシウム、及び硫黄などの温泉成分である。不純物除去装置192は、井戸水、河川水、湖水、沼水、温泉水、及び冷泉水から、例えば、網による除去、ろ過処理、逆浸透処理などの各種の処理を行うことによって、不純物の濃度が小さい淡水92と、不純物の濃度が大きい濃縮水93とを生成する。なお、不純物含有水が温泉水及び冷泉水である場合、淡水92より温泉成分が多い濃縮水93が生成される。この温泉成分が多い濃縮水93が、エステ施設831等において使用されてもよい。また、濃縮水93を利用して、温泉成分が含まれた美容液等を製造してもよい。
なお、図9に示す例において、池水910を利用する場合、ROモジュール102,103を、不純物除去装置192としてもよい。
上記各実施形態に含まれる構成及び処理を、互いに組み合わせてもよい。また、CPU601によって制御される機器は、CPU601とは異なるCPUによって制御されてもよい。
以上のように、本発明は、自然界に存在する、海水91又は池水910等の不純物含有水を熱源とすることができ、海水91又は池水910から、温水95、冷水94、濃縮水93、空調用の冷水94などを生成し、利用することができる。本発明は、上記に例示したように、種々の実施形態に変更可能である。
上記各実施形態、太陽光発電装置62A,62B,62C,62D,62E、及び、蓄電池691,692,693を活用し、太陽光発電電力を自家利用することにより、二酸化炭素の排出量を削減することができる。また、例えば、離島の宿泊施設などに、本発明を適用することにより、水資源が乏しい離島において、熱源及び淡水92を自前で確保することができる。これにより、省エネと水資源を節約することによって、二酸化炭素の排出量を削減することができる。また、海水91又は池水910等の不純物含有水から製造された淡水92は、ヒートポンプ部35の熱源として活用し、さらに、温水利用設備81において使用される温水95、及び、冷水利用設備82において活用される。よって、常に水不足が懸念される離島の節水と同時に、宿泊施設の水使用料の節約効果によって、経済的メリットも確保することができる。さらに、農業用水供給装置823が設けられると、園芸や農業用水にも利用でき、宿泊施設の品質向上に貢献する。また、車両充電器971を設けることにより、お客様の送迎用電気自動車などを充電することで、更なる省エネ効果、温室効果ガス削減効果、及び防災機能を付加することができる。また、濃縮水93を、濃縮水利用設備83で利用することにより、宿泊施設におけるエステサロンでの活用や製塩事業にも利用可能で、観光産業の高付加価値化に寄与する。
また、地震、台風等の風水害、その他の災害時には、宿泊施設を、宿泊客だけでなく島民にも開放して、避難施設とすることができる。災害によって系統電力が途絶えた場合でも、太陽光発電装置62A,62B,62C,62D,62E、及び、蓄電池691,692,693を活用することで、災害時も平常時と同様に温水95を利用した給湯と、冷水94を利用した冷水供給が継続できる。また、太陽光発電装置62A,62B,62C,62D,62E、蓄電池691,692,693、及び商用電力61の他、自家発電設備を使用してもよい。自家発電設備を使用した場合においても、災害時も平常時と同様に温水95を利用した給湯と、冷水94を利用した冷水供給が継続できる。
また、万一自家発電設備も停止した場合であっても、太陽光発電装置62A,62B,62C,62D,62E、及び、蓄電池691,692,693のみでヒートポンプシステムを一定時間稼働させることが可能であり、温水95を利用した給湯、冷水94を利用した冷水の供給、及び情報機器等への電力供給が可能となる。また、離島では、近隣の島からの海底水道管によって給水が行われる場合があるが、災害時に万一水道管が破損する等した場合、水の供給が絶たれることが懸念されている。本発明は、水の供給が立たれても、自然エネルギーだけで緊急時に島の人々が生存可能な量の水を製造し続けることができ、且つ一定の給湯と電気の自立を継続することが可能である。
なお、太陽光発電装置62A,62B,62C,62D,62Eは、再生エネルギーを使用して電力を生成する発電装置であればよい。例えば、該発電装置は、風力発電、バイナリ発電、又は地熱発電を行う装置であってもよい。この場合、第一電力切替処理(図13参照)、及び、第二電力切替処理(図15参照)においては、太陽光発電装置62Dの代わりに、風力発電、バイナリ発電、及び地熱発電等を行う発電装置が使用されてもよい。また、例えば、該発電装置は、太陽光発電、風力発電、バイナリ発電、及び地熱発電のうち、少なくとも2つを組み合わせたものでもよい。
上記各実施形態において、海水91及び池水910は本発明の「不純物含有水」の一例である。貯湯槽110は本発明の「温水貯留部」の一例である。ROモジュール102及び不純物除去装置192は本発明の「第一淡水生成部」の一例である。ROモジュール103は本発明の「第二淡水生成部」の一例である。収納部100は、本発明の「第一収納部」の一例である。液体流通部391は、本発明の「第一液体流通部」の一例である。ユニット10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10J,10K,10L,10M,10Nは、本発明の「第一ユニット」の一例である。太陽光発電装置62A,62B,62C,62D,62Eは、本発明の「発電装置」及び「太陽光発電装置」の一例である。S3の処理を行うCPU601は、本発明の「劣化検出手段」の一例である。S8の処理を行うCPU601は、本発明の「温水生成量制御手段」の一例である。S5の処理を行うCPU601は、本発明の「温水量検出手段」の一例である。S10の処理を行うCPU601は、本発明の「温水流量制御手段」の一例である。
塩素添加装置853は、本発明の「塩素添加部」の一例である。S21の処理を行うCPU601は、本発明の「塩素濃度検出手段」の一例である。S23の処理を行うCPU601は、本発明の「報知手段」の一例である。S42の処理を行うCPU601は、本発明の「第一電力制御手段」の一例である。S43及びS51の処理を行うCPU601は、本発明の「第二電力制御手段」の一例である。S52及びS53の処理を行うCPU601は、本発明の「切替手段」の一例である。S81の処理を行うCPU601は、本発明の「温度分布情報取得手段」の一例である。S86の処理を行うCPU601は、本発明の「温度分布情報送信手段」の一例である。S82の処理を行うCPU601は、本発明の「第一温度判断手段」の一例である。S83の処理を行うCPU601は、本発明の「第二温度判断手段」の一例である。S85の処理を行うCPU601は、本発明の「第一通知手段」及び「第二通知手段」の一例である。サーモグラフィー481は、本発明の「温度分布取得部」の一例である。農業用水供給装置823は、本発明の「農業用水供給部」の一例である。S71の処理を行うCPU601は、本発明の「天気情報取得手段」の一例である。S72の処理を行うCPU601は、本発明の「降雨判断手段」の一例である。S73の処理を行うCPU601は、本発明の「農業用水供給制御手段」の一例である。