JP7118220B1 - 溶接システム及びケーブル取付け方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、その際、溶接ロボットの備える溶接トーチに接続された溶接ケーブルを支持アームによって支持し、前記支持アームをシリンダによって回転させ、溶接トーチに追従させる構造が開示されている(例えば、特許文献2)。
また、特許文献2に示す構造は上述の課題を解決すべく、溶接ケーブルに張力を負荷することなく溶接ロボットに追従させる構造であるが、装置が大型となることから建設現場での運用が現実的でないとの課題があった。
本発明に係る溶接システムは、鋼管に沿って配置されたガイドレールと、前記鋼管の長手方向と直交する方向に沿って前記ガイドレールの上を移動しつつ、前記鋼管を溶接する溶接ロボットと、前記溶接ロボットの溶接トーチに一端が接続され、且つ、前記溶接ロボットとは異なる装置に他端が接続される溶接ケーブルと、前記溶接ケーブルの前記一端と前記溶接ケーブルの前記他端との間の一部分である固定部分を、前記溶接ロボットの本体部に固定する固定部材と、前記鋼管の長手方向に沿って配置され、前記溶接ケーブルの前記固定部分と前記溶接ケーブルの前記他端との間の一部分が配置されるケーブル支持部材と、を備えることを特徴とする。
これに対し、溶接システムは、溶接ケーブルの固定部分と溶接ケーブルの他端との間の部分が掛けられるケーブル支持部材を備える。これにより、溶接ロボットが移動したとき、溶接ケーブルに無理な力が負荷されることを防ぐことができる。このため、溶接ケーブルの曲率が大きくなることを防ぐことができる。よって、溶接ワイヤの反りが大きくなることで、溶接作業における狙い位置がずれることを防ぐことができる。
これに対し、ケーブル支持部材の反対側から溶接作業を開始することで、鋼管を一周する際に必要とされる溶接ケーブルの長さを、鋼管におけるケーブル支持部材の側からケーブル支持部材の反対側までの長さとすることができる。
このため、溶接作業に要する溶接ケーブルの長さを必要最小限とすることができる。更に、溶接ケーブル自体の重さを必要最小限とすることができることから、溶接ケーブルが自重によって変形し、内部を移動する溶接ワイヤが変形するといったことを防ぐことができる。また、溶接ケーブルが大きく弛むことを防ぐことで、溶接ケーブルが絡まったり、周囲の機材や作業者等に干渉及び接触したりすることを防ぐことができる。
図1に示す溶接システム100は、溶接システム100は、溶接ロボット10と、移動部20と、建方治具30と、ケーブル支持部材40と、弾性部材50と、を備える。
溶接システム100は、例えば、建設現場において柱として用いられる鋼管200の軸方向の端部同士を溶接する際に用いられる。すなわち、図1に示すように、鋼管200の軸方向の端部同士が接した部位に位置する開先210(後述する)に溶接ロボット10の溶接トーチ14(後述)の先端を当て、鋼管200の周りに沿って移動することで鋼管200を溶接する。
制御部12は、ロボット制御盤12s(後述する)の指令に従い、溶接ロボット10の動作を制御する部位である。制御部12には不図示の制御装置が内蔵されている。制御部12には制御ケーブル12cが接続されている。
なお、本体部11及び制御部12を合わせて溶接ロボット本体部と称することもある。
制御ケーブル12cは、制御部12と、ロボット制御盤12sとを接続する。制御ケーブル12cには、公知のケーブルが好適に用いられる。
溶接ロボット10を設置する際は、溶接トーチ14の先端を溶接される鋼管200の開先210に合わせるようにして設置する。
図3及び図4に示すように、溶接ケーブル14cの一方の端は溶接トーチ14に接続されている。また、他方の端はワイヤ送給機14sに接続されている。
溶接ケーブル14cの他方の端において、供給線はワイヤ送給機14sのワイヤ供給装置に、電線は溶接電源に接続されている。なお、本実施形態において、ワイヤ送給機14sは、公知のものが好適に用いられる。
固定部材15によって固定部分を把持することで、例えば、溶接ロボット10がガイドレール21を移動することに伴って溶接ケーブル14cにおける固定部分よりも他端側が引っ張られても、溶接ケーブル14cの一端から固定部分との間における溶接ケーブル14cは、本体部11に対して相対移動しなくなる。
このように、固定部材15は、溶接ケーブル14cの一端に接続された溶接トーチ14が、溶接ケーブル14cに引っ張られて位置がずれるといったことを防ぐ役割を有する。
なお、図5に示すように、固定部材15による溶接ケーブル14cの固定は、公知のクランプによる固定が好適に用いられる。これにより、溶接ケーブル14cの着脱及び固定部分の位置調整を容易とする。
ガイドレール21は、溶接ロボット10のスライド部13と接触する部位である。溶接ロボット10のスライド部13がガイドレール21の上を摺動することで、溶接ロボット10はガイドレール21の上を移動する。ガイドレール21は鋼管200の周方向に沿って配置される。つまり、本実施形態において、ガイドレール21は、鋼管200の周方向に環状に設けられている。また、ガイドレール21は、取付部22によって鋼管200に取付けられる。
建方治具30は、溶接前の鋼管200の端部同士を位置合わせした状態で仮保持する部材である。つまり、建方治具30は、鋼管200の溶接が完了した後は取り外される。建方治具30と鋼管200との固定には、例えば、ボルト締結が好適に用いられる。
回転軸42は、外筒42oと、中心軸42cと、を備えている。図7に示すように、外筒42oは、鋼管200に固定されている。中心軸42cは、外筒42oの内部に対して周方向に摺動可能に挿入されている。中心軸42cの上端は、ケーブルハンガー41の前記一辺の下端に接続される。
このような動きにより、回転軸42は、ケーブルハンガー41に配置された溶接ケーブル14c及び制御ケーブル12cを溶接ロボット10に対して追従可能とする。
なお、弾性部材50は、金属製のスプリングであってもよいし、ゴムバンドであってもよい。
温度計測用延伸部材60は、鋼管200又はガイドレール21に固定される延伸部材であって、鋼管200の温度を計測するために用いられる。また、温度計測ケーブル60cは、温度計測用延伸部材60に接続される。また、温度計測ケーブル60cの開先210に近い側の端部には、温度センサ60sが配置され、温度計測用延伸部材60の一方の端部によって鋼管200に接触されていることが好ましい。
これに対し、ケーブル支持部材40の反対側から溶接作業を開始することで、鋼管200を一周する際に必要とされる溶接ケーブル14cの長さを、鋼管200におけるケーブル支持部材40の側からケーブル支持部材40の反対側までの長さとすることが好ましい。
上述の溶接システム100が備えるケーブルの1つについて、溶接ケーブル14c又は温度計測ケーブル60cあるいは制御ケーブル12cのいずれであるのかを判別する工程である。上述の判別は、作業員による目視により行ってもよい。又は、外観による判別が難しい場合はケーブルの外表面にバーコード等を付与し、前記バーコード等を読み取ることによって行ってもよい。
この工程において、判別工程で溶接ケーブル14c又は制御ケーブル12cであると判別されたケーブルを、ケーブル支持部材40のケーブルハンガー41に配置する。また、判別工程で温度計測ケーブル60cであると判別されたケーブルを、ガイドレール21及びケーブル支持部材40の、特にケーブルハンガー41の上端に沿って配置する。
これに対し、溶接システム100は、溶接ケーブル14cの固定部分と溶接ケーブル14cの他端との間の部分が掛けられるケーブル支持部材40を備える。これにより、溶接ロボット10が移動したとき、溶接ケーブル14cに無理な力が負荷されることを防ぐことができる。このため、溶接ケーブル14cの曲率が大きくなることを防ぐことができる。よって、溶接ワイヤの反りが大きくなることで、溶接作業における狙い位置がずれることを防ぐことができる。
これに対し、ケーブル支持部材40の反対側から溶接作業を開始することで、鋼管200を一周する際に必要とされる溶接ケーブル14cの長さを、鋼管200におけるケーブル支持部材40の側からケーブル支持部材40の反対側までの長さとすることができる。
このため、溶接作業に要する溶接ケーブル14cの長さを必要最小限とすることができる。更に、溶接ケーブル自体の重さを必要最小限とすることができることから、溶接ケーブル14cが自重によって変形し、内部を移動する溶接ワイヤが変形するといったことを防ぐことができる。また、溶接ケーブル14cが大きく弛むことを防ぐことで、溶接ケーブル14cが絡まったり、周囲の機材や作業者等に干渉及び接触したりすることを防ぐことができる。
例えば、回転軸42によるケーブルハンガー41の回転はサーボモータ等によって制御されてもよい。
また、ケーブル支持部材40は、ケーブルハンガー41を可動式とすることができれば、上述の構成としなくてもよい。例えば、上述のガイドレール21に相当する構造を備える部材を鋼管200に取付け、前記部材に溶接ケーブル14c及び制御ケーブル12cの取付け点を、間隔をあけて複数設けてもよい。
11 本体部
14 溶接トーチ
14c 溶接ケーブル
15 固定部材
21 ガイドレール
40 ケーブル支持部材
50 弾性部材
60 温度計測用延伸部材
60c 温度計測ケーブル
100 溶接システム
200 鋼管
Claims (4)
- 鋼管に沿って配置されたガイドレールと、
前記鋼管の長手方向と直交する方向に沿って前記ガイドレールの上を移動しつつ、前記鋼管を溶接する溶接ロボットと、
前記溶接ロボットの溶接トーチに一端が接続され、且つ、前記溶接ロボットとは異なる装置に他端が接続される溶接ケーブルと、
前記溶接ケーブルの前記一端と前記溶接ケーブルの前記他端との間の一部分である固定部分を、前記溶接ロボットの本体部に固定する固定部材と、
前記鋼管の長手方向に沿って配置され、前記溶接ケーブルの前記固定部分と前記溶接ケーブルの前記他端との間の一部分が配置されるケーブル支持部材と、
前記ケーブル支持部材に一端が接続され、他端が前記溶接ロボットに接続される弾性部材と、
を備え、
前記ケーブル支持部材は、前記鋼管の前記長手方向を軸として回転可能である、
ことを特徴とする溶接システム。 - 鋼管に沿って配置されたガイドレールと、
前記鋼管の長手方向と直交する方向に沿って前記ガイドレールの上を移動しつつ、前記鋼管を溶接する溶接ロボットと、
前記溶接ロボットの溶接トーチに一端が接続され、且つ、前記溶接ロボットとは異なる装置に他端が接続される溶接ケーブルと、
前記溶接ケーブルの前記一端と前記溶接ケーブルの前記他端との間の一部分である固定部分を、前記溶接ロボットの本体部に固定する固定部材と、
前記鋼管の長手方向に沿って配置され、前記溶接ケーブルの前記固定部分と前記溶接ケーブルの前記他端との間の一部分が配置されるケーブル支持部材と、
前記鋼管又は前記ガイドレールに固定される延伸部材であって、前記鋼管の温度を計測するための延伸部材である温度計測用延伸部材と、
前記温度計測用延伸部材に接続される温度計測ケーブルと、
を備え、
前記温度計測ケーブルは、前記ガイドレール及び前記ケーブル支持部材の上端に沿って取付けられる、
ことを特徴とする溶接システム。 - 前記溶接ロボットによる溶接作業は、前記鋼管を挟んで前記ケーブル支持部材の反対側から開始される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接システム。 - 請求項2に記載の溶接システムのケーブル取付け方法であって、
前記溶接システムが備えるケーブルの1つについて、前記溶接ケーブル又は前記温度計測ケーブルのいずれであるのかを判別する判別工程と、
前記判別工程で前記溶接ケーブルであると判別された前記ケーブルは、前記ケーブル支持部材に配置し、前記判別工程で前記温度計測ケーブルであると判別された前記ケーブルは、前記ガイドレール及び前記ケーブル支持部材の上端に沿って配置する取付け工程と、
を備える、
ことを特徴とするケーブル取付け方法。
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