JP7118324B1 - 転送装置及び時刻同期システム - Google Patents

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Abstract

転送装置(10)は、Pdelayメッセージ受信処理(101)、Sync/Follow upメッセージ受信処理(102)、Announceメッセージ受信処理(103)、Sync受信/送信ガード管理処理(104)、遅延測定演算処理(105)、時刻同期演算処理(106)、時刻選択演算処理(107)及びフレーム送信処理(108)を備えている。転送装置(10)は、時刻源情報を通知するAnnounceメッセージ(61)の受信状態をポート毎に監視し、監視により、時刻の信頼性が落ちるなど、時刻源の状態が悪化した場合に、時刻同期用のSync/Follow_upメッセージ(51)を転送しないようにする。これにより、転送装置(10)はSync/Follow_upメッセージ(51)のタイムアウトを発生させ、他の装置に高速に時刻源の悪化を通知する。

Description

本開示は、転送装置及び時刻選択システムに関する。具体的には、本開示は、時刻源からの時刻情報を、ネットワークに接続された各装置に配信する、転送装置、時刻選択方法及び時刻選択システムに関する。
近年、産業用イーサネット(登録商標)ネットワークでは、制御ネットワークと情報ネットワークの統合化が進んでいる。産業用イーサネットネットワークでは、制御データをリアルタイムに転送する方式として、TSN(Time Sensitive Networking)技術の規格化が進んでいる。TSNは、ネットワークスイッチ(以下、転送装置と記す)を介して装置間を高精度に時刻同期させ、トラフィックをスケジューリングする技術である。
TSN技術の1つに、高精度なネットワーク時刻同期技術がある。
転送装置を含むネットワークに繋がる各機器が、隣接する装置間の伝搬遅延及びクロック偏差を周期的に測定する。そして、上記の各機器は、時刻源となるグランドマスタクロック装置(以下、GMと記す)からネットワークを介して周期的に配信される時刻情報に対し、高精度に時刻同期する方法が規格化されている(例えば非特許文献1)。
非特許文献1では、時刻同期システムの高信頼化を目的として、ネットワーク上に時刻源が複数配置される。複数配置された時刻源は、クロックの精度及び信頼性のような時刻源情報を周期的に配信する。
転送装置が、単一または複数のポートから受信した時刻源情報から、最良の時刻源情報を選択し、周期的に配信されるアルゴリズムBMCA(Best Master Clock Algorithm)により、最良の時刻源を起点に、時刻を配信する経路(クロックツリー)を構成する方法も規格化されている。
また、時刻源情報と時刻情報とを同じフレームに格納して時刻を同期する独自方法も提案されている(例えば特許文献1)。
特開2015-216438号公報
IEEE Std 802.1AS-2020(Timing and Synchronization for Time-Sensitive Applications)、Approved 30 January 2020
従来の非特許文献1では、GMが時刻源情報をAnnounceメッセージで周期的に配信する。各転送装置では、受信したAnnounceメッセージの中で最も時刻精度の良い時刻源情報、すなわち品質の良い時刻源情報を受信したポートをスレーブポートとして選択する。各転送装置は、スレーブポートから受信したAnnounceメッセージを、他のポートに転送する。他のポートに転送する転送タイミングは、転送装置によって個別に管理されている周期である。
一方、GMは周期的に時刻情報をSync/Follow upメッセージで配信する。各転送装置は、Sync/Follow upメッセージに含まれる伝搬遅延時間及びGMとのクロック比を、リアルタイムに更新しながら、Sync/Follow upメッセージを転送する。ここで、Sync/Follow upメッセージに含まれる伝搬遅延時間とはGMからSync/Follow upメッセージを受信した転送装置までの転送遅延時間である。また、GMとのクロック比とは、周波数偏差の比である。
尚、GMとの伝搬遅延時間およびGMとのクロック比を算出するために、各装置では隣接装置とPdelay_Req/Pdelay_Resp/Pdelay_Resp_Follow_upメッセージを送受し、隣接装置と自装置間の伝搬遅延時間やクロック比を計測する。また、自装置内部での滞留時間を測定する。
AnnounceメッセージとSync/Folllow_upメッセージとの送信周期は独立している。また、各転送装置では、AnnounceメッセージとSync/Follow_upメッセージについての、転送方法も異なる。このため、転送装置の経由段数が多く、時刻源となるGMが冗長化されており、複数のGMがネットワークに接続される時刻同期システムでは、以下のような課題があった。すなわち、マスタ装置として選択されているGMに接続された時刻情報を受信するGPSアンテナの受信状態が同期状態からホールドオーバや非同期の状態になる、あるいは、ホールドオーバ状態から非同期の状態になる、というような時刻の品質が悪化すると、マスタ装置を冗長化された別のGMへ切り替える場合がある。このように別のGMへの切り替えが発生する時に、時刻源情報の劣化検出に時間がかかり、クロックツリーの再構成が遅くなる、という課題があった。
また、特許文献1は、その課題を解決する提案であり、特許文献1は、時刻源情報と時刻情報を統合したフレームを転送することで、同期精度の悪化を防ぐという利点を持つと考えられる。しかし、特許文献1では、規格に準拠していないため、相互接続性及びスケーラビリティの点で課題があった。
本開示は、相互接続性及びスケーラビリティを担保しつつ、時刻源情報と時刻情報を一致させ、時刻源の劣化情報の通知及び新たな時刻情報の配信を高速化することで、時刻同期における信頼性と同期精度との向上を目的とする。
本開示に係る2つ以上の通信ポートを備え、ネットワークを介して時刻同期を行う転送装置は、
各通信ポートから受信したデータの中から、遅延測定用のメッセージと時刻源通知メッセージと時刻通知メッセージとを識別する第1の手段と、
通信ポート毎に受信した前記時刻源通知メッセージに格納される時刻源から時刻通知メッセージする時刻の信頼度と、前記時刻源の装置を特定する情報とを含む前記時刻源の優先度情報を通信ポート毎に保持し、前記時刻源通知メッセージの受信有無と優先度情報の変化とを、通信ポート毎に管理する第2の手段と、
通信ポート毎に管理する時刻源の優先度情報と、自身である前記転送装置を特定する情報を含む前記転送装置の優先度情報の中で、最も高い優先度情報を持つ通信ポートをスレーブポートとして選択し、選択された前記スレーブポートに前記優先度情報を介して対応付いている前記時刻源である装置を、マスタ装置と認識する第3の手段と、
前記スレーブポートで受信した、前記マスタ装置を時刻源とする時刻源情報を格納する時刻源通知メッセージを、前記スレーブポート以外の通信ポートに、周期的に配信する第4の手段と、
時刻情報を格納する時刻通知メッセージの受信有無を通信ポート毎に管理する第5の手段と、
通信ポート毎に受信した時刻源通知メッセージの受信状態と、時刻通知メッセージの受信状態とのどちらかが変化した場合に、前記受信状態が変化した通信ポートである対象の通信ポートからの時刻通知メッセージの受信の一定期間のガードと、前記対象の通信ポートからの時刻通知メッセージの受信のガード解除との、どちらかを実行する第6の手段と、
前記スレーブポートから受信した時刻源通知メッセージの受信状態と、時刻通知メッセージとの受信状態のどちらかが変化した場合に、前記スレーブポート以外の通信ポートへの時刻通知メッセージの配信の一定期間のガードと、前記スレーブポート以外の通信ポートへの時刻通知メッセージの配信の一定期間のガードの解除との、どちらかを実行する第7の手段と、
前記マスタ装置と前記転送装置との間と、隣接装置と前記転送装置との間とのどちらかでメッセージを送受し、伝搬遅延を測定する第8の手段と、
前記転送装置で時刻を管理する際に、前記スレーブポートの時刻通知メッセージの受信ガードが無い場合に、前記スレーブポートで周期的に受信する前記マスタ装置から配信された時刻通知メッセージと遅延時間を含む情報とを基に、前記マスタ装置の時刻に前記転送装置の時刻を同期する第9の手段と、
前記スレーブポートの時刻通知メッセージの配信ガードが無い場合に、前記スレーブポートから受信した時刻通知メッセージに、前記転送装置を経由することで時間的に影響を及ぼすパラメータの情報を追加し、前記情報が追加された時刻通知メッセージを、前記スレーブポート以外の通信ポートに配信する第10の手段と、
を備えた。
本開示によれば、相互接続性及びスケーラビリティを担保しつつ、時刻源情報と時刻情報を一致させ、時刻源の劣化情報の通知及び新たな時刻情報の配信を高速化して、時刻同期における信頼性と同期精度との向上を図る転送装置及び時刻選択システムを提供できる。
実施の形態1の図で、転送装置のハードウェア構成を示す図。 実施の形態1の図で、転送装置がネットワークを介して時刻同期を実現する際の、時刻同期のためのフレーム処理に関する機能構成図。 実施の形態1の図で、各出力情報の内容を示す図。 実施の形態1の図で、gPTPで使用するPTPフレームのフォーマットを示す図。 実施の形態1の図で、Announceフレームを受信した際のAnnounceメッセージ受信処理の動作を示すフローチャート。 実施の形態1の図で、Priority Vectorの構成要素を優先度順に示す図。 実施の形態1の図で、Sync/Follow_upメッセージを受信した場合の動作を示すフローチャート。 実施の形態2の図で、時刻選択システムのシステム構成を示す図。 実施の形態2の図で、時刻選択システムに障害が発生した場合を示す図。 実施の形態2の図で、時刻選択システムに障害が発生した場合を示す別の図。 実施の形態2の図で、マスタ装置が切り替わる場合を説明する図。 実施の形態2の図で、クロックツリーが再構成される過渡期に、マスタ装置から遠くなるほど実際の時刻源の状態と同期する時刻の信頼性にずれが発生することを示す図。 実施の形態3の図で、Announceの配信間隔が、Syncの配信間隔をGM装置間の経由段数で除した値以下となる際の状態を示す図。
実施の形態の説明及び図面において、同じ要素及び対応する要素には同じ符号を付している。
同じ符号が付された要素の説明は、適宜に省略又は簡略化する。
以下の実施の形態では、「部」を、「回路」、「工程」、「手順」、「処理」又は「サーキットリ」に適宜読み替えてもよい。
実施の形態1.
***構成の説明***
図1から図7を参照して、実施の形態1の転送装置10を説明する。
図1は、転送装置10のハードウェア構成図である。図1に示すように、プロセッサ1、メモリ2、演算部3、フレーム入出力インタフェース8を備える。演算部3は、プロセッサ1とは異なる、別のプロセッサによって実現される。あるいは、一つのプロセッサが、プロセッサ1及び演算部3を実現してもよい。また、演算部3はFPGAの回路で実現してもよい。
演算部3は、時刻同期用演算回路4、レイヤ2転送・中継用演算回路5、フレーム受信処理演算回路6、フレーム送信処理演算回路7を備えている。演算部3の各々の演算回路を説明する。
(時刻同期用演算回路4)
時刻同期用演算回路4は、ネットワークを介して高信頼な時刻選択配信及び時刻同期を実現するために必要となる転送装置の機能を実現する。
(レイヤ2転送・中継用演算回路5)
レイヤ2転送・中継用演算回路5は、一般的なレイヤ2スイッチの機能を持つ。レイヤ2転送・中継用演算回路5は、複数ポートから受信したフレームを中継し、適切な経路へ転送する機能を実現する。レイヤ2転送・中継用演算回路5の実装するプロトコルは多岐に渡るが、特に限定しない。レイヤ2転送・中継用演算回路5は、一部において、レイヤ3やそれ以上のレイヤのプロトコル処理の機能を実現してもよい。
(フレーム受信処理演算回路6)
フレーム受信処理演算回路6は、各ポートから入力されたフレームの一般的な受信処理を行う。受信処理としては、例えば、フレーム受信処理演算回路6は、複数のポートで受信したフレーム単位に、フレームのエラーチェック及びフレームの廃棄、フレームのヘッダを参照してフレーム種別の識別を行う。また、フレーム受信処理演算回路6は、時刻同期を実現するために、PTPフレームの受信タイムスタンプの取得機能、
PTPフレーム種別の識別機能、PTPフレームの受信状態の管理機能のような、種々の機能も持つ。
(フレーム送信処理演算回路7)
フレーム送信処理演算回路7は、各ポートからフレームを送信するために必要な処理として、出力ポート毎に優先度の高いフレームから出力する処理、FCSを付け替える処理などの、一般的なフレーム送信処理を行う。また、フレーム送信処理演算回路7は、時刻同期を実現するために、PTPフレームの生成機能、PTPフレームの送信タイムスタンプの取得機能も持つ。
(フレーム入出力インタフェース8)
転送装置10は、複数のフレーム入出力インタフェース8を有する。図1ではフレーム入出力インタフェース8-1からフレーム入出力インタフェース8-nのn個のフレーム入出力インタフェース8を示している。複数のフレーム入出力インタフェース8の各フレーム入出力インタフェース8は、ポートである。つまり、一つのフレーム入出力インタフェース8は、一つのポートである。フレーム入出力インタフェース8は、フレームを入出力するためのインタフェースである。複数のフレーム入出力インタフェース8には、電気インタフェースのPHY及び光インタフェースのSFPの機能を持つインタフェースが、含まれてもよい。
図2は、転送装置10がネットワークを介して高精度な時刻同期を実現する際の、時刻同期のためのフレーム処理に関する機能構成図である。図2では、転送装置10は、Pdelayメッセージ受信処理101、Sync/Follow upメッセージ受信処理102、
Announceメッセージ受信処理103、Sync受信/送信ガード管理処理104、遅延測定演算処理105、時刻同期演算処理106、時刻選択演算処理107、フレーム送信処理108を有する。Pdelayメッセージ受信処理101からフレーム送信処理108は、それぞれ、出力情報を出力する。
図3は、各出力情報の内容を示す。Pdelayメッセージ受信処理101は、出力情報1Aを出力する。Sync/Follow upメッセージ受信処理102は、出力情報2A、2Bを出力する。Announceメッセージ受信処理103は、出力情報3A、3B、3Cを出力する。Sync受信/送信ガード管理処理104は、出力情報4A、4Bを出力する。遅延測定演算処理105は、出力情報5A、5B、5Cを出力する。時刻同期演算処理106は、出力情報6Aを出力する。時刻選択演算処理107は、出力情報7A、7Bを出力する。フレーム送信処理108は、出力情報8A、8B、8Cを出力する。Pdelayメッセージ受信処理101からフレーム送信処理108の8つの処理の機能は、主に図1の時刻同期用演算回路4、フレーム受信処理演算回路6、フレーム送信処理演算回路7、に実装される。図2では、時刻同期に必要な時刻選択、時刻同期、及び遅延測定などの時刻同期用のPTPフレームを用いて時刻同期を実現するために必要な処理を記載している。また、図2に示す機能ブロックの分け方は例示であり、機能ブロックの分け方は特に限定しない。機能ブロックによって転送装置10の動作が実現できれば、機能ブロックの構成は限定されない。
実施の形態1では、例として、IEEE802.1AS(gPTP)に定義されたPTPフレームを使用して説明する。gPTPでは、遅延測定には2ステップ方式のPdelay_Req/Pdelay_Resp/Pdelay_Resp_Follow_upメッセージ、時刻同期には2ステップ方式のSync/Follow_upメッセージ、時刻源情報の通知にはAnnounceメッセージを使用する。ただし、遅延測定の方法については、特に限定しない。また、時刻同期も2ステップ方式に限らず、1ステップ方式の場合も転送装置10の対象とする。gPTPに限らず、IEEE1588のPTPフレームを使用する時刻同期プロファイル、あるいはIEEE1588を拡張したPTPフレームを使用する時刻同期プロファイルであれば、転送装置10の対象とする。
図4は、gPTPで使用するPTPフレームのフォーマットの例を示す。実施の形態1から実施の形態3ではレイヤ2でPTPを扱うが、実施の形態1から実施の形態3は、レイヤ2に限らず、レイヤ3以上でも対応可能である。また、転送装置10は、時刻同期に対応するn個のポートを持つ。ここで、nは2以上の整数である。図1の説明で述べたように、ポートは、フレーム入出力インタフェース8である。
次に図2の各機能ブロックの処理を説明する。
(Pdelayメッセージ受信処理101)
まず、Pdelayメッセージ受信処理101は、受信したメッセージが、
(1)PTPフレームの遅延測定用のPdelay_Respメッセージ、
(2)PTPフレームの遅延測定用のPdelay_Resp_Follow_upメッセージ、
(3)遅延応答用のPdelay_Reqメッセージ、
のうちのどのメッセージに該当するかを識別する。Pdelayメッセージ受信処理101は、各メッセージの受信状態をポート毎に管理する。これらのPdelayメッセージを受信した際、
(1)受信ポート、
(2)受信パラメータ(メッセージ全体でもよい)、
(3)受信状態などの情報と共に、
遅延測定演算処理105へPdelayメッセージを通知する。なお、Pdelay_RespメッセージあるいはPdelay_Reqメッセージを受信した際は、Pdelayメッセージ受信処理101は、メッセージから受信タイムスタンプを取得し、他の情報と共に後段の遅延測定演算処理105へ通知する。
(遅延測定演算処理105)
遅延測定演算処理105は、出力情報1AをPdelayメッセージ受信処理101から受け取る。出力情報1Aは,Pdelay受信通知である。遅延測定演算処理105は、出力情報1Aに含まれる、ポート毎の、受信タイムスタンプ値と、受信パラメータと、受信状態とを基に、遅延測定及び遅延応答の処理を行う。遅延測定では、遅延測定演算処理105は、ポート毎に隣接装置に対するPdelay_ReqメッセージのPdelay送信要求を、必要な送信パラメータと共に、出力情報5Cとして、周期的にフレーム送信処理108に出力する。
その後、遅延測定演算処理105は、フレーム送信処理108から、Pdelay_Reqメッセージ送信時に、出力情報8Aとして送信タイムスタンプを取得し、この送信タイムスタンプを保持する。
また、遅延測定演算処理105は、Pdelayメッセージ受信処理101から、隣接装置がPdelay_Reqメッセージの応答として返信したPdelay_Respメッセージ、Pdelay_Resp_Follow_upメッセージのPdelay受信通知があった場合に、以下の処理を行う。遅延測定演算処理105は、各メッセージに格納された隣接装置で取得したPdelay_Reqの受信タイムスタンプと隣接装置で取得したPdelay_Respの送信タイムスタンプ値、また、Pdelayメッセージ受信処理101で取得したPdelay_Respの受信タイムスタンプ値、フレーム送信処理108で取得したPdelay_Req送信時に保持した送信タイムスタンプ値から、隣接装置と自身である転送装置10との伝搬遅延時間を算出する。また、遅延測定演算処理105は、遅延測定を複数回実施し、隣接装置と転送装置10とのクロック比を算出する。ここでクロック比は周波数偏差である。これら伝搬遅延時間及び周波数偏差の算出結果から、及び隣接装置とのPdelayメッセージの送受信の状態から、遅延測定演算処理105は、ポート毎にgPTPによる時刻同期が可能か否かを判定し、判定結果を測定状態として、時刻選択演算処理107に通知する。測定状態は出力情報5Bである。遅延応答では、遅延測定演算処理105は、Pdelayメッセージ受信処理101から、各ポートでPdelay_Reqメッセージを受信した通知を受けると、以下の処理を行う。受信時に取得した受信タイムスタンプ値と、受信パラメータ(メッセージ全体でもよい)と、対象ポートの情報とをPdelay_Respメッセージとして応答するために、遅延測定演算処理105は、Pdelay_Respの送信要求を、出力情報5Cとして、フレーム送信処理108へ出力する。また、フレーム送信処理108からPdelay_Respメッセージの送信タイムスタンプを出力情報8Aとして取得した場合、遅延測定演算処理105は、送信タイムスタンプと共に、Pdelay_Resp_Follow_upメッセージの送信要求を、フレーム送信処理108へ出力情報5Cとして出力する。
(Sync/Follow_upメッセージ受信処理102)
次にSync/Follow_upメッセージ受信処理102は、PTPフレームの時刻同期用のSync/Follow_upメッセージを識別し、各メッセージの受信状態をポート毎に管理する。Sync/Follow_upメッセージ51を受信した際、Sync/Follow_upメッセージ受信処理102は、Syncメッセージの受信タイムスタンプを取得し、受信ポート、受信パラメータ(メッセージ全体でもよい)、受信状態などの情報と共に保持する。同一ポートからのFollow_upメッセージを受信したタイミングで、Sync/Follow_upメッセージ受信処理102は、Follow_upメッセージの受信パラメータ(メッセージ全体でもよい)と共に、時刻同期演算処理106へ通知する。
また、Sync/Follow_upメッセージ受信処理102は、Follow_upメッセージの受信時刻からSync/Follow_upメッセージに格納された送信間隔のN倍(予め設定した整数値)経過した時刻を、タイムアウト時刻として受信ポート毎に更新する。そして、Sync/Follow_upメッセージ受信処理102は、更新したタイムアウト時刻を経過しても次のSync/Follow_upメッセージ51を受信しなかった場合に、Sync/Follow_upメッセージ受信処理102は、Sync/Follow_upメッセージ51のタイムアウトを検出する。Sync/Follow_upメッセージ51のタイムアウトの検出には、送信間隔のN倍を測定可能なカウンタを用いて前回受信してからカウンタの満了までに受信しない場合に検出する方法でも良い。
Sync/Follow_upメッセージ51のタイムアウト発生有無の情報は、Announceメッセージ受信処理103、Sync受信/送信ガード管理処理104、時刻選択演算処理107で使用する。また、Sync受信/送信ガード管理処理104から、ポート単位のSync/Follow_upメッセージ51の受信ガード指示を出力情報4Aとして受信した場合は、Sync/Follow_upメッセージ受信処理102は以下の処理を実施する。すなわち、Sync/Follow_upメッセージ受信処理102は、ガード対象のポートでSync/Follow_upメッセージ51を受信してもタイムアウト時刻を更新あるいはカウンタをクリアせず、Sync/Follow_upメッセージ51を受信しない場合と同等の動作としてSync/Follow_upメッセージ51を廃棄し、時刻同期演算処理106に、出力情報2AであるSync/Follow_upメッセージ受信を通知しない。
(Announceメッセージ受信処理103)
Announceメッセージ受信処理103は、PTPフレームの時刻源通知用のAnnounceメッセージ61を識別し、受信状態をポート毎に管理する。
***動作の説明***
図5は、Announceメッセージ61を受信した際の、Announceメッセージ受信処理103の動作を示すフローチャートである。ステップS101では、Syncタイムアウトが発生していない場合(ステップS101でNo)、処理はステップS102に進む。Announce受信状態が無効(ステップS102でYes)の場合、処理はステップS107、S105に進む。ステップS107では、Announce受信状態が無効のポートでAnnounceメッセージ受信処理103が、新たにAnnounceメッセージ61を受信すると、Sync受信時刻を登録(更新)する。ステップS105では、Announce受信状態が無効のポートでAnnounceメッセージ受信処理103が、新たにAnnounceメッセージ61を受信すると、対象ポートのAnnounce受信状態は有効(新規受信)となる。そして、Announceメッセージ受信処理103は、Announceメッセージ61に格納されている時刻源の優先度情報を保持する。Announceの受信状態が有効な場合(ステップS102でNo)、処理はステップS103に進む。ステップS103において、Announceメッセージ受信処理103は、新たにAnnounceメッセージを受信すると、受信した時刻源の優先度情報と、前回同じポートで保持した優先度情報とを比較する。Announceメッセージ受信処理103は、今回受信した優先度情報が前回と同一(一致受信)または優先度の高い情報(優位受信)である場合(ステップS103でNo)は、処理はステップS105に進む。Announceメッセージ受信処理103は、新たに受信したAnnounceメッセージ61の受信パラメータ(メッセージ全体でもよい)を保持(更新)し(ステップS105)、受信ポートの情報と共に時刻選択演算処理107に出力情報3Bとして通知する。
ステップS103において、今回受信した優先度情報が前回保持した優先度よりも低い場合は、Announceメッセージ受信処理103は、Announceメッセージ61の優先度が劣化した(劣化受信)と判断し(ステップS103でYes)、処理はステップS104に進む。ステップS104では、Announceメッセージ受信処理103は、受信パラメータを保持せず、受信ポートの情報と共にSync受信/送信ガード管理処理104に劣化した状態であることを、出力情報3Aとして通知する。また、ポート毎に一定時間以上Annouceメッセージ61を受信しない場合、または劣化状態が一定時間以上継続する場合には、Announceメッセージ受信処理103は、Announceタイムアウトを検出する。Announceタイムアウトが発生している状態では、Announceメッセージ受信処理103は、対象ポートのAnnounceメッセージの受信状態を無効とする。
(Announceタイムアウトの検出方法)
Announceメッセージ受信処理103の実施する具体的なAnnounceタイムアウトの検出方法を、以下に説明する。Announceメッセージ受信処理103は、Announceメッセージ61の受信パラメータを保持した受信時刻から、Announceメッセージ61に格納された送信間隔のM倍(予め設定した整数値)経過した時刻を、タイムアウト時刻として受信ポート毎に更新する。そして、更新したタイムアウト時刻を経過しても次のAnnounceメッセージを受信しなかった場合、Announceメッセージ受信処理103は、Announceメッセージ61のタイムアウトを検出する。Announceメッセージ61のタイムアウト検出には、送信間隔のM倍を測定可能なカウンタを用いることができる。前回Announceメッセージ61を受信してからこのカウンタが時刻満了までにAnnounceメッセージ61を受信しない場合に、Announceメッセージ受信処理103がタイムアウトを検出する方法でも良い。
また、Sync/Follow_upメッセージ受信処理102からSync/Follow_upタイムアウトを出力情報2Bによって検出した場合、Announceメッセージ受信処理103は、Sync/Follow_upタイムアウトが発生したタイミング(タイムアウト未検出⇒検出)で、対象ポートのAnnounceメッセージ受信状態を無効とする。
Announceメッセージ受信処理103は、Announceの有効あるいは無効の情報を、Sync受信/送信ガード管理処理104及び時刻選択演算処理107に、出力情報3Aとして出力する。
(時刻選択演算処理107)
時刻選択演算処理107は、時刻選択演算処理107が搭載されている転送装置10である自身の装置と時刻同期が可能と遅延測定演算処理105が判断した全てのポートに対して、以下の処理を実施する。
すなわち、時刻選択演算処理107は、Announceメッセージ受信処理103から入力される出力情報3Aである「ポート単位のAnnounce受信状態」が変化する度(Announce状態が有効⇒無効、無効⇒有効(新規受信)、有効⇒有効(優位受信))に、最も優先度の高いポートを「スレーブポート」として選択する。
(Announceメッセージ61の優先度情報)
Announceメッセージ61の優先度情報の例を以下に示す。gPTPでは、Announceメッセージ61の優先度情報として、224bitのPriority Vector(以下、PVと記す)が、定義されている。
図6は、PVの構成要素を優先度順に示す。PVを比較した結果、ネットワーク内の全装置が一意に時刻源を決定する必要がある。このため、PVは、時刻源の信頼性等の優先度(priority1~priority2)に加えて、時刻源のMACアドレスが含まれるclockIdentityを使用している。また、PVには、時刻源からの中継装置の経由段数(stepsRmoved)、前段の隣接装置のクロックID/送信ポート番号(portIdentity)、自身である転送装置10の受信ポート番号(portNumber)なども含まれる。BMCA(Best Master Clock Algorithm)について説明する。BMCAは、自身である転送装置10のPVと全ポートのPVとを比較して、最良のマスタクロックを選択し、自身である転送装置10の全ポートの状態を決定するアルゴリズムである。
(BMCAの説明)
まず、遅延測定演算処理105で何らかの原因で時刻同期が不可能と判断したポートは「ディセーブルポート」とし、時刻同期に必要なAnnounceメッセージ及びSync/Folllow_upメッセージを送受しない。次に、Announceが無効、またはSync/Follow_upタイムアウトが発生しているポートは、「マスタポート」とする。マスタポートは、スレーブポートから受信したAnnounceメッセージの受信パラメータ及びSync/Folllow_upメッセージを、転送するポートである。次に、Announceが有効でSync/Follow_upタイムアウトが発生していないポートに対して、各ポートのPV(各ポートで受信したRxPVの経由段数(stepsRemoved)に1加算した値と、自身である転送装置10のPV(stepsRemoved=0、clockIdentity=portIdentity、portNumber=0)とを比較する。
各受信ポートと、自身である転送装置10との全体で比較した結果、値が最も小さい(最も優先度の高い)Announceメッセージを受信したポート(または自身である転送装置10)を、時刻選択演算処理107は、「スレーブポート」とする。また、時刻選択演算処理107は、スレーブポートで受信したAnnouceメッセージの時刻源(または自身である装置)を、マスタ装置として選択する。リング及びメッシュのネットワークでは、マスタ装置を時刻源とするAnnounceメッセージをスレーブポート以外の複数のポートで受信するケースもある。そのようなケースも考慮し、時刻選択演算処理107は、スレーブポートと図4のrootSystemPriorityと経由段数が同値である場合、または、スレーブポートとrootSystemPriorityとが同値で、スレーブポートより経由段数が1大きく隣接装置のクロックIDが自身である転送装置10のクロックIDより小さい場合は、「パッシブポート」、それ以外のポートは「マスタポート」とする。パッシブポートとは、スレーブポートから受信したAnnounceメッセージやSync/Follow_upメッセージを転送しないポートとする。BMCAで決定した各ポートの状態は、Sync受信/送信ガード管理処理104、時刻同期演算処理106、フレーム送信処理108へ通知する。
(Sync受信/送信ガード管理処理104)
Sync受信/送信ガード管理処理104では、フレーム送信処理108からのAnnounceメッセージの各マスタポート(スレーブ装置)への出力情報8CであるAnnounce送信タイミングと、送信後の時刻選択演算処理107からの各ポートのAnnounceメッセージの受信状態の変化を管理し、以下の条件でSync/Follow_upメッセージの受信及び送信をガードする。
図7は、Sync/Follow_upメッセージを受信した場合の動作を示すフローチャートである。スレーブポートで受信するAnnounceが劣化した(劣化中の)場合(ステップS103)、BMCAでは劣化前のPV値でBMCAの状態が決定される。このため、スレーブポートで受信したSync/Follow_upメッセージを受信しないように、劣化状態が解消(劣化継続によるAnnounceタイムアウトで無効、または劣化前の状態に改善)するまで(ステップS106)、Sync受信/送信ガード管理処理104は、Sync/Follow_upメッセージ受信処理102へ、Sync/Follow_upメッセージの受信をガードする指示を、出力情報4Aとして出力する(ステップS104)。また、Sync受信/送信ガード管理処理104は、マスタポートごとに最新のAnnounceメッセージを送信した時のスレーブポートのAnnounceの状態とPVを保持する。Sync受信/送信ガード管理処理104は、保持したスレーブポートのAnnounceが無効、あるいはスレーブポートが変更した場合に(ステップS205でYes)、マスタポート毎に変更後の新たなAnnounceメッセージを送信するまでは、Sync/Follow_upメッセージを配信しないように時刻同期演算処理106に送信をガードする指示を、出力情報4Bとして出力する。Announceの時刻源情報に対応したSync/Follow_upとするため、各マスタポートでは、スレーブポートで受信した新たなAnnounceメッセージをマスタポートで送信後に、新しいスレーブポートからのSync/Follow_upメッセージを送信することとする。
(時刻同期演算処理106)
時刻同期演算処理106では、Sync/Follow_upメッセージ受信処理102から、出力情報2AとしてSync/Follow_upメッセージの受信通知があり、そのSync/Follow_upメッセージの受信ポートが、時刻選択演算処理107のBMCAで選択されたスレーブポートであった場合に(ステップS203でYes)、マスタポートに時刻を配信するための処理と、自身である転送装置10の時刻をマスタ装置の時刻に同期させる処理を行う(ステップS204)。
まず、時刻同期演算処理106による、時刻を配信する処理について説明する。スレーブポートがSync/Follow_upメッセージを受信する(ステップS203でYes)と、時刻同期演算処理106は、Sync受信/送信ガード管理処理104からの送信ガード指示の無いマスタポートに対して(ステップS205でNo)、フレーム送信処理108へ、出力情報6Aとして、Syncメッセージの送信要求とSyncの受信パラメータ(メッセージのままでも良い)を出力する(ステップS206)。
Sync受信/送信ガード管理処理104からの送信ガード指示は、出力情報3Bである。フレーム送信処理108からは、各マスタポートがSyncメッセージを送信する際に取得した送信タイムスタンプ値が、出力情報8A、8Bとして、遅延測定演算処理105及び時刻同期演算処理106へ入力される。
時刻同期演算処理106は、フレーム送信処理108からのSync送信タイムスタンプと、Sync/Follow_upメッセージ受信処理102からのSync受信タイムスタンプとの時刻差を、マスタ装置と自身である転送装置10のクロック比で補正した値を、自身である転送装置10の滞留時間として算出する。ここでクロック比とは、遅延測定演算処理105と受信したFollow_upメッセージのマスタ装置と前段装置のクロック比を正規化した値から算出した値である。
また、時刻同期演算処理106は、自身である転送装置10の滞留時間と、遅延測定演算処理105で計算した伝搬遅延時間とを加算した値を、受信したFollow_upメッセージのマスタ装置から前段装置までの伝搬遅延時間に加算する。
また、時刻同期演算処理106は、遅延測定演算処理105で算出した隣接装置と、自身である転送装置10とのクロック比(周波数偏差)と、受信したFollow_upメッセージに格納されるマスタ装置に対する前段装置のクロック比を正規化した値とを基に、マスタ装置に対する自身である転送装置10のクロック比を算出する。そして、時刻同期演算処理106は、算出したクロック比を、正規化した値に変更する。さらに、時刻同期演算処理106は、これらのパラメータを、受信したFollow_upメッセージと合わせて送信パラメータとして、Follow_upメッセージの送信要求と共にフレーム送信処理108へ出力する。ここでの時刻同期演算処理106の出力は出力情報6Aである。なお、自身である転送装置10がマスタ装置(スレーブポート)として選択された場合、時刻同期演算処理106は、自身である転送装置10のSyncメッセージを、予め設定した周期で送信するタイミングを生成し、Sync/Follow_upメッセージ送信要求を、出力情報3Aとして周期的にフレーム送信処理108に出力する。
また、時刻同期演算処理106は、最後にマスタ装置として動作していたポートからの周波数偏差補正値を保持し、自身である転送装置10で管理している時刻と共にSync/Follow_upメッセージの送信パラメータとして、フレーム送信処理108へ通知する。この通知は出力情報6Aである。
また、時刻同期演算処理106は、自身である転送装置10の時刻を管理する。時刻同期演算処理106は、Sync/Follow_upメッセージの受信時に、マスタ装置でSyncメッセージを配信した時刻に、前段装置までの伝搬遅延時間と、前段装置から自身である転送装置10までの伝搬遅延時間と、Syncメッセージから自身である転送装置10の時刻を更新する処理までの遅延時間とを加算した時刻を、自身である転送装置10の時刻に更新する。
この更新によって、時刻同期演算処理106は、自身である転送装置10の時刻を、マスタ装置の時刻に同期させる。自身である転送装置10の時刻は、最後に受信したFollow_upメッセージとマスタ装置と自身である転送装置10のクロック比で常に補正して管理する。
(フレーム送信処理108)
フレーム送信処理108では、送信する各種PTPメッセージを生成し、各種PTPメッセージをPTPフレームとして出力する。フレーム送信処理108は、遅延測定用のPdelay_Reqメッセージ43を、ポート毎に設定された送信周期で出力する。Pdelay_Reqメッセージ43の送信時には、フレーム送信処理108は、遅延計算に使用する送信タイムスタンプを取得し、出力情報8Aとして送信タイムスタンプを遅延測定演算処理105へ通知する。Pdelay_Respメッセージ41については、フレーム送信処理108は、遅延測定演算処理105からの出力情報5Cである各ポートへのPdelay_Resp送信要求と、Pdelay_Reqの受信タイムスタンプと、受信パラメータの情報とを基にフレームを生成し、フレームを対象ポートへ送信する。
フレーム送信処理108は、Pdelay_Respメッセージ41の送信時には、遅延計算に使用する送信タイムスタンプを取得する。Pdelay_Respメッセージ41の送信後にPdelay_Respメッセージ41の送信タイムスタンプの情報を格納したPdelay_Resp_Follow_upメッセージ42を生成して続けて送信する。フレーム送信処理108はSyncメッセージを生成する。時刻情報を通知するSyncメッセージは、時刻同期演算処理106からのポート毎の送信要求と送信パラメータを基にフレームを生成し、対象ポートへ送信する。時刻同期演算処理106からのポート毎の送信要求と送信パラメータとは出力情報6Aである。フレーム送信処理108は、Syncメッセージ送信時には遅延計算に使用する送信タイムスタンプを取得し、送信タイムスタンプを出力情報8Bとして時刻同期演算処理106へ通知する。Sync/Follow_upメッセージ51については、フレーム送信処理108は、ポート毎の送信要求と送信パラメータを基にフレームを生成し、フレームを対象ポートへ送信する。時刻源情報を通知するAnnounceメッセージ61については、フレーム送信処理108は、スレーブポートから受信したAnnounceメッセージ61に必要な情報(例えば、自身である転送装置10のID及び送信ポート番号)を付与し、ポート毎に設定された送信周期でマスタポートへ周期的に送信する。フレーム送信処理108では以上の複数のPTPメッセージを、ポート毎に多重して1つのポートに送信する。複数のフレームの送信要求が重複した時は、フレーム送信処理108は優先制御を行う。また、フレーム送信処理108がレイヤ2転送機能も持つ場合、フレーム送信処理108は、PTPメッセージ以外の一般のフレームも多重して送信する。ただし、同期精度を高めるためには、フレーム送信処理108は、PTPフレーム(特にSync/Follow_upメッセージ51)の滞留時間を削減するように、PTPフレームを優先的に送信する。また、マスタ装置の切替時間を高速にするためには、フレーム送信処理108は、Announceメッセージ61を優先的に送信する。
***実施の形態1の効果の説明***
実施の形態1では、時刻同期システムの転送装置の構成及び動作について説明した。実施の形態1では、時刻源情報を通知するAnnounceメッセージ61の受信状態をポート毎に監視する。そして、監視により、例えば時刻の信頼性が落ちるなど、時刻源の(時刻の信頼性)状態が悪化した場合に、時刻同期用のSync/Follow_upメッセージ51を転送しないようにする。これにより、Sync/Follow_upメッセージ51のタイムアウトを発生させ、システムの中で時刻同期可能な全ての装置対して高速に時刻源の悪化を通知できる。
また、実施の形態1では、Sync/Follow_upメッセージ51のタイムアウト発出のタイミングでAnnounceの状態を無効化し、新たに受信するAnnounceを受け付ける。これにより、高速に時刻源を切り替えることができる。
また、実施の形態1では、時刻源の(時刻の信頼性)状態が悪化したり、スレーブポートが切り替わったりした場合に、新たなスレーブの時刻源情報をAnnounceメッセージ61で配信後に、Sync/Follow_upメッセージ51を配信する。これにより、時刻源の情報と時刻情報とが一致し、安定した時刻同期システムを提供できる。
また、相互接続性のない特許文献1の技術とは異なり、実施の形態1に開示した技術は、PTP及びgPTPで定義されるAnnounceメッセージ及びSync/Folllow_upメッセージを使用する。このため、実施の形態1の転送装置10と同じ規格(時刻同期プロファイル)に準拠している別の転送装置を、同じ時刻同期システムへ適用(ネットワークに混在して収容)した場合でも、実施の形態1で述べた時刻選択配信及び時刻同期が可能である。
実施の形態2.
図8から図12を参照して実施の形態2の時刻同期システム70を説明する。
図8は、実施の形態2の時刻同期システム70のシステム構成を示す。時刻同期システム70は、GPSアンテナ21aに接続したGM装置22aと、GM装置22aに接続した転送装置11aと、転送装置11aに接続した端末装置31a、31bと、転送装置11bと、転送装置11bに接続した端末装置31c,31dと、転送装置11cと、転送装置11cに接続した端末装置31e,31fと、転送装置11dと、転送装置11dに接続した端末装置31g,31hと、GM装置22aの冗長のために配置され、GPSアンテナ21bと転送装置11dとに接続したGM装置22bと、を備えている。GPSアンテナ21a及びGPSアンテナ21bは、GPS衛星20a、20b、20c、20dの送信する測位信号を受信する。測位信号は時刻情報を含んでいる。GM装置22a及びGM装置22bはグランドマスタ装置である。GMはグランドマスタの略である。GM装置と転送装置との間、転送装置どうしの間、転送装置と端末装置との間は、各々Ethernetフレームを転送可能な通信回線を介して接続されている。
なお、時刻同期システム70は、第1の変形例として、GPS衛星20aからGPS衛星20dを使用せず、GPSアンテナ21a、21bが無い構成でもよい。また、時刻同期システム70は、第2の変形例として、GPS衛星20aからGPS衛星20dを使用せず、GPSアンテナ21a、21bが無く、かつ、GM装置22a、22bが接続されない構成でもよい。第2の変形例の場合には、いずれか1台の転送装置がGM装置の代わりに時刻源であるマスタ装置となる。
また、図8では、転送装置11a、11b、11c、11dの4台がライン状に接続されている。しかし、時刻同期システム70を構成する転送装置の台数に制約はなく、また、接続構成にも制約はない。接続構成は、ライン状に限らず、ラダー型、リング型、スター型、メッシュ型、あるいはこれらの2つあるいは3つ以上が混在した接続でもよい。また、図8では、GPSアンテナ21a、21bは、4基のGPS衛星の測位信号を受信している。測位信号を受信すするGPS衛星の台数に制約はない。また、図8では、GPSアンテナ21aを有するGM装置22aと、GPSアンテナ21bを有するGM装置22bとは、それぞれ最も離れた転送装置11c、11dとに接続している。しかし、GM装置22aとGM装置22bとは、回線を介して接続されている時刻同期システム70の、いずれかの転送装置に接続すればよい。
また、図8では、GM装置が2台ある。しかし、時刻同期システム70を構成するGMの台数に制約はない。また、GM装置のポート数にも制約はない。
また、図8では、転送装置は4つのポートで各隣接装置と接続されている。しかし、転送装置は、少なくとも2つ以上のポートを実装していればよく、接続ポート数に制約は無い。
また、図8では、時刻同期システム70は8台の端末装置を備える。しかし、端末装置の台数は限定しない。また、時刻同期の機能を持たない端末装置が接続されても良い。時刻同期の機能を持たない端末装置が繋がる転送装置のポートでは、時刻同期の機能を持たなくても良い。
次に基本的な時刻同期システム70の仕組みを説明する。以下の説明では、GM装置、転送装置、端末装置とも、時刻同期の機能を実装しているとする。
(各装置が時刻源を選択する手順)
まず、各装置が時刻源を選択する手順を説明する。各GM装置及び各転送装置は、Announceメッセージを周期的に隣接装置に送信する。Announceメッセージは、自身の装置で管理する時刻の信頼性(品質や時刻の精度)及び自身の装置を識別する時刻源情報などの時刻源の優先度情報を含む時刻源通知用のメッセージである。各GM装置及び各転送装置は、自身の装置よりも優先度情報の高い優先度を含むAnnounceメッセージを受信した場合、自身の装置のAnnounceメッセージの送信を停止する。そして、自身の転送装置のポートの中で、最も優先度の高いAnnounceメッセージを受信したポートをスレーブポートとして選択する。この転送装置は、選択したスレーブポートから受信したAnnounceメッセージを、スレーブポート以外のポートへ、自身の転送装置の各ポートに設定された周期で配信する。
上記により、ネットワークの中で最も優先度の高いAnnounceメッセージを送信した装置が、ネットワークの全装置の時刻源となるマスタ装置に選択される。優先度情報にはマスタ装置からスレーブ装置までの中継装置の経由段数及びAnnounceメッセージを受信した自装置のポート番号も含まれる。このため、ネットワーク構成に依らず、1台のマスタ装置を起点に時刻の配信経路となるクロックツリーが形成される。端末装置を含むマスタ装置以外の装置は、全てスレーブ装置となる。ここで各装置のAnnounceメッセージの送信周期は、ネットワークで統一しても良いし、装置やポート毎に個別に指定してもよい。また、Announceメッセージには送信間隔を示す情報が格納されている。隣接装置から受信したAnnounceメッセージの送信間隔の情報を、Announceメッセージを受信した装置が取得する。Announceメッセージを受信した装置は、Announceメッセージの受信タイミングから送信間隔のM倍(Mは任意の整数)以上の時間Announceメッセージを受信しない場合は、対象のポートでAnnounceメッセージの受信タイムアウトを検出する。Announceメッセージの受信タイムアウトが検出されたポートは、Announceが無効であるため、受信タイムアウトが検出されたポートは、スレーブポート(マスタ装置)に選択されない。また、GM装置及び転送装置は、新たに自身よりも高い優先度の優先度情報を持つAnnounceメッセージを受信するまでは、自身がマスタ装置として動作する。
(時刻を同期する手順)
次に、時刻を同期する手順を説明する。時刻を同期するための前提として、各スレーブ装置は、隣接する装置との間、あるいはマスタ装置と自身の装置間との間の遅延測定メッセージを送受信する。各スレーブ装置は、送受信した時刻を、遅延測定用メッセージに打刻し、または自身の装置で保持することで、伝搬遅延時間を測定可能とする。高精度な時刻同期を可能とする規格IEEE1588(PTP)、及びPTPから派生した時刻同期プロファイルが複数規格化されている。様々な時刻同期プロファイルでは、複数の伝搬遅延の測定方法が定義されている。本明細書では、伝搬遅延測定に関しての動作詳細は特筆する動作ではない。マスタ装置から自身の装置まで、または隣接装置から自身の装置までの伝搬遅延時間の測定方法は、特に限定しない。また、同期精度を高めるためには、各スレーブ装置は、伝搬遅延測定を複数回測定して得られた情報から、マスタ装置と自身の装置との間、または隣接装置と自身の装置との間の周波数偏差を測定する。周期偏差を測定することで、伝搬遅延時間の補正及びマスタ装置と自身の装置との周波数偏差分を、自身装置の時刻に補正することも可能である。伝搬遅延時間の補正及び周波数偏差による自身の装置の時刻の補正は、各装置の動作クロックに周波数偏差の小さい発振器を用いる、あるいはSync Eを適用するなどで代用し、補正を省略しても良い。なお、これらの伝搬遅延時間及び周波数偏差の測定は、遅延測定用メッセージに加えて、Syncメッセージ及びFollow_upメッセージを使用してもよい。
(スレーブ装置がマスタ装置の時刻に同期する手順)
各スレーブ装置が、マスタ装置の時刻に同期する手順を以下に示す。マスタ装置は、マスタ装置で管理する時刻を含む情報を格納した、Syncメッセージを周期的に配信する。時刻同期を行うメッセージは、Syncメッセージに限らない。例えば、gPTPでは、より厳密に周波数偏差を補正するために、かつ、高い精度で同期するために、SyncメッセージとFollow_upメッセージとをセットで配信する2ステップ方式を採用する。gPTPでは、Follow_upメッセージは、マスタ装置から前段装置までのクロック周波数偏差を意味する情報を格納しており、gPTPでは、上記で説明した時刻同期は2ステップ方式でもよい。
以降では、2ステップ方式を前提として説明する。しかし、時刻同期システム70は、2ステップ方式に限定されない。マスタ装置が配信するSync/Folllow_upメッセージをスレーブポートで受信したスレーブ装置は、以下の処理を行う。すなわち、スレーブ装置は、Sync/Folllow_upメッセージに含まれるマスタ装置のSync配信時刻を基に、マスタ装置から自身の装置までの遅延時間と、Syncメッセージを受信してから自身の装置内で時刻を同期するまでの処理時間とを加算し、自身の装置の時刻を、マスタ装置の時刻に同期させる。ここで、「マスタ装置から自身の装置までの遅延時間」は、経由した前段までの各転送装置における滞留時間と装置間の伝搬遅延の合計を含む。また、スレーブ装置である転送装置は、スレーブポートから受信したSync/Folllow_upメッセージを、スレーブポート以外のマスタポートに配信する。なお、配信するSync/Folllow_upメッセージには、マスタ装置の配信時刻と、マスタ装置から自身の装置の各ポートで配信するまでの転送遅延時間の情報を含む。ここで「マスタ装置から自身の装置の各ポートで配信するまでの転送遅延時間」は、自身の装置と経由した各転送装置とにおける滞留時間の合計を含む。各スレーブ装置がマスタ装置の時刻に同期する際には、以下の処理を行う。
各スレーブ装置は、マスタ装置から自身の装置までの伝搬遅延時間を、マスタ装置に対する各スレーブ装置の周波数偏差分の補正をした時間として、Sync/Follow_upメッセージに格納されるマスタ装置の配信時刻に加算し、自身の装置をマスタ時刻に同期させる。
また、マスタ装置の時刻に同期した時刻を自身の装置のクロックで管理する際にも、周波数偏差分を補正した時刻で管理する。また、Sync/Folllow_upメッセージには、送信間隔を示す情報が格納されている。スレーブ装置は、マスタ装置から配信されたSync/Folllow_upメッセージの送信間隔の情報を取得する。スレーブ装置は、Sync/Folllow_upメッセージの受信タイミングから、送信間隔のN倍(Nは任意の整数)以上の時間Sync/Folllow_upメッセージを受信しない場合は、対象のポートでSync/Folllow_upメッセージの受信タイムアウトを検出する。Sync/Folllow_upメッセージの受信タイムアウトを検出したポートは、上記で説明した時刻源の選択で、スレーブポート(マスタ装置)として選択されなくなる。
(マスタ装置が切り替わる場合の動作)
次に実施の形態2において、時刻同期システム70の装置の中で、マスタ装置が切り替わる場合の動作を説明する。例えば、GPSアンテナ21a、21b共にGPS衛星から時刻情報を高感度で取得できる状態であるとする。この場合に、優先度情報の最も高い装置をGM装置22a、2番目に優先度情報の高い装置をGM装置22bとする。予めGM装置22aがマスタ装置として選定されているとする。GPSアンテナ21aの受信状態の悪化、GPSアンテナ21aの故障、あるいはGPSアンテナ21aとGM装置22aとの間のケーブル障害のような事象が発生し得る。これらの事象が発生した場合、マスタ装置として選択されていたGM装置22aから配信するAnnounceメッセージの優先度情報は、システム内の優先度の最も高い状態から、GM装置22bよりも低い状態に劣化する。切替前のマスタ装置であるGM装置22aから優先度情報の劣化したAnnounceメッセージを受信した転送装置11aは、以前に受信した優先度の高いAnnnounceメッセージの情報を保持している。よって、図9に示すように、転送装置11aは、GM装置22aの時刻源の優先度情報が劣化したことを検知する。
転送装置11a、11b、11c、11dは、Announceメッセージを受信しなくなった場合、あるいは優先度情報の劣化を検知した場合でも、最後に受信した優先度の高いAnnounceメッセージの情報を、指定された一定時間保持する。この指定された一定時間は、Announceメッセージのタイムアウト時間までである。このため、転送装置11aでは、GM装置22aから最後に優先度の高いAnnounceメッセージを受信後、「一定時間」が経過するまでは、BMCAで選択される状態は変化しない。転送装置11aの保持した劣化前のAnnounceメッセージの優先度情報に基づいて、GM装置22aがマスタ装置のままとなる。転送装置11aでは、GM装置22aと接続するポートがスレーブポートのままとなる。
一方、スレーブポートからの時刻源GM装置22aが劣化したことを検出した転送装置11aは、以下の処理を行う。転送装置11aは、GM装置22aからのSync/Follow_upメッセージをスレーブポートで受信した場合、これらの受信をガードし(受信したと見なさいこととし)、自身の装置の時刻同期及びスレーブポート以外のポートへのSync/Follow_upメッセージの配信を停止する。また、転送装置11aは、一定時間経過(Announceがタイムアウト)するまでに、これまで保持していた優先度と同等またはそれ以上に優先度の高い優先度情報を受信しない場合には、これまで保持していた優先度の高いAnnounceメッセージの情報を無効化する。そして、転送装置11aは、新たに受信した、劣化した優先度情報を受け入れて(新規受信として)保持する。
後段のスレーブ装置である転送装置11b、11c、11d、端末装置31a、31b、31c、31d、31e、31f、31g、31h及びGM装置22bは、一定時間(Sync/Follow_upメッセージのタイムアウト時間まで)マスタ装置からのSync/Follow_upメッセージを受信しないため、Sync/Follow_upメッセージのタイムアウトを検出する。
また、図10に示すように、後段のスレーブ装置である転送装置11b、11c、11dは、Sync/Follow_upメッセージのタイムアウトを検出した(タイムアウト未検出⇒検出)タイミングで、保持していたAnnounceメッセージの情報を無効化する。一方、Sync/Follow_upメッセージのタイムアウトを検出した転送装置11a、11b、11c、11d及びGM装置22bは、自身の装置よりも優先度情報の高いGM装置22aからの時刻同期異常であると判断する。転送装置11a、11b、11c、11d及びGM装置22bは、自身の装置の優先度情報を格納したAnnounceメッセージと、Sync/Follow_upメッセージとを送信する。転送装置11dは、GM装置22bからのAnnounceフレームを受信すると、転送装置11dよりも優先度が高いと判断する。転送装置11dは、新たにGM装置22bが接続されるポートをスレーブポートに選択し、スレーブポート以外のポートへ、周期的にAnnounceメッセージを配信する。転送装置11c、転送装置11b及び転送装置11aも、転送装置11dと同様に、GM装置22bからのAnnounceフレームを受信すると、スレーブポートを、順にGM装置22b側に切り替える。
また、転送装置11dは、GM装置22bから周期的に受信するSync/Follow_upメッセージを、転送装置11c、端末装置31g、31hに配信する。
図11に示すように、転送装置11c、転送装置11b、転送装置11aも、転送装置11dと同様に、GM装置22bから周期的に受信するSync/Follow_upメッセージを、端末装置31f―31a、GM装置22aに配信し、切り替えが完了する。
***実施の形態2の効果の説明***
以上のように、GM装置22aから優先度情報の劣化したAnnounceメッセージを受信した場合、転送装置11aがSync/Follow_upメッセージを転送しない処理とする。この処理によって、転送装置11b、11c、11d、GM装置22b、端末装置31a-31hの全スレーブ装置で、Sync/Follow_upメッセージのタイムアウトが発生し、時刻同期に対応した全装置(システム全体)にGM装置22a側の時刻源で何らかの障害が発生したことを即座に通知できる。また、後段のスレーブ装置である転送装置11b、11c、11dが、Sync/Follow_upメッセージのタイムアウトを検出すると同時に、保持していたAnnounceメッセージの情報を無効化する。これにより、新たに優先度が最も高くなったGM装置22bのAnnounceメッセージを即時に受け付けられる状態となり、GM装置22bを新たなマスタ装置として即時に選択し、切り替えることができる。マスタ装置の切り替え時間は、システム全体の同期精度にも関わるため、マスタ装置の切替時間が短いと、システム全体の同期精度も高くなり、システムが不安定な状態も短縮できる。よって、高信頼な時刻同期システムを実現することができる。
以上の効果は、冗長化されたGM装置22aとGM装置22bとの配置が遠い(経由段数が多い)場合、あるいはGM装置及び転送装置のAnnounceメッセージの送信間隔がGM装置のSync/Follow_up送信間隔と比べて長い場合に、Sync/Follow_upタイムアウト時間がGM装置間でAnnounceメッセージを伝達する時間より短くなり、より顕著になる。
また、Announceメッセージの転送は各装置でポート毎に送信周期を管理している。このため、転送装置の滞留時間は、1台経由する度に最大でAnnounce送信間隔である。Sync/Follow_upメッセージは各装置でSync/Follow_upメッセージの受信後、すぐに時刻同期処理と並行して転送される。このため、一般的に両メッセージの送信周期が同じ、あるいはAnnounceメッセージの周期が遅い場合は、図12に示すように、何らかの障害等が原因でクロックツリーが再構成されるような過渡期に、マスタ装置から遠くなるほど実際の時刻源の状態と同期する時刻の信頼性にずれが発生することになる。実施の形態2の時刻同期システム70では、Announceメッセージの劣化、あるいはタイムアウトで状態が変化した場合に、対象となるAnnounceメッセージを送信するまで後段へのSync/Follow_upメッセージの受信及び配信をガードする。このガードによって、Announceの状態とSync/Follow_upメッセージの信頼性とで、極力差異の無い時刻同期を実現することが可能である。
更に、実施の形態2の時刻同期システム70は、相互接続性のない特許文献1とは異なり、PTPあるいはgPTPで定義されるAnnounceメッセージ、あるいはSync/Folllow_upメッセージを使用する。このため、実施の形態2の転送装置と同じ規格(時刻同期プロファイル)に準拠している転送装置を同じ時刻同期システムへ適用(ネットワークに混在して収容)した場合でも、時刻選択配信及び時刻同期が可能である。
実施の形態3.
再び図8を参照して、実施の形態3の時刻同期システム70を説明する。実施の形態3の時刻同期システム70のシステム構成は図8であり、実施の形態2と同じである。
基本的な時刻選択配信システム及び時刻同期システムの仕組みについても実施の形態2と同じである。ただし、実施の形態3の時刻同期システム70では、(式1)に示すように、「転送装置が配信するAnnounceメッセージの配信間隔」を、「GM装置が配信するSync/Follow_upメッセージの配信間隔を、冗長化されたGM装置間の転送装置の経由段数で除算した時間以下」に設定する。
図13は、この内容を示している。
Announceの配信間隔≦Syncの配信間隔/GM装置間の経由段数 (式1)
(マスタ装置が切り替わる動作)
次に実施の形態3において、時刻同期システム70の装置の中で、マスタ装置が切り替わる場合の動作を説明する。例えば、GPSアンテナ21a、21b共にGPS衛星からの時刻情報を高感度で取得できる状態であるとする。この場合に、優先度情報の最も高い装置をGM装置22a、2番目に優先度の高い装置をGM装置22bとする。予めGM装置22aがマスタ装置として選定されているとする。GPSアンテナ21aの受信状態の悪化、GPSアンテナ21aの故障、あるいはGPSアンテナ21aとGM装置22aとの間のケーブル障害などが発生し得る。これらの事象が発生した場合、マスタ装置として選択されていたGM装置22aから配信するAnnounceメッセージの優先度情報は、システム内の優先度の最も高い状態からGM装置22bよりも低い状態に劣化する。切替前のマスタ装置であるGM装置22aから優先度情報の劣化したAnnounceメッセージを受信した転送装置11aは、以前に受信した優先度の高いAnnnounceメッセージの情報を保持している。転送装置11aは、GM装置22aの時刻源の優先度情報が劣化したことを検知する。転送装置11a、11b、11c、11dは、Announceメッセージを受信しなくなった場合、あるいは優先度情報の劣化を検知した場合でも、最後に受信した優先度の高いAnnounceメッセージの情報を、指定された一定時間(Announceメッセージのタイムアウト時間まで)保持する。このため、転送装置11aでは、GM装置22aから最後に優先度の高いAnnounceメッセージを受信後、「一定時間」が経過する(Announceタイムアウト時間)までは、BMCAで選択される状態は変化しない。転送装置11aの保持した劣化前のAnnounceメッセージの優先度情報に基づいて、GM装置22aがマスタ装置のままとなる。転送装置11aではGM装置22aと接続するポートがスレーブポートのままとなる。
一方、スレーブポートからの時刻源GM装置22aが劣化したことを検出した転送装置11aは、以下の処理を行う。転送装置11aは、GM装置22aからのSync/Follow_upメッセージをスレーブポートで受信した場合、これらの受信をガードし(受信したと見なさいこととし)、自身の装置の時刻同期及びスレーブポート以外のポートへのSync/Follow_upメッセージの配信を停止する。
また、転送装置11aは、一定時間経過(Announceがタイムアウト)するまでに、これまで保持していた優先度と同等またはそれ以上に優先度の高い優先度情報を受信しない場合には、これまで保持していた優先度の高いAnnounceメッセージの情報を無効化する。そして、転送装置11aは、新たに受信した、劣化した優先度情報を受け入れ(新規受信として)保持する。
転送装置11a、11b、11c、11dから配信されるAnnounceのタイムアウト時間が短い。このため、後段のスレーブ装置である転送装置11b、11c、11d、端末装置31a、31b、31c、31d、31e、31f、31g、31h及びGM装置22bでは、Sync/Follow_upメッセージのタイムアウト時間より前に、劣化したAnnounceメッセージが、GM装置22aから転送装置11a-11dを経由して、GM装置22bへ配信される。
一方、劣化したAnnounceメッセージを受信したGM装置22bは、GM装置22bよりも優先度情報の高いGM装置22aからの時刻同期異常であると判断する。GM装置22bは、GM装置22bの優先度情報を格納したAnnounceメッセージとSync/Follow_upメッセージとを送信する。転送装置11dは、GM装置22bからのAnnounceメッセージを受信すると転送装置11cから受信するAnnounceメッセージよりも優先度が高いと判断し、新たにGM装置22bが接続されるポートをスレーブポートに選択し、スレーブポート以外のポートへ周期的にAnnounceメッセージを配信する。
転送装置11c、転送装置11b、転送装置11aも、転送装置11dと同様に、GM装置22bからのAnnounceフレームを受信するとスレーブポートを順にGM装置22b側に切り替える。また、転送装置11dは、GM装置22bから周期的に受信するSync/Follow_upメッセージを、転送装置11c、端末装置31g、31hに配信する。転送装置11c、転送装置11b、転送装置11aも、転送装置11dと同様に、GM装置22bから周期的に受信するSync/Follow_upメッセージを、端末装置31f―31a、GM装置22aに配信し、切り替えが完了する。
***実施の形態3の効果の説明***
以上のように、GM装置22aから優先度情報の劣化したAnnounceメッセージを受信した場合、実施の形態3の時刻同期システム70では、「転送装置が配信するAnnounceメッセージの配信間隔」を、「GM装置が配信するSync/Follow_upメッセージの配信間隔を、冗長化されたGM装置間の転送装置の経由段数で除算した時間以下」と設定している。よって、転送装置11b-11d、GM装置22b、端末装置31a-31hの全スレーブ装置でAnnounceメッセージ劣化によるAnnounceのタイムアウト及び劣化したAnnounceを新たに受け入れることとなる。このため、時刻同期に対応した全装置(システム全体)に、GM装置22a側の時刻源でAnnounceが劣化するような障害が発生したことを即座に通知できる。また、転送装置11a-11dが、劣化したAnnounceメッセージの情報を受け入れることで、新たに優先度が最も高くなったGM装置22bのAnnounceメッセージを即時に受け付けられる状態となる。このため、GM装置22bを新たなマスタ装置として即時に選択し、切り替えることができる。マスタ装置の切り替え時間は、システム全体の同期精度にも関わるため、マスタ装置の切替時間が短いと、システム全体の同期精度も高くなり、システムが不安定な状態も短くなるため、高信頼な時刻同期システムを実現できる。
以上の効果は、GM装置22aとGM装置22bとの配置が遠い(経由段数が多い)場合、あるいはGM装置22bから最も遠い端末装置までの経由段数が多い場合に、より顕著になる。
更には、GM装置22a,22bのAnnounce配信間隔が長い場合でも、転送装置11a-11dのAnnounce配信間隔を短くすることで、上記効果を得ることができる。
また、相互接続性のない特許文献1とは異なり、実施の形態3の時刻同期システム70は、PTP、gPTPで定義されるAnnounceメッセージ、及びSync/Folllow_upメッセージを使用する。このため、実施の形態3の転送装置と同じ規格(時刻同期プロファイル)に準拠している転送装置を同じ時刻同期システムへ適用(ネットワークに混在して収容)した場合でも、時刻選択配信及び時刻同期が可能である。
実施の形態4.
実施の形態4によって、実施の形態1から実施の形態3で述べた転送装置10のハードウェア構成を補足する。実施の形態1から実施の形態3で述べた転送装置10の機能はプログラムで実現されても良い。つまり、図1に示す演算部3はプロセッサであり、時刻同期用演算回路4、レイヤ2転送・中継用演算回路5、フレーム受信処理演算回路6及びフレーム送信処理演算回路7のそれぞれの機能は、プログラムで実現されてもよい。より具体的には、図2に示す、Pdelayメッセージ受信処理101、Sync/Follow upメッセージ受信処理102、Announceメッセージ受信処理103、Sync受信/送信ガード管理処理104、遅延測定演算処理105、時刻同期演算処理106、時刻選択演算処理107及びフレーム送信処理108は、プログラムで実現される。
Pdelayメッセージ受信処理101からフレーム送信処理108の各処理は、処理部ととらえることができる。Pdelayメッセージ受信処理101からフレーム送信処理108の各処理部の機能を実現するプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されて提供されてもよいし、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。あるいは、転送装置10の機能は、ハードウェアで実現されてもよい。この場合は、図1の演算部3のハードウェアである4つの回路が、図2のPdelayメッセージ受信処理101からフレーム送信処理108の各処理部の機能を実現する。転送装置10の各処理部の機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。また、転送装置10の機能の構成要素の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。
プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリあるいはサーキットリとも呼ばれる。転送装置10のPdelayメッセージ受信処理101からフレーム送信処理108の機能がサーキットリにより実現されてもよい。
以上、転送装置10及び時刻同期システム70について、実施の形態1から実施の形態について説明した。これらの実施の形態のうち、2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、一つの実施の形態に含まれる複数の技術事項のうち、1つの技術事項を部分的に実施しても構わない。あるいは、各実施の形態に含まれる技術事項どうしを、部分的に組み合わせて実施しても構わない。
1A,2A,2B,3A,3B,4A,4B,5A,5B,5C,6A,7A,7B,8A,8B,8C 出力情報、1 プロセッサ、2 メモリ、3 演算部、4 時刻同期用演算回路、5 レイヤ2転送・中継用演算回路、6 フレーム受信処理演算回路、7 フレーム送信処理演算回路、8 フレーム入出力インタフェース、10 転送装置、20a,20b,20c,20d GPS衛星、21a,21b GPSアンテナ、22a,22b GM装置、11a,11b,11c,11d 転送装置、31a,31b,31c,31d,31e,31f,31g,31h 端末装置、41 Pdelay_Respメッセージ、42 Pdelay_Resp_Follow_upメッセージ、43 Pdelay_Reqメッセージ、51 Sync/Follow_upメッセージ、61 Announceメッセージ、70 時刻同期システム、101 Pdelayメッセージ受信処理、102 Sync/Follow upメッセージ受信処理、103 Announceメッセージ受信処理、104 Sync受信/送信ガード管理処理、105 遅延測定演算処理、106 時刻同期演算処理、107 時刻選択演算処理、108 フレーム送信処理。

Claims (14)

  1. 2つ以上の通信ポートを備え、ネットワークを介して時刻同期を行う転送装置において、
    各通信ポートから受信したデータの中から、遅延測定用のメッセージと時刻源通知メッセージと時刻通知メッセージとを識別する第1の手段と、
    通信ポート毎に受信した前記時刻源通知メッセージに格納される時刻源から時刻通知メッセージする時刻の信頼度と、前記時刻源の装置を特定する情報とを含む前記時刻源の優先度情報を通信ポート毎に保持し、前記時刻源通知メッセージの受信有無と優先度情報の変化とを、通信ポート毎に管理する第2の手段と、
    通信ポート毎に管理する時刻源の優先度情報と、自身である前記転送装置を特定する情報を含む前記転送装置の優先度情報の中で、最も高い優先度情報を持つ通信ポートをスレーブポートとして選択し、選択された前記スレーブポートに前記優先度情報を介して対応付いている前記時刻源である装置を、マスタ装置と認識する第3の手段と、
    前記スレーブポートで受信した、前記マスタ装置を時刻源とする時刻源情報を格納する時刻源通知メッセージを、前記スレーブポート以外の通信ポートに、周期的に配信する第4の手段と、
    時刻情報を格納する時刻通知メッセージの受信有無を通信ポート毎に管理する第5の手段と、
    通信ポート毎に受信した時刻源通知メッセージの受信状態と、時刻通知メッセージの受信状態とのどちらかが変化した場合に、前記受信状態が変化した通信ポートである対象の通信ポートからの時刻通知メッセージの受信の一定期間のガードと、前記対象の通信ポートからの時刻通知メッセージの受信のガード解除との、どちらかを実行する第6の手段と、
    前記スレーブポートから受信した時刻源通知メッセージの受信状態と、時刻通知メッセージの受信状態のどちらかが変化した場合に、前記スレーブポート以外の通信ポートへの時刻通知メッセージの配信の一定期間のガードと、前記スレーブポート以外の通信ポートへの時刻通知メッセージの配信の一定期間のガードの解除との、どちらかを実行する第7の手段と、
    前記マスタ装置と前記転送装置との間と、隣接装置と前記転送装置との間とのどちらかでメッセージを送受し、伝搬遅延を測定する第8の手段と、
    前記転送装置で時刻を管理する際に、前記スレーブポートの時刻通知メッセージの受信ガードが無い場合に、前記スレーブポートで周期的に受信する前記マスタ装置から配信された時刻通知メッセージと遅延時間を含む情報とを基に、前記マスタ装置の時刻に前記転送装置の時刻を同期する第9の手段と、
    前記スレーブポートの時刻通知メッセージの配信ガードが無い場合に、前記スレーブポートから受信した時刻通知メッセージに、前記転送装置を経由することで時間的に影響を及ぼすパラメータの情報を追加し、前記情報が追加された時刻通知メッセージを、前記スレーブポート以外の通信ポートに配信する第10の手段と、
    を備えた転送装置。
  2. 請求項1に記載の転送装置において、
    前記第6の手段は、
    各通信ポートの前記時刻源の前記優先度情報が有効でかつ優先度の高い状態から低い状態への変化のある場合に、前記変化のある通信ポートである対象ポートからの時刻通知メッセージの受信をガードし、
    前記転送装置は、
    各通信ポートから時刻通知メッセージの受信をガード中では、前記対象ポートから時刻通知メッセージを受信しても受信していないことと見なし、前記対象ポートの時刻通知メッセージを一定時間受信していない場合に、前記対象ポートの時刻通知メッセージのタイムアウトを発生させる第11の手段と、
    前記対象ポートが時刻通知メッセージのタイムアウトが発生していない状態から時刻通知メッセージのタイムアウトの発生した状態に変化した場合に、前記対象ポートで管理する前記時刻源の優先度情報を無効化する第12の手段と、
    を有し、
    前記第6の手段は、
    前記優先度情報の無効化後に新たに前記対象ポートで時刻源通知メッセージを受信した場合に、時刻通知メッセージのガードを解除する転送装置。
  3. 請求項1または2に記載の転送装置において、
    前記第7の手段は、
    前記スレーブポート以外の通信ポートから時刻源通知メッセージを配信後に、前記スレーブポートで前記時刻源の前記優先度情報が無効になった場合、または前記スレーブポートが別の通信ポートに変化した場合に、新たなスレーブポート以外の通信ポートから最新の時刻源通知メッセージを配信するまで、新たなスレーブポートから受信した時刻通知メッセージの配信を通信ポート毎にガードする転送装置。
  4. 請求項2または3に記載の転送装置において、
    前記2以上の通信ポートのうち、gPTPのBMCAで決定したパッシブポートには、時刻源通知メッセージと時刻通知メッセージとを配信しない第13の手段を備えた転送装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の転送装置において、
    前記スレーブポート以外から配信する時刻源通知メッセージの配信間隔を、前記マスタ装置が時刻通知メッセージを配信する間隔よりも短くする第14の手段を備えた転送装置。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の転送装置において、
    マスタポートから配信する時刻源通知メッセージの配信間隔を、前記マスタ装置が時刻通知メッセージを配信する間隔をシステム内で時刻情報を配信する最大経由段数で割った時間以下とする第15の手段を備えた転送装置。
  7. 1つ以上の転送装置を介して複数の装置が時刻同期するシステムであって、
    前記転送装置を含む時刻源となる装置は、
    前記時刻源から配信する時刻の信頼度と前記時刻源の装置を特定する情報とを含む前記時刻源の優先度情報を格納した時刻源通知メッセージを周期的に送受し、
    各装置は、
    最も優先度の高い優先度情報を配信する前記時刻源をマスタ装置として選定し、
    前記マスタ装置以外の各スレーブ装置は、
    前記マスタ装置からの時刻源通知メッセージを受信した通信ポートから前記マスタ装置が周期的に送信する時刻情報を含む時刻通知メッセージを受信した場合に、前記マスタ装置の時刻情報を基に自身の装置の時刻を同期させ、
    スレーブの前記転送装置は、
    前記時刻通知メッセージを受信した前記通信ポート以外の通信ポートへ、時刻通知メッセージを配信し、
    各スレーブ装置は、
    前記マスタ装置を時刻源とする周期的に受信する時刻源通知メッセージの受信の有無と、優先度情報の変化とを通信ポート毎に管理し、時刻源通知メッセージの受信状態と優先度情報とのどちらかが変化した場合に、時刻通知メッセージの受信と、時刻通知メッセージの配信とのどちらかを制御し、
    各装置は、
    新たに最も優先度情報の高い時刻源を選択して時刻源を切り替える時刻同期システム。
  8. 請求項7に記載の時刻同期システムであって、
    各装置は
    通信ポート毎に周期的に受信する予定の時刻通知メッセージを一定期間受信しない場合に、時刻通知メッセージのタイムアウトを検出するタイムアウト検出手段を有し、
    各転送装置は、
    時刻通知メッセージのタイムアウトの発生していない状態から、時刻通知メッセージのタイムアウトが発生した状態に変化した場合に、通信ポートで保持していた時刻源の優先度情報を無効化する無効化手段と、
    を有し、
    スレーブの転送装置は、
    前記マスタ装置の優先度情報が優先度の高い状態から低い状態へ変化した場合に、前記マスタ装置から受信する時刻通知メッセージの受信及び受信した時刻通知メッセージの配信を一定期間停止し、
    スレーブ装置は、
    時刻通知メッセージのタイムアウトが発生していない状態から発生した状態に変化した場合に、前記マスタ装置からの受信及び優先度情報を無効化し、
    各装置は、
    新たに最も優先度情報の高い時刻源を選択して時刻源を切り替える時刻同期システム。
  9. 請求項7または8に記載の時刻同期システムであって、
    前記転送装置は、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の転送装置である時刻同期システム。
  10. 請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の時刻同期システムであって、
    各転送装置で送信する時刻源通知メッセージの送信間隔は、
    前記マスタ装置が時刻通知メッセージを配信する間隔よりも短い時刻同期システム。
  11. 請求項10に記載の時刻同期システムであって、
    各転送装置で送信する時刻源通知メッセージの送信間隔は、
    前記マスタ装置が時刻通知メッセージを配信する間隔を、前記時刻同期システムにおける情報配信する際の最大経由段数で割った時間以下である時刻同期システム。
  12. 2つ以上の通信ポートを備え、ネットワークを介して時刻同期を行う転送装置において、
    各通信ポートから受信したデータの中から、遅延測定用のメッセージと時刻源通知メッセージと時刻通知メッセージとを識別する第1の手段と、
    通信ポート毎に受信した前記時刻源通知メッセージに格納される情報であり、時刻源の装置を特定する情報を含むとともに前記時刻源の優先度を示す情報である優先度情報を通信ポート毎に保持し、前記時刻源通知メッセージの受信有無と優先度情報の変化とを、通信ポート毎に管理する第2の手段と、
    通信ポート毎に管理する時刻源の優先度情報の中で、最も優先度の高い優先度情報を持つ通信ポートをスレーブポートとして選択し、選択された前記スレーブポートに前記優先度情報を介して対応付いている前記時刻源である装置を、マスタ装置と認識する第3の手段と、
    前記スレーブポートで受信した時刻源通知メッセージを、前記スレーブポート以外の通信ポートに、周期的に配信する第4の手段と、
    時刻情報を格納する時刻通知メッセージの受信有無を通信ポート毎に管理する第5の手段と、
    通信ポート毎に受信した時刻源通知メッセージの受信状態と、時刻通知メッセージの受信状態とのどちらかが変化した場合に、前記受信状態が変化した通信ポートである対象の通信ポートからの時刻通知メッセージの受信の一定期間のガードと、前記対象の通信ポートからの時刻通知メッセージの受信のガード解除との、どちらかを実行する第6の手段と
    備えた転送装置。
  13. 請求項12に記載の転送装置において、
    前記スレーブポートから受信した時刻源通知メッセージの受信状態と、時刻通知メッセージの受信状態のどちらかが変化した場合に、前記スレーブポート以外の通信ポートへの時刻通知メッセージの配信の一定期間のガードと、前記スレーブポート以外の通信ポートへの時刻通知メッセージの配信の一定期間のガードの解除との、どちらかを実行する第7の手段を備えた転送装置。
  14. 2つ以上の通信ポートを備える 1つ以上の転送装置を介して、複数の装置が時刻同期するシステムであって、
    前記転送装置を含む時刻源となる装置は
    記時刻源の装置を特定する情報を含むとともに前記時刻源の優先度を示す優先度情報を格納した時刻源通知メッセージを周期的に送受し、
    各装置は、
    最も優先度の高い優先度情報を配信する前記時刻源をマスタ装置として選定し
    前記マスタ装置以外の スレーブである前記転送装置は、
    前記マスタ装置の送信したメッセージであり時刻情報を含むメッセージである時刻通知メッセージを受信した通信ポート以外の通信ポートへ、前記時刻通知メッセージを配信するとともに、前記マスタ装置を時刻源とする周期的に受信する時刻源通知メッセージの受信の有無と、優先度情報の変化とを通信ポート毎に管理し、時刻源通知メッセージの受信状態と優先度情報とのどちらかが変化した場合に、時刻通知メッセージの受信と、時刻通知メッセージの配信とのどちらかを制御する時刻同期システム。
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