JP7067450B2 - ヒドロキサム酸樹脂の製造方法およびジルコニウムの精製方法 - Google Patents

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本発明は、ジルコニウムの精製に使用されるヒドロキサム酸樹脂の製造方法、およびジルコニウムの精製方法に関する。
従来、放射性ジルコニウムは、医用イメージングに有効な放射性同位元素であることが知られている。そのため、放射性ジルコニウムの製造方法および精製方法の確立が求められている。製造方法としては、イットリウム(Y)ターゲットに対して陽子線を照射する方法が知られている。陽子線を用いた製造方法においては、数百ミリグラム単位のイットリウム中に、数十~数百ナノグラム単位の微量の放射性ジルコニウムが生成される。微量の放射性ジルコニウムが生成されたイットリウムから、放射性ジルコニウムを精製する精製方法としては、キレート樹脂を用いる方法が知られている。例えば、非特許文献1には、機能基としてヒドロキサム酸基を有するキレート樹脂(以下、ヒドロキサム酸樹脂)を使用して、イットリウムから放射性ジルコニウムを精製する方法が記載されている。
非特許文献1に記載されたヒドロキサム酸樹脂を用いた放射性ジルコニウムの精製方法においては、ヒドロキサム酸樹脂が有する、4価以上の金属イオンと強いキレート結合を形成する性質を利用する。すなわち、ヒドロキサム酸樹脂は、4価のジルコニウムイオンを捕集する一方、3価のイットリウムイオンをほとんど捕集しない。そこで、放射性ジルコニウムが生成されたイットリウムターゲットを塩酸によって溶解した後、得られた溶解液をヒドロキサム酸樹脂に通液すると、溶解液中のジルコニウムイオンがヒドロキサム酸樹脂に吸着される。ジルコニウムイオンを吸着して捕集したヒドロキサム酸樹脂に対して、洗浄用酸性溶液を通液した後にシュウ酸水溶液((COOH)2)を通液すると、シュウ酸水溶液中にジルコニウムが溶出しジルコニウムを回収できる。また、陰イオン交換樹脂を用いてジルコニウムが溶解したシュウ酸溶液からシュウ酸を除去することも可能である。
非特許文献1等で使用されるヒドロキサム酸樹脂は、カルボキシル基を有する陽イオン交換樹脂を、カルボジイミドの存在下でテトラフルオロフェノール等と反応させて活性エステル化し、この活性エステルをろ別により分離した後、ヒドロキシルアミン等と反応させて製造している。
しかしながら、上記反応では、溶媒として水を使用するため、反応中間体が水分子で失活し、所望する量のヒドロキサム酸樹脂を得るために大過剰の薬剤が必要となる。また、上記の製造方法は2段階の反応であるため手間がかかるとともに、反応に適するpHの調整にも労力を要する。
陽イオン交換樹脂のカルボキシル基を、クロロギ酸メチルにより活性化し、塩酸ヒドロキシルアミンと反応させるヒドロキサム酸樹脂の1段階の製造方法も提案されているが(例えば、特許文献1参照)、クロロギ酸メチルは強力な求電子剤であり、カルボキシル基のみならず、樹脂の母材とも反応するおそれがあるとともに、反応により塩化水素ガスが発生するため、取扱に注意が必要となる。
一方、カルボキシル基の比色定量反応として、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミドを脱水剤として、カルボン酸と過塩素酸ヒドロキシルアミンを直接反応させ、精製したヒドロキサム酸を、過塩素酸酸性下で過塩素酸鉄(III)を加えて発色させる定量方法が提案されているが(例えば、非特許文献2参照)、この方法ではN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド由来の副生成物の分離が困難であるため、ヒドロキサム酸の製造等には使用されていなかった。
特表2017-521645号公報
Jason P.Holland et al. "Standardized methods for the production of high specific-activity zirconium-89", Nucl. Med. Biol., 2009, 36, 729-739. 松田 りえこ等、「カルボキシル基を持つ医薬品のジシクロヘキシルカルボジイミドによる吸光度定量」、分析化学、35巻、151頁、1986年
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ヒドロキサム酸樹脂を1段階の反応で、安価、かつ安全に製造することができるヒドロキサム酸樹脂の製造方法およびジルコニウムの精製方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るヒドロキサム酸樹脂の製造方法は、カルボジイミドの存在下、陽イオン交換樹脂の交換基であるカルボキシル基と、ヒドロキシルアミンまたは塩酸ヒドロキシルアミンとを反応させてヒドロキサム酸基とする反応工程と、ヒドロキサム酸基を有する前記陽イオン交換樹脂、およびカルボジイミド由来の副生成物を含む反応液をろ過、洗浄してヒドロキサム酸基を有する前記陽イオン交換樹脂を分離、精製する分離工程と、を含み、前記反応工程で使用する溶媒は、カルボジイミド、およびヒドロキシルアミンまたは塩酸ヒドロキシルアミンを溶解し、且つカルボキシル基と反応しない有機溶媒であることを特徴とする。
また、本発明に係るヒドロキサム酸樹脂の製造方法は、上記発明において、前記陽イオン交換樹脂が有するカルボキシル基1当量に対し、カルボジイミドを1.1~3当量、ヒドロキシルアミンまたは塩酸ヒドロキシルアミンを1.1~3当量加えることを特徴とする。
また、本発明に係るヒドロキサム酸樹脂の製造方法は、上記発明において、前記陽イオン交換樹脂の平均粒径は、50メッシュ(279μm)~500メッシュ(28μm)であることを特徴とする。
また、本発明に係るジルコニウムの精製方法は、上記のいずれか一つに記載されたヒドロキサム酸樹脂の製造方法により製造されたヒドロキサム酸樹脂を使用して、ジルコニウムイオンおよびイットリウムイオンを含む溶液から、ジルコニウムイオンを分離することを特徴とする。
本発明に係るヒドロキサム酸樹脂の製造方法によれば、簡易な方法で、安全かつ安価にヒドロキサム酸樹脂を製造することが可能になる。また、本発明に係るヒドロキサム酸樹脂の製造方法により製造したヒドロキサム酸樹脂を使用して、ジルコニウムをイットリウムから分離精製する場合に、高純度のジルコニウムを含有した精製液を回収することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るジルコニウムの精製方法を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
従来、ヒドロキサム酸樹脂(R-C(=O)NHOH、Rは樹脂の母材)は、市販の弱酸性イオン交換樹脂(R-C(=O)OH、Rは樹脂の母材)のカルボキシル基と、ヒドロキシルアミン(HN-OH)とを反応させて合成している。従来は、下記に示す式(1)および式(2)の2段階の反応で、ヒドロキサム酸樹脂を合成している。
Figure 0007067450000001
上記式(1)で示す第1の反応は、水溶液中、カルボジイミド(R-N=C=N-R)存在下で、弱酸性陽イオン交換樹脂とテトラフルオロフェノールを反応させ、弱酸性陽イオン交換樹脂のカルボキシル基を活性エステル化する。カルボジイミドはカルボキシル基の活性エステル化を促進させる。
第1の反応後、カルボジイミド由来の副生成物を分離するために、活性エステル化された弱酸性陽イオン交換樹脂をろ別、洗浄した後、上記式(2)に示す第2の反応を行う。第2の反応は、活性エステル化された弱酸性陽イオン交換樹脂をヒドロキシルアミンと反応させてヒドロキサム酸基とする反応である。第2の反応後、ヒドロキサム酸樹脂をろ別、洗浄する。
従来の方法では、第1の反応、および第2の反応ともに水溶液中で反応を行うため、下記式(3)および式(4)に示すように、反応中間体が水と反応して失活してしまう。そのため、弱酸性陽イオン交換樹脂が有するカルボキシル基1当量に対し、過剰量、例えば、約6.9当量のカルボジイミド、および約11.4当量のヒドロキシルアミンを使用することになり、コストがかさむという問題を有している。
Figure 0007067450000002
また、上記の式(3)および式(4)において、反応系のpHの管理が適切に行われない場合、反応中間体と水との反応が起こりやすくなるため、厳密なpH管理が必要となり手間を要するほか、適正pH範囲外で得たヒドロキサム酸樹脂は、放射性ジルコニウムイオンをほとんど吸着しないという問題もある。
さらに、従来の反応は、第1の反応と第2の反応の2段階であり、第1の反応後、ろ別、洗浄が必要となり、手間を要するものであった。
本発明者は、反応に要する材料の使用量を低減でき、カルボキシル基を有する陽イオン交換樹脂を一段階でヒドロキシルアミド化する方法を鋭意検討し、本発明を完成させるに至った。
本発明のヒドロキサム酸樹脂の製造方法は、カルボジイミドの存在下、陽イオン交換樹脂の交換基であるカルボキシル基と、ヒドロキシルアミンまたは塩酸ヒドロキシルアミンとを反応させてヒドロキサム酸基とする反応工程と、ヒドロキサム酸基を有する前記陽イオン交換樹脂、およびカルボジイミド由来の副生成物を含む反応液をろ過、洗浄してヒドロキサム酸基を有する前記陽イオン交換樹脂を分離、精製する分離工程と、を含み、前記反応工程で使用する溶媒は、カルボジイミド、およびヒドロキシルアミンまたは塩酸ヒドロキシルアミンを溶解し、且つそれらの物質と反応しない有機溶媒であることを特徴とする。
本発明で使用する陽イオン交換樹脂は、交換基としてカルボキシル基を有するものであればよく、アクリル酸系、メタクリル酸系のいずれも使用することができる。陽イオン交換樹脂としては、例えば、Waters社製Accell plus CMを使用することができる。
陽イオン交換樹脂の平均粒径は、50メッシュ~500メッシュであることが好ましい。陽イオン交換樹脂の平均粒径が28μm以上であることにより、副生成物とのろ別が容易となる。また、陽イオン交換樹脂の平均粒径が279μm以下であることにより、体積に対する比表面積の割合が大きくなるため、単位体積当たりの吸着量を大きくすることができ好ましい。
カルボジイミド(R-N=C=N-R)は、後述する有機溶媒に溶解するものであれば、種類を問わない。RおよびRは、同一でも、異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素数1~5のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3~8のシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基であり、例えば、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-N-エチルカルボジイミド、N-tert-ブチル-N-エチルカルボジイミド、N-シクロヘキシル-N-(2-モルホリノエチル)カルボジイミド・メト-p-トルエンスルホネート、N,N-ジ-tert-ブチルカルボジイミド、N,N-ジ-p-トリルカルボジイミド等を例示することができる。
溶媒は、カルボジイミドおよびヒドロキシルアミンまたは塩酸ヒドロキシルアミンを溶解し、且つカルボキシル基と反応しない有機溶媒であればよい。溶媒は、極性、かつ非プロトン性の溶媒であり、カルボキシル基と反応するヒドロキシル基、第1級アミノ基、第2級アミノ基を有しないものを使用する。例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル等が例示される。
本発明のヒドロキサム酸樹脂の製造工程は、下記式(5)に示す工程で行われる。
Figure 0007067450000003
交換基としてカルボキシル基を有する陽イオン交換樹脂(弱酸性陽イオン交換樹脂)を有機溶媒中に加えて懸濁させる。陽イオン交換樹脂が懸濁した溶媒中に、カルボジイミドを添加し、さらにヒドロキシルアミンまたは塩酸ヒドロキシルアミンを添加して、2時間程度撹拌してカルボキシル基をヒドロキシルアミド化する。塩酸ヒドロキシルアミンを使用する場合でも、塩基を加える必要はない。
上記の式(5)の反応において、陽イオン交換樹脂が有するカルボキシル基1当量に対し、カルボジイミドを1.1~3当量、ヒドロキシルアミンまたは塩酸ヒドロキシルアミンを1.1~3当量加えることが好ましい。本発明では、溶媒として水を使用しないため、カルボジイミドおよびヒドロキシルアミン等を大過剰加える必要がなく、低コストでヒドロキサム酸樹脂を得ることができる。
また、本発明では、カルボキシル基を有する陽イオン交換樹脂を、一段階でヒドロキシルアミンと反応させることができるため、反応に要する手間を低減することができ、なおかつ生成物は樹脂であるためろ過により副生成物、例えば、カルボジイミドに由来する副生成物との分離を行うことができる。
本発明のヒドロキサム酸樹脂の製造方法において、pH調整を行う必要はない。塩酸ヒドロキシルアミンに対して1当量の炭酸カリウムを加える系と加えない系で生成物を比較したが、両者に差は見られなかった。本発明のヒドロキサム酸樹脂の製造方法により製造したヒドロキサム酸樹脂は、再生処理等を行うことなく、ジルコニウムイオンを吸着することができ、ジルコニウムイオンおよびイットリウムイオンを含む溶液から、ジルコニウムイオンを分離することができる。
本発明のヒドロキサム酸樹脂の製造方法により製造したヒドロキサム酸樹脂を使用し、下記の工程でジルコニウムイオンおよびイットリウムイオンを含む溶液から、ジルコニウムイオンを分離することができる。図1は、本発明の実施の形態に係るジルコニウムの精製方法を説明するための模式図である。
まず、陽子線照射により内部に放射性ジルコニウム(89Zr:以下、ジルコニウムまたはZr)(図示せず)が生成された89Yのイットリウムターゲット1を準備する。溶解工程は、溶解槽2内の溶解用酸性溶液3によってZrが生成されたイットリウムターゲット1を溶解させ溶解液を調製する。ここで、溶解用酸性溶液3としては、例えば水素イオン濃度が0.5mol/L以上2.0mol/L以下の塩酸を用いる。また、イットリウムターゲット1を、例えば0.33g(330mg)使用する場合、2mL程度の溶解用酸性溶液3に溶解すればよい。また、塩酸以外に、硝酸、硫酸水溶液を用いることもできる。
吸着工程は、溶解工程で得られた溶解液を、本発明の方法で製造したヒドロキサム酸樹脂4が充填されたキレート樹脂容器としての樹脂カラム5内に通液する。樹脂カラム5は、各種溶液を通液後に排液口5aから排出可能に構成される。溶解液は、ヒドロキサム酸樹脂4に接触して、ジルコニウムイオン(Zr4+)ヒドロキサム酸樹脂4に吸着した後に、排液口5aから排出される。ジルコニウムイオン(Zr4+)のヒドロキサム酸樹脂4に対する平衡分配係数は、イットリウムに比べ非常に大きいため(例えば、1mol/Lの塩酸では、ジルコニウムは104.6、イットリウムは10-0.2)、ヒドロキサム酸樹脂4には、ジルコニウムイオン(Zr4+)が選択的に吸着される。
洗浄工程は、樹脂カラム5内に、洗浄用酸性溶液を通液する。これにより、樹脂カラム5内の内壁やヒドロキサム酸樹脂4に付着したイットリウムや溶解用酸性溶液などの不純物が洗浄されて排出口5aから通過液として排出される。ここで、洗浄用酸性溶液としては、例えば水素イオン濃度が0.5mol/L以上2.0mol/L以下の塩酸および水を用いる。洗浄工程は、用いる溶解用酸性溶液、洗浄用酸性溶液の濃度等により適宜変更すればよいが、溶解液の1~10倍量の洗浄用酸性溶液で洗浄することが好ましい。
回収工程は、樹脂カラム5内に、回収酸性液を通液する。これにより、ヒドロキサム酸樹脂4に吸着したジルコニウムイオンが溶出して、回収酸性液に溶出される。ジルコニウムを含む回収酸性液は、排液口5aから排出される。ここで、回収酸性液は、カルボキシル基を2つ以上有する有機酸水溶液、例えば、シュウ酸、クエン酸等を使用することができる。回収酸性液は、例えば、濃度が0.1mol/L~1mol/Lのシュウ酸水溶液を用いることができる。またpHは1~7程度とするとよい。
交換基としてカルボキシル基を有する陽イオン交換樹脂(Waters社製、Accell plus CM、粒径37~55μm)1gを、10mLのジメチルホルムアミドに加えて、撹拌により懸濁させた。陽イオン交換樹脂が懸濁した溶媒中に、85mgの1-エチル-3-(3-ジメチルアミドプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.2当量)を添加し、さらに31mgの塩酸ヒドロキシルアミン(1.2当量)を添加して、2時間、室温で撹拌した。その後、陽イオン交換樹脂を含む反応溶液をろ紙によりろ別し、30mLの純水で洗浄し、デシケーター中で一晩乾燥させてヒドロキサム酸樹脂を得た。
イットリウム箔(約0.33g)に陽子線を照射し、ジルコニウム89を生成させた。これを2mLの2mol/Lの塩酸に溶解させた。これを上記の方法で得たヒドロキサム酸樹脂に通液したところ、99%以上のジルコニウム89の吸着が確認された。さらに2mLの2.0mol/L塩酸、2mLの水で洗浄した。その後、2mLの1mol/Lシュウ酸を通液しジルコニウム89を溶出させた。なお、ヒドロキサム酸樹脂へのジルコニウム89の吸着は、液相と樹脂相で吸着平衡に達した段階で、液相中に溶解している89Zrと樹脂相に吸着した89Zrのそれぞれの放射能を測定し、放射能の比率から算出した。
上記のヒドロキサム酸樹脂の製造、およびヒドロキサム酸樹脂を使用したジルコニウムイオンの分離を5回行ったところ、いずれも99%以上の放射性ジルコニウムを回収することができた。
1 イットリウムターゲット
2 溶解槽
3 溶解用酸性溶液
4 ヒドロキサム酸樹脂
5 樹脂カラム
5a 排液口

Claims (4)

  1. カルボジイミドの存在下、陽イオン交換樹脂の交換基であるカルボキシル基と、ヒドロキシルアミンまたは塩酸ヒドロキシルアミンとを反応させてヒドロキサム酸基とする反応工程と、
    ヒドロキサム酸基を有する前記陽イオン交換樹脂、およびカルボジイミド由来の副生成物を含む反応液をろ過、洗浄してヒドロキサム酸基を有する前記陽イオン交換樹脂を分離、精製する分離工程と、
    を含み、
    前記反応工程で使用する溶媒は、カルボジイミド、およびヒドロキシルアミンまたは塩酸ヒドロキシルアミンを溶解し、且つカルボキシル基と反応しない有機溶媒であることを特徴とするヒドロキサム酸樹脂の製造方法。
  2. 前記陽イオン交換樹脂が有するカルボキシル基1当量に対し、カルボジイミドを1.1~3当量、ヒドロキシルアミンまたは塩酸ヒドロキシルアミンを1.1~3当量加えることを特徴とする請求項1に記載のヒドロキサム酸樹脂の製造方法。
  3. 前記陽イオン交換樹脂の平均粒径は、50メッシュ(279μm)~500メッシュ(28μm)であることを特徴とする請求項1または2に記載のヒドロキサム酸樹脂の製造方法。
  4. 請求項1~3のいずれか一つに記載のヒドロキサム酸樹脂の製造方法により製造されたヒドロキサム酸樹脂を使用して、ジルコニウムイオンおよびイットリウムイオンを含む溶液から、ジルコニウムイオンを分離することを特徴とするジルコニウムの精製方法。
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