<本実施形態のナビゲーション装置の動作の概略>
まず、図1を用いて本実施形態のナビゲーション装置の動作の概略を説明する。図1はオフライン時のナビゲーション装置35の動作を説明する図の一例である。ナビゲーション装置35には全国を網羅した地図データがプリインストールされている。以下、この地図データをプリイン地図データ8(第2の地図データ)という。
また、図1のナビゲーション装置35はいわゆるコネクティッドカーに搭載されることが想定されており、サーバ31と無線で通信することができる。サーバ31の地図データは適宜、最新の地図データに更新されている。以下、この地図データを最新地図データ7(第1の地図データ)という。オンライン時であれば、ナビゲーション装置35は最新地図データ7をメッシュ単位でサーバ31から取得できる。
図1(a)に示すように、オフライン時に経路検索を行う場合、ナビゲーション装置35はプリイン地図データ8を用いて経路検索を行う。しかし、本実施例のナビゲーション装置35はオンライン時にサーバから取得した最新地図データ7を保持している(キャッシュしている)ため、最新地図データ7を用いた経路検索が可能であれば最新の状況に適合する経路を提供可能になる。
そこで、本実施例のナビゲーション装置35は、オフライン時にプリイン地図データ8で検索した経路6上に最新地図データ7が存在するか否かを判断し、存在する場合には最新地図データ7を用いて経路検索を行う。
図1(b)にはメッシュ単位でサーバ31から取得された最新地図データ7が経路6に重ねて図示されている。したがって、経路6と最新地図データ7が重なっている範囲では最新地図データ7で経路検索が可能である。経路6と最新地図データ7が重なっていない範囲ではプリイン地図データ8を利用する。
このように、本実施例では、最新地図データ7とプリイン地図データ8のそれぞれで経路検索を行う(図1(c))。元の出発地をS、元の目的地をGとする。双方の地図データに基点Aを設定し、出発地Sから最新地図データ7側の基点Aまでは最新地図データ7で検索された経路5を用い、プリイン地図データ8側の基点Aから目的地Gまではプリイン地図データ8で検索された経路6を用いる。現在位置の座標位置が最新地図データ7側の基点Aに到達した場合、最新地図データ7からプリイン地図データ8に切り替える。
地図の切替タイミングは、基点に到達したタイミングでもよいし、地図の表示領域が一方の地図でカバーされているか否かを判断して切り替えてもよい。なお、最新地図データ7とプリイン地図データ8の切り替え時に、「地図が切り替わります」というアナウンスを行ってもよい。なお、基点はノードに限られない。
こうすると、出発地Sから基点Aまでの経路を最新地図データ7で検索可能となる。プリイン地図データ8の経路検索は終了しているので検索不要であるが再検索してもよい。出発地Sから基点A(後述するように最新地図データ7のリンク)までの経路と、基点Aから目的地Gまでの経路を接続して、出発地Sから目的地Gまでの経路とする。
なお、基点Aの決定に際して、最新地図データ7とプリイン地図データ8のメッシュ境界に不整合がある場合に対応するため、例えば、最新地図データ7とプリイン地図データ8のメッシュ境界の経路の座標から所定距離内であり、道路属性が同じ道路があるか否かを判断する。
このように、オフラインであっても、サーバから取得しておいた最新地図データ7を利用できる範囲で有効に活用することができる。ユーザとしては経路の一部でも最新地図データ7で検索された経路で走行することができ、移動時間を短縮することなどが期待される。
<用語について>
オフラインとは、完全に通信できない状態の他、最新地図データ7の受信に一定以上の時間がかかる場合を含む。例えば、通信帯域が閾値未満の場合をオフラインと称してよい。
本実施形態では、後述するように、描画エリアのエリア2(プリイン地図データが描画されるエリア)に「常に」プリイン地図が描画される。描画エリアはVRAM(Video RAM)などの描画メモリに相当する。ナビゲーション装置は、エリア1とエリア2を切り替えて表示するが、エリア1をエリア2よりも優先して表示する。
「常に」と称しても、車両の移動やユーザのスクロール操作によって表示装置213の表示範囲が切り替わる瞬間など、一時的に描画されない状態が生じてよい。また、描画エリアのエリア1(最新地図データが描画されるエリア)の描画が優先され、エリア2の描画が時間的に後の場合、エリア1の描画に要する時間、エリア2にプリイン地図が描画されない状態が生じうる。このように「常に」とは、エリア1からエリア2への切り替わり時に遅延がないとユーザが感じられる程度であれば、描画されていない状況を含む。
<システム構成例>
図2は、本実施形態にかかるナビゲーションシステム100のシステム構成図の一例である。ナビゲーションシステム100は、ネットワーク34を介して通信可能に接続されたサーバ31及びナビゲーション装置35を有している。
ネットワーク34は、回線事業者が提供する携帯電話網等の主に無線の回線(3G、4G,LTE、無線LAN、WiMAX等)及び、種々の回線をインターネットに接続するプロバイダのプロバイダネットワーク等により構築されている。サーバ31は例えばデータセンタ等の施設に配置されているため室内のLANや広域イーサネット(登録商標)などを含んでいてもよい。また、いわゆるインターネットも含まれる。ネットワーク34は有線又は無線のどちらで構築されてもよく、また、有線と無線が組み合わされていてもよい。
また、ネットワーク34にはアクセスポイントなどの基地局32が接続されており、ナビゲーション装置35は無線で基地局32に接続することでネットワーク34に接続する。ナビゲーション装置35は無線で構築される通信網を介して基地局32と通信する。
サーバ31は、ナビゲーション装置35に対し、ナビゲーションに関するサービス・機能を提供する。例えば、ナビゲーション装置35から現在地の位置情報を取得して、現在地周辺の最新地図データ7をナビゲーション装置35に送信する。また、出発地と目的地の位置情報と共に経路検索要求を取得すると、経路を検索し経路情報と案内情報をナビゲーション装置35に送信する。
ネットワーク34にはナビゲーション装置35が接続され得る。接続とは、上記のオンライン状態になることをいう。サーバ31と通信するナビゲーション装置35は1台とは限らず、複数のナビゲーション装置35がサーバ31からサービス・機能の提供を受けられる。
ナビゲーション装置35は移動体9に搭載して使用される。図2の移動体9は内燃機関及び電気モータの少なくとも一方を動力として走行する車両である。車両には、四輪車だけでなく自動二輪車も含まれる。また、近年では、1~2人乗りのモビリティ(コミュータ)も車両として市販されている。船舶を含めてもよい。また、動力がない、自転車(電動アシストを含む)、及び、軽車両なども移動体9である。また、歩行者について本実施形態のナビゲーション装置35を利用できないとするものではない。歩行者がナビゲーション装置35を携帯して移動することもできる。
ナビゲーション装置35は単体で(サーバ31がなくても)ナビゲーションの機能を有している。すなわち、出発地から目的地までの経路を検索して道路地図に設定し、ディスプレイやHUD(Head Up Display)などの表示装置213に表示された電子地図に経路と現在地を表示したり、経路に基づいて進路変更の手前で音声案内や電子地図上のアニメーションなどで適切な進路を案内したりする。車両に搭載されると「カーナビゲーション装置」と呼ばれる場合がある。次述するように、車両に搭載される専用のナビゲーション装置35だけでなく、スマートフォンやタブレットなどがアプリを実行してナビゲーションを行う汎用型のナビゲーション装置35がある。
図3は、ナビゲーション装置35の種類を説明する図の一例である。ナビゲーション装置35は、専用端末352の場合と汎用的な情報処理端末351の場合とがある。専用端末352としてのナビゲーション装置35は、AV(Audio Visual)機能を有していてよい。AV機能とは、ラジオ・テレビで放送されたコンテンツ又はDVDなどの記憶媒体に記憶されたコンテンツを再生したり、カメラで撮像した周囲の映像を表示したりする機能である。また、ネットワーク34に接続してインターネット上のWebページを表示する機能を有していてよい。ナビゲーション機能とAV機能を併せてAVN機能という場合がある。
汎用的な情報処理端末351としてのナビゲーション装置35は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートPC、及び、ウェアラブルPC(例えば、腕時計型、サングラス型など)などである。汎用的なナビゲーション装置35はこれらに限定されるものではなく、ナビ画面の表示や経路案内に適切な装置であればよい。これら汎用的な情報処理端末351は、普段は汎用的な情報処理装置として利用されるが、ナビゲーションのためのアプリケーションソフトウェアを実行すると、専用端末352と同様、経路検索及び経路案内等を行う。
汎用的な情報処理端末351が実行するアプリケーションソフトウェアはナビゲーションに専用のアプリケーションソフトウェアの場合とWebブラウザの場合のどちらでもよい。
また、ナビゲーション装置35は、汎用的な情報処理端末351と専用端末352のどちらの場合でも、移動体9に搭載された状態と携帯可能な状態の切り替えが可能であってもよい。
<ハードウェア構成>
図4は、サーバ31及びナビゲーション装置35のハードウェア構成図の一例である。サーバ31及びナビゲーション装置35は情報処理装置の機能を有している。図4(a)に示すように、サーバ31は、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)211、ROM(Read Only Memory)215、RAM(Random Access Memory)216、補助記憶装置217、及び、通信装置214を有する。
また、図4(b)に示すように、ナビゲーション装置35は、ハードウェア構成として、CPU211、ROM215、RAM216、補助記憶装置217、入力装置212、表示装置213、通信装置214、音声入出力装置218、及び、GPS受信装置219を有する。
CPU211は、各種プログラムの実行や演算処理を行う。ROM215には、起動時に必要なプログラムなどが記憶されている。RAM216は、CPU211での処理を一時的に記憶したり、データを記憶したりする作業エリアである。補助記憶装置217は、各種データ及びプログラム2101、2102を格納する不揮発性のメモリである。
ナビゲーション装置35の入力装置212は、キーボードやマウスに代え又はこれらに加えて、画面に対する接触位置(タッチ座標)を検知可能なタッチパネルにより実現されうる。また、入力装置212は、音声入出力装置218が入力させた音声を認識する音声認識装置としての機能を有していてもよい。
表示装置213は、ディスプレイやプロジェクタ、HUDであり、例えば、ナビ画面等が表示される。通信装置214は、基地局32を介してネットワーク34に接続しサーバ31等との通信を行う。音声入出力装置218は、音声の入出力を行う装置であり、例えば、ナビゲーションの音声ガイダンスが出力される。GPS受信装置219は、GPS衛星の電波を受信して現在地を算出するGNSS(Global Navigation Satellite System)の一例である。
サーバ31又はナビゲーション装置35の補助記憶装置217に記憶されているプログラム2101,2102は、USBメモリなどの記憶媒体に記憶された状態で配布される。あるいは、プログラムを配布する配信サーバからナビゲーション装置35がダウンロードすることで配布される。ナビゲーション装置35のプログラム2102は、経路案内に専用のアプリケーションソフトウェアでもよいし、ブラウザソフトウェアでもよい。また、実行形式で配布されてもインストール用の形式で配布されてもよい。
なお、サーバ31にはクラウドコンピューティングが適用されていてよい。クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される利用形態をいう。したがって、図示したサーバ31のハードウェア構成は、1つの筐体に収納されていたり一まとまりの装置として備えられていたりする必要はなく、サーバ31が備えていることが好ましいハード的な要素を示す。なお、サーバ31がクラウドコンピューティングとしてではなく単独の情報処理装置により提供されることも可能である。
<機能構成例>
次に、図5を用いてナビゲーションシステム100の機能を説明する。図5は、ナビゲーションシステム100が有するサーバ31とナビゲーション装置35の機能をブロック状にして説明する機能ブロック図の一例である。
<<サーバについて>>
サーバ31は、第2受信部11、経路検索部12、経路情報生成部13、案内情報生成部14、地図データ提供部15、及び、第2送信部16を有している。これらの各機能は図4(a)に示したCPU211がプログラム2101を実行してサーバ31のハードウェアと協働することで実現される機能又は手段である。これらの機能の一部又は全てがICなどのハードウェア回路により実現されてもよい。
また、サーバ31は、図4(a)に示した補助記憶装置217、ROM215又はRAM216により構築される記憶部20を有している。記憶部20には、地図描画DB17、道路ネットワークDB18、及び、施設情報DB19が構築されている。これらの各DBは、サーバ31が直接有していなくてもよく、サーバ31がアクセス可能なネットワーク34上の任意の場所にあればよい。
まず、各データベースについて説明する。
表1は、地図描画DB17に格納されている地図描画用データを模式的に示す。地図描画DB17は、最新地図データ7のうち電子地図をナビゲーション装置35が描画するための地図描画用データを記憶している。電子地図に表示される情報には、都道府県などの区画、緑地や河川、道路や鉄道、記号や注記など多くの表示対象があるため、性質の似たものに分類し各分類の表示対象ごとに描画できるようになっている。それぞれに分類された表示対象又は表示対象が描画された状態をレイヤーといい、電子地図はいくつかのレイヤーを重ねることで描画される。各レイヤーの地図データは、ベクトルデータ又はラスターデータのうち表示対象に適したフォーマットで記述されている。表1のデータファイルには、各レイヤーのデータが含まれている。
表1に示すように、地図描画用データは経度・緯度などの領域ごとにメッシュ状に区切られており、1つ以上のメッシュを結合して1画面の電子地図が作成される。ベクトルデータの場合は、緯度・経度でポイント、ポリライン、ポリゴンの位置が定められている。また、ラスターデータの場合は緯度・経度に対応づけて縮尺に応じたデータが用意されている。最新地図データ7をベクトルデータとすることで通信負荷を低減できる。更新情報には最後に最新地図データ7が更新されたのがいつであるかがメッシュごとに保持されている。
このように、地図描画DB17の地図描画用データはメッシュに区切られメッシュIDに対応付けられており、最新地図データ7の描画用地図データ及び道路ネットワークデータがナビゲーション装置35に送信される際は、メッシュごとに送信される。
表2は道路ネットワークDB18の構成を模式的に示す。道路ネットワークDB18には、最新地図データ7のうち車両が通行可能な車道の構造を表す道路ネットワークデータであり、表2(a)のノードテーブルと表2(b)のリンクテーブルとが相互に参照可能な構造で保持されている。ノードテーブルには、ノードを識別するためのノードID、ノードの座標(緯度・経度)、及び、更新情報が登録されている。ノードとは道路網表現上の結節点である。具体的にはノードは例えば交差点、分岐点、合流点、屈曲点などであるが、道路の名称が変わる場合など直線の一部に設定される場合もある。ノードIDが分かればノードに繋がっているリンクがリンクテーブルから判明するので、ノードテーブルとリンクテーブルを相互に参照することで経路を検索できる。更新情報は最後にいつノードが更新されたのかを示す。
また、リンクテーブルにはリンクを識別するためのリンクID、リンクの始点ノード、リンクの終点ノード、リンク長、幅員、道路種別、セクションID、制限速度などの法規、メッシュID、及び、更新情報などが登録されている。リンクとはノードとノードを結ぶ道路を表し、リンクはノード同士を結ぶ線分となる。道路種別は、例えば国道、一般道、県道、高速道路、自動車専用道路、トンネル、私道など、道路の種類をいう。セクションとは、ある程度のリンクをひとまとめに扱うための単位である。1つのセクションは、例えば以下のように決定される。リンク2つ分又はリンク3つ分などのように予め決めたルールにしたがって定められる。また、おおよそ数百メートル分のノードやリンクを1つのセクションとしてよい。また、道路種別や、丁目、番地、号などの区切りでセクションも切り替わるようにセクションが設定されてよい。法規には、車両が守るべき交通規則が登録されている。更新情報についてはノードテーブルと同様である。
施設情報DB19の詳細は省略するが、施設情報DB19には業種名、店舗名、住所、郵便番号、電話番号、施設座標、及び、アイコンなどが対応づけて登録されている。
(サーバが有する機能について)
続いて、サーバ31が有する機能について説明する。第2受信部11は、ナビゲーション装置35からナビゲーションに関する種々の要求を受け付ける。この要求は、例えば、最新地図データ7(描画用地図データ及び道路ネットワークデータ)を要求するための現在地、目的地、又は、任意の位置などの位置情報を含む。また、出発地と目的地を指定した経路検索要求の場合もある。このほか、サーバ31が有する各種の機能の提供の要求を受け付ける。第2受信部11はこれらの要求を経路検索部12及び地図データ提供部15に振り分ける。
経路検索部12は、経路検索要求に含まれる出発地から目的地までの経路を検索する。目的地が施設名や住所等で与えられた場合は施設情報DB19を検索し、目的地の位置である施設座標を取得する。経路検索部12は、経路検索要求に対し最新地図データ7の道路ネットワークデータが記憶された道路ネットワークDB18を用いて、出発地と目的地の経路を検索し検索結果を作成する。検索結果は、車両が走行するリンク又はノードが順番に設定されたリストである。なお、経路検索には、リンク長や幅員、渋滞状況をコストに換算して、出発地から目的地までのコストの合計が最も少なくなる経路を選ぶダイクストラ法及びA-Star法が知られている。検索結果は経路情報生成部13に送出される。
経路情報生成部13は経路情報を生成する。本実施形態の経路情報は検索結果に含まれるリンクを座標で表した座標点列である。すなわち、各リンクを一定間隔で緯度、経度の座標に変換し、出発地から目的地までの座標を移動する順番に配列した座標点列を経路情報とする。
案内情報生成部14は、経路の検索結果に基づいてユーザを誘導するための案内情報を生成する。案内情報とは案内ポイントと、各案内ポイントでユーザを経路に沿って移動させるための情報である。案内情報生成部14は、リンクとリンクのなす角を算出して、閾値以上の角度で進路を変更するノードを特定する。このノードの所定距離(例えば数km、数100m、数10m、直前等)手前が案内ポイント(位置)である。1つの進路変更機会に対しノードまでの距離に応じた複数の案内が行われることが多い。案内ポイントが右左折の場合は例えば「○メートル先、右折です。」などの音声メッセージ(音声データ又はテキストデータ)を設定する。大きな交差点では、3D表示のアニメーションが用意されており、案内情報では案内ポイントにアニメーション等が対応付けられる。なお、案内ポイントは、無案内区間が長時間にならないようにするための通過ノード(直進ノード)で設定される場合もある。ナビゲーション装置35は案内ポイントを使って音声や映像で経路を案内する。案内情報は地図データ提供部15に送出される。
地図データ提供部15は、最新地図データ7の描画用地図データ及び道路ネットワークデータを要求するための位置情報に対してはその位置の周辺の最新地図データ7を地図描画DB17と道路ネットワークDB18から取得する。また、経路情報(又は検索結果のいずれでもよい)に対しては、経路が通過する(経路情報のリンクが含まれる)全てのメッシュの最新地図データ7の描画用地図データ及び道路ネットワークデータを地図描画DB17と道路ネットワークDB18から取得する。最新地図データ7は経路情報と共にまとめて送信しても、ナビゲーション装置35から要求に応じて送信してもよい。
第2送信部16は、最新地図データ7(描画用地図データ及び道路ネットワークデータ)、経路情報、及び、案内情報をナビゲーション装置35に送信する。最新地図データ7の描画用地図データ及び経路情報を用いた電子地図の描画はナビゲーション装置35が行うため、最新地図データ7の描画用地図データ、経路情報、及び、案内情報は、ナビゲーション装置35が実行するためのプログラムコードとデータという形式である。一方、最新地図データ7の描画用地図データがラスターデータで提供される場合は、GIF、BMP、JPEGなどの画像データとプログラムコード(経路情報、及び、案内情報)が送信される。ナビゲーション装置35がブラウザアプリケーションを実行する場合、プログラムコードとしてはJavaScript(登録商標)が知られている。
<<ナビゲーション装置について>>
続いてナビゲーション装置35の機能又は手段について説明する。ナビゲーション装置35は、第1送信部41、情報要求部42、位置検出部43、操作受付部44、最新地図データ管理部45、第1受信部46、経路案内部47、ナビ画面描画部48、描画エリア49、経路検索部51、通信判断部52、基点設定部54及び表示処理部57を有している。これらは、図4(b)に示したCPU211がプログラム2102を実行してナビゲーション装置35のハードウェアと協働することで実現される機能又は手段である。これらの機能の一部又は全てがICなどのハードウェア回路により実現されてもよい。
また、ナビゲーション装置35は図4(b)に示した補助記憶装置217、ROM215又はRAM216により構築される記憶部60を有している。記憶部60には、最新地図データ記憶部55、及び、プリイン地図データ記憶部56が構築されている。最新地図データ記憶部55は、サーバ31から送信された最新地図データ7(描画用地図データ及び道路ネットワークデータ)を記憶する(キャッシュする)。どのメッシュの最新地図データ7(描画用地図データ及び道路ネットワークデータ)を記憶しているかは、過去に、ユーザがどのメッシュを表示装置213に表示させたか、又は、検索された経路情報がどのメッシュを通過するか等によって異なる。ただし、経路が通過するメッシュの全てが最新地図データ記憶部55に記憶されるとは限らない。これは、目的地まで検索したが実際には経路に沿って移動しなかった場合、ナビゲーション装置35が最新地図データ7(描画用地図データ及び道路ネットワークデータ)を受信していない場合があるためである。
プリイン地図データ記憶部56にはプリイン地図データ8が記憶されている。プリイン地図データ8は日本の全国を網羅した地図データである。例えば移動体9が移動する可能性がある場所であれば滅多に移動体9が移動しない場所であっても網羅されていることが好ましい。ただし、日本であれば地図データがない領域が全くないことまでは保証されなくてよい。プリイン地図データ8は、ナビゲーション装置35の出荷時に予めインストールされている。あるいは、少なくともユーザが使用を開始する時にインストールされる。また、プリインストールされているプリイン地図データ8の全体がディーラーなどで更新されてもよい。この場合は、インストール後の地図データがプリイン地図となる。なお、プリイン地図データ8の構造は最新地図データ7と同様でよい。
最新地図データ7のバージョンの方がプリイン地図データ8のバージョンよりも新しい場合が多いが、プリイン地図データ8がインストールされた直後は、最新地図データ7のバージョンとプリイン地図データ8のバージョンとが同じ場合もある。
(ナビゲーション装置の機能について)
続いて、ナビゲーション装置35が有する機能について説明する。第1送信部41は、サーバ31に位置情報、及び、経路検索要求など各種の要求を送信する。また第1受信部46は、サーバ31から最新地図データ7(描画用地図データ及び道路ネットワークデータ)、経路情報、及び、案内情報を受信する。情報要求部42は、位置検出部43、操作受付部44及びナビ画面描画部48からの要求に基づいて第1送信部41に位置情報(地図の要求)、及び、経路検索要求など各種の情報を送信させる。
操作受付部44は、ユーザから電子地図を表示させる操作を受け付け、また、経路検索のため少なくとも目的地の入力を受け付け、必要であれば現在地以外の出発地を受け付ける。また、経路案内の開始、リルートの指示、ナビ画面の拡大・縮尺の指示、及び、表示範囲変更などの指示を受け付ける。
位置検出部43は、例えばGPS受信装置219を利用して定期的に及びユーザの操作に応じて現在地を検出する。検出した現在地の位置情報は単独で又は経路検索要求と共に第1送信部41からサーバ31に送信される。また、位置検出部43が検出する位置情報は、ナビゲーション装置35の各機能が利用できる。例えば、経路案内部47及びナビ画面描画部48等が位置情報を利用する場合がある。
経路案内部47は、サーバ31から取得した経路情報と現在地とに基づいて経路案内を行う。すなわち、移動体9の現在地が経路情報に含まれる案内ポイントに到着すると、曲がり角などを指示する音声データを音声入出力装置218に出力させる。なお、音声データはサーバ31から送信されてもよいし、ナビゲーション装置35が案内用のテキストデータに基づいて音声合成をおこなって作成してもよい。また、経路案内部47は移動体9の現在地が経路情報に含まれる案内ポイントに到着すると、交差点の3D表示、交差点の拡大表示、及び、道路名などを表示する看板のアイコンを電子地図の一部に又は重畳して表示する。
通信判断部52は、以下のタイミングでナビゲーション装置35とサーバ31の通信状態を監視して、オンラインか又はオフラインかを判断する。
(i) IG-ON又はACC-ONなどナビゲーション装置35が電子地図の表示を開始するタイミング
(ii) 表示装置213が表示している電子地図の描画範囲が変更されるタイミング
(iii) オフラインの状態では定期的なタイミング
すなわち、最新地図データ7(描画用地図データ及び道路ネットワークデータ)が必要なタイミングで、オンライン又はオフラインかを判断する。また、オフラインの場合はプリイン地図が表示されているので、早期に最新地図を表示するため定期的にオンラインであるか又はオフラインであるかを判断する。
オンラインであるか又はオフラインであるかは、上記のように、サーバ31が送信する最新地図データ7(描画用地図データ及び道路ネットワークデータ)等を受信できる帯域が確保されているかどうかに基づいて判断すればよい。判断方法は様々であるが、例えば、一定量のデータの通信速度〔bps〕を測定したり、何らかの問い合わせに対し応答が戻るまでの時間を測定したりして閾値と比較する。通信判断部52は、オンラインかオフラインかを表示処理部57、経路検索部51、及び、ナビ画面描画部48に通知する。
最新地図データ管理部45は、第1受信部46が受信した最新地図データ(描画用地図データ及び道路ネットワークデータ)を記憶部60の最新地図データ記憶部55に記憶させる。なお、すでに最新地図データ記憶部55に記憶されている領域と同じ領域の地図描画用データが送信された場合、更新情報を比較して、更新情報が新しい場合に上書きしてもよい。道路ネットワークデータについても同様である。こうすることで、常に新しい最新地図データを保持できる。
経路検索部51は、オフラインである場合、経路検索要求に含まれる出発地から目的地までの経路を、プリイン地図データ8を用いて検索する。ただし、経路検索部51はオンラインである場合も、プリイン地図データ8を用いて経路を検索することが好ましい。これにより、オンラインからオフラインに切り替わっても、遅延なく経路を提供できる。経路情報はナビ画面描画部48に通知される。
また、経路検索部51は、オフラインの場合、最新地図データ7を利用できる場合には最新地図データ7を用いて経路検索する場合がある。詳細は後述されるが、基点設定部54が、プリイン地図データ8で検索された経路上に最新地図データ7があると判断し、更に、最新地図データ7とプリイン地図データ8のメッシュ境界の経路の座標位置から所定距離の範囲内で同一属性の道路を見つけることができた場合(以下、これを「オフラインで最新地図データ7を利用できる場合」という)、経路検索部51は最新地図データ7を用いて経路検索する。
ナビ画面描画部48は、オンラインの場合、サーバ31から受信した最新地図データ7のうち地図描画用データに基づいて電子地図を描画して描画エリア49のエリア1に書き込む。なお、描画エリア49とは描画用のメモリに相当し、電子地図が描画されるメモリをいう。描画エリア49は、最新地図データ7が描画されるエリア1と、プリイン地図データ8が描画されるエリア2に別れている。実際には例えばアドレスなどで区分けされている。
また、ナビ画面描画部48は経路情報に基づいて電子地図に目的地までの経路を描画する。経路が設定されていない場合は経路情報も受信されないので、経路は描画されない。最新地図データ7のうち道路ネットワークデータは自車位置のマップマッチングに使用される。
また、ナビ画面描画部48は、ユーザが電子地図を表示させたりナビゲーションを開始したりした場合、常に(オンラインでもオフラインでも)、プリイン地図データ記憶部56から読み出したプリイン地図データ8のうち地図描画用データに基づいて電子地図を描画して描画エリア49のエリア2に書き込む。また、経路情報に基づいて電子地図に目的地までの経路を描画する。プリイン地図データ8のうち道路ネットワークデータは更に自車位置のマップマッチングに使用される。
ただし、ナビ画面描画部48は、オフラインで最新地図データ7を利用できる場合、エリア1に最新地図データ7と経路を、エリア2にプリイン地図データ8を描画する。最新地図データ7が表示装置213の一部にしか表示されない状態では、ユーザにはエリア1とエリア2の地図が混在して見える。
表示処理部57は、オンラインの場合又はオフラインでもエリア1の最新地図がキャッシュされている場合、エリア1の最新地図を表示し、オフラインでかつエリア1の最新地図がキャッシュされていない場合、エリア2のプリイン地図を表示装置213に表示させる。したがって、オンラインではエリア1の最新地図が表示され、オフラインではエリア2のプリイン地図のみ、エリア1の地図のみ(表示装置213の全範囲が最新地図データ7の場合)、又は、エリア1とエリア2が混在した地図(表示装置213の一部にだけ最新地図データ7が表示される場合)が表示される。
なお、ナビ画面描画部48は、エリア1、2のいずれの場合も現在地を取得して現在地アイコンを電子地図に重畳して描画する。
経路検索部51の機能は経路検索部12と同様であるとする。経路検索部51はオフラインで最新地図データ7を利用できる場合は、最新地図データ7を用いて経路検索を行うことがあり、オフラインで最新地図データ7を利用できない場合はプリイン地図データ8を用いて経路検索を行う。
<動作手順>
以下では、いくつかのフェーズの動作手順を説明する。
<経路検索時の処理>
続いて、経路検索時の処理について説明する。説明の便宜上、本実施例の経路の検索方法を説明する前に、最新地図データ7を利用できる場合とできない場合の標準的な経路の検索方法を説明する。
図6は、経路検索におけるオンライン時とオフライン時のナビゲーション装置35の動作を説明する図の一例である。図6(a)はオンライン時のナビゲーション装置35の動作を示し、図6(b)はオフライン時のナビゲーション装置35の動作を示す。
オンラインの場合、ナビゲーション装置35はサーバ31から最新地図データ7の地図描画用データ及び道路ネットワークデータを取得するが、経路情報もサーバ31から取得できる。仮にナビゲーション装置35が経路検索を行うとすると、出発地から目的地までの広範囲な最新地図データ7の地図描画用データ及び道路ネットワークデータを、検索前にサーバ31から取得する必要があり通信負荷が大きくなってしまう。
また、ナビゲーション装置35は、経路情報に基づいて経路が通過するメッシュの最新地図データ7の地図描画用データ及び道路ネットワークデータを適宜、取得する。適宜、取得するとは、経路情報に続いて取得してもよいし、移動体9が移動するにつれて、順次、通過するメッシュの最新地図データ7の地図描画用データ及び道路ネットワークデータを取得してもよいことをいう。例えば、通信負荷が低下しているタイミングで取得してもよい。
オフラインの場合、ナビゲーション装置35はサーバ31から最新地図データ7の地図描画用データ及び道路ネットワークデータを取得できないし、経路情報もサーバ31から取得できない。このため、ナビゲーション装置35がプリイン地図データ8を使って経路検索を行う。したがって、オフラインの場合、サーバ31と通信しないナビゲーション装置35となるだけであり、プリイン地図に基づいてナビゲーションすることができる。
図7は、ユーザが経路検索した際のナビゲーション装置35の動作を示すフローチャート図の一例である。
まず、ナビゲーション装置35の操作受付部44は出発地と目的地とを含む経路検索操作を受け付ける(S301)。
経路検索をサーバ31とナビゲーション装置35のどちらで行うかを判断するため、通信判断部52がオンラインか否かを判断する(S302)。
まず、オンラインの場合(S302のYes)、情報要求部42が第1送信部41を介して出発地と目的地とを含む経路検索要求をサーバ31に送信し、第1受信部46がサーバ31から経路情報と案内情報を取得する(S303)。
次に、ナビ画面描画部48は経路情報を取得したので情報要求部42に対し少なくとも出発地周辺の最新地図データの地図描画用データ及び道路ネットワークデータをサーバ31に要求する(S304)。地図データ提供部15は経路情報を含む領域+バッファ(表示範囲の周囲の所定範囲)に対応するメッシュを特定して、経路が通過する全てのメッシュの最新地図データの地図描画用データ及び道路ネットワークデータを取得する。また、経路情報と共に最新地図データが自動的に送信されてもよい。
なお、図7の説明では、経路情報、最新地図データの地図描画用データが別々に送信されているが、経路情報と最新地図データの地図描画用データは例えばステップS303でまとめて送信されてもよい。
次に、ナビ画面描画部48は最新地図データの地図描画用データに基づく最新地図をエリア1に描画し、表示処理部57が最新地図を表示装置213に表示する(S305)。すなわち、オンラインであるため、ナビ画面描画部48はエリア1に最新地図を描画する。これにより、最新地図が表示装置213に表示される。
また、ナビ画面描画部48はエリア1の最新地図に経路を描画することで、経路も表示装置213に表示させる(S306)。このように、最新地図に最新地図で検索された経路を表示できる。
次に、ナビゲーション装置35のナビ画面描画部48はプリイン地図データ8に基づくプリイン地図をエリア2に描画する(S307)。オンラインであっても、ナビ画面描画部48は常に、エリア2にプリイン地図を描画するためである。これにより、オフラインになった場合、最新地図データ7からプリイン地図データ8に遅延なく切り替えて表示することができる。
オフラインの場合(S302のNo)、経路検索部51はプリイン地図データ8を用いて経路検索する(S308)。
次に、ナビ画面描画部48はプリイン地図データに基づくプリイン地図をエリア2に描画し、表示処理部57がプリイン地図を表示装置213に表示させる(S309)。すなわち、オフラインであるため、ナビ画面描画部48はエリア2にプリイン地図を描画する。これにより、プリイン地図が表示装置213に表示される。
また、ナビ画面描画部48はエリア2のプリイン地図に経路を描画することで、経路も表示装置213に表示させる(S310)。このように、プリイン地図にプリイン地図データ8で検索された経路を表示できる。
<オフラインで最新地図データを利用できる場合>
続いて、図8~図10を用いてオフラインで最新地図データ7を利用できる場合について説明する。
<<経路上に最新地図データがあるか否かの判断>>
まず、図8を用いて、プリイン地図データ8で検索された経路上に最新地図データ7があるか否かの判断について説明する。図8は、プリイン地図データ8で検索された経路6上に最新地図データ7があるか否かの判断例を説明する図である。
まず、経路情報は座標点列であるものとする。この座標点列はプリイン地図データ8の道路ネットワークデータから生成されている。つまり、座標点列はプリイン地図データ8の道路に正確に重なる。一方、最新地図データ7では道路ネットワークがプリイン地図データ8と異なっている可能性があるため、座標点列が最新地図データ7の道路と正確に重なるとは限らない。
経路上に最新地図データ7があるか否かの判断において、基点設定部54は、最新地図データ記憶部55に記憶されている地図描画用データのメッシュに座標点列が含まれるかどうかを判断する。全ての座標点列ごとに判断することが好ましいが、一定間隔でサンプリングした座標点列で判断してもよい。なお、表1に示したように、地図描画用データにメッシュの領域が含まれているため、容易に比較できる(地図描画用データがキャッシュされている場合は道路ネットワークデータもキャッシュされている)。こうすることで、経路上の最新地図データ7の全てのメッシュを特定できる。
図8(a)では出発地の周辺を含む経路6の前半部に最新地図データ7が存在し、図8(b)では目的地の周辺を含む経路6の後半部に最新地図データ7が存在する。このように十分な数のメッシュが経路6上に存在する場合、基点設定部54は最新地図データ記憶部55に記憶されている地図描画用データのメッシュに座標点列が含まれるかどうかを判断する。経路上に存在する最新地図データ7の道路ネットワークは、表2から、座標点列が含まれる地図描画用データのメッシュに含まれるノードを特定し、そのノードを始点ノード又は終点ノードとするリンクを最新地図データ記憶部55から取得することで得られる。
これに対し、図8(c)では経路6上に1つのメッシュしか存在しない。確かに、経路6上に最新地図データ7が存在するが、1つのメッシュだけを検索する有効性はそれほど大きくないと考えられる。このため、経路6上の最新地図データ7のメッシュの数が少ない場合、基点設定部54は、経路6上に最新地図データ7が存在しないと判断してよい。あるいは、メッシュが連続して閾値以上の数、存在することを条件としてもよい。ただし、経路6上のメッシュが1つしかなくても、経路6上に最新地図データ7が存在すると判断してよい。
図8(d)~図8(f)は経路上に最新地図データ7が存在する場合のいくつかのバリエーションを示す。図8(d)では出発地と目的地の周辺に最新地図データ7がなく、経路6の中央付近に最新地図データ7がある。図8(e)では出発地と目的地の周辺にそれぞれ最新地図データ7がある。図8(f)では出発地と目的地の周辺と中央付近にそれぞれ最新地図データ7がある。本実施形態のナビゲーション装置35はいずれのバリエーションにも対応できる。
<<最新地図データとプリイン地図データの境界の同一属性の道路>>
次に、図9を用いて、基点の設定方法について説明する。最新地図データ7とプリイン地図データ8の境界に基点が設定され、この基点と同一属性の道路を最新地図データ7から特定する。図9は、最新地図データ7とプリイン地図データ8の境界における経路6と経路6に相当する道路(リンク)の一例を示す図である。本実施例ではプリイン地図データ8に基づく経路6が検索されている。
図9(a)では、最新地図データ7とプリイン地図データ8の境界のメッシュの道路303,304に変更がなく、最新地図データ7のメッシュの道路304とプリイン地図データ8のメッシュの道路303が直線上に接続されている。すなわち、不整合がない。このため、境界を基点301とすると、経路6上の道路304(基点301と同じ道路属性のリンク)が最新地図データ7から見つかる。つまり、経路6の座標点列が道路304と一致する。不整合がないため、プリイン地図データ8の基点301aと、最新地図データ7の基点301bが一致する。
これに対し、図9(b)では、最新地図データ7の道路304に変更があり、最新地図データ7の側の道路とプリイン地図データ8の側の道路303が直線上に接続されていない。すなわち、不整合がある。このため、経路6上に道路304(基点301aと同じ道路属性のリンク)が見つからない。この場合、最新地図データ7とプリイン地図データ8の境界における経路6の座標を基点301aとして、基点301aから所定距離内で同一属性の道路304を最新地図データ7から探す。最新地図データ7とプリイン地図データ8の境界における道路304の座標を基点301bとする。
以上のように、基点設定部54は、経路6上の道路304又は基点301aから所定距離内で同一属性の道路304を特定する。そして、道路304の基点301bを起点に最新地図データ7を検索する。
基点301bの座標位置と道路304のリンクとを繋ぐ方法について説明する。この方法は、例えば、車庫などの出発地から目的地を検索する通常の検索と同様である。検索により、出発地の座標位置と、出発地の座標位置から最も近いリンクとが接続される。経路検索部51は基点301bの座標位置から最も近いリンク又は基点301bの座標位置から所定距離の範囲内に位置するリンクを特定し、そのリンクを経由する経路を探索する。
本実施例ではこのように基点301bから目的地を検索すればよいため、プリイン地図データ8のノードと最新地図データ7のノードとを接続する処理は不要になる。
<プリイン地図データと同じ道路を特定する手順>
以上のようにして、プリイン地図データ8で検索された経路に相当する道路と同じ道路を最新地図データ7から特定できた場合、ナビゲーション装置35はオフラインでも最新地図データ7を利用して経路検索することができる。
図10は、オフラインで最新地図データ7を利用できる場合に、最新地図データ7を利用して経路検索する手順を示すフローチャート図の一例である。なお、ステップS401~S404については、図7のステップS301~S308と同様でよい。
経路検索部51が経路検索を行うと(S404)、基点設定部54が経路上に最新地図データ7があるか否かを判断する(S405)。
ステップS405の判断がNoの場合、最新地図データ7を利用できないので処理はステップS419、S420に進む。ステップS419、S420の処理は図7のステップS309、S310と同じである。
ステップS405の判断がYesの場合、基点設定部54は、最新地図データ7とプリイン地図データ8の境界における経路6の座標と、この座標のプリイン地図データ8における経路6の道路属性をプリイン地図データ記憶部56から取得する(S406)。例えば、経路が座標点列であるとすると、経路に沿って最新地図データ7があると最初に判断された最新地図データ7とプリイン地図データ8の境界における経路の座標、又は、経路に沿って最新地図データ7がないと最初に判断された最新地図データ7とプリイン地図データ8の境界における経路の座標を特定する。この座標があるリンク又はほぼ一致するノードをプリイン地図データ記憶部56から取得する。また、このリンクの道路種別をリンクテーブルから取得する。なお、経路情報がリンクのリストで与えられている場合は、最新地図データ7とプリイン地図データ8の境界に接するリンクを特定すればよい。
次に、基点設定部54は、最新地図データ7において、経路6と同じ属性の道路がステップS406で取得した座標から所定距離内にあるか否かを判断する(S407)。例えば、図9(a)、(b)を例にすると、基点301aの座標地点から所定距離内に、経路6の道路属性(道路303の道路属性)と同じ道路属性の道路304が最新地図データ7にあると判断する。
ステップS407の判断がYesの場合、基点設定部54は、双方の地図の境界と道路304が交差する座標地点を、最新地図データ7とプリイン地図データ8それぞれの経路検索の基点に設定する(S408)。例えば、図9の場合は、基点301aをプリイン地図データ8の基点に、基点301bを最新地図データ7の基点に設定する。
次に、経路検索部51は最新地図データ7側に設定した基点を使って最新地図データ7の経路を探索する(S409)。
経路検索部51は、ステップS408で設定した基点を経由地として、経路6とステップS409で検索した経路とをつなげて図8に示す最新経路を取得する(S410)。
ナビ画面描画部48は、プリイン地図及び/又は最新地図を表示する(S411)。「及び/又は」としたのは、表示装置にプリイン地図だけが表示される場合、最新地図だけが表示される場合、及び、プリイン地図及び最新地図の双方が表示される場合があるためである。
ナビ画面描画部48は、ステップS411で表示した地図上に、ステップS410で取得した最新経路を表示する(S412)。
ステップS407の判断がNoの場合、基点設定部54は、最新地図データ7に存在する全ての道路属性を参照しても、経路6につながるリンクを最新地図データ7から取得できないので、経路6を使わず新たな経路が検索される。
基点設定部54は、最新地図データ7及びプリイン地図データ8を参照し、経路6と重なった境界部分で、最新地図データ7側とプリイン地図データ8側との双方につながる道路属性のリンク(双方の道路属性が同じリンク)を探索する(S413)。
次に、基点設定部54は、ステップS413においてつながる道路属性のリンクがあった場合に、境界と最新地図データ7側のリンクとが重なる座標地点を最新地図データ7の経路検索の基点に設定し、境界とプリイン地図データ8側のリンクとが重なる座標地点をプリイン地図データ8の経路検索の基点に設定する(S414)。例えば、図15(a)、(b)を流用して説明すると、境界部分で双方につながる道路属性の道路303、304が探索されたとする。この場合、境界と最新地図データ7側の道路304が重なる座標地点302bを最新地図データ7の経路検索の基点に設定し、境界とプリイン地図データ8側の道路303が重なる座標地点302aをプリイン地図データ8の経路検索の基点に設定する。
経路検索部51は、最新地図データ7側に設定した基点を使って最新地図データ7の経路を探索し、プリイン地図データ8側に設定した基点を使ってプリイン地図データ8の経路を探索する(S415)。
経路検索部51は、ステップS415で検索した双方の経路を、ステップS414で設定した基点を経由地としてつなげて最新経路を取得する(S416)。
ステップS417、S418はステップS411、S412と同様でよい。
<<経路の例>>
図8を参照して経路の検索例について説明する。
図8(a)のように経路6上に最新地図データ7が存在する場合、経路検索部51は、最新地図データ7の基点330から出発地Sまでの経路(第1の経路)を、最新地図データ7で検索する。なお、基点330から目的地Gまでの経路(第3の経路)はプリイン地図データ8で検索されているため、経路検索は必要ない。経路検索部51は、最新地図データ7で検索された出発地Sまでの間の経路5と、プリイン地図データ8で検索された基点330と目的地Gとの間の経路6とを接続して出発地から前記目的地までの経路とする。
図8(b)のように経路6上に最新地図データ7が存在する場合、経路検索部51は最新地図データ7の基点331と目的地Gまでの経路(第1の経路)を、最新地図データ7で検索する。基点331から出発地Sまでの経路(第3の経路)はすでにプリイン地図データ8で検索されているため、経路検索は必要ない。経路検索部51は、最新地図データ7で検索された基点から目的地Gまでの間の経路5と、プリイン地図データ8で検索された基点331と出発地Sとの間の経路6とを接続して出発地から前記目的地までの経路とする。
図8(d)のように経路6上に島状の最新地図データ7が存在する場合、経路検索部51は最新地図データ7の基点332と基点333の間の経路5(第2の経路)を最新地図データ7で検索する。基点332から出発地Sと基点333から目的地Gまでの経路6(それぞれ第3の経路A,第3の経路Bに相当)はプリイン地図データ8で検索されているため、経路検索は必要ない。経路検索部51は、プリイン地図データ8で検索された基点332と出発地Sとの間の経路6と、最新地図データ7で検索された基点332と基点333の間の経路5と、プリイン地図データ8で検索された基点333と目的地Gとの間の経路6とを接続して出発地から前記目的地までの経路とする。
図8(e)のように経路6上に最新地図データ7が存在する場合、経路検索部51は最新地図データ7の基点334から出発地までの経路5(第1の経路A)と、最新地図データ7の基点335から目的地Gまでの経路5を、最新地図データ7でそれぞれ検索する。基点334から基点335の間の経路6(第4の経路)はプリイン地図データ8で検索されているため、経路検索は必要ない。経路検索部51は、最新地図データ7で検索された基点334と出発地Sとの間の経路5と、基点334と基点335との間の経路6と、最新地図データ7で検索された基点335と目的地Gとの間の経路5(第1の経路B)とを接続して出発地から目的地までの経路とする。
図8(f)のように最新地図データ7が存在する場合、図8(d)と(e)の組み合わせである。経路検索部51は、最新地図データ7の基点334と出発地Sとの間の経路5と、基点334と基点332との間の経路6と、最新地図データ7の基点332と基点333の間の経路5と、基点333と基点335との間の経路6と、最新地図データ7の基点335と目的地Gとの間の経路5とを接続して出発地から前記目的地までの経路とする。
なお、上記ではプリイン地図データ8の検索は必要ないと説明したが、改めて経路検索してもよい。
<電子地図の表示例>
図11は、表示装置が表示する電子地図における経路の表示例を示す図である。上記のように、最新地図データ7に基づく最新地図と経路はエリア1に描画され、プリイン地図データ8に基づくプリイン地図と経路はエリア2に描画される。
オフラインの場合、ナビ画面描画部48はエリア1に最新地図を描画しないと説明したが、基点設定部54がオフラインで最新地図データ7を利用できると判断した場合、例外的に、ナビ画面描画部48はエリア1に最新地図を描画する。当然ながら、最新地図データ記憶部55に表示装置213の表示範囲の最新地図データ7が記憶されている場合だけ表示すればよい。
また、オフラインで、表示装置213が表示する最新地図データ7が最新地図データ記憶部55に記憶されていない場合、エリア2のプリイン地図が表示されるため、ユーザはプリイン地図と経路を利用できる。この場合、エリア1には何も描画されていない。
なお、表示装置213の表示範囲の一部の最新地図データしかキャッシュされていない場合、最新地図データがキャッシュされていないものとみなす。
<まとめ>
以上説明したように、本実施形態のナビゲーション装置35は、オフラインであっても、サーバから取得しておいた最新地図データ7を利用できる範囲で有効に活用することができる。ユーザとしては経路の一部でも最新地図データ7で検索された経路で走行することができ、移動時間を短縮することなどが期待される。
実施例2では、最新地図データ7で出発地から目的地まで経路検索できない場合は、プリイン地図データ8で検索された経路が利用されていた。しかし、最新地図データ7が一部でも利用できる場合は、プリイン地図データ8で検索された経路が最適であるとは限らない。本実施例では、最新地図データ7で出発地から目的地まで経路検索できない場合、最新地図データ7とプリイン地図データ8のそれぞれから経路を検索して出発地から目的地までの最適な経路を求めるナビゲーション装置35について説明する。
まず、図14を用いて本実施形態のナビゲーション装置35が行う経路検索について説明する。図14に示すように最新地図データ7で出発地から目的地まで経路検索できない。この場合、ナビゲーション装置35は所定の方法で最新地図データ7とプリイン地図データ8の境界で基点A及びCを設定する。
より詳細には出発地から目的地までの最適な経路が得られるように基点A及びCが設定される。本実施例では、プリイン地図データ8に基づいて経路が検索されていないので、最新地図データ7とプリイン地図データ8の境界にあるリンクの数だけ基点が設定されうる。そこで、本実施例では総当たり方式で基点A、Cを決定する。詳細は後述する。図14(a)では、参考に、総当たり方式で決定された基点A、Cを示した。
本実施例では、基点A、Cが決定されると最適な経路も決定される。したがって、図14(b)では、出発地Sから基点Aの経路、基点Aから基点Cの経路、基点Cから目的地Gの経路を接続して、出発地から目的地までの経路とする。
以上の処理により、最新地図データ7で出発地から目的地まで経路検索できない場合に、最新地図データ7とプリイン地図データ8の両方を検索して最適な経路を求めることができる。
<基点の決定方法>
図15を用いて基点の決定方法を説明する。図15は最新地図データ7とプリイン地図データ8の境界を通過する道路を示す図である。本実施例ではまだ経路6が設定されていない。図15(a)では、最新地図データ7とプリイン地図データ8の境界における、最新地図データ7の側の道路304とプリイン地図データ8の側の境界の道路303とがほぼ一致している。また、基点設定部54は、道路303と一致する道路304が存在するため、基点301を基点の候補に設定する。すなわち、本実施例ではまず、基点の候補を設定する。
また、図15(b)では、最新地図データ7の側の道路304と、プリイン地図データ8の側の道路303に不整合がある。しかし、基点の候補(すなわち境界)から所定距離内にあり、かつ、道路303と道路304の道路種別が同じであれば、道路304をリンクの候補に決定できる。
なお、可能な限り高い(粗い)階層で基点の候補を決定することが好ましい。これは、高い(粗い)階層のリンクは数が少ないため基点を絞れるし、遠方にも存在する可能性があるため経路検索に有利だからである。したがって、最も高い(粗い)階層のリンクで所定距離内の同じ道路種別のリンクを見つけることが好ましい。
<基点の決定方法>
図16は、基点A~Dの決定方法を説明する図の一例である。図15で説明したように最新地図データ7とプリイン地図データ8の境界に基点の候補が設定される。図16(a)ではa~d、e~hを基点の候補とする。最新地図データ7では基点の候補a~d、e~hが特定されている。図16(a)では最新地図データ7の一部の基点の候補が省略されているが実際には全体に基点の候補が設定されうる。
本実施例ではまだ経路が設定されていないので、基点の候補a~dのうちどれが最適か、基点の候補e~fのうちどれ最適か分からない。そこで、基点設定部54は総当たり方式で最適な基点を設定する。以下の手順は一例である。
(i) 最新地図データ7の基点の候補a~dから出発地までの経路を最新地図データ7で検索する。
(ii) 最新地図データ7の基点の候補e~hから目的地までの経路を最新地図データ7で検索する。
(iii) 基点の候補aと基点の候補e~hの経路をプリイン地図データ8で検索する。基点の候補b~dについても同様に基点の候補e~hとの経路をプリイン地図データ8で検索する。すなわち、総当たりで検索する。
(iv) 出発地から目的地までの全ての経路の組み合わせを評価する。例えば、すでに各経路のコスト(移動時間などから求められた移動のしやすさ)は算出済みなのでコストを合計すればよい。例えば、出発地と基点の候補aの経路、基点の候補aと基点の候補e~hのいずれかの経路、基点の候補e~hのいずれかと目的地の間の経路のコストを合計する。
(v) 最もコストが少ない組み合わせとなる複数の経路が接続された経路を出発地から目的地までの経路とする。
こうすることで、総当たり方式で最適な経路を決定でき、最適な経路が通過する基点が求める基点A、Cである。したがって、最もコストが少ない組み合わせとなる複数の経路が接続された経路には例えば実施例1のプリイン地図データのみで求められた経路と同等以上に移動時間が短い経路が含まれていると期待できる。
なお、本実施例で、最新地図データ7とプリイン地図データの配置のバリエーションは図8と同様になる。図8(d)(f)に示したように、最新地図データ7がプリイン地図データ8に対し島状に存在する場合があり、この場合は、図16(b)に示すように最新地図データ7の周囲の全体に基点が生じうる。この場合は、全ての組み合わせで経路を検索すればよい。図16(b)の例では、基点設定部54はa~lの基点の候補から2つを取り出し、経路検索部51は組み合わせの全てで経路を検索する。例えば、N個の基点の候補がある場合、N(N-1)/2の経路を検索する。基点設定部54はこれらの経路とプリイン地図データ8の側の経路とを接続して経路の組み合わせを評価する。
図8を用いて説明する。なお、経路6は設定されていない。
図8(a)のように最新地図データ7が存在する場合、経路検索部51は、最新地図データ7とプリイン地図データ8の境界にある全ての基点330の候補から出発地Sまでの経路を最新地図データ7で検索する。全ての基点330の候補と目的地Gまでの経路をプリイン地図データ8で検索する。最新地図データ7の側の経路とプリイン地図データ8の側の経路の組み合わせから最適な経路となる経路を特定し、その経路から基点が決まる。図8(b)については図8(a)とほぼ同様でよい。
図8(d)のように最新地図データ7が存在する場合、経路検索部51は、最新地図データ7とプリイン地図データ8の境界の基点332、333の候補の間の経路を最新地図データ7で検索する。最新地図データ7とプリイン地図データ8の境界の基点332の候補と出発地、基点333の候補と目的地の間の経路をプリイン地図データ8で検索する。出発地から最新地図データ7までの経路、最新地図データ7内の経路、及び、最新地図データ7から目的地までの経路、の組み合わせから最適な経路となる経路を特定し、その経路から基点が決まる。
図8(e)のように最新地図データ7が存在する場合、経路検索部51は、基点334の全ての候補から出発地Sまでの経路を最新地図データ7で検索する。基点334の全ての候補(出発地側)と、基点335の全ての候補(目的地側)との間の経路をプリイン地図データ8で検索する。基点335の全て候補から目的地Gまでの経路を最新地図データ7で検索する。出発地側の最新地図データ7の側の経路、プリイン地図データ8の経路、及び、目的地側の最新地図データ7の側の経路の組み合わせから、最適な経路となる経路を特定し、その経路から基点が決まる。図8(f)については図8(d)(e)とほぼ同様でよい。
<動作手順>
図17は、本実施例のナビゲーション装置35の動作を説明するフローチャート図の一例である。
経路検索部51は、最新地図データ7で出発地から目的地まで経路検索できるか否かを判断する(S601)。
ステップS601の判断がYesの場合、ナビ画面描画部48は最新地図データ7を表示装置213に表示する(S602)。
ステップS601の判断がNoの場合、ナビ画面描画部48は検索モードの選択画面を表示する(S603)。検索モードの選択画面は最新地図データ7をどのように利用するかをユーザが選択する画面である。一例を図18に示す。
検索モードの選択画面により、ユーザは、プリイン地図データ8をベースに最新地図データ7を可能な限り利用(実施例1)、プリイン地図データ8と最新地図データ7を組み合わせて最適な経路を検索(実施例3)又はプリイン地図データ8のみ利用する、のいずれかを選択する。
操作受付部44が最新地図データ7を可能な限り利用するという選択を受け付けた場合、ナビゲーション装置35は実施例1で説明した、プリイン地図データ8をベースに最新地図データ7を可能な限り利用する処理を行う(S605)。
操作受付部44がプリイン地図データ8と最新地図データ7を組み合わせて最適な経路を検索するという選択を受け付けた場合、ナビゲーション装置35は本実施例で説明した処理を行う(S606)。
操作受付部がプリイン地図データ8のみ利用するという選択を受け付けた場合、ナビゲーション装置35はプリイン地図データ8のみで経路検索を行う(S607)。
こうすることで、ユーザは自分の好みの検索モードで経路検索でき、また、プリイン地図データ8と最新地図データ7を組み合わせて最適な経路を検索するという選択を受け付けた場合には、プリイン地図データ8と最新地図データ7を組み合わせて最適な経路を検索できる。
図18は、検索モードの選択画面の一例を示す。検索モードの選択画面401は「プリイン地図データをベースに最新地図データを可能な限り利用」ボタン402、「プリイン地図データ8と最新地図データ7を組み合わせて最適な経路を検索」ボタン403、及び、「プリイン地図データ8のみで経路検索」ボタン404を有する。ユーザは自分の好みの検索モードを選択できる。
<まとめ>
以上のように、本実施例のナビゲーション装置35は、最新地図データ7で出発地から目的地まで経路検索できない場合、最新地図データ7とプリイン地図データ8のそれぞれから経路を検索して出発地から目的地までの最適な経路を求めることができる。
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、図5などの構成例は、サーバ31とナビゲーション装置35による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。サーバ31及びナビゲーション装置35の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
なお、プリイン地図データ記憶部56は第2の地図データ記憶手段の一例であり、最新地図データ記憶部55は第1の地図データ記憶手段の一例であり、プリイン地図は第2の地図の一例であり、最新地図は第1の地図の一例であり、通信判断部52は通信判断手段の一例であり、基点設定部54は基点設定手段の一例であり、経路検索部51は経路検索手段の一例である。最新地図データ管理部45は地図データ取得手段の一例であり、表示装置213は表示手段の一例である。描画エリア49のエリア1は第1の描画エリアの一例であり、描画エリア49のエリア2は第2の描画エリアの一例である。ナビ画面描画部48は地図描画手段の一例であり、表示処理部57は表示処理手段の一例である。