図9は、自動車のステアリング機構全体を説明する斜視図である。
図9に示したように、自動車のステアリング機構100は、ハンドル102と、ハンドル102に連結されたステアリングコラム104とを備えている。このステアリングコラム104の先端には、自在継手106、インターミディエイトシャフト105を介して連結されたピニオン108を備えており、このピニオン108は、ラックバー110に形成されたラック112と噛合するように構成されている。
そして、ラック112の先端は、タイロッド114に連結されており、タイロッド114の先端は、ピニオン116を介して、ナックルアーム118に連結されている。そして、ナックルアーム118の先端が、車輪のハブ120に固定されている。
これにより、ハンドル102を左右に回転させると、ステアリングコラム104を介して、ピニオン108が回転する。そして、ピニオン108に噛合するラック112を介して、ラックバー110が左右に移動して、ラックバー110に連結されたタイロッド114が左右に移動する。
そして、タイロッド114に連結されたナックルアーム118により、ナックルアーム118に固定された車輪のハブ120が左右に回動するように構成されている。
なお、ハンドル102を左右に最大舵角まで回転すると(すなわち、いわゆる「据え切り」操作時において)、図示しないストッパーであるステアリングエンド(ラックエンド)に当接して、それ以上ハンドル102、および車輪のハブ120が左右に回動しないように構成されている。
従来、このようなステアリング機構100に対して、耐久試験を行うための試験装置としては、特許文献1(特許第4525927号公報)に開示されるように、車両のカットボディー側に固定されていない状態で、ハンドルと、ハンドルに連結されたステアリングコラムなどの構成部材からなるステアリングアッセンブリーに対して、前述したような耐久試験を行っている。
また、特許文献2(特許第3741959号公報)に開示されるように、ラック、タイロッドなどを含む構成部材からなるステアリングアッセンブリー全体に対して、前述したような耐久試験を行っている。
このような特許文献1の試験装置では、ステアリングアッセンブリーが、車両のカットボディー側に固定されていない状態であるので、本来の使用状態と同じ使用状態、すなわち、実車形態での試験を行うものではないので、実車形態での耐久試験の試験データーとは相違しており、正確性、再現性に欠けることになる。
また、特許文献2の試験装置は、ハンドルを回転させて、ハンドル軸(ステアリングコラム)や自在継手などを介してピニオンが回転し、ラックバーおよびタイロッドが左右に移動し、ナックルアームを介して、車輪を左右に回動、すなわち、転舵する耐久性能試験装置である。
このため、本来の使用状態と同じ使用状態、すなわち、実車形態での試験を行うために、車両のカットボディー側に固定されたステアリング機構のステアリングコラムに連結されたインターミディエイトシャフトの先端に試験装置を脱着自在に装着して、耐久試験を行うことが考えられる。
しかしながら、車両のカットボディーの下方には、限られたスペースしか存在せず、特許文献1、特許文献2のような試験装置では、荷重負荷装置としてのアクチュエーターなどの油圧源、油圧ホース、冷却設備などの付帯設備も必要であり、大型で複雑な構成で、車両のカットボディーのフロントのエンジン部分の下方に設置するには困難である。
また、ステアリング機構のステアリングコラムに連結されたインターミディエイトシャフトの長さ、数などが異なれば、試験装置との装着角度、高さが相違することになるが、従来の試験装置では、このような様々な角度、高さ位置において、インターミディエイトシャフトの先端に試験装置を脱着自在に装着して、耐久試験を行うことは困難である。
さらに、特許文献1、特許文献2のような試験装置では、ステアリング機構の方式(すなわち、ラックとピニオン方式、ボールナット方式)を選ばず試験を実施することは困難で、汎用性に欠けることになる。
また、特許文献1、特許文献2のような試験装置では、複雑なリンク機構を用いており、直接トルク入力を試験片であるインターミディエイトシャフトの先端に負荷することは困難で、力の損失が発生することになる。
本発明は、このような現状に鑑み、本来の使用状態と同じ使用状態、すなわち、実車形態での試験を行うために、車両のカットボディー側に固定されたステアリング機構のステアリングコラムに連結されたインターミディエイトシャフトの先端に試験装置を脱着自在に装着して、耐久試験を行うことが可能で、実車形態での耐久試験の試験データーとして、正確性、再現性に優れたインターミディエイトシャフトのねじり試験装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、従来のように荷重負荷装置としてのアクチュエーターなどの油圧源、油圧ホース、冷却設備などの付帯設備も不要で、かつ簡単な構造で小型であり、しかも、余分なスペースが不要で、限られたスペースしか存在しない車両のカットボディーの下方に簡単に設置できるインターミディエイトシャフトのねじり試験装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、ステアリング機構のステアリングコラムに連結されたインターミディエイトシャフトの長さ、数などが異なれば、試験装置との装着角度、高さが相違することになるが、このような様々な角度、高さ位置において、インターミディエイトシャフトの先端に試験装置を脱着自在に装着して、耐久試験を行うことが可能なインターミディエイトシャフトのねじり試験装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、ステアリング機構の方式(すなわち、ラックとピニオン方式、ボールナット方式)を選ばず試験を実施することが可能で、汎用性に優れ、しかも、従来の試験装置のように、複雑なリンク機構が不要で、直接トルク入力を試験片であるインターミディエイトシャフトの先端に負荷することができ、力の損失が発生せず、正確性、再現性に優れたインターミディエイトシャフトのねじり試験装置を提供することを目的とする。
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明のインターミディエイトシャフトのねじり試験装置は、
車両のステアリング機構のステアリングコラムに連結されたインターミディエイトシャフトの先端に対して脱着自在に装着して、ステアリング機構に対してねじり試験を行うためのインターミディエイトシャフトのねじり試験装置であって、
試験装置本体側に固定された本体ブラケットと、
前記本体ブラケットの上部に配置され、本体ブラケットに対して、本体ブラケットの上部に閉止した状態と、本体ブラケットに対して所定の角度傾斜した状態の間で回動可能なベースブラケットと、
前記ベースブラケットの上部に立設された架台ブラケットと、
前記架台ブラケットに配置され、前後方向に揺動可能なモーターブラケットと、
前記モーターブラケットに固定され、前記インターミディエイトシャフトの先端を脱着自在に装着して、インターミディエイトシャフトの先端にねじりを負荷するするねじり負荷部と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明のインターミディエイトシャフトのねじり試験装置は、
前記ベースブラケットが、本体ブラケットの上部に配置され、本体ブラケットの後端に回動軸を介して軸着されるとともに、
前記回動軸を中心に回動して、本体ブラケットに対して、本体ブラケットの上部に閉止した状態と、本体ブラケットに対して所定の角度傾斜した状態の間で回動可能に構成され、
前記架台ブラケットが、前記ベースブラケットの上部に立設され、横方向に一定間隔離間して平行に配置された一対の架台ブラケットから構成され、
前記モーターブラケットが、一対の架台ブラケットの間に、揺動軸を介して前後方向に揺動可能に軸着され、
前記ねじり負荷部が、ねじり負荷部に形成され、前記インターミディエイトシャフトの先端を脱着自在に装着するシャフト結合部を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、本体ブラケットに対して、本体ブラケットの上部に閉止した状態と、本体ブラケットに対して所定の角度傾斜した状態の間で回動可能なベースブラケットを備えるので、この傾斜角度を調整することによって、インターミディエイトシャフトの先端を装着するねじり負荷部の高さ位置を調整することができる。
また、架台ブラケットに配置され、前後方向に揺動可能なモーターブラケットの揺動位置を調整することによって、インターミディエイトシャフトの先端を装着するねじり負荷部の平面位置を調整することができる。
従って、本来の使用状態と同じ使用状態、すなわち、実車形態での試験を行うために、車両のステアリング機構のステアリングコラムに連結されたインターミディエイトシャフトの先端に試験装置を脱着自在に装着して、インターミディエイトシャフトに正逆のねじり負荷をかけた耐久試験を行うことが可能で、実車形態での耐久試験の試験データーとして、正確性、再現性に優れたインターミディエイトシャフトのねじり試験装置を提供することができる。
これにより、例えば、ねじり角度、トルクを検出して、試験体であるステアリング機構の、例えば、インターミディエイトシャフト、インターミディエイトシャフトとステアリングコラムの連結部、ステアリング機構を固定する車体フレームのリンホースの固定部分などの耐久試験を行うことができる。
また、従来のように荷重負荷装置としてのアクチュエーターなどの油圧源、油圧ホース、冷却設備などの付帯設備も不要で、かつ簡単な構造で小型であり、しかも、余分なスペースが不要で、限られたスペースしか存在しない車両のカットボディーの下方に簡単に設置できる。
さらに、ステアリング機構のステアリングコラムに連結されたインターミディエイトシャフトの長さ、数などが異なれば、試験装置との装着角度、高さが相違することになるが、前述したように、インターミディエイトシャフトの先端を装着するねじり負荷部の高さ位置を調整することができるとともに、インターミディエイトシャフトの先端を装着するねじり負荷部の平面位置を調整することができるので、このような様々な角度、高さ位置において、インターミディエイトシャフトの先端に試験装置を脱着自在に装着して、耐久試験を行うことが可能である。
また、ステアリング機構の方式(すなわち、ラックとピニオン方式、ボールナット方式)を選ばず試験を実施することが可能で、汎用性に優れ、しかも、従来の試験装置のように、複雑なリンク機構が不要で、直接トルク入力を試験片であるインターミディエイトシャフトの先端に負荷することができ、力の損失が発生せず、正確性、再現性に優れている。
また、本発明のインターミディエイトシャフトのねじり試験装置は、前記ねじり負荷部に、前記シャフト結合部に固定されたインターミディエイトシャフトの先端に対して、ねじりを負荷する駆動モーターを備えることを特徴とする。
このように構成することによって、ねじり負荷部に、シャフト結合部に固定されたインターミディエイトシャフトの先端に対して、ねじりを負荷する駆動モーターを備えるので、従来のように荷重負荷装置としてのアクチュエーターなどの油圧源、油圧ホース、冷却設備などの付帯設備も不要で、かつ簡単な構造で小型であり、しかも、余分なスペースが不要で、限られたスペースしか存在しない車両のカットボディーの下方に簡単に設置できる。
また、本発明のインターミディエイトシャフトのねじり試験装置は、前記架台ブラケットに、モーターブラケットに形成されたガイド部材を案内するガイド溝が形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、モーターブラケットに形成されたガイド部材が、架台ブラケットに形成されたガイド溝に案内されるので、架台ブラケットに配置され、前後方向に揺動可能なモーターブラケットの揺動位置をガタツキなく正確に調整でき、インターミディエイトシャフトの先端を装着するねじり負荷部の平面位置を正確に調整することができ、正確性、再現性に優れたインターミディエイトシャフトのねじり試験装置を提供することができる。
また、本発明のインターミディエイトシャフトのねじり試験装置は、前記本体ブラケットの後端に設けられた回動軸を中心に、ベースブラケットを回動させる回動駆動機構を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、回動駆動機構によって、回動軸を中心に、ベースブラケットを回動させることができる。
また、本発明のインターミディエイトシャフトのねじり試験装置は、前記回動駆動機構が、本体ブラケットに設けられたボールネジと、ボールネジの回転により前後方向に移動して、ベースブラケットの下方と当接するスリーブ部材とを備えることを特徴とする。
このように構成することによって、回動駆動機構を構成する、ボールネジの回転により、スリーブ部材を前後方向に移動させることによって、スリーブ部材がベースブラケットの下方と当接する当接位置を調整することにより、回動軸を中心に、ベースブラケットを回動させることができる。
これにより、本体ブラケットに対して、本体ブラケットの上部に閉止した状態と、本体ブラケットに対して所定の角度傾斜した状態の間で、ベースブラケットを自由に回動でき、この傾斜角度を調整することによって、インターミディエイトシャフトの先端を装着するねじり負荷部の高さ位置を自由に調整することができる。
また、本発明のインターミディエイトシャフトのねじり試験装置は、前記架台ブラケットに配置された揺動軸を中心に、モーターブラケットを揺動させる揺動駆動機構を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、揺動駆動機構によって、揺動軸を中心に、モーターブラケットを揺動させるので、前後方向に揺動可能なモーターブラケットの揺動位置を調整することによって、インターミディエイトシャフトの先端を装着する、モーターブラケットに固定したねじり負荷部の平面位置を調整することができる。
また、本発明のインターミディエイトシャフトのねじり試験装置は、前記揺動駆動機構が、ベースブラケットに設けられたボールネジと、ボールネジの回転により前後方向に移動して、前記モーターブラケットの下端と連結され、揺動ブラケットを揺動させる揺動ブラケットとを備えることを特徴とする。
このように構成することによって、揺動駆動機構を構成する、ベースブラケットに設けられたボールネジの回転により、モーターブラケットの下端と連結された揺動ブラケットを、前後方向に移動させることによって、モーターブラケットの揺動位置を調整することができる。
これにより、架台ブラケットに配置され、前後方向に揺動可能なモーターブラケットの揺動位置を調整することによって、インターミディエイトシャフトの先端を装着するねじり負荷部の平面位置を自由に調整することができる。
本発明によれば、本体ブラケットに対して、本体ブラケットの上部に閉止した状態と、本体ブラケットに対して所定の角度傾斜した状態の間で回動可能なベースブラケットを備えるので、この傾斜角度を調整することによって、インターミディエイトシャフトの先端を装着するねじり負荷部の高さ位置を調整することができる。
また、架台ブラケットに配置され、前後方向に揺動可能なモーターブラケットの揺動位置を調整することによって、インターミディエイトシャフトの先端を装着するねじり負荷部の平面位置を調整することができる。
従って、本来の使用状態と同じ使用状態、すなわち、実車形態での試験を行うために、車両のステアリング機構のステアリングコラムに連結されたインターミディエイトシャフトの先端に試験装置を脱着自在に装着して、インターミディエイトシャフトに正逆のねじり負荷をかけた耐久試験を行うことが可能で、実車形態での耐久試験の試験データーとして、正確性、再現性に優れたインターミディエイトシャフトのねじり試験装置を提供することができる。
これにより、例えば、ねじり角度、トルクを検出して、試験体であるステアリング機構の、例えば、インターミディエイトシャフト、インターミディエイトシャフトとステアリングコラムの連結部、ステアリング機構を固定する車体フレームのリンホースの固定部分などの耐久試験を行うことができる。
また、従来のように荷重負荷装置としてのアクチュエーターなどの油圧源、油圧ホース、冷却設備などの付帯設備も不要で、かつ簡単な構造で小型であり、しかも、余分なスペースが不要で、限られたスペースしか存在しない車両のカットボディーの下方に簡単に設置できる。
さらに、ステアリング機構のステアリングコラムに連結されたインターミディエイトシャフトの長さ、数などが異なれば、試験装置との装着角度、高さが相違することになるが、前述したように、インターミディエイトシャフトの先端を装着するねじり負荷部の高さ位置を調整することができるとともに、インターミディエイトシャフトの先端を装着するねじり負荷部の平面位置を調整することができるので、このような様々な角度、高さ位置において、インターミディエイトシャフトの先端に試験装置を脱着自在に装着して、耐久試験を行うことが可能である。
また、ステアリング機構の方式(すなわち、ラックとピニオン方式、ボールナット方式)を選ばず試験を実施することが可能で、汎用性に優れ、しかも、従来の試験装置のように、複雑なリンク機構が不要で、直接トルク入力を試験片であるインターミディエイトシャフトの先端に負荷することができ、力の損失が発生せず、正確性、再現性に優れている。
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
(実施例1)
図1は、本発明のインターミディエイトシャフトのねじり試験装置の上面図、図2は、図1のインターミディエイトシャフトのねじり試験装置の図1のI方向の側面図、図3は、図1のインターミディエイトシャフトのねじり試験装置の背面図、図4は、図1の本発明のインターミディエイトシャフトのねじり試験装置の図1の正面から見た斜視図、図5は、本発明のインターミディエイトシャフトのねじり試験装置を、インターミディエイトシャフトの先端に装着する状態を説明する斜視図、図6は、本発明のインターミディエイトシャフトのねじり試験装置の作動を説明する概略模式図、図7は、シャフト結合部36の他の実施例を示す概略模式図、図8は、本発明のインターミディエイトシャフトのねじり試験装置のブロック図である。
図1~図6において、符号10は、全体で本発明のインターミディエイトシャフトのねじり試験装置(以下、単に、「ねじり試験装置」と言う)を示している。
図5に示したように、本発明のねじり試験装置10は、例えば、自動車などの車両のカットボディー(図示省略)側に配置された車体フレームの一点鎖線で示したリンホース200に固定されたステアリング機構202に対して、耐久試験を行うものである。
すなわち、図5に示したように、ステアリング機構202は、ハンドル204と、ハンドル204に連結されたステアリングコラム206とを備えている。このステアリングコラム206の先端には、自在継手208を介して、連結されたインターミディエイトシャフト210を備えている。
本発明のねじり試験装置10は、インターミディエイトシャフト210の先端212に対して脱着自在に装着して、インターミディエイトシャフト210に正逆のねじり負荷をかけて、ねじり角度、トルクを検出して、試験体であるステアリング機構202の、例えば、インターミディエイトシャフト210、インターミディエイトシャフト210とステアリングコラム206の連結部である自在継手208、ステアリング機構202を固定する車体フレームのリンホース200の固定部分200aなどの耐久試験を行うためのインターミディエイトシャフトのねじり試験装置である。
図6に示したように、本体ブラケット16の上部に配置され、本体ブラケット16に対して、本体ブラケット16の上部に閉止した状態(図6(A)参照)と、本体ブラケット16に対して所定の角度傾斜した状態(図6(B)参照)の間で回動可能なベースブラケット18を備えている。
具体的には、ベースブラケット18は、本体ブラケット16の上部に配置され、本体ブラケット16の後端に配置された回動軸19を介して軸着されている。そして、この回動軸19を中心に回動して、本体ブラケット16に対して、本体ブラケット16の上部に閉止した状態(図6(A)参照)と、本体ブラケット16に対して所定の角度傾斜した状態(図6(B)参照)の間で、図2、図6の矢印Aで示したように、回動可能に構成されている。
また、本発明のねじり試験装置10は、ベースブラケット18の上部に立設された架台ブラケット20を備えている。具体的には、架台ブラケット20が、ベースブラケット18の上部に立設され、横方向に一定間隔離間して平行に配置された一対の架台ブラケット20から構成されている。
また、架台ブラケット20に配置され、前後方向に揺動可能なモーターブラケット22を備えている。具体的には、断面略コ形状のモーターブラケット22が、一対の架台ブラケット20の間に、架台ブラケット20に配置された揺動軸24を介して、図2、図6の矢印Bで示したように、前後方向に揺動可能に軸着されている。
また、架台ブラケット20には、図3、図4に示したように、モーターブラケット22の両側板部26に形成されたガイド部材28を案内する、略円弧状のスリットから構成されるガイド溝30が形成されている。
このように構成することによって、モーターブラケット22に形成されたガイド部材28が、架台ブラケット20に形成されたガイド溝30に案内されることになる。
これによって、架台ブラケット20に配置され、前後方向に揺動可能なモーターブラケット22の揺動位置をガタツキなく正確に調整でき、インターミディエイトシャフト210の先端212を装着するねじり負荷部32の上面34の平面位置を正確に調整することができ、正確性、再現性に優れたインターミディエイトシャフトのねじり試験装置10を提供することができる。
なお、この場合、図2、図4に示したように、架台ブラケット20に配置された揺動軸24には、固定ネジ24aが設けられており、インターミディエイトシャフト210の先端212を、後述するねじり負荷部32のシャフト結合部36に装着し易い位置になるように、ねじり負荷部32の上面34の平面位置を保持することができるように構成するのが望ましい。
また、図示しないが、ガイド溝30に、階段状の固定用段部を設けて、ねじり負荷部32の平面位置を保持することができるように構成することも可能である。
さらに、本発明のねじり試験装置10は、モーターブラケット22に固定され、インターミディエイトシャフト210の先端212を脱着自在に装着して、インターミディエイトシャフト210の先端212にねじりを負荷するするねじり負荷部32を備えている。
このねじり負荷部32は、ねじり負荷部32の上面34に形成され、インターミディエイトシャフト210の先端212を脱着自在に装着するシャフト結合部36を備えている。
この場合、シャフト結合部36は、この実施例では、インターミディエイトシャフト210の先端212を脱着自在に装着する穴部38を備えている。
また、図7(A)に示したように、インターミディエイトシャフト210の先端212を挿着固定する固定治具42を備えている。
しかしながら、インターミディエイトシャフト210の先端212の形状に応じて、例えば、図7に示したように、インターミディエイトシャフト210の先端212がピニオン形状である場合には、穴部38を、キー溝40の形状にするなど、適宜変更可能である。
また、ねじり負荷部32は、駆動モーター44を備えており、この駆動モーター44に連結された図示しないギアなどの駆動機構により、シャフト結合部36に固定されたインターミディエイトシャフト210の先端212に対して、ねじりを負荷するように構成されている。
この場合、駆動モーター44としては、ねじりを負荷するためには、サーボモーターが望ましいが、ステッピングモーターであっても使用可能である。
このように構成することによって、ねじり負荷部32に、シャフト結合部36に固定されたインターミディエイトシャフト210の先端212に対して、ねじりを負荷する駆動モーター44を備えるので、従来のように荷重負荷装置としてのアクチュエーターなどの油圧源、油圧ホース、冷却設備などの付帯設備も不要で、かつ簡単な構造で小型であり、しかも、余分なスペースが不要で、限られたスペースしか存在しない車両のカットボディーの下方に簡単に設置できる。
本発明のねじり試験装置10は、本体ブラケット16の後端に配置された回動軸19を中心に、ベースブラケット18を回動させる回動駆動機構46を備えている。
具体的には、図6(B)に示したように、回動駆動機構46が、本体ブラケット16に設けられたボールネジ48を備えている。そして、図6(B)に示したように、ボールネジ48の回転ハンドル50を回転させると、ボールネジ48の回転により、ボールネジ48に連結されたスリーブ部材52が、図6(B)の矢印Cで示したように、前後方向に移動して、ベースブラケット18の下方と当接して、本体ブラケット16の後端に配置された回動軸19を中心に、ベースブラケット18を回動させるように構成されている。
なお、図示しないが、ベースブラケット18の下方には、前後方向に案内溝が設けられており、この案内溝内をスリーブ部材52の上端が移動するように構成されている。
このように構成することによって、回動駆動機構46を構成する、ボールネジ48の回転ハンドル50を、回転させると、ボールネジ48の回転により、スリーブ部材52を前後方向に移動させることができる。
これにより、スリーブ部材52がベースブラケット18の下方と当接する当接位置を調整することにより、本体ブラケット16の後端に配置された回動軸19を中心に、ベースブラケットを回動させることができる。
従って、本体ブラケット16に対して、本体ブラケット16の上部に閉止した状態(図6(A)参照)と、本体ブラケット16に対して所定の角度傾斜した状態(図6(B)参照)の間で、ベースブラケット18を自由に回動でき、この傾斜角度を調整することによって、インターミディエイトシャフト210の先端212を装着するねじり負荷部32の高さ位置を自由に調整することができる。
なお、この実施例では、本体ブラケット16の後端に配置された回動軸19を中心に、ベースブラケット18を回動させる回動駆動機構46として、本体ブラケット16に設けられたボールネジ48と、ボールネジ48に連結されたスリーブ部材52とから構成したが、図示しないが、例えば、駆動モーターなどの駆動機構によって、ベースブラケット18を回動させるように構成することも可能であるなど適宜変更可能である。
本発明のねじり試験装置10は、図1~図3に示したように、架台ブラケット20に配置された揺動軸24を中心に、モーターブラケット22を揺動させる揺動駆動機構70を備えることも可能である。
具体的には、図1~図3に示したように、揺動駆動機構70が、ベースブラケット18に設けられたボールネジ72と、ボールネジ72の回転により前後方向に移動して、モーターブラケット22の下端と連結され、揺動ブラケット22を揺動させる揺動ブラケット74とを備える。
このように構成することによって、揺動駆動機構70を構成する、ベースブラケット18に設けられたボールネジ72の回転ハンドル76を回転することにより、図2に示したように、モーターブラケット22の下端と連結された揺動ブラケット74が、前後方向に移動する。これによって、モーターブラケットの揺動位置を調整することができる。
これにより、架台ブラケット20に配置され、前後方向に揺動可能なモーターブラケット22の揺動位置を調整することによって、インターミディエイトシャフト210の先端212を装着するねじり負荷部32の上面34の平面位置を自由に調整することができる。
また、図示しないが、例えば、揺動駆動機構70として、駆動モーターなどの駆動機構によって、モーターブラケット22を回動させるように構成することも可能であるなど適宜変更可能である。
なお、本発明のねじり試験装置10は、前述した回動駆動機構46と、揺動駆動機構70の少なくとも一方を設けるのが望ましい。
このように構成される本発明のねじり試験装置10は、以下のようにして、ねじり試験を行うように構成されている。
先ず、回動駆動機構46を構成する、ボールネジ48の回転ハンドル50を、回転させると、ボールネジ48の回転により、スリーブ部材52を前後方向に移動させることができる。
これにより、スリーブ部材52がベースブラケット18の下方と当接する当接位置を調整することにより、本体ブラケット16の後端に配置された回動軸19を中心に、ベースブラケットを回動させることができる。
従って、本体ブラケット16に対して、本体ブラケット16の上部に閉止した状態(図6(A)参照)と、本体ブラケット16に対して所定の角度傾斜した状態(図6(B)参照)の間で、ベースブラケット18を回動させ、この傾斜角度を調整することによって、インターミディエイトシャフト210の先端212を装着するねじり負荷部32の高さ位置に調整する。
このように構成することによって、揺動駆動機構70を構成する、ボールネジ72の回転ハンドル76を回転することにより、図2に示したように、モーターブラケット22の下端と連結された揺動ブラケット74が、前後方向に移動する。これによって、モーターブラケットの揺動位置を調整することができる。
これにより、架台ブラケット20に配置され、前後方向に揺動可能なモーターブラケット22の揺動位置を調整することによって、インターミディエイトシャフト210の先端212を装着するねじり負荷部32の上面34の平面位置を調整する。
この状態で、ねじり負荷部32のシャフト結合部36に、インターミディエイトシャフト210の先端212を脱着自在に装着して固定すれば良い。
そして、図8のブロック図に示したように、本発明のねじり試験装置10を作動すれば良い。
すなわち、本発明のねじり試験装置10は、制御装置60を備えており、制御装置60は、ねじり試験装置10の駆動モーター44と連結されている。
そして、制御装置60において、ねじり角度を検出手段62により、電流値をモニターすることによって、ねじり角度を検出する。この検出データーを変換器64に入力して、トルクを検出する。
この検出したトルクを、比較器66により、目標値と比較して、補正値を、制御装置60の出力手段68を介して、ねじり試験装置10の駆動モーター44に出力するように構成され、これによりねじり試験を実施するように構成されている。
このように構成される本発明のねじり試験装置10によれば、本体ブラケット16に対して、本体ブラケット16の上部に閉止した状態と、本体ブラケット16に対して所定の角度傾斜した状態の間で回動可能なベースブラケット18を備えるので、この傾斜角度を調整することによって、インターミディエイトシャフト210の先端212を装着するねじり負荷部32の高さ位置を調整することができる。
また、架台ブラケット20に配置され、前後方向に揺動可能なモーターブラケット22の揺動位置を調整することによって、インターミディエイトシャフト210の先端212を装着するねじり負荷部32の上面34の平面位置を調整することができる。
従って、本来の使用状態と同じ使用状態、すなわち、実車形態での試験を行うために、車両のカットボディー側に固定されたステアリング機構202のステアリングコラム206に連結されたインターミディエイトシャフト210の先端212に、ねじり試験装置10を脱着自在に装着して、耐久試験を行うことが可能で、実車形態での耐久試験の試験データーとして、正確性、再現性に優れたインターミディエイトシャフトのねじり試験装置10を提供することができる。
すなわち、本来の使用状態と同じ使用状態、すなわち、実車形態での試験を行うために、車両のカットボディー側に固定されたステアリング機構202のステアリングコラム206に連結されたインターミディエイトシャフト210の先端212に対して脱着自在に装着して、インターミディエイトシャフト210に正逆のねじり負荷をかけることできる。
これにより、例えば、ねじり角度、トルクを検出して、試験体であるステアリング202の、例えば、インターミディエイトシャフト210、インターミディエイトシャフト210とステアリングコラム206の連結部、ステアリング機構202を固定する車体フレームのリンホース200の固定部分などの耐久試験を行うことができる。
また、従来のように荷重負荷装置としてのアクチュエーターなどの油圧源、油圧ホース、冷却設備などの付帯設備も不要で、かつ簡単な構造で小型であり、しかも、余分なスペースが不要で、限られたスペースしか存在しない車両のカットボディーの下方に簡単に設置できる。
さらに、ステアリング機構202のステアリングコラム206に連結されたインターミディエイトシャフト210の長さ、数などが異なれば、試験装置との装着角度、高さが相違することになるが、前述したように、インターミディエイトシャフト210の先端212を装着するねじり負荷部32の高さ位置を調整することができるとともに、インターミディエイトシャフト210の先端212を装着するねじり負荷部32の平面位置を調整することができるので、このような様々な角度、高さ位置において、インターミディエイトシャフト210の先端212に、ねじり試験装置10を脱着自在に装着して、耐久試験を行うことが可能である。
また、ステアリング機構の方式(すなわち、ラックとピニオン方式、ボールナット方式)を選ばず試験を実施することが可能で、汎用性に優れ、しかも、従来の試験装置のように、複雑なリンク機構が不要で、直接トルク入力を試験片であるインターミディエイトシャフト210の先端212に負荷することができ、力の損失が発生せず、正確性、再現性に優れている。
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、回動駆動機構46と、揺動駆動機構70の作動状態を、インターミディエイトシャフト210の先端212の高さ位置などに応じて、制御装置60において、制御することも可能である。
また、上記実施例では、車両のステアリング機構202として、自動車などの車両のカットボディーに固定されたステアリング機構202に対して、耐久試験を行う場合について説明したが、例えば、実車に固定したステアリング202、リンホース200を模した構造物に固定したステアリング機構202対して、耐久試験を行う場合などにも適用可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。