JP7031765B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
請求項2に記載された発明は、シート材にトナー像を形成する画像形成部と、静電気を用いて対象壁面に吸着させる静電吸着機能を前記シート材に付加する吸着モードを、ユーザにより指定可能とするユーザインタフェースと、前記ユーザインタフェースを介したユーザからの前記吸着モードの指定を受けて、前記画像形成部により前記シート材に静電吸着トナー像を形成するように制御する制御部とを有し、前記吸着モードは、テキストおよびイメージの一方または両方からなる画像を前記シート材又は前記対象壁面を透過させて人に見せるかに関する透過情報を指定することを特徴とする画像形成装置である。
請求項3に記載された発明は、前記対象壁面は、ガラス面であり、前記透過情報は、前記シート材をガラス面のどちらの面から貼り付けたいかであり、前記制御部は、貼り付けたい面によって制御を変えることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
請求項4に記載された発明は、前記シート材は、透明フィルムであり、前記透過情報は、テキストおよびイメージの一方または両方からなる画像を前記透明フィルムに透過させて人に見せるか、を選択可能であり、前記制御部は、前記画像をシートに透過させるかによって制御を変えることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
請求項2に記載された発明によれば、ユーザの指定により、静電吸着特性が付与された印刷物を提供できる。
請求項3に記載された発明によれば、ユーザの貼付け面の選択に応じた印刷物を提供できる。
請求項4に記載された発明によれば、ユーザによる画像の見せ方の選択に応じた印刷物を提供できる。
〔画像形成装置の説明〕
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置1を示した図である。この画像形成装置1は、電子写真方式によりトナーを用いてシートに画像を形成する。より具体的には、静電方式の一つとして静電潜像を形成しトナーを用いて画像を形成する画像形成部10と、画像形成部10に対してシートを搬送するとともに、画像形成部10にて画像が形成されたシートを装置外へ排出する搬送部20とを有している。また、例えばクライアントPC2から出力された電子文書の画像データ(描画情報)に対して幾つかの画像処理を施す画像処理部50を有している。また、ユーザへの画像形成装置1の操作情報を表示し、ユーザからの操作を受け付けるユーザインタフェースとしてのコントロールパネル70を有している。画像処理部50は、ユーザインタフェースを介したユーザからの、本実施の形態の特徴的な構成である吸着モードの指定を受けて、画像形成部10によりシートに静電吸着トナー像を形成するように制御している。
「静電吸着同時プリント」モードは、取得した描画情報からYMCKトナーを用いた通常の印字画像をシートに形成する際に同時に、すなわち通常の印刷画像を出力するプリント動作の一連の流れの中で、静電気によりシートを被貼付け面に吸着させる静電吸着機能を有するシートを出力する。例えば、シートの第一面(表面)に通常のYMCKトナーを用いた印字画像を形成した後、そのシートを反転させ、シートの第二面(裏面)に静電吸着トナー像を形成する。
また、「静電吸着付加プリント」モードは、一度、出力された既存の印刷画像に、その後、静電吸着機能を付加する。他の印刷装置で印刷されたシートに対して静電吸着機能を付加してもよい。
次に、本実施の形態が適用される印刷紙である静電吸着シートについて説明する。
図4(a)~(d)は、本実施の形態が適用される静電吸着シートのパターン例を示した図である。
図4(a)は、シート本体であるシート材111の第一面(表面)に、取得した、テキストおよびイメージの一方または両方からなる描画情報から第1の画像形成手段により形成された画像であるYMCK印字面112が形成されている。また、シート材111の第二面(裏面)に、第2の画像形成手段により形成された画像である静電吸着用トナーで形成される吸着用トナー層113が形成されている。そして、吸着用トナー層113が静電気を維持した状態で、ガラスや金属ロッカーなどの被貼付け面121の表面に貼り付けられる。
次に、静電吸着機能を有する図4(a)~(d)のシートの各々の製造方法について説明する。
まず、図4(a)に示す印刷紙を同時プリントで生成する場合について説明する。
図3に示すドライバUI画面にて、まず、モード選択71で「静電吸着同時プリント」のモードが選択され、貼付面選択72にて「表面に貼る」の項目が選択される。また、シート選択73は何れが選択されてもよい。シート透過有無選択74では「印字画像をシートに透過させない」の項目が選択され、印字面吸着選択75では「印字面で吸着させない」の項目が選択される。トナー種類選択76、吸着領域選択77、合紙選択78は何れが選択されても構わない。
次に、図4(b)に示す印刷紙を同時プリントで生成する場合について説明する。この図4(b)では、モード選択71で「静電吸着同時プリント」のモードが選択され、貼付面選択72にて「ガラスの裏面に貼る」の項目、シート選択73は「フィルム用紙」が、シート透過有無選択74では「印字画像をシートに透過させる」の項目が選択される。また、印字面吸着選択75では「印字面で吸着させない」の項目、トナー種類選択76では「クリアトナー」が選択される。吸着領域選択77、合紙選択78は何れが選択されても構わない。但し、吸着領域選択77にて「枠だけトナー」が選択された際には、描画領域とずれて吸着用トナー層が形成されるのであれば、必ずしも「クリアトナー」を用いなくてもよい。
また、モード選択71で「静電吸着付加プリント」が選択された際の動きも上記(1)と同様である。
図4(c)に示す印刷紙を同時プリントで生成する場合について説明する。
図3に示すドライバUI画面にて、まず、モード選択71で「静電吸着同時プリント」のモードが選択される。そして、印字面吸着選択75にて「印字面で吸着させる」の項目が選択された際に、他の項目の選択が制限される。例えば、貼付面選択72にて「表面に貼る」の項目が選択された場合には、図の下方から目視されることとなり、シート材111を選択するシート選択73は「フィルム用紙」だけが用いられ、シート選択73の項目は、ユーザが選択できないようにグレーアウトされる。同様に、印字画像がシート材111を透過させることから、シート透過有無選択74もグレーアウトされる。トナー種類選択76、吸着領域選択77、合紙選択78は何れが選択されてもよい。
図4(d)に示す印刷紙を同時プリントで生成する場合について説明する。
図3に示すドライバUI画面にて、まず、モード選択71で「静電吸着同時プリント」のモードが選択される。そして、印字面吸着選択75にて「印字面で吸着させる」の項目が選択され、トナー種類選択76で「YMCK通常トナー」の項目が選択された際に、図4(d)に示す印刷紙のパターンとなる。
なお、同一画像を重ねて印字することは一般的には難しいことから、図4(d)に示す印刷紙のパターンでは、「静電吸着付加プリント」は行なわれない。
次に、本実施の形態における静電吸着特性の仕組みについて説明する。
図5(a)~(d)は、本実施の形態の静電吸着特性を有する印刷紙の帯電状態と貼り付けの状態を説明するための図である。
図5(a)では、シート材111に、静電吸着トナー像による吸着用トナー層113を形成したプリントアウト時の状態を示している。図5(a)に示す例では、吸着用トナー層113にマイナス(-)電荷が保持されている。このプリントアウト時に帯電している理由としては、まず、搬送部20のローラーによる圧着時や、用紙搬送時の接触、摩擦により帯電することが挙げられる。特に、画像形成装置1の機内は高温で乾燥していることから、静電気が起きやすい状況にある。また、吸着用トナー層113には、半溶融の帯電したままのトナーが残留している状況にある。そして、吸着用トナー層113の表面に空孔があると電荷をため込める量が増えて逃げにくい。さらに、トナーに含まれる帯電添加材料によって、極性をそもそも持ちやすいことや、絶縁物質(樹脂)であるため電荷が逃げない、等の理由がある。
図6は、静電吸着機能を評価した実験結果を示した図である。ここでは、NO.1~NO.7の実験結果を挙げている。今回の実験は、全ての実験において、シート(シート材111)として透明フィルムであるOHPシートを用い、合紙として富士ゼロックス社製のプリンタ用紙であるJ紙(坪量82g/m2)を用いた。使用したトナーは白色トナーであり、カバレッジは0~100%まで選択している。ここで、カバレッジとは、現像トナー像における網点面積率であり、例えば、用紙全体をベタ画像で塗りつぶした場合、トナーのカバレッジは100%となる。また、評価項目としては、印字直後の帯電電圧と、2日後の対象物(被貼付け面121)への貼り付け評価である。なお、ここで用いた対象物は、金属ロッカーである。検討の結果、金属ロッカーであれば、-140V程度であれば何とか吸着するが、それ以下では吸着しないことが実験により明らかになった。また、この実験結果は、画像形成装置1にて除電ブラシを外した状態での結果であるが、除電ブラシの有無にて大きな違いは無かった。
NO.2では、カバレッジは「95%」で、白色トナーを静電吸着トナー像として形成した。カバレッジが「95%」というのは、画像形成装置1にて、用紙の縁には印字しない、いわゆる縁有り印刷で100%を印刷すると、カバレッジが約「95%」となった。この実験結果では、印字直後の帯電電圧は「-841V」であり、2日後も対象物に貼り付くことから、評価は「○」である。
NO.5はカバレッジを「50%」とする画像を用いて白色トナーによる静電吸着トナー像を形成した。印字直後の帯電電圧は、「-665V」であり、2日後、吸着時間は長くはないものの、一応の吸着が得られたこと、すなわち、「○」の実施例ほどは吸着時間が稼げないが吸着したことから、評価は「△」である。
NO.7では、画像形成装置1にて用紙の縁まで印字する、いわゆる縁無し印刷により、カバレッジが「100%」の静電吸着トナー像を、白色トナーを用いて形成した。この実験結果では、印字直後の帯電電圧は「-646V」であり、2日後も対象物に良好に貼り付くことから、評価は「○」である。
なお、帯電電位が落ちたシートについて、摩擦を施すと帯電が復活する。また、再度、画像形成装置1を通して帯電させると、静電吸着機能が強化され、帯電が復活することも実験により確かめられた。
Claims (4)
- テキストおよびイメージの一方または両方からなる描画情報を取得する取得手段と、
取得した前記描画情報からシート材に画像を形成する第1の画像形成手段と、
静電気により前記シート材を対象面に吸着させる静電吸着機能を当該シート材に付加するための静電吸着トナー像を当該シート材に形成する第2の画像形成手段と、
前記シート材に付加されている前記静電吸着トナー像を帯電して静電吸着機能を強化させる強化手段
を有する画像形成装置。 - シート材にトナー像を形成する画像形成部と、
静電気を用いて対象壁面に吸着させる静電吸着機能を前記シート材に付加する吸着モードを、ユーザにより指定可能とするユーザインタフェースと、
前記ユーザインタフェースを介したユーザからの前記吸着モードの指定を受けて、前記画像形成部により前記シート材に静電吸着トナー像を形成するように制御する制御部と
を有し、
前記吸着モードは、テキストおよびイメージの一方または両方からなる画像を前記シート材又は前記対象壁面を透過させて人に見せるかに関する透過情報を指定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記対象壁面は、ガラス面であり、
前記透過情報は、前記シート材をガラス面のどちらの面から貼り付けたいかであり、
前記制御部は、貼り付けたい面によって制御を変えることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。 - 前記シート材は、透明フィルムであり、
前記透過情報は、テキストおよびイメージの一方または両方からなる画像を前記透明フィルムに透過させて人に見せるか、を選択可能であり、
前記制御部は、前記画像をシートに透過させるかによって制御を変えることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
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