JP7151576B2 - 回転電機用ロータの製造方法及び回転電機用ロータ - Google Patents

回転電機用ロータの製造方法及び回転電機用ロータ Download PDF

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Description

本開示は、回転電機用ロータの製造方法及び回転電機用ロータに関する。
ロータシャフトの中空部を油路として用いる回転電機が知られている。
特開2010-239734号公報
しかしながら、従来技術では、ロータシャフトの中空部内において油の溜まりを適切に実現することが難しい。
具体的には、ロータシャフトの中空部を形成する内周面に、内径が局所的に小さくなる堰部を形成できれば、ロータシャフトの中空部に、油が溜まることができる凹部が形成され、油の溜まりが適切に促進されるので有用である。ところが、ロータシャフトの中空部は深い凹部を形成するには加工が困難であり、また、堰部を形成できるような部材(別部品)を固定するとコストアップとなる。
そこで、1つの側面では、本発明は、ロータシャフトの中空部内において油の溜まりを適切に実現することを目的とする。
1つの側面では、軸方向に開口する中空部を有する第1シャフト素材と、軸方向に開口する中空部を有する第2シャフト素材とを、軸まわりに回転させながら、軸方向の端部の端面同士を軸方向に突き合わせて荷重を加えることで、前記第1シャフト素材及び前記第2シャフト素材を接合させる接合工程と、
前記接合工程の後に、前記第1シャフト素材及び前記第2シャフト素材の接合部の外周面を平滑にする平滑化工程と、
前記平滑化工程の後に、前記第1シャフト素材及び前記第2シャフト素材をロータコアと一体化する工程とを含む、回転電機用ロータの製造方法が提供される。
1つの側面では、本発明によれば、ロータシャフトの中空部内において油の溜まりを適切に実現することが可能となる。
実施例1によるモータの断面構造を概略的に示す断面図である。 実施例1(実施例2も同様)によるロータの製造方法の流れを示す概略フローチャートである。 図2に示す準備工程における実施例1によるロータシャフト形成部材の状態を概略的に示す断面図である。 図2に示す接合工程後の実施例1によるロータシャフト形成部材の状態を概略的に示す断面図である。 図2に示す外周面の平滑化工程後の実施例1によるロータシャフト形成部材の状態を概略的に示す断面図である。 図2に示す噴出孔形成工程後の実施例1によるロータシャフト形成部材の状態を概略的に示す断面図である。 図2に示す嵌合工程後の実施例1によるロータシャフト形成部材の状態を概略的に示す断面図である。 実施例2によるモータの断面構造を概略的に示す断面図である。 図2に示す準備工程における実施例2によるロータシャフト形成部材の状態を概略的に示す断面図である。 図2に示す接合工程後の実施例2によるロータシャフト形成部材の状態を概略的に示す断面図である。 図2に示す外周面の平滑化工程工程後の実施例2によるロータシャフト形成部材の状態を概略的に示す断面図である。 図2に示す噴出孔形成工程後の実施例2によるロータシャフト形成部材の状態を概略的に示す断面図である。 図2に示す嵌合工程後の実施例2によるロータシャフト形成部材の状態を概略的に示す断面図である。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
図1は、一実施例(実施例1)によるモータ1(回転電機の一例)の断面構造を概略的に示す断面図である。
図1には、モータ1の回転軸12が図示されている。以下の説明において、軸方向とは、モータ1の回転軸(回転中心)12が延在する方向を指し、径方向とは、回転軸12を中心とした径方向を指す。従って、径方向外側とは、回転軸12から離れる側を指し、径方向内側とは、回転軸12に向かう側を指す。また、周方向とは、回転軸12まわりの回転方向に対応する。
モータ1は、例えばハイブリッド車両や電気自動車で使用される車両駆動用のモータであってよい。ただし、モータ1は、他の任意の用途に使用されるものであってもよい。
モータ1は、インナロータタイプであり、ステータ21がロータ30の径方向外側を囲繞するように設けられる。ステータ21は、径方向外側がモータハウジング10に固定される。ステータ21は、例えば円環状の強磁性体の積層鋼板からなり、ステータ21の内周部には、コイル22が巻回される複数のスロット(図示せず)が形成される。
ロータ30は、ステータ21の径方向内側に配置される。ロータ30は、ロータコア32と、ロータシャフト34とを備える。ロータコア32は、ロータシャフト34の径方向外側に固定され、ロータシャフト34と一体となって回転する。ロータシャフト34は、モータハウジング10にベアリング14a、14bを介して回転可能に支持される。なお、ロータシャフト34は、モータ1の回転軸12を画成する。
ロータシャフト34は、車輪に動力を伝達する動力伝達機構60に連結される。すなわち、ロータシャフト34には、モータ1の回転トルクを車軸(図示せず)に伝達するための動力伝達機構60が接続される。図1には、当該動力伝達機構60の一部を形成する軸部材61が図示されている。なお、動力伝達機構60は、減速機構や、差動歯車機構、クラッチ、変速機等を含んでよい。図1に示す例では、軸部材61は、ロータシャフト34の径方向外側にスプライン結合される。この場合、ロータシャフト34の端部の径方向外側の周面には、スプライン結合部(複数の軸方向の凸条からなる歯車部)を形成する動力伝達部345を有することになる。なお、軸部材61は、ロータシャフト34の径方向内側にスプライン結合されてもよい。
ロータコア32は、例えば円環状の強磁性体の積層鋼板からなる。ロータコア32の内部には、永久磁石321が埋め込まれてよい。あるいは、永久磁石321は、ロータコア32の外周面に埋め込まれてもよい。なお、永久磁石321が設けられる場合、永久磁石321の配列等は任意である。
ロータコア32の軸方向の両側には、エンドプレート35A、35Bが取り付けられる。エンドプレート35A、35Bは、ロータコア32を支持する支持機能の他、ロータ30のアンバランスの調整機能(切削等されることでアンバランスを無くす機能)を有してよい。
ロータシャフト34は、図1に示すように、中空部34Aを有する。中空部34Aは、ロータシャフト34の軸方向の全長にわたり延在する。
ロータシャフト34は、図1に示すように、軸方向で、ロータコア32が設けられる区間SC1の部位と、ベアリング14a、14bが設けられる区間SC2の部位と、後述する第1噴出孔341及び第2噴出孔342が設けられる区間SC3の部位とを含む。区間SC2は、軸方向の両端部にそれぞれ延在し、区間SC3は、軸方向で区間SC1と区間SC2との間に延在する。従って、区間SC3における区間SC1側の境界は、ロータコア32の軸方向の端面位置に対応する。
本実施例では、一例として、ロータシャフト34は、区間SC2において、外周面が径方向内側に凹む形態である。ベアリング14a、14bは、ロータシャフト34の外周面の凹部34Bに設けられる。なお、凹部34Bは、図1に示すように、軸方向でロータシャフト34の両端部に位置する。
ロータシャフト34は、径方向内側に凸となる凸状部位347を周方向に沿って有する。本実施例では、後述するように、ロータシャフト34は、軸方向に接合された2つのピース34a、34bからなり、凸状部位347は、2つのピース34a、34bの接合部に形成される。凸状部位347は、ロータコア32の軸方向の略中心位置に形成される。すなわち、2つのピース34a、34bは、ロータコア32の軸方向の略中心位置に接合部を有する。ただし、変形例では、凸状部位347は、ロータコア32の軸方向の中心位置に対して軸方向でオフセットされてもよい。凸状部位347の形成方法は、後述する。
ロータシャフト34は、第1噴出孔341を有する。第1噴出孔341は、中空部34Aから外部へと径方向に貫通する。すなわち、第1噴出孔341は、中空部34Aに開口する開口341aと、コイル22のコイルエンド22Aに対向する開口341bとを有し、開口341a及び開口341b間に延在する。第1噴出孔341の開口341bは、コイル22のコイルエンド22Aに対向する態様で、ロータコア32に対し軸方向にずれた位置に配置される。なお、第1噴出孔341は、周方向に複数個形成されてもよい。
ロータシャフト34は、更に、第1噴出孔341とは異なる軸方向の位置に、第2噴出孔342を有する。第2噴出孔342は、中空部34Aから外部へと径方向に貫通する。すなわち、第2噴出孔342は、中空部34Aに開口する開口342aと、コイル22のコイルエンド22Bに対向する開口342bとを有し、開口342a及び開口342b間に延在する。第2噴出孔342の開口342bは、コイル22のコイルエンド22Bに対向する態様で、ロータコア32に対し軸方向にずれた位置に配置される。なお、第2噴出孔342は、周方向に複数個形成されてもよい。
ロータシャフト34内は、油供給源90に接続される。油供給源90は、ポンプ94を含んでよい。この場合、ポンプ94の種類や駆動態様は任意である。例えば、ポンプ94は、モータ1の回転トルクにより動作するギアポンプであってもよい。ロータシャフト34内には、ロータシャフト34の一端(図の右側の端部)側から油が供給される。なお、ポンプ94は、モータハウジング10内に配置されてもよい。
図1では、一例として、油供給源90は、管路部材92と、管路部材92の一端(図の右側の端部)側に接続されるポンプ94とを含む。
管路部材92は、中空に形成され、内部が油路801を画成する。すなわち、管路部材92は、油路801として機能する中空部92Aを有する。中空部92Aは、管路部材92の軸方向の全長にわたり延在する。ただし、中空部92Aは、一端側(図の左側の端部であって、ポンプ94側とは逆側の端部)は開口しない。すなわち、管路部材92は、一端(図の左側の端部)が閉塞される。
管路部材92は、中空部34Aの内周面に対して径方向で隙間を有する態様でロータシャフト34内に延在する。具体的には、管路部材92は、外径r4を有する。外径r4は、中空部34Aの内周面の、区間SC1、SC3での内径r1、r3よりも有意に小さい(なお、図1では、区間SC1、SC3での内径r1、r3は同じである)。外径r4は、例えば中空部34Aの内周面の、区間SC2での内径r2と略等しい。
なお、管路部材92は、ロータシャフト34と一体に回転する態様でロータシャフト34に固定されてもよいし、ロータシャフト34に対して回転が可能な態様でモータハウジング10に固定されてもよい。
管路部材92は、内部から外部へと径方向に貫通する吐出孔93を備える。吐出孔93は、ロータコア32の軸方向の略中心位置に対応する軸方向の位置と、その両側とに設けられる。なお、吐出孔93の軸方向の位置や数等は任意である。
次に、図1に示す矢印R1~R6を参照して、油供給源90からの油の流れについて概説する。図1には、油の流れが矢印R1~R6で模式的に示されている。
油供給源90から供給される油は、管路部材92の中空部92Aを通って軸方向に流れ(矢印R1参照)、吐出孔93から径方向外側へと吐出される(矢印R2参照)。吐出孔93から径方向外側へと吐出された油は、ロータシャフト34の中空部34Aの内周面に当たり、中空部34Aの内周面を伝って第1噴出孔341及び第2噴出孔342へと軸方向に流れる(矢印R3、R4参照)。なお、この場合、中空部34Aの内周面を伝って軸方向外側へと流れる油は、区間SC1においてロータコア32の径方向内側から熱を奪うことができ、ロータコア32を効率的に冷却できる。
ここで、本実施例では、凸状部位347が設けられるので、吐出孔93から径方向外側へと吐出された油は、第1噴出孔341及び第2噴出孔342のそれぞれへと略均等に分配される。これにより、コイルエンド22A、22Bへと分配して導かれる油の均等化を図ることができる。この結果、ロータコア32を径方向内側から、軸方向に沿って均一に冷却できるとともに、第1噴出孔341及び第2噴出孔342を介してコイルエンド22A、22Bをそれぞれ同様に冷却できる。ただし、変形例では、吐出孔93の軸方向の位置と凸状部位347の軸方向の位置とにズレを設けること等によって、第1噴出孔341及び第2噴出孔342のそれぞれへと流れる油の流量の間に、差(すなわち分配量に関する差)を積極的に設定することも可能である。
また、本実施例では、凸状部位347が設けられるので、吐出孔93から径方向外側へと吐出された油は、ある程度の厚みを有しつつ、中空部34Aの内周面を伝うことができる。すなわち、凸状部位347が堰部として機能し、中空部34Aの内周面における油の溜まりが促進される
中空部34Aの内周面を伝って軸方向外側へと流れた油は、モータ1の回転時の遠心力の作用により、第1噴出孔341を通って径方向外側へと吐出される(矢印R5参照)。第1噴出孔341の開口341bは、上述のようにコイルエンド22Aに径方向で対向する。従って、第1噴出孔341を通って径方向外側へと吐出された油は、コイルエンド22Aに当たり、コイルエンド22Aを効率的に冷却できる。
また、中空部34Aの内周面を伝って軸方向外側へと流れた油は、モータ1の回転時の遠心力の作用により、第2噴出孔342を通って径方向外側へと吐出される(矢印R6参照)。第2噴出孔342の開口342bは、上述のようにコイルエンド22Bに径方向で対向する。従って、第2噴出孔342を通って径方向外側へと吐出された油は、コイルエンド22Bに当たり、コイルエンド22Bを効率的に冷却できる。
このように、本実施例では、ロータシャフト34の中空部34Aの内周面を伝う油の流れを促進することが可能となる。この結果、ロータシャフト34の中空部34Aの内周面を伝う油によりロータコア32を径方向内側から効率的に冷却できるとともに、第1噴出孔341及び第2噴出孔342を介してコイルエンド22A、22Bを効率的に冷却できる。
特に、本実施例では、ロータシャフト34の中空部34Aの内周面は、区間SC1での内径r1が、区間SC2での内径r2よりも有意に大きい。すなわち、ロータシャフト34の中空部34Aの内周面は、ロータコア32が設けられる区間SC1において拡径されている。これにより、ロータシャフト34の軽量化が図られるとともに、ロータシャフト34の中空部34Aの内周面と永久磁石321との間の径方向の距離を短くでき(内径r1≒内径r2の場合に比べて短くでき)、磁石冷却性能を効果的に高めることができる。
なお、図1では、特定の構造のモータ1が示されるが、モータ1の構造は、中空部34Aを有するロータシャフト34を備える限り、任意である。従って、例えば、管路部材92は省略されてもよい。また、図1では、特定の冷却方法が開示されているが、モータ1の冷却方法は任意である。従って、例えば、ロータコア32に油路が形成されてもよいし、モータハウジング10内の油路により径方向外側からコイルエンド22A、22Bに向けて油が滴下されてもよい。また、図1では、油供給源90は、モータ1における軸方向で動力伝達機構60と接続される側に設けられるが、モータ1における軸方向で動力伝達機構60と接続される側とは逆側に設けられてもよい。
次に、図2以降を参照して、本実施例のモータ1のロータ30の製造に好適なロータ製造方法について説明する。
図2は、ロータ30の製造方法の流れを示す概略フローチャートである。図3A~図3Eは、図2に示す工程におけるロータシャフト形成部材700の状態を概略的に示す断面図である。なお、図2は、概略フローチャートであり、実際には追加の工程等が含められてよい。
まず、ロータ30の製造方法は、ロータシャフト形成部材700を準備する準備工程(ステップS500)を含む。ロータシャフト形成部材700は、上述したロータシャフト34を形成するための部材である。準備工程で準備されるロータシャフト形成部材700は、図3Aに示すように、2つのシャフト素材700a、700b(第1及び第2シャフト素材の一例)を含む。なお、この段階でのロータシャフト形成部材700は、径方向外側に取代部(余肉部)702を有する。図3A等では、取代部702とそれ以外の部分(非取代部)との間の境界が、点線703で模式的に示される。
シャフト素材700a、700bの材料は、任意であるが、本実施例では、一例として、炭素鋼であり、好ましくは、炭素含有量(質量パーセント濃度)が0.3%以上の炭素鋼である。この場合、高周波焼入れのような焼入れ(ステップS507参照)に適した材料によりシャフト素材700a、700bを形成できる。
シャフト素材700a、700bは、ロータシャフト34を軸方向で半分に割ったときの形態に対応する形態を有する。また、シャフト素材700a、700bは、中空部34Aを形成するための中空部340A、340Bを有する。中空部340A、340Bの各内周面は、中空部34Aにおける対応する部分の内周面に対して、軸方向の長さ(区間SC1に係る部分の長さ)と凸状部位347の有無以外は、同じである。中空部340A、340Bは、シャフト素材700a、700bが対向する側となる軸方向の内側が半径r1の開口部で開口し、軸方向の外側が半径r2の開口部で開口する。
シャフト素材700a、700bのそれぞれの軸方向の長さの合計は、ロータシャフト34の軸方向の長さよりもわずかに長く、この差分は、後の接合工程(摩擦圧接工程)で無くされる。なお、シャフト素材700a、700bは、略対称な形態であるが、凹部34Bに対応する凹部341E(区間SC2)の形態が異なってもよい。また、シャフト素材700a、700bのそれぞれの半径r2は、異なってもよい。
シャフト素材700a、700bは、好ましくは、鍛造(例えば冷間鍛造)により製造される。この場合、シャフト素材700a、700bの内周面を高精度に製造でき(例えば区間SC1の内径r1の精度を高めることができ)、上述のロータシャフト34の中空部34Aの内周面を伝う油の流れを効果的に促進できる。また、シャフト素材700a、700bは、凹部34Bに対応する凹部341Eを備えてよい。この場合も、シャフト素材700a、700bが鍛造により製造される場合は、凹部34Bに対応する凹部341Eを精度良く形成できる。
次いで、ロータ30の製造方法は、2つのシャフト素材700a、700bを、開口する側の端部の端面同士を軸方向に突き合わせ、摩擦圧接により接合させる接合工程(ステップS502)を含む。具体的には、2つのシャフト素材700a、700bをそれぞれ軸Iまわりに高速に回転させながら、端面同士を軸方向に突き合わせて、軸方向に荷重を加えて押圧する。このとき、端面同士が高速で擦り合わせられるので、その際の摩擦熱によってシャフト素材700a、700bの母材が軟化(塑性流動)する。この際、軸方向の圧力も加わることで、シャフト素材700a、700bの端面同士が接合する。なお、シャフト素材700a、700bは、上述のように同一の炭素鋼により形成されるが、異種金属材料により形成されてもよい。
このような摩擦圧接工法は、溶接による接合方法は異なり、材料が溶融せず凝固割れを起しにくいので、炭素含有量が0.3%以上の炭素の含有量の比較的高い材料(焼入れに適した材料)を、シャフト素材700a、700bの材料として用いることができる。
ここで、シャフト素材700a、700bの摩擦圧接による接合は、シャフト素材700a、700bの母材の軟化を伴うため、シャフト素材700a、700bの接合部には、図3Bに模式的に示すように、内周面に、径方向内側に凸となる凸状部位347(第1凸状部位の一例)が形成されるとともに、外周面に、径方向外側に凸となる凸状部位347A(第2凸状部位の一例)が形成される。具体的には、接合工程では、シャフト素材700a(シャフト素材700bも同様)は、筒状の部位の軸方向の長さがL1からL2へと低減される。この際、シャフト素材700a、700bの中空部340A、340Bがロータシャフト34の中空部34Aを形成する。なお、軸方向の長さL2は、ロータシャフト34のピース34aの軸方向の長さに対応する。従って、長さL1と長さL2の差分に相当する肉部分が凸状部位347、347Aに変換される態様で、摩擦圧接により凸状部位347、347Aが形成される。なお、凸状部位347、347Aは、周方向の全周にわたって形成される。
次いで、ロータ30の製造方法は、接合工程で形成された凸状部位347、347Aのうちの、外周面側の凸状部位347Aを無くす平滑化工程(ステップS504)を含む。本実施例では、平滑化工程は、取代部702を除去することで、ロータシャフト形成部材700の外周面をロータシャフト34の外周面へと仕上げる除去工程を含む。すなわち、図3Bに示す点線703で境界付けられる取代部702を除去する。なお、この場合、点線703は、ロータシャフト34の外周面に対応する。取代部702の除去は、切削等により容易に実現できる。
ここで、取代部702の除去は、図3Cに示すように、接合工程で形成された凸状部位347、347Aのうちの、外周面側の凸状部位347Aの除去を伴う。これにより、除去工程によって、ロータシャフト形成部材700の外周面をロータシャフト34の外周面へと仕上げるとともに、不要な凸状部位347Aも除去できる。他方、接合工程で形成された凸状部位347、347Aのうちの、内周面側の凸状部位347は、上述のように、油の溜まりに係る堰として機能する部位であり、残存される。このようにして、本実施例では、接合工程で生じるシャフト素材700a、700bの端部の変形(母材の塑性流動)を利用して、ロータシャフト34の内周面の凸状部位347を形成できる。
次いで、ロータ30の製造方法は、第1噴出孔341及び第2噴出孔342に対応する孔を形成する噴出孔形成工程(ステップS506)を含む。なお、第1噴出孔341及び第2噴出孔342は、準備工程においてロータシャフト形成部材700に既に形成されていてもよい。換言すると、第1噴出孔341及び第2噴出孔342を有するロータシャフト形成部材700が、準備工程で準備されてもよい。あるいは、第1噴出孔341及び第2噴出孔342は、準備工程から除去工程までの任意のタイミングで形成されてもよい。
次いで、ロータ30の製造方法は、ロータシャフト形成部材700における比較的高い強度が必要とされる箇所に、焼入れ(例えば高周波焼入れ)を実施する焼入れ工程(ステップS507)を含む。本実施例では、ロータシャフト形成部材700における動力伝達部730に実施される。動力伝達部730は、上述のロータシャフト134の動力伝達部345(図1参照)を形成する部位である。すなわち、動力伝達部730は、焼入れを施されることで、表面が硬化されて動力伝達部345となる。なお、本実施例の場合、一例として、シャフト素材700bの端部(シャフト素材700aとの接合部とは逆側の端部)に動力伝達部730が形成されている。なお、動力伝達部730は、準備工程の段階から既に形成されていてもよいし、準備工程の後に切削等により形成されてもよい。
なお、本実施例では、一例として、焼入れ工程は、噴出孔形成工程の後に実行されているが、噴出孔形成工程よりも前であって、平滑化工程の後の任意のタイミングで実行されてもよい。
次いで、ロータ30の製造方法は、図3Eに示すように、ロータシャフト34にロータコア32等を嵌合(一体化)する嵌合工程(ステップS508)を含む。なお、嵌合工程は、例えば圧入等により実現されてもよい。また、嵌合工程に代えて、ハイドロフォーミングが利用されてもよい。この場合、噴出孔形成工程は、ハイドロフォーミングの後に実行されてよい。
次いで、ロータ30の製造方法は、その他の仕上げ工程(ステップS510)を含む。その他の仕上げ工程は、回転バランスを調整する工程等を含んでよい。
このようにして、図2及び図3A~図3Eを参照して説明したロータ30の製造方法によれば、2つのシャフト素材700a、700bを接合してロータシャフト34を形成できるので、内径r1が内径r2よりも有意に大きい中空部34Aを有するロータシャフト34(すなわちアンダーカットとなる形態のロータシャフト34)を鍛造物(シャフト素材700a、700b)により製造できる。
また、接合工程で生じるシャフト素材700a、700bの端部の変形(母材の塑性流動)を利用して、ロータシャフト34の内周面の凸状部位347を形成できる。また、取代部702を利用することで、接合工程で凸状部位347を形成しつつ、接合工程で同様に生じる凸状部位347Aを除去して凸状部位347Aを有さない外周面を持つロータシャフト34を製造できる。すなわち、摩擦圧接による接合とともに取代部702を利用することで、ロータシャフト34の中空部34Aに凸状部位347を有するロータシャフト34を比較的容易に製造できる。
また、シャフト素材700a、700bが鍛造により製造される場合には、ロータシャフト34の中空部34Aの内周面となるシャフト素材700a、700bの内周面を精度良く形成できる。この結果、ロータシャフト34の中空部34Aの精度の高い内周面に、凸状部位347を形成でき、上述のロータシャフト34の中空部34Aの内周面を伝う油の流れを効果的に促進できるとともに、油の溜まり方を軸方向両側で均等化することが容易となる。
ここで、上述のように、内径r1が内径r2よりも有意に大きい中空部34Aを有するロータシャフト34において、内周面に凸状部位347を形成する場合、ロータシャフト34内に、油が溜まることができる凹部が形成され、当該凸状部位347が、油の溜まりに対する堰部として機能できる。他方、このような堰部の高さ(径方向の寸法)が不十分であると、凹部が浅くなるので、車両走行時の振動や、前後加速度、左右加速度により、凹部に溜まる油が溢れてしまい、左右の凹部に溜まる油量のバランスが崩れて片方の冷却が不足することがある。従って、堰部の高さを高くすることで凹部を深くする方が、油の溜まりの観点からは有用である。
この点、本実施例によれば、上述のように、摩擦圧接工程に起因して生じる凸状部位347を利用して堰部を形成するので、凸状部位347の高さ(径方向の寸法)を比較的大きくしやすい。従って、本実施例によれば、別部材等を用いることなく、堰部の高さを比較的高く設定することが容易となる。
ところで、一般的に、炭素鋼は含有されている炭素量が多くなると、溶接時に凝固割れを起こしやすくなり、溶接が難しくなる。これに対して、クロム等を含んだ合金鋼を使用し、溶接後に浸炭焼入れを施すような対策は可能であるが、かかる対策は、コストに増加をもたらす。
この点、本実施例では、上述のように、摩擦圧接によりシャフト素材700a、700bを接合できるので、溶接を行うことなく、シャフト素材700a、700bを接合できる。これにより、シャフト素材700a、700bが溶接の困難な炭素鋼(例えば炭素含有量が0.3%以上の炭素鋼)により形成される場合でも、摩擦圧接により両者を接合させて、中空部34Aを有するロータシャフト34を形成できる。本実施例によれば、シャフト素材700a、700bの材料として焼入れに適した炭素鋼を利用しつつ、溶接を行うことなくシャフト素材700a、700bを接合できる。
[実施例2]
図4は、他の一実施例(実施例2)によるモータ101(回転電機の一例)の断面構造を概略的に示す断面図である。
本実施例のモータ101は、上述した実施例1によるモータ1に対して、ロータ30がロータ130で置換された点が異なる。そして、本実施例のロータ130は、上述した実施例1によるロータ30に対して、ロータシャフト34がロータシャフト134で置換された点が異なる。本実施例において、上述した実施例1と同様であってよい構成要素については、同一の参照符号を付して説明を省略する場合がある。
ロータシャフト134は、上述した実施例1によるロータシャフト34に対して、中空部34Aの内周面に、油溜まり用の堰部348、349(軸方向外側で機能する堰部)が形成される点が異なる。本実施例においても、上述した実施例1と同様、ロータシャフト134は、軸方向に接合された2つのピース134a、134bからなり、凸状部位347は、2つのピース134a、134bの接合部に形成される。
堰部348、349は、周方向の全周にわたって形成される。堰部348は、第1噴出孔341が設けられる側の区間SC3に形成され、堰部349は、第2噴出孔342が設けられる側の区間SC3に形成される。なお、本実施例では、堰部348に第1噴出孔341が形成され、堰部349に第2噴出孔342が形成される。
堰部348は、中空部34Aの内周面に内径r5の表面を形成し、内径r5は、内径r1よりも有意に小さい。堰部349も同様に、中空部34Aの内周面に内径r5(図示せず)の表面を形成し、内径r5は、内径r1よりも有意に小さい。内径r5と内径r1との差が、堰部348及び堰部349の径方向の高さとなる。なお、堰部348及び堰部349のそれぞれの内径は、互いに異なってもよいが、その場合でも、堰部348及び堰部349のそれぞれの内径は、内径r1よりも有意に小さい。このため、内径r1を有する部位(主に区間SC1の部位)に油が溜まりやすくなり、堰部348、349が油の溜まりに対する堰として機能する。
このようにして、本実施例では、堰部348、349が油の溜まりに対する堰として機能できる。そして、上述した実施例1と同様に、同様に堰として機能する凸状部位347を有するので、堰部348、349及び凸状部位347により、内径r1を有する部位に油が溜まりやすくなり、ロータコア32を効率的に冷却できる。
次に、図2及び図5A~図5E参照して、本実施例のモータ101のロータ130の製造に好適なロータ製造方法について説明する。
図5A~図5Eは、図2に示す工程におけるロータシャフト形成部材7000の状態を概略的に示す断面図である。
本実施例においても、前出の図2を参照して上述したように、図2に示す工程に沿ってロータシャフト134を製造できる。
具体的には、まず、ロータ130の製造方法は、ロータシャフト形成部材7000を準備する準備工程(ステップS500)を含む。ロータシャフト形成部材7000は、上述したロータシャフト134を形成するための部材である。準備工程で準備されるロータシャフト形成部材7000は、図5Aに示すように、2つのシャフト素材7000a、7000b(第1及び第2シャフト素材の一例)を含む。なお、この段階でのロータシャフト形成部材7000は、径方向外側に取代部(余肉部)702を有する。図5A等では、取代部702とそれ以外の部分(非取代部)との間の境界が、点線703で模式的に示される。
シャフト素材7000a、7000bは、上述した実施例1によるシャフト素材700a、700bに対して、内周面に堰部348、349が形成されている点が異なる。
シャフト素材7000a、7000bは、好ましくは、鍛造により製造される。この場合、シャフト素材7000a、7000bの内周面(堰部348、349を含む径方向内側の部分)を高精度に製造でき、上述のロータシャフト34の中空部34Aの内周面を伝う油の流れを効果的に促進できる。また、堰部348、349を精度良く形成できるので、油の溜まり方が、堰部348側と堰部349側とで不均一となる可能性を効果的に低減できる。また、シャフト素材7000a、7000bは、凹部34Bに対応する凹部341Eを備えてよい。この場合も、シャフト素材7000a、7000bが鍛造により製造される場合は、凹部34Bに対応する凹部341Eを精度良く形成できる。
ステップS502以降は、上述した実施例1の場合と実質的に同一であるので、説明を省略する。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
例えば、上述した実施例では、焼入れの対象部位は、ロータシャフト34(ロータシャフト134についても同様、以下同じ)の端部(動力伝達部345の形成される箇所)であるが、これに限られない。例えば、ロータシャフト34がロータコア32とキー結合される場合は、ロータシャフト34のキー溝が形成される箇所(動力伝達部の他の一例)に、同様の焼入れが実施されてもよい。また、ロータシャフト34がロータコア32とスプライン結合される場合は、ロータシャフト34のスプライン結合部(動力伝達部の他の一例)に、同様の焼入れが実施されてもよい。
<付記>
以上の実施例に関し、更に以下を開示する。なお、以下で記載する効果のうちの、一の形態に対する追加的な各形態に係る効果は、当該追加的な各形態に起因した付加的な効果である。
(1)一の形態は、軸方向に開口する中空部(340A)を有する第1シャフト素材(700a)と、軸方向に開口する中空部(340B)を有する第2シャフト素材(700b)とを、軸まわりに回転させながら、軸方向の端部の端面同士を軸方向に突き合わせて荷重を加えることで、前記第1シャフト素材及び前記第2シャフト素材を接合させる接合工程(ステップS502)と、
前記接合工程の後に、前記第1シャフト素材及び前記第2シャフト素材の接合部の外周面を平滑にする平滑化工程(ステップS504)と、
前記平滑化工程の後に、前記第1シャフト素材及び前記第2シャフト素材をロータコアと一体化する工程(ステップS508)とを含む、回転電機(1)用ロータ(30、130)の製造方法である。
本形態によれば、第1シャフト素材と第2シャフト素材とを、軸まわりに回転させながら、軸方向の端部の端面同士を軸方向に突き合わせて荷重を加えることで接合させることで、その際の摩擦熱と押圧力とにより生じる塑性流動部位の径方向内側への変形部分を利用して、ロータシャフトの中空部に、油の流れに適した凸状部位を形成することが可能となる。これにより、ロータシャフトの中空部内において、凸状部位を利用して油の溜まりを実現することが可能となる。
(2)また、本形態においては、好ましくは、前記平滑化工程は、前記第1シャフト素材及び前記第2シャフト素材のそれぞれの外周面を切削することを含む。
この場合、接合の塑性流動部位のうちの、外周面側に生じる凸状部位を除去でき、ロータコアとの一体化が可能となる。
(3)また、本形態においては、好ましくは、前記接合工程に供される前記第1シャフト素材及び前記第2シャフト素材は、鍛造により製造される。
この場合、ロータシャフトの中空部の内周面を精度良く形成できる。そして、精度の高い中空部の内周面に、油の流れに適した凸状部位を形成することが可能となり、ロータシャフトの中空部内において凸状部位を利用した油の溜まりを実現することが容易となる。
(4)また、本形態においては、好ましくは、前記接合工程では、前記第1シャフト素材及び前記第2シャフト素材の接合部において、内周面に、径方向内側に凸となる第1凸状部位(347)が周方向に沿って形成されるとともに、外周面に、径方向外側に凸となる第2凸状部位(347A)が周方向に沿って形成され、
前記平滑化工程は、前記第2凸状部位を無くすことを含む。
この場合、接合の塑性流動部位である第1凸状部位及び第2凸状部位のうちの、第1凸状部位を利用して、ロータシャフトの中空部に、油の流れに適した凸状部位を形成することが可能となる。また、第2凸状部位を除去でき、ロータコアとの一体化が可能となる。
(5)また、本形態においては、好ましくは、前記第1シャフト素材及び前記第2シャフト素材の少なくともいずれかは、回転電機の回転トルクを伝達するための動力伝達部が形成されており、
前記平滑化工程の後に、前記動力伝達部を焼入れする焼入れ工程を含む。
この場合、動力伝達部の強度を焼入れにより高めることができる。
(6)また、本形態においては、好ましくは、前記第2シャフト素材は、炭素含有量が0.3%以上の炭素鋼であり、
前記焼入れ工程は、前記動力伝達部を高周波焼入れする工程である。
この場合、高周波焼入れに適した比較的高い炭素含有量の炭素鋼により第2シャフト素材を形成できる。なお、比較的高い炭素含有量の炭素鋼では、溶接による接合が困難となるが(上述のように凝固割れが生じやすくなるため)、第1シャフト素材と第2シャフト素材は、上述のように溶接以外の方法(摩擦圧接による接合方法)で接合されるので、かかる比較的高い炭素含有量の炭素鋼の使用が可能である。
(7)他の一の形態は、ロータコア(32)と、
中空部(34A)を有し、前記ロータコアが径方向外側に固定されるロータシャフト(34、134)とを備え、
前記ロータシャフトは、軸方向に接合された2つのピース(34a、34b;134a、134b)を含み、
前記中空部を形成する前記ロータシャフトの内周面は、前記2つのピースの接合部において径方向内側に凸となる凸状部位(347)を周方向に沿って有する、回転電機(1)用ロータ(30、130)である。
この場合、ロータシャフトは、2つのピースの接合部における径方向内側に凸状部位を備えるので、ロータシャフトの中空部内において凸状部位を利用した油の分配と油の溜まりを実現することが可能となる。
(8)また、本形態においては、好ましくは、前記ロータシャフトは、回転電機の回転トルクを伝達するための焼入れされた動力伝達部を有する。
この場合、ロータシャフトは、焼入れにより強度が高められた動力伝達部を備えることができる。
(9)また、本形態においては、好ましくは、前記ロータシャフトは、炭素含有量が0.3%以上の炭素鋼により形成される。
この場合、高周波焼入れに適した比較的高い炭素含有量の炭素鋼によりロータシャフトを形成できる。なお、比較的高い炭素含有量の炭素鋼では、2つのピースの接合のための溶接が困難となるが、2つのピースの接合は、摩擦圧接により実現できるので、かかる比較的高い炭素含有量の炭素鋼の使用が可能である。
1、101 モータ
10 モータハウジング
12 回転軸(回転中心)
14a ベアリング
14b ベアリング
21 ステータ
22 コイル
22A コイルエンド
22B コイルエンド
30、130 ロータ
32 ロータコア
321 永久磁石
34、134 ロータシャフト
34a、134a ピース
34b、134b ピース
34A,340A、340B 中空部
34B 凹部
341 第1噴出孔
341a 開口
341b 開口
342 第2噴出孔
342a 開口
342b 開口
345 動力伝達部
347、347A 凸状部位
35A エンドプレート
35B エンドプレート
60 動力伝達機構
61 軸部材
700、7000 ロータシャフト形成部材
700a、7000a シャフト素材
700b、7000b シャフト素材
702 取代部(余肉部)
730 動力伝達部
90 油供給源
92 管路部材
92A 中空部
93 吐出孔
94 ポンプ

Claims (9)

  1. 軸方向に開口する中空部を有する第1シャフト素材と、軸方向に開口する中空部を有する第2シャフト素材とを、軸まわりに回転させながら、軸方向の端部の端面同士を軸方向に突き合わせて荷重を加えることで、前記第1シャフト素材及び前記第2シャフト素材を接合させる接合工程と、
    前記接合工程の後に、前記第1シャフト素材及び前記第2シャフト素材の接合部の外周面を平滑にする平滑化工程と、
    前記平滑化工程の後に、前記第1シャフト素材及び前記第2シャフト素材をロータコアと一体化する工程とを含む、回転電機用ロータの製造方法。
  2. 前記平滑化工程は、前記第1シャフト素材及び前記第2シャフト素材のそれぞれの外周面を切削することを含む、請求項1に記載の回転電機用ロータの製造方法。
  3. 前記接合工程に供される前記第1シャフト素材及び前記第2シャフト素材は、鍛造により製造される、請求項1又は2に記載の回転電機用ロータの製造方法。
  4. 前記接合工程では、前記第1シャフト素材及び前記第2シャフト素材の接合部において、内周面に、径方向内側に凸となる第1凸状部位が周方向に沿って形成されるとともに、外周面に、径方向外側に凸となる第2凸状部位が周方向に沿って形成され、
    前記平滑化工程は、前記第2凸状部位を無くすことを含む、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載の回転電機用ロータの製造方法。
  5. 前記第1シャフト素材及び前記第2シャフト素材の少なくともいずれかは、回転電機の回転トルクを伝達するための動力伝達部が形成されており、
    前記平滑化工程の後に、前記動力伝達部を焼入れする焼入れ工程を含む、請求項1~4のうちのいずれか1項に記載の回転電機用ロータの製造方法。
  6. 前記第2シャフト素材は、炭素含有量が0.3%以上の炭素鋼であり、
    前記焼入れ工程は、前記動力伝達部を高周波焼入れする工程である、請求項5に記載の回転電機用ロータの製造方法。
  7. ロータコアと、
    中空部を有し、前記ロータコアが径方向外側に固定されるロータシャフトとを備え、
    前記ロータシャフトは、軸方向に接合された2つのピースを含み、
    前記中空部を形成する前記ロータシャフトの内周面は、前記2つのピースの接合部において径方向内側に凸となる凸状部位を周方向に沿って有する、回転電機用ロータ。
  8. 前記ロータシャフトは、回転電機の回転トルクを伝達するための焼入れされた動力伝達部を有する、請求項7に記載の回転電機用ロータ。
  9. 前記ロータシャフトは、炭素含有量が0.3%以上の炭素鋼により形成される、請求項8に記載の回転電機用ロータ。
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