JP7169587B2 - 回転電機制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、永久磁石型の回転電機を、永久磁石による界磁磁束の方向に沿ったd軸とd軸に直交するq軸との直交ベクトル座標系において電流フィードバック制御する回転電機制御システムに関する。
交流で駆動される永久磁石型の回転電機においては、周方向加振力(周方向のトルク変動であるトルクリップル)や径方向加振力(永久磁石とステータとの間で生じる吸引力及び反発力による力)により振動を生じる場合がある。この振動は、例えば可聴音の発生源となる場合がある等の問題を生じさせる可能性があるため、回転電機の振動を軽減することが重要である。3相交流型の回転電機の場合、電気角の6次高調波に起因する周方向加振力や径方向加振力の影響が大きいことが知られている。特開2017-118726号公報には、永久磁石の磁界の方向であるd軸と、d軸に直交するq軸とのベクトル座標系において回転電機に流れる電流をフィードバック制御するシステムにおいて、そのような6次の周方向加振力や径方向加振力を低減する技術が開示されている。これによれば、径方向加振力を抑制する補正値によりd軸q軸の一方の電流指令を補正すると共に、周方向加振力を補正する補正値によりd軸q軸の電流指令を補正する([0088]~[0091]、[0098]、[0105]等)。
特開2017-118726公報
但し、特開2017-118726号公報では、[0028]に記載されているように、径方向加振力のモデル化に際して、1つのティース全体に働く径方向加振力の時間高調波成分がステータの振動となることを前提としている。これは、いわゆる集中巻のステータコイルを有する回転電機を想定したものと解される。分布巻のステータコイルを有する回転電機では、同じ相のコイルに挟まれたティースに生じる径方向加振力と異なる相のコイルに挟まれたティースに生じる径方向加振力とが異なる。そのため、1つのティース全体に働く径方向加振力をステータの振動とする上記の手法をそのまま分布巻のステータコイルを有する回転電機に適用しても加振力が低減される効果が十分に得られない可能性がある。
上記背景に鑑みて、分布巻のコイルを有する回転電機において、周方向加振力及び径方向加振力の双方を適切に低減する技術の提供が望まれる。
上記に鑑みた、N相交流(Nは任意の自然数)で駆動される永久磁石型の回転電機を、永久磁石による界磁磁束の方向に沿ったd軸と前記d軸に直交するq軸との直交ベクトル座標系において電流フィードバック制御する回転電機制御システムは、1つの態様として、
前記回転電機に流す電流の指令値である電流指令としてのd軸電流指令及びq軸電流指令を、前記回転電機の目標トルクに基づいて演算する電流指令演算部と、
前記回転電機の径方向の変動である径方向加振力及び前記回転電機の周方向のトルク変動である周方向加振力を低減するために前記電流指令に重畳される補正電流指令として、前記d軸電流指令に重畳させるd軸補正電流指令及び前記q軸電流指令に重畳させるq軸補正電流指令を演算する補正電流指令演算部と、を備え、
前記回転電機の実トルクから抽出される高調波トルク成分の内、前記周方向加振力の(2N)次高調波トルク成分の逆位相のトルクである加振力低減トルクを演算し、
前記加振力低減トルクの大きい側のピーク値を第1トルクとし、
前記加振力低減トルクの小さい側のピーク値を第2トルクとし、
前記直交ベクトル座標系において任意のトルクを出力するための基本的なd軸電流とq軸電流との組み合わせを表す曲線を規定の基本制御ラインとし、
前記直交ベクトル座標系において一定のトルクを出力可能な前記d軸電流と前記q軸電流との組み合わせを表す曲線を等トルクラインとし、
前記直交ベクトル座標系において前記基本制御ラインと前記目標トルクの前記等トルクラインとの交点を基準点とし、
前記直交ベクトル座標系において、前記基準点を通る直線を補正直線とし、
前記第1トルクの前記等トルクラインである第1等トルクラインと前記補正直線との交点を第1交点、前記第2トルクの前記等トルクラインである第2等トルクラインと前記補正直線との交点を第2交点とし、
前記回転電機のステータは、前記径方向に突出するティースを前記周方向に分散して複数備えると共に、前記周方向に隣接する一対の前記ティースの間に形成されてコイルが収容されるスロットを複数備え、
前記ステータは、前記コイルの毎極毎相当たりの前記スロットの数が2であり、
同じ相の一対の前記スロットである同相スロット対の間に位置する前記ティースを同相ティースとし、
異なる相の一対の前記スロットである異相スロット対の間に位置する前記ティースを異相ティースとして、
前記補正電流指令演算部は、複数本設定可能な前記補正直線の内、前記第1交点と前記第2交点との間で前記d軸電流と前記q軸電流とを前記加振力低減トルクの周波数で振動させた場合に、前記同相ティースに作用する前記径方向加振力である同相径方向加振力の波高値と、前記異相ティースに作用する前記径方向加振力である異相径方向加振力の波高値との差が最小となる前記補正直線を対象補正直線として、前記対象補正直線についての前記第1交点と前記第2交点とをピークとして前記加振力低減トルクの周波数で振動する前記d軸電流及び前記q軸電流を前記補正電流指令とする。
直交ベクトル座標系において、基準点を通る補正直線は複数本存在する。従って、第1交点と第2交点とをピークとして加振力低減トルクの周波数で振動するd軸電流及びq軸電流も複数存在する。加振力低減トルクは、周方向加振力の(2N)次高調波トルク成分の逆位相のトルクであるから、補正直線が何れであっても、周方向加振力についてはある程度の低減効果が得られる。一方、径方向加振力は、同相径方向加振力の波高値と異相径方向加振力の波高値との差に応じて大きくなる傾向がある。そして、同相径方向加振力の波高値、及び異相径方向加振力の波高値は、補正直線によってそれぞれ異なる。このため、対象補正直線として設定される補正直線によっては、周方向加振力が低減されても、径方向加振力が増加する可能性もある。本構成によれば、複数本存在する補正直線の内、同相径方向加振力の波高値と、異相径方向加振力の波高値との差が最小となる補正直線が対象補正直線として設定される。そして、当該対象補正直線についての第1交点と第2交点とをピークとして加振力低減トルクの周波数で振動するd軸電流及びq軸電流が補正電流指令となる。従って、この補正電流指令が電流指令に重畳されると、径方向加振力と周方向加振力との双方を低減させることができる。このように、本構成によれば、分布巻のコイルを有する回転電機において、周方向加振力及び径方向加振力の双方を適切に低減することができる。
回転電機制御システムのさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
回転電機駆動システムの一例を示すブロック図 回転電機制御装置の一例を示すブロック図 回転電機の実トルクの一例を示す波形図 6次高調波トルク成分とその逆位相の加振力低減トルクの波形図 dq軸直交座標系におけるトルクと電流指令との関係を示す図 q軸補正電流指令の一例を示す波形図 d軸補正電流指令の一例を示す波形図 基準点における径方向加振力の一例を示す波形図 dq軸直交座標系において設定可能な複数の補正直線の例を示す図 対象補正直線を決定する方法を示す説明図 偏位角が“α3=0”における径方向加振力の一例を示す波形図 偏位角が“α6=π/2” における径方向加振力の一例を示す波形図 偏位角が“α5” における径方向加振力の一例を示す波形図
以下、回転電機制御システムの実施形態を図面に基づいて説明する。回転電機制御システムは、例えば、車両の駆動力源となる回転電機を駆動制御する。図1のブロック図は、回転電機制御装置10(MG-CTRL)を含む回転電機駆動装置100のシステム構成を模式的に示している。広義には回転電機駆動装置100が回転電機制御システムに相当し、狭義には回転電機制御装置10が回転電機制御システムに相当する。
回転電機制御システムによる駆動対象の回転電機80は、ステータコア85にN相(Nは任意の自然数)のステータコイル83(コイル)が配置されたステータ81と、ロータコア86に永久磁石84が配置されたロータ82とを有する永久磁石型回転電機(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)である。回転電機80は、電動機としても発電機としても機能することができる。
ステータ81は、径方向Rに突出するティース87を周方向Cに分散して複数備えると共に、周方向Cに隣接する一対のティース87の間に形成されてステータコイル83が収容されるスロット89を複数備えている。そして、ステータ81は、ステータコイル83の毎極毎相当たりのスロット89の数が2である。ここで、同じ相の一対のスロット89である同相スロット対89sの間に位置するティース87を同相ティース87sと称し、異なる相の一対のスロット89である異相スロット対89dの間に位置するティース87を異相ティース87dと称する。本実施形態では、回転電機80は、インナロータ型の回転電機である。そのため、ティース87は径方向Rの内側へ向かって突出するように形成され、スロット89は、径方向Rの内側に向かって開口するように形成されている。尚、回転電機80はアウタロータ型の回転電機であってもよい。その場合、ティース87は径方向Rの外側へ向かって突出するように形成され、スロット89は、径方向Rの外側に向かって開口するように形成される。また、図1には、4つの磁極(2つのN極及び2つのS極)を備えた4極(2極対)のロータ82を例示しているが、これは模式的なものであって発明を限定するものではない。
図1に示すように、回転電機駆動装置100は、直流電力と複数相の交流電力との間で電力を変換するインバータ50を備えている。インバータ50は、交流の回転電機80及び直流電源41に接続されて、複数相の交流と直流との間で電力を変換する。直流電源41は、例えば、リチウムイオン電池などの充電可能な二次電池(バッテリ)や、電気二重層キャパシタなどにより構成されている。回転電機80が、車両の駆動力源の場合、直流電源41は、大電圧大容量の直流電源であり、定格の電源電圧は、例えば200~400[V]である。インバータ50の直流側には、正極と負極との間の電圧(直流リンク電圧Vdc)を平滑化する平滑コンデンサ(直流リンクコンデンサ42)が備えられている。
インバータ50は、複数のスイッチング素子51を有して構成される。スイッチング素子51には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やSiC-MOSFET(Silicon Carbide - Metal Oxide Semiconductor FET)やSiC-SIT(SiC - Static Induction Transistor)、GaN-MOSFET(Gallium Nitride - MOSFET)などの高周波での動作が可能なパワー半導体素子を適用すると好適である。図1には、スイッチング素子51としてIGBTが用いられる形態を例示している。尚、各スイッチング素子51には、負極から正極へ向かう方向(下段側から上段側へ向かう方向)を順方向として、並列にフリーホイールダイオード53が備えられている。
図1に示すように、インバータ50は、回転電機制御装置10により制御される。回転電機制御装置10は、マイクロコンピュータ等の論理回路を中核部材として構築されている。例えば、回転電機制御装置10は、上位の制御装置の1つである車両制御装置90(VHL-CTRL)等の他の制御装置等から要求信号として提供される回転電機80の目標トルク(トルク指令T:図2等参照)に基づいて、ベクトル制御法を用いた電流フィードバック制御を行って、インバータ50を介して回転電機80を制御する。ベクトル制御法では、交流モータの3相(N相)各相のステータコイル83に流れる電流(Iu,Iv,Iw:図2参照)を、ロータ82に配置された永久磁石84が発生する磁界の方向であるd軸と、d軸に直交する方向(磁界の向きに対して電気角でπ/2進んだ方向)のq軸とのベクトル成分に座標変換してフィードバック制御を行う。
回転電機80の各相のステータコイル83を流れる実電流は電流センサ43により検出され、回転電機制御装置10はその検出結果を取得する。尚、ここでは3相の交流電流を検出する形態を例示しているが、例えば3相交流の場合には3相は平衡しており、その瞬時値の和はゼロであるから2相のみの電流を検出して残りの1相は回転電機制御装置10が演算によって取得してもよい。また、回転電機80のロータ82の各時点での磁極位置(電気角θ)やロータ82の回転速度(角速度ω)は、例えばレゾルバなどの回転センサ44により検出され、回転電機制御装置10はその検出結果を取得する。回転電機制御装置10は、電流センサ43及び回転センサ44の検出結果を用いて、電流フィードバック制御を実行する。
図2に示すように、回転電機制御装置10は、電流フィードバック制御のために種々の機能部を有して構成されており、各機能部は、マイクロコンピュータ等のハードウエアとソフトウエア(プログラム)との協働により実現される。本実施形態では、回転電機制御装置10は、電流指令演算部1と、電圧指令演算部2と、2相3相座標変換部3と、3相2相座標変換部4と、変調部5と、補正電流指令マップ6と、補正電流指令演算部7と、を備えている。
電流指令演算部1は、車両制御装置90から伝達されるトルク指令T(要求トルク)に基づいて、回転電機80のステータコイル83に流す目標電流(電流指令I)を演算する。上述したように、回転電機制御装置10は、dq軸直交ベクトル座標系において回転電機80をフィードバック制御するので、電流指令演算部1は、電流指令Iとして、d軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqを演算する。
電圧指令演算部2は、電流指令Iとステータコイル83を流れる電流(U相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iw)との偏差に基づいて、インバータ50に印加する電圧の指令である電圧指令Vを演算する。ここでは、電圧指令演算部2が比例積分制御器(PI)を備えて構成されている形態を例示しているが、電圧指令演算部2は、比例微積分制御器(PID)を備えて構成されていてもよい。
電流センサ43(SEN-I)により検出されたステータコイル83を流れる3相の電流(U相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iw)は、3相2相座標変換部4においてdq軸ベクトル座標系の2相の電流(d軸電流Id、q軸電流Iq)に変換される。3相2相座標変換部4は、回転センサ44(SEN-R)により検出されたロータ82の各時点での磁極位置(電気角θ)に基づいて、座標変換を行う。図2では、電流指令演算部1と電圧指令演算部2との間において、3相2相座標変換部4で変換された2相の電流(d軸電流Id、q軸電流Iq)と、d軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqとの偏差が演算される形態を例示しているが、偏差の演算は、電圧指令演算部2で実行されてもよい。電圧指令演算部2は、d軸電流指令Idとd軸電流Idとの偏差及び回転速度(角速度ω)に基づいてd軸電圧指令Vdを演算すると共に、q軸電流指令Iqとq軸電流Iqとの偏差及び回転速度(角速度ω)に基づいてq軸電圧指令Vqを演算する。
2相3相座標変換部3は、dq軸ベクトル座標系の2相の電圧指令V(d軸電圧指令Vd、q軸電圧指令Vq)を3相のインバータ50に対応した3相の電圧指令V(U相電圧指令Vu、V相電圧指令Vv、W相電圧指令Vw)に座標変換する。変調部5は、3相の電圧指令V(U相電圧指令Vu、V相電圧指令Vv、W相電圧指令Vw)のそれぞれに基づいて、インバータ50の3相のスイッチング制御信号(U相スイッチング制御信号Su、V相スイッチング制御信号Sv、W相スイッチング制御信号Sw)を生成する。ここでは、変調部5がパルス幅変調(PWM)制御によりスイッチング制御信号を生成する形態を例示している。尚、図2においては、3つのスイッチング制御信号(Su,Sv,Sw)に簡略化しているが、変調部5は、インバータ50の6つのスイッチング素子51に対応して、6つのスイッチング制御信号(U相上段側スイッチング制御信号、U相下段側スイッチング制御信号、・・・)を生成する。
インバータ50を構成する各スイッチング素子51の制御端子(例えばIGBTのゲート端子)は、ドライブ回路20を介して回転電機制御装置10に接続されており、各スイッチング素子51はそれぞれ個別にスイッチング制御される。上述したように、スイッチング制御信号を生成する回転電機制御装置10は、マイクロコンピュータなどを中核として構成され、その動作電圧は、例えば5[V]や3.3[V]である。一方、インバータ50は、上述したように定格の電源電圧が例えば200~400[V]の直流電源41に接続されており、スイッチング素子51の制御端子には、例えば15~20[V]の駆動信号を入力する必要がある。ドライブ回路20は、回転電機制御装置10が生成したスイッチング制御信号の駆動能力(例えば電圧振幅や出力電流など、後段の回路を動作させる能力)をそれぞれ高めて、インバータ50に中継する。
ところで、回転電機80においては、ロータ82が回転する際に磁束鎖交数が変化することによって、トルクに変動が発生する。図1に示す周方向Cにおいて生じるこの加振力(トルクリップル)を、周方向加振力と称する。また、ステータコア85と永久磁石84との間の吸引力及び反発力により、図1に示す径方向Rにおいてもトルクに変動が発生する。この径方向Rの加振力を、径方向加振力と称する。
本実施形態においては、図1を参照して上述したようにステータ81のティース87に、同相ティース87sと異相ティース87dとがある。発明者らによる実験やシミュレーションにより、同相ティース87sに作用する径方向加振力(図8等に示す“Frs”)と、異相ティース87dに作用する径方向加振力(図8等に示す“Frd”)とに差が生じる場合があることが判った。これらを区別する場合には、同相ティース87sに生じる径方向加振力を同相径方向加振力Frsと称し、異相ティース87dに生じる径方向加振力を異相径方向加振力Frdと称する。
これらの加振力(周方向加振力・径方向加振力(同相径方向加振力Frs・異相径方向加振力Frd))によりロータ82が振動すると、可聴音を発生させる場合がある等の問題を生じさせる可能性があるため、これらの加振力を軽減することが好ましい。これらの加振力は、例えば、これらの加振力を打ち消すようなトルクを発生させることによって低減することができる。但し、周方向加振力及び径方向加振力の一方を軽減させると、他方が大きくなるような場合もあり、周方向加振力及び径方向加振力を共に低減できるような適切なトルクを発生させることが求められる。また、上述したように、同相径方向加振力Frsと異相径方向加振力Frdとには差が生じる場合があり、その差が回転電機80を振動させる場合もある。従って、同相径方向加振力Frsと異相径方向加振力Frdとのバランスも考慮することが好ましい。
図2に示すように、本実施形態の回転電機制御装置10は、そのような適切なトルクを発生させるための補正電流指令Iac(d軸補正電流指令Idac、q軸補正電流指令Iqac)を演算する補正電流指令演算部7(CRCT)を備えている。補正電流指令演算部7は、トルク指令T、回転速度(角速度ω)に基づいて、補正電流指令マップ6(MAP)を参照して、補正電流指令Iacを演算する。d軸補正電流指令Idac及びq軸補正電流指令Iqacは、電流指令演算部1が演算したd軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqにそれぞれ重畳されて、補正後d軸電流指令Id**及び補正後q軸電流指令Iq**となる。電圧指令演算部2は、電圧指令演算部2は、補正後d軸電流指令Id**とd軸電流Idとの偏差及び回転速度(角速度ω)に基づいてd軸電圧指令Vdを演算すると共に、補正後q軸電流指令Iq**とq軸電流Iqとの偏差及び回転速度(角速度ω)に基づいてq軸電圧指令Vqを演算する。これにより、回転電機80は、加振力を低減するためのトルクを出力することができる。つまり、補正電流指令演算部7は、回転電機80の径方向Rの変動(径方向Rにおける力)である径方向加振力及び回転電機80の周方向Cのトルク変動である周方向加振力を低減するために電流指令Iに重畳される補正電流指令Iacとして、d軸電流指令Idに重畳させるd軸補正電流指令Idac及びq軸電流指令Iqに重畳させるq軸補正電流指令Iqacを演算する機能部である。
加振力を低減するためのトルク(加振力低減トルク)は、図3に示すような回転電機80の実トルクTから抽出される高調波トルク成分の内、周方向加振力の(2N)次高調波トルク成分の逆位相のトルクである。本実施形態では、交流の相数を示すNは3であるから、実トルクTから抽出される高調波トルク成分の内、6次高調波トルク成分の逆位相のトルクが加振力低減トルクとなる。図4の実線の波形は、図3に示す実トルクTから抽出された6次高調波トルク成分を表しており、一点鎖線の波形は、6次高調波トルク成分の逆位相の加振力低減トルクを示している。
ここで、加振力低減トルクの大きい側のピーク値を第1トルクT1とし、加振力低減トルクの小さい側のピーク値を第2トルクT2とする。また、加振力低減トルクの平均値を平均トルクTavとする。尚、この平均トルクTavは、加振力低減トルクや回転電機80の実トルクTの直流成分に対応するので、トルク指令Tに基づく電流フィードバック制御が適切に実行されている場合には、トルク指令T(目標トルク)にほぼ等しい値となる。
図5は、dq軸直交座標系におけるトルクと電流指令Iとの関係を示している。図5において符号“30”で示す曲線は、dq軸直交ベクトル座標系において一定のトルクを出力可能なd軸電流とq軸電流との組み合わせ(dq直交ベクトル座標系における電流のベクトル軌跡)を表す等トルクラインである。符号“31”は上述した第1トルクT1の等トルクライン30である第1等トルクラインであり、符号“32”は第2トルクT2の等トルクライン30である第2等トルクラインである。また、符号“33”は上述した回転電機80の目標トルク(トルク指令T:図2等参照)の等トルクライン30である基準等トルクラインである。
符号“60”は、回転電機80を標準的な条件で制御する際(以下この制御を“基本制御”と称する)のd軸電流とq軸電流との組み合わせ(dq直交ベクトル座標系における電流のベクトル軌跡)を示す基本制御ラインである。一般的に、基本制御ライン60は、dq軸直交ベクトル座標系において任意のトルクを出力するために最適なd軸電流とq軸電流との組み合わせを示すベクトル軌跡である。一例として、基本制御ライン60は、最も高い効率で各トルクを出力可能なd軸電流とq軸電流との組み合わせのベクトル軌跡を示す最大トルクラインや最大効率ラインとすることができる。
周方向加振力及び径方向加振力を考慮しない場合、つまり、単純にトルク指令Tに応じてd軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqを設定する場合には、図5に示す基準点P0における電流値が設定される。この基準点P0は、dq軸直交ベクトル座標系において、基本制御ライン60とトルク指令T(目標トルク)に対応した等トルクライン(この場合は基準等トルクライン33)との交点である。本実施形態においては、周方向加振力及び径方向加振力を低減するため、図4を参照して上述したように、加振力低減トルクを出力可能な補正電流指令Iacを、d軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqに重畳させる。つまり、直流成分によって構成されるd軸電流指令Id及びq軸電流指令Iq(トルク指令Tに応じた電流指令I)のそれぞれに対して、交流成分(ここでは6次高調波成分)によって構成されるd軸補正電流指令Idac及びq軸補正電流指令Iqacがそれぞれ重畳される。
d軸補正電流指令Idac及びq軸補正電流指令Iqacは、平均トルクTav(目標トルク)を経由して第1トルクT1と第2トルクT2との間で振動する加振力低減トルク(図4参照)を出力可能なd軸電流及びq軸電流である。従って、これらのd軸電流及びq軸電流のdq軸直交ベクトル座標系におけるベクトル軌跡は、基準点P0を通って、第1等トルクライン31と第2等トルクライン32とを結ぶ直線(線分)であると好適である。基準点P0を通るこの直線を以下、補正直線Kと称する。また、第1等トルクライン31と補正直線Kとの交点を第1交点P1、第2等トルクライン32と補正直線Kとの交点を第2交点P2と称する。
補正直線Kは、原理的には無限に設定することができる。図5には、3本の補正直線K(K11,K12,K13)を例示している。“K11”で示す補正直線Kは、q軸に沿って電流を変化させてトルクを変化させた形態、“K12”で示す補正直線Kは、d軸に沿って電流を変化させてトルクを変化させた形態、“K13”で示す補正直線Kは、d軸及びq軸に対して傾斜した方向に沿って電流を変化させてトルクを変化させた形態を示している。図6は、これら3つの補正直線K(K11,K12,K13)がベクトル軌跡となるq軸電流(q軸補正電流指令Iqac)を例示しており、図7は、これら3つの補正直線K(K11,K12,K13)がベクトル軌跡となるd軸電流(d軸補正電流指令Idac)を例示している。
補正電流指令Iacのベクトル軌跡が“K11”で示す補正直線Kとなる場合、q軸補正電流指令Iqacは図6に2点鎖線で示すように、“qdc”を挟んで“q11a”と“q11b”との間で振動する波形となる。ここで、“qdc”は、トルク指令Tに応じたq軸電流指令Iqの値(基準点P0におけるq軸電流の値)である。“K11”で示す補正直線Kは、q軸と平行であるから、d軸補正電流指令Idacは一定値であり、その値は、トルク指令Tに応じたd軸電流指令Idの値(基準点P0におけるd軸電流の値)である“ddc”である。
補正電流指令Iacのベクトル軌跡が“K12”で示す補正直線Kとなる場合、d軸補正電流指令Idacは図7に1点鎖線で示すように、“ddc”を挟んで“d12a”と“d12b”との間で振動する波形となる。 “K12”で示す補正直線Kは、d軸と平行であるから、q軸補正電流指令Iqacは一定値であり、その値は、基準点P0におけるq軸電流の値である“qdc”である。
補正電流指令Iacのベクトル軌跡が“K13”で示す補正直線Kとなる場合、q軸補正電流指令Iqacは図6に実線で示すように、“qdc”を挟んで“q13a”と“q13b”との間で振動する波形となる。“K13”で示す補正直線Kに対応するq軸補正電流指令Iqacの振幅A(波高a)は、“K11”で示す補正直線Kに対応するq軸補正電流指令Iqacの振幅A(波高a)に比べて小さくなっている。また、d軸補正電流指令Idacは図7に実線で示すように、“ddc”を挟んで“d13a”と“d13b”との間で振動する波形となる。“K13”で示す補正直線Kに対応するd軸補正電流指令Idacの振幅B(波高b)は、“K12”で示す補正直線Kに対応するd軸補正電流指令Idacの振幅B(波高b)に比べて小さくなっている。
ここで、q軸補正電流指令Iqac及びd軸補正電流指令Idacは、下記の式(1)及び式(2)で示される。“φ6”は6次高調波の位相を示している。
Iqac=Acos(6θ+φ6+π) ・・・(1)
Idac=Bcos(6θ+φ6) ・・・(2)
上述したように、電流指令演算部1において演算されたq軸電流指令Iq及びd軸電流指令Idは、それぞれ“Iqdc”及び“Iddc”である。従って、補正電流指令Iacによる補正後電流指令(補正後q軸電流指令Iq**及び補正後d軸電流指令Id**)は、下記の式(3)及び式(4)で示される。
Iq**=Iq+Iqac=Iqdc+Acos(6θ+φ6+π) ・・・(3)
Id**=Id+Idac=Iddc+Bcos(6θ+φ6) ・・・(4)
上述したように、複数設定可能な補正直線Kによって、d軸補正電流指令Idac及びq軸補正電流指令Iqacの波形は異なるものとなる。そして、周方向加振力と径方向加振力とは、d軸電流とq軸電流とで、影響する電流の度合いが異なる。このため、d軸補正電流指令Idacとq軸補正電流指令Iqacとの組み合わせによっては、周方向加振力及び径方向加振力の一方を低減することができても他方が増加したり、他方の低減が不十分となったりする可能性がある。従って、周方向加振力及び径方向加振力の双方を低減できるようなd軸補正電流指令Idacとq軸補正電流指令Iqacとの組み合わせが適切に設定されることが好ましい。
本実施形態では、回転電機80の実トルクTを実験、或いはシミュレーションによって取得して、低減対象となる高調波トルク成分を抽出し、さらに実験やシミュレーションによって加振力低減トルクを出力するために適切なd軸補正電流指令Idacとq軸補正電流指令Iqacとの組み合わせが規定される。この組み合わせは、例えば、補正電流指令マップ6に格納され、補正電流指令演算部7は、補正電流指令マップ6を参照し、トルク指令Tや回転電機80の回転速度(角速度ω)磁極位置(電気角θ)等に基づいてd軸補正電流指令Idacとq軸補正電流指令Iqacを演算する。
発明者らは、実験やシミュレーションにより、適切な補正電流Iacを得ることができる補正直線K(偏位角α)の条件について検討した。それによれば、補正直線Kに沿って振動する補正電流指令Iacを電流指令Iに重畳すると、偏位角αに関わらず、補正電流指令Iacを重畳しない場合に比べて、周方向加振力は低減される(減少量は偏位角αによって異なる。)。一方、径方向加振力は、偏位角αによっては、電流指令Iに補正電流指令Iacを重畳しない場合に比べて、周方向加振力が増加する場合がある。つまり、加振力低減トルクが周方向加振力の高調波トルク成分の逆位相であることから、周方向加振力には偏位角αに関わらず、低減効果が得られる。しかし、例えば、周方向加振力を低減する加振力低減トルクが、削減対象の径方向加振力に対して大きいような場合には、径方向加振力が増加する可能性もある。また、径方向加振力には、上述したように、同相径方向加振力Frsと異相径方向加振力Frdとがあり、これらも偏位角αによって変動する。
図8は、基準点P0における同相径方向加振力Frs、異相径方向加振力Frd、及びこれらが合成された径方向加振力Frと、を示している。図8に示すように、同相径方向加振力Frsの波高(振幅)と、異相径方向加振力Frdの波高(振幅)との間に差(加振力差ΔFr)がある場合、その差が径方向加振力Frとして現れる。
以下、図9から図13も参照して、加振力低減トルクを出力するために適切なd軸補正電流指令Idacとq軸補正電流指令Iqacとの組み合わせを決定する原理について説明する。図9は、dq軸直交座標系において設定可能な複数の補正直線Kの例を示しており、図10は、複数の補正直線Kの中から、d軸補正電流指令Idac及びq軸補正電流指令Iqacのベクトル軌跡となる対象補正直線KTを決定する方法を示している。
図9には、基準点P0を通る5本の補正直線K(K2,K3,K4,K5,K6)を例示している。“K2”で示す補正直線Kは、基本制御ライン60に沿って電流を変化させてトルクを変化させた形態(例えば最も効率が良いようにトルクを変化させた形態)である。“K3”で示す補正直線Kは、図5における“K11”と同様に、q軸に沿って電流を変化させてトルクを変化させた形態、“K6”で示す補正直線Kは、図5における“K12”と同様に、d軸に沿って電流を変化させてトルクを変化させた形態である。“K4”及び“K5”で示す補正直線Kは、図5における“K13”と同様に、d軸及びq軸に対して傾斜した方向に沿って電流を変化させてトルクを変化させた形態を示している。尚、基本制御ライン60に沿ってトルクが変化する補正直線K(K2)も、d軸及びq軸に対して傾斜した方向に沿って電流を変化させてトルクを変化させた形態である。
図10には、上述した5本の補正直線K(K2,K3,K4,K5,K6)に応じた補正電流指令Iacを電流指令Iに重畳して回転電機80を制御した場合における同相径方向加振力Frsとそれぞれの補正直線Kとの関係(同相相間ライン)、及び、異相径方向加振力Frdとそれぞれの補正直線Kとの関係(異相相関ライン)を示している。それぞれの補正直線K(K2,K3,K4,K5,K6)は、線分の傾きによって特定することができるが、図10では、補正直線Kの傾きと等価の要素として、q軸を基準として反時計回りでの補正直線Kとの角度(q軸との偏位角α)によってそれぞれの補正直線K(K2,K3,K4,K5,K6)を特定している。
図9に示すように、補正直線“K3”の偏位角αは“α3=0”、補正直線“K2”の偏位角αは“α2”、補正直線“K4”の偏位角αは“α4”、補正直線“K5”の偏位角αは“α5”、補正直線“K6”の偏位角は“α6=π/2”である。図10では、それぞれの補正直線K(K4を除く)における同相径方向加振力Frs及び異相径方向加振力Frdを偏位角αに対応させてプロットし、偏位角αが“0~π/2”の間で変化した場合における変化を相関ライン(同相相間ライン、異相相関ライン)として表している。本実施形態では、一点鎖線で示す同相相間ライン及び二点鎖線で示す異相相関ラインの双方が、直線状となり、補正直線Kの傾き(偏位角α)に対して線形な特性を示している。また、本実施形態では、同相相関ラインは、正の傾きを有し、異相相関ラインは、負の傾きを有し、同相相関ラインと異相相関ラインとは交差している。補正直線“K4”は、この交点を傾き(偏位角“α4”)とする補正直線Kである。
尚、偏位角αは、図6及び図7、及び式(1)~式(4)を参照して上述した補正電流指令Iacの振幅(A,B)又は波高(a,b)を用いて、下記式(5)、又は式(6)にて表すことができる。偏位角αは、振幅(A,B)又は波高(a,b)の比率に応じた値となるから、補正直線Kの傾きと等価な指標ということができる。
α = arctan(B/A) ・・・(5)
α = arctan(b/a) ・・・(6)
図10に示すように、同相径方向加振力Frsの波高と異相径方向加振力Frdの波高との差は、偏位角αが“α3(=0)”の場合に最も大きい。同相径方向加振力Frsは、偏位角αがゼロからπ/2に向かって大きくなっていくに従って減少していく。一方、異相径方向加振力Frdは、偏位角αがゼロからπ/2に向かって大きくなっていくに従って増加していく。つまり、同相径方向加振力Frsの波高と異相径方向加振力Frdの波高との差は、偏位角αがゼロからπ/2に向かって大きくなっていくに従って減少し、ある偏位角α(ここでは“α4”)においてゼロとなった後、再び増加していく。
図11は、偏位角αが“α3(=0)”の場合の、同相径方向加振力Frs、異相径方向加振力Frd、両者を合成した径方向加振力Fr、及び加振力差ΔFr(ΔFr3)を示している。つまり、q軸電流だけを振動させた場合の同相径方向加振力Frs、異相径方向加振力Frd、径方向加振力Fr、及び加振力差ΔFr(ΔFr3)を示している。図12の波形図は、偏位角αが“α6(=π/2)”の場合の、同相径方向加振力Frs、異相径方向加振力Frd、両者を合成した径方向加振力Fr、及び加振力差ΔFr(ΔFr6)を示している。つまり、d軸電流だけを振動させた場合の同相径方向加振力Frs、異相径方向加振力Frd、径方向加振力Fr、及び加振力差ΔFr(ΔFr6)を示している。図13は、偏位角αが“α5”の場合の、同相径方向加振力Frs、異相径方向加振力Frd、両者を合成した径方向加振力Fr、及び加振力差ΔFr(ΔFr5)を示している。つまり、d軸電流及びq軸電流の双方を振動させた場合の同相径方向加振力Frs、異相径方向加振力Frd、径方向加振力Fr、及び加振力差ΔFr(ΔFr5)を示している。
図11~図13からも判るように、d軸電流及びq軸電流の一方を振動させた場合に比べて、d軸電流及びq軸電流の双方を振動させた場合には、加振力差ΔFrが小さくなり、径方向加振力Frも小さくなる傾向がある。本実施形態では、図10に示すように、偏位角αが“α4”の補正直線Kに沿ってd軸電流及びq軸電流の双方を振動させた場合に、加振力差ΔFrが最も小さくなる。従って、本実施形態の場合には、偏位角αが“α4”となる補正直線Kが対象補正直線KTに設定される。
対象補正直線KTに設定される補正直線“K4”は、基本制御ライン60に沿った補正直線Kではない。このように、同相径方向加振力Frsの波高値と異相径方向加振力Frdの波高値との差が最小となり、径方向加振力Fr及び周方向加振力Fcが共に低減される補正直線Kは、基本制御ライン60に沿ったものとは限らない。また、例示は省略するが、対象補正直線KTを特定する偏位角αは、回転電機80の動作状態に応じて異なる。従って、対象補正直線KTは、回転電機80の動作状態に応じて適切に設定されることが好ましい。例えば、回転電機80の回転速度(角速度ω)及び目標トルク(トルク指令T)の組み合わせである動作点に応じて異なる対象補正直線KTが設定されると好適である。
本実施形態では、上述したように、回転電機80の実際のトルクを実験、或いはシミュレーションによって取得して、補正電流指令マップ6が構成されている。補正電流指令演算部7は、補正電流指令マップ6を参照し、複数本設定可能な補正直線Kの内、第1交点P1と第2交点P2との間でd軸電流とq軸電流とを加振力低減トルクの周波数(1/φ6)で振動させた場合に、同相ティース87sに作用する径方向加振力Frである同相径方向加振力Frsの波高値と、異相ティース87dに作用する径方向加振力Frである異相径方向加振力Frdの波高値との差が最小となる前記補正直線Kを対象補正直線KTとして補正電流指令Iacを決定する。即ち、補正電流指令演算部7は、対象補正直線KTについての第1交点P1と第2交点P2とをピークとして加振力低減トルクの周波数で振動するd軸電流及びq軸電流を補正電流指令Iacとする。
尚、図10を参照して上述した形態では、補正直線Kの傾き(偏位角α)に対する同相径方向加振力Frsの波高値を示す同相相関ラインは、正の傾きを有する直線に近似され、補正直線Kの傾き(偏位角α)に対する異相径方向加振力Frdの波高値を示す異相相関ラインは、負の傾きを有する直線に近似されている。このため、図10に示すように、同相相関ラインと異相相関ラインとが交差し、その交点においては、同相径方向加振力Frsの波高値と、異相径方向加振力Frdの波高値とが同じ値となり、当該交点は、加振力差ΔFrが最小となる傾き(偏位角α)を有する補正直線Kに対応することになる。しかし、加振力差ΔFrの最小値はこのようにゼロであることに限定されるものではない。例えば、同相相関ラインと異相相関ラインとが交差しない場合には、加振力差ΔFrがゼロでなくても、最小となる補正直線Kが対象補正直線KTとして設定される。
また、同相相関ライン及び異相相関ラインが、図10に例示したように直線状ではない場合においても、当然ながら同相相関ラインと異相相関ラインとの交点に対応する傾き(偏位角α)を有する補正直線Kが対象補正直線KTに設定されると好適である。尚、同相相関ライン及び異相相関ラインの一方又は双方が曲線状の場合、2つ以上の交点を有する場合がある。この場合には、複数の交点に対応する傾き(偏位角α)を有する複数の補正直線Kの内、周方向加振力が最も小さくなる補正直線Kを対象補正直線KTとすると好適である。
〔実施形態の概要〕
以下、上記において説明した回転電機制御システム(10)の概要について簡単に説明する。
1つの態様として、N相交流(Nは任意の自然数)で駆動される永久磁石型の回転電機(80)を、永久磁石(84)による界磁磁束の方向に沿ったd軸と前記d軸に直交するq軸との直交ベクトル座標系において電流フィードバック制御する回転電機制御システム(10)であって、
前記回転電機(80)に流す電流の指令値である電流指令(I)としてのd軸電流指令(Id)及びq軸電流指令(Iq)を、前記回転電機(80)の目標トルク(T)に基づいて演算する電流指令演算部(1)と、
前記回転電機(80)の径方向(R)の変動である径方向加振力(Fr)及び前記回転電機(80)の周方向(C)のトルク変動である周方向加振力(Fc)を低減するために前記電流指令(I)に重畳される補正電流指令(Iac)として、前記d軸電流指令(Id)に重畳させるd軸補正電流指令(Idac)及び前記q軸電流指令(Iq)に重畳させるq軸補正電流指令(Iqac)を演算する補正電流指令演算部(7)と、を備え、
前記回転電機(80)の実トルク(T)から抽出される高調波トルク成分の内、前記周方向加振力(Fc)の(2N)次高調波トルク成分の逆位相のトルクを加振力低減トルクとし、
前記加振力低減トルクの大きい側のピーク値を第1トルク(T1)とし、
前記加振力低減トルクの小さい側のピーク値を第2トルク(T2)とし、
前記直交ベクトル座標系において任意のトルクを出力するための基本的なd軸電流とq軸電流との組み合わせを表す曲線を規定の基本制御ライン(60)とし、
前記直交ベクトル座標系において一定のトルクを出力可能な前記d軸電流と前記q軸電流との組み合わせを表す曲線を等トルクライン(30)とし、
前記直交ベクトル座標系において前記基本制御ライン(60)と前記目標トルク(T)の前記等トルクライン(30(33))との交点を基準点(P0)とし、
前記直交ベクトル座標系において、前記基準点(P0)を通る直線を補正直線(K)とし、
前記第1トルク(T1)の前記等トルクライン(30)である第1等トルクライン(31)と前記補正直線(K)との交点を第1交点(P1)、前記第2トルク(T2)の前記等トルクラインで(30)ある第2等トルクライン(32)と前記補正直線(K)との交点を第2交点(P2)とし、
前記回転電機(80)のステータ(81)は、前記径方向(R)に突出するティース(87)を前記周方向(C)に分散して複数備えると共に、前記周方向(C)に隣接する一対の前記ティース(87)の間に形成されてコイル(83)が収容されるスロット(89)を複数備え、
前記ステータ(81)は、前記コイル(83)の毎極毎相当たりの前記スロット(89)の数が2であり、
同じ相の一対の前記スロット(89)である同相スロット対(89s)の間に位置する前記ティース(87)を同相ティース(87s)とし、
異なる相の一対の前記スロット(89)である異相スロット対(89d)の間に位置する前記ティース(87)を異相ティース(87d)として、
前記補正電流指令演算部(7)は、複数本設定可能な前記補正直線(K)の内、前記第1交点(P1)と前記第2交点(P2)との間で前記d軸電流と前記q軸電流とを前記加振力低減トルクの周波数で振動させた場合に、前記同相ティース(87s)に作用する前記径方向加振力(Fr)である同相径方向加振力(Frs)の波高値と、前記異相ティース(87d)に作用する前記径方向加振力(Fr)である異相径方向加振力(Frd)の波高値との差が最小となる前記補正直線(K)を対象補正直線(KT)として、前記対象補正直線(KT)についての前記第1交点(P1)と前記第2交点(P2)とをピークとして前記加振力低減トルクの周波数で振動する前記d軸電流及び前記q軸電流を前記補正電流指令(Iac)とする。
直交ベクトル座標系において、基準点(P0)を通る補正直線(K)は複数本存在する。従って、第1交点(P1)と第2交点(P2)とをピークとして加振力低減トルクの周波数で振動するd軸電流及びq軸電流も複数存在する。加振力低減トルクは、周方向加振力の(2N)次高調波トルク成分の逆位相のトルクであるから、補正直線(K)が何れであっても、周方向加振力についてはある程度の低減効果が得られる。一方、径方向加振力(Fr)は、同相径方向加振力(Frs)の波高値と異相径方向加振力(Frd)の波高値との差に応じて大きくなる傾向がある。そして、同相径方向加振力(Frs)の波高値、及び異相径方向加振力(Frd)の波高値は、補正直線(K)によってそれぞれ異なる。このため、対象補正直線(KT)として設定される補正直線(K)によっては、周方向加振力が低減されても、径方向加振力(Fr)が増加する可能性もある。本構成によれば、複数本存在する補正直線(K)の内、同相径方向加振力(Frs)の波高値と、異相径方向加振力(Frd)の波高値との差が最小となる補正直線(K)が対象補正直線(KT)として設定される。そして、当該対象補正直線(KT)についての第1交点(P1)と第2交点(P2)とをピークとして加振力低減トルクの周波数で振動するd軸電流及びq軸電流が補正電流指令(Iac)となる。従って、この補正電流指令(Iac)が電流指令(I)に重畳されると、径径方向加振力(Fr)と周方向加振力との双方を低減させることができる。このように、本構成によれば、分布巻のコイル(83)を有する回転電機において、周方向加振力及び径方向加振力の双方を適切に低減することができる。
ここで、前記補正直線(K)の傾きに対する前記同相径方向加振力(Frs)の波高値を示す同相相関ラインと、前記補正直線(K)の傾きに対する前記異相径方向加振力(Frd)の波高値を示す異相相関ラインとの交点に対応する傾きを有する前記補正直線(K)が前記対象補正直線(KT)とされると好適である。
同相相関ラインと異相相関ラインとの交点では、同相径方向加振力(Frs)の波高値と、異相径方向加振力(Frd)の波高値とが同値である。従って、この交点では、同相径方向加振力(Frs)の波高値と、異相径方向加振力(Frd)の波高値との差は、最小となる。従って、この交点に対応する傾きを有する補正直線(K)を対象補正直線(KT)とすることによって、適切に対象補正直線(KT)を設定することができる。
1 :電流指令演算部
7 :補正電流指令演算部
10 :回転電機制御装置(回転電機制御システム)
30 :等トルクライン
31 :第1等トルクライン
32 :第2等トルクライン
33 :基準等トルクライン
60 :基本制御ライン
80 :回転電機
81 :ステータ
83 :ステータコイル(コイル)
84 :永久磁石
87 :ティース
87d :異相ティース
87s :同相ティース
89 :スロット
89d :異相スロット対
89s :同相スロット対
100 :回転電機駆動装置(回転電機制御システム)
C :周方向
Fr :径方向加振力
Frd :異相径方向加振力
Frs :同相径方向加振力
Iac :補正電流指令
:電流指令
Id :d軸電流指令
Iq :q軸電流指令
Idac :d軸補正電流指令
Iqac :q軸補正電流指令
K :補正直線
KT :対象補正直線
P0 :基準点
P1 :第1交点
P2 :第2交点
R :径方向
T :実トルク
:トルク指令(要求トルク)
T1 :第1トルク
T2 :第2トルク
α :偏位角

Claims (2)

  1. N相交流の永久磁石型(Nは任意の自然数)で駆動される回転電機を、永久磁石による界磁磁束の方向に沿ったd軸と前記d軸に直交するq軸との直交ベクトル座標系において電流フィードバック制御する回転電機制御システムであって、
    前記回転電機に流す電流の指令値である電流指令としてのd軸電流指令及びq軸電流指令を、前記回転電機の目標トルクに基づいて演算する電流指令演算部と、
    前記回転電機の径方向の変動である径方向加振力及び前記回転電機の周方向のトルク変動である周方向加振力を低減するために前記電流指令に重畳される補正電流指令として、前記d軸電流指令に重畳させるd軸補正電流指令及び前記q軸電流指令に重畳させるq軸補正電流指令を演算する補正電流指令演算部と、を備え、
    前記回転電機の実トルクから抽出される高調波トルク成分の内、前記周方向加振力の(2N)次高調波トルク成分の逆位相のトルクである加振力低減トルクを演算し、
    前記加振力低減トルクの大きい側のピーク値を第1トルクとし、
    前記加振力低減トルクの小さい側のピーク値を第2トルクとし、
    前記直交ベクトル座標系において任意のトルクを出力するための基本的なd軸電流とq軸電流との組み合わせを表す曲線を規定の基本制御ラインとし、
    前記直交ベクトル座標系において一定のトルクを出力可能な前記d軸電流と前記q軸電流との組み合わせを表す曲線を等トルクラインとし、
    前記直交ベクトル座標系において前記基本制御ラインと前記目標トルクの前記等トルクラインとの交点を基準点とし、
    前記直交ベクトル座標系において、前記基準点を通る直線を補正直線とし、
    前記第1トルクの前記等トルクラインである第1等トルクラインと前記補正直線との交点を第1交点、前記第2トルクの前記等トルクラインである第2等トルクラインと前記補正直線との交点を第2交点とし、
    前記回転電機のステータは、前記径方向に突出するティースを前記周方向に分散して複数備えると共に、前記周方向に隣接する一対の前記ティースの間に形成されてコイルが収容されるスロットを複数備え、
    前記ステータは、前記コイルの毎極毎相当たりの前記スロットの数が2であり、
    同じ相の一対の前記スロットである同相スロット対の間に位置する前記ティースを同相ティースとし、
    異なる相の一対の前記スロットである異相スロット対の間に位置する前記ティースを異相ティースとして、
    前記補正電流指令演算部は、複数本設定可能な前記補正直線の内、前記第1交点と前記第2交点との間で前記d軸電流と前記q軸電流とを前記加振力低減トルクの周波数で振動させた場合に、前記同相ティースに作用する前記径方向加振力である同相径方向加振力の波高値と、前記異相ティースに作用する前記径方向加振力である異相径方向加振力の波高値との差が最小となる前記補正直線を対象補正直線として、前記対象補正直線についての前記第1交点と前記第2交点とをピークとして前記加振力低減トルクの周波数で振動する前記d軸電流及び前記q軸電流を前記補正電流指令とする、回転電機制御システム。
  2. 前記補正電流指令演算部は、前記補正直線の傾きに対する前記同相径方向加振力の波高値を示す同相相関ラインと、前記補正直線の傾きに対する前記異相径方向加振力の波高値を示す異相相関ラインとの交点に対応する傾きを有する前記補正直線を前記対象補正直線とする、請求項1に記載の回転電機制御システム。
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