JP7135844B2 - 揮発性有害物質の揮発抑制方法、揮発性有害物質の揮発抑制剤 - Google Patents

揮発性有害物質の揮発抑制方法、揮発性有害物質の揮発抑制剤 Download PDF

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本発明は、揮発性有害物質の揮発抑制方法、及び揮発性有害物質の揮発抑制剤に関する。
掘削作業を伴う土壌汚染対策工事においては、ベンゼン等の揮発性有害物質の拡散を防止することが要求される(非特許文献1参照)。
揮発性有害物質の拡散を防止する方法としては、たとえば、掘削作業を行う場所(施工箇所)に汚染拡散防止テントを設置する方法が採用されている(非特許文献2参照)。
"土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)" 環境省 水・大気環境局 土壌環境課(平成24年8月) 樋口 雄一、外4名、1グループ、"土壌汚染対策工事における汚染拡散防止テント等の活用実態について"、[online]、土壌環境センター 実態把握調査部会、[平成30年8月15日検索]、インターネット(URL:https://www.gepc.or.jp/engineer/actual/kenkyu17_H_S1-21.pdf)
非特許文献2のような方法を採用する場合であっても、土壌中の揮発性有害物質が揮発することは避けられない。よって、作業者は防毒マスクを着用したうえで作業を行う必要がある。
本発明は、土壌等に含まれる揮発性有害物質の揮発を抑制することが可能な方法、及び剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る揮発性有害物質の揮発抑制方法は、揮発性有害物質を含有する対象物に対して、脂肪酸エステルを含む界面活性剤を添加する。
また、前記揮発性有害物質は、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、トリクロロエチレン、及びテトラクロロエチレンの少なくとも一つである。
また、前記脂肪酸エステルは、ジオレイン酸ポリエチレングリコールである。
更に、本発明に係る揮発性有害物質の揮発抑制剤は、脂肪酸エステルを含む界面活性剤からなる。
本発明によれば、土壌等に含まれる揮発性有害物質の揮発を抑制することができる。
実施例及び比較例における試料土から揮発したベンゼンの濃度を示すグラフである。 実施例及び比較例におけるベンゼンの揮発抑制の割合を示すグラフである。 実施例及び比較例における試料土から揮発したトルエンの濃度を示すグラフである。 実施例及び比較例におけるトルエンの揮発抑制の割合を示すグラフである。 実施例及び比較例における試料土から揮発したキシレンの濃度を示すグラフである。 実施例及び比較例におけるキシレンの揮発抑制の割合を示すグラフである。 実施例及び比較例における試料水から揮発したベンゼンの濃度を示すグラフである。 実施例及び比較例における試料土から揮発したクロロベンゼンの濃度を示すグラフである。 実施例及び比較例におけるクロロベンゼンの揮発抑制の割合を示すグラフである。 実施例及び比較例における試料土から揮発したo-ジクロロベンゼンの濃度を示すグラフである。 実施例及び比較例におけるo-ジクロロベンゼンの揮発抑制の割合を示すグラフである。 実施例及び比較例における試料土から揮発したトリクロロエチレンの濃度を示すグラフである。 実施例及び比較例におけるトリクロロエチレンの揮発抑制の割合を示すグラフである。 実施例及び比較例における試料土から揮発したテトラクロロエチレンの濃度を示すグラフである。 実施例及び比較例におけるテトラクロロエチレンの揮発抑制の割合を示すグラフである。
==実施形態==
本実施形態は、揮発性有害物質の揮発抑制方法及び揮発抑制剤に関する。本実施形態に係る揮発抑制方法においては、揮発性有害物質を含有する対象物に対して、脂肪酸エステルを含む界面活性剤(揮発抑制剤)を添加する。
[揮発性有害物質]
揮発性有害物質は、常温で揮発性を有し、人体に有害な成分を含有する物質である。揮発性有害物質は、たとえば、油分に含まれるベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼンのような芳香族炭化水素や、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンのような有機塩素系化合物である。
[対象物]
対象物は、揮発性有害物質を含有する土壌または水である。土壌の種類は、砂質土や粘土等、特に限定されるものではない。また、水の種類も、地下水や河川の水等、特に限定されるものではない。
[脂肪酸エステルを含む界面活性剤(揮発抑制剤)]
脂肪酸エステルは、ジオレイン酸ポリエチレングリコールのようなオレイン酸系のポリエチレングリコールを用いることができる。界面活性剤は、脂肪酸エステルを溶媒(たとえば、水)で希釈したものである。界面活性剤は、たとえば、脂肪酸エステル:水=1:10(10倍に希釈)の割合で希釈したものを用いる。希釈する割合は、対象物の種類や浸透性、揮発性有害物質の濃度、或いは界面活性剤の添加量等に合わせて適宜調整することが好ましい。また、対象物に対する界面活性剤の添加量は、たとえば、1mあたり1L程度が好ましく、対象物の種類や浸透性、揮発性有害物質の濃度等に合わせて適宜調整することがより好ましい。なお、界面活性剤は、脂肪酸エステル及び溶媒以外に揮発抑制に影響を与えない他の成分を含んでいてもよい。
[揮発抑制方法]
本実施形態に係る揮発抑制方法は、揮発性有害物質を含有する対象物に対して、脂肪酸エステルを含む界面活性剤を添加することができれば特に限定されない。界面活性剤の添加は、対象物に応じて様々な方法により行うことができる。たとえば、対象物が土壌の場合、散布車や噴霧器を用いて界面活性剤を散布する。また、対象物が水の場合、水に対して界面活性剤を直接投入し、混合する。
揮発抑制のメカニズムは、たとえば、界面活性剤の疎水基部分が揮発性有害物質と結合した状態で、界面活性剤の親水基部分が対象物中の水分と結合することにより、対象物中で揮発性有害物質が保持された状態になっているためと考えられる。なお、揮発性有害物質が臭気を伴う場合、揮発抑制に応じて臭気の拡散も抑制できる。
このように、本実施形態に係る揮発抑制剤を用いることにより、対象物中の揮発性有害物質の揮発を抑制することができる。従って、テントや防毒マスクを使用しなくとも作業を行うことができる。
なお、テントを使用する場合には、専用のテントを準備したり、施工箇所にテントを設置する手間を要するため、作業性が低下する。また、土壌の状態や形状によっては、テントを設置することが不可能な場合もありうる。更に、テントを使用する場合、作業者は、防毒マスクを着用する手間を要したり、着用した状態での作業を要求されるため、作業性が低下する。一方、本実施形態に係る揮発抑制剤を用いて、揮発性有害物質の揮発を抑制することにより、揮発性有害物質を含有する土壌等における作業性の低下を低減することができる。
==実施例==
[試料土からの揮発抑制試験1]
試料土に含まれる揮発性有害物質の揮発抑制について、以下の試験により検証した。
(試料土)
試料土としては、以下の表1に示す試料土A~試料土Cを使用した。なお、試料土Aは、山砂のみで構成される砂質土である。試料土B及び試料土Cは、粘土:山砂=2:1で混合したものを粒径9.5mm未満となるように粒度調整を行ったものである。
また、各試料土には、ガソリン:軽油:ベンゼン=1:1:0.1の割合で混合した混合油が添加されている。試料土A及び試料土Bにおける混合油の濃度は約3,000mg/kgである。試料土Cにおける混合油の濃度は約6,000mg/kgである。混合油の濃度は、TPH試験法(油汚染対策ガイドライン(平成18年3月)資料3 GC-FID法によるTPH試験方法参照)により求めた値である。
Figure 0007135844000001
(揮発抑制剤)
揮発抑制剤は、ジオレイン酸ポリエチレングリコールを水で10倍に希釈したものを用いた。また、添加量は、試料土1mあたり1Lの割合とした。
(試験方法)
実施例の試験方法は以下の通りである。
(1)試料土Aを表面積が一定となるように、ガラス製シャーレ(φ90mm×15cm)に敷き詰めた。
(2)試料土Aに対して、霧吹きを用いて揮発抑制剤を散布した。
(3)(2)の処理後、ガラス製シャーレを密閉容器(24cm×18cm×H15cm)に入れた。そして、密閉容器内に一定流量(2L/min)で清浄空気を通し、密閉容器のガス採取口から流出する空気をガスバックで捕集した。
(4)捕集した空気中のベンゼン、トルエン、キシレンの各濃度をガスクロマトグラフィー、及び水素炎イオン化検出器(FID)を用いて測定した。
(5)(1)~(4)の処理を、試料土B及び試料土Cについても同様に行った。
比較例の試験方法は以下の通りである。
(1)試料土Aを表面積が一定となるように、ガラス製シャーレ(φ90mm×15cm)に敷き詰めた。
(2)ガラス製シャーレを密閉容器(24cm×18cm×H15cm)に入れた。そして、密閉容器内に一定流量(2L/min)で清浄空気を通し、密閉容器のガス採取口から流出する空気をガスバックで捕集した。
(3)捕集した空気中のベンゼン、トルエン、キシレンの各濃度をガスクロマトグラフィー、及び水素炎イオン化検出器(FID)を用いて測定した。
(4)(1)~(3)の処理を、試料土B及び試料土Cについても行った。
(試験結果)
図1Aから明らかなように、揮発抑制剤を散布した試料土A~試料土C(実施例)は、揮発抑制剤を散布していない試料土A~試料土C(比較例)よりも揮発するベンゼンの濃度(ppm)が低くなるという結果が得られた。また、図1Bから明らかなように、比較例において揮発したベンゼンの濃度を1.0とした場合、実施例において揮発したベンゼンの濃度は0.2程度となった。つまり、試料土に揮発抑制剤を添加することにより、揮発するベンゼンの濃度を約20%まで抑制できることが明らかとなった。
同様に、図2Aから明らかなように、揮発抑制剤を散布した試料土A~試料土C(実施例)は、揮発抑制剤を散布していない試料土A~試料土C(比較例)よりも揮発するトルエンの濃度(ppm)が低くなるという結果が得られた。また、図2Bから明らかなように、比較例において揮発したトルエンの濃度を1.0とした場合、実施例において揮発したトルエンの濃度は0.2程度となった。つまり、試料土に揮発抑制剤を添加することにより、揮発するトルエンの濃度を約20%まで抑制できることが明らかとなった。
更に、図3Aから明らかなように、揮発抑制剤を散布した試料土A~試料土C(実施例)は、揮発抑制剤を散布していない試料土A~試料土C(比較例)よりも揮発するキシレンの濃度(ppm)が低くなるという結果が得られた。また、図3Bから明らかなように、比較例において揮発したキシレンの濃度を1.0とした場合、実施例において揮発したキシレンの濃度は0.2程度となった。つまり、試料土に揮発抑制剤を添加することにより、揮発するキシレンの濃度を約20%まで抑制できることが明らかとなった。
以上の結果から、揮発性有害物質であるベンゼン、トルエン、キシレンを含有する土壌に対して、ジオレイン酸ポリエチレングリコールを含む揮発抑制剤を添加することにより、当該揮発性有害物質の揮発を抑制できることが明らかとなった。
[試料水からの揮発抑制試験]
試料水に含まれる揮発性有害物質の揮発抑制について、以下の試験により検証した。
(試料水)
試料水としては、ベンゼン濃度1mg/Lの水を使用した。
(揮発抑制剤)
揮発抑制剤は、ジオレイン酸ポリエチレングリコールを水で10倍に希釈したものを用いた。また、添加量は、試料水1mあたり0.5Lの割合とした。
(試験方法)
実施例の試験方法は以下の通りである。なお、試験は、一定温度下(20℃)で行った。
(1)試料水を25mL添加したバイアル瓶(50mL)を5つ(試験体A1~A5)準備した。
(2)(1)のバイアル瓶それぞれに対して、揮発抑制剤を添加した。
(3)60秒経過後、試験体A1のバイアル瓶上部(ヘッドスペース)におけるベンゼン濃度を測定した。同様に、120秒(試験体A2)、300秒(試験体A3)、600秒(試験体A4)、1200秒(試験体A5)経過後にもベンゼン濃度の測定を行った。ベンゼン濃度は、ガスクロマトグラフィー、及び水素炎イオン化検出器(FID)を用いて測定した。なお、経過時間毎に測定する試験体を変えた理由は、時間経過によって揮発するベンゼンの濃度を正確に測定するためである。
比較例の試験方法は、揮発抑制剤を添加しないこと以外は、実施例と同様である。
(試験結果)
図4から明らかなように、揮発抑制剤を添加した試料水は、揮発抑制剤を添加していない試料水よりも揮発するベンゼンの濃度(ppm)が低くなった。すなわち、揮発性有害物質であるベンゼンを含有する水に対しても、ジオレイン酸ポリエチレングリコールを含む揮発抑制剤を添加することにより、当該揮発性有害物質の揮発を抑制できることが明らかとなった。
[試料土からの揮発抑制試験2]
試料土に含まれる揮発性有害物質の揮発抑制について、以下の試験により検証した。
(試料土)
試料土としては、以下の表2に示す試料土D~試料土Gを使用した。なお、試料土D及び試料土Eは、山砂のみで構成される砂質土である。試料土F及び試料土Gは、粘土:山砂=2:1で混合したものを粒径9.5mm未満となるように粒度調整を行ったものである。
また、各試料土には、揮発性有害物質として、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンが添加されている。各試料土における揮発性有害物質の濃度は、表2に示した通りである。揮発性有害物質は、試料土Dにおける濃度が最も高く、試料土F、試料土E、試料土Gの順で低濃度となっている。
Figure 0007135844000002
(揮発抑制剤)
揮発抑制剤は、ジオレイン酸ポリエチレングリコールを水で10倍に希釈したものを用いた。また、添加量は、試料土1mあたり1Lの割合とした。
(試験方法)
実施例の試験方法は以下の通りである。
(1)試料土Dを表面積が一定となるように、ガラス製シャーレ(φ90mm×15cm)に敷き詰めた。
(2)試料土Dに対して、霧吹きを用いて揮発抑制剤を散布した。
(3)(2)の処理後、ガラス製シャーレを密閉容器(24cm×18cm×H15cm)に入れた。そして、密閉容器内に一定流量(2L/min)で清浄空気を通し、密閉容器のガス採取口から流出する空気をガスバックで捕集した。
(4)捕集した空気中のクロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの各濃度をガスクロマトグラフィー、及び水素炎イオン化検出器(FID)を用いて測定した。
(5)(1)~(4)の処理を、試料土E~試料土Gについても同様に行った。
比較例の試験方法は以下の通りである。
(1)試料土Dを表面積が一定となるように、ガラス製シャーレ(φ90mm×15cm)に敷き詰めた。
(2)ガラス製シャーレを密閉容器(24cm×18cm×H15cm)に入れた。そして、密閉容器内に一定流量(2L/min)で清浄空気を通し、密閉容器のガス採取口から流出する空気をガスバックで捕集した。
(3)捕集した空気中のクロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの各濃度をガスクロマトグラフィー、及び水素炎イオン化検出器(FID)を用いて測定した。
(4)(1)~(3)の処理を、試料土E~試料土Gについても行った。
(試験結果)
図5Aから明らかなように、揮発抑制剤を散布した試料土D~試料土G(実施例)は、揮発抑制剤を散布していない試料土D~試料土G(比較例)よりも揮発するクロロベンゼンの濃度(ppm)が低くなるという結果が得られた。また、図5Bから明らかなように、比較例において揮発したクロロベンゼンの濃度を1.0とした場合、実施例において揮発したクロロベンゼンの濃度は0.1~0.4程度となった。つまり、試料土に揮発抑制剤を添加することにより、揮発するクロロベンゼンの濃度を約10~40%まで抑制できることが明らかとなった。
また、図6Aから明らかなように、揮発抑制剤を散布した試料土D~試料土G(実施例)は、揮発抑制剤を散布していない試料土D~試料土G(比較例)よりも揮発するo-ジクロロベンゼンの濃度(ppm)が低くなるという結果が得られた。また、図6Bから明らかなように、比較例において揮発したo-ジクロロベンゼンの濃度を1.0とした場合、実施例において揮発したo-ジクロロベンゼンの濃度は0.04~0.3程度となった。つまり、試料土に揮発抑制剤を添加することにより、揮発するo-ジクロロベンゼンの濃度を約4~30%まで抑制できることが明らかとなった。
また、図7Aから明らかなように、揮発抑制剤を散布した試料土D~試料土G(実施例)は、揮発抑制剤を散布していない試料土D~試料土G(比較例)よりも揮発するトリクロロエチレンの濃度(ppm)が低くなるという結果が得られた。また、図7Bから明らかなように、比較例において揮発したトリクロロエチレンの濃度を1.0とした場合、実施例において揮発したトリクロロエチレンの濃度は0.1~0.4程度となった。つまり、試料土に揮発抑制剤を添加することにより、揮発するトリクロロエチレンの濃度を約10~40%まで抑制できることが明らかとなった。
更に、図8Aから明らかなように、揮発抑制剤を散布した試料土D~試料土G(実施例)は、揮発抑制剤を散布していない試料土D~試料土G(比較例)よりも揮発するテトラクロロエチレンの濃度(ppm)が低くなるという結果が得られた。また、図8Bから明らかなように、比較例において揮発したテトラクロロエチレンの濃度を1.0とした場合、実施例において揮発したテトラクロロエチレンの濃度は0.01~0.3程度となった。つまり、試料土に揮発抑制剤を添加することにより、揮発するテトラクロロエチレンの濃度を約1~30%まで抑制できることが明らかとなった。
以上の結果から、揮発性有害物質であるクロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンを含有する土壌に対して、ジオレイン酸ポリエチレングリコールを含む揮発抑制剤を添加することにより、当該揮発性有害物質の揮発を抑制できることが明らかとなった。
上記実施形態等は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Claims (3)

  1. 揮発性有害物質を含有する対象物に対して、ジオレイン酸ポリエチレングリコールを含む界面活性剤を添加することを特徴とする揮発性有害物質の揮発抑制方法。
  2. 前記揮発性有害物質は、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、トリクロロエチレン、及びテトラクロロエチレンの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1記載の揮発性有害物質の揮発抑制方法。
  3. ジオレイン酸ポリエチレングリコールを含む界面活性剤からなる、揮発性有害物質の揮発抑制剤。
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