JP7074268B2 - 薄膜状成形体、及びその製造方法 - Google Patents

薄膜状成形体、及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7074268B2
JP7074268B2 JP2021573217A JP2021573217A JP7074268B2 JP 7074268 B2 JP7074268 B2 JP 7074268B2 JP 2021573217 A JP2021573217 A JP 2021573217A JP 2021573217 A JP2021573217 A JP 2021573217A JP 7074268 B2 JP7074268 B2 JP 7074268B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
alumina particles
thin
molded product
shaped alumina
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021573217A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021177037A1 (ja
Inventor
孝之 兼松
一男 糸谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
DIC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIC Corp filed Critical DIC Corp
Publication of JPWO2021177037A1 publication Critical patent/JPWO2021177037A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7074268B2 publication Critical patent/JP7074268B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C55/00Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor
    • B29C55/02Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor of plates or sheets
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01FCOMPOUNDS OF THE METALS BERYLLIUM, MAGNESIUM, ALUMINIUM, CALCIUM, STRONTIUM, BARIUM, RADIUM, THORIUM, OR OF THE RARE-EARTH METALS
    • C01F7/00Compounds of aluminium
    • C01F7/02Aluminium oxide; Aluminium hydroxide; Aluminates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/18Oxygen-containing compounds, e.g. metal carbonyls
    • C08K3/20Oxides; Hydroxides
    • C08K3/22Oxides; Hydroxides of metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K7/00Use of ingredients characterised by shape
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L101/00Compositions of unspecified macromolecular compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L81/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of polysulfones; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L81/02Polythioethers; Polythioether-ethers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、薄膜状成形体、及びその製造方法に関する。
近年の電子機器の小型化に伴い、それら製品を構成する樹脂部品にも小型化あるいは薄型化することが求められている。ただし樹脂部品は薄型化することにより、従来の厚さの部品と比較して同じ変形応力に対して形状を維持することが難しくなる傾向があり、部品を構成する樹脂組成物の弾性率・曲げ強度、等の機械物性をより高めることが求められている。
以上の課題を解決するために、アスペクト比が10以上の板状無機フィラーを含有する組成物を押出成形して得られるシートを、さらに二軸延伸処理することにより、強度を高めることができるとの技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開2009-238919号公報
しかし、特許文献1では、タルクやマイカなどの無機フィラーを使用するシートが開示されているのみであり、まだ、上述の近年の電子機器の小型化の要請に満足できる機械物性のレベルに到達していない。
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものであり、機械強度に優れる、薄膜状成形体及びその製造方法の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の板状アルミナ粒子を配向させて含む薄膜状成形体が機械強度に優れることを見出だし、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1] 熱可塑性樹脂と、板状アルミナ粒子とを含有し、互いに略平行な二つの表面を有する薄膜状成形体であって、
前記板状アルミナ粒子の平均厚さが1000nm以下であり、前記板状アルミナ粒子の板面と前記薄膜状成形体の表面とがなす平均配向角が20°以下である薄膜状成形体。
[2] 前記板状アルミナ粒子の含有量が、前記薄膜状成形体100質量%に対して、5~90質量%である前記[1]に記載の薄膜状成形体。
[3] 前記薄膜状成形体の最も厚い部分の二つの表面の厚さが、0.01~2mmである前記[1]又は[2]に記載の薄膜状成形体。
[4] 前記板状アルミナ粒子の下記式で示されるアスペクト比が5~500である、前記[1]~[3]のいずれか一項に記載の薄膜状成形体。
アスペクト比=板状アルミナ粒子の平均粒子径L/板状アルミナ粒子の平均厚さD
[5] 前記熱可塑性樹脂が、ポリアリーレンスルフィド樹脂又はポリアミド樹脂である前記[1]~[4]のいずれか一項に記載の薄膜状成形体。
[6] 熱可塑性樹脂と平均厚さが1000nm以下の板状アルミナ粒子とを含有する樹脂組成物を、互いに略平行な二つの表面を有する薄膜状に成形する、前記[1]に記載の薄膜状成形体の製造方法。
[7] 前記樹脂組成物中の板状アルミナ粒子の含有量が、5~90質量%である前記[6]に記載の薄膜状成形体の製造方法。
[8] 前記薄膜状成形体の最も厚い部分の二つの表面の厚さが、0.01~2mmとなる様に成形する、前記[6]又は[7]に記載の薄膜状成形体の製造方法。
[9] 前記板状アルミナ粒子の下記式で示されるアスペクト比が5~500である、前記[6]~[8]のいずれか一項に記載の薄膜状成形体の製造方法。
アスペクト比=板状アルミナ粒子の平均粒子径L/板状アルミナ粒子の平均厚さD
[10] 前記樹脂組成物中の熱可塑性樹脂が、ポリアリーレンスルフィド樹脂又はポリアミド樹脂である前記[6]~[9]のいずれか一項に記載の薄膜状成形体の製造方法。
本発明によれば、機械強度に優れる、薄膜状成形体及びその製造方法を提供できる。
薄膜状成形体の直交断面のSEM像の模式図である。
以下、本発明の実施形態における薄膜状成形体及びその製造方法を説明する。
≪薄膜状成形体≫
本実施形態の薄膜状成形体は、熱可塑性樹脂と、板状アルミナ粒子とを含有し、互いに略平行な二つの表面を有する薄膜状成形体であって、前記板状アルミナ粒子の平均厚さが1000nm以下であり、前記板状アルミナ粒子の板面と前記薄膜状成形体の表面とがなす平均配向角が20°以下である。
平均厚さが1000nm以下の薄い形状の板状アルミナ粒子が、前記板状アルミナ粒子の板面と前記薄膜状成形体の表面とがなす平均配向角が20°以下となるように配向していることにより、実施形態の薄膜状成形体は優れた機械物性を備える。好ましくは、平均配向角が10°以下であると、アスペクト比の比較的小さい板状アルミナ粒子を使用した場合においても優れた機械物性を発現でき、あるいは同等のアスペクト比の板状アルミナ粒子を使用した場合でも、より一層の機械物性を備えることができる。
前記平均配向角の評価方法としては、走査型電子顕微鏡(例えばJCM-7000)を用いて、対象の薄膜状成形体の試料の直交断面の状態を観察し、SEM像に映り込んでいる板状アルミナ粒子の配向状態を確認し、薄膜状成形体の表面の輪郭の直線を角度0°としたとき、その直線に平行な直線に対する各板状アルミナ粒子の配向角(-90°<θ<90°)を見積もり、それらの絶対値の平均値を、対象の薄膜状成形体の平均配向角と定める。
本実施形態の薄膜状成形体としては、互いに略平行な二つの表面を有する成形体であれば限定されず、いわゆるシート状成形体、フィルム状成形体を含み、また、局部的に互いに略平行な二つの表面を有する、ストロー状成形体、円筒状成形体、プラスチックボトル形状の成形体、直方体の1面部分が開いたような箱型形状、ビーカー形状、カップ形状等の容器形状成形体を含む。互いに略平行な二つの表面とは、側面を除く、互いに略平行な上面及び下面をいう。上面及び下面は、どちらが上面でどちらが下面かを区別できないものであってもよい。
本実施形態の薄膜状成形体において、板状アルミナ粒子は熱可塑性樹脂マトリックス中で分散していることが好ましく、板状アルミナ粒子の一次粒子が熱可塑性樹脂マトリックス中で分散していることがより好ましい。ここでいう「分散」とは、「板状アルミナ粒子同士又は板状アルミナ粒子の一次粒子同士が互いに接触していない状態」をいう。
板状アルミナ粒子の含有量は、前記薄膜状成形体100質量%に対して、5~90質量%であることが好ましく、10~80質量%であることがより好ましく、20~70質量%であることが特に好ましい。
板状アルミナ粒子の含有量が、前記下限値以上であることで、薄膜状成形体の機械強度が優れる。前記上限値以下であることで、熱可塑性樹脂マトリックス中で板状アルミナ粒子同士が接触することを避けることができ、熱可塑性樹脂と板状アルミナ粒子とを含有する樹脂組成物の溶融状態での流動性を好ましく保ち、薄膜状成形体中の板状アルミナ粒子を好適に分散させることができ、薄膜状成形体を安定的に形成することができる。
熱可塑性樹脂の含有量は、前記薄膜状成形体100質量%に対して、10~95質量%であることが好ましく、20~90質量%であることがより好ましく、30~80質量%であることが特に好ましい。樹脂の含有量が前記下限値以上であると、樹脂組成物に優れた成形性を付与できることから好ましい。一方、樹脂の含有量が前記上限値以下であると、薄膜状成形体の機械強度が優れることから好ましい。
薄膜状成形体の最も厚い部分の二つの表面の厚さは、0.01~2mmであることが好ましく、0.04~1.0mmであることがより好ましく、0.1~0.8mmであることが特に好ましい。
薄膜状成形体の最も厚い部分の二つの表面の厚さが、前記下限値以上であることで、薄膜状成形体を安定的に形成することができ、前記上限値以下であることで、板状アルミナ粒子を好適に配向させることができ、薄膜状成形体の機械強度、例えば曲げ弾性率、曲げ強度、引張強度、引張弾性率、等に優れるものとすることができる。
本実施形態の薄膜状成形体は、熱可塑性樹脂と平均厚さが1000nm以下の板状アルミナ粒子とを含有する樹脂組成物を、前記板状アルミナ粒子の板面と前記薄膜状成形体の表面とがなす平均配向角が20°以下となるように配向させながら、板状乃至シート状に成形することで得られる。薄膜状成形体の製造方法については、後に詳記する。以下に、熱可塑性樹脂と、板状アルミナ粒子について説明する。
[熱可塑性樹脂]
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限されず、成形材料等に使用される公知慣用の熱可塑性樹脂が用いられうる。具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂等のポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、フッ化樹脂、液晶ポリマー、オレフィン-ビニルアルコール共重合体、アイオノマー樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリロニトリル-エチレン-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、アクリロニトリル-スチレン共重合体などが挙げられる。中でも、ポリアリーレンスルフィド樹脂が好ましく、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂がより好ましく、カルボキシ基含有ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂が特に好ましい。
また、本発明で用いる前記熱可塑性樹脂としてはポリアミド樹脂を用いることも好ましい。ポリアミド樹脂としては、従来知られる各種のポリアミド樹脂を制限なく使用できる。例えば、アミノ酸ラクタム、あるいはジアミンとジカルボン酸との重縮合反応により得られる溶融成形可能なポリアミド樹脂を使用できる。ポリアミド樹脂の具体例としては、以下の樹脂が挙げられる。
(1)炭素原子数4~12の有機ジカルボン酸と炭素原子数2~13の有機ジアミンとの重縮合物、例えばヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との重縮合物であるポリヘキサメチレンアジパミド[6,6ナイロン]、ヘキサメチレンジアミンとアゼライン酸との重縮合物であるポリヘキサメチレンアゼラミド[6,9ナイロン]、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との重縮合物であるポリヘキサメチレンセバカミド[6,10ナイロン]、ヘキサメチレンジアミンとドデカンジオン酸との重縮合物であるポリヘキサメチレンドデカノアミド[6,12ナイロン]、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとの重縮合物である半芳香族ポリアミド(PA6T、PA9T、PA10T、PA11T)、ビス-p-アミノシクロヘキシルメタンとドデカンジオン酸との重縮合物であるポリビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンドデカン。
上記有機ジカルボン酸としては、例えばアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、フェニレンジオキシジ酢酸、オキシジ安息香酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などが挙げられる。上記有機ジアミンとしては、例えばヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナンジアミン、オクタンジアミン、デカンジアミン、ウンデカジアミン、ウンデカンジアミン、ドデカンジアミンなどが挙げられる。
(2)ω-アミノ酸の重縮合物、例えばω-アミノウンデカン酸の重縮合物であるポリウンデカンアミド[11ナイロン]。
(3)ラクタムの開環重合物、例えばε-アミノカプロラクタムの開環重合物であるポリカプラミド[6ナイロン]、ε-アミノラウロラクタムの開環重合物ポリラウリックラクタム[12ナイロン]。
中でも、ポリヘキサメチレンアジパミド[6,6ナイロン]、ポリヘキサメチレンアゼラミド[6,9ナイロン]、ポリカプラミド[6ナイロン]が好ましい。
また本発明では、例えばアジピン酸とイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとから製造されるポリアミド樹脂なども使用できるし、さらに6ナイロンと6,6ナイロンとの混合物のように2種以上のポリアミド樹脂を配合したブレンド物も使用できる。
[板状アルミナ粒子]
板状アルミナ粒子は、平均厚さが1000nm以下の板状アルミナ粒子であれば、限定されない。板状アルミナ粒子の平均厚さが1000nm以下であることで、熱可塑性樹脂と、板状アルミナ粒子とを含有する薄膜状成形体の機械強度、例えば曲げ弾性率、曲げ強度、引張強度、引張弾性率、等を大きくすることができる。
板状アルミナ粒子の平均厚さ及び平均粒子径は、それが板状である範囲で、どの様に組み合わせることもでき、それに伴い、下記式で示されるアスペクト比を調整することができる。
アスペクト比=板状アルミナ粒子の平均粒子径L/板状アルミナ粒子の平均厚さD
板状アルミナ粒子は、平均厚さが10~1000nmであることが好ましく、平均粒子径が0.1~500μmであることが好ましく、平均厚さに対する平均粒子径の比率であるアスペクト比が5~500であることが好ましい。板状アルミナ粒子のアスペクト比が5以上であると、薄膜状成形体を形成したとき2次元の配向特性を有し、機械的強度に優れることから好ましく、板状アルミナ粒子のアスペクト比が500以下であると、薄膜状成形体の機械的強度に優れることから好ましい。平均厚さが30~500nmであることがより好ましく、平均粒子径が0.5~100μmであることがより好ましく、平均厚さに対する粒子径の比率であるアスペクト比が10~300であることがより好ましい。平均厚さが50~300nmであることがさらに好ましく、平均粒子径が1~50μmであることがさらに好ましく、平均厚さに対する平均粒子径の比率であるアスペクト比が15~100であることがさらに好ましい。
実施形態に係る板状アルミナ粒子は、円形板状や楕円形板状であってもよいが、粒子形状は、例えば、六角~八角といった多角板状であることが、取り扱い性や製造のし易さの点から好ましい。
本明細書において、「アルミナ粒子の平均厚さ」は、走査型電子顕微鏡(SEM)により得られたイメージから、無作為に選出された少なくとも50個の板状アルミナ粒子について測定された厚さの算術平均値とする。また、「アルミナ粒子の平均粒子径」は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置により測定された体積基準の累積粒度分布から、体積基準メディアン径D50として算出された値とする。
板状アルミナ粒子はモリブデンを含んでもよい。さらに、本発明の効果を損なわない限り、原料または形状制御剤などからの不純物を含んでもよい。
また、板状アルミナ粒子は、モリブデンを含ませ、後記する製造方法において、その含有量や存在状態を制御することにより、使用する用途に応じた板状アルミナ粒子の物性や性能、例えば色相や透明性などの光学特性等を任意に調整することが可能である。
実施形態に係る板状アルミナ粒子は、平均厚さが1000nm以下であれば、どの様な製造方法に基づいて得られたものであってもよいが、よりアスペクト比が高く、より分散性に優れ、より生産性に優れる点で、モリブデン化合物と形状制御剤の存在下でアルミニウム化合物を焼成することにより得ることが好ましい。形状制御剤は、シリコン、ケイ素化合物、及びゲルマニウム化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を使用するのがよい。
上記製造方法において、モリブデン化合物はフラックス剤として用いられる。本明細書中では、以下、フラックス剤としてモリブデン化合物を用いたこの製造方法を単に「フラックス法」ということがある。フラックス法については、後に詳記する。なお、かかる焼成により、モリブデン化合物がアルミニウム化合物と高温で反応し、モリブデン酸アルミニウムを形成した後、このモリブデン酸アルミニウムが、さらに、より高温でアルミナと酸化モリブデンに分解する際に、モリブデン化合物が板状アルミナ粒子内に取り込まれるものと考えられる。また、酸化モリブデンは昇華し、それを回収して、再利用することもできる。
板状アルミナ粒子に取り込まれない酸化モリブデンは、昇華させることにより回収して、再利用することが好ましい。こうすることで、板状アルミナ粒子の表面に付着する酸化モリブデン量を低減でき、熱可塑性樹脂と、板状アルミナ粒子とを含有する薄膜状成形体を形成する際に、酸化モリブデンがバインダーに混入することがなく、板状アルミナ粒子本来の性質を最大限に付与することが可能となる。
尚、本明細書においては、後記する製造方法において昇華しうる性質を有するものをフラックス剤、昇華し得ないものを形状制御剤と称するものとする。
前記板状アルミナ粒子の製造において、モリブデン及び形状制御剤を活用することにより、板状アルミナ粒子は高いα結晶率を有し、自形を持つことから、優れた分散性と機械強度、高熱伝導性を実現することができる。
実施形態に係る板状アルミナ粒子の等電点のpHは、例えば2~6の範囲であり、2.5~5の範囲であることが好ましく、3~4の範囲であることがより好ましい。等電点のpHが上記範囲内かつより狭い範囲にある板状アルミナ粒子は、静電反発力が高く、それ自体で上記した様な被分散媒体へ配合した際の分散安定性を高めることができ、更なる性能向上を意図したカップリング処理剤等の表面処理による改質がより容易となる。
以下に、板状アルミナ粒子の組成のうち、アルミナ、ケイ素・ゲルマニウム、モリブデンについて説明する。
(アルミナ)
実施形態に係る板状アルミナ粒子に含まれる「アルミナ」は、酸化アルミニウムであり、例えば、γ、δ、θ、κ等の各種の結晶形の遷移アルミナであっても、または遷移アルミナ中にアルミナ水和物を含んでいてもよいが、より機械的な強度または熱伝導性に優れる点で、基本的にα結晶形(α型)であることが好ましい。α結晶形がアルミナの緻密な結晶構造であり、板状アルミナ粒子の機械強度または熱伝導性の向上に有利となる。
α結晶化率は、100%にできるだけ近いほうが、α結晶形本来の性質を発揮しやすくなるので好ましい。実施形態に係る板状アルミナ粒子のα結晶化率は、例えば90%以上であり、95%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。
(ケイ素・ゲルマニウム)
実施形態に係る板状アルミナ粒子は、ケイ素及び/又はゲルマニウムを含んでいてもよい。
実施形態に係る板状アルミナ粒子は、形状制御剤としてシリコン又はケイ素元素を含むケイ素化合物を使用した場合、蛍光X線分析(以下、「XRF分析」と略記する。)によってSiが検出され得る。実施形態に係る板状アルミナ粒子は、XRF分析によって取得された、Alに対するSiのモル比[Si]/[Al]が例えば0.04以下であり、0.035以下であることが好ましく、0.02以下であることがより好ましい。
また、前記モル比[Si]/[Al]の値は、特に限定されるものではないが、例えば0.003以上であり、0.004以上であることが好ましく、0.008以上であることがより好ましい。
実施形態に係る板状アルミナ粒子は、XRF分析によって取得された、Alに対するSiのモル比[Si]/[Al]が例えば0.003以上0.04以下であり、0.004以上0.035以下であることが好ましく、0.008以上0.02以下であることがより好ましい。
実施形態に係る板状アルミナ粒子は、形状制御剤としてゲルマニウム又はゲルマニウム化合物を使用した場合、XRF分析によってGeが検出され得る。実施形態に係る板状アルミナ粒子は、XRF分析によって取得された、Alに対するGeのモル比[Ge]/[Al]が例えば0.08以下であり、0.05以下であることが好ましく、0.03以下であることがより好ましい。
また、前記モル比[Ge]/[Al]の値は、特に限定されるものではないが、例えば0.005以上であり、0.01以上であることが好ましく、0.015以上であることがより好ましい。
実施形態に係る板状アルミナ粒子は、XRF分析によって取得された、Alに対するGeのモル比[Ge]/[Al]が例えば0.005以上0.08以下であり、0.01以上0.05以下であることが好ましく、0.015以上0.03以下であることがより好ましい。
実施形態に係る板状アルミナ粒子は、その製造方法で用いた原料ゲルマニウム化合物に対応した、ゲルマニウムを含んでいてもよい。実施形態に係る板状アルミナ粒子100質量%に対するゲルマニウムの含有量は、二酸化ゲルマニウム換算で、好ましくは、10質量%以下であり、より好ましくは、0.001~5質量%であり、さらに好ましくは、0.01~4質量%以下であり、特に好ましくは、0.6~3.0質量%以下である。ゲルマニウムの含有量が上記範囲内であると、アスペクト比が高いものとなる。上記ゲルマニウムの含有量はXRF分析により求めることができる。
(モリブデン)
また、実施形態に係る板状アルミナ粒子は、モリブデンを含んでいてもよい。当該モリブデンは、フラックス剤として用いたモリブデン化合物に由来するものである。
モリブデンは触媒機能、光学的機能を有する。また、モリブデンを活用することにより、高アスペクト比と優れた分散性を有する板状アルミナ粒子を製造することができる。また、板状アルミナ粒子に含まれたモリブデンの特性を利用して、酸化反応触媒、光学材料の用途に適用することが可能となりうる。
当該モリブデンとしては、特に制限されないが、モリブデン金属の他、酸化モリブデンや一部が還元されたモリブデン化合物等が含まれる。モリブデンは、MoOとして板状アルミナ粒子に含まれると考えられるが、MoO以外にもMoOやMoO等として板状アルミナ粒子に含まれてもよい。
モリブデンの含有形態は、特に制限されず、板状アルミナ粒子の表面に付着する形態で含まれていても、アルミナの結晶構造のアルミニウムの一部に置換された形態で含まれていてもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
実施形態に係る板状アルミナ粒子100質量%に対するモリブデンの含有量は、三酸化モリブデン換算で、好ましくは、10質量%以下であり、焼成温度、焼成時間、モリブデン化合物の昇華速度を調整する事で、より好ましくは、0.001~5質量%であり、さらに好ましくは、0.01~2質量%であり、特に好ましくは、0.1~1質量%である。モリブデンの含有量が10質量%以下であると、アルミナのα単結晶品質を向上させることから好ましい。
上記モリブデンの含有量はXRF分析により求めることができる。XRF分析は、後述する実施例に記載の測定条件と同一の条件、又は同一の測定結果が得られる互換性のある条件のもと実施されるものとする。
<板状アルミナ粒子の製造方法>
板状アルミナ粒子の製造方法は、特に制限されず、公知の技術が適宜適用されうるが、平均厚さが1000nm以下であり、相対的に低温で高α結晶化率を有するアルミナを好適に制御することができる観点から、好ましくはモリブデン化合物を利用したフラックス法での製造方法が適用されうる。
より詳細には、板状アルミナ粒子の好ましい製造方法は、モリブデン化合物および形状制御剤の存在下で、アルミニウム化合物を焼成する工程(焼成工程)を含む。焼成工程は焼成対象の混合物を得る工程(混合工程)で得られた混合物を焼成する工程であってもよい。
[混合工程]
混合工程は、アルミニウム化合物と、モリブデン化合物と、形状制御剤と、を混合して混合物とする工程である。以下、混合物の内容について説明する。
(アルミニウム化合物)
板状アルミナ粒子におけるアルミニウム化合物は、アルミニウム元素を含むものであり、実施形態に係る板状アルミナ粒子の原料であり、熱処理によりアルミナになるものであれば特に限定されず、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、擬ベーマイト、遷移アルミナ(γ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナなど)、α-アルミナ、二種以上の結晶相を有する混合アルミナなどが使用でき、これら前駆体としてのアルミニウム化合物の形状、粒子径、比表面積等の物理形態については、特に限定されるものではない。
下で詳記するフラックス法によれば、実施形態に係る板状アルミナ粒子の形状は、例えば、球状、無定形、アスペクトのある構造体(ワイヤ、ファイバー、リボン、チューブなど)、シートなどのいずれであっても好適に用いることができる。
同様に、アルミニウム化合物の粒子径は、下で詳記するフラックス法によれば、数nmから数百μmまでのアルミニウム化合物の固体を好適に用いることができる。
アルミニウム化合物の比表面積も特に限定されるものではない。モリブデン化合物が効果的に作用するため、比表面積が大きい方が好ましいが、焼成条件やモリブデン化合物の使用量を調整する事で、いずれの比表面積のものでも原料として使用することができる。
また、アルミニウム化合物は、アルミニウム化合物のみからなるものであっても、アルミニウム化合物と有機化合物との複合体であってもよい。例えば、有機シランを用いて、アルミニウム化合物を修飾して得られる有機/無機複合体、ポリマーを吸着したアルミニウム化合物複合体などであっても好適に用いることができる。これらの複合体を用いる場合、有機化合物の含有率としては、特に制限はないが、板状アルミナ粒子を効率的に製造できる観点より、当該含有率は60質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
(形状制御剤)
実施形態に係る板状アルミナ粒子を形成するために、形状制御剤を用いることできる。形状制御剤の存在状態は、特に制限されず、例えば、形状制御剤とアルミニウム化合物と物理混合物、形状制御剤がアルミニウム化合物の表面または内部に均一または局在に存在した複合体などが好適に用いることができる。
また、形状制御剤がアルミニウム化合物に添加しても良いが、アルミニウム化合物中に不純物として含んでも良い。
形状制御剤は板状結晶成長に重要な役割を果たす。一般的に行なわれる酸化モリブデンフラックス法では酸化モリブデンがアルミナのα結晶の(113)面に選択的に吸着し、結晶成分は(113)面に供給されにくくなり、(001)面、または(006)面の出現を完全に抑制できるとするものであることから、六角両錘型をベースとした多面体粒子を形成する。実施形態の製造方法においては、形状制御剤を用いて、フラックス剤である酸化モリブデンが(113)面に選択的な結晶成分の吸着を抑制することで、(001)面の発達した熱力学的に最も安定的な稠密六方格子の結晶構造を有する板状形態を形成することができる。モリブデン化合物をフラックス剤として用いることで、α結晶化率が高い、モリブデンを含む板状アルミナ粒子をより容易に形成できる。
形状制御剤の種類については、よりアスペクト比が高く、より分散性に優れ、より生産性に優れる板状アルミナ粒子を製造可能な点からも、モリブデン化合物、及びシリコン、ケイ素化合物及びゲルマニウム化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。
(シリコン又はケイ素化合物)
シリコン又はケイ素元素を含むケイ素化合物としては、特に制限されず、公知のものが使用されうる。シリコン又はケイ素元素を含むケイ素化合物の具体例としては、金属シリコン、有機シラン、シリコン樹脂、シリカ微粒子、シリカゲル、メソポーラスシリカ、SiC、ムライト等の人工合成シリコン化合物;バイオシリカ等の天然シリコン化合物等が挙げられる。これらのうち、アルミニウム化合物との複合、混合がより均一的に形成できる観点から、有機シラン、シリコン樹脂、シリカ微粒子を用いることが好ましい。なお、シリコン又はケイ素元素を含むケイ素化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明における効果を損なわない限りにおいて、他の形状制御剤と併用して使用してもよい。
シリコン又はケイ素元素を含むケイ素化合物の形状は、特に制限されず、例えば、球状、無定形、アスペクトのある構造体(ワイヤ、ファイバー、リボン、チューブなど)、シートなどを好適に用いることができる。
(ゲルマニウム化合物)
形状制御剤として用いる原料ゲルマニウム化合物としては、特に制限されず、公知のものが使用されうる。原料ゲルマニウム化合物の具体例としては、ゲルマニウム金属、二酸化ゲルマニウム、一酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、Ge-C結合を有する有機ゲルマニウム化合物等が挙げられる。なお、原料ゲルマニウム化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明における効果を損なわない限りにおいて、他の形状制御剤と併用して使用してもよい。
原料ゲルマニウム化合物の形状は、特に制限されず、例えば、球状、無定形、アスペクトのある構造体(ワイヤ、ファイバー、リボン、チューブなど)、シートなどを好適に用いることができる。
(モリブデン化合物)
モリブデン化合物は、モリブデン元素を含むものであり、後述するように、相対的に低温においてアルミナのα結晶成長にフラックス機能をする。 モリブデン化合物としては、特に制限されないが、酸化モリブデン、モリブデン金属が酸素との結合からなる酸根アニオン(MoOx n-)を含有する化合物が挙げられる。
前記酸根アニオン(MoOx n-)を含有する化合物としては、特に制限されないが、モリブデン酸、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸リチウム、H3PMo1240、H3SiMo1240、NH4Mo712、二硫化モリブデン等が挙げられる。
モリブデン化合物にシリコンを含むことも可能であり、その場合、シリコンを含むモリブデン化合物がフラックス剤と形状制御剤と両方の役割を果たす。
上述のモリブデン化合物のうち、昇華し易く、かつコストの観点から、酸化モリブデンを用いることが好ましい。また、上述のモリブデン化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のアルミニウム化合物、モリブデン化合物、及びシリコン、ケイ素化合物若しくはゲルマニウム化合物の使用量は、特に限定されるものではないが、好ましくは、酸化物換算した原料全量を100質量%とした際に、Al換算で50質量%以上のアルミニウム化合物と、MoO換算で40質量%以下のモリブデン化合物と、SiO換算又はGeO換算で0.1質量%以上10質量%以下のシリコン、ケイ素化合物若しくはゲルマニウム化合物と、を混合して混合物とし、前記混合物を焼成することができる。より好ましくは、酸化物換算した原料全量を100質量%とした際に、Al換算で70質量%以上99質量%以下のアルミニウム化合物と、MoO換算で2質量%以上15質量%以下のモリブデン化合物と、SiO換算又はGeO換算で0.5質量%以上7質量%未満のシリコン、ケイ素化合物若しくはゲルマニウム化合物と、を混合して混合物とし、前記混合物を焼成することができる。さらに好ましくは、酸化物換算した原料全量を100質量%とした際に、Al換算で80質量%以上94.5質量%以下のアルミニウム化合物と、MoO換算で1.5質量%以上7質量%以下のモリブデン化合物と、SiO換算又はGeO換算で0.8質量%以上4質量%以下のシリコン、ケイ素化合物若しくはゲルマニウム化合物と、を混合して混合物とし、前記混合物を焼成することができる。
上記の各原料の使用量の数値範囲は、それらの合計含有量が100質量%を超えない範囲において、適宜組み合わせることができる。
上記の範囲で各種化合物を使用することで、平均厚さが1000nm以下であり、厚さに対する粒子径の比率であるアスペクト比が5以上である板状アルミナ粒子を製造することができる。
[焼成工程]
焼成工程は、モリブデン化合物および形状制御剤の存在下で、アルミニウム化合物を焼成する工程である。焼成工程は、前記混合工程で得られた混合物を焼成する工程であってもよい。
実施形態に係る板状アルミナ粒子は、例えば、モリブデン化合物および形状制御剤の存在下で、アルミニウム化合物を焼成することで得られる。上記した通り、この製造方法はフラックス法と呼ばれる。
フラックス法は、溶液法に分類される。フラックス法とは、より詳細には、結晶-フラックス2成分系状態図が共晶型を示すことを利用した結晶成長の方法である。フラックス法のメカニズムとしては、以下の通りであると推測される。すなわち、溶質およびフラックスの混合物を加熱していくと、溶質およびフラックスは液相となる。この際、フラックスは融剤であるため、換言すれば、溶質-フラックス2成分系状態図が共晶型を示すため、溶質は、その融点よりも低い温度で溶融し、液相を構成することとなる。この状態で、フラックスを蒸発させると、フラックスの濃度は低下し、換言すれば、フラックスによる前記溶質の融点低下効果が低減し、フラックスの蒸発が駆動力となって溶質の結晶成長が起こる(フラックス蒸発法)。なお、溶質およびフラックスは液相を冷却することによっても溶質の結晶成長を起こすことができる(徐冷法)。
フラックス法は、融点よりもはるかに低い温度で結晶成長をさせることができる、結晶構造を精密に制御できる、自形をもつ多面体結晶体を形成できる等のメリットを有する。
フラックスとしてモリブデン化合物を用いたフラックス法によるα-アルミナ粒子の製造では、そのメカニズムは必ずしも明らかではないが、例えば、以下のようなメカニズムによるものと推測される。すなわち、モリブデン化合物の存在下でアルミニウム化合物を焼成すると、まず、モリブデン酸アルミニウムが形成される。この際、当該モリブデン酸アルミニウムは、上述の説明からも理解されるように、アルミナの融点よりも低温でα-アルミナ結晶を成長する。そして、例えば、フラックスを蒸発させることで、モリブデン酸アルミニウムが分解し、結晶成長することでα-アルミナ粒子を得ることができる。すなわち、モリブデン化合物がフラックスとして機能し、モリブデン酸アルミニウムという中間体を経由してα-アルミナ粒子が製造されるのである。
形状制御剤として、さらにカリウム化合物を用いた場合の、フラックス法によるα-アルミナ粒子の製造では、そのメカニズムは必ずしも明らかではないが、例えば、以下のようなメカニズムによるものと推測される。まず、モリブデン化合物とアルミニウム化合物が反応してモリブデン酸アルミニウムを形成する。そして、例えば、モリブデン酸アルミニウムが分解して酸化モリブデンとアルミナとなり、同時に、分解によって得られた酸化モリブデンを含むモリブデン化合物は、カリウム化合物と反応してモリブデン酸カリウムを形成する。当該モリブデン酸カリウムを含むモリブデン化合物の存在下でアルミナが結晶成長することで、実施形態に係る板状アルミナ粒子を得ることができる。
上記フラックス法により、例えば、平均厚さが1000nm以下であり、平均粒子径が0.1~500μmであり、厚さに対する粒子径の比率であるアスペクト比が5~500である板状アルミナ粒子を容易に製造することができる。
焼成の方法は、特に限定はなく、公知慣用の方法で行う事ができる。焼成温度が700℃を超えると、アルミニウム化合物と、モリブデン化合物が反応して、モリブデン酸アルミニウムを形成する。さらに、焼成温度が900℃以上になると、モリブデン酸アルミニウムが分解し、形状制御剤の作用で板状アルミナ粒子を形成する。また、板状アルミナ粒子では、モリブデン酸アルミニウムが分解することで、アルミナと酸化モリブデンになる際に、モリブデン化合物を酸化アルミニウム粒子内に取り込まれるものと考えられる。 また、焼成温度が900℃以上になると、モリブデン酸アルミニウムの分解により得られるモリブデン化合物(例えば三酸化モリブデン)がカリウム化合物と反応し、モリブデン酸カリウムを形成するものと考えられる。
また、焼成する時に、アルミニウム化合物と、形状制御剤と、モリブデン化合物の状態は特に限定されず、モリブデン化合物および形状制御剤がアルミニウム化合物に作用できる同一の空間に存在すれば良い。具体的には、モリブデン化合物と形状制御剤とアルミニウム化合物との粉体を混ぜ合わせる簡便な混合、粉砕機等を用いた機械的な混合、乳鉢等を用いた混合であっても良く、乾式状態、湿式状態での混合であっても良い。
焼成温度の条件に特に限定は無く、目的とする板状アルミナ粒子の平均厚さ、平均粒子径、アスペクト比等により、適宜、決定される。通常、焼成の温度については、最高温度がモリブデン酸アルミニウム(Al2(MoO43)の分解温度である900℃以上が好ましく、1000℃以上がより好ましい。
一般的に、焼成後に得られるα-アルミナの形状を制御しようとすると、α-アルミナの融点に近い2000℃以上の高温焼成を行う必要があるが、焼成炉へ負担や燃料コストの点から、産業上利用する為には大きな課題がある。
板状アルミナ粒子の製造方法は、2000℃を超えるような高温であっても実施可能であるが、1600℃以下というα-アルミナの融点よりかなり低い温度であっても、前駆体の形状にかかわりなくα結晶化率が高くアスペクト比の高い板状形状となるα-アルミナを形成することができる。
板状アルミナ粒子の製造方法の一実施形態によれば、最高焼成温度が900~1600℃の条件であっても、アスペクト比が高く、α結晶化率が90%以上である板状アルミナ粒子の形成を低コストで効率的に行うことができ、最高温度が950~1500℃での焼成がより好ましく、最高温度が1000~1400℃の範囲の焼成がさらに好ましく、最高温度が1200~1400℃での焼成が最も好ましい。
焼成の時間については、所定最高温度への昇温時間を15分~10時間の範囲で行い、且つ焼成最高温度における保持時間を5分~30時間の範囲で行うことが好ましい。板状アルミナ粒子の形成を効率的に行うには、10分~15時間程度の時間の焼成保持時間であることがより好ましい。
最高温度1200~1400℃かつ10分~15時間の焼成保持時間の条件を選択することで、平均厚さが1000nm以下であり、厚さに対する粒子径の比率であるアスペクト比が5以上である板状アルミナ粒子が、容易に得られる。
焼成の雰囲気としては、本発明の効果が得られるのであれば特に限定されないが、例えば、空気や酸素のといった含酸素雰囲気や、窒素やアルゴン、または二酸化炭素といった不活性雰囲気が好ましく、コストの面を考慮した場合は空気雰囲気がより好ましい。
焼成するための装置としても必ずしも限定されず、いわゆる焼成炉を用いることができる。焼成炉は昇華した酸化モリブデンと反応しない材質で構成されていることが好ましく、さらに酸化モリブデンを効率的に利用するように、密閉性の高い焼成炉を用いる事が好ましい。
[モリブデン除去工程]
板状アルミナ粒子の製造方法は、焼成工程後、必要に応じてモリブデンの少なくとも一部を除去するモリブデン除去工程をさらに含んでいてもよい。
上述のように、焼成時においてモリブデンは昇華を伴うことから、焼成時間、焼成温度等を制御することで、板状アルミナ粒子表層に存在するモリブデン含有量を制御することができ、またアルミナ粒子表層以外(内層)に存在するモリブデン含有量やその存在状態を制御することができる。
モリブデンは、板状アルミナ粒子の表面に付着しうる。上記昇華以外の手段として、当該モリブデンは水、アンモニア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、酸性水溶液で洗浄することにより除去することができる。なお、モリブデンは板状アルミナ粒子から除去されていなくとも良いが、少なくとも表面のモリブデンは除去する方が、本発明における板状アルミナ粒子の、アルミナ(酸化アルミニウム)自体の純度を高めることができる。このためには、例えば、上記した洗浄工程を適宜利用することができる。
この際、使用する水、アンモニア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、酸性水溶液の濃度、使用量、および洗浄部位、洗浄時間等を適宜変更することで、モリブデン含有量を制御することができる。
[粉砕工程]
焼成物は板状アルミナ粒子が凝集して、本発明に好適な粒子径の範囲を満たさない場合がある。そのため、板状アルミナ粒子は、必要に応じて、本発明に好適な粒子径の範囲を満たすように粉砕してもよい。
焼成物の粉砕の方法は特に限定されず、ボールミル、ジョークラッシャー、ジェットミル、ディスクミル、スペクトロミル、グラインダー、ミキサーミル等の従来公知の粉砕方法を適用できる。
[分級工程]
板状アルミナ粒子は、平均粒子径を調整し、粉体の流動性を向上するため、またはマトリックスを形成するためのバインダーに配合したときの粘度上昇を抑制するために、好ましくは分級処理される。「分級処理」とは、粒子の大きさによって粒子をグループ分けする操作をいう。
分級は湿式、乾式のいずれでも良いが、生産性の観点からは、乾式の分級が好ましい。乾式の分級には、篩による分級のほか、遠心力と流体抗力の差によって分級する風力分級などがあるが、分級精度の観点からは、風力分級が好ましく、コアンダ効果を利用した気流分級機、旋回気流式分級機、強制渦遠心式分級機、半自由渦遠心式分級機などの分級機を用いて行うことができる。
上記した粉砕工程や分級工程は、後述する有機化合物層形成工程の前後を含めて、必要な段階において行うことができる。これら粉砕や分級の有無やそれらの条件選定により、例えば、得られる板状アルミナ粒子の平均粒子径を調整することができる。
≪薄膜状成形体の製造方法≫
本実施形態の互いに略平行な二つの表面を有する薄膜状成形体の製造方法としては、熱可塑性樹脂と平均厚さが1000nm以下の板状アルミナ粒子とを含有する樹脂組成物を、板状アルミナ粒子の板面と前記薄膜状成形体の表面とがなす平均配向角が20°以下となるよう、薄膜状に成形する方法であれば、特に限定されず、公知の押出シート成形法、射出成型法、プレス成形法、延伸成形法、ダイレクトブロー成形、2軸延伸ブロー成形、チューブ成形、サーモフォーミング成形等の成形方法を採用することができる。平均配向角が20°以下となるよう、薄膜状に成形する方法の具体的条件は、前記熱可塑性樹脂及び及び板状アルミナ粒子の性状、前記樹脂組成物の組成等により異なるが、前記薄膜状成形体の最も厚い部分の二つの表面の厚さを薄くすることで、前記平均配向角を小さくできる傾向にある。前記熱可塑性樹脂の溶融開始温度の+5℃以上の温度で成形することが好ましい。
本実施形態の互いに略平行な二つの表面を有する薄膜状成形体の製造方法は、二軸延伸シートとするための方法であることが好ましい。すなわち、熱可塑性樹脂と平均厚さが1000nm以下の板状アルミナ粒子とを含有する樹脂組成物を、押出機に供給し、溶融混錬した後、Tダイ又はサーキュラーダイなどで連続して押出し、シートをテンター法、バブル法等で連続的に逐次又は同時に二軸延伸する。ここで、延伸温度は、前記熱可塑性樹脂の溶融開始温度の+5℃以上の温度であることが好ましい。
板状アルミナ粒子としては、上述したものが用いられ、板状アルミナ粒子の平均厚さ、アスペクト比等の好ましい性状は上述したものと同じであるからここでは説明を省略する。
板状アルミナ粒子の含有量は、樹脂組成物の100質量%に対して、5~90質量%であることが好ましく、10~80質量%であることがより好ましく、20~70質量%であることがさらに好ましい。板状アルミナ粒子の含有量が前記下限値以上であると、機械強度に優れる薄膜状成形体が得られることから好ましい。一方、板状アルミナ粒子の含有量が前記上限値以下であると、成形性に優れた樹脂組成物を得ることができることから好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、前述の公知慣用の熱可塑性樹脂を例示できる。中でも、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアミド樹脂が好ましく、カルボキシ基含有ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリカプラミド[6ナイロン]がより好ましい。
熱可塑性樹脂の含有量は、樹脂組成物の100質量%に対して、10~95質量%であることが好ましく、20~90質量%であることがより好ましく、30~80質量%であることが特に好ましい。樹脂の含有量が前記下限値以上であると、樹脂組成物に優れた成形性を付与できることから好ましい。一方、樹脂の含有量が前記上限値以下であると、薄膜状成形体の機械強度が優れることから好ましい。
前記樹脂組成物は、板状アルミナ粒子と熱可塑性樹脂、さらに必要に応じてその他の配合物を混合することにより得られる。その混合方法に特に限定はなく、公知慣用の方法により、混合される。
熱可塑性樹脂と板状アルミナ粒子等との混合方法としては、熱可塑性樹脂、板状アルミナ粒子、および必要に応じてその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダー、混合ロールなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常100~350℃の範囲である。
前記樹脂組成物の流動性や板状アルミナ粒子等のフィラー充填性をより高められることから、樹脂組成物にカップリング剤を外添してもよい。なお、カップリング剤を外添することで、樹脂組成物と板状アルミナ粒子の密着性が更に高められ、樹脂組成物と板状アルミナ粒子との間の密着性が向上し、薄膜状成形体の機械強度が向上しうる。
更に、カップリング剤はあらかじめ板状アルミナ粒子の表面に添着または反応による被覆といった、いわゆる表面処理による局在化を行ったうえで、樹脂組成物に添加する方法でも構わない。
板状アルミナ粒子表面への提供方法としては、浸漬塗工や化学蒸着(CVD)を採用することができる。中でも、熱CVD法が真空設備が不要で、比較的簡便でより効果的な性能改善が認められるので、好ましい。
前記カップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、iso-プロピルトリメトキシシラン、iso-プロピルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクテニルトリメトキシシラン等のアルキル基の炭素数が1~22までのアルキルトリメトキシシランまたはアルキルトリクロロシラン類、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロオクチル)トリクロロシラン類、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、p-クロロメチルフェニルトリメトキシシラン、p-クロロメチルフェニルトリエトキシシラン類等、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、グリシドキシオクチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン等のビニルシラン、さらに、エポキシ系、アミノ系、ビニル系の高分子タイプのシラン等の有機シラン化合物が挙げられる。なお、上記有機シラン化合物は、単独で含まれていても、2種以上を含んでいてもよい。
上述のカップリング剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カップリング剤の添加量は特に制限されないが、樹脂組成物の100質量%に対して、0.01~5質量%であることが好ましく、0.1~3質量%であることがより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断わりがない限り、「%」は「質量%」を表わす。
<板状アルミナ粒子の合成>
[合成例1]板状アルミナ粒子の合成
水酸化アルミニウム(日本軽金属株式会社製、平均粒子径2μm)142.3gと、二酸化珪素(関東化学株式会社製、特級)2.8gと、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社製)4.7gと、を乳鉢で混合し、混合物を得た。得られた混合物を坩堝に入れ、セラミック電気炉にて5℃/分の条件で1200℃まで昇温し、1200℃で10時間保持し焼成を行なった。その後5℃/分の条件で室温まで降温後、坩堝を取り出し、95gの薄青色の粉末を得た。得られた粉末を乳鉢で、106μm篩を通るまで解砕した。
続いて、得られた前記薄青色粉末の50gを0.5%アンモニア水の150mLに分散し、分散溶液を室温(25~30℃)で0.5時間攪拌後、ろ過によりアンモニア水を除き、水洗浄と乾燥を行う事で、粒子表面に残存するモリブデンを除去し、47gの薄青色の粉末を得た。得られた粉末はSEM観察により形状が多角板状であり、凝集体が極めて少なく、優れた取り扱い性を有する板状形状の粒子であることが確認された。さらに、XRD測定を行ったところ、α-アルミナに由来する鋭いピーク散乱が現れ、α結晶構造以外のアルミナ結晶系ピークは観察されなく、緻密な結晶構造を有する板状アルミナ粒子であることを確認した。また、α化率は99%以上(ほぼ100%)であった。さらに、蛍光X線定量分析の結果から、得られた粒子は、モリブデンを三酸化モリブデン換算で0.3質量%含むものであり、ケイ素を二酸化ケイ素換算で、2.2質量%含むものであることを確認した。XPS分析結果により求められるAlに対するSiのモル比[Si]/[Al]は、0.28であった。また、ゼータ電位の測定を行ったところ、得られた板状アルミナ粒子の等電点はpH3.7であることが解った。
(平均粒子径Lの計測)
合成例1で得られた板状アルミナ粒子(以下、「EF1」ということがある。)について、レーザー回折式粒度分布計HELOS(H3355)&RODOS(株式会社日本レーザー製)を用い、分散圧3bar、引圧90mbarの条件でメディアン径D50(μm)を求め、平均粒子径Lとした。平均粒子径Lは、5μmであった。
(平均厚さDの計測)
上記試料について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、50個の厚さを測定した平均値を採用し、平均厚さD(μm)とした。平均厚さDは、0.200μmであった。
板状アルミナ粒子のアスペクト比L/Dは下記の式を用いて求めた。アスペクト比L/Dは、25であった。
(アスペクト比L/D)
アスペクト比=板状アルミナ粒子の平均粒子径L/板状アルミナ粒子の平均厚さD
比較例1~2で用いたフィラーについても、同様にして、平均粒子径L、平均厚さD及びアスペクト比L/Dの評価を行った。
合成例1で得られた板状アルミナ粒子のα化率及びMo量の分析は、以下の方法により求めた。
(α化率の分析)
作製した試料を0.5mm深さの測定試料用ホルダーにのせ、一定荷重で平らになる様充填し、それを広角X線回折装置(株式会社リガク製 Rint-Ultma)にセットし、Cu/Kα線、40kV/30mA、スキャンスピード2度/分、走査範囲10~70度の条件で測定を行った。α-アルミナと遷移アルミナの最強ピーク高さの比よりα化率を求めた。
(板状アルミナ粒子内に含まれるMo量の分析)
蛍光X線分析装置PrimusIV(株式会社リガク製) を用い、作製した試料約70mgをろ紙にとり、PPフィルムをかぶせて組成分析を行った。
XRF分析結果により求められるモリブデン量を、板状アルミナ粒子100質量%に対する三酸化モリブデン換算(質量%)により求めた。XRF分析結果により求められるケイ素量を、板状アルミナ粒子100質量%に対する二酸化ケイ素換算(質量%)により求めた。
(カルボキシ基含有ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS-1)の製造)
圧力計、温度計、コンデンサ、デカンター、精留塔を連結した撹拌翼付き150リットルオートクレーブにp-ジクロロベンゼン(以下、「p-DCB」と略記する。)33.222kg(226モル)、N-メチル-2-ピロリドン(以下、「NMP」と略記する。)2.280kg(23モル)、47.23質量%NaSH水溶液27.300kg(NaSHとして230モル)、及び49.21質量%NaOH水溶液18.533g(NaOHとして228モル)を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で173℃まで5時間掛けて昇温して、水27.300kgを留出させた後、オートクレーブを密閉した。脱水時に共沸により留出したp-DCBはデカンターで分離して、随時オートクレーブ内に戻した。脱水終了後のオートクレーブ内は微粒子状の無水硫化ナトリウム組成物がp-DCB中に分散した状態であった。この組成物中のNMP含有量は0.069kg(0.7モル)であったことから、仕込んだNMPの97モル%(22.3モル)がNMPの開環体(4-(メチルアミノ)酪酸)のナトリウム塩(以下、「SMAB」と略記する。)に加水分解されていることが示された。オートクレーブ内のSMAB量は、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.097モルであった。仕込んだNaSHとNaOHが全量、無水NaSに変わる場合の理論脱水量は27.921gであることから、オートクレーブ内の残水量621g(34.5モル)の内、401g(22.3モル)はNMPとNaOHとの加水分解反応に消費されて、水としてオートクレーブ内に存在せず、残りの220g(12.2モル)は水、あるいは結晶水の形でオートクレーブ内に残留していることを示していた。オートクレーブ内の水分量はオートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.053モルであった。
上記脱水工程終了後に、内温を160℃に冷却し、NMP47.492kg(479モル)に含む溶液を仕込み、185℃まで昇温した。オートクレーブ内の水分量は、工程2で仕込んだNMP1モル当たり0.025モルであった。ゲージ圧が0.00MPaに到達した時点で、精留塔を連結したバルブを開放し、内温200℃まで1時間掛けて昇温した。この際、精留塔出口温度が110℃以下になる様に冷却とバルブ開度で制御した。留出したp-DCBと水の混合蒸気はコンデンサで凝縮し、デカンターで分離して、p-DCBはオートクレーブへ戻した。留出水量は179g(9.9モル)で、オートクレーブ内水分量は41g(2.3モル)で、脱水後に仕込んだNMP1モル当たり0.005モルで、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.010モルであった。オートクレーブ内のSMAB量は脱水時と同じく、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.097モルであった。
次いで、内温200℃から230℃まで3時間掛けて昇温し、230℃で1時間撹拌した後、250℃まで昇温し、1時間撹拌した。内温200℃時点のゲージ圧は0.03MPaで、最終ゲージ圧は0.30MPaであった。冷却後、得られたスラリーの内、6.5kgを30リットルの80℃温水に注いで1時間撹拌した後、濾過した。このケーキを再び30リットルの温水で1時間撹拌し、洗浄した後、濾過した。次に、得られたケーキに30リットルの水を加え、酢酸でpHを4.5に調整し、常温で1時間撹拌したのち、濾過した。さらに得られたケーキに30リットルの温水を加え、1時間撹拌したのち、ろ過する操作を2回繰返して、熱風循環乾燥機を用い120℃で一晩乾燥して白色粉末上のカルボキシ基含有ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、「PPS-1」という。)を得た。得られたポリマーの溶融粘度は98Pa・sで、カルボキシ基含有量は55.4μmol/gであった。また、融点(Tm)は282℃、再結晶化温度(Tc2)は203℃であった。
[参考例1]
(薄膜状成形体の作製)
前記板状アルミナ粒子(18.96質量部)及び前記カルボキシ基含有PPS樹脂(PPS-1)(9.72質量部)を、ヘンシェルミキサーによって乾式混合した後、二軸混練押出機(Xplore社製)で、300℃、100rpmの条件で溶融・混練及び押出を行った。押し出されたストランドを冷却し、カットして混合物のペレットを得た。
得られたペレットを150℃、30分の条件で加熱乾燥して吸着水分を除去した後、二軸スクリュー押出機(東洋精機製作所製2D25S)にて320℃の条件で加熱溶融させ、押出機の先端に設けられたTダイから2mm厚の平膜状に吐出し、冷却ロールに圧着させて冷却・固化させて、参考例1の薄膜状成形体としてのシートを得た。参考例1の薄膜状成形体の厚さは2mmであった。
[実施例1]
(薄膜状成形体の作製)
参考例1の薄膜状成形体としてのシートを、290℃の温度で加熱された状態で、互いに直角をなす縦方向及び横方向の二方向に、延伸倍率を共に2倍とし、同時に二軸延伸した。縦方向及び横方向の延伸倍率を共に2倍とし、得られた二軸延伸シートを200℃で10秒間熱固定して、実施例1の薄膜状成形体としての二軸延伸シートを得た。実施例1の薄膜状成形体の厚さは、0.5mmであった。
[参考例2]
(薄膜状成形体の作製)
参考例1における、前記板状アルミナ粒子(18.96質量部)及び前記カルボキシ基含有PPS樹脂(PPS-1)(9.72質量部)を、前記板状アルミナ粒子(9.48質量部)及び前記カルボキシ基含有PPS樹脂(PPS-1)(12.96質量部)に、変更したことの他は、参考例1と同様にして、参考例2の薄膜状成形体としてのシートを得た。参考例2の薄膜状成形体の厚さは2mmであった。
[実施例2]
(薄膜状成形体の作製)
参考例2の薄膜状成形体としてのシートを、290℃の温度で加熱された状態で、互いに直角をなす縦方向及び横方向の二方向に、延伸倍率を共に2倍とし、同時に二軸延伸した。得られた二軸延伸シートを200℃で10秒間熱固定して、実施例2の薄膜状成形体としての二軸延伸シートを得た。得られた実施例2の薄膜状成形体の厚さは、0.5mmであった。
[比較例1]
(薄膜状成形体の作製)
参考例1における、前記板状アルミナ粒子(18.96質量部)を、市販のタルクフィラー(富士タルク工業社製RL-217)(12.96質量部)に変更したことの他は、参考例1と同様にして、厚さが2mmのシートを得た。得られたシートを、290℃の温度で加熱された状態で、互いに直角をなす縦方向及び横方向の二方向に、延伸倍率を共に2倍とし、同時に二軸延伸した。得られた二軸延伸シートを200℃で10秒間熱固定して、比較例1の薄膜状成形体としての二軸延伸シートを得た。タルクフィラーの平均粒子径、平均厚さ、アスペクト比を表1に示した。得られた比較例1の薄膜状成形体の厚さは、0.5mmであった。
[比較例2]
(薄膜状成形体の作製)
参考例1における、前記板状アルミナ粒子(18.96質量部)を、市販のアルミナフィラー(フジミ社(米国イリノイ州、Elmhurst)製PWA15)(18.96質量部)に、変更したことの他は、参考例1と同様にして、厚さが2mmのシートを得た。なお、合成例1と同様にアルミナフィラー(PWA15)のゼータ電位の測定を行ったところ、等電点はpH5以上であることが解った。得られたシートを、290℃の温度で加熱された状態で、互いに直角をなす縦方向及び横方向の二方向に、延伸倍率を共に2倍とし、同時に二軸延伸した。得られた二軸延伸シートを200℃で10秒間熱固定して、比較例2の薄膜状成形体としての二軸延伸シートを得た。得られた比較例2の薄膜状成形体の厚さは、0.5mmであった。
(成形物の曲げ弾性率の評価)
参考例1,2のシート並びに実施例1,2及び比較例1,2の二軸延伸シートを、1cm×4cmに切断し、それぞれの薄膜状成形体の曲げ弾性率測定用試料とした。
インストロン製万能試験機インストロン5965を使用して、支持スパン32mm、試験速度2mm/minにて3点曲げ試験を行うことで、曲げ弾性率の測定を行った。結果を表1に示す。
(薄膜状成形体中の板状アルミナ粒子の平均配向角の評価)
参考例1,2のシート並びに実施例1,2及び比較例1,2の薄膜状成形体(すなわち、二軸延伸シート)を、それぞれ、エポキシ樹脂で包埋し、それぞれの薄膜状成形体の表面に対して直交する断面を観察できる様に、ビューラー社製Automet250pro研磨機によって研磨することにより、薄膜状成形体の直交断面の面出しを行った。
日本電子製の走査型電子顕微鏡(SEM)JCM-7000を用いて、それらの試料の直交断面の状態を観察し、250μm×190μmの視野のSEM像に映り込んでいる板状アルミナ粒子の配向状態を確認した。
図1は、薄膜状成形体の直交断面のSEM像の模式図である。
そして、図1の模式図に示すように、薄膜状成形体の表面の輪郭の直線を角度0°とし、その直線に平行な直線に対する各板状アルミナ粒子の配向角(-90°<θ<90°)を見積もり、それらの絶対値の平均値を求めることにより、試料の薄膜状成形体中の板状アルミナ粒子の平均配向角を計算した。
具体的には、薄膜状成形体の試料の表面の輪郭を視野に入れて、視野中でその表面の輪郭が画面の長辺に対して平行になるよう、試料の角度を調整した。その後、試料の直交断面の内部に視野を移動させ、その移動後の視野で撮像した。各板状アルミナ粒子は薄膜状成形体の直交断面に概ね針状に観察された。
写真に針状に映り込んだ板状アルミナ粒子の長手方向の二端の座標を計測して、それらの値から表面の輪郭方向、すなわち、写真の長辺方向とのなす角を計算する。その後、任意の視野の写真を撮影し、計測を少なくとも100個の板状アルミナ粒子に対して行い、平均値を計算した。
Figure 0007074268000001
・フィラー種類
EF1:合成例1で得られた板状アルミナ粒子
T1:タルクフィラー(富士タルク工業製RL-217)
A1:アルミナフィラー(フジミ製PWA15)
表1に示される通り、板状アルミナ粒子の平均厚さが1000nm以下であり、平均配向角が20°以下である、実施例1、2の薄膜状成形体は、同程度の厚さを有するタルクフィラーを用いて、同程度の平均配向角を有する様に成形した比較例1の薄膜状成形体、同程度の厚さを有するアルミナフィラーを用いて、同程度の平均配向角を有する様に成形した比較例2の薄膜状成形体よりも、機械強度に優れる。実施例1、2の薄膜状成形体は、比較例1の薄膜状成形体のタルクフィラーではなく特定の板状アルミナ粒子を用いる点、及び、比較例2の薄膜状成形体のアルミフィラーではなく特定の板状アルミナ粒子を用いる点が、機械強度に優れる要因になったと考えられる。
[実施例3、4]
(板状アルミナ粒子含有ナイロン樹脂組成物の作製)
前記板状アルミナ粒子EF1、及び6ナイロン樹脂(DSM製ノバミッド1010J)を、それぞれ24/76質量比となるよう、混練物の作製を行った。混練物の作製は、押出機(ベルストルフ社製同方向回転二軸押出機;ZE40A-2)を用い、スクリュ温度230℃設定、スクリュ回転数150rpmにて実施したところ、良好なストランドが得られていることを確認し、ストランドはペレタイザを通してペレット状混練物(以下DA04と記載する)を取得した。
(薄膜状成形体の作製)
前記で得た混練物DA04を用い、Tダイ押出成形機(株式会社創研製)を通してフィルム状成形体を作製した。ダイス部の温度は260℃、押出機温度は240℃としてフィルムを作製した。成形機の運転条件については、スクリュ回転数;25rpm、電流値;14~15A、樹脂圧力;3.0~3.2MPa、ロール温度設定;10℃、引き取り速度;3.0m/min、にて行ったところ、平均厚み49μm、幅260~265mmの薄膜状成形体(実施例3)を取得した。
実施例4の薄膜状成形体の作製においては、フィーダーに混練物DA04及び6ナイロン樹脂を193/100質量部となるよう装置に供給し、成形機の引き取り速度を3.5m/minとした以外は実施例3と同様の装置運転条件にて行ったところ、板状アルミナ粒子EF1を16質量%含有する、平均厚み50μm、幅250~255mmの薄膜状成形体(実施例4)を取得した。
[比較例3]
実施例3,4と同様のTダイ押出成形機を使用し、成形機の引き取り速度を2.8m/minとした以外は実施例3と同様の装置運転条件にて、6ナイロン樹脂のみからなる薄膜状成形体を作製した。
(機械強度の評価)
実施例3,4及び比較例3の機械強度の評価は、JIS-Z1707に準拠したフィルム突刺し強さにて行った。
(薄膜状成形体中の板状アルミナ粒子の平均配向角の評価)
実施例1等と同様の方法にて、実施例3,4及び比較例3の薄膜成形体中の板状アルミナ粒子の平均配向角の評価を行った。
実施例3,4及び比較例3の評価結果を以下の表2にまとめる。ナイロン系組成物からなる薄膜状成形体においても、機械強度が向上していることが分かる。
Figure 0007074268000002
本発明の薄膜状成形体は、優れた機械的特性が期待できることから、それ自体で又はそれに他の部品と組み合わせて、例えば、電気・電子部品、精密機械部品、家電部品、医療部品、自動車・車両部品、建築部品、各種装置の微小部品や筐体、などの各種用途に好適に使用できる。

Claims (12)

  1. 熱可塑性樹脂と、板状アルミナ粒子とを含有し、互いに略平行な二つの表面を有する薄膜状成形体であって、
    前記板状アルミナ粒子が、Alに対するSiのモル比「Si」/「Al」が0.003以上0.04以下であって、
    前記板状アルミナ粒子の平均厚さが1000nm以下であり、前記板状アルミナ粒子の板面と前記薄膜状成形体の表面とがなす平均配向角が20°以下である薄膜状成形体。
  2. 前記板状アルミナ粒子の含有量が、前記薄膜状成形体100質量%に対して、5~90質量%である請求項1に記載の薄膜状成形体。
  3. 前記薄膜状成形体の最も厚い部分の二つの表面の厚さが、0.01~2mである請求項1又は2に記載の薄膜状成形体。
  4. 前記板状アルミナ粒子の下記式で示されるアスペクト比が5~500である、請求項1~3のいずれか一項に記載の薄膜状成形体。
    アスペクト比=板状アルミナ粒子の平均粒子径L/板状アルミナ粒子の平均厚さD
  5. 前記熱可塑樹脂が、ポリアリーレンスルフィド樹脂である請求項1~のいずれか一項に記載の薄膜状成形体。
  6. 前記熱可塑樹脂が、ポリアミド樹脂である請求項1~のいずれか一項に記載の薄膜状成形体。
  7. 熱可塑性樹脂と平均厚さが1000nm以下の板状アルミナ粒子とを含有する樹脂組成物を、互いに略平行な二つの表面を有する薄膜状に成型する、請求項1に記載の薄膜状成形体の製造方法。
  8. 前記樹脂組成物中の板状アルミナ粒子の含有量が、前記樹脂組成物の100質量%に対して、5~90質量%である請求項に記載の薄膜状成形体の製造方法。
  9. 前記薄膜状成形体の最も厚い部分の二つの表面の厚さが、0.01~2mとなる様に成形する、請求項又はに記載の薄膜状成形体の製造方法。
  10. 前記板状アルミナ粒子の下記式で示されるアスペクト比が5~500である、請求項のいずれか一項に記載の薄膜状成形体の製造方法。
    アスペクト比=板状アルミナ粒子の平均粒子径L/板状アルミナ粒子の平均厚さD
  11. 前記樹脂組成物中の熱可塑性樹脂が、ポリアリーレンスルフィド樹脂である請求項10のいずれか一項に記載の薄膜状成形体の製造方法。
  12. 前記樹脂組成物中の熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂である請求項10のいずれか一項に記載の薄膜状成形体の製造方法。
JP2021573217A 2020-03-05 2021-02-18 薄膜状成形体、及びその製造方法 Active JP7074268B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020038063 2020-03-05
JP2020038063 2020-03-05
PCT/JP2021/006028 WO2021177037A1 (ja) 2020-03-05 2021-02-18 薄膜状成形体、及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2021177037A1 JPWO2021177037A1 (ja) 2021-09-10
JP7074268B2 true JP7074268B2 (ja) 2022-05-24

Family

ID=77612626

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021573217A Active JP7074268B2 (ja) 2020-03-05 2021-02-18 薄膜状成形体、及びその製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7074268B2 (ja)
TW (1) TW202134329A (ja)
WO (1) WO2021177037A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024095649A1 (ja) * 2022-11-04 2024-05-10 株式会社日立製作所 ポリエーテルエーテルケトン樹脂を用いた接合体および複合材料

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003041019A (ja) 2001-07-26 2003-02-13 Toray Ind Inc 熱可塑性樹脂フィルム
WO2017018483A1 (ja) 2015-07-29 2017-02-02 東レバッテリーセパレータフィルム株式会社 電池用セパレータおよびその製造方法
WO2020021675A1 (ja) 2018-07-26 2020-01-30 Dic株式会社 板状アルミナ粒子、及び板状アルミナ粒子の製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6708281B2 (ja) * 2019-03-27 2020-06-10 Dic株式会社 板状アルミナ粒子

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003041019A (ja) 2001-07-26 2003-02-13 Toray Ind Inc 熱可塑性樹脂フィルム
WO2017018483A1 (ja) 2015-07-29 2017-02-02 東レバッテリーセパレータフィルム株式会社 電池用セパレータおよびその製造方法
WO2020021675A1 (ja) 2018-07-26 2020-01-30 Dic株式会社 板状アルミナ粒子、及び板状アルミナ粒子の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024095649A1 (ja) * 2022-11-04 2024-05-10 株式会社日立製作所 ポリエーテルエーテルケトン樹脂を用いた接合体および複合材料

Also Published As

Publication number Publication date
WO2021177037A1 (ja) 2021-09-10
TW202134329A (zh) 2021-09-16
JPWO2021177037A1 (ja) 2021-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3388471B1 (en) Polyarylene sulfide resin granular article and method for producing same
JP6646864B2 (ja) 板状アルミナ粒子の製造方法
WO2013039103A1 (ja) 無機フィラー複合体、熱伝導性樹脂組成物、及び成形体
JP6638257B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体混合物
JP6934344B2 (ja) 球状シリカフィラー用粉末及びその製造方法
JP7459801B2 (ja) 板状アルミナ粒子、板状アルミナ粒子の製造方法、及び樹脂組成物
JP6708281B2 (ja) 板状アルミナ粒子
WO2018074353A1 (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂粉粒体混合物および三次元造形物の製造方法
JP7074268B2 (ja) 薄膜状成形体、及びその製造方法
JP2024072854A (ja) 複合粒子の製造方法
JP2011057529A (ja) アルミナドープジルコニアナノ粒子及びその製造方法
WO2006082880A1 (ja) 熱可塑性樹脂複合体組成物、その製法および用途
JP5646962B2 (ja) 結晶性樹脂複合材料及びその製造方法
JP7151935B2 (ja) 板状アルミナ粒子、及び板状アルミナ粒子の製造方法
WO2023234160A1 (ja) 酸化銅クロムスピネル、及びその樹脂組成物、樹脂成形品、酸化銅クロムスピネルの製造方法
Ghanshyam et al. Synthesis and characterization of CaCO3-SiO2 core-shell nanoparticles with PA6 nanocomposites
JP7468790B2 (ja) 複合粒子及び該複合粒子の製造方法
JP2021059479A (ja) ガスバリア性組成物、ガスバリア材、及び積層体
JP2009155116A (ja) 針状ベーマイトの製造方法
JPWO2020145341A1 (ja) 樹脂組成物、成形物、組成物、グリーンシート、焼成物及びガラスセラミックス基板

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211209

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211209

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20211209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220425

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7074268

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151