JP7114996B2 - 化粧シートおよび化粧部材 - Google Patents

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Description

本発明は、住宅などの建築材に用いられる化粧シートおよびその化粧シートを使用した化粧部材に関する。
化粧シートの最表面には、耐候性、耐傷性、耐汚染性および表面の艶の調整、などのため表面保護層が形成されている。
近年、住宅の長期保証が求められてきており、化粧シートの耐候性向上は大きな課題となっている。化粧シートの表面保護層としてはアクリル系樹脂を用いる事が多く、その耐候性を更に上げるため、紫外線吸収剤やラジカル捕捉剤などの耐候剤が添加されるのが一般的である(例えば、特許文献1~4)。
しかしながら、耐候剤の添加量を増加させることで耐候性を向上させることができるが、耐候剤は高価であるため、コストアップする問題がある。また添加量の増加によりブリードアウトの虞もあるため、添加量を増やすことには限界があった。また、それらの問題を回避できたとしても、耐候剤の劣化を避けることは困難である。また、折り曲げなどの後加工があると、その部分にクラックが発生し、そのクラックから劣化が進む虞があった。その対策として、表面保護層に柔軟性を持たせる方法が検討されたが、化粧シートの製造工程において、ブロッキングが発生し易くなり、生産性が低下する。
特開2008-238444号公報 特開2007-118584号公報 特開2005-88481号公報 特開2011-16277号公報
上記の事情に鑑み、本発明は、化粧シートをラッピングや折り曲げ加工してもクラックを生じる事がない柔軟性を備え、且つ紫外線や風雨に長期間晒されても意匠性の低下が少ない耐候性を備えた化粧シートおよび化粧部材を提供することを課題とする。
上記の課題を解決する手段として、本発明の請求項1に記載の発明は、ポリオレフィン樹脂系からなる着色熱可塑性樹脂層である基材の少なくとも一方の面に、インキからなる
絵柄層と、接着性樹脂層と、透明熱可塑性樹脂層と、表面保護層と、がこの順に備えられている化粧シートにおいて、
表面保護層が、アクリルポリオール系樹脂組成物に硬化剤を用いてウレタン結合を付与した樹脂層であり、且つそのマルテンス硬さが50~80N/mmであり、且つ厚さが2~20μmであり、
化粧シートの総厚が、40~300μmであり、
前記基材のもう一方の面には、木質材料と金属材料と金属材料以外の無機化合物材料のうちのいずれか1つからなる材料、または2つ以上を組み合わせた材料、からなる基板との密着性を向上させるプライマー層が備えられていることを特徴とする化粧シートである。
また、請求項2に記載の発明は、前記表面保護層が、フィラーを含有していることを特徴とする請求項1に記載の化粧シートである。
また、請求項に記載の発明は、前記表面保護層と前記透明熱可塑性樹脂層に凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の化粧シートである。
また、請求項に記載の発明は、請求項1~3のいずれかに記載の化粧シートの、前記表面保護層が備えられている面とは反対側の面に、接着剤層を介して、木質材料と金属材料と金属材料以外の無機化合物材料のうちのいずれか1つからなる材料、または2つ以上を組み合わせた材料、からなる基板が備えられていることを特徴とする化粧部材である。
また、請求項に記載の発明は、折り曲げ加工されているか、前記基板の三次元構造に前記化粧シートがラッピング加工されていることを特徴とする請求項4に記載の化粧部材である。
本発明の化粧シートは、アクリルポリオール系樹脂組成物を主成分とし、HDI系イソシアヌレート変性形態の硬化剤を用いてウレタン結合を付与した樹脂層を表面保護層として備えており、その厚さが2μm~20μmであるため、折り曲げ加工やラッピング加工を行ってもクラックを生じない柔軟性と、その硬さがマルテンス硬さで50~80N/mmなる高い硬度と、を兼ね備えている。また化粧シートとしての総厚が40μm~300μmであるため、ラッピング加工に対する高い形状追従性が保たれている。以上のことから、本発明の化粧シートは、紫外線や風雨に長期間晒されても劣化が抑制され、意匠性の低下を防ぐことができる。
本発明の化粧シートと化粧部材の層構成を例示する断面説明図である。
<化粧シート>
本発明の化粧シートについて、図1を使用して説明する。
本発明の化粧シート11は、着色熱可塑性樹脂層3の一方の面に、絵柄層4と、接着性樹脂層5と、透明熱可塑性樹脂層6と、表面保護層7と、がこの順に積層された層構成を備えている。また、着色熱可塑性樹脂層3のもう一方の面には、接着性を良好にするプライマー層8が備えられている。
透明熱可塑性樹脂層6と、その上に形成される表面保護層7の表面には、凹凸部9が形成されていても良い。表面保護層7はこの凹凸部9の表面を被覆するように形成されている。
(表面保護層)
本発明の化粧シート11は、この様な層構成を備えた積層体である。その最表面である表面保護層7は、アクリルポリオール系樹脂組成物を主成分とし、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)系イソシアヌレート変性形態または、HDI系アダクト変性形態の硬化剤を用いてウレタン結合を付与した樹脂層からなる。更に、この表面保護層7のマルテンス硬さを50~80N/mm、厚さを2~20μmとしたことが特徴である。且つ、化粧シート11の総厚が40~300μmであることが特徴である。ただし、マルテンス硬さを50~80N/mmとすることができる硬化剤であれば、上記した硬化剤に限定する必要は無い。
表面保護層7のマルテンス硬さが、50N/mm未満では、ブロッキングが発生し、生産性が低下する。80N/mmを超えるとクラックが発生する虞が出てくる。
表面保護層7の厚さが、2μm未満では、表面保護層としての保護機能が不十分となるため、長期間、紫外線や風雨に晒された場合、表面保護層7の下地を保護できない。また、表面保護層7の厚さが薄いため、添加した紫外線吸収剤やラジカル捕捉剤の十分な機能を備えた保護層とすることが困難である。一方、20μmを超えた厚さの場合、曲げ加工やラッピング加工を行う際の形状追従性が悪くなる。また、表面保護層7を曲げた場合に、層が裂けてしまう虞もある。
また、本発明の化粧シート11の総厚が、40μm未満であると、化粧シートの厚薄差の影響により、ロール状態で化粧シート自体が変形(フレアー現象)しやすくなるため好ましく無い。また、300μmを超えると化粧シートに剛性が出ることで、シート巻き込み加工(例えば、ラッピング加工等)の直後に、基材から剥れる為、好ましく無い。
また、表面保護層7には、フィラーが含まれていても良い。フィラーとしては特に限定する必要は無い。例えば、フィラーの材料としては、無機フィラーを使用する。例えば、シリカ、アルミナ、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マグネシウムパイロバレート、酸化亜鉛、窒化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイアモンド、金剛砂、ガラス繊維、ガラス粉体等が挙げられる。これらの無機フィラーの中でも、シリカ、アルミナ及びガラス粉体のうちの少なくとも1つ以上を含むものが好ましい。
(プライマー層)
また、プライマー層は、木質材料と金属材料と金属材料以外の無機化合物材料のうちのいずれか1つからなる材料、または2つ以上を組み合わせた材料、からなる基板との密着性を向上させる材料であれば特に限定されない。着色熱可塑性樹脂層3との親和性が良好であり、且つ接着剤層1との親和性が良好な材料を適宜、選択すれば良い。
(着色熱可塑性樹脂層)
着色熱可塑性樹脂層3の樹脂材料としては、特に限定する必要は無い。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂をはじめ、ポリ塩化ビニルなどからなるフィルムを好適に使用することができる。
(絵柄層)
着色熱可塑性樹脂層3の上に印刷インキを各種の印刷技術を使用して絵柄を印刷したインキ層である。印刷可能であればインキの種類は限定されないが、インキ層と着色熱可塑性樹脂層3との密着力を上げるため、絵柄層4の印刷の直前に着色熱可塑性樹脂層3の表面をコロナ放電処理するのが一般的である。
(接着性樹脂層)
絵柄層2と透明熱可塑性樹脂層4の接着が可能な粘着剤や接着剤であれば好適に使用することができる。例えば、ポリオレフィン系接着性樹脂を挙げることができるが、これに限定する必要は無い。
(透明熱可塑性樹脂層)
透明熱可塑性樹脂層4の材料としては、熱可塑性樹脂であって透明なものであれば使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、AS
樹脂(アクリロニトリル(Acrylonitrile)、スチレン(Styrene)のコポリマー(共重合化合物))、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、アクリル樹脂などを挙げることができる。これらの材料からなるフィルムやシートを使用することができる。
<化粧シートの製造方法>
図1に例示した化粧シート11の積層体が製造可能であれば、その製造方法は特に限定されず、如何なる製造方法であっても構わない。
例えば、まず、着色熱可塑性樹脂層3として、熱可塑性樹脂フィルムを用意し、そのフィルムの一方の面を易接着性処理として、例えばコロナ放電処理を行った直後に、絵柄層4を印刷インキにて印刷する。印刷方法は特に限定する必要は無い。
次に、絵柄層4の上にロールコータやダイコータなどの塗布手段を用いて接着性樹脂層5を塗布する。
次に、透明熱可塑性樹脂層6としての熱可塑性樹脂フィルムを、ラミネータなどの積層手段を用いることにより、接着性樹脂層5を介して接着する。
次に、必要に応じて、透明熱可塑性樹脂層6の表面に凹凸パターンを形成する。凹凸パターンの形成方法は特に限定されないが、例えば、所望のパターンを備えた型を熱圧着することにより型の凹凸が反転した凹凸パターンを形成することができる。また、透明熱可塑性樹脂層6の上に、例えば透明な樹脂からなる凸状パターンを形成する場合は、着色剤を含んでいない樹脂バインダーと溶剤などからなるインキを印刷し、乾燥することによって凹凸パターンを形成することも可能である。
次に、透明熱可塑性樹脂層6の上に、表面保護層7を形成する塗液をロールコータやダイコータなどの塗布手段を用いて塗布し、乾燥することによって、表面保護層7を形成することができる。透明熱可塑性樹脂層6の凹凸パターンが形成された部分に表面保護層7が形成され凹凸形状を保持することで凹凸部9が形成される。
次に、着色熱可塑性樹脂層3のもう一方の面に、プライマー層8を形成することによって、本発明の化粧シート11を製造することができる。プライマー層8の役割は、接着剤層1との親和性を高め、強い接着力を発現させる塗膜を形成することである。そのため、着色熱可塑性樹脂層3との親和性が高く、且つ使用する接着剤層1との親和性が高い樹脂材料を選択すれば良い。
<化粧部材>
次に、本発明の化粧シート11を使用した化粧部材10について説明する。
本発明の化粧部材10は、本発明の化粧シート11の表面保護層7が備えられている面とは反対側の面に、接着剤層1を介して、木質材料と金属材料と金属材料以外の無機化合物材料のうちのいずれか1つからなる材料、または2つ以上を組み合わせた材料、からなる基板2が接着されて備えられていることが特徴である。
(接着剤層)
接着剤層1は、基板2とプライマー層8との親和性が高い材料であれば特に限定されない。例えば、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、などを挙げることができる。
(基板)
基板2の材料としては、木質材料と金属材料と金属材料以外の無機化合物材料のうちのいずれか1つからなる材料、または2つ以上を組み合わせた材料、であれば良い。
例えば、木質材料とは、木の無垢材、ベニヤ板、ベニヤ板を積層した合板、クラフト紙などの紙に樹脂を含浸させた板、などを指す。
また、金属材料とは、金属であれば特に限定する必要は無いが、コストや耐久性、その
他の要求特性によって選択すれば良い。例えば、鉄、鉄合金、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、などの金属を挙げることができる。これらの金属材料からなる板を基板2として好適に使用することができる。
また、金属材料以外の無機化合物材料としては、有機化合物以外の材料のうち、金属材料を除いた材料であり、それらの材料のうち、化粧部材としての機械的な強度を備えた材料である。例えば、石膏ボード、珪カル板、コンクリート、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、ガラス、などを挙げることができる。
<化粧部材の製造方法>
本発明の化粧部材10の製造方法は、図1に例示した層構成を実現できる製造方法であれば特に限定されない。例えば、まず、基板2に接着剤層1を塗布装置を使用して塗布後、化粧シート11のプライマー層8側を面して、基板2に化粧シート11をラミネートすることによって、本発明の化粧部材10を製造することができる。逆に、まず化粧シート11のプライマー層8側に接着剤層1を塗布後、基板2に接着剤層1側を面してラミネートすることによって、本発明の化粧部材10を製造することができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
<実施例1>
着色熱可塑性樹脂層として、厚さ55μmの着色ポリエチレンフィルムを用意した。この着色ポリエチレンフィルムの片面にコロナ放電処理を施した後、ウレタン系印刷インキを用いてグラビア印刷機を使用して絵柄層を印刷した。
次に、ウレタン系接着剤層と、透明接着性樹脂層と、透明熱可塑性樹脂層としての厚さ70μmのポリプロピレンフィルムと、表面保護層と、をこの順に絵柄層の上から形成した。なお、着色ポリエチレンフィルムのもう一方の面には、コロナ放電処理後、厚さ1μmのプライマー層を形成した。化粧シートの総厚は135μmとした。作製した化粧シートは、幅10cm、長さ500mとした。
(ウレタン系接着剤層の形成方法)
・ウレタン系接着剤の塗液組成:
ウレタン変性ポリエステルポリオール 80重量部
ヘキサメチレンジイソシアネート 10重量部
イソホロンジイソシアネート 10重量部
・塗布方法:グラビア印刷機を使用して1μm厚となるように塗布した。
(プライマー層の形成方法)
・プライマー層の塗液組成:ウレタン系プライマー剤にシリカ粉末を添加した塗液。
・塗布方法:グラビア印刷機を使用して1μm厚となるように塗布した。
(表面保護層の形成方法)
・ガラス転移点100℃のアクリルポリオール系樹脂組成物を主成分として、固形分100重量%当りのNCO%が12%であるHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)系イソシアヌレート変性形態の硬化剤を用いてウレタン結合を付与した材料の塗液組成:
メチルメタクリレートモノマー 80重量部
シクロヘキシルメタクリレート 20重量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 6重量部
ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤 5重量部
酢酸エチル溶剤(固形分濃度調整用)
上記を混合して調液した固形分濃度33重量%の主剤溶液と、固形分100重量%当りのNCO%が12%であるヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート変性形態の硬化剤とを、主剤溶液と硬化剤溶液の比率が10:1となるように混合し、更に溶剤成分として酢酸エチルを添加することにより、固形分濃度を20重量%に調整した塗液とした。
・塗布方法:グラビア印刷機を使用して9μm厚となるように塗布した。
<評価>
作製した化粧シートに対して、以下の表面保護層の硬度測定、ダンベル引っ張り試験、ラッピング適性評価、ブロッキング性評価および耐候性評価を行った。
(表面保護層の硬度測定)
表面保護層の形成に使用する塗液をスライドガラスに塗布・乾燥して、厚さ30μmのサンプルを作製した。そのサンプルのマルテンス硬さを測定した。測定に使用した装置は、
微小硬さ測定装置 HM2000(フィッシャージャパン株式会社)を使用し、測定条件;荷重の増加速度:5mN/10秒、クリープ:5秒、荷重の減少速度:0.1mN/10秒とした。その結果、マルテンス硬さは、10点の測定サンプルの平均値で78N/mmであった。
(ダンベル引っ張り試験)
作製した化粧シートを、JIS K 6732に準じ、引っ張り速度4mm/分にて、試験片の伸びが50%時の表面保護層のクラック発生状態を、光学顕微鏡を使用して100倍の倍率にて観察した。観察範囲は、試験片のほぼ中央部の5mm×5mmの範囲とした。評価は、クラックが発生していなかった場合を○、クラックが発生していた場合を×とした。
(ラッピング適性評価(曲げ加工性))
厚み1mm、角部1R(曲率半径1mmの角部)を持つスパンドレル形状のアルミニウム板に、作製した化粧シートをラッピング加工した後、その角部を、光学顕微鏡を用いて観察(倍率100倍)した。観察範囲は、角部の全域とした。評価は、クラックが発生していなかった場合を○、クラックが発生していた場合を×とした。
(ブロッキング性評価)
作製した化粧シートを500m巻上げた状態で、12時間放置後、巻き替えを行った際のブロッキングの発生状況を確認した。評価は、巻き替え中に、異常が見られなかった場合を○、紙切れおよび裏面のプライマー層の剥れのいずれかが発生した場合を×とした。
(耐候性評価)
耐候性試験機(メタルウェザー(登録商標)KW-R7TP、ダイプラ・ウィンテス株式会社製)を使用して、
(1)ライトモード:照度65mW/cm2、ブラックパネル温度53℃、湿度50RH%、20時間
(2)湿潤モード :ブラックパネル温度30℃、湿度98RH%、4時間
(3)湿潤モードの前後に、シャワー30秒
上記の(1)~(3)を1サイクルとして21サイクル実施した。
評価は、外観に異常無しの場合を○、外観に異常(クラック、黄変、チョーキング、剥離)有りの場合を×とした。
<実施例2>
表面保護層の固形分100重量%当りのNCO%が9%であるHDIアダクト変性形態
の硬化剤を用いてウレタン結合を付与した結果、マルテンス硬さは、10点の測定サンプルの平均値で55N/mmであったこと以外は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。
<比較例1>
表面保護層の固形分100重量%当りのNCO%が11%であるHDI系イソシアヌレート変性形態の硬化剤を用いてウレタン結合を付与した結果、マルテンス硬さは、10点の測定サンプルの平均値で85N/mmであったこと以外は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。
<比較例2>
実施例1において硬化剤を使用しない材料とした結果、マルテンス硬さは、10点の測定サンプルの平均値で49N/mmであったこと以外は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。
以上の実施例1および2、比較例1および2の評価結果をまとめて表1に示した。
Figure 0007114996000001
表1に示した様に、実施例1~2および比較例1~2は、着色熱可塑性樹脂基材と透明熱組成樹脂基材と表面保護層は共通である。異なるのは表面保護層の硬化剤の種類である。
実施例1においては、表面保護層の固形分100重量%当りのNCO%が12%であるHDI系イソシアヌレート変性形態の硬化剤であった。
実施例2においては、表面保護層の固形分100重量%当りのNCO%が9%であるHDI系アダクト変性形態の硬化剤を使用した。
また、比較例1においては、実施例1と同じHDI系イソシアヌレート変性形態の硬化剤を使用しているが、表面保護層の固形分100重量%当りのNCO%が11%であり、実施例1と比較して1%低い値となっている。
また、比較例2においては、硬化剤を含んでいない。
表面保護層の主剤は全てアクリルポリオールであり、厚さは全て10μmと同一である。
実施例1においては、HDI系イソシアヌレート変性形態の硬化剤の添加量が、表面保護層の固形分100%当り、NCO%で12%であったが、この場合、マルテンス硬さは78N/mm、他の全ての評価が○であり良好な評価結果であった。
実施例2においては、HDI系イソシアヌレート変性形態の硬化剤の代わりにHDI系アダクト変性形態の硬化剤が添加され、その添加量が表面保護層の固形分100%当り、NCO%で9%であった。この場合、マルテンス硬さは55N/mm、他の全ての評価が○であり良好な評価結果であった。
比較例1においては、HDI系イソシアヌレート変性形態の硬化剤の添加量が、表面保護層の固形分100%当り、NCO%で11%であったが、この場合、マルテンス硬さは85N/mmで実施例1より大きい値となったが、曲げ加工性を示すラッピング適性が悪かった。他の全ての評価は○であり良好な評価結果であったが、総合評価としてはラッピング適性が悪く、不良であった。
比較例2においては、硬化剤が添加を添加しなかった。この場合、マルテンス硬さは49N/mmとなり最も小さい値となった。また耐候性が悪かった。その他の評価は○であったが、総合評価としては耐候性が悪く不良であった。
1・・・接着剤層
2・・・基板
3・・・着色熱可塑性樹脂層
4・・・絵柄層
5・・・接着性樹脂層
6・・・透明熱可塑性樹脂層
7・・・表面保護層
8・・・プライマー層
9・・・凹凸部
10・・・化粧部材
11・・・化粧シート

Claims (5)

  1. ポリオレフィン樹脂系からなる着色熱可塑性樹脂層である基材の少なくとも一方の面に、インキからなる絵柄層と、接着性樹脂層と、透明熱可塑性樹脂層と、表面保護層と、がこの順に備えられている化粧シートにおいて、
    表面保護層が、アクリルポリオール系樹脂組成物に硬化剤を用いてウレタン結合を付与した樹脂層であり、且つそのマルテンス硬さが50~80N/mmであり、且つ厚さが2~20μmであり、
    化粧シートの総厚が、40~300μmであり、
    前記基材のもう一方の面には、木質材料と金属材料と金属材料以外の無機化合物材料のうちのいずれか1つからなる材料、または2つ以上を組み合わせた材料、からなる基板との密着性を向上させるプライマー層が備えられていることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記表面保護層が、フィラーを含有していることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記表面保護層と前記透明熱可塑性樹脂層に凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の化粧シート。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の化粧シートの、前記表面保護層が備えられている面とは反対側の面に、接着剤層を介して、木質材料と金属材料と金属材料以外の無機化合物材料のうちのいずれか1つからなる材料、または2つ以上を組み合わせた材料、からなる基板が備えられていることを特徴とする化粧部材。
  5. 折り曲げ加工されているか、前記基板の三次元構造に前記化粧シートがラッピング加工されていることを特徴とする請求項4に記載の化粧部材。
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