JP7051074B2 - 発毛用皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた発毛効果を発現し得る発毛用皮膚外用剤に関する。
従来、老化(加齢)に伴う薄毛、脱毛に対し、数多くの発毛、育毛剤が提案されている。例えば、ミノキシジル、フィナステリドなど、商品化されているものも数多くある(特許文献1~2)。また、近年健康志向を反映して天然物由来の発毛、育毛剤が開発されている(特許文献3~6)。
特許文献1には、ミノキシジルが発毛効果を有することが記載されている。ミノキシジルは高血圧用の経口薬として開発されたものであるが、本来の効果より、毛髪が濃くなるという副作用を主作用として現在利用されている。しかしながら、元々血管拡張作用があり、多量の服用で重篤な症状を引き起こす危険性がある。また発毛効果も限定的で、さらなる改良が望まれていた。
一方、特許文献2に記載のフィナステリドは、メルク社により男性ホルモンであるテストステロンをDHT(ジヒドロテストステロン)に変換する酵素を阻害する前立腺肥大症薬として開発されたものであるが、現在は男性型脱毛症(AGA)治療薬として使われるようになった。フィナステリドはAGAを高い確率で改善するが、性欲減退、勃起不全、精子の減少といった性機能減退の副作用があり、また、AGA以外の機序による脱毛には効果がない。さらに、フィナステリドは女性には効果がなく、それどころか危険な副作用が発生する可能性すらある。
特許文献3には、t-フラバノンが発毛効果を有することが記載されており、製品化もなされているが効果は明確でない。さらに、特許文献4には、フォルスコリンを有効成分とする養毛剤が記載されている。特許文献5には、ツツジ科エリカ属植物由来成分のエリカマルチフローラを含有する外皮系組織産生促進用組成物が記載されている。特許文献6には、セコイリドイドグルコシド誘導体を有効成分とする脱毛予防または発毛促進組成物が記載されている。
米国特許4139619号明細書 特表平9-505034号公報 特許4496063号公報 特開平1-216912号公報 特開2008-179599号公報 特表2014-533688号公報
しかしながら、上記のような公知の発毛剤は一定の効果を有するものの、有効性や適応性が乏しかったり、副作用を有したりすることから、発毛効果が高く、副作用のない汎用的に使用できる発毛剤が嘱望されて来た。
すなわち、本発明の目的は、男女を問わず利用でき、発毛効果の優れた安全な発毛用皮膚外用剤を提供することにある。
本発明者らは、小動物およびヒトでの発毛試験系を鋭意検討したところ、天然由来のキラヤサポニン及びステロイドサポニン類が高い発毛効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の発毛用皮膚外用剤は、有効成分として、キラヤサポニン及びステロイドサポニン類のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする。
本発明の発毛用皮膚外用剤は、キラヤサポニン及びステロイドサポニン類のうちの少なくとも1種を有効成分とすることで、優れた発毛効果を奏するとともに、天然由来の成分であるため皮膚に対する刺激が少ない。
本発明の発毛用皮膚外用剤において、前記ステロイドサポニン類としては、サルササポニン、チモサポニン、ジギタリスサポニン、ヤマノイモサポニン、及びバクモンドウサポニンからなる群から選択される少なくとも1種であることが特に発毛効果に優れる点で好ましい。
本発明の発毛用皮膚外用剤において、前記有効成分がキラヤサポニンである場合は、前記キラヤサポニンの濃度が0.01~10.0質量%であり、前記有効成分のステロイドサポニン類がサルササポニンである場合は、前記サルササポニンの濃度が0.02~10.0質量%であるとより発毛効果に優れる。
また、本発明の発毛用皮膚外用剤は、有効成分としてキラヤサポニンとサルササポニンを共に含有すると顕著な効果を発現するのでさらに好ましい。
実施例8,22,28及び比較例2,3,6における発毛試験結果を示すグラフ。 実施例8,22及び比較例2,3におけるマウスを用いた発毛試験の写真。
本発明の発毛用皮膚外用剤は、有効成分として、キラヤサポニン及びステロイドサポニン類のうちの少なくとも1種を含む。以下に、本発明の発毛用皮膚外用剤の各成分について詳述する。
[キラヤサポニン]
本発明で用いられるキラヤサポニンは、オレアナン系サポニンの一種であり、南米のチリ、ボリビア、ペルー地域に自生するシャボンの木と呼ばれるキラヤ(Quillaja saponaria)の樹皮から抽出されたエキスに含まれるサポニンである。キラヤサポニンの主なアグリコン(サポゲニン)はトリテルペン化合物(キラヤ酸)であり、その配糖体の混合物をキラヤサポニンと呼んでいる。なお、キラヤサポニンの配糖体構造は、100種以上といわれる。(61st JECFA(2004)における Chemical and Technical Assessment,“Quillaia Extract” 参照)。
本発明おいて、キラヤサポニンは多数の配糖体の混合物なので、単離せずエキスの形で用いることが好ましい。エキスにはキラヤサポニン以外にポリフェノール、タンニン、糖、およびシュウ酸カルシウムなどが含まれている。エキスをろ過・濃縮したものをそのまま使用してもよいし、多孔性吸着樹脂等を用いてエキスに含有される特有の不快臭を低減したものを用いてもよい。
キラヤサポニンは、界面活性作用が強く、古くから薬用や石鹸代わりとして、また乳化剤として化粧品や食品添加物に用いられて来た。なお、特表2000-512647号公報には、キラヤ産物を基礎にした毛髪着色剤及び毛髪着色調製物が記載されているが、発毛効果については記載されておらず、キラヤサポニンの発毛効果はこれまで全く知られていない。
[ステロイドサポニン類]
ステロイドサポニン類は、ユリ科、ヤマノイモ科、ゴマノハグサ科等の植物に含まれるサポニンであり、サルササポニン、チモサポニン、ジギタリスサポニン、ヤマノイモサポニン及びバクモンドウサポニン等が代表的なものであり、分子中に環状アセタール構造を有することが共通の特徴である。これらのステロイドサポニン類は、強心作用、利尿作用など強い生理活性を示すため、古くから生薬として使われてきたが、発毛効果はこれまでに知られていない。
前記サルササポニンは、リュウゼツラン科ユッカ・アラボレセンスまたはリュウゼツラン科ユッカ・シジゲラの全草より、熱時水または室温時~微温時含水エタノールまたは含水イソプロピルアルコールで抽出して得られるユッカエキスに含まれるサポニンであり、10種類以上のサポニンにより構成されている(第8版食品添加物公定書(2007年)参照)。サルササポニンはユッカサポニンと呼ばれることもある。サルササポニンの主たるサポニンはシジゲラ-サポニンD1(25(R,S)-5b-spirostan-3b-ol 3-O-b-D-xylopyranosyl-(1→3)-[b-D-glucopyranosyl-(1→2)]-b-D-glucopyranoside)であり、そのアグリコン(サポゲニン)はサルササポゲニン(ステロイド化合物)であり、その配糖体がサルササポニンである(Y.Uematsu et al., J.AOAC International, 83,1451(2000)参照)。
本発明おいて、サルササポニンは複数の配糖体の混合物なので、単離せずエキスの形で用いることが好ましい。エキスに含まれるサポニン以外の成分の大部分は糖類である。エキスはそのまま使用してもよいし、活性炭等で着色を低減したものを用いてもよい。
なお、特許第3053368号において、ユッカ抽出物(有効成分はサルササポニン)を含有する化粧料が開示されているが、その化粧料は「抗菌性及び紫外線吸収性等に優れ、肌荒れや艶消しを防ぎ、美しい肌を保つ化粧料」であり、発毛効果については何ら記載されていない。また、特許第3904336号において、ユッカ抽出物(有効成分はサルササポニン)と他の抽出物を併用した皮膚外用剤および皮膚洗浄剤が開示されているが、やはり発毛効果については何ら記載されておらず、サルササポニンの発毛効果はこれまで知られていない。
前記チモサポニンは、中国北部に自生するユリ科の多年草であるハナスゲの根茎に含まれるサポニンで、チモサポニンAIII、チモサポニンBIIなどが知られている。本発明の目的には、チモサポニンAIIIがより好ましく用いられる。
前記ジギタリスサポニンは、地中海沿岸を中心に中央アジアから北アフリカ、ヨーロッパに20種余りが分布する一年草、二年草、及び多年草の植物から得られるサポニンである。
前記ヤマノイモサポニンは、ヤマノイモ科ヤマノイモ属のつる性多年草に含まれるサポニンである。
前記バクモンドウサポニンは、ユリ科植物のジャノヒゲと呼ばれる根に含まれるサポニンである。
ステロイドサポニン類の中でも、サルササポニン、チモサポニンが好ましく、サルササポニンがより好ましい。
本発明の発毛用皮膚外用剤において、キラヤサポニン及びステロイドサポニン類はそれぞれ単独で用いても併用してもよい。併用する場合、キラヤサポニン(A)と、ステロイドサポニン類(B)の質量比は、100:1~1:100とすることが好ましく、より好ましくは10:1~1:10である。
本発明の発毛用皮膚外用剤は、溶液(例えばトニックやローション)、ジェル、ムース又はクリームの形態で用いられるが、好ましくは溶液またはムースの形態で用いられる。
本発明の発毛用皮膚外用剤において、その有効成分であるキラヤサポニン及びステロイドサポニン類の含有量は、使用態様に応じて適宜設定することができる。典型的に例えば溶液の形態(例えばトニック)等の場合において、0.01~20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1~10質量%である。
本発明の発毛用皮膚外用剤において、特にキラヤサポニン及びサルササポニン(ステロイドサポニン類)を有効成分とする場合には、後述の実施例で示されるように、その含有量には明確な効果を発揮するのに望ましい添加量範囲がある。具体的には、典型的に例えば溶液の形態(例えばトニック)等の場合において、それぞれキラヤサポニンは0.01~10.0質量%、サルササポニンは0.02~10.0質量%であることが好ましい。また、ヒトに適用する場合には使用感を考慮する必要があり、それぞれキラヤサポニンは0.05~5.0質量%、サルササポニンは0.1~5.0質量%であることがより好ましい。このような濃度範囲で用いるとカブレなどの副作用がなく、より優れた発毛効果を奏して短期間に多くの発毛が観察される。
本発明の発毛用皮膚外用剤において、特にキラヤサポニン及びサルササポニン(ステロイドサポニン類)を有効成分とする場合には、それぞれを単独で用いてもよいが、ヒトに適用した場合などには、両者を併用すると相乗効果が発現して顕著な発毛効果が観察される。併用する場合、キラヤサポニン(A)と、サルササポニン(B)の質量%比(A/B)は、0.01~5.0が好ましく、特に好ましくは0.05~3.0である。
本発明の発毛用皮膚外用剤において、キラヤサポニン及びステロイドサポニン類は公知の発毛剤、例えば、ミノキシジル、フィナステリド、t-フラバノン、オタネニンジンエキス、チクセツニンジンエキス、センブリエキス、6-ベンジルアミノプリン、アデノシン、エチニルエストラジオール、フォルスコリン等と併用してもよい。
[溶媒]
キラヤサポニン及びステロイドサポニン類は水溶性のものが多く、そのまま水溶液として使用することができる。また、補助的に有機溶媒を添加することもできる。使用し得る有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられるが好ましくはエタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコールである。
[他の成分]
本発明の発毛用皮膚外用剤においては、必要に応じて、他の成分として、界面活性剤、浸透促進剤、保湿剤、血行促進剤、抗炎症剤、抗酸化剤、紫外線防止剤、抗菌剤、細胞増殖促進剤、細胞分化誘導剤、香料、油脂、酵素、清涼剤、ビタミン剤、アミノ酸、タンパク質、糖質等を含んでもよい。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下に示すキラヤエキスのキラヤサポニン含量は、4種の主たるキラヤサポニンを逆相高圧液体クロマトグラフィ(RP-HPLC)を用いて定量し、その合計をキラヤサポニンの含量とする方法(参照文献;J.Sci.Food Agric., 80, 2063-2068(2000))、またはキラヤエキスを部分的に加水分解することで主生成物として得られる「部分加水分解サポニン」をRP-HPLCを用いて定量し、それに配糖体に換算する係数(1.67)を掛けてキラヤサポニンの含量とする方法のいずれかの方法で決定した(第7版食品添加物公定書(1997年)におけるD-438「キラヤ抽出物」参照)。
また、以下に示すユッカエキスのサルササポニン(ユッカサポニン)含量は、ユッカエキスの水溶液をn-ブタノールで数回抽出し、抽出されるサポニン量を定量してそれを含量とする方法(綿半トレーディング株式会社の方法)、またはユッカエキスのサポニン成分をスチレン-ジビニルベンゼン系吸着用樹脂で分画し、それを加熱下酸加水分解してサポニンの共通構造部分のサルササポゲニンに変換した後に酸性条件下p-アニスアルデヒドと反応させて得られた反応液の430nmにおける吸光度を測定してサルササポゲニンの含有量を決め、それに配糖体に換算する係数(2.10)を掛けてサルササポニン(ユッカサポニン)の含量とする方法のいずれかの方法で決定した(第8版食品添加物公定書(2007年)におけるD-1652「ユッカフォーム抽出物」参照)。
[実施例1~31、比較例1~6]~剃毛マウスを用いた発毛試験~
(1)発毛用皮膚外用剤の調製
実施例及び比較例の試料溶液を下記の組成で調製した。
・有効成分含有組成物 有効成分が表1に記載の添加量になる量(質量%)
・プロピレングリコール 5質量%
・水 全量が100質量%になるように調整
キラヤサポニン含有組成物として市販の以下の4種を使用し、有効成分(キラヤサポニン)が表1記載の添加量になるように組成物を添加した。
1)キラヤニンD-100(販売元:丸善製薬株式会社)
キラヤエキス:25質量%(キラヤサポニン16質量%に相当)
プロピレングリコール:15質量%、
水:60質量%
2)キラヤニンS-100(販売元:丸善製薬株式会社)
キラヤエキス:25質量%(キラヤサポニン16質量%に相当)
エタノール:10質量%、
水:65質量%
3)キラヤウルトラNP(販売元:綿半トレーディング株式会社)
キラヤエキス:19質量%(キラヤサポニン13質量%に相当)
水:81質量%
4)キラヤウルトラドライ 100Q(販売元:綿半トレーディング株式会社)
キラヤエキス:100質量%(キラヤサポニン60質量%)
サルササポニン含有組成物として市販の以下の3種を使用し、有効成分(サルササポニン)が表1記載の添加量になるように組成物を添加した。
1)サラキープALS(販売元:丸善製薬株式会社)
ユッカエキス:7.5質量%(サルササポニン6.8質量%に相当)
エタノール:50質量%
水:42.5質量%
2)ユッカサラサポニン50M(販売元:綿半トレーディング株式会社)
ユッカエキス:100質量%(サルササポニン55質量%)
3)ユッカサラサポニン80M(販売元:綿半トレーディング株式会社)
ユッカエキス:100質量%(サルササポニン含量90%)
サルササポニン以外のステロイドサポニンエキスは、特表2000-512647号公報に記載の方法に準じて試料植物から抽出・精製して調製し、比較例に用いたエリカマルチフローラ抽出物は、特開2008-179599号公報を参考にして調製し、t-フラバノンは特開2000-198779号記載の方法で合成し、ミノキシジル、フィナステリド、及びオレウロペインは市販試薬を使用した。
(2)実験動物の飼育
生後8週齢の雄性C3H/HeNCrlマウスを日本チャールズ・リバー(株)から購入し、試験に用いた。5日間の予備飼育後、麻酔下、眠っているマウス背部を小動物用バリカンで剃毛した。
マウスは試験サンプル1種につき8匹を用い、試験開始前にデジタル写真撮影(Nikon COOLPIX S6100)及び観察を行った。
(3)発毛用皮膚外用剤の塗布
各実施例・比較例において、実施例1~31の発毛用皮膚外用剤と、比較例1~6の発毛用皮膚外用剤をピペットマンにて1mlを分取した後、手袋をした手で各マウスの剃毛した背部に30日間毎日塗布し、その都度写真撮影及び観察を行った。
(4)発毛試験結果の解析
試験結果の解析は、各日のマウスのデジタル画像をパソコン上で「画像解析ソフトNIH-Image」を使って行った。最初にマウスの剃毛した範囲の画像面積をカウントし、次にその画像を二値化変換した画像から発毛した範囲の画像面積をカウントした。測定した剃毛部の面積カウント及び発毛部の面積カウントから下記の式で発毛比率を算出した。結果の解析には、各サンプルの全8匹のマウスのうち、最多発毛マウスの発毛比率と最少発毛マウスの発毛比率を除き、6匹のマウスの発毛比率の平均を取って試験サンプルの発毛比率とした。また、各マウスの皮膚の状態を観察し発疹、カブレ等の有無を調べた。結果を以下の表1に示した。
Figure 0007051074000001
また、実施例8,22,28及び比較例2,3,6については、図1において、経過日数に対する発毛比率をグラフで示した。
更に、実施例8,22及び比較例2,3については、図2において、30日経過でのマウスの発毛挙動を写真で示した。
Figure 0007051074000002
表1及び図1、2より、キラヤサポニン又はステロイドサポニン類は大きな発毛効果を奏することが分かる。特に、キラヤサポニン及びサルササポニンの発毛効果は顕著であった。また、発毛効果には濃度効果が観測された。すなわち、キラヤサポニン及びサルササポニンの濃度を下げると有効成分を含まない比較例1に近づいた。濃度を上げていくとある濃度以上では比較例より発毛効果が低下し、また発疹、カブレが観測された。有意な発毛効果が認められ(30日で発毛率50%以上)、かつ発疹・カブレが観察されない濃度は、キラヤサポニンの場合は0.01~10.0質量%、サルササポニンの場合は0.02~10.0質量%であった。なお、経口薬として用いられるフィナステリドは、その作用機序からもわかるように、本試験条件では発毛効果が著しく低いことがわかる。
[実施例32~37]本発明のサポニンと公知の発毛剤との併用効果
本発明のサポニンであるキラヤサポニンおよびサルササポニンと公知の発毛剤との併用効果を調べた。具体的には、キラヤニンD-100とサラキープALSを用いて、有効成分であるキラヤサポニンまたはサルササポニンと公知の発毛剤を表2に示した比率で混合して用いる以外は、実施例1~31記載の方法と同様の方法で発毛試験を行った。表2には、その結果を、実施例7、21の結果とともに示した。
Figure 0007051074000003
表2の結果からわかるように、キラヤサポニン又はサルササポニンを公知の発毛剤と併用することにより、その併用による発毛効果の向上が認められた。ただし、経口薬として用いられるフィナステリドの場合は、併用による発毛効果の向上に乏しかった。
[実施例38~69、比較例7、8]~ヒト試験1~
(ヘアートニックA~Qの調製)
キラヤニンD-100とサラキープALSを用いて、有効成分であるキラヤサポニンまたはサルササポニンを表3に示した濃度で含有するヘアートニックA~Qを調製した。
以下にその代表的調製例を示す。
(1)キラヤサポニンを含有するヘアートニックCの調製
キラヤニンD-100の63g(キラヤサポニン10g含有)を水137gに加えて、ヘアートニックCの200gを調製した(キラヤサポニンとして5質量%溶液)。
(2)サルササポニンを含有するヘアートニックKの調製
サラキープALSの147g(サルササポニン10g含有)を水53gに加えて、ヘアートニックKの200gを調製した(サルササポニンとして5質量%溶液)。
(3)有効成分を用いない水溶液を用いてヘアートニックQを調製した。
その他のヘアートニックもこの方法に準じて調製した。
(使用方法)
頭頂部の1/5~1/4が薄毛化した40~60歳の男女各170名を10名ずつの17のグループ(各グループは男性5名と女性5名とからなる)に分けた。各実施例・比較例において、毎日、入浴後就寝前と起床後の2回/日、各ヘアートニックを1ml/回、3ヶ月間、頭頂部に塗布、塗布部のマッサージを行って頭皮に浸透させた。
(効果の評価方法)
効果の判定は、試験前後に、頭頂部の写真撮影を行い、発毛が観察された割合を測定して50%以上発毛した時は◎、20~50%が発毛した時は○、20%未満の場合は×とした。併せて、試験時の使用感(ハリ、コシ、櫛通り他)を○、△、×の3段階で評価した。評価結果を表3に示した。
Figure 0007051074000004
表3の結果からわかるように、ヒト試験においてもキラヤサポニン及びサルササポニンが顕著な発毛効果を有することが認められた。発毛効果と使用感の両方を考慮すると、好ましい範囲はキラヤサポニンの場合は0.05~5.0質量%、サルササポニンの場合は0.1~5.0質量%であった。
[実施例70~95]~ヒト試験2~
次にキラヤサポニンとサルササポニンを併用したヘアートニックの発毛効果を評価した。ヘアートニックの調製にあたっては、両者の合計濃度を3質量%に設定し、その比率を変化させた。
以下に代表的調製例として、表4に示したヘアートニックVの調製方法を示す。
(ヘアートニックVの調製)
キラヤサポニンD-100の19g(キラヤサポニン3g含有)とユッカサラサポニンの44g(サルササポニン3g含有)を水137gに加えて、ヘアートニックVの200gを調製した(キラヤサポニン1.5質量%、サルササポニン1.5質量%溶液)。
その他のヘアートニックもこの方法に準じて調製した。
ヘアートニックの使用および評価は、実施例38~69に示した方法と同様の方法で行った。表4には、その評価結果を、ヘアートニックD(実施例44、45)、L(実施例60、61)及びQ(比較例7、8)の結果とともに示した。
Figure 0007051074000005
表4の結果からわかるように、単独使用に比較して、両者を併用すると発毛効果が増強され、さらに、キラヤサポニン(A)と、サルササポニン(B)の質量%比(A/B)を0.01~5.0の範囲に設定すると、より好ましい発毛効果が認められ、0.05~3.0の範囲で特に顕著な効果が認められた。

Claims (1)

  1. 有効成分として、キラヤサポニンとサルササポニンを共に含有し、前記キラヤサポニンの濃度が0.15~2.3質量%であり、前記サルササポニンの濃度が0.7~2.85質量%であり、且つ該サルササポニンに対するキラヤサポニンの質量%比が0.05~3であることを特徴とする発毛用皮膚外用剤。
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