JP7157975B2 - タンパク質溶出防止剤およびその製造方法 - Google Patents
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Description
魚皮由来のコラーゲンを含むタンパク質溶出防止剤であって、
前記コラーゲンは、内面未修飾のフューズドシリカキャピラリー(内径50μm、長さ62.5cm、有効長50cm)、印加電圧25kV、50mM ホウ酸緩衝液(pH10.5)でのキャピラリー電気泳動において、電気泳動移動度(μep)として、10.0cm2・min-1・kV-1以下を示すことを特徴とする。
魚皮を希薄強酸処理または希薄強アルカリ処理する第一工程と、
前記希薄強酸処理した魚皮を希薄強アルカリ処理する、または前記希薄強アルカリ処理し魚皮を希薄強酸処理する第二工程と、
前記第二工程で得られた魚皮から希薄弱酸溶液を用いてコラーゲンを抽出する第三工程と、
前記第三工程で抽出したコラーゲンを限外ろ過法或いは透析法により精製する第四工程
を有することが好ましい。
(実施例1)
クロマグロ皮の赤身部分のみをヘラでそぎ落としたのち、1辺が2~3cmの正方形になるように切断した。この断片を1kg量り採り、10Lの0.1Nの希塩酸溶液に20℃で24時間浸漬した(第一工程)。
クロマグロ皮の赤身部分のみをヘラでそぎ落としたのち、1辺が2~3cmの正方形になるように切断した。この断片を1kg量り採り、10Lの0.1Nの希塩酸溶液に20℃で24時間浸漬した(第一工程)。希塩酸溶液は攪拌機を用いて緩やかに循環させた。
(実施例3)
実施例1で得られたタンパク質溶出防止剤を、10%ポリアクリルアミドゲルを用いて、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行ったのち、クマシーブリリアントブルーR250でタンパク質バンドを検出した。これらの結果を図1に示す。なお、図1ではレーン1が実施例1で得られたタンパク質溶出防止剤の2-メルカプトエタノール存在下加熱条件(95℃、10分間)で前処理した試料、レーン2は2-メルカプトエタノール非存在下非加熱条件で前処理した試料を示す。
実施例1で得られたタンパク質溶出防止剤の溶解性を検討した。実施例1で得られたタンパク質溶出防止剤を凍結乾燥することにより、29.6gのコラーゲン乾燥物が得られた。コラーゲン乾燥物400mg(コラーゲンとして211mgを含有する)に1mLの常温の水を加え、固形分濃度が20%のコラーゲン溶液を得た。
実施例1で得られたタンパク質溶出防止剤の円偏光二色性(CD)スペクトルを測定した。実施例1で得られたタンパク質溶出防止剤を0.3%クエン酸-0.05%クエン酸二ナトリウム溶液で0.003mg/mLに希釈し、光路長1mmのセルを用いて、日本分光株式会社製 円二色性分散計「J-820」を用いて10℃における円偏光二色性スペクトルを分析した。
実施例1で得られたタンパク質溶出防止剤(以下、本発明品)および比較品1の保湿効果を検証のために、角層水分量を指標とした保湿試験を行った。前腕部をドライヤーの冷風にて1分間乾燥させ、携帯型皮膚水分計モバイルモイスチャーHP10-Nにて角層水分量を測定した(ベースライン)。
実施例1および2で得られたタンパク質溶出防止剤(以下、本発明品)ならびに比較品1をキャピラリー電気泳動によって分析し、以下の式により電気泳動移動度(μep)を算出した。その結果を表1に示す。なお、表中、「t-0」は中性物質の移動時間を示し、「t-Protein」は、標的タンパク質の移動時間を示す。
電気泳動移動度(μep)(cm2min-1kV-1)
=キャピラリー全長(cm) x キャピラリー有効長 (cm) x ((中性物質の移動時間(min))-1-(試料の移動時間(min))-1)/印加電圧(kV)
また、キャピラリー電気泳動の条件は、以下のとおり。
キャピラリー:内面未修飾のフューズドシリカキャピラリー(ジーエルサイエンス社製、内径50μm、長さ62.5cm、有効長50cm)
試料注入:落差法(2.5cmx30秒)
印加電圧:25kV
検出波長:200nm
泳動液:50mM ホウ酸緩衝液(pH10.5)
次に本発明に係るタンパク質溶出防止剤の効果についての実施例を示す。
(実施例8)
試験用の毛髪としてBeaulax社人毛黒髪(1g、10cm)を使用した。以下、試験毛髪と呼ぶ。この試験毛髪に対して以下の4つの試験を行い、使用した溶液中のコラーゲンを調べた。
(2)試験毛髪をクエン酸に浸漬した後、水洗いしたもの。
(3)試験毛髪をI型コラーゲン溶液に浸漬した後、水洗いしたもの。
(4)試験毛髪をコラーゲンペプチド溶液に浸漬した後、水洗いしたもの。
以下各試料について詳細を説明する。
クロマグロおよびブリの皮から実施例1の方法によって得た構造緩和クロマグロコラーゲンと構造緩和ブリコラーゲンを得た。構造緩和クロマグロコラーゲンと構造緩和ブリコラーゲンは、Amicon Ultra Centrifugal Filters 100kD-0.5mL(Merck)を用いて4℃、13000rpmで10分間遠心分離し、30μMクエン酸溶液を加えさらに遠心分離し溶媒置換を行った。溶媒置換は3回行い、その後タンパク質定量し6.0μg/mLとなるよう、30μMクエン酸溶液で希釈した。なお、タンパク質定量は、Qubit Protein Assay KitとQubit 2.0 Fluorometer(ライフテクノロジーズジャパン株式会社)を用いて添付の推奨プロトコルにより行った。
クエン酸溶液を比較例1とした。30μMクエン酸溶液10mLに、30分間試験毛髪を浸漬した。その後試験毛髪を取り出して水10mLに30分試験毛髪を浸漬した。その後試験毛髪を取り出した。
市販のI型コラーゲン(キハダマグロ由来)をAmicon Ultra Centrifugal Filters 100kD-0.5mL(Merck)を用いて4℃、13000rpmで10分間遠心分離し、30μMクエン酸溶液を加えさらに遠心分離し溶媒置換を行った。溶媒置換は3回行い、その後タンパク質定量し6.0μg/mLとなるよう、30μMクエン酸溶液で希釈した。なお、タンパク質定量は、Qubit Protein Assay KitとQubit 2.0 Fluorometer(ライフテクノロジーズジャパン株式会社)を用いて添付の推奨プロトコルにより行った。これにより、I型コラーゲンとクエン酸溶液を含む比較例7-2のI型コラーゲン溶液を得た。
市販のコラーゲンぺプチド(固体)の重量を測定し30μMクエン酸に溶解させ、その後タンパク質定量し6.0μg/mLとなるよう、30μMクエン酸溶液で希釈し、比較例7-3のコラーゲンペプチド溶液を得た。
Claims (6)
- 魚皮由来のコラーゲンを含むタンパク質溶出防止剤であって、
前記コラーゲンは、内面未修飾のフューズドシリカキャピラリー(内径50μm、長さ62.5cm、有効長50cm)、印加電圧25kV、50mM ホウ酸緩衝液(pH10.5)でのキャピラリー電気泳動において、電気泳動移動度(μep)として、10.0cm2・min-1・kV-1以下を示すタンパク質溶出防止剤。 - 前記コラーゲンは、円偏光二色性(CD)スペクトルが207~210nmで負の極大を示し、200nmで正の値を示す請求項1に記載されたタンパク質溶出防止剤。
- 前記コラーゲンは、肌への塗布後20分後の水分値が塗布前と比較して1.1倍以上である保湿性を有する請求項1または2の何れかの請求項に記載されたタンパク質溶出防止剤。
- 前記コラーゲンは、分子量90000以上のコラーゲン含量が固形分でタンパク質量に対して70%以上である請求項1乃至3の何れか一の請求項に記載されたタンパク質溶出防止剤。
- 前記魚皮の由来はマグロ類若しくはブリ類である請求項1乃至4の何れか一の請求項に記載されたタンパク質溶出防止剤。
- 魚皮を希薄強酸処理または希薄強アルカリ処理する第一工程と、
前記希薄強酸処理した魚皮を希薄強アルカリ処理する、または前記希薄強アルカリ処理し魚皮を希薄強酸処理する第二工程と、
前記第二工程で得られた魚皮から希薄弱酸溶液を用いてコラーゲンを抽出する第三工程と、
前記第三工程で抽出したコラーゲンを限外ろ過法或いは透析法により精製する第四工程を含み、前記第二工程と第三工程の間には酵素処理を含まないタンパク質溶出防止剤の製造方法。
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