JP7032787B2 - スクライビングホイール - Google Patents

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Description

本発明は、スクライビングホイールに関する。
ガラス基板等の脆性材料基板を切断するためのスクライブラインを形成するためにスクライビングホイールが用いられることが知られている。例えば特許文献1のスクライビングホイールは、その外周部に形成された刃先部において円周方向に互いに離間して形成された多数の溝を有する。
特開2010-132542号公報
スクライビングホイールでは、脆性材料基板の基板厚さに対する垂直クラックの深さの比で示される浸透量が増加することが好ましい。
本発明の目的は、浸透量を増加させることができるスクライビングホイールを提供することである。
(1)本発明に関するスクライビングホイールは、外周部に形成された刃先部を有するスクライビングホイールであって、前記刃先部は、周方向に間隔をおいて形成された複数の溝と、前記周方向において隣り合う前記溝の間に形成された稜線部とを含み、前記溝は、前記稜線部よりも刃先角が小さい部分を含む。
本願発明者は、溝の刃先角と稜線部の刃先角との関係に着目し、溝の刃先角を変更した場合において、スクライビングホイールが切断する脆性材料基板の厚さに対する垂直クラックの深さの比で示される浸透量の変化について試験した。その結果、溝が稜線部の刃先角よりも小さい部分を含む場合、浸透量が大きくなる知見を得た。そこで、本スクライビングホイールでは、溝が稜線部の刃先角よりも小さい部分を含む構成としている。したがって、浸透量を増加させることができる。
さらに、前記溝の深さは、前記周方向における前記溝の端部から前記溝の中央部に向けて深くなる部分を含み、少なくとも前記溝の開始点から前記周方向における前記溝の幅に対して片側で10%の距離における前記溝の端部の刃先角は、前記稜線部の刃先角よりも小さい。
周方向における溝の端部が脆性材料基板に接触する場合、周方向における溝の中央部が脆性材料基板に接触する場合よりも垂直クラックを形成しやすい。また、刃先角が小さい場合、刃先角が大きい場合に比べ、垂直クラックを広げる応力が発生しやすい。そこで、本スクライビングホイールでは、周方向における溝の端部の刃先角を稜線部の刃先角よりも小さくすることにより、垂直クラックを広げる応力を効果的に大きくすることができるため、浸透量をより増加させることができる。
(2)好ましい例では、(1)に記載のスクライビングホイールにおいて、前記溝の端部の刃先角は、前記溝の中央部の刃先角よりも小さい。
周方向における溝の端部が脆性材料基板に接触する場合、周方向における溝の中央部が脆性材料基板に接触する場合よりも垂直クラックを形成しやすい。また、刃先角が小さい場合、刃先角が大きい場合に比べ、垂直クラックを広げる応力が発生しやすい。そこで、本スクライビングホイールでは、周方向における溝の端部の刃先角を周方向における溝の中央部の刃先角よりも小さくすることにより、垂直クラックを広げる応力を効果的に大きくすることができるため、浸透量をより増加させることができる。
(3)好ましい例では、(1)に記載のスクライビングホイールにおいて、前記溝の端部から前記溝の中央部に向けて前記溝の刃先角が小さくなる。
このため、上記と同様の効果が得られる。
(4)好ましい例では、(1)に記載のスクライビングホイールにおいて、前記溝の中央部の刃先角は、前記稜線部の刃先角以上である。
本発明のスクライビングホイールは、浸透量を増加させることができる。
第1実施形態のスクライビングホイールについて、(a)は側面図、(b)は(a)の1b-1b線の断面図。 図1のスクライビングホイールの刃先部の一部を拡大した図であって、(a)は斜視図、(b)は側面図。 刃先部の一部の平面図。 刃先部の溝の端部の断面図。 刃先部の溝の中央部の断面図。 刃先部の溝における位置と、その位置に対応する溝の刃先角と刃先部の稜線部における刃先角と角度差との関係を示すグラフ。 スクライブ荷重と浸透量との関係を示すグラフ。
図1~図7を参照して、本実施形態のスクライビングホイール1について説明する。スクライビングホイール1は、例えばガラス基板またはセラミックス基板等の脆性材料で形成された基板である脆性材料基板を分断するために用いられる。スクライビングホイール1は、脆性材料基板の表面を、所定の荷重で押圧しながら転動させられることにより、脆性材料基板の表面にスクライブラインを形成する。
スクライビングホイール1は、焼結ダイヤモンド(Poly Crystalline Diamond)、超硬合金、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド等から形成されている。スクライビングホイール1は、超硬合金等の基材にダイヤモンド等の硬質材料の膜をコーティングしたものを用いることもできる。
図1(a)に示されるように、スクライビングホイール1は、円板状の本体部10と、断面V字状の刃先部20とを有する。刃先部20は、スクライビングホイール1の外周部に形成されている。本体部10は、スクライビングホイール1において刃先部20よりも径方向内側の部分である。本体部10と刃先部20とは一体に形成されている。なお、断面V字状とは、スクライビングホイール1の厚さ方向(以下、「厚さ方向DT」)に沿う平面でスクライビングホイール1を切った断面において、スクライビングホイール1の外周縁に向けて先細る形状である(図1(b)参照)。スクライビングホイール1の外径は、φ1mm以上かつφ20mm以下の範囲である。本実施形態のスクライビングホイール1の外径は、φ2mmである。またスクライビングホイール1の厚さの一例は、0.64mmである。
本体部10の中心部には、本体部10を厚さ方向DTに貫通する挿入孔13が形成されている。挿入孔13には、スクライビングホイール1を回転可能に支持する支持ピン(図示略)が挿入される。図1(b)に示されるように、本体部10は、挿入孔13の一端が形成される第1側面11と、挿入孔13の他端が形成される第2側面12とを有する。
刃先部20は、断面V字状を形成する2つの斜面である第1斜面21および第2斜面22を有する。第1斜面21は第1側面11と刃先部20の先端とを繋ぎ、第2斜面22は第2側面12と刃先部20の先端とを繋いでいる。言い換えれば、第1斜面21と第2斜面22との交線が刃先部20の先端において稜線を形成している。
図1(b)に示されるとおり、厚さ方向DTにおいて、スクライビングホイール1の厚さ方向DTの中心位置と、刃先部20の先端位置とが互いに等しい。スクライビングホイール1の断面視において、厚さ方向DTと直交する方向に沿う線分CLと第1斜面21との成す第1角度θ1と、線分CLと第2斜面22との成す第2角度θ2とは互いに等しい。
図2(a)に示されるように、スクライビングホイール1は、刃先部20の先端部においてスクライビングホイール1の円周方向(以下、「周方向DC」)に沿って互いに離間して形成された多数の溝24を有する。溝24の個数は任意に設定可能である。本実施形態の溝24の数は、150である。周方向DCに隣り合う溝24の間には、第1斜面21と第2斜面22およびその交線である稜線部23が形成されている。稜線部23の外周縁と、溝24の外周縁とが刃先25を形成する。刃先部20は、稜線部23と溝24とが交互に等ピッチで形成されている。稜線部23における第1斜面21と第2斜面22との成す角である刃先角θrは、90°以上かつ160°以下の範囲、好ましくは100°以上かつ150°以下であることが好ましい。刃先角θrが90°以上であれば、脆性材料基板に表面剥離や先走りが発生しにくくなり、160°以下であれば、かかり不良が生じにくくなる。本実施形態の刃先角θrは、120°である(図4参照)。
図2(b)に示されるように、溝24は、刃先部20の外周部から湾曲状に凹む形状を有する。また溝24は、第1斜面21に対応する第1溝斜面21Aと、第2斜面22に対応する第2溝斜面22Aとを有し、第1溝斜面21Aと第2溝斜面22Aとの交差する外周縁に稜線部23から連続する刃先25を含む。溝24は、周方向DCにおける溝24の端部から溝24の中央部に向けて深くなる部分を有する。本実施形態の溝24は、周方向DCにおける溝24の端部から溝24の中央部に向けて深くなる。溝24の深さHは、スクライビングホイール1の径方向における稜線部23と溝24の最深部との間の距離として規定される。稜線部23における溝24の幅WDは、周方向DCにおける溝24の両端縁の間の距離として規定される。稜線部23における溝24の深さHは、脆性材料基板をスクライブする場合に脆性材料基板の材質および厚さ、さらにはスクライビングホイール1を脆性材料基板に押し付ける荷重(以下、「スクライブ荷重」)、および、スクライブによって形成されるスクライブラインおよび分断後の脆性材料基板の品質等を考慮して選択され、例えば0.5μm以上かつ6.0μm以下である。本実施形態の刃先部20における溝24の深さは、5.5μmである。周方向DCにおける溝24の幅WDは、2.0μm以上かつ35μm以下である。脆性材料基板の板厚が0.7mm以下の場合、刃先25における溝24の幅WDは2.0μm以上かつ15μm以下であることが好ましく、脆性材料基板の板厚が1.1mm程度の場合、稜線部23における溝24の幅WDは10μm以上かつ30μm以下であることが好ましい。本実施形態の刃先25における溝24の幅WDは、24μmである。
このような溝24は、スクライビングホイール1の挿入孔13が図示しないモータの回転軸に装着された状態で、レーザ照射装置からレーザ光が照射されることにより形成される。レーザ光の照射方向は、スクライビングホイール1の径方向である。レーザ光は、スクライビングホイール1の稜線部23よりもレーザ照射装置側において焦点が形成される。レーザ照射装置においてレーザ光を照射する照射部は、厚さ方向DTにおいてスクライビングホイール1に対して移動可能である。一方、照射部は、スクライビングホイール1の径方向において、刃先部20との間の距離は変更しない。このため、スクライビングホイール1の厚さ方向DTの中心位置において照射部と刃先部20との間の距離が最小となり、スクライビングホイール1の厚さ方向DTの中心位置から厚さ方向DTに離れるにつれて照射部と刃先部20との間の距離が長くなる。
このように溝24が形成される場合、スクライビングホイール1の稜線部23にレーザ光が照射される面積が最小となり、厚さ方向DTにおいて刃先部20の先端位置から離れるにつれてレーザ光が照射される面積が増加する。このため、図3に示されるように、溝24の幅WDは、刃先部20の先端位置、すなわち刃先25における溝24で最小となり、厚さ方向DTにおいて刃先25から離れるにつれて大きくなる。
図4および図5に示されるように、周方向DCにおける溝24の端部(以下、単に、溝24の端部と称する)の形状と、周方向DCにおける溝24の中央部(以下、単に、溝24の中央部と称する)の形状とは互いに異なる。
図4に示されるように、溝24の端部の刃先角である第1溝刃先角θg1は、刃先角θrよりも小さい。第1溝刃先角θg1は、刃先角θrよりも2~10°程度小さくされることが好ましい。一方、図5に示されるように、溝24の中央部の刃先角である第2溝刃先角θg2は、刃先角θrよりも大きい。すなわち、第1溝刃先角θg1は、第2溝刃先角θg2よりも小さい。
ここで、溝24の端部は、周方向DCにおいて稜線部23と隣り合う部分である。周方向DCにおける溝24の一方の端部は、稜線部23における溝24の溝開始点(図3の線分Cの位置)から溝開始点から溝24の内方に所定距離に亘り離れた位置(図3の線分Eの位置)までの部分と規定される。なお、周方向DCにおける溝24の他方の端部についても同様に規定される。このように、第1溝刃先角θg1は、溝24における線分Cの位置から線分Eの位置までの部分における刃先角として規定される。本実施形態では、周方向DCにおける線分Cと線分Eとの間の距離は5.0μmである。第1溝刃先角θg1が規定される溝24の端部からの距離は、溝24の幅WDに対し、片側で10~30%程度とすることが好ましい。溝刃先角θgは、第1斜面21における溝24に対応する部分である第1溝斜面21Aと、第2斜面22における溝24に対応する部分である第2溝斜面22Aとの成す角により規定される。第1溝刃先角θg1は、溝24の端部における第1溝斜面21Aと溝24の端部における第2溝斜面22Aとの成す角により規定される。第2溝刃先角θg2は、溝24の中央部における第1溝斜面21Aと溝24の中央部における第2溝斜面22Aとの成す角により規定される。
なお、第1溝刃先角θg1および第2溝刃先角θg2は任意に変更可能である。一例では、第2溝刃先角θg2は、刃先角θrと等しい、または刃先角θrよりも小さくてもよい。
(実施例)
スクライビングホイール1の性能を評価するためにスクライブ荷重と浸透量との関係について実施例1および実施例2のスクライビングホイールと、比較例1および比較例2のスクライビングホイールとを用いて確認した。なお、浸透量は、脆性材料基板の厚さに対する垂直クラックの深さの比を百分率(%)で示すものである。
実施例1、実施例2、比較例1、および、比較例2のスクライビングホイールのそれぞれについて、溝24の開始位置を基準として、2.5μmごとの測定位置における刃先角度差θdを測定した。具体的には、図3の線分A~線分Hに対応する位置を測定位置としている。線分Aは、溝24の開始位置から稜線部23側に5μm離れた位置であり、線分Bは、溝24の開始位置から刃先25側に2.5μm離れた位置である。線分Aおよび線分Bはともに稜線部23を通過する線分である。線分Cは溝24の開始位置であり、線分Dは溝24の開始位置から溝24側に2.5μm離れた位置であり、線分Eは溝24の開始位置から溝24側に5.0μm離れた位置であり、線分Fは溝24の開始位置から溝24側に7.5μm離れた位置であり、線分Gは溝24の開始位置から溝24側に10.0μm離れた位置であり、線分Hは溝24の開始位置から溝24側に12.5μm離れた位置である。線分C~線分Hはいずれも溝24の外周縁を通過する線分である。図6は、実施例1、実施例2、比較例1、および、比較例2のスクライビングホイールにおける測定位置である線分Aと、線分B~線分Hにおける刃先角度差θdとの関係を示すグラフである。
また、実施例1、実施例2、比較例1、および、比較例2のスクライビングホイールはそれぞれ、外径φ2mm、刃先角θrが120°、溝の数が150個、溝の深さHが5.5μmのものを用いた。実施例1、実施例2、比較例1、および、比較例2のスクライビングホイールの具体的な溝形状について、図6を用いて説明する。
図6は、線分Aの位置の刃先角θrを基準として、実施例1、実施例2、比較例1、および、比較例2のスクライビングホイールにおける各測定箇所の刃先角度差θdを示すグラフである。線分C~線分Eの位置では、実施例1および実施例2のスクライビングホイールの刃先角度差θdが負の値になる一方、比較例1および比較例2のスクライビングホイールの刃先角度差θdが正の値になる。詳述すると、線分Cの位置において、実施例1のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約3°小さく、実施例2のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約2.5°小さい。比較例1のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約0.2°大きく、比較例2のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約0.1°大きい。線分Dの位置において、実施例1のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約5.5°小さく、実施例2のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約4.5°小さい。実施例1および実施例2のスクライビングホイールでは、線分Dの位置において溝刃先角θgが刃先角θrに対して最も小さくなる。また比較例1のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約1°大きく、比較例2のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約0.8°大きい。線分Eの位置において、実施例1のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約0.5°小さく、実施例2のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約1°小さい。比較例1のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約3°大きく、比較例2のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約3.5°大きい。
線分Fの位置では、実施例2のスクライビングホイールの刃先角度差θdが負の値になる一方、実施例1、比較例1、および、比較例2のスクライビングホイールの刃先角度差θdが正の値になる。詳述すると、線分Fの位置において、実施例1のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約0.1°大きく、実施例2のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約1°小さい。比較例1のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約8°大きく、比較例2のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約7.5°大きい。
線分Gの位置では、実施例2のスクライビングホイールの刃先角度差θdが負の値になる一方、比較例1および比較例2のスクライビングホイールの刃先角度差θdが正の値になる。また実施例1のスクライビングホイールの刃先角度差θdが0°になる。詳述すると、実施例2のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約0.2°小さい。比較例1のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約8°大きく、比較例2のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約10°大きい。
線分Hの位置では、実施例1、実施例2、比較例1、および、比較例2のスクライビングホイールの刃先角度差θdが正の値になる。実施例1のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約2°大きく、実施例2のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約1°大きく、比較例1のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約9°大きく、比較例2のスクライビングホイールの溝刃先角θgが刃先角θrよりも約8°大きい。
また、溝24における刃先角である溝刃先角θgには、例えばレーザ顕微鏡を用いて次のように演算される。すなわちレーザ顕微鏡は、スクライビングホイール1の径方向にレーザを照射し、レーザ顕微鏡とスクライビングホイール1との間の距離を計測することにより、刃先部20に沿う方向と直交する方向の溝24のプロファイルを取得する。そして取得された溝24の第1溝斜面21Aおよび第2溝斜面22Aのそれぞれプロファイルから溝刃先角θgが演算される。本実施例では、レーザ顕微鏡として、KEYENCE社のVK-X100を用いた。
スクライブ荷重と浸透量との関係では、スクライブ荷重を0.09MPa、0.10MPa、0.11MPa、0.13MPa、0.15MPa、0.17MPa、0.19MPa、0.21MPa、および、0.23MPaと変化させたときの浸透量を測定した。
図7に示されるように、スクライブ荷重が0.09MPaの場合、実施例1のスクライビングホイールの浸透量は約75%であり、実施例2のスクライビングホイールの浸透量は約76%であり、比較例1のスクライビングホイールの浸透量は約64%であり、比較例2のスクライビングホイールの浸透量は約66%である。スクライブ荷重が0.10MPaの場合、実施例1および実施例2のスクライビングホイールの浸透量はそれぞれ約78%であり、比較例1のスクライビングホイールの浸透量は約60%であり、比較例2のスクライビングホイールの浸透量は約74%である。スクライブ荷重が0.11MPaの場合、実施例1のスクライビングホイールの浸透量は約82%であり、実施例2のスクライビングホイールの浸透量は約81%であり、比較例1のスクライビングホイールの浸透量は約77%であり、比較例2のスクライビングホイールの浸透量は約74%である。スクライブ荷重が0.13MPaの場合、実施例1および実施例2のスクライビングホイールの浸透量は約84%であり、比較例1のスクライビングホイールの浸透量は約79%であり、比較例2のスクライビングホイールの浸透量は約77%である。スクライブ荷重が0.15MPaの場合、実施例1および実施例2のスクライビングホイールの浸透量は約86%であり、比較例1のスクライビングホイールの浸透量は約81%であり、比較例2のスクライビングホイールの浸透量は約83%である。スクライブ荷重が0.17MPaの場合、実施例1および実施例2のスクライビングホイールの浸透量は約87%であり、比較例1および比較例2のスクライビングホイールの浸透量は約85%である。スクライブ荷重が0.19MPaの場合、実施例1、実施例2、および、比較例2のスクライビングホイールの浸透量は約90%であり、比較例1のスクライビングホイールの浸透量は約86%である。スクライブ荷重が0.21MPaの場合、実施例1のスクライビングホイールの浸透量は約92%であり、実施例2のスクライビングホイールの浸透量は約93%であり、比較例1および比較例2のスクライビングホイールの浸透量は約90%である。スクライブ荷重が0.23MPaの場合、実施例1および実施例2のスクライビングホイールの浸透量は約95%であり、比較例1および比較例2のスクライビングホイールの浸透量は約93%である。
図7に示されるように、実施例1および実施例2のスクライビングホイールは、比較例1および比較例2のスクライビングホイールよりも浸透量が5~10%大きくなることが確認された。特に、低いスクライブ荷重の範囲において、実施例1および実施例2のスクライビングホイールによる浸透量が比較例1および比較例2のスクライビングホイールによる浸透量よりも顕著に大きくなることが確認された。
本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)溝刃先角θgが刃先角θrよりも小さいことにより、脆性材料基板の浸透量が増加する。これにより、脆性材料基板を容易に分断できる。また、所望の垂直クラックの深さを得るためのスクライブ荷重を小さくすることができるため、スクライブ荷重が大きくなることに起因する先走り等の脆性材料基板のスクライブ時の不良の発生を抑制できる。
(2)溝24の端部が脆性材料基板に接触する場合、溝24の中央部が脆性材料基板に接触する場合よりも垂直クラックを形成しやすい。また、溝刃先角θgが小さい場合、溝刃先角θgが大きい場合に比べ、垂直クラックを広げる応力が発生しやすい。そこで、本実施形態では、第1溝刃先角θg1を第2溝刃先角θg2よりも小さくする。これにより、垂直クラックを広げる応力を効果的に大きくすることができるため、浸透量をより増加させることができる。
(変形例)
上記実施形態に関する説明は、本発明に従うスクライビングホイールが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従うスクライビングホイールは、例えば以下に示される上記実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、上記実施形態の形態と共通する部分については、上記実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
・スクライビングホイール1の溝24の端部から溝24の中央部に向かうにつれて溝刃先角θgが徐々に小さくなるように溝24が設けられてもよい。この構成によっても上記実施形態の効果が得られる。
・溝24の端部において、溝開始点(図3の線分Cの位置)から図3の線分Eの位置に向かうにつれて溝刃先角θgが徐々に小さくなるように溝24が設けられてもよい。この構成によっても上記実施形態の効果が得られる。
・溝24の端部以外の溝24の溝刃先角θgが刃先角θr以上であってもよい。すなわち溝24の端部の第1溝刃先角θg1のみが刃先角θrよりも小さくなるように形成されてもよい。この構成によっても上記実施形態の効果が得られる。
・溝24の深さ方向の形状は、任意に変更可能である。一例では、溝24は、その底部が平坦部を含む形状であってもよい。
・刃先部20の形状は、任意に変更可能である。一例では、厚さ方向DTにおいて、稜線部23の位置とスクライビングホイール1の厚さ方向DTの中心位置とが互いに異なってもよい。
1 :スクライビングホイール
10 :本体部
20 :刃先部
21 :第1斜面
22 :第2斜面
23 :稜線部
24 :溝
θr :刃先角
θg :溝刃先角
θg1:第1溝刃先角
θg2:第2溝刃先角
DC :周方向

Claims (5)

  1. 外周部に形成された刃先部を有するスクライビングホイールであって、
    前記刃先部は、周方向に間隔をおいて形成された複数の溝と、前記周方向において隣り合う前記溝の間に形成された稜線部とを含み、
    前記溝は、前記稜線部よりも刃先角が小さい部分を含み、
    前記溝の深さは、前記周方向における前記溝の端部から前記溝の中央部に向けて深くなる部分を含み、
    少なくとも前記溝の開始点から前記周方向における前記溝の幅に対して片側で10%の距離における前記溝の端部の刃先角は、前記稜線部の刃先角よりも小さい
    スクライビングホイール。
  2. 前記溝の端部の刃先角は、前記溝の開始点から前記周方向における前記溝の幅に対して片側で30%までの距離において前記稜線部の刃先角よりも小さい
    請求項1に記載のスクライビングホイール。
  3. 前記溝の端部の刃先角は、前記溝の中央部の刃先角よりも小さい
    請求項に記載のスクライビングホイール。
  4. 前記溝の端部から前記溝の中央部に向けて前記溝の刃先角が小さくなる
    請求項に記載のスクライビングホイール。
  5. 前記溝の中央部の刃先角は、前記稜線部の刃先角以上である
    請求項に記載のスクライビングホイール。
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