JP7161699B2 - 定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

定着装置、及び、画像形成装置 Download PDF

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Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、そこに設置される定着装置と、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置における定着装置において、定着回転体又は加圧回転体の表面に当接するようにクリーニング部材を設置して、その表面をクリーニングする技術が広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、そのようなクリーニング部材を用いた定着装置では、装置が駆動停止した後に、クリーニング部材が定着回転体又は加圧回転体の表面に圧接し続けることで、その圧接部でトナーが固化したり、クリーニング部材が変形したりしないように、駆動停止時にクリーニング部材を定着回転体又は加圧回転体の表面から離間させている。
詳しくは、特許文献1における定着装置において、定着回転体(加熱ローラ)には、加圧回転体(加圧ローラ)が圧接していて、シート(シート材)が搬送されるニップ部(定着ニップ)が形成されている。そして、ニップ部に搬送されたシート上のトナー像が、定着回転体から受ける熱と、ニップ部の圧力と、によって、シート上に定着されることになる。
また、特許文献1において、定着装置には、加圧回転体に対して接離可能に移動するクリーニング部材(クリーニング手段)が設置されている。そして、クリーニング部材は、加圧ローラ(加圧回転体)に当接して加圧ローラの表面をクリーニングすることになる。
一方、特許文献1には、加圧回転体に対してクリーニング部材を接離する移動機構として、カムや加圧ばね(付勢部材)や支持板(アーム部材)などからなるカム機構(移動機構)が開示されている。
詳しくは、特許文献1におけるカム機構(移動機構)は、カムの上死点(カム軸からの半径が最大になる部分)が、クリーニング部材が設置された支持板に当接することによって、支持板が加圧ばねの付勢力に抗するように支軸を中心に回動して、加圧回転体に対してクリーニング部材が離間する。そして、その状態からカムが回転することで、支持板は、カムによる制限が解除されて、加圧ばねの付勢力によって支軸を中心に回動する。そして、加圧回転体に対してクリーニング部材が当接する。
従来の定着装置は、操作者が移動機構に誤って触れてしまう場合など、移動機構に予期せぬ外力が加わってしまうことによって、移動機構によってクリーニング部材を離間した状態を維持できずに、加圧回転体(又は、定着回転体)から離間すべきクリーニング部材が加圧回転体(又は、定着回転体)に当接してしまう不具合が生じてしまっていた。そのため、クリーニング部材を離間できないことによる種々の不具合が生じてしまっていた。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、移動機構によってクリーニング部材を離間した状態を維持できずに、定着回転体又は加圧回転体から離間すべきクリーニング部材が定着回転体又は加圧回転体に当接してしまう不具合が生じにくい、定着装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明における定着装置は、トナー像を加熱してシートの表面に定着する定着回転体と、前記定着回転体に圧接することでシートが搬送されるニップ部を形成する加圧回転体と、前記定着回転体又は前記加圧回転体の表面に当接して当該表面をクリーニングするクリーニング部材と、前記クリーニング部材を、前記定着回転体又は前記加圧回転体の前記表面に当接する当接位置と、当該表面から離れる離間位置と、の間で移動させる移動機構と、を備え、前記移動機構は、前記クリーニング部材を前記当接位置に移動させるように付勢する付勢部材を具備して、前記付勢部材の付勢力に抗するように前記クリーニング部材を前記当接位置から前記離間位置に移動させ、前記移動機構の動作によって前記クリーニング部材が前記離間位置から前記当接位置に移動されるときに、前記クリーニング部材が前記当接位置に位置しているときに比べて前記付勢部材の付勢力が大きい状態からさらに大きくなった後に小さくなるように構成されたものである。
本発明によれば、移動機構によってクリーニング部材を離間した状態を維持できずに、定着回転体又は加圧回転体から離間すべきクリーニング部材が定着回転体又は加圧回転体に当接してしまう不具合が生じにくい、定着装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。 定着装置を示す構成図である。 クリーニングローラが離間位置に移動した状態を示す図である。 クリーニングローラが、(A)当接位置に位置した状態を示す拡大図と、(B)離間位置に位置した状態を示す拡大図と、である。 定着装置における主要部品の幅方向の関係を示す概略図である。 (A)カムを示す概略図と、(B)そのカム曲線を示すグラフと、である。 定着装置が画像形成装置本体から取り出されるときの駆動ギアと従動ギアとの動作を示す概略図である。 クリーニングローラが当接位置から離間位置に移動するときの、加圧ローラの動作を示す図である。 クリーニングローラが離間位置から当接位置に移動するときの、加圧ローラの動作を示す図である。 加圧ローラの回転駆動制御と、クリーニングローラの接離制御と、の一例を示すタイミングチャートである。 従来の定着装置の不具合を説明する図である。 変形例1としての、(A)カムを示す概略図と、(B)そのカム曲線を示すグラフと、である。 変形例2としての、定着装置を示す構成図である。 変形例3としての、定着装置を示す構成図である。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、を示す。
また、7は用紙等のシートPが収容される給紙部、9はシートPの搬送タイミングを調整するレジストローラ(タイミングローラ)、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、を示す。
また、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に形成されたトナー像をシートPの表面に重ねて転写する1次転写バイアスローラ、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に残留した未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
また、16は中間転写ベルト17を清掃する中間転写ベルトクリーニング部、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上のカラートナー像をシートP上に転写するための2次転写バイアスローラ、20はシートP上のトナー像(未定着画像)を定着する定着装置、を示す。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作(印刷動作)について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス5上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に向けて発せられる。
一方、4つの感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKは、それぞれ、図1の反時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、帯電部12との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面には、帯電電位が形成される。
その後、帯電された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する(露光工程である。)。詳しくは、書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム11Yの表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11Yの回転軸方向(主走査方向、幅方向)に走査される。こうして、帯電部12にて帯電された後の感光体ドラム11Y上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11Mの表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11Cの表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム11BKの表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、現像部13との対向位置に達する。そして、各現像部13から感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に形成された潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写バイアスローラ14が設置されている。そして、1次転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
そして、転写工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、クリーニング部15との対向位置に達する。そして、クリーニング部15で、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面の各色のトナーが重ねて転写(担持)された中間転写ベルト17は、図1の時計方向に走行して、2次転写バイアスローラ18との対向位置に達する。そして、2次転写バイアスローラ18との対向位置で、シートP上に中間転写ベルト17上に担持されたカラーのトナー像が転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17の表面は、中間転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部16に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
ここで、中間転写ベルト17と2次転写バイアスローラ18との間(2次転写ニップである。)に搬送されるシートPは、給紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、シートPを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送されたシートPが、搬送経路を通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達したシートPは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、フルカラー画像が転写されたシートPは、搬送ベルトによって定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ローラと加圧ローラとのニップ部(定着ニップ)にて、カラー画像(トナー像)がシートPの表面に定着される(定着工程である。)。
そして、定着工程後のシートPは、排紙ローラによって、装置本体1の外部に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセス(印刷動作)が完了する。
次に、図2~図10を用いて、画像形成装置本体1に設置される定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2に示すように、定着装置20は、定着回転体としての定着ローラ21、加熱手段としてのヒータ25、加圧回転体としての加圧ローラ31、クリーニング部材としてのクリーニングローラ35、温度センサ40、41、45、移動機構34、38、39、等で構成されている。
ここで、定着回転体としての定着ローラ21(定着部材)は、ステンレス鋼などの金属材料からなる中空構造の芯金21a上に、弾性層、離型層が順次積層された多層構造のローラ部材であって、加圧回転体としての加圧ローラ31に圧接してニップ部(定着ニップ)を形成している。
定着ローラ21の弾性層は、フッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性材料で形成されている。定着ローラ21の離型層は、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)等で形成されている。定着ローラ21の表層に離型層を設けることにより、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保されることになる。定着ローラ21は、駆動モータ51によって図2の時計方向に回転駆動される。
中空構造の定着ローラ21(芯金21a)の内部には加熱手段としてのヒータ25(熱源)が固設されている。
ヒータ25(加熱手段)は、ハロゲンヒータであって、その両端部が定着装置20の側板に固定されている。そして、画像形成装置本体1のメインスイッチがオンされた状態で、電源部からヒータ25に電力が供給される。そして、制御部50により出力制御されたヒータ25からの輻射熱によって定着ローラ21が加熱されて、さらに加熱された定着ローラ21の表面からシートP上のトナー像Tに熱が加えられる。
ヒータ25の出力制御は、定着ローラ21表面に非接触で対向する温度センサ40によるローラ表面温度の検知結果に基づいておこなわれる。詳しくは、温度センサ40(サーモパイル)の検知結果に基づいて定められる通電時間だけ、ヒータ25に交流電圧が印加される。このようなヒータ25の出力制御によって、定着ローラ21の温度(定着温度)を所望の温度(目標制御温度)に調整制御することができる。
また、加圧回転体としての加圧ローラ31(加圧部材)は、主として、芯金32と、芯金32の外周面に接着層を介して形成された弾性層33と、からなる。加圧ローラ31の弾性層33は、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。
そして、加圧ローラ31は、加圧機構によって定着ローラ21に圧接する。こうして、加圧ローラ31と定着ローラ21との間に、所望のニップ部が形成される。
加圧ローラ31は、定着ローラ21の回転にともない、図2の反時計方向に従動回転する。
なお、本実施の形態における定着装置20には、加圧ローラ31に対してクリーニングローラ35を接離する移動機構34、38、39や、加圧ローラ31の表面に付着したトナーや紙粉などの付着物を除去(クリーニング)するクリーニングローラ35(クリーニング部材)や、クリーニングローラ35の温度を検知する温度センサ45(温度検知手段)、なども設置されているが、これらについては後で詳しく説明する。
上述のように構成された定着装置20は、次のように動作する。
装置本体1のメインスイッチが投入されると、ヒータ25に交流電圧が印加(給電)される。
そして、印刷指令(プリント要求)が入力されると、駆動モータ51(駆動機構)によって定着ローラ21の時計方向の回転駆動が開始されて、加圧ローラ31の反時計方向の従動回転が開始される。その後、給紙部7からシートPが給送されて、2次転写バイアスローラ18の位置で、中間転写ベルト17上のトナー像がシートP上に未定着画像として担持される。未定着画像T(トナー像)が担持されたシートPは、図2の矢印方向に搬送されて、圧接状態にある定着ローラ21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。そして、定着ローラ21による加熱と、定着ローラ21及び加圧ローラ31の押圧力とによって、シートPの表面にトナー像Tが定着される。そして、定着工程後のシートPは、回転する定着ローラ21及び加圧ローラ31によって、ニップ部から矢印方向に送出される。
以下、本実施の形態における定着装置20(画像形成装置1)において、特徴的な構成・動作について詳しく説明する。
先に図2等を用いて説明したように、定着装置20には、トナー像を加熱してシートPの表面に定着する定着回転体としての定着ローラ21や、定着ローラ21に圧接することでシートPが搬送されるニップ部を形成する加圧回転体としての加圧ローラ31、が設置されている。
そして、本実施の形態における定着装置20には、クリーニング部材としてのクリーニングローラ35や、クリーニングローラ35を接離する移動機構34、38、39、が設置されている。
図2を参照して、クリーニングローラ35は、加圧ローラ31(加圧回転体)の表面に当接して、その表面をクリーニングするクリーニング部材として機能するものである。
また、図2~図4を参照して、移動機構34、38、39は、クリーニングローラ35を、加圧ローラ31の表面に当接する当接位置(図2の実線で示す位置であって、図4(A)に示す位置である。)と、加圧ローラ31の表面から離れる離間位置(図2の破線で示す位置であって、図3、図4(B)に示す位置である。)と、の間で移動させるものである。
すなわち、クリーニングローラ35は、移動機構34、38、39の動作によって、加圧ローラ31に対して接離可能に構成されている。
詳しくは、本実施の形態において、クリーニングローラ35は、金属材料からなるローラ部材であって、アーム部材38に回転可能に保持されている。クリーニングローラ35は、加圧ローラ31の表面に当接して、加圧ローラ31の表面に付着したトナーや紙粉などの付着物を除去してクリーニングするためのものである。加圧ローラ31の表面がクリーニングされることで、加圧ローラ31自体が直接的にクリーニングされるのはもちろんのこと、定着ローラ21も間接的にクリーニングされて、定着ニップを通過するシートPがトナーや紙粉などで汚れたり画像の一部が欠損したりする不具合が軽減されることになる。
特に、本実施の形態では、クリーニングローラ35は、所定方向に回転している加圧ローラ31に当接した状態のとき加圧ローラ31とともに回転するため、その回転によってクリーニングローラ35の表面を入れ替えながら効率的にクリーニングをおこなうことが可能になる。
なお、クリーニングローラ35は、図5に示すように、定着ニップにおける最大通紙領域X(通紙可能な最大サイズのシートPの幅方向の範囲である。)を含む範囲で、加圧ローラ31に当接するように構成されている。これにより、最大サイズのシートPが通紙されたときであっても、クリーニングを良好におこなうことができる。
ここで、本実施の形態において、移動機構34、38、39には、クリーニングローラ35(クリーニング部材)を図2、図4(A)に示す当接位置に移動させるように付勢する付勢部材としてのトーションスプリング39(ねじりコイルばね)が設けられている。そして、移動機構34、38、39は、トーションスプリング39(付勢部材)の付勢力に抗するようにクリーニングローラ35を図2、図4(A)に示す当接位置から図3、図4(B)に示す離間位置に移動させることになる。
詳しくは、図4、図5等を参照して、本実施の形態において、移動機構は、カム34、アーム部材38、付勢部材としてのトーションスプリング39、従動ギア34b、などで構成されたカム機構である。
カム34は、カム軸34aを中心に回動可能に構成されている。
図5に示すように、カム軸34aは、定着装置20の幅方向両端にそれぞれ設置されたユニット側板48に、軸受を介して回転可能に支持されている。また、カム軸34aの幅方向両端部に、それぞれカム34が設置されている。
カム軸34aの幅方向一端側には、カム軸34aとともに回転可能な従動ギア34bが設置されている。この従動ギア34bは、定着装置20が画像形成装置本体1にセットされた状態で、画像形成装置本体1に固設されたモータ52の駆動ギア53(モータギア)に噛合する。モータ52は、正逆双方向回転型のモータであって、カム軸34aとともにカム34を図4の時計方向に回動させたり反時計方向に回動させたりするためのものである。
カム軸34aの幅方向他端側には、カム軸34aとともに回転可能な被検知板34cが設置されている。この被検知板34cは、ユニット側板48に固設されたフォトセンサ54によって、その回転方向の姿勢が光学的に検知される。これにより、カム34の回動方向の姿勢(カム角度であって、特に、離間位置にあるか当接位置にあるかの姿勢である。)が検知されて、その検知結果に基づいてモータ52が制御されて、クリーニングローラ35が離間位置や当接位置に精度良く移動されることになる。
アーム部材38は、軸受を介してクリーニングローラ35(クリーニング部材)を回転可能に保持している。
また、アーム部材38は、支軸38aを中心に回動可能に構成されている。支軸38aは、定着装置20の幅方向両端にそれぞれ設置されたユニット側板48に、固定支持されている。そして、その支軸38aに、軸受を介してアーム部材38が回転可能に支持されている。
また、アーム部材38は、カム34に当接可能に構成されている。アーム部材38の一端側にはカム34に当接する略円柱状のカムフォロア38bが設置されていて、アーム部材38の他端側にはクリーニングローラ35が回転可能に設置されていて、アーム部材38の中央に支軸38aが設けられている。カムフォロア38bは、表面摩擦係数の低い樹脂材料で形成されていて、幅方向両端部のカム34にそれぞれ当接するように2つ設けられている。
なお、本実施の形態では、アーム部材38がステンレス鋼などの金属材料で形成されていて、クリーニングローラ35とアーム部材38との間に介在される軸受が導電性樹脂材料で形成されている。これにより、クリーニングローラ35自体や、クリーニングローラ35に回収された付着物、に電荷が溜まりにくくなり、それらが帯電することによる不具合を軽減することができる。
図4に示すように、トーションスプリング39は、クリーニングローラ35(クリーニング部材)が図4(A)に示す当接位置に移動するように、アーム部材38を付勢して回動させる付勢部材として機能するものである。
付勢部材としてのトーションスプリング39は、支軸38aに巻装されるように保持されて、その一端側の腕部がアーム部材38の引掛部38cに引っ掛けられ、その他端側の腕部が定着装置20のガイド部材49の裏側に引っ掛けられている。
このように移動機構を構成することにより、制御部50による制御によって、モータ52が正方向に駆動されると、ギア列34b、53を介して駆動がカム軸34aに伝達されて、カム34が図4(B)の状態から図4(A)の状態に時計方向に回動される。そうすると、カム34の半径(カム軸34aからカム面までのカム半径である。)が漸減していくのにともない、トーションスプリング39の付勢力が漸減していって、アーム部材38が支軸38aを中心に図4の反時計方向に回動していく。そして、最終的に、図4(A)に示すように、カム34の最小半径部M1(カム半径が最も小さい部分であって、図6参照)がカムフォロア38bに当接した状態になって、トーションスプリング39の付勢力によってクリーニングローラ35が加圧ローラ31に当接することになる(当接位置に移動することになる)。このときのトーションスプリング39の開き角度θ1(腕部間の角度)は最小になる。
これに対して、制御部50による制御によって、モータ52が逆方向に駆動されると、ギア列34b、53を介して駆動がカム軸34aに伝達されて、カム34が図4(A)の状態から図4(B)の状態に反時計方向に回動される。そうすると、カム34の半径が漸増していくのにともない、トーションスプリング39の付勢力も漸増していって、その付勢力に抗するようにアーム部材38が支軸38aを中心に図4の時計方向に回動していく。そして、最終的に、図4(B)に示すように、カム34の大半径部M2(最小半径部M1よりもカム半径が大きい部分であって、図6参照)がカムフォロア38bに当接した状態になって、クリーニングローラ35が加圧ローラ31から離間することになる(離間位置に移動することになる)。このときのトーションスプリング39の開き角度θ2は、当接時の開き角度θ1に比べて大きくなる(θ2>θ1)。
このように移動機構34、38、39を設けて、クリーニングローラ35を離間可能に構成することで、加圧ローラ31にクリーニングローラ35が常時当接するように構成する場合に比べて、加圧ローラ31とクリーニングローラ35との圧接部でトナーが固化したり、クリーニングローラ35が変形してしまったりする不具合が生じにくくなる。
すなわち、定着装置20が駆動停止した後にも、長時間にわたってクリーニングローラ35が加圧ローラ31に圧接し続けてしまうと、その圧接部に位置するトナーがやがて固化してしまったり、その圧接部でクリーニングローラ35や加圧ローラ31が変形してしまったりすることになる。これに対して、本実施の形態では、クリーニングローラ35を離間可能に構成して、駆動停止時に長時間にわたってクリーニングローラ35が加圧ローラ31に当接し続けないようにしているため、そのような不具合の発生を抑止することができる。
なお、本実施の形態では、図4(A)に示すように、クリーニングローラ35が加圧ローラ31に当接した状態であるときに、カム34の最小半径部M1がアーム部材38のカムフォロア38bに当接するように構成した。
これに対して、クリーニングローラ35が加圧ローラ31に当接した状態であるときに、カム34の最小半径部M1がアーム部材38のカムフォロア38bに当接しないように構成することもできる。すなわち、クリーニングローラ35が当接位置から離間位置に移動する過程において、カムフォロア38bに対して非接触であったカム34が接触することになる。
このように構成した場合には、主としてトーションスプリング39の付勢力によって、当接時のクリーニングローラ35の加圧ローラ31に対する当接圧が定まることになるため、当接圧の設定をしやすくなる。
ここで、本実施の形態では、移動機構34、38、39の動作によってクリーニングローラ35(クリーニング部材)が図4(B)に示す離間位置から図4(A)に示す当接位置に移動されるときに、クリーニングローラ35が当接位置に位置しているときに比べてトーションスプリング39(付勢部材)の付勢力が大きい状態からさらに大きくなった後に小さくなるように構成されている。
詳しくは、移動機構34、38、39の動作によってクリーニングローラ35が離間位置から当接位置に移動されるときに、トーションスプリング39の付勢力は、ある程度大きい状態(充分に大きな状態である。)から、一度最も大きな状態になって、その後に徐々に小さくなって、最終的に最も小さな状態になる。
換言すると、移動機構34、38、39の動作によってクリーニングローラ35が当接位置から離間位置に移動されるときに、トーションスプリング39の付勢力は、最も小さい状態から徐々に大きくなって、一度最も大きな状態になった後に、それよりも小さな状態(充分に大きな状態である。)になる。
さらに詳しくは、先に説明したクリーニングローラ35が離間位置から当接位置に移動する動作において、モータ52の駆動によってカム34が図4(B)の状態から図4(A)の状態に時計方向に回動されると、カム34の大半径部M2(図6参照)がカムフォロア38bに当接した状態から、カム34の最大半径部M3(カム半径が最も大きい部分であって、図6参照)がカムフォロア38bに当接した状態になり、トーションスプリング39の付勢力が一時的に大きくなる。その後、カム34の時計方向の回動が進められると、カム34の半径が漸減していくのにともない、トーションスプリング39の付勢力が漸減していって、アーム部材38が支軸38aを中心に図4の反時計方向に回動していく。そして、最終的に、図4(A)に示すように、カム34の最小半径部M1(図6参照)がカムフォロア38bに当接した状態になって、トーションスプリング39の付勢力によってクリーニングローラ35が加圧ローラ31に当接することになる。
そして、クリーニングローラ35が当接位置から離間位置に移動する動作時には、その逆の動作がおこなわれることになる。
このように構成することにより、操作者が定着装置20を画像形成装置本体1から取り出したり、定着装置20の位置でジャム(紙詰まり)したシートPを取り除いたりする場合であって、操作者が移動機構(例えば、従動ギア34b)に誤って触れてしまう場合などに、移動機構34、38、39に予期せぬ外力が加わってしまっても、カム34の最大半径部M3をカムフォロア38bが乗り越えるほどの回転力が作用しない限り、クリーニングローラ35が離間位置から当接位置に移動することはない。したがって、先に説明したような、加圧ローラ31から離間すべきクリーニングローラ35を離間できないことによる種々の不具合の発生を軽減することができる。
また、この最大半径部M3のカム半径は、大半径部M2のカム半径に比べて、5~15%程度の増加にとどめられたものであるため、先に図4を用いて説明したクリーニングローラ35の通常の接離動作の障害になることはない。
図6(A)は、本実施の形態におけるカム34を示す概略図であって、図6(B)は、そのカム34のカム曲線(横軸にカムの角度を示し、縦軸にカム半径を示すグラフである。)を示すものである。
図6に示すように、本実施の形態において、カム34は、そのカム面(外周面)において、クリーニングローラ35を図4(B)に示す離間位置に位置させるための大半径部M2がカム軸34aを中心にして60度以上の範囲(本実施の形態では、ほぼ60度の範囲である。)で形成されている。そして、その大半径部M2に隣接する部分(本実施の形態では、両側の隣接部分である。)に、大半径部M2に比べて半径(カム半径)が大きな最大半径部M3が形成されている。
このようにカム34において大半径部M2を60度以上の範囲で形成することで、先に説明した効果が充分に発揮されることになる。
ここで、本実施の形態では、画像形成装置本体1に対して定着装置20を着脱できるように構成されている。具体的に、装置本体1の開閉カバーを開閉して、装置本体1から定着装置20を図7の白矢印方向に取り出したり、その逆方向に定着装置20をセットしたりすることになる。
そして、定着装置20が画像形成装置本体1から取り出される前に、移動機構34、38、39によってクリーニングローラ35が当接位置から離間位置に移動するように構成されている。具体的に、後述するように定着装置20の駆動が停止されると、制御部50によるモータ52の制御によって、クリーニングローラ35が当接位置から離間位置に移動することになる。
そして、図7(A)~(C)に示すように、本実施の形態では、定着装置20が画像形成装置本体1から取り出される動作に連動して、従動ギア34bが画像形成装置本体1の駆動ギア53に噛合した状態から図7の時計方向に回転しながら噛合解除されることになる。そのときに、本実施の形態では、クリーニングローラ35が離間位置に位置した状態が維持されるように構成されている。具体的に、カム34において大半径部M2が形成された角度範囲(本実施の形態では60度程度の範囲である。)が、そのように取り出し時に従動ギア34bが回転する角度よりも大きくなるように設定されている。本実施の形態では、大半径部M2の中央位置(カム角度が290度の位置)がカムフォロア38bに当接した状態でクリーニングローラ35の離間位置が維持されるような狙いで設計されているため、大半径部M2が形成された角度範囲が、取り出し時に従動ギア34bが回転する角度の2倍以上に設定されていることが好ましい。
このように構成することで、定着装置20が画像形成装置本体1に着脱されるときに移動機構34、38、39が動作してしまっても、クリーニングローラ35が離間位置から当接位置に移動してしまう不具合を防止することができる。
なお、本実施の形態では、画像形成装置本体1に対して定着装置20を着脱されるときに、操作者が誤って従動ギア34bに触れてしまわないように、従動ギア34が駆動ギア53に噛合する部分(及び、その近傍)のみが定着装置20から露呈するように、従動ギア34bの大部分を覆うカバー60が設けられている。
ここで、本実施の形態では、図4(B)に示すように、アーム部材38がカム34に当接する当接部と、トーションスプリング39(付勢部材)がアーム部材38を付勢する力点と、の間に支軸38aが位置している。そして、図4(B)に示すように、その当接部から支軸38aまでの距離をAとして、その力点から支軸38aまでの距離をBとしたときに、
A/B≦1.5
なる関係が成立するように構成している。
当接部における回転モーメントと力点における回転モーメントとの釣り合いの関係から、A/Bが小さい方が離間時にアーム部材38側からカム34を押す力が大きくなるので、カム34が回転しにくくなって、予期せぬ外力によってクリーニングローラ35が離間位置から当接位置に移動してしまう不具合を防止しやすい。また、A/Bが大きすぎると、カム34によってカムフォロア38bを大きく移動させないとクリーニングローラ35を充分に離間することができない。
このようなことから、A/Bを上述した範囲に設定することが好ましい。なお、本実施の形態では、A/Bが1.02程度に設定されている。
ここで、図2、図3、図5等を参照して、本実施の形態における定着装置20には、クリーニングローラ35(クリーニング部材)の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ45が設置されている。
詳しくは、温度センサ45は、接触式サーミスタなどの接触式温度センサであって、その検知面がクリーニングローラ35に当接するようにアーム部材38に保持されている。したがって、温度センサ45は、クリーニングローラ35が加圧ローラ31に対して当接した状態であっても離間した状態であっても、常にクリーニングローラ35に接触して、クリーニングローラ35の温度を検知できる。
そして、本実施の形態における定着装置20は、クリーニングローラ35(クリーニング部材)の当接位置(図2の位置である。)から離間位置(図3の位置である。)への移動、又は、クリーニングローラ35の離間位置から当接位置への移動、を移動機構34、38、39によっておこなう場合であって、温度センサ45(温度検知手段)によって検知される温度が所定値Aを超えているときには、加圧ローラ31(クリーニングローラ35が当接する対象である。)が回転している状態で、その移動をおこなうようにしている。
また、クリーニングローラ35の当接位置から離間位置への移動、又は、クリーニングローラ35の離間位置から当接位置への移動、を移動機構34、38、39(移動手段)によっておこなう場合であって、温度センサ45(温度検知手段)によって検知される温度が所定値A以下であるときには、加圧ローラ31(クリーニングローラ35が当接する対象である。)が回転停止している状態で、その移動をおこなうようにしている。
以下、定着装置20における離間時の動作について、詳しく説明する。
図8(A)は、クリーニングローラ35を当接位置から離間位置に移動するときであって、温度センサ45で検知したクリーニングローラ35の温度(検知温度)が所定値A以下であるときの、加圧ローラ31とクリーニングローラ35との動作を示す図である。
図8(A1)に示すように、制御部50に制御された駆動モータ51によって定着ローラ21とともに加圧ローラ31が回転した状態で、加圧ローラ31に当接しているクリーニングローラ35も図の矢印方向に連れ回りしている。そして、制御部50にてクリーニングローラ35を加圧ローラ31から離間するタイミングであると判断されると、まず、図8(A2)に示すように、クリーニングローラ35が当接したまま加圧ローラ31の回転が停止される(駆動モータ51が駆動停止される)。そして、図8(A3)に示すように、回転停止状態の加圧ローラ31からクリーニングローラ35が離間される。
これに対して、図8(B)は、クリーニングローラ35を当接位置から離間位置に移動するときであって、温度センサ45で検知したクリーニングローラ35の温度が所定値Aを超えるときの、加圧ローラ31とクリーニングローラ35との動作を示す図である。
図8(B1)に示すように、制御部50に制御された駆動モータ51によって定着ローラ21とともに加圧ローラ31が回転した状態で、加圧ローラ31に当接しているクリーニングローラ35も図の矢印方向に連れ回りしている。そして、制御部50にてクリーニングローラ35を加圧ローラ31から離間するタイミングであると判断されると、図8(B2)に示すように、加圧ローラ31が回転したまま(駆動モータ51が駆動したまま)でクリーニングローラ35が離間される。そして、図8(B3)に示すように、クリーニングローラ35が離間された後に、加圧ローラ31の回転が停止される(駆動モータ51が駆動停止される)。
このようにクリーニングローラ35を当接位置から離間位置に移動するときに、クリーニングローラ35の温度に応じて、加圧ローラ31を回転停止した状態で離間動作をおこなったり、加圧ローラ31を回転した状態で離間動作をおこなったりすることにより、クリーニングローラ35によるクリーニング性能を良好に維持しつつ、クリーニングローラ35の表面に付着したトナーなど付着物が加圧ローラ31の表面に逆移動してしまう不具合を軽減することができる。
詳しくは、図11(A)(図11(A1)~(A3))に示すように、回転停止した状態の加圧ローラ31からクリーニングローラ35を離間させるときに、クリーニングローラ35の表面に付着したトナーなどの付着物Tの一部T´(図11(A2)中、破線で囲んだ圧接部に位置していた付着物T´である。)が、加圧ローラ31の表面に移動(逆移動)してしまう不具合が生じてしまうことがある。そして、本願発明者は、研究を重ねた結果、このような現象が、その離間動作をおこなうときのクリーニングローラ35の温度が所定値A(以下、適宜に「溶け出し温度」と呼ぶ。)に達しているか否かによって、発生したりしなかったりすることを知得した。この現象は、クリーニングローラ35に担持された付着物T(トナー)が、クリーニングローラ35とともに高温(溶け出し温度)に達することで、加圧ローラ31側に溶け出すように移動(オフセット)するものである。
したがって、上述した所定値A(溶け出し温度)は、加圧ローラ31の表面からクリーニングローラ35の表面に移動した付着物(主として、トナーである。)が加圧ローラ31の表面に逆移動する現象が生じない上限温度となる。
そして、そのような現象が生じてしまうと、加圧ローラ31の表面が汚れてしまって、定着ニップに搬送されるシートPを汚してしまったり、シートPに担持された画像の一部が欠損してしまったりしてしまうことになる。さらに、そのような付着物の逆移動が生じることにより、図11(A3)に示すように、クリーニングローラ35の表面に付着した付着物の層が不均一になってしまって、その後にクリーニングローラ35が加圧ローラ31に当接されたときに、クリーニングローラ35の回転不良によるクリーニング不良が生じてしまうことになる。
これに対して、本実施の形態では、クリーニングローラ35の温度が所定値A(溶け出し温度)に達していて、付着物T´の逆移動が生じそうなときに、加圧ローラ31を回転させた状態でクリーニングローラ35を離間しているため、クリーニングローラ35に局所的な圧接部が生じることなくクリーニングローラ35が離間されて、そのような不具合の発生が軽減される。
また、本実施の形態では、クリーニングローラ35の温度が所定値A(溶け出し温度)に達しておらず、付着物T´の逆移動が生じにくいときに、加圧ローラ31を回転停止した状態でクリーニングローラ35を離間している。そのため、加圧ローラ31が回転した状態でクリーニングローラ35が離間されることで、クリーニングローラ35が離間された瞬間から加圧ローラ31が回転停止されるまでの間に、クリーニングローラ35による加圧ローラ31のクリーニングができない状態になってしまう不具合を抑止することができる。
すなわち、付着物T´の逆移動が生じやすい高温時のみ、加圧ローラ31を回転させながらクリーニングローラ35を離間して、それ以外のときには、加圧ローラ31を回転停止させた後にクリーニングローラ35を離間してクリーニング性能がフルに発揮されるようにしている。
次に、定着装置20における当接時の動作について、詳しく説明する。
図9(A)は、クリーニングローラ35を離間位置から当接位置に移動するときであって、温度センサ45で検知したクリーニングローラ35の温度(検知温度)が所定値A以下であるときの、加圧ローラ31とクリーニングローラ35との動作を示す図である。
図9(A1)に示すように、制御部50に制御された駆動モータ51によって定着ローラ21とともに加圧ローラ31が回転停止した状態で、加圧ローラ31からクリーニングローラ35が離間している。そして、制御部50にてクリーニングローラ35を加圧ローラ31に当接するタイミングであると判断されると、まず、図9(A2)に示すように、加圧ローラ31が回転停止されたまま(駆動モータ51が駆動停止されたまま)、加圧ローラ31にクリーニングローラ35が当接される。そして、図9(A3)に示すように、クリーニングローラ35が当接された後に、加圧ローラ31が回転される(駆動モータ51が駆動される)。
これに対して、図9(B)は、クリーニングローラ35を離間位置から当接位置に移動するときであって、温度センサ45で検知したクリーニングローラ35の温度が所定値Aを超えるときの、加圧ローラ31とクリーニングローラ35との動作を示す図である。
図9(B1)に示すように、制御部50に制御された駆動モータ51によって定着ローラ21とともに加圧ローラ31が回転停止した状態で、加圧ローラ31からクリーニングローラ35が離間している。そして、制御部50にてクリーニングローラ35を加圧ローラ31に当接するタイミングであると判断されると、まず、図9(B2)に示すように、クリーニングローラ35が離間されたまま、加圧ローラ31が回転される(駆動モータ51が駆動される)。そして、図9(B3)に示すように、回転状態の加圧ローラ31にクリーニングローラ35が当接される。
このようにクリーニングローラ35を離間位置から当接位置に移動するときに、クリーニングローラ35の温度に応じて、加圧ローラ31を回転停止した状態で当接動作をおこなったり、加圧ローラ31を回転した状態で当接動作をおこなったり、することにより、クリーニングローラ35によるクリーニング性能を良好に維持しつつ、クリーニングローラ35の表面に付着したトナーなど付着物が加圧ローラ31の表面に逆移動してしまう不具合を軽減することができる。
詳しくは、図11(B)(図11(B1)~(B3))に示すように、回転停止した状態の加圧ローラ31にクリーニングローラ35を当接させるときに、クリーニングローラ35の表面に付着したトナーなどの付着物Tの一部T´(図11(B2)中、破線で囲んだ圧接部に位置することになる付着物T´である。)が、加圧ローラ31の表面に移動(逆移動)してしまう不具合が生じてしまうことがある。そして、本願発明者は、研究を重ねた結果、このような現象が、その当接動作をおこなうときのクリーニングローラ35の温度が所定値A(溶け出し温度)に達しているか否かによって、発生したりしなかったりすることを知得した。この現象は、クリーニングローラ35に担持された付着物T(トナー)が、クリーニングローラ35とともに高温(溶け出し温度)に達することで、加圧ローラ31側に溶け出すように移動(オフセット)するものであって、離間時のメカニズムとほぼ同じである。
そして、そのような現象が生じてしまうと、加圧ローラ31の表面が汚れてしまって、定着ニップに搬送されるシートPを汚してしまったり、シートPに担持された画像の一部が欠損してしまったりしてしまうことになる。さらに、そのような付着物の逆移動が生じることにより、図11(B3)に示すように、クリーニングローラ35の表面に付着した付着物の層が不均一になってしまって、クリーニングローラ35の回転不良によるクリーニング不良が生じてしまうことになる。
これに対して、本実施の形態では、クリーニングローラ35の温度が所定値A(溶け出し温度)に達していて、付着物T´の逆移動が生じそうなときに、加圧ローラ31を回転させた状態でクリーニングローラ35を当接させているため、クリーニングローラ35に局所的な圧接部が生じることなくクリーニングローラ35が当接されて、そのような不具合の発生が軽減される。
また、本実施の形態では、クリーニングローラ35の温度が所定値A(溶け出し温度)に達しておらず、付着物T´の逆移動が生じにくいときに、加圧ローラ31を回転停止した状態でクリーニングローラ35を当接させている。そのため、加圧ローラ31が回転した状態でクリーニングローラ35が当接されることで、加圧ローラ31が回転開始されてからクリーニングローラ35が当接されるまでの間に、クリーニングローラ35による加圧ローラ31のクリーニングができない状態になってしまう不具合を抑止することができる。
すなわち、付着物T´の逆移動が生じやすい高温時のみ、加圧ローラ31を回転させながらクリーニングローラ35を当接させて、それ以外のときには、加圧ローラ31を回転停止した状態でクリーニングローラ35を当接させてクリーニング性能がフルに発揮されるようにしている。
なお、上述した「溶け出し温度」は、使用するトナーや、紙粉の成分などによっても変化するものである。したがって、使用するトナーが異なる機種ごとに上述した所定値Aを最適な値に設定したり、搬送されるシートPに応じて上述した所定値Aを可変したり、することもできる。
また、本実施の形態では、クリーニングローラ35の表面温度を直接的に検知する温度センサ45(温度検知手段)の検知温度に基づいて、加圧ローラ31を回転停止した状態でクリーニングローラ35の接離動作をおこなうか、加圧ローラ31を回転した状態でクリーニングローラ35の接離動作をおこなうかを判断した。
これに対して、加圧ローラ31の表面温度の変化とクリーニングローラ35の表面温度の変化との相関が高くて、加圧ローラ31の温度を検知することでクリーニングローラ35の温度を間接的に検知できる場合には、加圧ローラ31の温度を検知する温度センサ41(温度検知手段)の検知温度に基づいて、加圧ローラ31を回転停止した状態でクリーニングローラ35の接離動作をおこなうか、加圧ローラ31を回転した状態でクリーニングローラ35の接離動作をおこなうかを判断することもできる。そのように構成した場合には、温度センサの数を減ずることができるため、装置を低コスト化、小型化することが可能になる。
ここで、図10を参照して、本実施の形態では、クリーニングローラ35(クリーニング部材)の離間位置から当接位置への移動は、一連の定着工程(印刷動作)が開始される前におこなっている。具体的に、図10(A)、(B)に示すように、温度センサ45の検知温度が所定値Aを超えているか所定値A以下であるかに関わらず、一連の定着工程(印刷動作)がおこなわれるときには、離間状態のクリーニングローラ35が当接状態になっていることになる。すなわち、定着工程前のウォーミングアップ時に、温度センサ45の検知温度に基づいて、加圧ローラ31を回転停止した状態でクリーニングローラ35の当接動作をおこなったり、加圧ローラ31を回転した状態でクリーニングローラ35の当接動作をおこなったりすることになる。
同様に、クリーニングローラ35の当接位置から離間位置への移動は、一連の定着工程(印刷動作)が終了した後におこなっている。具体的に、図10(A)、(B)に示すように、温度センサ45の検知温度が所定値Aを超えているか所定値A以下であるかに関わらず、一連の定着工程(印刷動作)が終了した後には、最終的に、当接状態のクリーニングローラ35が離間状態になっていることになる。すなわち、定着工程後のクールダウン時に、温度センサ45の検知温度に基づいて、加圧ローラ31を回転停止した状態でクリーニングローラ35の離間動作をおこなったり、加圧ローラ31を回転した状態でクリーニングローラ35の離間動作をおこなったりすることになる。
このような制御をおこなうことで、良好な定着工程を維持しつつ、上述した種々の効果が発揮されることになる。
<変形例1>
図12(A)は、変形例1としてのカム34を示す概略図であって、本実施の形態における図6(A)に対応する図である。また、図12(B)は、そのカム34のカム面の形状を示すカム曲線であって、本実施の形態における図6(B)に対応する図である。変形例1における定着装置20は、移動機構におけるカム34のカム面の形状が、本実施の形態のものと相違する。
変形例1では、移動機構34、38、39の動作によってクリーニングローラ35(クリーニング部材)が離間位置から当接位置に移動されるときに、クリーニングローラ35が当接位置に位置しているときに比べてトーションスプリング39(付勢部材)の付勢力が大きい状態が続いた後に小さくなるように構成されている。
すなわち、クリーニングローラ35が離間位置に位置しているときに、トーションスプリング39の付勢力が最大となり、移動機構34、38、39の動作によってクリーニングローラ35が離間位置から当接位置に移動されるときに、トーションスプリング39による最大の付勢力に抗する状態が移動機構(カム34)の所定の動作範囲(回動範囲)以上維持されるように構成されている。
詳しくは、先に説明したクリーニングローラ35が離間位置から当接位置に移動する動作において、モータ52の駆動によってカム34が時計方向に回動されと、カム34の大半径部N2(カム半径が最も大きい部分であって、図12参照)がカムフォロア38bに当接した状態が暫く続き、トーションスプリング39の付勢力が最大な状態が続くことになる。その後、カム34の時計方向の回動が充分に進められると、カム34の半径が漸減していくのにともない、トーションスプリング39の付勢力が漸減していって、アーム部材38が支軸38aを中心に反時計方向に回動していく。そして、最終的に、カム34の最小半径部N1(図12参照)がカムフォロア38bに当接した状態になって、トーションスプリング39の付勢力によってクリーニングローラ35が加圧ローラ31に当接することになる。
そして、クリーニングローラ35が当接位置から離間位置に移動する動作時には、その逆の動作がおこなわれることになる。
このように構成した場合、移動機構34、38、39に予期せぬ外力が加わってしまっても、カム34の最大半径部N2の範囲外にカムフォロア38bが当接するまでカム34が回転しない限り、クリーニングローラ35が離間位置から当接位置に移動することはない。
また、カム34において最大半径部N2が形成された角度範囲は、先に図7を用いて説明した、取り出し時に従動ギア34bが回転する角度よりも、充分に大きくなるように設定されているため、定着装置20の着脱操作によって、そのような不具合が生じることもない。
なお、図12に示すように、変形例1において、カム34は、そのカム面(外周面)において、クリーニングローラ35を離間位置に位置させるための最大半径部N2がカム軸34aを中心にして60度以上の範囲(変形例1では、ほぼ120度の範囲である。)で形成されている。
このようにカム34において最大半径部N2を60度以上の範囲で形成することで、先に説明した効果が充分に発揮されることになる。
<変形例2>
図13は、変形例2としての定着装置20の要部を示す構成図であて、本実施の形態における図2に対応する図である。
図13に示すように、変形例2では、クリーニングローラ35(クリーニング部材)が定着回転体としての定着ローラ21の表面に当接して定着ローラ21の表面をクリーニングするように構成されている。
そして、変形例2でも、本実施の形態のもの(又は、変形例1)と同様に、移動機構におけるカム34が形成されている。
このように構成した場合には、移動機構34、38、39によってクリーニングローラ35を離間した状態を維持できずに、定着ローラ21から離間すべきクリーニングローラ35が定着ローラ21に当接してしまう不具合を生じにくくすることができる。
そして、変形例2でも、本実施の形態のものと同様に、温度センサ45によって検知されるクリーニングローラ35の温度(又は、温度センサ40によって検知される定着ローラ21の温度)が所定値A´を超えているときには、定着ローラ21が回転している状態で、クリーニングローラ35の接離がおこなわれる。また、温度センサ45(又は、温度センサ40)によって検知される温度が所定値A´以下であるときには、定着ローラ21が回転停止している状態で、クリーニングローラ35の接離がおこなわれる。この場合、上述した所定値A´(溶け出し温度)は、定着ローラ21の表面からクリーニングローラ35の表面に移動した付着物(主として、トナーである。)が定着ローラ21の表面に逆移動する現象が生じない上限温度となる。
そして、このように構成した場合には、クリーニングローラ35によるクリーニング性能を良好に維持しつつ、クリーニングローラ35の表面に付着した付着物が定着ローラ21の表面に逆移動してしまう不具合を軽減することができる。
<変形例3>
図14は、変形例3としての定着装置20を示す構成図であって、本実施の形態における図2に対応する図である。
本実施の形態では、熱ヒータ方式のローラ式定着装置20に対して本発明を適用したが、本発明が適用される定着装置20はこのような方式のものに限定されることなく、種々の方式の定着装置に設置することができる。
例えば、図14(A)に示すように、熱ヒータ方式のベルト式定着装置20(定着回転体として定着ベルト22が用いられた定着装置である。)に対しても、本発明を適用することもできる。なお、そのような場合に、定着ベルト22は、定着補助ローラ23、加熱ローラ24、テンションローラなどの複数のローラ部材によって張架・支持されたものとなる。また、定着補助ローラ23は、定着ベルト22を介して加圧ローラ31に圧接してニップ部を形成することになる。さらに、中空構造の加熱ローラ24の内部に、ヒータ25が固設されることになる。
また、図14(B)に示すように、電磁誘導方式(IH方式)のローラ式定着装置20に対しても、本発明を適用することもできる。なお、そのような場合に、定着ローラ21は、芯金部上に、弾性層、励磁コイルが巻装された誘導加熱部70によって電磁誘導加熱される発熱層、離型層などが積層されたものとなる。
また、図示は省略するが、抵抗発熱方式のローラ式定着装置に対しても、本発明を適用することもできる。なお、そのような場合に、定着ローラは、芯金部における中空部に抵抗発熱体が当接するように設置され、芯金部上に弾性層や離型層などが積層されたものとなる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施の形態における定着装置20は、クリーニングローラ35(クリーニング部材)を、加圧ローラ31(加圧回転体)の表面に当接する当接位置と、その表面から離れる離間位置と、の間で移動させる移動機構34、38、39が設けられている。移動機構34、38、39は、クリーニングローラ35を当接位置に移動させるように付勢するトーションスプリング39(付勢部材)を具備して、トーションスプリング39の付勢力に抗するようにクリーニングローラ35を当接位置から離間位置に移動させる。そして、移動機構34、38、39の動作によってクリーニングローラ35が離間位置から当接位置に移動されるときに、クリーニングローラ35が当接位置に位置しているときに比べてトーションスプリング39の付勢力が大きい状態からさらに大きくなった後に小さくなるように構成されている。
これにより、移動機構34、38、39によってクリーニングローラ35を離間した状態を維持できずに、加圧ローラ31から離間すべきクリーニングローラ35が加圧ローラ31に当接してしまう不具合を生じにくくすることができる。
なお、本実施の形態では、加圧回転体として加圧ローラ31を用いたが、加圧回転体として加圧ベルトを用いることもできる。
また、本実施の形態では、加圧ローラ31(又は、定着ローラ21)に対してクリーニングローラ35(クリーニング部材)を接離する移動機構としてカム機構34、38、39を用いたが、移動機構はこれに限定されることなく、例えば、移動機構としてソレノイドを用いたものを用いることもできる。
また、本実施の形態では、クリーニングローラ35(アーム部材38)を当接位置に向けて付勢する付勢部材としてトーションスプリング39(ねじりコイルばね)を用いたが、付勢部材はこれに限定されることなく、例えば、付勢部材として圧縮スプリングや引張スプリングや板バネなどを用いることもできる。
また、本実施の形態における定着装置において、離間位置に移動したクリーニングローラ35(クリーニング部材)に当接して、クリーニングローラ35を冷却する冷却部材を設置して、クリーニングローラ35が高温に達しにくくなるようにすることもできる。
また、本実施の形態では、クリーニング部材としてクリーニングローラ35を用いたが、クリーニング部材はこれに限定されることなく、クリーニング部材としてクリーニングブレードなどを用いることもできる。
そして、それらのような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
なお、本願明細書等において、「幅方向」とは、シートの搬送方向に対して直交する方向であるものと定義する。
また、本願明細書等において、「シート」とは、通常の紙(用紙)の他に、コート紙、ラベル紙、OHPシート、フィルムシート等のシート状の記録媒体のすべてを含むものと定義する。
また、本願明細書等において、「一連の定着工程」とは、1枚又は複数枚のシートにトナー像を加熱・定着する定着工程であって、定着装置が途中で駆動停止することなく連続的に駆動され続けながら1枚又は複数枚のシートに対しておこなわれる定着工程であるものと定義する。
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
20 定着装置、
21 定着ローラ(定着回転体)、
25 ヒータ(加熱手段)、
31 加圧ローラ(加圧回転体)、
34 カム、
34a カム軸、
34b 従動ギア、
35 クリーニングローラ(クリーニング部材)、
38 アーム部材(移動機構)、
38a 支軸(回転軸)、
38b カムフォロア、
38c 引掛部、
39 トーションスプリング(付勢部材)、
45 温度センサ(温度検知手段)、
48 ユニット側板、
49 ガイド部材、
52 モータ(移動機構)、
53 駆動ギア、
60 カバー、
M1 最小半径部、 M2 大半径部、 M3 最大半径部、
N1 最小半径部、 N2 最大半径部、
P シート(記録媒体)。
特開平11-242402号公報

Claims (8)

  1. トナー像を加熱してシートの表面に定着する定着回転体と、
    前記定着回転体に圧接することでシートが搬送されるニップ部を形成する加圧回転体と、
    前記定着回転体又は前記加圧回転体の表面に当接して当該表面をクリーニングするクリーニング部材と、
    前記クリーニング部材を、前記定着回転体又は前記加圧回転体の前記表面に当接する当接位置と、当該表面から離れる離間位置と、の間で移動させる移動機構と、
    を備え、
    前記移動機構は、前記クリーニング部材を前記当接位置に移動させるように付勢する付勢部材を具備して、前記付勢部材の付勢力に抗するように前記クリーニング部材を前記当接位置から前記離間位置に移動させ、
    前記移動機構の動作によって前記クリーニング部材が前記離間位置から前記当接位置に移動されるときに、前記クリーニング部材が前記当接位置に位置しているときに比べて前記付勢部材の付勢力が大きい状態からさらに大きくなった後に小さくなるように構成されたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記移動機構は、
    カム軸を中心に回動可能なカムと、
    前記クリーニング部材を保持するとともに、前記カムに当接可能に構成されて、支軸を中心に回動可能なアーム部材と、
    前記クリーニング部材が前記当接位置に移動するように、前記アーム部材を付勢して回動させる前記付勢部材と、
    を具備し、
    前記カムは、そのカム面において、前記クリーニング部材を前記離間位置に位置させるための大半径部が前記カム軸を中心にして60度以上の範囲で形成されて、前記大半径部に隣接する部分に前記大半径部に比べて半径が大きな最大半径部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記移動機構は、
    カム軸を中心に回動可能なカムと、
    前記クリーニング部材を保持するとともに、前記カムに当接可能に構成されて、支軸を中心に回動可能なアーム部材と、
    前記クリーニング部材が前記当接位置に移動するように、前記アーム部材を付勢して回動させる前記付勢部材と、
    前記カム軸とともに回転可能な従動ギアと、
    を具備し、
    当該定着装置が画像形成装置本体から取り出される前に、前記移動機構によって前記クリーニング部材が前記当接位置から前記離間位置に移動されて、
    当該定着装置が前記画像形成装置本体から取り出される動作に連動して、前記従動ギアが前記画像形成装置本体の駆動ギアに噛合した状態から回転しながら噛合解除されるときに、前記クリーニング部材が前記離間位置に位置した状態が維持されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記移動機構は、
    カム軸を中心に回動可能なカムと、
    前記クリーニング部材を保持するとともに、前記カムに当接可能に構成されて、支軸を中心に回動可能なアーム部材と、
    前記クリーニング部材が前記当接位置に移動するように、前記アーム部材を付勢して回動させる前記付勢部材と、
    を具備し、
    前記アーム部材が前記カムに当接する当接部と、前記付勢部材が前記アーム部材を付勢する力点と、の間に前記支軸が位置し、
    前記当接部から前記支軸までの距離をAとして、前記力点から前記支軸までの距離をBとしたときに、
    A/B≦1.5
    なる関係が成立することを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記付勢部材は、一端側の腕部が前記アーム部材に引っ掛けられたトーションスプリングであり、
    前記アーム部材は、前記カムに当接するカムフォロアを具備したことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記クリーニング部材の温度、又は、前記クリーニング部材が当接する前記定着回転体又は前記加圧回転体の温度、を検知する温度検知手段を備え、
    前記クリーニング部材の前記当接位置から前記離間位置への移動、又は、前記クリーニング部材の前記離間位置から前記当接位置への移動、を前記移動機構によっておこなう場合であって、前記温度検知手段によって検知される温度が所定値を超えているときには、前記クリーニング部材が当接する前記定着回転体又は前記加圧回転体が回転している状態で、その移動をおこない、
    前記クリーニング部材の前記当接位置から前記離間位置への移動、又は、前記クリーニング部材の前記離間位置から前記当接位置への移動、を前記移動機構によっておこなう場合であって、前記温度検知手段によって検知される温度が前記所定値以下であるときには、前記クリーニング部材が当接する前記定着回転体又は前記加圧回転体が回転停止している状態で、その移動をおこなうことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記クリーニング部材は、所定方向に回転している前記定着回転体又は前記加圧回転体に当接した状態のとき前記定着回転体又は前記加圧回転体とともに回転するクリーニングローラであることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の定着装置。
  8. 請求項1~請求項7のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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