JP7087864B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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この明細書における開示は、電力変換装置に関する。
特許文献1には、電力変換装置が開示されている。電力変換装置は、直流電源と負荷との間で直流電力変換を行うコンバータを構成する。電力変換回路は、コンバータの上下アーム回路を構成する素子を備えた半導体モジュールと、コンデンサ素子と、正極バスバーと、負極バスバーを有している。正極バスバーには、コンデンサ素子の正極と、上下アーム回路の高電位側の主端子が接続されている。負極バスバーには、コンデンサ素子の負極と、上下アーム回路の低電位側の主端子が接続されている。
特開2017-93272号公報
燃料電池、リチウムイオン電池などの直流電源において、直流電源の電圧を低くし、電流を大きくすることで、所定の電力を確保しつつ直流電源の体格を小型化することができる。このような直流電源には、複数のコンバータが並列接続された多相コンバータが採用される。各相のコンバータを、位相をずらして駆動、すなわちインターリーブ駆動させることにより、直流電源の電流を大きくしてもコンデンサ素子に流れるリプル電流を低減することができる。
しかしながら、多相コンバータを構成する電力変換装置においては、負極バスバーの発熱が問題となる。たとえば多相コンバータが直流電源の出力電圧を昇圧する場合、下アーム側のスイッチング素子のオン時には、正極バスバー及び負極バスバーのうち、負極バスバーに電流が流れる。一方、下アーム側のスイッチング素子のオフ時には、正極バスバーからコンデンサ素子を介して負極バスバーに電流が流れる。よって、スイッチングの一周期において負極バスバーのほうが発熱量が大きい。
本開示はこのような課題に鑑みてなされたものであり、目的のひとつは、多相コンバータを構成する電力変換装置において、負極バスバーを効果的に冷却することにある。
本開示は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、技術的範囲を限定するものではない。
本開示のひとつである電力変換装置は、
上下アーム回路(33)及びリアクトル(32)を有する複数の電力変換回路(31)が並列接続された多相コンバータ(30)を構成する電力変換装置であって、
多相コンバータは、直流電源(20)と負荷(50,60)との間で直流電力変換を行うものであり、
上下アーム回路を構成する素子としてのスイッチング素子(Q1,Q2)及びスイッチング素子に直列接続された整流素子(D1,D2)と、上下アーム回路に接続された高電位側の第1主端子(331c)と、上下アーム回路に接続された低電位側の第2主端子(332e)と、をそれぞれ有する複数の半導体モジュール(330)と、
正極及び負極を有するコンデンサ素子(41)と、
負荷側の端子部(44b)を有し、第1主端子のそれぞれ及び正極が接続された正極バスバー(44,720)と、
直流電源側の端子部(730b)と、負荷側の端子部(45b)を有し、第2主端子のそれぞれ及び負極が接続された負極バスバー(45,730)と、
コンデンサ素子、正極バスバーの一部、及び負極バスバーの一部を収容する金属製の収容部(42a,92)と、を備え、
負極バスバーと収容部を構成する壁部との対向面積が、正極バスバーと収容部を構成する壁部との対向面積よりも大きくされており、
半導体モジュールを冷却する冷却器(100)をさらに備え、
収容部を構成し、負極バスバーが対向する壁部(93b)に、冷却器が接続されている。
この電力変換装置によれば、発熱量が大きい負極バスバーのほうが、正極バスバーよりも金属製の収容部との対向面積が大きいため、負極バスバーの熱を収容部に伝達させやすい。よって、収容部により、負極バスバーを効果的に冷却することができる。
第1実施形態の電力変換装置が適用される駆動システムを示す等価回路図である。 電力変換装置を示す平面図である。 コンデンサ素子の周辺を拡大した平面図である。 図2のIV-IV線に沿う断面図である。 第1変形例を示す断面図である。 第2変形例を示す断面図である。 第2実施形態において、収容部周辺を示す平面図である。 第3変形例を示す断面図である。 第4実施形態において、収容部周辺を示す平面図である。 図9のX-X線に沿う断面図である。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的に及び/又は構造的に対応する部分には同一の参照符号を付与する。以下において、複数の半導体モジュールの並び方向をX方向、X方向に直交し、半導体モジュールにおける主端子の突出方向をZ方向、X方向及びZ方向の両方向に直交する方向をY方向と示す。また、特に断りのない限り、XY平面に沿う平面形状を単に平面形状として示す。
(第1実施形態)
本実施形態の電力変換装置は、たとえば燃料電池車(FCV)、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)などの車両に適用可能である。以下では、燃料電池車に適用される例について説明する。
<駆動システム>
先ず、図1に基づき、電力変換装置が適用される駆動システムの概略構成について説明する。
図1に示すように、車両の駆動システム10は、直流電源である燃料電池20と、多相コンバータ30と、コンデンサ40と、インバータ50と、モータ60を備えている。インバータ50及びモータ60が、多相コンバータ30が直流電源との間で直流電力変換を行う負荷に相当する。
燃料電池20は、燃料ガスである水素と酸化ガスである酸素との電気化学反応にともなって生じる電気を発電電力として出力する発電装置である。燃料電池20は、図示しないが、複数の燃料電池セルを積層した燃料電池スタックを備えている。図示しない制御装置からの制御信号に応じて燃料ガスの供給量や酸化ガスの供給量を変えることにより、燃料電池20は所望の電力を発電することが可能である。良く知られているように、燃料電池は、与える燃料の量に応じて出力電流と出力電圧が大きく変化する。すなわち、燃料電池は、与える燃料の量によって出力が大きく変化する。一般に、後述する電力変換回路(コンバータ)は、変換効率のよい入力電力の範囲が決まっており、適切な入力電力の範囲を外れると変換効率が低下する。このため、燃料電池の電圧変換には多相コンバータ30が適している。
多相コンバータ30は、昇圧コンバータとして構成されている。多相コンバータ30は、燃料電池20の出力電圧(たとえば200~300[V])を、モータ駆動に適した電圧(たとえば650[V])に昇圧する。多相コンバータ30は、燃料電池20とインバータ50との間に設けられ、直流電力変換を行う。
多相コンバータ30は、U相のコンバータ31、V相のコンバータ31、W相のコンバータ31、及びX相のコンバータ31を有している。そして、4つのコンバータ31(電力変換回路)が互いに並列接続されて、多相コンバータ30が構成されている。図1に示すように、各相のコンバータ31は、互いに同じ構成となっている。コンバータ31は、リアクトル32と、上下アーム回路33を有している。
リアクトル32は、一端がVLライン70を介して燃料電池20の正極に接続され、他端がILライン71を介して、上下アーム回路33における上アームと下アームとの接続点に接続されている。
上下アーム回路33は、スイッチング素子と整流素子とが直列接続されてなる。昇圧回路を構成するコンバータ31において、上アームに整流素子、下アームにスイッチング素子が配置されている。本実施形態では、上下アーム回路33の上アームを構成する整流素子としてダイオードを採用している。上アームは2つのダイオードD1,D2が並列接続されてなる。なお、整流素子としては、IGBTやMOSFETなどのスイッチング素子を採用することもできる。すなわち、ダイオード整流方式に代えて、同期整流方式を採用することもできる。また、上下アーム回路33の下アームを構成するスイッチング素子として、IGBTを採用している。下アームが2つのIGBTQ1,Q2が並列接続されてなる。IGBTQ1,Q2には、還流ダイオードD3,D4が逆並列に接続されている。なお、スイッチング素子としては、IGBTに代えて、MOSFETなどを採用することもできる。
上アームを構成するダイオードD1,D2のカソードは、VHライン72に接続されている。下アームを構成するIGBTQ1,Q2のエミッタは、Nライン73に接続されている。そして、ダイオードD1,D2のアノードとIGBTQ1,Q2のコレクタが接続されている。なお、VLライン70、VHライン72、及びNライン73は電力ラインである。Nライン73は、燃料電池20の負極に接続された低電位側の電力ラインであり、VLライン70及びVHライン72は、高電位側の電力ラインである。
電圧変換ロスを小さくするために、燃料電池20の出力電力(供給電力)に応じて、駆動するコンバータ31の数が決定される。出力電圧が高いほど、駆動する相数が増える。多相コンバータ30は、コンバータ31の1相のみを駆動させる1相駆動、2相を駆動させる2相駆動、3相を駆動させる3相駆動、4相すべてを駆動させる4相駆動を、出力電圧に応じて切り替えることができる。多相コンバータ30は、N個(Nは1以上4以下の整数)のコンバータ31を駆動させる場合、各コンバータ31の位相を360度/Nだけずらして駆動させる。なお、N=1の場合は、位相差は定義できないので、位相をずらすことは行われない。多相コンバータ30は、図示しない制御装置からの制御信号に応じて、上記の切り替えを行うことができる。
コンデンサ40は、多相コンバータ30とインバータ50の間に設けられている。コンデンサ40の正極はVHライン72に接続され、負極はNライン73に接続されている。コンデンサ40は、上下アーム回路33に対して並列に接続されている。コンデンサ40は、多相コンバータ30からインバータ50へ入力される電流の脈動(多相コンバータ30のリプル電流含む)を抑える平滑コンデンサとして機能する。
インバータ50は、多相コンバータ30によって昇圧された直流電力を、モータ60の駆動に適した交流電力に変換し、モータ60に供給する。インバータ50としては、良く知られた三相インバータを採用することができる。
モータ60は、走行駆動源である。モータ60は、インバータ50から交流電力の供給を受けて駆動する。なお、燃料電池車の図示しない車軸は、モータ60と連動して回転する。このため、回生エネルギを蓄えるために、図示しない降圧機能を有したコンバータとバッテリを備えてもよい。この場合、回生エネルギは、インバータ50及び降圧機能を有するコンバータを介して、バッテリに蓄えられる。また、このコンバータに、バッテリの出力電圧を昇圧する機能をもたせてもよい。
図1に示すように、電力変換装置80は、上記した駆動システム10のうち、多相コンバータ30の上下アーム回路33、コンデンサ40、ILライン71の少なくとも一部、VHライン72の少なくとも一部、及びNライン73の少なくとも一部を構成している。
<電力変換装置の概略構成>
図2~図4は、本実施形態の電力変換装置80を示している。図2では、便宜上、駆動基板110を省略して図示している。図4は、図2のIV-IV線に沿う断面図であり、便宜上、コンデンサ素子41などを省略して図示している。
電力変換装置80は、上下アーム回路33を構成する複数の半導体モジュール330と、コンデンサ素子41と、Pバスバー44及びVHバスバー720と、Nバスバー45,730と、金属製のケース90を備えている。本実施形態の電力変換装置80は、さらに半導体モジュール330を冷却する冷却器100と、駆動基板110と、ILバスバー710を備えている。Pバスバー44及びVHバスバー720が上記したVHライン72を構成し、Nバスバー45,730がNライン73を構成している。ILバスバー710が、ILライン71を構成している。
半導体モジュール330は、多相コンバータ30の相ごとに設けられている。すなわち、電力変換装置80は、4つの半導体モジュール330を備えている。図2及び図4では、符号の末尾にカッコ付きで対応する相を示している。複数の半導体モジュール330は、X方向に並んで配置されている。本実施形態では、各相の半導体モジュール330が、上下アーム回路33の上アームを構成する上アーム半導体装置331と、下アームを構成する下アーム半導体装置332をそれぞれ有している。以下において、単に半導体装置331,332と示す場合もある。
上アーム半導体装置331及び下アーム半導体装置332は、図示しない半導体チップが金属部材によって両面側から挟まれた状態で、樹脂封止された両面放熱構造の半導体装置、いわゆるパワーカードとして構成されている。上アーム半導体装置331及び下アーム半導体装置332のそれぞれは、上下アームのうちの一方、すなわち1つのアームを構成する半導体チップを有しており、1in1パッケージ構造とされている。このような半導体装置は知られているため、本明細書での詳細な説明は省略する。
各相の上アーム半導体装置331は、上記したダイオードD1,D2が形成された図示しない半導体チップを有している。ダイオードD1,D2は、別チップに構成されている。ダイオードD1,D2は、互いに同様の構成とされている。ダイオードD1,D2が形成された半導体チップは、その厚み方向をX方向とし、且つ、アノード電極同士がX方向において同じ側となるように配置されている。
上アーム半導体装置331は、外部接続端子として、主電流が流れる主端子としてのアノード端子331a及びカソード端子331cと、信号端子331sを有している。カソード端子331cが、半導体モジュール330の高電位側の第1主端子に相当する。これら外部接続端子は、封止樹脂体から外部に突出している。アノード端子331aは半導体チップのアノード電極側の金属部材に連なっており、カソード端子331cはカソード電極側の金属部材に連なっている。アノード端子331a及びカソード端子331cは、封止樹脂体における同じ面から突出し、Z方向であって後述するベース部91とは反対側に延設されている。信号端子331sは、半導体チップに形成された信号用のパッドに接続されている。信号端子331sは、Z方向において、アノード端子331a及びカソード端子331cとは反対の面から突出し、ベース部91側に延設されている。
各相の下アーム半導体装置332は、上記したIGBTQ1,Q2が形成された図示しない半導体チップを有している。IGBTQ1,Q2は、別チップに構成されている。IGBTQ1,Q2は、互いに同様の構成とされている。IGBTQ1,Q2が形成された半導体チップは、その厚み方向をX方向とし、且つ、コレクタ電極同士がX方向において同じ側となるように配置されている。本実施形態では、半導体チップにRC-IGBTが形成されている。すなわち、IGBTQ1が形成された半導体チップに還流ダイオードD3が形成され、IGBTQ2が形成された半導体チップに還流ダイオードD4が形成されている。
下アーム半導体装置332は、外部接続端子として、主電流が流れる主端子としてのコレクタ端子332c及びエミッタ端子332eと、信号端子332sを有している。エミッタ端子332eが、半導体モジュール330の低電位側の第2主端子に相当する。これら外部接続端子は、封止樹脂体から外部に突出している。コレクタ端子332cは半導体チップのコレクタ電極側の金属部材に連なっており、エミッタ端子332eはエミッタ電極側の金属部材に連なっている。コレクタ端子332c及びエミッタ端子332eは、封止樹脂体における同じ面から突出し、Z方向であってベース部91とは反対側に延設されている。信号端子332sは、半導体チップに形成された信号用のパッドに接続されている。信号端子332sは、少なくともゲート端子を含んでいる。信号端子332sは、Z方向において、コレクタ端子332c及びエミッタ端子332eとは反対の面から突出し、ベース部91側に延設されている。
同じ相の半導体装置331,332は、X方向において隣り合って配置されている。また、X方向において、アノード端子331aとコレクタ端子332cが対向し、カソード端子331cとエミッタ端子332eが対向するように配置されている。半導体装置331,332は、U相、V相、W相、X相の順に配置されている。また、各相のアノード端子331a及びコレクタ端子332cがX方向に沿って一列に配置され、各相のカソード端子331c及びエミッタ端子332eがX方向に沿って一列に配置されている。
上記した半導体装置331,332は、冷却器100と交互に配置されている。半導体装置と冷却器とが交互に積層された構造は知られているため、本明細書での詳細な説明は省略する。冷却器100は、熱伝導性に優れた金属材料、たとえばアルミニウム系の材料を用いて形成され、全体として扁平形状の管状体となっている。冷却器100は、内部に冷媒が流れる流路を有している。
半導体装置331,332のそれぞれは、X方向両側から冷却器100により挟持されている。半導体装置331,332と冷却器100との間には、必要に応じて、グリース、セラミック板、樹脂材などの電気絶縁部材が配置される。
冷却器100のそれぞれには、供給管101及び排出管102が接続されている。供給管101及び排出管102は、その内部に流路が形成された筒状体であり、X方向に延設されている。供給管101及び排出管102の流路は、冷却器100それぞれの流路と連なっている。供給管101から冷媒が導入され、各冷却器100を通じて排出管から外部に排出されるようになっている。冷媒としては、水やアンモニアなどの相変化する冷媒や、エチレングリコール系などの相変化しない冷媒を用いることができる。
コンデンサ素子41は、上記したコンデンサ40を構成している。コンデンサ素子としては、たとえばフィルムコンデンサを採用することができる。コンデンサ素子41は、コンデンサケース42に収容され、封止樹脂体43によって封止されている。コンデンサケース42は、一面が開口する箱状をなす収容部42aを有しており、この収容部42aにコンデンサ素子41が収容されている。本実施形態では、複数のコンデンサ素子41によってコンデンサ40が構成されている。また、コンデンサケース42の深さ方向がZ方向と略一致するように、ケース90にコンデンサケース42が固定されている。コンデンサケース42は、収容部42aから延び、ケース90に固定される取り付け部42bを有している。複数のコンデンサ素子41は、Y方向における両端側に電極が位置するように、コンデンサケース42に収容されている。コンデンサケース42は、樹脂材料を用いて形成されている。
Pバスバー44及びVHバスバー720は、正極バスバーに相当する。Nバスバー45,730は、負極バスバーに相当する。これらバスバー44,45,720,730は、銅などの導電性が良好な金属を材料とする板材である。正極バスバーは、Pバスバー44及びVHバスバー720による構成に限定されない。1つのバスバー、又は、3つ以上のバスバーによって構成してもよい。負極バスバーも、Nバスバー45,730による構成に限定されない。1つのバスバー、又は、3つ以上のバスバーによって構成してもよい。
正極バスバーであるPバスバー44及びVHバスバー720には、コンデンサ素子41の正極及び各半導体モジュール330のカソード端子331cが接続されている。具体的には、Pバスバー44が、コンデンサ素子41の正極に接続されている。Pバスバー44は、封止樹脂体43の外に突出した突出部44aを有している。突出部44aの一部分に、VHバスバー720が、ねじ締結などによって接続されている。突出部44aは、負荷であるインバータ50側のVHバスバーが接続される部分である端子部44bを有している。端子部44bは、たとえばVHバスバー720が接続される部分とは別に設けられており、インバータ50側のVHバスバーは、たとえばねじ締結によって端子部44bに接続される。
また、VHバスバー720が、カソード端子331cのそれぞれに接続されている。各相のカソード端子331cは、互いに共通のVHバスバー720に接続されている。本実施形態では、VHバスバー720の平面形状が略L字状とされている。そして、L字状をなすVHバスバー720の一端が、Pバスバー44との接続部720aとされている。VHバスバー720のうち、接続部720aを含む部分がY方向に延設され、残りの部分がX方向に延設されている。VHバスバー720において、X方向に延設された部分に、カソード端子331cとの接続部720bが連なっている。接続部720bは、板厚方向がX方向になるように設けられている。そして、接続部720bとカソード端子331cの板面同士が、たとえば溶接によって接続されている。
負極バスバーであるNバスバー45,730には、コンデンサ素子41の負極及び各半導体モジュール330のエミッタ端子332eが接続されている。具体的には、Nバスバー45が、コンデンサ素子41の負極に接続されている。Nバスバー45も、封止樹脂体43からの突出部45aを有している。突出部45aの一部分に、Nバスバー730がねじ締結などによって接続されている。突出部45aは、負荷であるインバータ50側のNバスバーが接続される部分である端子部45bを有している。端子部45bは、たとえばNバスバー730が接続される部分とは別に設けられており、インバータ50側のNバスバーは、たとえばねじ締結によって端子部45bに接続される。
また、Nバスバー730が、エミッタ端子332eのそれぞれに接続されている。各相のエミッタ端子332eは、互いに共通のNバスバー730に接続されている。本実施形態では、Nバスバー730がX方向に沿って一直線状に設けられている。そして、Nバスバー730の一端が、Nバスバー45との接続部730aとされている。また、接続部730aとは反対の端部が、直流電源側、本実施形態では燃料電池20の負極側が接続される端子部730bとされている。そして、接続部730aと端子部730bの途中の部分に、エミッタ端子332eとの接続部730cが連なっている。接続部730cは、板厚方向がX方向になるように設けられている。そして、接続部730cとエミッタ端子332eの板面同士が、たとえば溶接によって接続されている。
ILバスバー710も、Pバスバー44などと同様に、導電性が良好な金属を材料とする板材である。ILバスバー710は、上下アーム回路33と対応する相のリアクトル32とを接続するための配線である。本実施形態では、上記したように1in1パッケージ構造の半導体装置331,332を採用しているため、同じ相の上アームと下アームを接続する機能も果たす。ILバスバー710は、相ごとに設けられている。電力変換装置80は4つのILバスバー710を有している。ILバスバー710はY方向に延設されている。ILバスバー710の一端は、リアクトル32が接続される端子部710aとされている。ILバスバー710の他端は2つに分岐され、1つがアノード端子331aに接続され、別の1つがコレクタ端子332cに接続されている。ILバスバー710とアノード端子331a、コレクタ端子332cとは、板面同士が対向し、たとえば溶接によって接続されている。
駆動基板110は、プリント基板に図示しない電子部品が実装されてなる回路基板である。駆動基板110には、IGBTQ1,Q2の駆動回路(ドライバ)が形成されている。駆動回路は、図示しない制御装置(制御回路)から制御信号が入力され、IGBTQ1,Q2に対して駆動信号を出力する。駆動基板110は、平面略矩形状をなしている。駆動基板110は、Z方向において、ベース部91側に配置されている。駆動基板110には、各相の信号端子331s,332sが、たとえば挿入実装により接続されている。
ケース90は、ケース90単独で電力変換装置80を構成する他の要素を収容しても良いし、他の部材(たとえばカバー)が組み付けられた状態で、上記した他の要素を収容してもよい。ケース90は、他の要素を収容するための部材の少なくとも一部である。ケース90は、金属材料を用いて形成されている。本実施形態のケース90は、たとえばアルミダイカストによって成形されている。他の要素は、ケース90に直接、又は、間接的に固定されている。他の要素は、ケース90に対して所定位置に保持されている。他の要素とケース90との間には、必要に応じて電気絶縁部材が配置されている。
ケース90は、ベース部91と、収容部92を有している。ベース部91は、略平板状をなしている。ベース部91の一面上に、上記した他の要素が配置されている。収容部92は、ベース部91における上記した一面側に設けられている。収容部92は、コンデンサ素子41、正極バスバーの一部、負極バスバーの一部を少なくとも収容するように設けられている。収容部92が、金属製の収容部に相当する。
<負極バスバーの冷却構造>
収容部92は、たとえばベース部91の一面から立設する壁部を有して構成される。それ以外にも、収容部92としては、たとえばベース部91に設けられ、一面に開口する凹部を採用することもできる。
本実施形態の収容部92は、ベース部91の一面からZ方向に延設され、筒状をなす側壁部93と、ベース部91のうち、側壁部93によって囲まれた部分である底壁部94を有して、収容空間である凹空間を提供している。側壁部93及び底壁部94が、収容部92を構成する壁部に相当する。以下において、単に壁部93,94と示す場合もある。
具体的には、側壁部93が、平面略矩形環状をなしている。側壁部93は、第1側壁部93aと、第2側壁部93bと、第3側壁部93cと、及び第4側壁部93dを有している。各側壁部93a~93dの高さは、ほぼ一定とされている。そして、収容部92内に、コンデンサケース42ごと、コンデンサ素子41が配置されている。コンデンサケース42は、上記したように、箱状の収容部42aと、取り付け部42bを有している。取り付け部42bは、側壁部93の開口端93eに配置され、たとえばねじ締結によって固定されている。そして、この固定状態で、収容部42aの開口上端42cと側壁部93の開口端93eとのZ方向の位置がほぼ同じとなっている。
側壁部93の平面形状とコンデンサケース42の収容部42aの平面形状は、互いに相似形状とされており、組み付けの公差を考慮して側壁部93のほうが収容部42aよりも若干大きく設けられている。また、側壁部93の高さは、収容部42aの高さよりも若干高く設けられている。このため、収容部92の内面と、収容部42aとの間に、隙間が生じる場合がある。この隙間は、わずかな隙間である。この隙間にたとえば樹脂製のコンデンサケース42よりも熱伝導が良好な部材(たとえば熱伝導ゲル)を充填し、隙間を埋めるようにしてもよい。
上記したように、コンデンサ素子41は、Y方向の両端に電極を有している。すなわち、コンデンサ素子41は、コンデンサケース42に対して横置きとされている。コンデンサ素子41の正極は収容部92の第3側壁部93c側に設けられ、負極は第1側壁部93a側に設けられている。Pバスバー44は、コンデンサ素子41の正極との接続部分を含み、第3側壁部93cと対向する対向部44cを有している。対向部44cは、板厚方向がY方向となるように配置され、ZX平面においてコンデンサ素子41の配置領域とほぼ一致するように、ZX平面に沿う平面形状が略矩形状とされている。対向部44cはその全域で、第3側壁部93cと対向している。Pバスバー44は、側壁部93の内面のうち、1面と対向している。
そして、対向部44cにおいて、コンデンサケース42の開口側の端部に突出部44aが連なっている。突出部44aは、YZ平面において略L字状をなしている。対向部44cからZ方向に延びた部分と、屈曲部を介して、Y方向外側に延びた部分を有している。突出部44aのY方向延設部は、第3側壁部93cの開口端93eと重なる位置まで延設されている。そして、開口端93eと重なる位置において、VHバスバー720が接続されている。突出部44aは、第3側壁部93cの内面及び開口端93eと対向している。対向面積は、対向部44cの対向面積よりも小さくされている。
Nバスバー45は、コンデンサ素子41の負極との接続部分を含み、第1側壁部93aと対向する対向部45cを有している。対向部45cは、板厚方向がY方向となるように配置され、ZX平面においてコンデンサ素子41の配置領域とほぼ一致する部分と、該部分よりもX方向において第2側壁部93b側に延設された部分を有しており、ZX平面に沿う平面形状が略矩形状とされている。対向部44cはその全域で、第1側壁部93aと対向している。このため、対向部45cと第1側壁部93aとの対向面積は、対向部44cと第3側壁部93cとの対向面積よりも大きくされている。対向部45cと第1側壁部93aとの対向距離は、対向部44cと第3側壁部93cとの対向距離とほぼ等しくされている。
Nバスバー45は、対向部45cにおける第2側壁部93b側の端部に連なり、第2側壁部93bと対向する対向部45dを有している。対向部45dは、板厚方向がX方向となるように配置され、YZ平面においてコンデンサ素子41の配置領域とほぼ一致するように、YZ平面に沿う平面形状が略矩形状とされている。対向部45dはその全域で、第2側壁部93bと対向している。対向部45dと第2側壁部93bとの対向距離は、対向部45cと第1側壁部93aとの対向距離とほぼ等しくされている。以上のように、Nバスバー45は、側壁部93の内面のうち、2面と対向している。コンデンサケース42内において、Nバスバー45は、Pバスバー44よりも延設長さが長くされている。
そして、対向部45dにおいて、コンデンサケース42の開口側の端部に突出部45aが連なっている。突出部45aは、ZX平面において略L字状をなしている。対向部45dからZ方向に延びた部分と、屈曲部を介して、X方向外側に延びた部分を有している。突出部45aのX方向延設部は、第2側壁部93bの開口端93eと重なる位置まで延設されている。そして、開口端93eと重なる位置において、Nバスバー730が接続されている。突出部45aは、第2側壁部93bの内面及び開口端93eと対向している。対向面積は、対向部45dの対向面積よりも小さくされている。また、側壁部93との対向面積及び対向距離は、突出部44a,45aで互いにほぼ等しくされている。
なお、コンデンサケース42は、収容部42aから延設され、突出部44aのY方向延設部、突出部45aのX方向延設部をそれぞれ支持する支持部42dを有している。よって、Pバスバー44とVHバスバー720との接続部、Nバスバー45,730の接続部は、支持部42dによって支持されている。
さらに、本実施形態では、冷却器100が、電気絶縁部材120を介して、第2側壁部93bの外面に押し当てられている。半導体装置331,332と冷却器100との積層方向(X方向)において、供給管101及び排出管102の引き出し側とは反対側に、収容部92が設けられている。収容部92は、半導体装置331,332及び冷却器100の積層構造体と、X方向に並んで設けられている。X方向において、第2側壁部93bの内側にNバスバー45の対向部45dが配置され、外面に冷却器100が熱的に接続されている。
<電力変換装置の効果>
単相のコンバータの場合、リプル電流によるコンデンサの発熱により、コンデンサの耐熱上、たとえば入力電流として150[A]までしか対応できない。これに対し、本実施形態に示した多相コンバータ30を採用し、各相のコンバータ31をインターリーブ駆動させることにより、コンデンサ40に流れるリプル電流を低減することができる。これにより、たとえば4相の場合、各相の合計で600[A]程度まで対応することができる。したがって、燃料電池20の電圧を低くする、すなわち燃料電池スタックのセル数を減らすことができる。すなわち、燃料電池20の体格を小型化することができる。
本実施形態では、多相コンバータ30が昇圧コンバータとして構成されている。燃料電池20の電圧を昇圧して出力する際、IGBTQ1,Q2のオン時には、燃料電池20かの正極→リアクトル32→IGBTQ1,Q2→燃料電池20の負極の経路で電流が流れる。このように、Nライン73、すなわち負極バスバーに電流が流れる。特に駆動する相数が多いほど流れる電流が大きくなる。一方、IGBTQ1,Q2のオフ時には、燃料電池20の正極→リアクトル32→ダイオードD1,D2→VHライン72→コンデンサ40→Nライン73→燃料電池20の負極の経路で電流が流れる。このように、VHライン72及びNライン73、すなわち正極バスバー及び負極バスバーに電流が流れる。よって、スイッチングの一周期において負極バスバーのほうが発熱量が大きい。
これに対し、本実施形態では、負極バスバーと収容部92を構成する壁部との対向面積が、正極バスバーと収容部92を構成する壁部との対向面積よりも大きくされている。具体的には、Nバスバー45と収容部92の壁部93,94との対向面積が、Pバスバー44と壁部93,94との対向面積よりも大きくされている。これにより、負極バスバーであるNバスバー45,730で生じる熱が、金属製の収容部92(ケース90)に効果的に伝達される。Nバスバー45,730で生じる熱は、たとえば対向部45c,45dから、封止樹脂体43及びコンデンサケース42を介して収容部92に伝達される。そして、収容部92から放熱される。よって、収容部92により、発熱量が大きいNバスバー45,730を効果的に冷却することができる。
また、本実施形態では、Nバスバー45が対向する収容部92の第2側壁部93bに、半導体モジュール330を冷却する冷却器100が熱的に接続されている。Pバスバー44が対向する第3側壁部93cには、冷却器100が接続されていない。これにより、第2側壁部93bを冷やし、ひいては対向部45dを含むNバスバー45を効果的に冷却することができる。なお、第2側壁部93bに冷却器100を接続する例を示したが、これに限定されない。Nバスバー45が対向する壁部93,94に冷却器100を接続することで、Nバスバー45,730を効果的に冷却することができる。
また、本実施形態では、Pバスバー44が第3側壁部93cと対向し、Nバスバー45が第1側壁部93a及び第2側壁部93bと対向している。すなわち、Pバスバー44の対向部44cと第3側壁部93cとの間に、Nバスバー45が配置されていない。対向部44cは、その全長においてNバスバー45と対向しないように配置されている。これにより、Nバスバー45,730の熱がPバスバー44を含む正極バスバーに伝わるのを抑制することができる。Pバスバー44及びVHバスバー720の生じた熱を、金属製の収容部92に伝達させやすい。したがって、正極バスバーについても冷却することができる。
なお、対向部44c,45c,45dは、コンデンサケース42内に配置され、各バスバー44,45において壁部93,94と対向する板面の部分である。バスバーは板厚方向と直交する方向に延設されており、板面のほうが、壁部93,94との対向面積が大きく、伝熱に支配的である。本実施形態では、板厚方向において、対向部45c,45dと壁部93との対向面積が、対向部44cと壁部93との対向面積よりも大きくされている。したがって、発熱量が大きいNバスバー45,730を効果的に冷却することができる。なお、各バスバー44,45の端面や、突出部44a,45aにおける壁部93,94対向部分からも収容部92に対して熱が伝達される。本実施形態では、端面や、突出部44a,45aを含めても、Nバスバー45と壁部93,94との対向面積が、Pバスバー44と壁部93,94との対向面積よりも大きくされている。よって、発熱量が大きいNバスバー45,730を効果的に冷却することができる。
コンデンサ素子41が横置きの例を示したが、これに限定されない。たとえば図5に示す第1変形例のように、コンデンサケース42の深さ方向において、コンデンサ素子41の両端に電極が設けられた縦置き配置にも適用することができる。図5に示すように、コンデンサ素子41は、Z方向においてコンデンサケース42の開口側に正極を有し、底側に負極を有している。Pバスバー44は、正極に接続された接続部44dと、接続部44dからZ方向において開口側に延設され、突出部44aに連なる対向部44eを有している。図示しないが、対向部44eが第3側壁部93cに対向している。一方、Nバスバー45は、負極との接続部を含み、底壁部94に対向する対向部45eと、第2側壁部93bに対向する対向部45dを有している。対向部45dは、対向部45eからZ方向に延設され、突出部45aに連なっている。よって、Nバスバー45のほうがPバスバー44よりも収容部92の壁部93,94との対向面積が大きくされている。図5は、収容部92周辺を拡大した図であり、ケース90のうち、収容部92の要素のみを図示している。
深さ方向がZ方向と略一致するようにコンデンサケース42を配置する例を示したが、これに限定されない。たとえば図6に示す第2変形例のように、X方向において開口するように、コンデンサケース42が配置された構成にも適用することができる。図6に示すように、コンデンサ素子41は、Z方向において底壁部94側に負極を有し、負極と反対側に正極を有している。コンデンサケース42は、第2側壁部93b側、すなわち冷却器100側に開口している。Pバスバー44及びNバスバー45の突出部44a,45aはいずれもコンデンサケース42の開口から冷却器100側に延設されている。
図6では、コンデンサケース42の一部が開口端93eの上方に配置され、これにより、第2側壁部93bの開口端93eを跨ぐように、該開口端93eの上方に突出部44a,45aが配置されている。Pバスバー44は、その全体が、Z方向において開口端93eの上方に配置されている。Nバスバー45は、図5同様、対向部45d,45eを有している。よって、Nバスバー45のほうがPバスバー44よりも収容部92の壁部93,94との対向面積が大きくされている。また、図6の構成では、Pバスバー44の一部とNバスバー45の一部とが、それぞれの板厚方向であるZ方向において互いに対向している。これにより、インダクタンスを低減することができる。
また、Pバスバー44とNバスバー45とで、壁部93,94との対向距離を異ならせてもよい。Nバスバー45と壁部93,94との対向距離を、Pバスバー44と壁部93,94との対向距離よりも小さくすることで、Nバスバー45,730の冷却効果をさらに高めることができる。
(第2実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した駆動システム10、及び、電力変換装置80と共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態では、Nバスバー45の一部が、Pバスバー44と壁部93,94の内面との間に配置されている。すなわち、Nバスバー45は、自身の板厚方向における一面側において壁部93,94と対向し、壁部93,94と反対側の裏面側においてPバスバー44と対向する部分を有している。その一例を図7に示す。
図7に示すように、負極バスバーを構成するNバスバー45は、第1側壁部93aに対向する対向部45cと、第2側壁部93bに対向する対向部45dに加え、第3側壁部93cに対向する対向部45fと、第4側壁部93dに対向する対向部45gを有している。突出部45aは、対向部45dに連なっている。一方、Pバスバー44は、図3と同じ構成となっている。対向部44cと第3側壁部93cとの間に、Nバスバー45の対向部45fが配置されている。対向部44cの全域が、その板厚方向であるY方向において対向部45fと対向している。対向部44cは、対向部45fを介して第3側壁部93cと対向している。Y方向において、対向部45fの一面が第3側壁部93cと対向し、一面と反対の裏面が対向部44cと対向している。それ以外の構成は、先行実施形態(たとえば図3参照)と同じである。
このように、本実施形態によれば、対向部45fが第3側壁部93c及びPバスバー44の対向部44cと対向している。したがって、Nバスバー45,730の生じた熱を、Pバスバー44を含む正極バスバー及び収容部92(ケース90)に逃がすことができる。これにより、Nバスバー45,730を効果的に冷却することができる。また、対向部45fのほうが対向部44cよりも第3側壁部93cに対して近いため、Nバスバー45,730の冷却効果を高めることができる。また、対向部44c,45fの対向により、Pバスバー44を含む正極バスバーとNバスバー45,730のインダクタンスを低減することができる。
さらに本実施形態では、Nバスバー45が、壁部93,94の4面に対向している。これにより、Nバスバー45,730を効果的に冷却することができる。
深さ方向がZ方向と略一致するようにコンデンサケース42を配置する例を示したが、これに限定されない。たとえば図8に示す第3変形例のように、X方向において開口するように、コンデンサケース42が配置された構成にも適用することができる。コンデンサ素子41は、X方向において第2側壁部93b側に正極を有し、第4側壁部93d側に負極を有している。図6同様、コンデンサケース42は、第2側壁部93b側、すなわち図示しない冷却器100側に開口している。Pバスバー44及びNバスバー45の突出部44a,45aはいずれもコンデンサケース42の開口から冷却器100側に延設されている。また、コンデンサケース42の一部が開口端93eの上方に配置され、これにより、第2側壁部93bの開口端93eを跨ぐように、該開口端93eの上方に突出部44a,45aが配置されている。
図8に示すように、Pバスバー44は、第2側壁部93bと対向する対向部44fを有している。Nバスバー45は、負極と接続された部分を含み、第4側壁部93dと対向する対向部45gと、対向部45gに連なり、底壁部94と対向する対向部45eと、対向部45eに連なり、第2側壁部93bと対向する対向部45dを有している。そして、対向部44fと第2側壁部93bとの間に、Nバスバー45の対向部45dが配置されている。対向部44fの全域が、その板厚方向であるX方向において対向部45dと対向している。対向部44fは、対向部45dを介して第2側壁部93bと対向している。これによっても、上記した構成と同様の効果を奏することができる。
(第3実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した駆動システム10、及び、電力変換装置80と共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態では、コンデンサケース42が、アルミニウムなどの熱伝導性が良好な金属材料を用いて形成されている。そして、コンデンサケース42の収容部42aが、金属製の収容部に相当する。その一例を図9及び図10に示す。図9は、電力変換装置80のうち、コンデンサケース42周辺のみを示す平面図である。図9では、便宜上、コンデンサケース42の収容部42a以外の部分、及び、突出部44a,45aを省略して図示している。図10は、図9のX-X線に沿う断面図であり、便宜上、コンデンサ素子41を省略して図示している。
コンデンサケース42の収容部42aは、先行実施形態で示したケース90の収容部92同様、平面略矩形環状をなしている。収容部42aは、第1側壁部420と、第2側壁部421と、第3側壁部422と、及び第4側壁部423を有している。収容部42aは、底壁部424を有している。収容部42aは、側壁部420~423と底壁部424を有して、収容空間である凹空間を提供している。側壁部420~423及び底壁部424が、収容部42aを構成する壁部に相当する。以下において、単に壁部420~424と示す場合もある。
Pバスバー44及びNバスバー45の構成は、第1実施形態(たとえば図3参照)と同じである。Pバスバー44の対向部44cは、第3側壁部422と対向している。一方、Nバスバー45の対向部45cは第1側壁部420と対向し、対向部45dは第2側壁部421と対向している。これにより、Nバスバー45と収容部42aの壁部420~424との対向面積が、Pバスバー44と壁部420~424との対向面積よりも大きくされている。よって、収容部42aにより、発熱量が大きいNバスバー45,730を効果的に冷却することができる。
なお、Nバスバー45の壁部420~424との対向面の数は2面に限定されない。3面以上としてもよい。また、コンデンサ素子41の配置も上記した横置きに限定されず、縦置きに適用することもできる。Nバスバー45が対向する壁部420~424に冷却器100を熱的に接続すると、Nバスバー45,730をより効果的に冷却することができる。
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば、開示は、実施形態において示された要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
直流電源として燃料電池20の例を示したがこれに限定されない。それ以外の直流電源、たとえばリチウムイオン電池やニッケル水素電池などにも適用できる。上記した電力変換装置80を採用することで、たとえばリチウムイオン電池の体格を小型化しつつ、負極バスバーを効果的に冷却することができる。
電力変換装置80は、上記した構成に加えて、リアクトル32及びインバータ50を構成する要素の少なくとも一方を備えてもよい。駆動システム10は、直流電源とコンバータとの間にフィルタコンデンサを備えてもよい。
多相コンバータ30として昇圧コンバータの例を示したが、これに限定されない。たとえば降圧コンバータに適用することができる。降圧コンバータの場合、上アームがスイッチング素子、下アームが整流素子となる。また、昇降圧コンバータに適用することもできる。
半導体モジュール330は、上記した例に限定されない。たとえば、上下アーム回路33が1パッケージ化された2in1パッケージ構造の半導体装置を採用することもできる。
上下アーム回路33を構成するスイッチング素子として2つのIGBTQ1,Q2が並列接続され、整流素子として2つのダイオードD1,D2が並列接続される例を示したが、これに限定されない。スイッチング素子や整流素子として1つの素子を採用してもよいし、3つ以上が並列接続された構成としてもよい。
収容部92の平面形状を、略矩形以外の環状としてもよい。収容部92は一面が開口する形状に限定されない。たとえば本実施形態では、3つの側壁部93と底壁部94を有し、2面が開口する収容部92、2つの側壁部93と底壁部94を有し、3面が開口する収容部を採用することもできる。
側壁部93の開口端93eを段差形状とし、Nバスバー45の突出部45aをこの段差に沿うように延設してもよい。これにより、Nバスバー45と収容部92との対向面積を増やすことができる。
10…駆動システム、20…燃料電池、30…多相コンバータ、31…コンバータ(電力変換回路)、32…リアクトル、33…上下アーム回路、330…半導体モジュール、331…上アーム半導体装置、331a…アノード端子、331c…カソード端子(第1主端子)、331s…信号端子、332…下アーム半導体装置、332c…コレクタ端子、332e…エミッタ端子(第2主端子)、332s…信号端子、40…コンデンサ、41…コンデンサ素子、42…コンデンサケース、42a…収容部、42b…取り付け部、42c…開口上端、42d…支持部、420…第1側壁部、421…第2側壁部、422…第3側壁部、423…第4側壁部、424…底壁部、43…封止樹脂体、44…Pバスバー(正極バスバー)、44a…突出部、44b…端子部、44c,44e,44f…対向部、44d…接続部、44e…対向部、45…Nバスバー(負極バスバー)、45a…突出部、45b…端子部、45c,45d,45e,45f,45g…対向部、50…インバータ、60…モータ、70…VLライン、71…ILライン、710…ILバスバー、710a…端子部、72…VHライン、720…VHバスバー(正極バスバー)、720a,720b…接続部、73…Nライン、730…Nバスバー(負極バスバー)、730a,730c…接続部、730b…端子部、80…電力変換装置、90…ケース、91…ベース部、92…収容部、93…側壁部、93a…第1側壁部、93b…第2側壁部、93c…第3側壁部、93d…第4側壁部、93e…開口端、94…底壁部、100…冷却器、101…供給管、102…排出管、110…駆動基板、120…電気絶縁部材

Claims (6)

  1. 上下アーム回路(33)及びリアクトル(32)を有する複数の電力変換回路(31)が並列接続された多相コンバータ(30)を構成する電力変換装置であって、
    前記多相コンバータは、直流電源(20)と負荷(50,60)との間で直流電力変換を行うものであり、
    前記上下アーム回路を構成する素子としてのスイッチング素子(Q1,Q2)及び前記スイッチング素子に直列接続された整流素子(D1,D2)と、前記上下アーム回路に接続された高電位側の第1主端子(331c)と、前記上下アーム回路に接続された低電位側の第2主端子(332e)と、をそれぞれ有する複数の半導体モジュール(330)と、
    正極及び負極を有するコンデンサ素子(41)と、
    前記負荷側の端子部(44b)を有し、前記第1主端子のそれぞれ及び前記正極が接続された正極バスバー(44,720)と、
    前記直流電源側の端子部(730b)と、前記負荷側の端子部(45b)を有し、前記第2主端子のそれぞれ及び前記負極が接続された負極バスバー(45,730)と、
    前記コンデンサ素子、前記正極バスバーの一部、及び前記負極バスバーの一部を収容する金属製の収容部(42a,92)と、を備え、
    前記負極バスバーと前記収容部を構成する壁部との対向面積が、前記正極バスバーと前記収容部を構成する壁部との対向面積よりも大きくされており、
    前記半導体モジュールを冷却する冷却器(100)をさらに備え、
    前記収容部を構成し、前記負極バスバーが対向する壁部(93b)に、前記冷却器が接続されている電力変換装置。
  2. 前記負極バスバーの板面と前記収容部を構成する壁部の内面との対向面積が、前記正極バスバーの板面と前記収容部を構成する壁部の内面との対向面積よりも大きくされている請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記収容部(92)は、前記電力変換装置のケースに設けられており、
    前記収容部は、前記半導体モジュールを収容せず、前記コンデンサ素子、前記正極バスバーの一部、及び前記負極バスバーの一部を収容している請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記収容部(42a)は、コンデンサケースに設けられており、
    前記コンデンサケース内に配置され、前記コンデンサ素子、前記正極バスバーの一部、及び前記負極バスバーの一部を封止する封止樹脂体(43)をさらに備えている請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
  5. 前記正極バスバーの収容部分は、その全長において前記負極バスバーと対向しないように配置されている請求項1~4いずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記負極バスバーにおける収容部分の一部は、一面側において前記収容部を構成する壁部と対向し、前記一面とは反対の裏面側において前記正極バスバーと対向している請求項1~4いずれか1項に記載の電力変換装置。
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