JP7067075B2 - シート収納カセット及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等に用いる、用紙等のシート状の記録媒体を収納するシート収納カセット、及びシート収納カセットを備えた画像形成装置に関するものである。

従来、装置本体の底部に複数枚の用紙（シート）が収容される給紙カセットが引き出し可能に備えられた画像形成装置が広く用いられている。この画像形成装置では、給紙カセットの上方に配設されたピックアップローラー等から構成される分離給送手段によって、給紙カセットに収容された用紙を１枚ずつ順に送り出し、搬送ローラーによって画像形成部及び定着部へと搬送することにより用紙上に画像を形成する。

また、給紙カセットには、用紙の幅方向の位置決めを行う幅合わせカーソル及び給紙方向の位置決めを行う後端カーソルから成るカーソル部材が配置されている。これらのカーソル部材を積載される用紙サイズに合わせて移動させることにより、用紙を給紙カセット内の所定位置（給紙位置）に位置決めする。このとき、用紙の位置決め後にカーソル部材が移動すると用紙が給紙位置からずれてしまい、用紙の斜行や不送り等の給紙不良が発生するおそれがある。

そこで、カーソル部材の不用意な移動を防止する方法が提案されており、例えば特許文献１には、支点を中心として揺動可能な用紙積載板と、用紙積載板上に積載された用紙を揃えるための移動可能なカーソルと、カーソルの移動をロックするためのロック部を有するカーソルレバーとを備え、カーソルレバーをカーソルの移動方向に傾けることによってカーソルのロックを解除する給紙カセットが開示されている。

特開２００９－２３７５６号公報

ところで、後端カーソルの位置を定形サイズの用紙に合わせる場合、後端カーソルが所定の位置に到達したときにクリック感（操作感）が得られるようにして後端カーソルを適正な位置に合わせ易くする方法が知られている。

しかし、上記の方法では、後端カーソルの位置を定形サイズ以外（不定形サイズ）の用紙に合わせる場合はクリック感が得られず、サイズ表示もないため、後端カーソルを適正な位置からずれた位置に合わせてしまうことがある。その結果、用紙が適正な位置に位置決めされず、用紙の斜行や不送り等の給紙不良が発生するおそれがあった。

本発明は、上記問題点に鑑み、不定形サイズのシートを収納する場合に後端カーソルのシート規制面を適正な位置に容易に調整可能なシート収納カセット及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために本発明の第１の構成は、カセットベースと、シート積載板と、カーソルレールと、規制カーソルと、調整部材と、を備えたシート収納カセットである。カセットベースは、装置本体に対し挿入及び引き出し可能であり、シートを収納する。シート積載板は、カセットベースの底面にシート給送方向に対し上流側の端部が回動可能に支持され、上面にシートが載置される。カーソルレールは、カセットベースの底面のシート給送方向に沿って延在する。規制カーソルは、カーソルレールに沿って往復移動可能に設けられ、シート積載板上に載置されるシートのシート給送方向の位置決めを行うシート規制面を構成する第１規制部を有する。カーソルレールは、シート規制面が定形サイズのシートに対応する位置に配置されるように規制カーソルを移動させたとき、規制カーソルに設けられた係合突起が係合する複数の係合凹部を有する。調整部材は、規制カーソルに対し着脱可能であり、定形サイズのシートに対応するいずれかの位置に配置された規制カーソルに装着することにより、シート規制面を定形サイズよりもシート給送方向のサイズが小さい不定形サイズのシートに対応する位置にオフセットする第２規制部を有する。

本発明の第１の構成によれば、規制カーソルを定形サイズに対応する位置に調整した後、調整部材を装着することにより規制カーソルのシート規制面を不定形サイズの用紙に合わせてオフセットすることができる。これにより、規制カーソルのシート規制面を不定形サイズに対応する位置に精度良く調整することができ、シート給送不良の発生を抑制することができる。

本発明の一実施形態に係る画像形成装置１００の内部構造を示す側面断面図 本実施形態の給紙カセット１０を画像形成装置１００本体から引き出した状態を示す斜視図 後端カーソル３１を給紙方向下流側から見た斜視図 後端カーソル３１を給紙方向上流側から見た斜視図 後端カーソル３１の側面断面図 後端カーソル３１を案内するカーソルレール３３の斜視図 調整部材６０を給紙方向下流側から見た斜視図 調整部材６０を給紙方向上流側から見た斜視図 調整部材６０を装着した後端カーソル３１を給紙方向下流側から見た斜視図 調整部材６０を装着した後端カーソル３１を給紙方向上流側から見た斜視図 調整部材６０を装着した後端カーソル３１の側面断面図

以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図１は、本発明の一実施形態に係る給紙カセット１０が搭載された画像形成装置１００の内部構造を示す側面断面図である。画像形成装置（例えばモノクロプリンター）１００内には、帯電、露光、現像及び転写の各工程によりモノクロ画像を形成する画像形成部Ｐが配設されている。画像形成部Ｐには、感光体ドラム５の回転方向（図１の時計回り方向）に沿って、帯電ユニット４、露光ユニット（レーザー走査ユニット等）７、現像ユニット８、転写ローラー１４、クリーニング装置１９、及び除電装置（図示せず）が配設されている。

画像形成動作を行う場合、帯電ユニット４により時計回り方向に回転する感光体ドラム５の表面が一様に帯電される。そして、原稿画像データに基づく露光ユニット７からのレーザービームにより感光体ドラム５上に静電潜像が形成され、現像ユニット８により静電潜像に現像剤（以下、トナーという）が付着されてトナー像が形成される。

この現像ユニット８へのトナーの供給はトナーコンテナ９から行われる。なお、画像データはパーソナルコンピューター（図示せず）等から送信される。また、感光体ドラム５の表面の残留電荷を除去する除電装置（図示せず）がクリーニング装置１９の下流側に設けられている。

上記のようにトナー像が形成された感光体ドラム５に向けて、用紙が給紙カセット１０又は手差し給紙装置１１から用紙搬送路１２及びレジストローラー対１３を経由して搬送され、転写ローラー１４（画像転写部）により感光体ドラム５の表面に形成されたトナー像が用紙に転写される。トナー像が転写された用紙は感光体ドラム５から分離され、定着装置１５に搬送されてトナー像が定着される。定着装置１５を通過した用紙は、用紙搬送路１６により画像形成装置１００の上部に搬送され、用紙の片面のみに画像を形成する場合（片面印字時）は、排出ローラー対１７により排出トレイ１８に排出される。

一方、用紙の両面に画像を形成する場合（両面印字時）は、用紙の後端が用紙搬送路１６の分岐部２０を通過した後に搬送方向を逆転させる。これにより、用紙は分岐部２０から分岐する反転搬送路２１に振り分けられ、画像面を反転させた状態でレジストローラー対１３に再搬送される。そして、感光体ドラム５上に形成された次のトナー像が、転写ローラー１４によって用紙の画像が形成されていない面に転写される。トナー像が転写された用紙は、定着装置１５に搬送されてトナー像が定着された後、排出ローラー対１７により排出トレイ１８に排出される。

次に、給紙カセット１０の構成について説明する。図２は、給紙カセット１０を画像形成装置１００本体から引き出した状態を示す斜視図である。図２において、画像形成装置１００本体に対する給紙カセット１０の挿入方向を矢印Ａ、引き出し方向を矢印Ａ′で示し、給紙カセット１０からの給紙方向を矢印Ｂで示す。

カセットベース２３は、給紙カセット１０のハウジング（筐体）を構成するものであり、矩形状の底面の三辺に側壁２３ａ～２３ｃが形成されたトレイ状をなしている。給紙カセット１０の挿入方向に対し下流側の側壁２３ｃにはカセットカバー２５が装着されている。カセットカバー２５は、その表面側（図２の右手前側）が外部に露出して画像形成装置１００（図１参照）本体の外装面の一部を構成する。

用紙が積載される用紙積載板２７は、給紙方向上流側（図２の左奥側）左右の揺動軸２７ａを支点として、給紙方向下流側（図２の右手前側）の端部がカセットベース２３の底面に対し上下に昇降可能に設けられている。また、用紙積載板２７の給紙方向下流側の端部（回動端）は押し上げバネ（図示せず）によって上方向に付勢されている。

また、用紙積載板２７の幅方向両側には、用紙積載板２７に積載される用紙の幅方向の位置決めを行う一対の幅合わせカーソル３０ａ、３０ｂが、カセットベース２３に形成されたカーソルレール（図示せず）に沿ってそれぞれ用紙幅方向（図２の矢印Ｂ方向と直交する方向）に往復移動可能に設けられている。

また、用紙搬送路１２（図１参照）に向けて用紙が矢印Ｂ方向に送出されるため、用紙の後端を揃える後端カーソル３１は、カセットベース２３に形成されたカーソルレール３３に沿って給紙方向（図の矢印Ｂ方向）と平行に往復移動可能に設けられている。この幅合わせカーソル３０ａ、３０ｂ、及び後端カーソル３１を、積載される用紙サイズに合わせて移動させることにより、用紙を給紙カセット１０内の所定位置に収納する。なお、図２では後端カーソル３１に調整部材６０（図７参照）が装着された状態を示している。

給紙カセット１０の挿入または引き出し方向（矢印ＡＡ′方向）に対し平行な側壁２３ａ、２３ｂの外側にはガイドレール３５が付設されている。画像形成装置１００本体側のカセット挿入部（図示せず）にはガイドレール３５を摺動可能に支持するレール支持部（図示せず）が設けられており、ガイドレール３５をレール支持部に沿って摺動させることで、給紙カセット１０は画像形成装置１００本体に対し挿入及び引き出し可能となっている。

給紙方向に対し用紙積載板２７の回動端の下流側近傍にはリタードローラー３７ｂが配置されている。画像形成装置１００本体への給紙カセット１０の挿入によって、リタードローラー３７ｂが画像形成装置１００本体側に設けられたフィードローラー３７ａ（図１参照）に当接する。フィードローラー３７ａ及びリタードローラー３７ｂは、ピックアップローラー４０によって送り出された複数枚の用紙を１枚ずつ分離して搬送する給紙ローラー対３７（いずれも図１参照）を構成する。

図３及び図４は、それぞれ後端カーソル３１を給紙方向下流側（正面側）及び上流側（背面側）から見た斜視図であり、図５は、後端カーソル３１の側面断面図である。後端カーソル３１は、第１規制部４１と、本体部４３と、カーソルレバー４５と、を有する側面視Ｌ字状である。

第１規制部４１は、用紙積載板２７に積載される用紙の束の後端縁に当接して用紙の後端を規制する用紙規制面となる。第１規制部４１の上端部には給紙方向下流側に向かって水平に突出する第１用紙押さえ部４１ａが形成されている。第１用紙押さえ部４１ａは、用紙積載板２７上に用紙の束が満載された状態で給紙カセット１０が挿入されたとき、挿入時の衝撃（反作用）によって用紙が第１規制部４１の上端を乗り越えるのを規制する。第１規制部４１の側面にはサイズ指示矢印４１ｂが形成されている。サイズ指示矢印４１ｂは、後端カーソル３１が定形サイズの用紙に対応する位置に配置されたとき、カセットベース２３の底面に刻印されたサイズ表示（図示せず）を指し示す。

本体部４３は、第１規制部４１の下端部から給紙方向に延在する。本体部４３の一方側（図３の左側）の側面には係合突起４３ａが形成されている。係合突起４３ａは支持部４３ｂによって本体部４３に片持ち支持されている。係合突起４３ａと本体部４３との間には第１コイルバネ４７が配置されており、係合突起４３ａを本体部４３から離間する方向に付勢している。本体部４３の上面には給紙方向に沿って延在する突部４３ｃ、４３ｄが形成されている。

カーソルレバー４５は、後端カーソル３１を所定の位置でロックするとともにロックを解除する。図５に示すように、カーソルレバー４５は、第１規制部４１の背面側に配置される操作部４５ａと、操作部４５ａの下端部に形成されたロック爪４５ｂと、ロック爪４５ｂから水平方向に延びるアーム部４５ｃと、を有し、アーム部４５ｃの先端部には支点４５ｄが設けられている。支点４５ｄは、本体部４３の突部４３ｃ、４３ｄ（図３参照）の間に配置されている。

カーソルレバー４５に形成された第１バネ受け部４５ｅと、第１バネ受け部４５ｅの上方において第１規制部４１に形成された第２バネ受け部４１ｃとの間には第２コイルバネ４９が配置されている。この第２コイルバネ４９によって、カーソルレバー４５は支点４５ｄを中心としてロック爪４５ｂがカーソルレール３３のラック歯５０ａ（図６参照）に係合する方向（図５の反時計回り方向）に付勢されている。図５は、カーソルレバー４５のロック爪４５ｂがカーソルレール３３のラック歯５０ａに係合しており、カーソルレバー４５が後端カーソル３１の移動を規制する位置（ロック位置）に配置された状態を示している。

図６は、後端カーソル３１を案内するカーソルレール３３の斜視図である。カーソルレール３３は、平板状のベース部５０と、ベース部５０の給紙方向（矢印Ｂ方向）と直交する幅方向（矢印ＣＣ′方向）の両側に立設されるガイド部５１ａ、５１ｂとを有する。ベース部５０の表面には後端カーソル３１のロック爪４５ｂが噛み合うラック歯５０ａが形成されている。ガイド部５１ａ、５１ｂは後端カーソル３１の本体部４３を幅方向から挟み込んで摺動可能に保持するとともに、幅方向への移動を規制する。ガイド部５１ａには内側面側が凹となるように係合凹部５３ａ～５３ｇが形成されている。

給紙カセット１０に定形サイズの用紙を収納する場合の後端カーソル３１の位置調整手順について説明する。先ず、図５の状態から後端カーソル３１の第１規制部４１側とカーソルレバー４５側とを把持してカーソルレバー４５の操作部４５ａを第１規制部４１側（図５の右方向）に押圧することにより、カーソルレバー４５は支点４５ｄを中心として時計回り方向に揺動する。これにより、ロック爪４５ｂが上昇してロック爪４５とラック歯５０ａとの噛み合い状態が解除され、カーソルレバー４５は後端カーソル３１の移動を許容する位置（ロック解除位置）に移動する。

次に、カーソルレバー４５の操作部４５ａを押圧した状態で、給紙カセット１０に収納する用紙のサイズ（例えばＡ４サイズ、Ｂ５サイズ等）に応じて後端カーソル３１の位置を調整する。具体的には、後端カーソル３１のサイズ指示矢印４１ｂ（図３参照）がカセットベース２３の底面に刻印された所望のサイズ表示に重なるように、後端カーソル３１を給紙方向に沿って移動させる。

後端カーソル３１が定形サイズの用紙に対応する位置に配置されたとき、本体部４３の係合突起４３ａ（図３参照）がガイド部５１ａに形成された係合凹部５３ａ～５３ｇ（図６参照）のいずれかに係合する。これにより、係合突起４３ａが係合凹部５３ａ～５３ｇに係合する際のクリック感（操作感）によって、後端カーソル５０が定形サイズに対応する位置に位置合わせされたことを容易に認識することができる。

後端カーソル３１の位置が調整された後、カーソルレバー４５の操作部４５ａへの押圧力を解除すると、カーソルレバー４５は第２コイルバネ４９の付勢力によって支点４５ｄを中心として逆方向（図５の反時計回り方向）に揺動し、カーソルレバー４５がロック位置に移動する。これにより、ロック爪４５ｂがラック歯５０ａに噛み合い、後端カーソル３１が所定位置にロックされる。

一方、定形サイズ以外（不定形サイズ）の用紙に対応する位置には係合凹部５３ａ～５３ｇが設けられていない。そのため、後端カーソル３１を不定形サイズの用紙に対応する位置に配置する場合、後端カーソル３１を移動させたときに係合突起４３ａと係合凹部５３ａ～５３ｇが係合する際のクリック感が得られない。その結果、後端カーソル３１が適正な位置に位置合わせされたかどうかが分かり難く、後端カーソル３１が適正な位置に配置されない状態で給紙動作を行うと用紙の斜行や不給紙等の給紙不良が発生する。

なお、不定形サイズに合わせてカーソルレール３３のガイド部５１ａに係合凹部を追加する方法も考えられるが、定形サイズの最小サイズ（Ａ６サイズ）よりも給紙方向のサイズが小さい不定形サイズの場合、カーソルレール３３をさらに給紙方向に延長する必要が生じる。その結果、後端カーソル３１の移動範囲に合わせて用紙積載板２７に形成される切り欠きも大きくする必要があり、用紙積載板２７の強度が低下する。また、定形サイズ用の係合凹部５３ａ～５３ｇに加えて不定形サイズ用の係合凹部を形成すると、係合凹部同士の間隔が狭くなるため、後端カーソル３１を誤った位置に配置するおそれもある。

そこで、本実施形態では不定形サイズの用紙をセットする際に、定形サイズの用紙に対応する位置に配置された後端カーソル３１の用紙規制面を不定形サイズの用紙に合わせてオフセットする調整部材６０を用いる。

図７及び図８は、それぞれ調整部材６０を給紙方向下流側（正面側）及び上流側（背面側）から見た斜視図である。調整部材６０は、第２規制部６１と、フック部６３と、を有し、後端カーソル３１に対して着脱可能である。第２規制部６１は、用紙積載板２７に積載される用紙の束の後端縁に当接して用紙の後端を規制する用紙規制面となる。フック部６３は、第２規制部６１の上端部から第２規制部６１の背面側と所定の間隔を隔てて側面視Ｌ字状に突出する。

第２規制部６１の上端部には給紙方向下流側に向かって水平に突出する第２用紙押さえ部６１ａが形成されている。第２用紙押さえ部６１ａは、後端カーソル３１に形成される用紙押さえ部４１ａと同様に、用紙積載板２７上に用紙の束が満載された状態で給紙カセット１０が挿入されたとき、反作用によって用紙が第２規制部６１の上端を乗り越えるのを規制する。第２規制部６１の下端部には後端カーソル３１の本体部４３に形成された突部４３ｃ、４３ｄに係合する切り欠き６１ｂ、６１ｃが形成されている。

次に、給紙カセット１０に定形サイズ以外（不定形サイズ）の用紙を収納する場合の後端カーソル３１の位置調整手順について説明する。ここでは不定形サイズの一例としてステートメント横（ハーフレター）サイズの用紙を収納する場合について説明する。

先ず、後端カーソル３１を、所望の不定形サイズ（ここではステートメント横）よりも大きく、且つ不定形サイズに最も近い定形サイズ（ここではＡ６サイズ）に対応する位置に調整する。具体的には、後端カーソル３１のサイズ指示矢印４１ｂ（図３参照）がカセットベース２３の底面に刻印されたＡ６サイズ表示に重なるように、後端カーソル３１を給紙方向に沿って移動させる。後端カーソル３１がＡ６サイズの用紙に対応する位置に配置されたとき、本体部４３の係合突起４３ａ（図３参照）がガイド部５１ａに形成された係合凹部５３ｇ（図６参照）に係合する。

次に、後端カーソル３１の上方から調整部材６０を装着する。具体的には、後端カーソル３１の第１規制部４１の表面に調整部材６０の第２規制部６１を重ねるとともに、後端カーソル３１の第１規制部４１とカーソルレバー４５の操作部４５ａとの間に調整部材６０のフック部６３を挿入する。そして、フック部６３の先端に形成された爪部６３ａを操作部４５ａの下端部に引っ掛けることにより調整部材６０が後端カーソル３１に固定される。

図９及び図１０は、それぞれ調整部材６０を装着した後端カーソル３１を給紙方向下流側（正面側）及び上流側（背面側）から見た斜視図であり、図１１は、調整部材６０を装着した後端カーソル３１の側面断面図である。

Ａ６サイズの用紙は１４８×１０５ｍｍであり、ステートメント横サイズの用紙は１３９．７×２１５．９ｍｍであるため、給紙カセット１０に収納したときの用紙の後端位置の差は１４８－１３９．７＝８．３ｍｍである。この後端位置の差を調整部材６０の第２規制部６１の厚みでオフセットすることにより、ステートメント横サイズの用紙を適正な位置に収納することができる。本実施形態では、用紙の後端と第２規制部６１との間隔に１～２ｍｍ程度の裕度をもたせるために第２規制部６１の厚みを７ｍｍとしている。

また、第１規制部４１と操作部４５ａとの間に調整部材６０のフック部６３が挿入されることにより、カーソルレバー４５の可動する空間（可動領域）がフック部６３によって塞がれる。従って、操作部４５ａを押圧してもカーソルレバー４５が回動せず、ロック爪４５ｂとラック歯５０ａとの噛み合い状態が解除されない。

上記の構成によれば、後端カーソル３１を定形サイズに対応する位置に調整した後、調整部材６０を装着することにより後端カーソル３１の用紙規制面を不定形サイズの用紙に合わせてオフセットすることができる。これにより、後端カーソル３１の用紙規制面を不定形サイズに対応する位置に精度良く調整することができ、給紙不良の発生を抑制することができる。

また、調整部材６０の装着によりカーソルレバー４５の操作が規制されるため、後端カーソル３１を確実に固定することができる。これにより、用紙の束をセットする際に後端カーソル３１の位置ずれが生じ難くなり、ユーザーの意図しない後端カーソル３１の誤操作も防止することができる。

なお、上記実施形態ではＡ６サイズの用紙に対応する位置に配置された後端カーソル３１の規制位置をステートメント横サイズの用紙に合わせてオフセットする例について説明したが、他の不定形サイズの用紙についても調整部材６０を用いて後端カーソル３１の規制位置をオフセットすることができる。

このとき、後端カーソル３１を配置する定形サイズと調整部材６０により定形サイズからオフセットする不定形サイズとのサイズ差が大きくなると、調整部材６０の第２規制部６１の厚みを大きくする必要が生じ、調整部材６０の大型化やコストアップに繋がる。そのため、オフセットする不定形サイズよりも給紙方向のサイズが大きい定形サイズのうち最小の定形サイズに対応する位置に配置された後端カーソル３１の用紙規制面をオフセットする調整部材６０を用いることが好ましい。

例えば、不定形サイズとして十六開サイズ（２６７×１９４ｍｍ）の用紙を収納する場合は、後端カーソル３１を定形サイズであるレターサイズ（２７９．４×２１５．９ｍｍ）の用紙に対応する位置に調整し、用紙の後端位置の差（２７９．４－２６７＝１２．６ｍｍ）を調整部材６０の第２規制部６１でオフセットすればよい。また、不定形サイズとしてＢ５（ＩＳＯ）サイズ（２５０×１７６ｍｍ）の用紙を収納する場合は、後端カーソル３１を定形サイズであるＢ５（ＪＩＳ）サイズ（２５７×１８２ｍｍ）の用紙に対応する位置に調整し、用紙の後端位置の差（２５７－２５０＝７ｍｍ）を調整部材６０の第２規制部６１でオフセットすればよい。

上述したような複数の不定形サイズに対応する複数の調整部材６０を用意しておき、所定の定形サイズの用紙に対応する位置に調整された後端カーソル３１に装着することで、後端カーソル３１の用紙規制面を不定形サイズに対応する位置に容易にオフセットすることができる。従って、種々のサイズの用紙をカセットベース２３内の適正な位置に収納することができ、給紙不良の発生を効果的に抑制可能な給紙カセット１０となる。

このとき、所望の不定形サイズに対応した適切な調整部材６０を選択するために、複数の調整部材６０を区別する必要がある。そこで、調整部材６０の上面等に「Ａ６→ステートメント横」や「レター→十六開」等のサイズ表示を刻印しておくことが好ましい。

その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば本発明は、図１に示したようなモノクロプリンターに限らず、カラープリンター、モノクロ及びカラー複写機、デジタル複合機、或いはファクシミリ等、給紙カセットを装着した画像形成装置であれば、他のタイプの画像形成装置にも適用できるのはもちろんである。

本発明は、カセットベースに収納されるシートの後端を規制するカーソル部材を備えたシート収納カセットを備えた画像形成装置に利用可能である。本発明の利用により、不定形サイズのシートを収納する場合であってもカーソル部材を適正な位置に容易に配置可能なシート収納カセット及びそれを備えた画像形成装置を簡易な構成で提供することができる。

１０ 給紙カセット（シート収納カセット）
２３ カセットベース
２３ａ～２３ｃ 側壁
２７ 用紙積載板
３０ａ、３０ｂ 幅合わせカーソル
３１ 後端カーソル（規制カーソル）
３３ カーソルレール
４１ 第１規制部
４１ａ 第１用紙押さえ部
４３ 本体部
４３ａ 係合突部
４５ カーソルレバー
４５ａ 操作部
４５ｂ ロック爪
４５ｃ アーム部
４５ｄ 支点
４７ 第１コイルバネ
４９ 第２コイルバネ
５０ ベース部
５０ａ ラック歯
５１ａ、５１ｂ ガイド部
５３ａ～５３ｇ 係合凹部
６０ 調整部材
６１ 第２規制部
６１ａ 第２用紙押さえ部（シート押さえ部）
６３ フック部
６３ａ 爪部
１００ 画像形成装置

Claims (7)

1. 装置本体に対し挿入及び引き出し可能であり、シートを収納するカセットベースと、
   前記カセットベースの底面にシート給送方向に対し上流側の端部が回動可能に支持され、上面にシートが載置されるシート積載板と、
   前記カセットベースの底面の前記シート給送方向に沿って延在するカーソルレールと、
   前記カーソルレールに沿って往復移動可能に設けられ、前記シート積載板上に載置されるシートの前記シート給送方向の位置決めを行うシート規制面を構成する第１規制部を有する規制カーソルと、
   を備えたシート収納カセットにおいて、
   前記カーソルレールは、前記シート規制面が定形サイズのシートに対応する位置に配置されるように前記規制カーソルを移動させたとき、前記規制カーソルに設けられた係合突起が係合する複数の係合凹部を有し、
   前記規制カーソルに対し着脱可能であり、前記定形サイズのシートに対応するいずれかの位置に配置された前記規制カーソルに装着することにより、前記シート規制面を前記定形サイズよりも前記シート給送方向のサイズが小さい不定形サイズのシートに対応する位置にオフセットする第２規制部を有する調整部材を備え、
   前記規制カーソルは、前記カーソルレールに対して前記規制カーソルの移動を規制するロック位置と、前記規制カーソルの移動を許容するロック解除位置と、に移動可能なカーソルレバーを備え、
   前記調整部材は、前記規制カーソルに装着されたとき前記カーソルレバーの前記ロック位置から前記ロック解除位置への移動を規制することを特徴とするシート収納カセット。
2. 前記第１規制部は、前記シート給送方向に対し前記シート積載板上に載置されるシートの上流側の端縁に対向し、
   前記調整部材は、前記規制カーソルに装着されたとき前記第２規制部が前記第１規制部に重なることにより、前記第２規制部の厚み分だけ前記シート規制面をシート給送方向にオフセットすることを特徴とする請求項１に記載のシート収納カセット。
3. 前記調整部材は、前記カーソルレバーの可動領域に挿入され、前記カーソルレバーの前記ロック位置から前記ロック解除位置への移動を規制するフック部を有し、
   前記フック部の先端に設けられた爪部が前記カーソルレバーに係合することで前記調整部材が前記規制カーソルに固定されることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のシート収納カセット。
4. 前記調整部材の上端部には、シート給送方向に対し下流側に向かって水平に突出するシート押さえ部が形成されることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれかに記載のシート収納カセット。
5. 前記調整部材は、前記不定形サイズよりも前記シート給送方向のサイズが大きい前記定形サイズのうち最小の前記定形サイズに対応する位置に配置された前記規制カーソルの前記シート規制面をオフセットすることを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれかに記載のシート収納カセット。
6. 複数の前記不定形サイズのシートに対応する複数個の前記調整部材を備えることを特徴とする請求項１乃至請求項５のいずれかに記載のシート収納カセット。
7. 請求項１乃至請求項６のいずれかに記載のシート収納カセットを備えた画像形成装置。

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