JP7136517B1 - 小麦と玄米を用いた新規製パン法 - Google Patents
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Abstract
Description
(項目1)
(1)小麦粉ではない穀物を水に浸して、穀物浸水液を得る工程と、
(2)前記穀物浸水液中の前記穀物を粉砕して加熱し、穀物粉砕液を得る工程と、
(3)前記穀物粉砕液に酵母を添加して発酵させ、穀物発酵液を得る工程と、
(4)前記穀物発酵液と小麦粉と酵母とを合わせて混捏してパン生地を得る工程と、
を包含する、パン生地の製造方法。
(項目2)
工程(1)を室温で行う、項目1に記載の製造方法。
(項目3)
工程(3)における前記発酵を、少なくとも約10時間以上行う、項目1または2に記載の製造方法。
(項目4)
工程(4)において、さらに前記穀物粉砕液を合わせることを含む、項目1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
(項目5)
前記混捏物は、約20~40ベーカーズパーセントの前記穀物を含む、項目1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
(項目6)
前記穀物が玄米である、項目1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
(項目7)
前記小麦粉が中力粉または薄力粉である、項目1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
(項目8)
前記小麦粉が、スペルト小麦の小麦粉である、項目1に記載の製造方法。
(項目9)
項目1~8のいずれか一項に記載の製造方法によって製造されたパン生地を提供する工程と、
前記パン生地を発酵させる工程と、
発酵させた前記パン生地を焼成する工程と
を包含する、パンの製造方法。
(項目10)
項目1~8のいずれか一項に記載の製造方法によって製造されたパン生地。
(項目11)
項目9に記載の製造方法によって製造されたパン。
本明細書において、「パン」とは、食パン、菓子パン、調理パン又はその他の任意のパンだけでなく、パン生地の焼成によって製造される他の食品も含み得る。
本発明における「小麦粉」は、特に記載した場合を除き、穀物としての小麦から、外皮及び胚芽を実質的に除いた胚乳部分を挽いて作られた粉をいう。小麦粉の例として、強力粉(タンパク質の割合が11.8重量%以上のもの)、準強力粉(タンパク質の割合が9.7重量%のもの)、中力粉(タンパク質の割合が、強力粉と薄力粉の間(11.8重量%未満9.3重量%超程度)のもの)、薄力粉(タンパク質の割合が9.3%重量以下のもの)、浮き粉(小麦粉の生地からグルテンを分離した残りの澱粉分)、セモリナ粉が挙げられる。
本発明のパンの製造方法においては、玄米、きび(高きび等)、あわ(あわ粒等)、ひえ(ひえ粒等)、キヌア(キヌア粒等)、アマランス(アマランス粒等)から選択される任意の小麦以外の穀物を、小麦粉と組み合わせて使用する。穀物は、精白されていない未精白のものを用いることが好ましい。通常、穀物等の食材は精白されると、表面組織(穀物ならばヌカに相当する部分)及び胚芽を傷つけられ、あるいはこれらを全て失い、発芽不能の状態つまり死んだ状態のものとなる。そして、傷つけられたり失ったりした表面組織及び胚芽の中には、ビタミン類、ミネラル類、不飽和脂肪酸、ポリフェノールに代表されるファイトケミカルが豊富に含まれている。そのため、使用する食材は未精白であることが好ましい。
酵母は、糖分を消化し、アルコール類や有機酸などの風味成分を生成する。酵母は、パンの製造に用いられる酵母であれば特に制限はなく、生イースト、ドライイースト、インスタントドライイーストなどの工業的に生産されている市販のパン酵母でも、果物や穀物等から自家採捕した酵母でも良い。このような酵母として、Saccharomyces cerevisiaeや、Saccharomyces exiguousなどが挙げられる。
1.穀物の浸水処理
本発明のパンの製造方法においては、小麦以外の穀物をまず水に漬ける(図1の「穀物の浸水」)。これによって穀物が軟化する。理論に拘束されることを意図しないが、穀物(特に、未精白の穀物)を水に漬けることによって、穀物が発芽モード、すなわち少なくとも肉眼では芽を確認することはできないが、吸水によって生命活動を開始した状態になると考えられる。穀物には、発芽を抑制する植物ホルモンであるアブシシン酸が含まれているが、穀物がそのままヒトや動物の体内に入ると、アブシシン酸の作用により、代謝の異常が起こり、結果的に細胞外ミネラルであるはずのカルシウムが細胞内で増加する。この細胞内でのカルシウム濃度の異常な増加を改善するため、免疫細胞の顆粒球が捕食作用を開始するが、役目を終えた顆粒球は死ぬときに大量の活性酸素を生成させ、この活性酸素により細胞内のミトコンドリアが傷つけられる。ミトコンドリアが傷つけられると、効率よくエネルギー代謝を行うことができなくなり、色々な疾病が生じるおそれがある。本発明において好ましい穀物は玄米であり得る。
水に漬けた穀物を、その後、ミキサーやフードプロセッサー等を用いて粉砕することによって、穀物粉砕液を得る(図1の「穀物の粉砕」)。好ましい実施形態においては、この粉砕は、穀物粉砕液の全量に対して40重量%以上90重量%未満のものが30メッシュ(JIS規格、目開き500μm)のふるいを通過する程度に行い得る。このような程度に粉砕された穀物粉砕液は、粗く粉砕したものと比べて水分と穀物粒子とが分離せずに混ざり合い、また、細かく粉砕したものと比べて粘りが適度であってその後の処理に適している。
上述のようにして得られた穀物粉砕液を加熱して、穀物の澱粉をα化する(図1の「加熱・α化」)。澱粉のα化とは、澱粉に水を加えて加熱して澱粉粒を崩壊させ、澱粉を糊化(ペースト化)することをいう。澱粉のα化は、澱粉を構成しているアミロースとアミロペクチンの結合が、水と熱によって崩れるために起きる現象である。α化した澱粉をα化澱粉といい、元の澱粉をβ化澱粉という。澱粉がα化すると、澱粉中のアミロースが水分中に溶け出すため、パン生地及びパンに甘みを持たせることができる。穀物粉砕液の加熱は、粉砕液がおかゆや寒天のように粘りを有するまで行えばよい。
上述のようにして得られた穀物発酵液と、小麦粉に、さらに酵母を添加(図1の「小麦粉・酵母添加」)し、混捏してパン生地とする(図1の「混捏」)。本発明において混捏は、例えばミキシング装置やホームベーカリー等の攪拌機能により行うこともできるし、手で行うこともできる。混捏はパンの製造における一般的な温度および時間で行えばよく、一般的には約15℃~32℃程度、好ましくは約18~30℃で約3分~40分程度、好ましくは約10~30分程度行えばよい。
続いて、混捏することによって製造したパン生地を発酵させる。本発明の発酵は、典型的には一次発酵と二次発酵の2つの発酵工程を含み得る。
発酵工程終了後、発酵生地を焼成(ベーキング)することにより、本発明に係るパンを製造することができる(図1の「焼成」)。生地の焼成は、常法により行うことができる。具体的には、生地をオーブン、電子レンジ、釜、蒸し器等の任意の手段で加熱(例えば100℃~240℃での加熱)することにより焼成工程を実施すればよい。焼成時間は、一般的には5分~100分程度である。焼成温度や焼成時間は、当業者であれば適宜調節することができる。
本発明の特に好ましい実施形態を図2に示す。図1に示した実施形態とは、穀物発酵液を得た後に、小麦粉と酵母を添加して混捏する際に、酵母を添加していない穀物粉砕液も添加する点である。このようにすることによって、図1の方法と比較してパンがふっくらする。理論に拘束されることを意図しないが、発明者の経験上、穀物粉砕液中の穀物粒子がパン生地に適度の粘りを与え、それがパンの仕上がりに良い影響を与えるものと考えられる。
一般的には、パンの製造においては油脂が用いられることが多い。油脂はパンにしっとりとした食感を与えるため、通常は油脂が使用される。パンにおいて用いられる油脂としては、ショートニング、マーガリン、バター、コンパウンドマーガリン、ファットスプレッド、各種製パン練り込み用油脂組成物に例示される可塑性油脂類が挙げられる。これらの可塑性油脂類の原料としては、大豆油、綿実油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、菜種油、米ぬか油、ゴマ油、カポック油、ヤシ油、パーム核油、乳脂、ラード、魚油、鯨油等の各種の動植物油脂及びそれらの硬化油、分別油、エステル交換油等の加工油脂が例示できる。
以上、本開示を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本開示を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本開示を限定する目的で提供したのではない。従って、本開示の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
玄米100gを水1000gに浸水し、25℃で12時間放置して玄米浸水液を得た。玄米浸水液中の玄米をミキサーで粉砕して玄米粉砕液を得た。粉砕後の玄米は、30メッシュ(JIS規格、目開き500μm)のふるいを半分以上が通過する程度に粉砕されていた。玄米粉砕液を煮詰めて澱粉をα化させ、おかゆ状にした。
玄米発酵液を用いないこと以外は実施例1と同一の条件でパンを製造した。すなわち、玄米100gを水1000gに浸水し、25℃で12時間放置して玄米浸水液を得た。玄米浸水液中の玄米をミキサーで粉砕して玄米粉砕液を得た。粉砕後の玄米は、30メッシュ(JIS規格、目開き500μm)のふるいを半分以上が通過する程度に粉砕されていた。玄米粉砕液を煮詰めて澱粉をα化させ、おかゆ状にした。
実施例1においては、玄米粉砕液200gと、玄米酵母液300gと、小麦粉(中力粉)1000gとを混捏したが、これを玄米粉砕液200gと、玄米酵母液300gと、小麦粉(中力粉)2000gに変更し、それ以外は実施例1と同様にパンを製造した。最終的なパン生地は、15ベーカーズパーセントの玄米を含んでいた。ぱさぱさな食感で、実施例1のパンのようなしっとりした感じがなく、優れていなかった。
実施例1においては、玄米粉砕液200gと、玄米酵母液300gと、小麦粉(中力粉)1000gとを混捏したが、これを玄米粉砕液200gと、玄米酵母液300gと、小麦粉(中力粉)500gに変更し、それ以外は実施例1と同様にパンを製造した。最終的なパン生地は、60ベーカーズパーセントの玄米を含んでいた。実施例1のパンのような膨らみが得られず、優れていなかった。
Claims (8)
- (1)小麦粉ではない穀物を水に浸して、穀物浸水液を得る工程と、
(2)前記穀物浸水液中の前記穀物を粉砕して加熱し、穀物粉砕液を得る工程と、
(3)前記穀物粉砕液に酵母を添加して発酵させ、穀物発酵液を得る工程と、
(4)(3)で得られた前記穀物発酵液と、(2)で得られた前記穀物粉砕液と、小麦粉と酵母とを合わせて混捏してパン生地を得る工程と、
を包含し、前記パン生地は、約20~40ベーカーズパーセントの前記穀物を含み、前記穀物が玄米であり、前記小麦粉が中力粉または薄力粉である、パン生地の製造方法。 - 工程(1)を室温で行う、請求項1に記載の製造方法。
- 工程(3)における前記発酵を、少なくとも約10時間以上行う、請求項1に記載の製造方法。
- 工程(4)において、穀物粉砕液:穀物発酵液:小麦粉は1~2:1~2:3~10の重量比で混捏に供される、請求項1に記載の製造方法。
- 前記小麦粉が、スペルト小麦の小麦粉である、請求項1に記載の製造方法。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法によって製造されたパン生地を提供する工程と、
前記パン生地を発酵させる工程と、
発酵させた前記パン生地を焼成する工程と
を包含する、パンの製造方法。 - 請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法によって製造されたパン生地。
- 請求項7に記載の製造方法によって製造されたパン。
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| ALTER WEEKLY ORDER CATALOGUE, JPN6022021053, 2017, pages 1, ISSN: 0004782564 * |
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| アルペンローゼ, 2021 [検索日 2022.05.23], インターネット:<URL:HTTPS://ALPENROSE.JP/?PAGE_ID=79>, JPN6022021052, ISSN: 0004782565 * |
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