JP7080163B2 - 切断刃、農業機械および切断刃の製造方法 - Google Patents
切断刃、農業機械および切断刃の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7080163B2 JP7080163B2 JP2018228949A JP2018228949A JP7080163B2 JP 7080163 B2 JP7080163 B2 JP 7080163B2 JP 2018228949 A JP2018228949 A JP 2018228949A JP 2018228949 A JP2018228949 A JP 2018228949A JP 7080163 B2 JP7080163 B2 JP 7080163B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cutting blade
- base material
- cutting
- hardness
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Threshing Machine Elements (AREA)
- Nonmetal Cutting Devices (AREA)
- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Description
図1および図2を参照して、本実施の形態に係る切断刃の構造について説明する。図1は、本実施の形態に係る切断刃の外観を示す平面図である。図2は、図1におけるX-X線矢視断面図である。
次に、本実施の形態に係る切断刃1の製造方法について説明する。
図4は、本実施の形態に係る切断刃の製造方法の流れの一例を示すフローチャートである。まず、所定形状に加工された基材10を準備する準備工程S1が実施される。準備工程S1は、鋼板を打ち抜く工程、打ち抜かれた鋼板片をプレス加工する工程、焼入れ工程および焼戻し工程を含む。これらの工程は公知の技術を用いることができる。
次に、図6および図7を参照して、切断刃1を備える農業機械の一例について説明する。図6は、本実施の形態の切断刃を備えるコンバインの一例を示す側面図である。図7は、図6に示すコンバインに備えられる細断装置の構成を示す断面図である。
GB規格の4Cr13鋼板を図1に示す所定形状に加工した後、研磨して刃先を形成することにより、基材を準備した。具体的には、円弧1a(図1参照)の長さが50mmであり、辺1b,1fの長さが45mmであり、辺1c,1eの長さが90mmであり、辺1dの長さが23.4mmであり、厚みt1(図2参照)が3.0mmである。この基材を日本電子株式会社製のプラズマ窒化装置(JIN-3SC-A型)にセットし、基材の表面の不動態被膜を除去した。不動態被膜を除去するクリーニング工程の処理条件を以下のように設定した。
・真空チャンバ内の初期ガス圧:1Pa
・使用ガス:アルゴンガスおよび水素ガスの混合ガス(体積比Ar:H2=50:50)
・クリーニング中の真空チャンバ内のガス圧:100Pa
・設定電圧:310V
・処理時間:0.5時間。
・真空チャンバ内の初期ガス圧:1Pa
・使用ガス:窒素ガスおよび水素ガスの混合ガス(体積比N2:H2=1:1)
・窒化処理中の真空チャンバ内のガス圧:800Pa
・設定電圧:400V
・処理温度:575℃
・処理時間:15時間。
窒化処理における処理温度を550℃に設定した点を除いて実施例1と同じ方法により、実施例2の切断刃を作製した。
プラズマ窒化法による基材の表面の窒化処理の代わりに、ダイヤモンドライクカーボンからなる被覆層を基材の表面にPVD法を用いて形成した点を除いて実施例1と同じ方法により比較例3の切断刃を作製した。被覆層の厚みは3μmであった。
4Cr13鋼板の代わりに10%Cr鋼板を用いた点を除いて実施例5と同じ方法により、実施例7の切断刃を作製した。10%Cr鋼板は、0.4質量%の炭素(C)と、10.0質量%のクロム(Cr)とを含む。
4Cr13鋼板の代わりに8%Cr鋼板を用いた点を除いて実施例5と同じ方法により、実施例8の切断刃を作製した。8%Cr鋼板は、0.4質量%の炭素(C)と、8.0質量%のクロム(Cr)とを含む。
4Cr13鋼板の代わりに6%Cr鋼板を用いた点を除いて実施例5と同じ方法により、比較例4の切断刃を作製した。6%Cr鋼板は、0.4質量%の炭素(C)と、6.0質量%のクロム(Cr)とを含む。
4Cr13鋼板の代わりにGB規格の65Mn鋼板を用いた点を除いて実施例5と同じ方法により、比較例5の切断刃を作製した。65Mn鋼板は、0.62~0.7質量%の炭素(C)と、0.17~0.37質量%のケイ素(Si)と、0.9~1.2質量%のマンガン(Mn)とを含むマンガン鋼である。
実施例1~8,比較例1~3の切断刃を辺1dから辺1cに沿って1mmの箇所で切断し、その断面上の複数の点の各々における窒素濃度(質量%)を日本電子株式会社製の電子線マイクロアナライザ(EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)「型番JXA-8530F」を用いて測定した。
実施例1~8,比較例1~4の切断刃を切断し、その断面上の測定点群PA(図6参照)に属する複数の測定点の各々におけるビッカース硬度を測定した。測定条件は、JIS Z 2244(ISO6507-2)に規定されるマイクロビッカース硬さ試験(HV0.1、試験力0.98N)に従う。断面上の測定点は、切断刃の表面から0.2mmの深さまで20μm間隔の10点と、切断刃の表面からの深さ0.25mm、0.3mm、0.4mmおよび0.5mmの4点との合計14点である。
実施例1~8,比較例1~4の切断刃について摩耗試験を行なった。摩耗試験は、切断刃を相手材に接触させながら回転させた後の摩耗量を測定する試験である。試験条件は、以下の通りである。
・回転数:64rpm
・相手材:4号珪砂(粒度範囲:1.18mm以下)12kg
・試験時間:30時間
・切断刃の取付枚数:4枚。
図9は、実施例1~6,比較例1,2,5の切断刃における窒素濃度の測定結果を示す図である。図9には、測定点群PA(図6参照)の測定点における窒素濃度の測定結果が示される。図9に示されるように、実施例1~6の切断刃では、窒素濃度が2質量%以上となる窒化層が確認された。窒素濃度が2質量%以上となる測定点の最大深さを窒化層の厚みとして測定した。同様の方法により、測定点群PBの窒素濃度の測定結果から、刃先からの窒化層の長さdを測定した。実施例1~6の窒化層の厚みは30μm以上であった。
Claims (10)
- 農業機械に用いられ、農作物を切断する切断刃であって、
クロムを含む鋼によって構成された基材と、
前記基材の外側に形成され、窒素濃度が2質量%以上である窒化層とを備え、
前記窒化層は窒化クロムを含み、
前記窒化層の厚みは30μm以上である、切断刃。 - 前記窒化層の硬度は、前記基材の硬度の1.5倍以上である、請求項1に記載の切断刃。
- 前記窒化層の硬度は、前記基材の硬度の5倍以下である、請求項2に記載の切断刃。
- 前記窒化層と前記基材との間に形成され、前記基材よりも硬度の低い軟質層をさらに備える、請求項2または3に記載の切断刃。
- 前記切断刃の表面は、刃先部を構成する第1面と第2面とを含み、
前記第1面および前記第2面に直交する断面と前記第1面との交線を第1交線とし、前記断面と前記第2面との交線を第2交線とするとき、刃先から前記第1交線と前記第2交線のなす角の二等分線に沿った前記窒化層の長さは300μm以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の切断刃。 - 前記鋼は10質量%以上のクロムを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の切断刃。
- 前記基材の厚みは、前記窒化層の厚みよりも大きい、請求項1から6のいずれか1項に記載の切断刃。
- 請求項1から7のいずれか1項に記載の切断刃を備える、農業機械。
- 農業機械に用いられ、農作物を切断する切断刃の製造方法であって、
所定形状に加工された基材を研磨する工程を備え、
前記基材は、クロムを含む鋼によって構成され、
研磨された前記基材の表面に窒素プラズマを照射して窒化処理を行なうことにより、窒素濃度が2質量%以上であり、かつ厚み30μm以上の窒化層を形成する工程をさらに備える、切断刃の製造方法。 - 前記窒化処理の温度は、450~510℃である、請求項9に記載の切断刃の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018228949A JP7080163B2 (ja) | 2018-12-06 | 2018-12-06 | 切断刃、農業機械および切断刃の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018228949A JP7080163B2 (ja) | 2018-12-06 | 2018-12-06 | 切断刃、農業機械および切断刃の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020089311A JP2020089311A (ja) | 2020-06-11 |
JP7080163B2 true JP7080163B2 (ja) | 2022-06-03 |
Family
ID=71011865
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018228949A Active JP7080163B2 (ja) | 2018-12-06 | 2018-12-06 | 切断刃、農業機械および切断刃の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7080163B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016501053A (ja) | 2012-11-09 | 2016-01-18 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | コーティングされたスナップカッターブレード及びその製作方法 |
WO2017047795A1 (ja) | 2015-09-17 | 2017-03-23 | 新日鐵住金株式会社 | チタン管成形ロール、チタン管成形装置およびチタン管の製造方法 |
JP2017112957A (ja) | 2015-12-25 | 2017-06-29 | 株式会社クボタ | 切断刃およびそれを備える農業機械 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS55165791U (ja) * | 1979-05-16 | 1980-11-28 | ||
JPH037402U (ja) * | 1989-06-12 | 1991-01-24 | ||
JPH0811086A (ja) * | 1994-06-30 | 1996-01-16 | Kyocera Corp | 織機用カッター |
-
2018
- 2018-12-06 JP JP2018228949A patent/JP7080163B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016501053A (ja) | 2012-11-09 | 2016-01-18 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | コーティングされたスナップカッターブレード及びその製作方法 |
WO2017047795A1 (ja) | 2015-09-17 | 2017-03-23 | 新日鐵住金株式会社 | チタン管成形ロール、チタン管成形装置およびチタン管の製造方法 |
JP2017112957A (ja) | 2015-12-25 | 2017-06-29 | 株式会社クボタ | 切断刃およびそれを備える農業機械 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020089311A (ja) | 2020-06-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2483491C (en) | A bone saw blade and method for manufacturing a bone saw blade | |
US5724868A (en) | Method of making knife with cutting performance | |
JP6330031B2 (ja) | 被覆工具 | |
JP2018043326A (ja) | 表面被覆切削工具 | |
CN110691662B (zh) | 包覆切削工具 | |
JP5924094B2 (ja) | 刃物、その製造方法およびそれを製造するためのプラズマ装置 | |
JP7078220B2 (ja) | 金属製品の製造方法 | |
JP2018144224A (ja) | 表面被覆切削工具 | |
CN104174884A (zh) | 刀具 | |
JP7080163B2 (ja) | 切断刃、農業機械および切断刃の製造方法 | |
JP6372258B2 (ja) | 刃物及び刃身の仕上げ方法 | |
JP2018161736A (ja) | 表面被覆切削工具 | |
JP7029700B2 (ja) | 硬質皮膜被覆部材、及び硬質皮膜被覆工具 | |
JP5987152B2 (ja) | 成形品及びその製造方法 | |
JP2018164962A (ja) | 表面被覆切削工具 | |
CN103934484B (zh) | 刀具工具 | |
JP2004298562A (ja) | 刃物の表面処理方法とその刃物 | |
JP2006241496A (ja) | 被覆部材の製造方法 | |
JP6275821B2 (ja) | 鋼部品およびその製造方法 | |
TWI650876B (zh) | 溝槽加工工具及安裝有該溝槽加工工具之刻劃裝置 | |
CN110857465A (zh) | 刀具及其制造方法 | |
JP2013052481A (ja) | ダイヤモンド工具の製造方法 | |
JP2017024138A (ja) | 表面被覆切削工具 | |
JP2004283995A (ja) | 高機能ハイス工具 | |
JP2005307284A (ja) | 超硬合金切削工具の切削性改善表面処理方法及びその物品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210618 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220427 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220510 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220524 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7080163 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |