JP7134824B2 - 防火建具 - Google Patents
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Description
しかし、加熱発泡材で受け止めることでオイルが建具内にとどまり、温度が上昇することによって躯体開口部においてオイルに引火する可能性があった。
また、他のひとつの実施形態は、枠体の竪枠と障子の竪框との間の空間にオイルによって緩衝機能を有するダンパーが配置されており、障子の下框は、長手方向に沿って加熱発泡材が配置されているとともに、下框に配置された加熱発泡材は、下枠と下框の間の空間に露出し、枠体の竪枠と障子の竪框との間の空間に露出していない防火建具である。
(全体の構成)
本発明の実施形態の外倒し窓は、図1に示すように、建物の躯体開口部に配置される枠体1と、枠体1の内周に対して下辺を軸にして上辺が外側へ開放するように支持される障子2とを備える外倒し窓として構成されている。
障子2は、下框22がヒンジ15により枠体1の下枠12に取付けられることで回動自在に支持されており、障子2の閉鎖時においては、上框21が上枠11にロック装置16等により係合されることで、障子2の閉鎖状態が維持される。
また、左、右竪枠13,14と左、右竪框23,24との間にダンパー8,8が配置されており、障子2の開閉時の動きを緩衝するとともに、障子2の開放状態が維持される。
枠体1を構成する上枠11、下枠12及び左、右竪枠13,14は、それぞれ室外側に配置される金属製の枠材と室内側に配置される樹脂製の枠材を有している。
一方、障子2を構成する上框21、下框22及び左、右竪框23,24は、それぞれ室外側に配置される金属製の框材と室内側に配置される樹脂製の框材を有している。
本実施形態の防火建具の枠体1を構成する下枠12は、図2に示すように、躯体開口部の内周に配置される金属下枠121と、金属下枠121の室内側内周(上面)に配置される樹脂下枠122を有する。
金属下枠121は、中空部を有し躯体開口部の室外側内周を覆う室外側本体部121aと、室外側本体部121aの室内側に階段状に高くなるように連設される室内側本体部121bを有している。
室外側本体部121aは、室内側上面が平坦面として形成され、室外側上面に上方に開口する凹部が形成されている。また、室内側本体部121bは、室外側上面が平坦面として形成され、室内側上面に樹脂下枠122が取り付けられる被係合部121cが形成されている。
なお、本実施形態の樹脂下枠122は、室内側立壁部122aと上壁部122bが別体により形成されており、室内側立壁部122aの上面に上壁部122bが取り付けられて形成されているが、室内側立壁部122aと上壁部122bを一体的に形成してもよい。
金属下框221は、中空部を有する下框本体部221aと、下框本体部221aの室外側端から外周(下)方向に延設される室外側壁部221bと、下框本体部221aの室外側端から内周(上)方向に延設される室外側パネル間口壁221cを有している。
樹脂下框222は、下框本体部221aの室内側に取付けられ中空部を有する樹脂下框本体部222aと、樹脂下框本体部222aの室内側から内周(上)方向に延設される室内側パネル間口壁222bを有している。
本実施形態の防火建具の枠体1を構成する竪枠(なお、竪枠及び竪框の構成は、左右でほぼ同じであるので、以下、竪枠及び竪框について左竪枠13及び左竪框23を用いて説明する。)は、図3に示すように、躯体開口部の内周に配置される金属左竪枠131と、金属左竪枠131の室内側内周に配置される樹脂左竪枠132を有する。
金属左竪枠131は、躯体開口部の内周を覆う左竪枠本体部131aと、左竪枠本体部131aの内周面より内周方向に突設される見付け壁部131bを有しており、左竪枠本体部131aの見付け壁部131bよりも室内側に被係合部131cが形成されている。
金属左竪框231は、中空部を有する左竪框本体部231aと、左竪框本体部231aの室外側端から外周方向に延設される室外側壁部231bと、左竪框本体部231aの室外側端から内周方向に延設される室外側パネル間口壁231cを有している。
樹脂左竪框232は、金属左竪框231の左竪框本体部231aの室内側に取付けられ中空部を有する樹脂左竪框本体部232aと、樹脂左竪框本体部232aの室内側から内周方向に延設される室内側パネル間口壁232bを有している。
しかし、枠体1の竪枠と障子2の竪框との間の空間Aに、オイルによって緩衝機能を有するダンパーが配置されている建具においては、該空間Aや枠体1の下枠12と障子2の下框22との間の空間Bが膨張した加熱発泡材によって閉塞されることによって、ダンパーから漏れ出したオイルが竪枠と竪框との間の空間Aに留まり、高温となることによってかえって延焼を導く危険があった。
まず、加熱発泡材によるダンパー8の下方部分が閉塞されることを防止するために補強部材を配置する一実施形態の防火建具について、図4ないし図7を参考にして説明する。
なお、以下の説明において、加熱発泡材によるダンパーの下方部分が閉塞されることを防止するとは、加熱発泡材がダンパーの下方部分に全く至らないように閉塞されることを防止することを意味するものではなく、補強部材が無い場合に比べて加熱発泡材による閉塞が抑制できれば良い。
本実施形態の防火建具に配置される補強部材を、図4に示す。
図4(a),(b)に示す補強部材は、左竪枠13に配置される竪枠補強部材51であり、左竪枠13に配置される加熱発泡材f1によるダンパーの下方の閉塞を防止する補強部材である。
竪枠補強部材51は、左竪枠13に配置される加熱発泡材f1の下方部分を覆う見付け部51aと金属左竪枠131の左竪枠本体部131aに固定される固定部51bを有する断面略L字状の部材により形成されている。
竪框補強部材52は、左竪框23に配置される加熱発泡材f3の下方部分を覆う見付け壁部52aと、金属左竪框231の左竪框本体部231aに固定される固定部52bを有する断面略L字状の部材により構成されている。
なお、固定部52bの下方部分は、左竪框23と下框22とを連結するタッピングネジ等を通すために切欠き52cが形成されている。
下枠補強部材53は、下枠12に配置される加熱発泡材f2を覆う見付け壁部53aと下枠12に固定される固定部53bを有する部材により構成されている。なお、固定部53bの外周側であり室外側には切欠き53cが形成されている。
また、補強部材によって枠体の竪枠と障子の竪框との間の空間に対向する加熱発泡材を覆うことで、ダンパーの下方位置において露出させない。
これにより、火災時に加熱発泡材が発泡することによるダンパーの下方部分が閉塞されることを抑制して、オイルをスムーズに排出させ建具内に留まるオイルによる延焼を防止することができる。
また、枠体に対する補強部材が、竪枠補強部材と下枠補強部材とに分割されているので、工場出荷時に両補強部材を竪枠及び下枠に固定してノックダウン出荷させることができ、現場での施工性を向上させることができる。
本発明の第2の実施形態の防火建具について、図8ないし図11を参考にして説明する。
なお、後述する第2の実施形態ないし第4の実施形態の防火建具は、上記第1の実施形態と同様に補強部材によって加熱発泡材がダンパーの下方位置を閉塞することを抑制するもの防火建具の実施形態であって、枠体1及び障子2の構成は上記第1の実施形態と同様であるので、特に、ダンパーの下方位置に配置される補強部材についての説明を行い、構成が同一である部分の説明は省略する。
本実施形態の防火建具において、加熱発泡材によるダンパーの下方が閉塞されることを防止する補強部材は、左竪枠13に配置される加熱発泡材f1によるダンパー下方の閉塞を防止する竪枠補強部材54と、下枠12に配置される加熱発泡材f2によるダンパー下方の閉塞を防止する下枠補強部材56と、左竪框23に配置される加熱発泡材f3によるダンパー下方の閉塞を防止する竪框補強部材55とからなる。
そして、竪枠補強部材54は、図8,図10(a),図11(a)に示すように、左竪枠13の下方部分において、見付け壁部131bの室外側面に配置した加熱発泡材f1の表面に当接もしくは近接するように配置され、ビス等の固定手段b4によって加熱発泡材f1とともに見付け壁部131bに固定されており、枠体1の左竪枠13と障子2の左竪框23との間の空間Aに配置されるダンパー8の下方位置において加熱発泡材f1の露出面を覆っている。
そして、下枠補強部材56は、図8,図10(a),図11(a)に示すように、下枠12の室内側本体部(室内側壁部)121bの室外側面に配置した加熱発泡材f2の表面に当接もしくは近接するように配置され、ビス等の固定手段b6によって加熱発泡材f2とともに室内側本体部(室内側壁部)121bに固定されており、枠体1の左竪枠13と障子2の左竪框23との間の空間Aに配置されるダンパー8の下方位置において加熱発泡材f2の露出面を覆っている。
そして、左竪框23の室外側壁部231bの室内側面には、加熱発泡材f3を配置するホルダー231dの室内側に竪框補強部材55を保持する補強部材ホルダー231fが見込み方向に並設されており、補強部材ホルダー231fに竪框補強部材55が配置されている。
補強部材ホルダー231fに配置された竪框補強部材55は、枠体1の左竪枠13と障子2の左竪框23との間の空間Aに配置されるダンパー8の下方付近において左竪框23の室外側壁部231bのホルダー231dの開口部を塞ぎ、加熱発泡材f3の露出面を覆っている。
本発明の第3の実施形態の防火建具について、図12ないし図19を参考にして説明する。
本実施形態の防火建具において、加熱発泡材によるダンパーの下方部分が閉塞されることを防止する補強部材は、左竪枠13に配置された加熱発泡材f1と下枠12に配置された加熱発泡材f2によるダンパー下方の閉塞を防止する枠補強部材57と、左竪框23に配置された加熱発泡材f3と下框22に配置された加熱発泡材f4によるダンパー下方の閉塞を防止する框補強部材58とからなる。
なお、上、下固定部57c,57dは、ダンパー8を固定するための基盤を避けるように上下で分かれているが、第1の実施形態の補強部材のように、固定部を一体的に形成してダンパーの基盤とともに共締めするように構成してもよい。
例えば図13(a)ないし(c)に示す框補強部材58のように、固定部58cを見付け面部58aの室内側辺の全長にわたって直角に延設させて形成してもよく、また、見付け面部58a、見付け面部58bの幅寸法及び固定部58cの幅寸法は、必要に応じて適宜変更できる。
さらに、図13(d)ないし(f)に示す框補強部材58のように、框補強部材58を左竪框23に固定した時に固定部58cの樹脂左竪框232に対向する部分に、長手方向に沿って加熱発泡材f5を配置してもよい。
底補強部材59は、図16(a),(b)に示すように、ビス孔等が形成された矩形平板状の部材により形成されている。そして、図16(c),(d)に示すように、左竪框23の下端面から下框22の下面にかけて配置され、ビス等の固定手段b9によって下框22に固定されている。
底補強部材59の底板59aの上面に配置された加熱発泡材f6は、両面テープ等の固着手段により取り付けられ、底補強部材59が下框22にネジ止め固定されることにより下框22と底補強部材59の間に保持されて、枠体1の左竪枠13と障子2の左竪框23との間の空間Aには露出しない。
なお、図17(c)に示す例においては、框補強部材58として、図13(d)ないし(f)に示すものが用いられており、左竪框23の樹脂左竪框232に対向する部分に加熱発泡材f5が配置されている。
樹脂サッシは、コーナー部において端面が45度に切断されて溶着されていることから、図19(c)(d)に記載された底補強部材59及び底補強部材59の底板59aに加熱発泡材f6は、下框22の端部下面に配置される。
それによって、障子2のコーナー部は、底補強部材59によって補強されると共に、火災時には、障子2のコーナー部において室内外の連通を抑制することができる。
なお、図19(a)(b)に示す例においては、框補強部材58として、図13(d)ないし(f)に示すものが用いられており、左竪框23の樹脂左竪框232に対向する部分に加熱発泡材f5が配置されている。
本発明の第4の実施形態の防火建具について、図20ないし図22を参考にして説明する。
本実施形態の防火建具において、加熱発泡材によるダンパーの下方が閉塞されることを防止する補強部材は、左竪枠13に配置された加熱発泡材f1によるダンパー下方の閉塞を防止する竪枠補強部材60と、下枠12に配置された加熱発泡材f2によるダンパー下方の閉塞を防止する下枠補強部材61と、左竪框23に配置された加熱発泡材f3及び下框22に配置された加熱発泡材f4によるダンパー下方の閉塞を防止する框補強部材62を備えている。
なお、図22(b)は、各実施形態の説明の参考のために、補強部材を配置していない障子を示している。
したがって、火災時に加熱発泡材が発泡することによりダンパーの下方が閉塞されることを抑制して、オイルをスムーズに排出することができる。
また、枠体に対する補強部材が、竪枠補強部材と下枠補強部材とに分割されているので、工場出荷時に両補強部材を竪枠及び下枠に固定してノックダウン出荷させることができ、現場での施工性を向上させることができる。
次に、加熱発泡材によるダンパー8の下方部分が閉塞されることを防止するために、ダンパー8の下方位置の加熱発泡材を切除する実施形態の防火建具について、図23ないし図25を参考にして説明する。なお、図25においては、ダンパー8は省略している。
本実施形態では、切除される加熱発泡材として、下枠12に配置される加熱発泡材f2の例をあげて説明する。
室内側立設部12bの室外側面には、加熱発泡材を保持するホルダー12c及び気密材を保持する気密材ホルダー12dが形成されており、加熱発泡材f2及び気密材s2が、ホルダー12c及び気密材ホルダー12dに対して下枠12の長手方向ほぼ全長に亘って配置されている。
なお、室内側立設部12bは中空部を有しており、中空部の内部には加熱発泡材fを配置してもよい。
戸当り部13bの室外側面には、加熱発泡材を保持するホルダー13c及び気密材を保持する気密材ホルダー13dが形成されており、加熱発泡材f1及び気密材s1が、ホルダー13c及び気密材ホルダー13dに対して竪枠13の長手方向ほぼ全長に亘って配置されている。
そして、竪枠13の内周面と竪框23の外周面との間の空間Aには、障子2の開閉動作を補助するダンパー8が配置されており、ダンパー8の下端が竪枠本体部13aの内周面に固定され、ダンパー8の上端が竪框本体部23aの外周面に固定されている。
そして、図24,図25に示すように、固定部63bが竪枠本体部13aの内周面に固定されることで、見付壁部63aが竪枠13に配置される加熱発泡材f1の下方部位を覆い、加熱発泡材f1が空間Aに露出することを防止している。
したがって、火災時に加熱発泡材f1が発泡した際には、加熱発泡材f1の竪枠補強部材63によって覆われている部分について空間A内に漏れ出すことは抑制されるが、図24(b)に示すように、加熱発泡材f1の発泡によって竪枠補強部材63が変形することで加熱発泡材f1が内周側(反戸先側)に噴出することが許容され、加熱発泡材f1及び変形した竪枠補強部材63によって竪枠13の戸当り部13bと竪框23の室内側面の間を塞いで室内外の連通を防止することができる。
したがって、火災時に加熱発泡材f2が発泡しても、空間A内に漏れ出すことは抑制される。また、発泡した加熱発泡材f1が重力によって垂れることで下枠12に配置された加熱発泡材f2と連続して、建具のコーナー部において室内外の連通を防止することができる。
例えば、各実施形態においては、加熱発泡材の枠体もしくは框体に対する配置は、枠体もしくは框体に形成されたホルダーに対して、枠体もしくは框体の端部から通し込むことによって行うことができるが、さらに、ホルダーの一部をカシメ変形させて固定してもよい。また、加熱発泡材の配置は、ホルダーによるものに限らず、例えば接着やネジ等によって固定してもよい。
さらに、補強部材の取付についても、ネジ等の固定手段によるものに限定されず、補強部材の弾性を利用して弾性係合による装着や、接着、溶接等によって固定してもよく、何ら限定されない。
2 :障子
8 :ダンパー
9 :端部キャップ
12 :下枠
13 :左竪枠(竪枠)
22 :下框
23 :左竪框(竪框)
51~62:補強部材
A :空間
B :空間
f1~f6:加熱発泡材
Claims (2)
- 枠体の竪枠と障子の竪框との間の空間にオイルによって緩衝機能を有するダンパーが配置されており、
枠体の下枠は、長手方向に沿って加熱発泡材が配置されているとともに、
下枠に配置された加熱発泡材は、下枠と下框の間の空間に露出し、枠体の竪枠と障子の竪框との間の空間に露出していない防火建具。 - 枠体の竪枠と障子の竪框との間の空間にオイルによって緩衝機能を有するダンパーが配置されており、
障子の下框は、長手方向に沿って加熱発泡材が配置されているとともに、
下框に配置された加熱発泡材は、下枠と下框の間の空間に露出し、枠体の竪枠と障子の竪框との間の空間に露出していない防火建具。
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