JP7149160B2 - リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents
リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7149160B2 JP7149160B2 JP2018204189A JP2018204189A JP7149160B2 JP 7149160 B2 JP7149160 B2 JP 7149160B2 JP 2018204189 A JP2018204189 A JP 2018204189A JP 2018204189 A JP2018204189 A JP 2018204189A JP 7149160 B2 JP7149160 B2 JP 7149160B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- negative electrode
- active material
- electrode active
- mass
- binder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
負極集電体11は、後述する負極タブ65などと接続され、リチウムイオン二次電池100の外部との間で電子の受け渡しをする。負極集電体11を形成する材料は特に限定されないが、例えば、銅(Cu)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ステンレス鋼(SUS)などの金属が好ましい。これらの中でも、負極集電体11を形成する材料として、銅(Cu)を用いることが好ましい。負極集電体11の厚さは特に限定されないが、通常は1μm~100μm程度である。
負極活物質層12は、シリコン系負極活物質および負極用導電助剤を含む負極被結着成分と、前記負極被結着成分を被覆するバインダとを含む。負極活物質層12においては、負極被結着成分が、バインダによって被覆されることにより結着されており、これにより活物質層としての構造を保っている。
負極被結着成分には、負極活物質層に含まれる負極用バインダ以外のすべての成分が含まれ、シリコン系負極活物質および負極用導電助剤が必須に含まれる。
シリコン系負極活物質は、充電時のリチウムイオンの吸蔵および放電時のリチウムイオンの放出を通じて電流を生じさせる反応に関与することができる。シリコン系負極活物質は、炭素系負極活物質と比較して質量当たりの理論容量が大きいため、電池のエネルギー密度を大きくすることができる。
でき、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
炭素系負極活物質もまた、充電時のリチウムイオンの吸蔵および放電時のリチウムイオンの放出を通じて電流を生じさせる反応に関与することができる。炭素系負極活物質をさらに含むことで、電池のサイクル耐久性の向上に有効に寄与しうる。
負極用導電助剤は、負極活物質層の内部における電子ネットワークを効果的に形成する機能を有する添加剤である。負極用導電助剤を形成する材料としては、アセチレンブラック等のカーボンブラック、炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。これらの負極用導電助剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。負極活物質層12における負極用導電助剤の含有量は特に限定されないが、1質量%~10質量%が好ましく、2質量%~8質量%がより好ましく、3質量%~5質量%が特に好ましい。負極用導電助剤の含有量をこのような範囲とすることにより、負極活物質層12の導電性を向上させることができる。
負極用バインダは、上述した負極被結着成分同士を互いに結着させる機能や、負極被結着成分を負極集電体に結着させる機能を有する。
で定義される電極被覆率qが80%以上である点に特徴がある。なお、本明細書において、「BET比表面積」を単に「比表面積」と称することもある。
で定義されるバインダ平均被覆厚さdバインダは、好ましくは12nm以上であり、より好ましくは13.7nm以上であり、さらに好ましくは16.0nm以上である。このバインダ平均被覆厚さ(dバインダ)が下限値以上の値であると、負極活物質の膨張収縮時における負極活物質間の結着を効果的に維持しやすくなる。その結果、負極活物質層の巨視的な膨張(空隙膨張)の発生を十分に抑制することができ、電池のサイクル耐久性の低下をよりいっそう有効に防止することが可能となると考えられる。
本発明の一形態に係るリチウムイオン二次電池は、上記リチウムイオン二次電池用負極を備える。そのため、上述したように、本形態に係るリチウムイオン二次電池においては、シリコン系負極活物質の膨張収縮に伴う負極の膨張収縮を抑制することができる。その結果、負極の劣化とそれに起因するサイクル特性の低下を防止することができる。
正極20には、正極集電体21と、正極活物質層22と、を含めることができる。正極活物質層22は、正極集電体21の少なくとも一方の面に配置することができる。
正極集電体21は、後述する正極タブ60などと接続され、リチウムイオン二次電池100の外部と電子の受け渡しをする。正極集電体21を形成する材料は特に限定されないが、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびこれらの合金などの金属が挙げられる。正極集電体21を形成する材料は、上述した金属単体、上述した金属を組み合わせた合金、上述した金属の組み合わせのめっき材などを用いることができる。なかでも、正極集電体21を形成する材料は、電子伝導性や電池作動電位の観点から、アルミニウムを含むことが好ましい。正極集電体21の厚さは特に限定されないが、通常は1μm~100μm程度である。
正極活物質層22は、例えば、正極活物質、正極用バインダ、正極用導電助剤などを含有する。正極活物質層22の膜厚は特に限定されないが、20μm~80μmであることが好ましく、20μm~50μmであることがより好ましい。
正極活物質は、充電時のリチウムイオンの放出および放電時のリチウムイオンの吸蔵を通じて電流を生じさせる反応に関与することができる。正極活物質層22における正極活物質の含有量は特に限定されないが、80質量%~98質量%であることが好ましい。
正極用バインダは、正極活物質同士または正極活物質と正極用導電助剤とを結着させ、さらには正極活物質の構成成分を正極集電体と結着させることができる。正極用バインダを形成する材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)などのエラストマーが挙げられる。これらの正極用バインダは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、バインダとしての接着性や耐熱性が優れていることから、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)からなる群より選択される少なくとも1つが好ましい。正極活物質層22中に含まれる正極用バインダの含有量は特に限定されないが、0.5質量%~15質量%が好ましく、1質量%~10質量%がより好ましい。
正極用導電助剤は、正極活物質層22の内部における電子ネットワークを効果的に形成し、リチウムイオン二次電池100の放電容量を大きくすることができる。正極活物質層22中に含まれる正極用導電助剤の含有量は特に限定されないが、1質量%~10質量%が好ましく、2質量%~6質量%がより好ましい。正極用導電助剤の含有量をこのような範囲とすることにより、正極活物質層22の導電性を向上させることができる。
セパレータ30は、正極20と負極10との間に配置することができる。セパレータ30は、正極20と負極10とを隔離し、リチウムイオンの移動を仲介する。セパレータ30の膜厚は、内部抵抗を低減させる観点から、1μm~100μmが好ましく、5μm~50μmであることがより好ましい。セパレータ30には、非水電解質を含めることができる。非水電解質としては、イオン伝導性ポリマーにリチウム塩が溶解したゲル状または固体状のポリマー電解質、並びに有機溶媒にリチウム塩が溶解した液体電解質を多孔質基体層に保持させて用いることができる。
正極タブ60は、正極集電体21と、リチウムイオン二次電池100の外部の機器とを電気的に接続することができる。また、負極タブ65は、負極集電体11と、リチウムイオン二次電池100の外部の機器とを電気的に接続することができる。正極タブ60および負極タブ65を形成する材料は特に限定されず、例えばアルミニウム、銅、チタン、ニッケルからなる群より選択される少なくとも1つの金属を用いることができる。なお、正極タブ60および負極タブ65を形成する材料は、同一であっても異なっていてもよい。
外装体70は、単電池層40または発電要素50を収容することができる。外装体70は、例えば、缶や、フィルムにより形成されたものが挙げられる。また、外装体70の形状は、特に限定されず、円筒型、角型、シート型とすることができる。特に限定されないが、小型化および軽量化などの観点より、外装体70はフィルムにより形成されていることが好ましい。なかでも、高出力化や冷却性能の観点からは、フィルムはラミネートフィルムであることが好ましく、ラミネートフィルムはアルミニウムを含むことが好ましい。また、リチウムイオン二次電池100は扁平積層型リチウムイオン二次電池であることが好ましい。このようなリチウムイオン二次電池は、放電容量および放熱性能を高くすることができるため、車両に搭載する場合に最適である。アルミニウムを含むラミネートフィルムの一例としては、PP/アルミニウム/ナイロンの3層ラミネートフィルムが挙げられる。
リチウムイオン二次電池用負極の製造方法は、例えば、負極活物質を含む負極スラリーを調製し、負極スラリーを負極集電体11上に塗布、乾燥、プレスして負極活物質層12を形成することにより作製することができる。負極スラリーには、上述した負極活物質、負極用バインダ、負極用導電助剤のほか、溶媒を含めることができる。
本形態に係るリチウムイオン二次電池の製造方法は、上述したリチウムイオン二次電池用負極の製造方法を備えていればよい。本実施形態のリチウムイオン二次電池の製造方法は、例えば正極の作製工程と、組立工程と、を備えていてもよい。
正極20の作製工程は、例えば、正極活物質を含む正極スラリーを調製し、正極スラリーを正極集電体21上に塗布、乾燥、プレスして正極活物質層22を形成する工程を備えるものである。正極スラリーには、上述した正極活物質、正極用バインダ、正極用導電助剤および溶媒を含めることができる。
上述のようにして作製された正極20および負極10を、これらの間にセパレータ30を介して積層することにより、単電池層40を作製することができる。また、必要に応じて、単電池層40を複数積層させることにより、発電要素50を作製してもよい。このようにして得られた単電池層40または発電要素50を、外装体70内に封止することにより、リチウムイオン二次電池を作製することができる。
(負極の作製)
まず、遊星型ボールミル(ドイツ フリッチュ社製P-6)を用いて、メカニカルアロイ法により金属粉末を合金化処理および粉砕処理した。具体的には、質量比で、Si:Sn:Ti=66:5:29となるように調製した金属粉末と、ジルコニア製粉砕ボールとを、ジルコニア製容器に投入した。その後、ジルコニア製容器を固定する台座を、600rpmで12.5時間回転させて、金属粉末を合金化した。その後、台座を200rpmで2時間回転させ、合金を粉砕処理した。なお、レーザー回折・散乱法により測定したシリコン系負極活物質の平均粒子径は10μmであった。
金属リチウムからなる正極と上述のようにして得られた負極とを用いて、積層型リチウムイオン二次電池を作製した。具体的には、正極と負極との間にセパレータを配置し、正極と負極とを交互に積層させて、発電要素を作製した。セバレータとしては40μm厚のポリオレフィン微多孔質フィルムを用いた。なお、この積層体の作製においては、正極を2枚、負極を3枚およびセバレータを4枚積層させた。
負極活物質層の組成を、シリコン系負極活物質66.8質量%、黒鉛系負極活物質16.7質量%および負極用導電助剤4質量%からなる負極被結着成分、並びに負極用バインダ12.5質量%としたこと以外は、上述した実施例1-1と同様の手法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
負極活物質層の組成を、シリコン系負極活物質64.8質量%、黒鉛系負極活物質16.2質量%および負極用導電助剤4質量%からなる負極被結着成分、並びに負極用バインダ15質量%としたこと以外は、上述した実施例1-1と同様の手法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
負極活物質層の組成を、シリコン系負極活物質88.5質量%、黒鉛系負極活物質0質量%および負極用導電助剤4質量%からなる負極被結着成分、並びに負極用バインダ7.5質量%としたこと以外は、上述した実施例1-1と同様の手法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
負極活物質層の組成を、シリコン系負極活物質70.8質量%、黒鉛系負極活物質17.7質量%および負極用導電助剤4質量%からなる負極被結着成分、並びに負極用バインダ7.5質量%としたこと以外は、上述した実施例1-1と同様の手法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
上述した各実施例・比較例において作製されたリチウムイオン電池のそれぞれについて、以下の手法により、負極被結着成分の比表面積(SA)、バインダの比表面積(SB)および負極活物質層の比表面積(SC)を測定した。
負極被結着成分の比表面積(SA)については、シリコン系負極活物質、黒鉛系負極活物質および導電助剤を各実施例・比較例における所定の材料組成比で混合させて、BET比表面積を測定した。この際、BET比表面積の値は、JIS Z8830:2013(ISO 9277:2010)に記載の「ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」に準じて、静的容量法により窒素ガスを吸着ガスとして測定し、多点法により解析した。
乾燥後の塗膜の厚さが30μmとなるように、バインダ前駆体(上記ではポリアミック酸)のNMP溶液をガラス板の表面に均一に塗布した。そして、真空中で24時間乾燥させ、さらに真空中300℃で15時間乾燥焼成を行った。そして、熱処理により形成されたバインダ(ポリイミド)をガラス板から削ぎ落として粉末状にして回収し、BET比表面積を測定した。この際、BET比表面積の値は、上記と同様に、JIS Z8830:2013に準じて測定した。なお、SBの値は、バインダを形成する材料および熱処理温度が同一であれば、略同一の値となる。
上述した各実施例・比較例において作製された負極の負極活物質層の比表面積(SC)については、上記と同様に、JIS Z8830:2013に準じて測定した。この際、BET比表面積の値の算出にあたっては、負極に含まれる負極集電体の質量を控除した。
上記で測定された負極被結着成分の比表面積(SA)、バインダの比表面積(SB)および負極活物質層の比表面積(SC)の値から、電極被覆率q((SA-SC)/(SA-SB)×100)を算出した。各実施例・比較例における電極被覆率qを算出した結果を、下記の表1に示す。
また、各実施例・比較例において用いられた負極用導電助剤(アセチレンブラック)の真密度の値(1.3[g/cm3])およびバインダ(ポリイミド)の真密度の値(1.43[g/cm3])と各成分が負極活物質の固形分に占める質量割合の値とから、負極活物質層におけるバインダの体積に対する負極用導電助剤の体積の比率(RC)を算出した。各実施例・比較例における算出結果を、下記の表1に示す。
上述した各実施例・比較例において作製されたリチウムイオン二次電池をゴムシートで挟持し、膜厚変位計およびロードセル付きのバネ式加圧治具(荷重は20kgf)に取り付け、充放電による電池の厚みの変化をin-situ測定した。具体的には、初回3サイクル(0.1C/0.1C)の充放電を行い、充放電前の電池の厚みを1としたときの3サイクル目の満充電時の電池の厚みの相対値を算出することにより、電極膨張率として評価した。この値が小さいほど、シリコン系負極活物質を用いたことによる充放電時の活物質の膨張収縮の影響が緩和されていることを意味する。この電極膨張率の評価結果を下記の表1および図2に示す。
(負極の作製)
まず、遊星型ボールミル(ドイツ フリッチュ社製P-6)を用いて、メカニカルアロイ法により金属粉末を合金化処理および粉砕処理した。具体的には、質量比で、Si:Sn:Ti=66:5:29となるように調製した金属粉末と、ジルコニア製粉砕ボールとを、ジルコニア製容器に投入した。その後、ジルコニア製容器を固定する台座を、600rpmで12.5時間回転させて、金属粉末を合金化した。その後、台座を200rpmで2時間回転させ、合金を粉砕処理した。なお、レーザー回折・散乱法により測定したシリコン系負極活物質の平均粒子径は10μmであった。
金属リチウムからなる正極と上述のようにして得られた負極とを用いて、積層型リチウムイオン二次電池を作製した。具体的には、正極と負極との間にセパレータを配置し、正極と負極とを交互に積層させて、発電要素を作製した。セバレータとしては40μm厚のポリオレフィン微多孔質フィルムを用いた。なお、この積層体の作製においては、正極を2枚、負極を3枚およびセバレータを4枚積層させた。
負極活物質層の組成を、シリコン系負極活物質89質量%および負極用導電助剤1質量%からなる負極被結着成分、並びに負極用バインダ10質量%としたこと以外は、上述した実施例2-1と同様の手法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
負極活物質層の組成を、シリコン系負極活物質85.5質量%および負極用導電助剤2質量%からなる負極被結着成分、並びに負極用バインダ12.5質量%としたこと以外は、上述した実施例2-1と同様の手法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
負極活物質層の組成を、シリコン系負極活物質84.5質量%および負極用導電助剤3質量%からなる負極被結着成分、並びに負極用バインダ12.5質量%としたこと以外は、上述した実施例2-1と同様の手法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
負極活物質層の組成を、シリコン系負極活物質87質量%および負極用導電助剤3質量%からなる負極被結着成分、並びに負極用バインダ10質量%としたこと以外は、上述した実施例2-1と同様の手法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
負極活物質層の組成を、シリコン系負極活物質83.5質量%および負極用導電助剤4質量%からなる負極被結着成分、並びに負極用バインダ12.5質量%としたこと以外は、上述した実施例2-1と同様の手法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
負極活物質層の組成を、シリコン系負極活物質86質量%および負極用導電助剤4質量%からなる負極被結着成分、並びに負極用バインダ10質量%としたこと以外は、上述した実施例2-1と同様の手法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
(電極被覆率qの算出)
上述した各実施例において作製されたリチウムイオン電池のそれぞれについて、上記と同様の手法により、負極被結着成分の比表面積(SA)、バインダの比表面積(SB)および負極活物質層の比表面積(SC)を測定した。また、これらの測定値に基づき、電極被覆率qを算出した。各実施例における算出結果を、下記の表2に示す。
また、各実施例において用いられた負極用導電助剤(気相成長炭素繊維(VGCF))の真密度の値(2.1[g/cm3])およびバインダ(ポリイミド)の真密度の値(1.43[g/cm3])と各成分が負極活物質の固形分に占める質量割合の値とから、負極活物質層におけるバインダの体積に対する負極用導電助剤の体積の比率(RC)を算出した。各実施例における算出結果を、下記の表2に示す。
上述した各実施例において作製されたリチウムイオン電池のそれぞれについて、上記と同様の手法により、電極膨張率を測定した。各実施例における算出結果を、下記の表2および図3に示す。
(負極の作製)
まず、遊星型ボールミル(ドイツ フリッチュ社製P-6)を用いて、メカニカルアロイ法により金属粉末を合金化処理および粉砕処理した。具体的には、質量比で、Si:Sn:Ti=66:5:29となるように調製した金属粉末と、ジルコニア製粉砕ボールとを、ジルコニア製容器に投入した。その後、ジルコニア製容器を固定する台座を、600rpmで12.5時間回転させて、金属粉末を合金化した。その後、台座を200rpmで2時間回転させ、合金を粉砕処理した。なお、このようにして得られたシリコン系負極活物質を「負極活物質3A」とも称する。ここで、レーザー回折・散乱法により測定した負極活物質3Aの平均粒子径は10μmであった。また、窒素吸着法により測定した負極活物質3AのBET比表面積は8.4m2/gであった。
金属リチウムからなる正極と上述のようにして得られた負極とを用いて、積層型リチウムイオン二次電池を作製した。具体的には、正極と負極との間にセパレータを配置し、正極と負極とを交互に積層させて、発電要素を作製した。セバレータとしては40μm厚のポリオレフィン微多孔質フィルムを用いた。なお、この積層体の作製においては、正極を2枚、負極を3枚およびセバレータを4枚積層させた。
メカニカルアロイ法における条件を変更したこと以外は、上述した実施例3-1に記載されているのと同様の手法により、シリコン系負極活物質を得た。なお、このようにして得られたシリコン系負極活物質を「負極活物質3B」とも称する。ここで、レーザー回折・散乱法により測定した負極活物質3Bの平均粒子径は10μmであった。また、窒素吸着法により測定した負極活物質3BのBET比表面積は6.3m2/gであった。
負極活物質層の組成を、負極活物質3A 68.8質量%、炭素系負極活物質である人造黒鉛17.2質量%および負極用導電助剤4質量%からなる負極被結着成分、並びに負極用バインダ前駆体10質量%(固形分)としたこと以外は、上述した実施例3-1と同様の手法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
負極活物質層の組成を、負極活物質3A 86質量%および負極用導電助剤4質量%からなる負極被結着成分、並びに負極用バインダ10質量%としたこと以外は、上述した実施例3-1と同様の手法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
負極活物質層の組成を、負極活物質3B 88.5質量%および負極用導電助剤4質量%からなる負極被結着成分、並びに負極用バインダ7.5質量%としたこと以外は、上述した実施例3-1と同様の手法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
(電極被覆率qの算出)
上述した各実施例において作製されたリチウムイオン電池のそれぞれについて、上記と同様の手法により、負極被結着成分の比表面積(SA)、バインダの比表面積(SB)および負極活物質層の比表面積(SC)を測定した。また、これらの測定値に基づき、電極被覆率qを算出した。各実施例における算出結果を、下記の表3に示す。
また、各実施例において用いられた負極用導電助剤(気相成長炭素繊維(VGCF))の真密度の値(2.1[g/cm3])およびバインダ(ポリイミド)の真密度の値(1.43[g/cm3])と各成分が負極活物質の固形分に占める質量割合の値とから、負極活物質層におけるバインダの体積に対する負極用導電助剤の体積の比率(RC)を算出した。各実施例における算出結果を、下記の表3に示す。
また、各実施例において用いられたバインダの質量比率およびバインダ(ポリイミド)の真密度の値(1.43[g/cm3])から算出される負極活物質層の単位質量当たりに含まれるバインダの体積(Vバインダ)、負極被結着成分のBET比表面積(SA)[m2/g]、並びに上記で算出した電極被覆率(q)の値から、上述した数式2に従ってバインダ平均被覆厚さ(dバインダ)を算出した。各実施例における算出結果を、下記の表3に示す。
上述した各実施例において作製されたリチウムイオン電池のそれぞれについて、上記と同様の手法により、電極膨張率を測定した。各実施例における算出結果を、下記の表3および図4に示す。
100 リチウムイオン二次電池。
Claims (10)
- 負極集電体と、
前記負極集電体の表面に配置された、負極活物質および負極用導電助剤を含む負極被結着成分と、前記負極被結着成分を被覆するバインダと、を含む負極活物質層と、
を備えたリチウムイオン二次電池用負極であって、
前記負極活物質が粒子状シリコン系負極活物質を含み、粒子状炭素系負極活物質粒子をさらに含んでもよく、前記負極活物質の全量に占める粒子状シリコン系負極活物質の割合が50質量%~100質量%であり、
前記負極用導電助剤がカーボンブラックおよび/または炭素繊維を含み、
前記バインダがポリイミド、ポリアミドおよび/またはポリアミドイミドを含み、
前記負極活物質層において、前記負極活物質の含有量は60質量%~90質量%であり、前記負極用導電助剤の含有量は1質量%~10質量%であり、前記バインダの含有量は6質量%~30質量%であり、かつ、
下記数式1:
SBは前記バインダのBET比表面積[m2/g]を表し、前記バインダまたはその前駆体のNMP溶液を、乾燥後の塗膜の厚さが30μmとなるようにガラス板の表面に均一に塗布し、真空中で24時間乾燥させ、さらに真空中300℃で15時間乾燥焼成を行い、熱処理により形成されたバインダをガラス板から削ぎ落として粉末状にして回収し、JIS Z8830:2013(ISO 9277:2010)に記載の「ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」に準じて、静的容量法により窒素ガスを吸着ガスとして測定し、多点法により解析することにより算出され、
SCは前記負極活物質層のBET比表面積[m2/g]を表し、前記負極の負極活物質層を用いて、JIS Z8830:2013(ISO 9277:2010)に記載の「ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」に準じて、静的容量法により窒素ガスを吸着ガスとして測定し、多点法により解析することにより算出され、この際、BET比表面積の値の算出にあたっては、前記負極に含まれる負極集電体の質量を控除する、
で定義される電極被覆率qが80%以上である、リチウムイオン二次電池用負極。 - 前記負極活物質層における前記バインダの体積に対する前記導電助剤の体積の比率(RC)が0.05~0.21である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 前記比率(RC)が0.10~0.18である、請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 前記d バインダが13.7nm以上である、請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 前記負極被結着成分が炭素系負極活物質をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 前記炭素系負極活物質が人造黒鉛である、請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 前記バインダの引張弾性率が2GPa以上10GPa以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 前記負極用導電助剤のBET比表面積が20m2/g以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極を備えるリチウムイオン二次電池。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018021165 | 2018-02-08 | ||
JP2018021165 | 2018-02-08 | ||
JP2018108433 | 2018-06-06 | ||
JP2018108433 | 2018-06-06 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019216080A JP2019216080A (ja) | 2019-12-19 |
JP7149160B2 true JP7149160B2 (ja) | 2022-10-06 |
Family
ID=68919065
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018204189A Active JP7149160B2 (ja) | 2018-02-08 | 2018-10-30 | リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7149160B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024136398A1 (ko) * | 2022-12-23 | 2024-06-27 | 주식회사 엘지에너지솔루션 | 전극 조립체, 이의 제조방법, 이차전지, 배터리 팩 및 이동수단 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013206694A (ja) | 2012-03-28 | 2013-10-07 | Kyocera Corp | 電極およびその製造方法ならびにそれを用いた二次電池 |
WO2015118834A1 (ja) | 2014-02-04 | 2015-08-13 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池用負極 |
JP2016028382A (ja) | 2014-07-09 | 2016-02-25 | Tdk株式会社 | リチウムイオン二次電池用負極活物質、リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 |
JP2016028383A (ja) | 2014-07-09 | 2016-02-25 | Tdk株式会社 | リチウムイオン二次電池用負極活物質、リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 |
JP2016115633A (ja) | 2014-12-17 | 2016-06-23 | 日産自動車株式会社 | 電気デバイス用負極活物質、およびこれを用いた電気デバイス |
-
2018
- 2018-10-30 JP JP2018204189A patent/JP7149160B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013206694A (ja) | 2012-03-28 | 2013-10-07 | Kyocera Corp | 電極およびその製造方法ならびにそれを用いた二次電池 |
WO2015118834A1 (ja) | 2014-02-04 | 2015-08-13 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池用負極 |
JP2016028382A (ja) | 2014-07-09 | 2016-02-25 | Tdk株式会社 | リチウムイオン二次電池用負極活物質、リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 |
JP2016028383A (ja) | 2014-07-09 | 2016-02-25 | Tdk株式会社 | リチウムイオン二次電池用負極活物質、リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 |
JP2016115633A (ja) | 2014-12-17 | 2016-06-23 | 日産自動車株式会社 | 電気デバイス用負極活物質、およびこれを用いた電気デバイス |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024136398A1 (ko) * | 2022-12-23 | 2024-06-27 | 주식회사 엘지에너지솔루션 | 전극 조립체, 이의 제조방법, 이차전지, 배터리 팩 및 이동수단 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019216080A (ja) | 2019-12-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101548016B1 (ko) | 리튬이온 2차전지용 정극, 그 제조 방법 및 리튬이온 2차전지 | |
JP6782461B2 (ja) | 非水電解質二次電池用負極活物質 | |
US8178238B2 (en) | Positive-electrode active material for lithium-ion secondary battery, positive electrode, manufacturing method thereof, and lithium-ion secondary battery | |
US20170271678A1 (en) | Primer Surface Coating For High-Performance Silicon-Based Electrodes | |
US10566608B2 (en) | Negative electrode for electric device and electric device using the same | |
WO2019163895A1 (ja) | 負極活物質のプレドープ方法、負極の製造方法、及び蓄電デバイスの製造方法 | |
US20150303465A1 (en) | Negative electrode for electric device and electric device using the same | |
US10367198B2 (en) | Negative electrode active material for electric device | |
JP5448555B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用負極、それを用いたリチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用の負極作製用のスラリー、リチウムイオン二次電池用負極の製造方法 | |
KR101822355B1 (ko) | 전기 디바이스용 부극 활물질 및 이것을 사용한 전기 디바이스 | |
JP6179404B2 (ja) | 二次電池の製造方法 | |
JP2011258351A (ja) | リチウムイオン二次電池 | |
US20150295228A1 (en) | Negative electrode for electric device and electric device using the same | |
JP6656370B2 (ja) | リチウムイオン二次電池および組電池 | |
EP2924775B1 (en) | Negative electrode for electrical device, and electrical device using same | |
JP6972671B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池 | |
US20230090463A1 (en) | Battery | |
JP7149160B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 | |
JP6969085B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP6832474B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用正極材料、正極活物質層、及びリチウムイオン二次電池 | |
WO2023223582A1 (ja) | 電池および電池の製造方法 | |
WO2022085574A1 (ja) | 非水電解質二次電池用正極、その製造方法およびその検査方法、並びに非水電解質二次電池およびその製造方法 | |
WO2023223581A1 (ja) | 電池 | |
JP6848981B2 (ja) | 電気デバイス用負極及びそれを用いた電気デバイス | |
JP6819220B2 (ja) | 電気デバイス用負極及びそれを用いた電気デバイス |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210802 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220422 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220426 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220725 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220830 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220926 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7149160 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |