JP7112820B2 - 地盤改良体の品質管理システム及び品質管理方法 - Google Patents
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Description
その改良体の品質管理方法は、現在、改良体の固化後1週間および4週間の材齢のコアサンプルを採取することによって管理する方法が基本となっている。改良体の強度はコアの一軸圧縮強度試験により、改良体の造成径は改良体中心から設計直径の1/4の位置のコア強度が満足する間接的な確認などにより、改良体の均一性は、コアサンプルの連続性(コア採取率)によって確認するなどの方法によっている。いずれも、コアの材齢に依存するため、改良体の品質は4週間経過しなければ判断できない。このため、改良体を造成しながらの管理、すなわち原位置におけるリアルタイムの管理が求められている。
本発明者らは、鋭意検討の結果、地盤改良体の造成時に排出される排泥、および/または、未固結改良体の比重、粘性、成分、あるいはこれらの中の任意の組合せに基づいて、改良体に含まれている切削地盤、水、固化材の分量や混合具合等の性状を推定できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
ここで「地盤改良体の施工仕様を変更」とは、例えば、固化材の噴射量や噴射圧力を増加させることや、造成時間を増加させること、あるいは2度施工を実施することなどが該当する。
すなわち、改良体の排泥および/または未固結改良体の比重、粘性、含有成分(含有元素の種類と含有量)の3項目の何れか一つ、あるいは各項目の任意の組み合わせについて、改良体を造成しながら原位置で、リアルタイムに計測し、これらの計測値に基づいて改良体としての不良の有無を即座に検知し、不良に対する対策も時々刻々要否判断し、地盤改良体の品質を確保できる。
最終的に、改良体として地中に残存する固化材、切削地盤、水の各量が特定できるので、理想的な条件で行う配合試験と比較することにより、改良体の品質確保策を配合面と施工面の両方で検討できる。このため、配合試験結果に近付ける現場配合補正または施工仕様の修正の実行をリアルタイムに行い、理想的な品質に近づけることができる。
しかし、本発明では改良体の造成作業と同時に計測を行う、言い換えれば、造成作業中に連続して計測を行うので、改良体の面的および深度方向といった改良体全体の品質管理ができる。
すなわち、従来の品質管理は、改良体200本程度に1本のコアボーリングを改良体径Dの1/4位置で行い、深度方向に上、中、下の各位置でサンプリング供試体の強度試験と、コアボーリングのコアの連続性を確認するものである。
これに対し、本発明の品質管理システムによれば、1本1本の改良体の平面的な品質管理、深度方向の品質管理の両方つまり改良体全体の品質管理を行うことができ、さらに何百本という改良体全数の品質管理も可能である。
一般に、地盤の地層は面的、深度方向に変化しているため、室内の配合試験がそのまま原位置で反映出来ない場合が多いが、本発明の品質管理システムを用いることで、このような地層の3次元的な変化に追随した、品質管理が可能となる。
前記のように、本発明ではリアルタイムに3次元的に管理を行うことができ、改良径の管理では、従来技術では平面の1方向または2方向の改良径の管理だけに対し、全方向・全深度の管理を行うことが可能である。
強度管理の面では、従来技術がコアボーリングを行った箇所の強度だけになるが、改良径と同様に、円柱改良体の全方向・全深度の管理を行うことができる。
また、固化材含有の特定元素の含有量を計測することにより、例えば1日経過後、7日経過後、28日経過後、数か月経過後といった短期から長期の強度発生の予測による短長期的強度管理が可能である。
このため、従来技術では、排泥やボーリングなどの採取試料を試験室に搬入して、試験・分析・評価・判定といった時間のかかる品質管理を、本発明では原位置でリアルタイムに行うことができる。地盤改良体の品質の優劣の判定を施工現場のその場で、即時に行うため、品質が充足しないまたは過剰である傾向を即時に把握することができる。
まず、図1(1)に示すように、地表10に地盤改良装置12を設置し、ボーリングロッド14の先端から高圧の削孔水を噴射しながら所定のストローク速度で下降させることにより、計画深度まで縦孔16を穿設する。
そして、スライムピット22に貯められた排泥24は、図示しないバキュームカー等によって吸引・除去される。
この結果、図2(6)に示すように、切削地盤と水、固化材の混合物である円柱状の改良体(杭体)26が形成される。この1度施工によって形成される改良体26は、プレジェット領域20よりも径が拡張されている。
この場合も、スライムピット22に貯められた排泥24は、バキュームカー等によって吸引・除去される。
また、設定情報記憶手段42及び判定結果記憶手段44は、上記コンピュータの記憶装置内に設けられている。
上記入力装置48としては、キーボードやテンキー、マウス、タッチパネル等が該当する。
上記判定手段40には、所定のインターフェイスを介して、地盤改良装置12の制御部等から施工位置特定情報51がリアルタイムで入力される。この施工位置特定情報51としては、例えば二重管ロッド18のノズルの深度情報や、ノズルの噴射角度情報等が該当する。
成分分析装置38から出力される元素成分としては、Ca、S、Fe、Si、Al等、多岐に及ぶが、ここでは一例としてCaの計測結果が用いられる(詳細は後述)。
まず、実験室等の室内において、配合計算が実施される(S10)。
この配合計算においては、今回の地盤改良における改良体26の計画造成径及び計画深度範囲(長さ)、設計強度に基づいて、改良対象の地盤の土質を考慮してプレジェット、1度施工、2度施工の施工毎に以下の項目について算出される。なお、プレジェット、2度施工は、必要に応じて検討する。
■プレジェット:(1) 処理の対象となる切削地盤の分量(kg)
(2) 投入するプレジェット水の分量(kg)
■1度施工:(1) 処理の対象となる切削地盤の分量(kg)
(2) 切削地盤中に残存しているプレジェット水の分量(kg)
(3) 投入する固化材の分量(kg)
(4) 固化材に混ぜる練水の分量(kg)
■2度施工:(1) 処理の対象となる切削地盤の分量(kg)
(2) 切削地盤中に残存しているプレジェット水の分量(kg)
(3) 投入する固化材の分量(kg)
(4) 固化材に混ぜる練水の分量(kg)
具体的には、配合計算によって算出された1度施工時の分量の切削地盤、プレジェット水、固化材、練水を混練して供試体を作成し、強度試験を行い、設計強度を満足する配合になっているか確認する。この混練時に、練り混ぜた材料の比重、粘性、成分分析(例えば、Ca含有量)が測定される。
以下に、配合試験で得られた各項目の値を例示する。すなわち、これらの値を計画値とすれば、この計画値を基にした管理値と改良体造成時の未固結改良体の比重、粘性、成分分析の計測値の乖離の程度を管理することにより、理想的改良体である配合試験結果に近づけることができる。
■比重:1.54(g/cm3)
■粘度:110(dPa・s)
■Ca含有量:9.0(wt%)
詳細は後述するが、この管理値は現場施工において比重、粘性、成分分析(例えば、Caの含有量)の各測定項目の合否判定基準となるものであり、配合試験で求められた比重、粘度、Ca含有量の各値(以下「計画値」)に、一定の調整を施すことによって導かれる。
以下に、管理値の一例を示す。
■比重:計画値-0.2(=1.34 g/cm3)以上
■粘度:計画値×1/10(=11 dPa・s)以上
■Ca含有量:計画値+1%(=10 wt%)以下
この管理値は、入力装置48を介して設定情報記憶手段42に格納される。
スライムピット22の近傍には予め品質管理システム30が配置されており(図4参照)、ホース52及び試料取込手段32を介して排泥24の試料が刻々と採取される(S20)。
採取された排泥24の試料は、比重計測装置34、粘性計測装置36及び成分分析装置38に順次供給され、所定の時間間隔でその比重、粘性及び成分分析が計測される(S22)。
図6は、成分、比重、粘性の各項目の判定結果(OK/NG)の組合せパターンをベン図に表したものであり、相互の重なり具合により、領域(1)~(8)に区分されている。
すなわち、対策要否判定情報の事例として、図7(a)に示すように、対策要否判定情報60においては、各領域について、「対策の要否」、「対策コード」及び「改良体の性状」が予め定義されている。
また、対策コードと具体的な対策内容との対応関係については、図7(b)に示すように、対策内容特定情報62に定義されている。
ただし、図7(a)は、一つの例であって、2つの項目がOKの場合でも対策を講じる必要な場合がある。例えば、要求品質が非常に厳しい場合や、特定の計測項目の管理値に対する乖離値が大きい場合などである。
これに対し、成分、比重、粘度の3つの項目の中、2つ以上がNGの場合、判定手段40は「対策の要否:必要」と判定すると共に、必要な対策を特定する。
前記の判定が、NGの場合、改良体の要求品質に直接的に影響を及ぼす、固化材量、切削地盤量、固化材の材料均一性、切削地盤の材料均一性、改良径、強度を各計測値より求め、設計要求品質である設計改良径と設計強度との乖離と配合試験に基づく固化材量、切削地盤量との乖離、改良体の固化材と切削地盤の材料均一性について悪さ加減を評価する。
この場合の対策の例として、図7(b)に示すように、「対策コード:003」には「噴射量、噴射圧力、造成時間の増加、2度施工の実施」が定義付けされている。
図7(b)に示すように、「対策コード:001」には「2度施工の実施」が定義付けされている。
図7(b)に示すように、「対策コード:002」には「噴射量、噴射圧力、造成時間の増加、2度施工の実施」が定義付けされている。
そして、改良体に含まれている切削地盤、水、固化材の分量や混合具合(材料均一性)等については、排泥24の比重、粘度、成分(Ca含有量)から推定することが可能となる。
すなわち、最終的には改良体の品質を求めるが、排泥を試料とする品質管理でも可能である。
「粘性」についてみると、粘性計測により、固化材量と切削地盤量および固化材の材料均一性と切削地盤の材料均一性を求めることができ、配合試験により求まる粘度の管理値よりも排泥24の粘度が低い場合、切削地盤が排出されておらず、計画よりも改良体内部に切削地盤が残存している可能性があり、上記と同様、「切削不良」や「撹拌不足」に起因することが考えられる。
上記のように、排泥は切削地盤と固化材と水から構成されているため、その固形物分である固化材と切削地盤の量で、粘度の高低となって現れる。また、高圧噴射撹拌工法で、地盤がよく切削され、固化材と水と切削地盤がよく混合された程度で、粘度の高低となって現れる。
上記の「比重」で、固化材量と地盤切削量が求められれば、固化材ならびに切削地盤の材料均一性を特定できる。
さらに「成分分析」についてみると、排泥中の固化材含有の元素成分(ここでは、Caとする)で固化材量を換算することができ、改良体の改良径および/または強度を求めることができ、配合試験により求まるCa含有量の管理値より排泥24のCa含有量が高い場合、固化材が多く排出されており、切削地盤中に計画よりも固化材が少なくなる可能性があり、やはり「切削不良」や「撹拌不足」が疑われる。
すなわち、高圧噴射撹拌工法における固化材はセメントからなり、セメントの水和反応で固化する成分は、例えばCaの含有量で評価できることが知られており、排泥中のCa含有量を計測することで固化材量を特定できる。
地上から高圧噴射撹拌工法で、固化材を地盤中に噴射する量は既知とすれば、排泥中の固化材を差し引いた量が、改良体中の固化材量となる。ここで、改良体の改良径が設計より大きくなれば、改良体中の固化材量が多量となり、差し引きの排泥中の固化材量は減少する。このことから、改良体の改良径を求めることができる。
また、前記のようにセメントの水和反応で固化する成分として、例えばCaの含有量を計測できるので、短長期的な改良体の強度発現も計算できる。
このように、比重、粘性、成分分析という計測を単発で管理に用いるだけでなく、3項目を同時に計測することにより、これらから得られる諸量を複合的に関係付けることによって、精度の高いリアルタイムの品質管理が可能になる。
また、改良体の品質に不具合が生じた場合も、前記3項目に関連する諸量が換算されていて、関連付けることができるので、不具合の原因の特定と、その対策がスピーディーに実施できる。
図8に、ディスプレイ46に表示された判定結果報告画面64の一例を示す。
図示の通り、特定の施工深度における、成分、比重、粘度の測定項目毎に、測定値とOK/NGの判定結果、各項目の管理値、対策の要否、改良体の性状、対策内容が記述されている。
判定結果報告画面64に表示される施工深度は、判定手段40に入力された施工位置特定情報51が示す現時点におけるノズルの深度に対して、排泥24が地盤改良体の品質管理システム30内に取り込まれて判定されるまでの所要時間とノズルの上昇速度を勘案した補正を施すことにより、求められる。
図示は省略したが、施工深度と共に、より詳細な面的位置を表示することもできる。この面的位置は、改良体の断面上における帯状の施工領域を示すものであり、上記施工位置特定情報51が示す現時点におけるノズルの噴射角度に対して、排泥24が地盤改良体の品質管理システム30内に取り込まれるまでの所要時間とノズルの回転速度を勘案した補正を施すことにより、求められる。
入力装置48を介して同画面中の印刷ボタン66が選択された場合、判定手段40はプリンタ50を介して判定結果報告シート68をプリントアウトする(図4)。
上記は、管理値に対して各計測値に不具合が発生した場合、図8のようにテキストとして出力される例を示している。各計測値は、改良体の造成期間において連続的に計測され、時刻及び施工深度等と関連づけた形で判定結果記憶手段44に格納されているので、この不具合の発生が、一時的な発生か定常的なものかディスプレイ46などに各計測値が経時グラフなどで示され、対策実施判断に供される。
また、対策内容として「2度施工」が定義されていた場合、現場においては改良体26が固化する前に、2度施工が実施される(S32)。
この際も、施工仕様は対策内容特定情報62に定義された指示に従って修正される。
具体的な対策としては、各計測値と管理値との比較の乖離状況や、改良体の要求品質の程度や土質の状況などに応じて、2度施工、3度施工の繰り返し施工も考えられる。つまり、管理値や具体的対策内容は、様々な地盤改良工事や土質状況により、データベースに蓄積していって、個々の工事や土質などの状況に応じてアップデートし、最適な判断、最適な対策提示が行えるシステムとなっている。
図9及び図10は、改良体造成中に採取した排泥24の測定結果を示すものであり、地下11mより施工を開始し、随時、試料を採取し分析を行った。
図9及び図10では、代表的な深度で計測した各計測値をプロットしている。
各計測値とも、1度施工時(図中の●)及び2度施工時(図中の○)で実施しているが、改良体26の品質を判断する対象としては、2度施工時のデータを採用している。すなわち、この2度施工は1度施工に本発明のシステムを適用した対策として実施したものでなく、1度施工の計測値と2度施工の計測値を比較するために行ったものであり、管理値と比較して品質を判断するのは、2度施工の時のデータで行っている。図9では、2度施工時(図中の○)に判定のOK,NGの別を示している。
この結果より、排泥24でCa含有量が管理値を満たさないことは、改良体26はCa含有量が不足していると見なされ、排泥の粘度が管理値を満たさないことは、排泥に切削地盤が排出されていないことを示し、改良体26には理想的な配合に比較し過剰に切削地盤が残存していると評価でき、排泥にはセメントが排出されすぎ切削地盤が排出されていない状態とみられ、不具合の主因は改良体26で切削地盤及び土塊が排出されていないものと評価した。
この施工に際しては、地下11~6mまでの測定結果を受け、施工仕様の修正を行い、切削地盤の地上への排出向上対策を行った。
これが奏功し、何れの測定ポイント(地下4m、6m)においても、比重、粘度及びCa含有量の各計測項目について排泥の管理値を満たす結果(OK)が得られている。図10の2度施工時(図中○)は、前記の配合試験に基づく計画値(比重:1.54(g/cm3)、粘度:110(dPa・s)、Ca含有量:9.0(wt%))に近い値になっていることが判る。粘度も計画値に近似しており、材料の均一性も確保されていると考えられる。
このことから、排泥の管理値を満たすので、改良体の管理値も満たして、改良体の品質は確保できたと判断できる。
そこで、上記実験によって形成した改良体26の固化後に、計画造成径端部でコアボーリングを実施し、コア採取率、改良径、強度を計測した。
また改良径についても、計画値(φ1.65m)を満たしていることが確認された。
さらに強度に関しても、全深度で、設計強度(1500kN/m2以上)を満足していることが確認された。
あるいは逆に、成分、比重、粘度の3つの項目の中の何れか一つ、あるいは特定項目の一つがOKの場合に、判定手段40が「対策の要否:不要」と判定するように、対策要否判定情報を設定しておくこともできる。
例えば、比重計測装置34、粘性計測装置36、成分分析装置38からの出力データと管理値を比較し、比重、粘度、成分の各計測項目のOK/NGを導き出し、その結果を出力するところまでを判定手段40が担当し、これらの組合せパターンを対策要否判定情報60及び対策内容特定情報62に当てはめて改良体26の性状や対策の要否、対策内容を導き出すところは作業員が担当するように運用することもできる。
あるいは、比重計測装置34、粘性計測装置36、成分分析装置38からの出力データと管理値を作業員が比較し、比重、粘度、成分の各計測項目のOK/NGを導き出した後、これらの組合せパターンを対策要否判定情報60及び対策内容特定情報62に当てはめて改良体26の性状や対策の要否、対策内容を判断するように運用してもよい。
すなわち、図12に示すように、1度施工後、改良体26が固化する前のタイミングにおいて、作業員70が試料採取ロッド72を用いて複数深度の未固結改良体を採取し、試料取込手段32に投入することもできる。
また、図4のスライムピットからの排泥の試料採取方法と同様に、ホース52及び試料取込手段32を介して機械的に造成途中の未固結改良体から連続的に試料採取することも可能である。この場合、二重管ロッド18のノズルの位置(深度)に連動してホース52の先端開口部の位置が昇降する仕組みを設けることが望ましい。
未固結改良体に基づいて判定する場合、排泥24の場合とは異なる管理値を成分、比重、粘度について設定すると共に、未固結改良体用の対策要否判定情報及び対策内容特定情報を策定し、事前に設定情報記憶手段42に格納しておく。
排泥ならびに未固結改良体の両方を品質管理対象とすることにより、さらに精度の高い品質管理を実現することもできる。
例えば、「比重」が管理値よりも低い場合、切削地盤は排出されているが固化材も排出されている可能性が高く、「切削不良」、「撹拌不足」が想定される。
また、「粘度」が管理値よりも低い場合、切削地盤が撹拌されていない、切削されていない、「切削不良」、「撹拌不足」、「土塊の残留」が疑われる。
さらに、Ca含有量が管理値よりも低い場合は、固化材が多く排出されてしまったか、改良径が大きすぎることが想定され、「強度不足」に陥っている可能性が高い。
また、上記のように比重計測装置34、粘性計測装置36、成分分析装置38の全てを備える必要はなく、この発明に係る地盤改良体の品質管理システム30は、これらの中の少なくとも一つ、あるいは任意の二つを備えるように構成することもできる。この場合には、上記とは異なる管理値を成分、比重、粘度の中の必要な項目について設定すると共に、対応の対策要否判定情報及び対策内容特定情報を策定し、事前に設定情報記憶手段42に格納しておけばよい。
12 地盤改良装置
14 ボーリングロッド
16 縦孔
18 二重管ロッド
20 プレジェット領域
22 スライムピット
24 排泥
26 改良体
30 地盤改良体の品質管理システム
31 筐体
32 試料取込手段
34 比重計測装置
36 粘性計測装置
38 成分分析装置
40 判定手段
42 設定情報記憶手段
44 判定結果記憶手段
46 ディスプレイ
48 入力装置
50 プリンタ
51 施工位置特定情報
52 ホース
60 対策要否判定情報
62 対策内容特定情報
64 判定結果報告画面
66 印刷ボタン
68 判定結果報告シート
70 作業員
72 試料採取ロッド
Claims (8)
- 回転噴射管のノズルから固化材を地盤中に噴射して地盤改良体を造成する高圧噴射撹拌工法に用いるシステムであって、
地盤改良体の造成時に排出される排泥を試料として取り込む試料取込手段と、
前記試料の比重を計測する比重計測装置、前記試料の粘性を計測する粘性計測装置、前記試料の含有元素の種類と含有量を計測する成分分析装置、の中の少なくとも一つの装置と、
前記試料の比重、粘性、固化材含有元素の含有量、の中の少なくとも一つの計測項目について、それぞれの合否判定基準となる管理値を格納しておく記憶手段と、
前記装置から出力される計測値と、前記管理値を比較し、計測項目毎に合否を判定すると共に、判定結果を外部に出力する判定手段とを有し、
前記判定手段は、造成時に入力される前記ノズルの深度情報及び噴射角度情報に基づいて、前記計測値に対応する地盤改良体の施工深度及び断面上の施工領域を特定し、この施工深度及び断面上の施工領域単位で前記の合否判定を行うことを特徴とする地盤改良体の品質管理システム。 - 前記判定手段は、入力時点におけるノズルの深度に対して、排泥が取り込まれてから判定されるまでの所要時間とノズルの上昇速度を勘案した補正を施すことにより、前記施工深度を特定することを特徴とする請求項1に記載の地盤改良体の品質管理システム。
- 前記判定手段は、入力時点におけるノズルの噴射角度に対して、排泥が取り込まれてから判定されるまでの所要時間とノズルの回転速度を勘案した補正を施すことにより、前記断面上の施工領域を特定することを特徴とする請求項1に記載の地盤改良体の品質管理システム。
- 回転噴射管のノズルから固化材を地盤中に噴射して地盤改良体を造成する高圧噴射撹拌工法において、
地盤改良体の造成時に排出される排泥を試料として取り込む試料取込工程と、
前記試料の比重、粘性、固化材含有元素の含有量、の中の少なくとも一つを計測する計測工程と、
前記試料の比重、粘性、固化材含有元素の含有量、の中の少なくとも一つの計測項目について、それぞれの合否判定基準として予め定められた管理値と、前記計測工程で得られた計測値とを比較し、計測項目毎に合否を判定する判定工程とを有し、
前記判定工程では、造成時に入力される前記ノズルの深度情報及び噴射角度情報に基づいて、前記計測値に対応する地盤改良体の施工深度及び断面上の施工領域を特定し、この施工深度及び断面上の施工領域単位で前記の合否判定がなされることを特徴とする地盤改良体の品質管理方法。 - 前記判定工程では、入力時点におけるノズルの深度に対して、排泥が取り込まれてから判定されるまでの所要時間とノズルの上昇速度を勘案した補正を施すことにより、前記施工深度が特定されることを特徴とする請求項4に記載の地盤改良体の品質管理方法。
- 前記判定工程では、入力時点におけるノズルの噴射角度に対して、排泥が取り込まれてから判定されるまでの所要時間とノズルの回転速度を勘案した補正を施すことにより、前記断面上の施工領域が特定されることを特徴とする請求項4に記載の地盤改良体の品質管理方法。
- 前記試料の比重、粘性、固化材含有元素の含有量、の中の二つ以上の計測項目の計測値について前記の合否判定を行い、
この判定結果と、各計測項目の合否の組合せパターン毎に対策の要否及び必要な対策を規定した情報とを比較し、対策の要否を判定すると共に、対策が必要な場合には対応の対策を実行して地盤改良体の品質を確保することを特徴とする請求項4~6の何れかに記載の地盤改良体の品質管理方法。 - 前記対策が必要な場合には対策内容に基づいて地盤改良体の施工仕様を変更し、地盤改良体の品質を確保する請求項7に記載の地盤改良体の品質管理方法。
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