JP7120237B2 - モータ制御装置、センサレスブラシレスモータ、及び、送風装置 - Google Patents

モータ制御装置、センサレスブラシレスモータ、及び、送風装置 Download PDF

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Description

本発明は、モータ制御装置、センサレスブラシレスモータ、及び、送風装置に関する。
センサレスブラシレスモータは、ホール素子等の回転センサを有しない。このために、センサレスブラシレスモータにおいては、起動開始時にロータの回転位置を検出することができない。このために、起動時には、ロータの回転位置にかかわらず、予め定められた順序で切り替えられる複数の通電パターンに従ってモータコイルに電力を供給する強制転流が行われる。しかし、例えばロータの偏心によって、ロータとステータとの位置関係にばらつきが生じことがあり、また、ベアリングの劣化等の影響によって、ロータの静止摩擦が大きくなり、強制転流によってロータが正常起動に達しないことがある。
日本国公開公報2015-15788号公報には、ブラシレスモータの制御装置において、強制転流時に、より確実にロータを回転させる技術が開示される。当該ブラシレスモータの制御装置が備えるマイコンは、強制転流において、1セットの通電動作内に時間経過とともにブラシレスモータの出力トルクが増大するようにデューティ比(ブラシレスモータの印加電圧)を大きくさせる。これにより、ロータの静止摩擦が大きい場合であっても、デューティ比が大きくなることで、より確実にブラシレスモータのロータを回転させることが可能となる。
日本国公開公報特開2015-15788号公報の構成では、大きなデューティ比でコイルに通電する時間が長くなる可能性がある。大きなデューティ比でコイルに通電する時間が長くなると、ロータの振動が大きくなり易い。すなわち、モータの起動時に発生する振動が大きくなる可能性がある。
本発明は、センサレスブラシレスモータの起動時に発生する振動を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
本発明の例示的なモータ制御装置は、複数の磁極を有するマグネットを含むロータと、複数相のコイルを含むステータと、を有するセンサレスブラシレスモータの回転を制御するモータ制御装置であって、所定の順序で切り替えられる複数の通電パターンに従って前記コイルに電力を供給する処理を行う制御部を有する。前記制御部は、前記ロータを強制的に回転させる強制転流処理を行う第1モードと、前記ロータを所定の回転数で回転させる第2モードと、を有する。前記制御部は、前記第1モードにおいて、印加電圧を制御して、各前記通電パターンの電流の応答波形を、通電開始から最大値となるまでの経過時間が前記最大値から通電終了となるまでの経過時間に比べて短くなる波形とする。前記制御部は、前記第1モードによって前記ロータが正常起動に達しなかったときに前記第1モードの再通電を行い、前記第1モードによって前記ロータが正常起動に達したときに前記第1モードから前記第2モードへの切替え処理を行う。前記制御部は、前記第1モードの再通電時に前記コイルに通電される電流の総和を、直前の前記第1モードの通電時に前記コイルに通電された電流の総和より大きくする。
例示的な本発明は、センサレスブラシレスモータの起動時に発生する振動を抑制することができる技術を提供する。
図1は、本発明の実施形態に係る掃除機の斜視図である。 図2は、本発明の実施形態に係る送風装置の斜視図である。 図3は、本発明の実施形態に係る送風装置の垂直断面図である。 図4は、本発明の第1実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 図5は、第2モードにおけるスイッチング回路の入力信号と通電パターンとの関係を示す図である。 図6は、センサレスブラシレスモータの起動処理時の制御フローを示すフローチャートである。 図7は、本発明の第1実施形態に係るモータ制御装置における第1モードの詳細を説明するための図である。 図8は、本発明の第1実施形態に係るモータ制御装置の第1変形例を説明するための図である。 図9は、本発明の第1実施形態に係るモータ制御装置の第2変形例を説明するための図である。 図10は、本発明の第2実施形態に係るモータ制御装置における第1モードの詳細を説明するための図である。
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書では、センサレスブラシレスモータ1及び送風装置100において、センサレスブラシレスモータ1の中心軸Cと平行な方向を「軸方向」、センサレスブラシレスモータ1の中心軸Cに直交する方向を「径方向」、センサレスブラシレスモータ1の中心軸Cを中心とする円弧に沿う方向を「周方向」とそれぞれ称する。
また、本明細書では、送風装置100において、軸方向を上下方向とし、センサレスブラシレスモータ1に対して羽根車2側を上として、各部の形状や位置関係を説明する。上下方向は単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係及び方向を限定しない。
また本明細書では、掃除機200において、図1の床面F(被清掃面)に近づく方向を「下方」とするとともに床面Fから離れる方向を「上方」として、各部の形状や位置関係を説明する。なお、これらの方向は単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係及び方向を限定しない。
また、「上流」及び「下流」は羽根車2を回転させた際に吸気口102から吸い込まれる空気の流通方向の上流及び下流をそれぞれ示す。
<1.掃除機の構成>
本発明の例示的な実施形態の送風装置を搭載した掃除機について以下説明する。図1は、本発明の実施形態に係る掃除機200の斜視図である。掃除機200は所謂スティック型の電気掃除機である。なお、掃除機200は、所謂ロボット型、キャニスター型またはハンディ型の電気掃除機でもよい。
掃除機200は、下面及び上面にそれぞれ吸気部202及び排気部203が設けられた筐体201を有する。掃除機200は、充電式のバッテリ(不図示)を有し、当該バッテリから供給される電力によって作動する。ただし、掃除機200は、電源コード(不図示)を有し、居室の壁面に設けられた電源コンセント(不図示)に接続された電源コードを介して供給される電力によって作動してもよい。
筐体201内には吸気部202と排気部203とを連結する空気通路(不図示)が形成される。空気通路内には吸気部202(上流)から排気部203(下流)に向かって集塵部(不図示)、フィルタ(不図示)及び送風装置100が順に配置される。空気通路内を流通する空気に含まれる塵埃等のゴミはフィルタにより捕集され、容器状に形成される集塵部内に集塵される。集塵部及びフィルタは筐体201に対して着脱可能に構成される。
筐体201の上部には把持部204及び操作部205が設けられる。使用者は把持部204を把持して掃除機200を移動させることができる。操作部205は複数のボタン205aを有する。使用者は、ボタン205aの操作によって掃除機200の動作設定を行う。例えば、ボタン205aの操作により、送風装置100の駆動開始、駆動停止、及び回転数の変更等が指示される。吸気部202には棒状の吸引管206が接続される。吸引管206の上流端には吸引ノズル207が吸引管206に対して着脱可能に取り付けられる。なお、吸引管206の上流端は、図1において吸引管206の下端である。
<2.送風装置の構成>
本発明の例示的な実施形態のセンサレスブラシレスモータ1を有する送風装置について以下説明する。図2は、本発明の実施形態に係る送風装置100の斜視図である。図3は、本発明の実施形態に係る送風装置100の垂直断面図である。送風装置100は、掃除機200に搭載されて空気を吸引する。送風装置100は、センサレスブラシレスモータ1と、羽根車2とを有する。
送風装置100は、水平断面円形の筒状のファンケーシング101を有する。ファンケーシング101は、センサレスブラシレスモータ1及び羽根車2を内部に収納する。ファンケーシング101の上部には、上下方向に開口する吸気口102が設けられる。吸気口102には、上端から径方向内側に傾斜して下方に延びるベルマウス102aが設けられる。これにより、吸気口102の直径は上方から下方に向かうに従って滑らかに小さくなる。ファンケーシング101の下面は上下方向に開口する。
センサレスブラシレスモータ1は、水平断面円形の筒状のモータハウジング10を有する。ファンケーシング101とモータハウジング10との隙間に、流路103が形成される。流路103は上端(上流端)で羽根車2に連通し、流路103の下端(下流端)には排気口104が形成される。後述のステータ11の下方には、円板状の下蓋10bが配置される。下蓋10bによりモータハウジング10の下面が覆われる。下蓋10bは、不図示の螺子によってモータハウジング10に取り付けられる。
モータハウジング10の外周面には、複数の静翼10aが周方向に並んで設けられる。静翼10aは、板状に構成される。静翼10aは、上方へ行くほど羽根車2の回転方向R(図2参照)と反対方向に向かって傾斜する。静翼10aは、上側が凸に湾曲する。複数の静翼10aの外縁は、ファンケーシング101の内面に接する。静翼10aは、送風装置100の駆動によって、矢印Sに示すように気流を下方に案内する。
(2-1.センサレスブラシレスモータの構成)
センサレスブラシレスモータ1はインナーロータ型のブラシレスDCモータである。センサレスブラシレスモータ1は2極3スロットの3相ブラシレスDCモータである。ただし、これらは例示である。センサレスブラシレスモータ1はアウターロータ型のブラシレスDCモータであってよい。センサレスブラシレスモータ1の極数及びスロット数は、ブラシレスDCモータとして駆動可能な他の極数及びスロット数に変更されてよい。センサレスブラシレスモータは、例えば、4極6スロット又は6極9スロット等の3相ブラシレスDCモータ等であってよい。センサレスブラシレスモータ1は、ステータ11、ロータ12、軸受部13、及び、回路基板14を有する。
なお、センサレスブラシレスモータ1は、ロータ12の回転位置を検出する位置検出用のセンサが省略されたセンサレス方式のブラシレスモータである。位置検出用のセンサとしては、例えばホール素子等が挙げられる。
ステータ11は、ロータ12の径方向外方に配置される。ステータ11は、ステータコア111、インシュレータ112、及び、コイル113を有する。ステータコア111は、電磁鋼板が軸方向に積層された積層鋼板からなる。ステータコア111は、環状のコアバック111aと、複数のティース111bと、を有する。複数のティース111bは、コアバック111aの内周面から径方向内方に延びて放射状に配置される。複数のティース111bは、周方向に等間隔に配列される。
インシュレータ112は、樹脂等の絶縁材料により構成され、ステータコア111の少なくとも一部を覆う。コイル113は、インシュレータ112を介してティース111bの周囲に導線を巻き回して構成される。すなわち、コイル113とティース111bとの間には、インシュレータ112が配置される。インシュレータ112により、ティース111bとコイル113とが絶縁される。ステータ11は複数相のコイル113を含む。本実施形態では、コイル113の数は3つである。3つのコイル113はそれぞれU相、V相、W相を構成する。
ロータ12は、シャフト120とロータハウジング121とを有する。シャフト120は中心軸Cに沿って配置される。シャフト120は、軸方向からの平面視において円形状である。シャフト120は柱状又は筒状であってよい。ロータハウジング121は円筒形状である。ロータハウジング121はシャフト120を保持する。ロータハウジング121は磁性材によって構成される。
ロータハウジング121の外周面には、マグネット122が配置される。すなわち、ロータ12は、複数の磁極を有するマグネット122を含む。マグネット122は、複数マグネット片で構成されてよい。この場合、各マグネット片の径方向外側の面は、各ティース111bの径方向内側の端面と対向する。複数のマグネット片は、N極の磁極面とS極の磁極面とが交互に並び、周方向に等間隔に配置されればよい。別の例として、マグネット122は環状マグネットであってもよい。この場合、マグネットの外周面にN極とS極とが周方向に交互に着磁されればよい。なお、本実施形態では、磁極の数は2つである。
軸受部13は、ロータハウジング121に保持されたシャフト120を回転可能に支持する。シャフト120は、中心軸Cを中心としてロータハウジング121とともに回転する。回転方向は、図2に示すR方向である。上方の軸受部13aは、モータハウジング10の上部の中央部に支持される。下方の軸受部13bは、下蓋10bの中央部に支持される。本実施形態では、上方の軸受部13aはボールベアリングを有し、下方の軸受部13bはすべり軸受を有する。なお、上下の軸受部13a、13bは他の方式の軸受を有してもよい。例えば、上下の軸受部13a、13bは、いずれもボールベアリングを有してもよい。
回路基板14は、下蓋10bの下方に配置される。回路基板14は、円形状であり、例えばエポキシ樹脂等の樹脂により形成される。回路基板14上には、電子部品141が配置される。電子部品141には、本発明の例示的な実施形態に係るモータ制御装置3が含まれる。換言すると、センサレスブラシレスモータ1はモータ制御装置3を有する。回路基板14は、不図示の接続端子によってステータ11と電気的に接続される。モータ制御装置3に含まれるインバータを介してコイル113に電力が供給されることによって、センサレスブラシレスモータ1は駆動する。なお、電源が充電式のバッテリではなく商用電源である場合には、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータが回路基板14に配置されてよい。
センサレスブラシレスモータ1は、後述のモータ制御装置3を有するために、強制転流によってロータ12を回転させることができる確率を向上できる。センサレスブラシレスモータ1は、後述のモータ制御装置3を有するために、起動時における振動の発生を抑制することができる。
(2-2.羽根車の構成)
羽根車2は所謂斜流インペラである。ただし、羽根車2は軸流型、遠心型等の他の形状のインペラであってよい。羽根車2は、ベース部20及び複数の羽根21を有する。ベース部20の直径は下方に向かうにつれて大きくなる。すなわち、ベース部20は下方に向かって漸次拡径する。ベース部20の上端部(先端部)はベルマウス102aの下端と略同じ高さに配置される。複数の羽根21はベース部20の外周面上に周方向に並んで配置される。羽根21の上部は羽根21の下部よりも回転方向R前方に配置される。
羽根車2はロータ12に取り付けられる。本実施形態では、羽根車2はシャフト120に取り付けられる。詳細には、羽根車2は、ベース部20の中心軸Cが通る中心部の下部側に設けられるボス部22を有する。シャフト120の上端部は、ボス部22の軸方向に延びる孔部22aに圧入される。孔部22aの中心は中心軸Cに一致する。なお、羽根車2は、例えばロータハウジング121等、ロータ12を構成するシャフト120以外の部材に取り付けられてもよい。
センサレスブラシレスモータ1が駆動すると、シャフト120と共に羽根車2が中心軸Cを中心として回転する。これにより、送風装置100は風の流れを発生させる。なお、送風装置100は、後述のモータ制御装置3を有するために、強制転流によって羽根車2を回転させることができる確率を向上できる。送風装置100は、後述のモータ制御装置3を有するために、起動時における振動の発生を抑制することができる。
<3.モータ制御装置の構成>
次に、本発明の例示的な実施形態のモータ制御装置3について詳細に説明する。
(3-1.第1実施形態)
図4は、本発明の実施形態に係るモータ制御装置3の構成を示すブロック図である。なお、図4には、センサレスブラシレスモータ1も示されている。センサレスブラシレスモータ1は、U相コイル113u、V相コイル113v及びW相コイル113wを有する。本実施形態では、3つのコイル113u、113v、113wは中性点P1を有するY型結線で接続される。ただし、3つのコイル113u、113v、113wはデルタ型結線で接続されてもよい。
モータ制御装置3は、センサレスブラシレスモータ1の回転を制御する。詳細には、モータ制御装置3は、各相のコイル113u、113v、113wに電気的に接続される。モータ制御装置3は、各相のコイル113u、113v、113wに対して、120°矩形波通電を行うことによりセンサレスブラシレスモータ1に3相の駆動電力を供給する。図4に示すように、モータ制御装置3は、スイッチング回路31と、制御部32と、回転位置検出部33と、を有する。
スイッチング回路31は、U相コイル113u、V相コイル113v及びW相コイル113wに対して、所定の方向で電流を流す回路である。スイッチング回路31は、6個のスイッチング素子Q1~Q6を有する、いわゆる、インバータ回路である。なお、以下の説明において、スイッチング素子Q1~Q6について、第1スイッチング素子Q1~第6スイッチング素子Q6とする場合がある。スイッチング素子Q1~Q6は、制御部32からの信号に基づいて、ON又はOFFになる素子である。本実施形態では、スイッチング素子Q1~Q6はバイポーラトランジスタである。ただし、スイッチング素子Q1~Q6は、FET(Field Effect Transistor)、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等、同様の動作を行う他の素子であってよい。
図4に示すように、第1スイッチング素子Q1のエミッタと第4スイッチング素子Q4のコレクタとが接続される。すなわち、第1スイッチング素子Q1と第4スイッチング素子Q4は直列に接続される。同様に、第2スイッチング素子Q2のエミッタと第5スイッチング素子Q5のコレクタ、第3スイッチング素子Q3のエミッタと第6スイッチング素子Q6のコレクタとがそれぞれ接続される。そして、第1スイッチング素子Q1、第2スイッチング素子Q2及び第3スイッチング素子Q3のコレクタが接続されて、電源4に接続される。電源4は、本実施形態では充電式のバッテリである。また、第4スイッチング素子Q4、第5スイッチング素子Q5及び第6スイッチング素子Q6のエミッタが接続されるとともに、接地される。
第1スイッチング素子Q1と第4スイッチング素子Q4とを接続する接続線にV相コイル113vの中性点P1と反対側が接続される。第2スイッチング素子Q2と第5スイッチング素子Q5とを接続する接続線にW相コイル113wの中性点P1と反対側が接続される。第3スイッチング素子Q3と第6スイッチング素子Q6とを接続する接続線にU相コイル113uの中性点P1と反対側が接続される。
制御部32は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を有するマイクロコンピュータである。制御部32は、ROMに記憶されたプログラムに基づいて動作を行い、センサレスブラシレスモータ1の制御に必要な各種の機能を実現する。例えば、制御部32は、所定の順序で切り替えられる複数の通電パターンに従ってコイル113に電力を供給する処理を行う。本実施形態では、制御部32には、掃除機200の操作部205からの指示が入力される。制御部32は、操作部205から入力された指示に応じてセンサレスブラシレスモータ1の動作を制御する。
制御部32は、各スイッチング素子Q1~Q6のベース端子に動作信号を送信する。各スイッチング素子Q1~Q6は、ベース端子に制御部32からの動作信号を受けていないとき(入力信号がLのときと称する場合がある)オフとなる。オフ状態のスイッチング素子Q1~Q6には、電流が流れない。また、スイッチング素子Q1~Q6は、制御部32から動作信号を受けるとき(入力信号がHのときと称する場合がある)オンとなる。オン状態のスイッチング素子Q1~Q6には、電流が流れる。制御部32は、6つのスイッチング素子Q1~Q6について所定の組み合わせでオンオフを切り替えることで、コイル113への通電パターンを切り替える。
制御部32は、第1モードと第2モードとを有する。詳細には、制御部32は、センサレスブラシレスモータ1のロータ12の回転制御について、第1モードと第2モードとを切り替えて実行する。第1モードは、ロータ12を強制的に回転させる強制転流処理を行うモードである。第1モードは、センサレスブラシレスモータ1を起動させる場合に実行されるモードである。第2モードは、ロータ12を所定の回転数で回転させるモードである。第2モードは、ロータ12を予め決められた回転速度以上の一定の回転速度で回転させるモードである。すなわち、第2モードは、ロータ12を定常回転させるモードである。
回転位置検出部33は、ロータ12の回転位置を検出する回路である。回転位置検出部33は、ロータ12の回転により発生する誘起電圧(逆起電力)を利用してロータ12の位置を検出する公知の回路である。制御部32は、回転位置検出部33によって得られる回転位置情報によってロータ12の回転数を求めることができる。
回転位置検出部33には、3つの電圧センサ34u、34v、34wが接続される。U相電圧センサ34uは、U相コイル113uの端子電圧Vuを検出する。V相電圧センサ34vは、V相コイル113vの端子電圧Vvを検出する。W相電圧センサ34wは、W相コイル113wの端子電圧Vwを検出する。回転位置検出部33は、電圧センサ34u、34v、34wによって得られる端子電圧Vu、Vv、Vwに基づいてロータ12の回転位置を示す信号を生成し、制御部32に出力する。
ここで、ロータ12を定常回転させる第2モードについて説明する。図5は、第2モードにおけるスイッチング回路31の入力信号と通電パターンとの関係を示す図である。図5において、上から順に第1スイッチング素子Q1~第6スイッチング素子Q6への入力信号を示す。信号がHにあるときには、スイッチング素子はオンである。信号がLにあるときには、スイッチング素子はオフである。
スイッチング回路31において、直列に接続されたスイッチング素子同士(Q1とQ4、Q2とQ5、Q3とQ6)以外の2個のスイッチング素子をオンにすることで、U相コイル113u、V相コイル113v及びW相コイル113wのいずれか2つに電流を供給することができる。例えば、第3スイッチング素子Q3と第4スイッチング素子Q4とをオンにすると、U相コイル113uからV相コイル113vに電流が流れる。この通電パターンをU-Vパターンとする。3相のコイル113u、113v及び113wを有するセンサレスブラシレスモータ1の場合、W-Vパターン、U-Vパターン、U-Wパターン、V-Wパターン、V-Uパターン及びW-Uパターンの6つの通電パターンがある。センサレスブラシレスモータ1では、上述の順番で通電パターンを切り替え、通電パターンに対応した電流がコイル113u、113v及び113wに供給されることで、ロータ12が所定方向(図2のR方向)に回転する。
第2モードでは、ロータ12が回転して誘起電圧が発生しており、回転位置検出部33で回転位置を示す信号を生成することができる。制御部32は、回転位置を示す信号に基づいて各相のコイル113u、113v、113wへの通電パターンを切り替えて、ロータ12を所定の回転数で回転させる。本実施形態では、第2モードでは、各通電パターンについて、掃除機200の操作部205からの指令に応じたデューティ比で電圧が印加され、ロータ12は例えば90000~100000rpmの高速回転を行う。なお、第2モードでは、ロータ12を常に一定の回転数で回転させるために、フィードバック制御が実行されてよい。フィードバック制御により、各通電パターンにおいて、目標回転数または目標入力電力との偏差に応じたデューティ比でパルス幅変調された駆動電圧が印加されてよい。
次に、ロータ12の強制転流処理を行う第1モードについて説明する。センサレスブラシレスモータ1の停止時には、各相のコイル113u、113v、113wに誘起電圧が発生しないために、ロータ12の回転位置を検出することができない。このために、センサレスブラシレスモータ1の起動時には、ロータ12の回転位置にかかわらず、通電パターンを予め定められた順序で切り替える強制転流処理が行われる。本実施形態では、強制転流時においては、第2モードと同じ6つの通電パターンが、第2モードと同じ順番で切り替えられる。なお、これは例示であり、強制転流時に用いられる通電パターンの切り替え順序は、ロータ12が定常回転に到達できる範囲で変更されてよい。強制転流時に必要とされる通電パターンの数も適宜変更されてよい。
図6は、センサレスブラシレスモータ1の起動処理時の制御フローを示すフローチャートである。例えば操作部205から指令によって、制御部32はセンサレスブラシレスモータ1の起動処理を開始する。制御部32は、第1モードによる強制転流処理を行う(ステップS1)。強制転流処理では、上述のように6つの通電パターンが順次実行される。
制御部32は、6つの通電パターンの終了後、ロータ12が回転を行っているか否かを確認する(ステップS2)。強制転流によってロータ12が回転を開始すると誘起電圧の発生により、回転位置検出部33によってロータ12の回転を確認することができる。制御部32は、ロータ12が回転していることを確認できた場合(ステップS2でYes)、第1モードを第2モードに切り替えて定常回転のための処理を行う(ステップS3)。すなわち、制御部32は、第1モードによってロータ12が正常起動に達したときに第1モードから第2モードに切り替える処理を行う。なお、ロータ12の正常起動とは、強制転流によってロータ12が所定の回転を開始した状態を指す。所定の回転は、例えば、ロータ12が所定の回転方向に所定の回転数以上で回転していること、またはロータ12が所定の回転方向の位置に移動したことを検出することを指す。
制御部32は、ロータ12が回転していないと判断した場合(ステップS2でNo)、第1モードによる強制転流を、処理の設定値を変更して実行する(ステップS4)。すなわち、制御部32は、第1モードによってロータ12が正常起動に達しなかったときに第1モードの再通電を行う。第1モードによる強制転流がリトライされる。第1モードの再通電は、直前の第1モードの通電終了後、所定時間経過後に実行される。第1モードの再通電時には、第1モードの直前の通電時と同じ6つの通電パターンが同じ順序で行われる。ただし、各通電パターンの設定値が変更される。この点の詳細については後述する。
制御部32は、第1モードの再通電によって行われる6つの通電パターンの終了後、ロータ12が回転を行っているか否かを確認する(ステップS5)。ロータ12の回転に関する確認はステップS2と同様である。制御部32は、ロータ12が回転していることを確認できた場合(ステップS5でYes)、第1モードを第2モードに切り替えて定常回転のための処理を行う。制御部32は、ロータ12が回転していないと判断した場合(ステップS5でNo)、ステップS4に戻って、第1モードによる強制転流を、処理の設定値を変更して実行する。
図7は、本発明の第1実施形態に係るモータ制御装置3における第1モードの詳細を説明するための図である。図7の上段のグラフにおいて、横軸は時間、縦軸は応答電流である。図7の下段のグラフにおいて、横軸は時間、縦軸は駆動電圧のデューティ比である。図7においては、第1モードが4回繰り返される場合を例示している。図7に示すように、第1モードのリトライは、直前の第1モードが終了して所定時間の経過後に実行される。
また、図7においては、各第1モードについて、6つの通電パターンのうちの1つの通電パターンの波形の代表例として示している。6つの通電パターンのうちの残り5つの通電パターンについても、図7に示す波形と同様の波形になる。ただし、詳細には、電流応答波形における電流値については、第1モードを開始する際のステータ11とロータ12の位置関係の違いによって、電流値にずれが生じる場合がある。本明細書では、この位置関係の違いが原因になって生じる電流値のずれは、第1モードの6つの通電パターン間の比較において電流差とみなさないことにする。
図7の上段のグラフに示すように、制御部32は、第1モードにおいて、印加電圧を制御して、各通電パターンの電流の応答波形を、通電開始から最大値となるまでの経過時間(t1)が前記最大値から通電終了となるまでの経過時間(t2)に比べて短くなる波形とする。通電開始及び通電終了の電流値はゼロである。各通電パターンの通電時間は同じである。
第1モードの各通電パターンにおいて、制御部32は、通電開始時に最大デューティ比で駆動電圧を第1時間(T1)印加する。そして、制御部32は、第1時間の経過後、駆動電圧について、第1時間よりも長い時間(T2)をかけて、最大デューティ比がゼロになるまでデューティ比を下げる。なお、通電開始から最大デューティ比とせずに、通電開始から一定の時間をかけて段階的にデューティ比を増加させ、通電開始から一定時間経過後に最大デューティ比を得る構成としてもよい。各通電パターン間で、デューティ比は同じである。
これによれば、第1モードの各通電パターンにおいて、通電初期に大きな電流を供給してロータ12に対して大きなトルクを与えることができ、ロータ12を回転させることができる確率を高められる。一方で、通電時間のうち、最大電流より小さな電流を供給する時間の割合を多くすることによってロータ12に大きなトルクを与える時間を短くしているために、センサレスブラシレスモータ1の起動に伴う振動の発生を抑制することができる。
本実施形態では、図7に示すように、制御部32は、印加電圧を制御して、第1モードでの各通電パターンの電流の応答波形を、最大値よりも低い低電流値で一定時間維持する波形とする。
第1モードの各通電パターンについて、制御部32は、通電開始時に最大デューティ比で駆動電圧を第1時間(T1)印加する。そして、制御部32は、第1時間の経過後、駆動電圧について、最大デューティ比より小さい低デューティ比に下げ、当該低デューティ比で駆動電圧を第2時間(T2)印加する。第2時間は第1時間より長い。制御部32は、第2時間の経過後、駆動電圧のデューティ比を0にする。なお、各通電パターン間で、通電時間及びデューティ比は同じである。これによれば、ロータ12に大きなトルクを与える時間を短くする一方で、ロータ12に大きすぎず、且つ、小さすぎない中間のトルクを一定時間与え続けることができる。このために、振動の発生を抑制しながら、ロータ12を回転させることができる確率を高められる。
制御部32は、第1モードの再通電時にコイル113に通電される電流の総和を、直前の第1モードの通電時にコイル113に通電された電流の総和より大きくする。ここで言う電流の総和は、各通電パターンにおいて得られる応答電流の積算値を、全ての通電パターンについて足し合わせて得られる合計値である。
例えば、ステータ11に対するロータ12の偏心、軸受部13の劣化、シャフト120の劣化、モータ内部への異物の侵入等の影響で強制転流によって、ロータ12の正常起動が簡単に得られないことがある。この点、本実施形態では、第1モードの再通電時(強制転流のリトライ時)にコイル113に通電される電流の総和を、直前の第1モードの通電時にコイル113に通電された電流の総和より大きくする。このために、第1モードの再通電時には、直前の第1モードの通電時よりもロータ12に大きなエネルギーを与えることができる。このために、強制転流のリトライ回数を減らして、ロータ12の正常起動を得ることが可能になる。
本実施形態では、制御部32は、印加電圧の大きさを制御して、第1モードの再通電時の電流の総和を、直前の第1モードの通電時の電流の総和より大きくする。これによれば、例えば、第1モードの再通電時に各通電パターンにおいて印加する駆動電圧のデューティ比を、直前の第1モードの通電時に比べて大きくすることによって、第1モードの再通電時の電流の総和を直前の第1モードの電流の総和より大きくすることができる。この構成では、第1モードの再通電時に、直前の第1モードの通電時に比べてロータ12に対して大きなトルクを付与することができるために、ロータ12が回転される確率を高めることができる。なお、第1モードの再通電時と、直前の第1モードの通電時とで、通電時間は同じである。
詳細には、制御部32は、各通電パターンにおいて、第1モードの再通電時の最大デューティ比を、直前の第1モードの通電時の最大デューティ比よりも大きくする。例えば、最大デューティ比を2%程度大きくする。最大デューティ比の通電時間(T1)は、第1モードの再通電時と、直前の第1モードの通電時とで同じである。また、制御部32は、第1モードの再通電時における最大デューティ比より低い低デューティ比を、直前の第1モードの通電時における前記低デューティ比よりも大きくする。当該低デューティ比の通電時間(T2)は、第1モードの再通電時と、直前の第1モードの通電時とで同じである。第1モードのリトライ回数が増えるにつれて、各通電パターンにおいて、電流の最大値、及び、デューティ比の最大値は大きくなる。また、第1モードのリトライ回数が増えるにつれて、各通電パターンにおける上述の低電流値及び低デューティ比も大きな値となる。図7に示すように、最初の第1モードの通電(1st try)後の再通電(2nd try)によって、ロータ12が正常起動に達しなかった場合、制御部32は、再度、第1モードの再通電処理を行う。この再通電(3rd try)時には、前回の再通電時(2nd try)よりも大きい最大デューティ比が与えられる。これによれば、さらに、ロータ12を回転させることができる確率を高められる。以下、同様に、再通電時(3rd try)にロータ12が正常起動に達しなかった場合、前回よりも大きな最大デューティ比が与えられる再通電(4th try)が行われる。
なお、第1モードの再通電時における、最大値より低い低電流値は、直前の第1モードの通電時における電流の最大値と同じ、又は、それより小さいことが好ましい。図7に示す例においては、第1モードの再通電時における、最大値より低い低電流値は、直前の第1モードの通電時における電流の最大値より小さい。これによれば、第1モードの再通電時、ロータ12に同じ大きさで一定時間連続して付与するトルクの値が大きくなり過ぎることを防止でき、センサレスブラシレスモータ1の起動時に振動が発生することを抑制できる。
[3-1-1.第1変形例]
図8は、本発明の第1実施形態に係るモータ制御装置3の第1変形例を説明するための図である。詳細には、図8は、第1変形例における第1モードの詳細を説明するための図である。図8に示すグラフにおいて、横軸は時間、縦軸は応答電流である。図8においては、第1モードが4回繰り返される場合を例示している。図8においては、各第1モードについて、6つの通電パターンのうちの1つの通電パターンの波形を代表例として示している。6つの通電パターンのうちの残り5つの通電パターンについても、図8に示す波形と同様の波形になる。
なお、第1変形例は、第1実施形態のモータ制御装置3と比較して、第1モードの処理の詳細が異なるのみで、モータ制御装置の構成要素は同じである。このために、第1変形例の説明にあたっては、構成要素を示す符号に関しては第1実施形態の場合と同じ符号を用いる。
第1変形例では、制御部32は、印加電圧を制御して、第1モードでの各通電パターンの電流の応答波形を、電流値が最大値から一定の傾きで減少する波形とする。通電開始から最大値となるまでの経過時間(t1)が前記最大値から通電終了となるまでの経過時間(t2)に比べて短くなる点は、上述の第1実施形態と同様である。通電開始及び通電終了の電流値はゼロである。各通電パターンの通電時間は同じである。
これによれば、第1モードの各通電パターンにおいて、通電初期に大きな電流を供給してロータ12に対して大きなトルクを与えることができ、ロータ12を回転させることができる確率を高められる。一方で、通電時間のうち、最大電流より小さな電流を供給する時間の割合を多くすることによってロータ12に大きなトルクを与える時間を短くしているために、センサレスブラシレスモータ1の起動に伴う振動の発生を抑制することができる。
詳細には、第1モードの各通電パターンについて、制御部32は、通電開始時に最大デューティ比で駆動電圧を第1時間印加する。そして、制御部32は、第1時間の経過後、第1時間より長い第2時間をかけて、駆動電圧のデューティ比を一定の割合で段階的に下げて0にする。
第1変形例でも、制御部32は、印加電圧の大きさを制御して、第1モードの再通電時の電流の総和を、直前の第1モードの通電時の電流の総和より大きくする。なお、第1モードの再通電時と、直前の第1モードの通電時とで、通電時間は同じである。第1モードのリトライ回数が増えるにつれて、各通電パターンにおいて、電流の最大値は増加する。これによれば、第1モードの再通電時に、直前の第1モードの通電時に比べてロータ12に対して大きなトルクを付与することができる。このために、強制転流のリトライ回数を減らして、ロータ12の正常起動を得ることが可能になる。
[3-1-2.第2変形例]
図9は、本発明の第1実施形態に係るモータ制御装置3の第2変形例を説明するための図である。詳細には、図9は、第2変形例における第1モードの詳細を説明するための図である。図9に示すグラフにおいて、横軸は時間、縦軸は応答電流である。図9においては、第1モードが4回繰り返される場合を例示している。図9においては、各第1モードについて、6つの通電パターンのうちの1つの通電パターンの波形を代表例として示している。6つの通電パターンのうちの残り5つの通電パターンについても、図9に示す波形と同様の波形になる。
なお、第2変形例は、第1実施形態のモータ制御装置3と比較して、第1モードの処理の詳細が異なるのみで、モータ制御装置の構成要素は同じである。このために、第2変形例の説明にあたっては、構成要素を示す符号に関しては第1実施形態の場合と同じ符号を用いる。
第2変形例では、制御部32は、印加電圧を制御して、第1モードでの各通電パターンの電流の応答波形における最大値を一定時間維持する波形とする。通電開始から最大値となるまでの経過時間(t1)が前記最大値から通電終了となるまでの経過時間(t2)に比べて短くなる点は、上述の第1実施形態と同様である。通電開始及び通電終了の電流値はゼロである。各通電パターンの通電時間は同じである。
これによれば、第1モードの各通電パターンにおいて、通電初期に大きな電流の供給を維持してロータ12に対して大きなトルクを与えることができる。このために、ロータ12を回転させることができる確率を高められる。
詳細には、第1モードの各通電パターンについて、制御部32は、通電開始時に最大デューティ比で駆動電圧を第1時間印加する。この第1時間が、上述の第1変形例の場合に比べて長くなる。制御部32は、第1時間の経過後、駆動電圧のデューティ比を一定の割合で段階的に下げて0にする。
第2変形例でも、制御部32は、印加電圧の大きさを制御して、第1モードの再通電時の電流の総和を、直前の第1モードの通電時の電流の総和より大きくする。なお、第1モードの再通電時と、直前の第1モードの通電時とで、通電時間は同じである。第1モードのリトライ回数が増えるにつれて、各通電パターンにおいて、電流の最大値は増加する。これによれば、第1モードの再通電時に、直前の第1モードの通電時に比べてロータ12に対して大きなトルクを付与することができる。このために、強制転流のリトライ回数を減らして、ロータ12の正常起動を得ることが可能になる。
(3-2.第2実施形態)
次に、第2実施形態のモータ制御装置について説明する。なお、第2実施形態のモータ制御装置は、第1実施形態のモータ制御装置3と比較して、第1モードの処理の詳細が異なる。この異なる部分に絞って説明を行う。重複する説明は、特に必要がない場合には省略する。第2実施形態のモータ制御装置の構成は、第1実施形態のモータ制御装置3と同様の構成であるために、構成要素を示す符号に関しては第1実施形態の場合と同じ符号を用いる。
図10は、本発明の第2実施形態に係るモータ制御装置3における第1モードの詳細を説明するための図である。図10の上段のグラフにおいて、横軸は時間、縦軸は応答電流である。図10の下段のグラフにおいて、横軸は時間、縦軸は駆動電圧のデューティ比である。
図10においては、第1モードが4回繰り返される場合を例示している。図10に示すように、第1モードのリトライは、直前の第1モードが終了して所定時間の経過後に実行される。また、図10においては、各第1モードについて、6つの通電パターンのうちの1つの通電パターンの波形を代表例として示している。6つの通電パターンのうちの残り5つの通電パターンの波形も同様の波形になる。
図10の上段のグラフに示すように、制御部32は、第1モードにおいて、印加電圧を制御して、各通電パターンの電流の応答波形を、通電開始から最大値となるまでの経過時間(t1)が前記最大値から通電終了までの経過時間(t2)に比べて短くなる波形とする。この点、第1実施形態と同様であり、駆動電圧のデューティ比の制御方法は第1実施形態と同様である。なお、通電開始及び通電終了の電流値はゼロである。各通電パターンの通電時間は同じである。
図10に示すように、制御部32は、印加電圧を制御して、第1モードでの各通電パターンの電流の応答波形を、最大値よりも低電流値で一定時間維持する波形とする。これによれば、ロータ12に大きなトルクを与える時間を短くする一方で、ロータ12に大きすぎず、且つ、小さすぎない中間のトルクを一定時間与え続けることができる。このために、振動の発生を抑制しながら、ロータ12を回転させることができる確率を高められる。この点、第1実施形態と同様であり、駆動電圧のデューティ比の制御方法は第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、制御部32は、電圧の印加時間を制御して、第1モードの再通電時の電流の総和を、直前の第1モードの通電時の電流の総和より大きくする。この点、第1実施形態と異なる。第2実施形態によれば、第1モードの再通電時に各通電パターンにおける電圧の印加時間を、直前の第1モードの通電時に比べて長くすることによって、第1モードの再通電時の電流の総和を直前の第1モードの電流の総和より大きくすることができる。この構成では、第1モードの再通電時に、直前の第1モードの通電時に比べて、ロータ12を回転させるためのトルクを付与する時間を長くすることができる。このために、ロータ12が回転される確率を高められる。
図10に示すように、各通電パターンにおいて、第1モードの再通電時における電流の最大値は、直前の第1モードの通電時における電流の最大値と同じである。制御部32は、第1モードの再通電時と、直前の第1モードの通電時とで、通電開始時の最大デューティ比を同じにする。これによれば、第1モードの再通電時において、直前の第1モードの通電時と比べて最大トルクを同じにすることができ、センサレスブラシレスモータ1の起動時における振動の発生を抑制することができる。
図10に示すように、各通電パターンにおいて、第1モードの再通電時における最大値の電流の通電時間は、直前の第1モードの通電時における最大値の電流の通電時間に比べて長い。制御部32は、第1モードの再通電時には、直前の第1モードの通電時と比べて、最大デューティ比で駆動電圧を印加する時間(T1)を長くする。これによれば、第1モードの再通電時において、直前の第1モードの通電時に比べてロータ12を回転させるためのエネルギーを大きくすることができ、ロータ12を回転させることができる確率を高められる。
図10に示すように、各通電パターンにおいて、第1モードの再通電時における最大値より低い低電流値の通電時間は、直前の第1モードの通電時における前記低電流値の通電時間に比べて長い。制御部32は、第1モードの再通電時には、直前の第1モードの通電時と比べて、最大デューティより低い低デューティ比で駆動電圧を印加する時間(T2)を長くする。なお、制御部32は、第1モードの再通電時と、直前の第1モードの通電時とで、前記低デューティ比の値を同じにする。これによれば、第1モードの再通電時において、直前の第1モードの通電時に比べてロータ12を回転させるためのエネルギーを大きくすることができ、ロータを回転させることができる確率を高められる。
なお、第2実施形態では、第1モードにおいて、印加電圧を制御して、各通電パターンの電流の応答波形を、通電開始から最大値となるまでの経過時間が前記最大値から通電終了までの経過時間に比べて短くなる波形とする。また、第2実施形態では、制御部32が、電圧の印加時間を制御して、第1モードの再通電時の電流の総和を、直前の第1モードの通電時の電流の総和より大きくする。この構成を満たす範囲で、制御部32が印加電圧を制御することによって得られる電流応答波形は適宜変更されてよい。例えば、第1実施形態(図7参照)や、第1実施形態の変形例(図8、図9参照)で示した電流応答波形と同様の電流応答波形とされてよい。
<4.留意事項>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書中に示される複数の実施形態及び変形例は可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
例えば、制御部32が、印加電圧の大きさ、及び、電圧の印加時間を制御して、第1モードの再通電時の電流の総和を、直前の第1モードの通電時の電流の総和より大きくする構成としてもよい。
以上に示した実施形態では、デューティ比を増減してセンサレスブラシレスモータ1への印加電圧の大きさを制御したが、これは例示である。電圧値を増減してセンサレスブラシレスモータ1への印加電圧の大きさを制御してもよい。
本発明は、例えば掃除機やヘアドライヤ等の送風装置を有する家電製品等に利用することができる。

Claims (12)

  1. 複数の磁極を有するマグネットを含むロータと、
    複数相のコイルを含むステータと、
    を有するセンサレスブラシレスモータの回転を制御するモータ制御装置であって、
    所定の順序で切り替えられる複数の通電パターンに従って前記コイルに電力を供給する処理を行う制御部を有し、
    前記制御部は、
    前記ロータを強制的に回転させる強制転流処理を行う第1モードと、
    前記ロータを所定の回転数で回転させる第2モードと、
    を有し、
    前記制御部は、前記第1モードにおいて、印加電圧を制御して、各前記通電パターンの電流の応答波形を、通電開始から最大値となるまでの経過時間が前記最大値から通電終了となるまでの経過時間に比べて短くなる波形とし、
    前記制御部は、前記第1モードによって前記ロータが正常起動に達しなかったときに前記第1モードの再通電を行い、前記第1モードによって前記ロータが正常起動に達したときに前記第1モードから前記第2モードへの切替え処理を行い、
    前記制御部は、前記第1モードの再通電時に前記コイルに通電される電流の総和を、直前の前記第1モードの通電時に前記コイルに通電された電流の総和より大きくする、モータ制御装置。
  2. 前記制御部は、印加電圧の大きさを制御して、前記第1モードの再通電時の前記電流の総和を、直前の前記第1モードの通電時の前記電流の総和より大きくする、請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記制御部は、印加電圧を制御して、前記第1モードでの前記電流の応答波形における前記最大値を一定時間維持する波形とする、請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記制御部は、印加電圧を制御して、前記第1モードでの前記電流の応答波形を、前記最大値よりも低い低電流値で一定時間維持する波形とする、請求項2又は3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記第1モードの再通電時における前記低電流値は、直前の前記第1モードの通電時における前記最大値と同じ、又は、それより小さい、請求項4に記載のモータ制御装置。
  6. 前記制御部は、電圧の印加時間を制御して、前記第1モードの再通電時の前記電流の総和を、直前の前記第1モードの通電時の前記電流の総和より大きくする、請求項1に記載のモータ制御装置。
  7. 前記第1モードの再通電時における前記最大値は、直前の前記第1モードの通電時における前記最大値と同じである、請求項6に記載のモータ制御装置。
  8. 前記第1モードの再通電時における前記最大値の電流の通電時間は、直前の前記第1モードの通電時における前記最大値の電流の通電時間に比べて長い、請求項6又は7に記載のモータ制御装置。
  9. 前記制御部は、印加電圧を制御して、前記第1モードでの前記電流の応答波形を、前記最大値よりも低い低電流値で一定時間維持する波形とする、請求項6から8のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  10. 前記第1モードの再通電時における前記低電流値の通電時間は、直前の前記第1モードの通電時における前記低電流値の通電時間に比べて長い、請求項9に記載のモータ制御装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載のモータ制御装置と、
    前記ロータと、
    前記ステータと、
    を有する、センサレスブラシレスモータ。
  12. 請求項11に記載されるセンサレスブラシレスモータと、
    前記ロータに取り付けられる羽根車と、
    を有する、送風装置。
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