JP7031035B1 - 非水性インク組成物、それを用いた記録方法及び記録物の製造方法 - Google Patents

非水性インク組成物、それを用いた記録方法及び記録物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基材表面上の非水性インク組成物の記録乾燥性が高く、記録物の後加工性が良好な非水性インク組成物を提供する。【解決手段】有機溶剤を含有する非水性インク組成物であって、前記有機溶剤は、下記有機溶剤(a)と下記有機溶剤(b)と、を含有する非水性インク組成物である。有機溶剤(a):グリコールエーテルジアルキル有機溶剤(b):アルキルアミド系溶剤(b1)、環状アミド系溶剤(b2)、及び6員環以上のラクトン系溶剤(b3)からなる群より選択される少なくとも1つ【選択図】なし

Description

本発明は、非水性インク組成物、それを用いた記録方法及び記録物の製造方法に関する。
インク組成物として、水、又は水と有機溶剤との混合液に色材を溶解又は分散させた水性インク組成物や水を含有しない有機溶剤に色材を溶解又は分散させた非水性インク組成物が広く用いられている。
例えば、特許文献1には、色材と、所定のグリコールエーテルと、5員環ラクトン系溶剤を含有する非水性インク組成物が記載されている。特許文献1には、この非水性インク組成物は、基材への印字に適し、印字品質、記録安定性、記録乾燥性、インクの保存安定性等が優れるものであることが記載されている。
WO2004/007626
さて、5員環ラクトン系溶剤は樹脂基材に浸透しやすい溶剤であり、5員環ラクトン系溶剤を含有する非水性インク組成物は記録乾燥性に優れてはいるものの、樹脂基材に対して浸透性が高いものである。
ところが、非水性インク組成物が樹脂基材に浸透してその浸透量が多くなると、樹脂基材の表面上の非水性インク組成物を十分に乾燥させた場合であっても、非水性インク組成物中の溶剤が基材に残存することが本発明者らによって明らかとなった。このように非水性インク組成物中の溶剤が基材に残存すると、記録物の記録表面に対してフィルムを張り合わせたときに基材中に残留した溶剤が後から揮発することでフィルムの浮きが発生することがある。なお、このような問題を本明細書では記録物の後加工性の低下と表記することがある。
本発明は、記録乾燥性に優れ、記録物の後加工性が良好な非水性インク組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討をした結果、所定の有機溶剤を含有する非水性インク組成物であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1)有機溶剤を含有する非水性インク組成物であって、
前記有機溶剤は、下記有機溶剤(a)と下記有機溶剤(b)と、を含有する
非水性インク組成物。
有機溶剤(a):グリコールエーテルジアルキル
有機溶剤(b):アルキルアミド系溶剤(b1)、環状アミド系溶剤(b2)、及び6員環以上のラクトン系溶剤(b3)からなる群より選択される少なくとも1つ
(2) 前記有機溶剤(b)は、アルキルアミド系溶剤(b1)である
(1)に記載の非水性インク組成物。
(3)前記アルキルアミド系溶剤(b1)は、下記一般式(2)で表される(2)に記載の非水性インク組成物。
Figure 0007031035000001
(式(2)中、Rは、水素若しくは炭素数1以上4以下のアルキル基であり、Rは、炭素数2以上4以下のアルキル基を表す。)
(4)前記アルキルアミド系溶剤(b1)は、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジエチルプロパンアミド及びN,N-ジエチルアセトアミドからなる群より選択される少なくとも1つを含有する(3)に記載の非水性インク組成物。
(5)前記有機溶剤(b)は、環状アミド系溶剤(b2)である(1)に記載の非水性インク組成物。
(6)前記環状アミド系溶剤(b2)は、下記一般式(3)で表される(5)に記載の非水性インク組成物。
Figure 0007031035000002
(式(3)中、Rは、炭素数4以上5以下のアルキレン基であり、Rは、水素若しくは炭素数1以上2以下のアルキル基を表す。)
(7)前記環状アミド系溶剤(b2)は、ε-カプロラクタム、N-メチルカプロラクタム、及びN-ビニルカプロラクタムからなる群より選択される少なくとも1つを含有する(6)に記載の非水性インク組成物。
(8)前記有機溶剤(b)は、6員環以上のラクトン系溶剤(b3)である(1)に記載の非水性インク組成物。
(9)前記6員環以上のラクトン系溶剤(b3)は、下記一般式(4)で表される(8)に記載の非水性インク組成物。
Figure 0007031035000003
(式(4)中、Rは、炭素数4以上5以下のアルキレン基であり、Rは、水素若しくは炭素数1以上2以下のアルキル基を表す。)
(10)前記6員環以上のラクトン系溶剤(b3)は、δ-バレロラクトン、δ-ヘキサノラクトン、及びε-カプロラクトンからなる群より選択される少なくとも1つを含有する(9)に記載の非水性インク組成物。
(11)前記有機溶剤(b)の含有量は、非水性インク組成物全量中3.0質量%以上30.0質量%以下の範囲である(1)から(10)のいずれかに記載の非水性インク組成物。
(12)前記有機溶剤(a)が下記式(1)で表されるグリコールエーテルジアルキルである(1)から(11)のいずれかに記載の非水性インク組成物。
Figure 0007031035000004
(式(1)中、Rは、アルキル基であり、Rは、エチレン基又はプロピレン基を表す。nは2~4の整数を表す。)
(13) 前記式(1)中のR及びRに含まれる炭素数の合計が2以上6以下である(12)に記載の非水性インク組成物。
(14) 有機溶剤(a)は、
前記式(1)中のRがメチル基又はエチル基であり、前記式(1)中のRがエチル基であるか、及び/又は前記式(1)中のR及びRがメチル基であってRがプロピレン基である(13)に記載の非水性インク組成物。
(15) 水分の含有量が非水性インク組成物全量中1.0質量%以下である(1)から(14)のいずれかに記載の非水性インク組成物。
(16) 前記有機溶剤(a)に由来する不純物の含有量が有機溶剤(a)全量中0.5質量%以下であり、前記有機溶剤(b)に由来する不純物の含有量が有機溶剤(b)全量中0.5質量%以下である(1)から(15)のいずれかに記載の非水性インク組成物。
(17) 樹脂基材に用いられる(1)から(16)のいずれかに記載の非水性インク組成物。
(18)(1)から(17)のいずれかに記載の非水性インク組成物を、インクジェット方式にて基材の表面に吐出する記録方法。
(19)(1)から(17)のいずれかに記載の非水性インク組成物を、インクジェット方式にて基材の表面に吐出する
記録物の製造方法。
本発明の非水性インク組成物は記録乾燥性に優れ、記録物の後加工性が良好である。このため、本発明の非水性インク組成物は樹脂基材や金属板ガラスなどの非吸収性基材、紙や布帛などの吸収性基材、表面塗工が施された基材を含む種々の基材(記録媒体)に用いることができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<非水性インク組成物>
本実施の形態に係る非水性インク組成物は、有機溶剤を含有する非水性インク組成物であって、有機溶剤としてグリコールエーテルジアルキル(有機溶剤(a))と、アルキルアミド系溶剤(b1)、環状アミド系溶剤(b2)、及び6員環以上のラクトン系溶剤(b3)からなる群より選択される少なくとも1つ(有機溶剤(b))と、を含有することを特徴としている。
このような非水性インク組成物であれば記録乾燥性に優れ、記録物の後加工性が良好である。このため、本実施の形態に係る非水性インク組成物は樹脂基材を含む種々の基材(記録媒体)に用いることができる。
ここで、「非水性インク組成物」とは、水を含有しないインク組成物(油性インク組成物)であることを意味し、水、又は水と有機溶剤との混合液に色材を溶解又は分散させた水性インク組成物とは異なる。
水分の含有量は、非水性インク組成物全量中1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量以下であることがより好ましい。ノズル内でインク組成物がつまる等の不具合がなくなり、吐出安定性、保存安定性等を向上させることが可能となる。
以下、本実施の形態に係る非水性インク組成物に含まれる各成分について説明する。
[有機溶剤]
有機溶媒は、有機溶剤(a)と有機溶剤(b)と、を含有する。
有機溶剤(a):グリコールエーテルジアルキル
有機溶剤(b):アルキルアミド系溶剤(b1)、環状アミド系溶剤(b2)、及び6員環以上のラクトン系溶剤(b3)からなる群より選択される少なくとも1つ
以下、有機溶剤(a)と有機溶剤(b)と、についてそれぞれより具体的に説明する。
(有機溶剤(a))
有機溶剤(a)は、グリコールエーテルジアルキルである。グリコールエーテルジアルキルとは、グリコールの両末端のOH基がアルキル置換された化合物である。グリコールエーテルジアルキルは適度な揮発性を有するため画像に滲みが発生する前に非水性インク組成物が乾燥することとなり画質が良好となる。さらに、グリコールエーテルジアルキルは樹脂に対して浸透性も高くないため、記録物の後加工性を向上させることができる。さらに、グリコールエーテルジアルキルはプラスチック部材や接着剤への溶解や膨潤なども少ないため、非水性インク組成物がインクジェット方式にて基材の表面に吐出する非水性インクジェットインク組成物である場合には、インクジェットヘッド等への部材適性も良好となる。
グリコールエーテルジアルキルは、例えば、下記式(1)で表されるグリコールエーテルジアルキルを挙げることができる。
Figure 0007031035000005
(式(1)中、Rは、アルキル基であり、Rは、エチレン基又はプロピレン基を表す。nは2~4の整数を表す。)
グリコールエーテルジアルキルとしては、具体的には、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
グリコールエーテルジアルキルの中でも式(1)中のR及びRに含まれる炭素数の合計が2以上8以下であるグリコールエーテルジアルキルが好ましく、2以上6以下であるグリコールエーテルジアルキルがより好ましく、式(1)中のRがメチル基又はエチル基であってRがエチル基であるグリコールエーテルジアルキルか、及び/又は式(1)中のR及びRがメチル基であってRがプロピレン基であるグリコールエーテルジアルキルがさらに好ましい。
及びRに含まれる炭素数の合計が2以上6以下であるグリコールエーテルジアルキルは、例えば、ジエチレングリコールジブチルエーテル(R及びRに含まれる炭素数の合計が8)と比較して揮発性が高いため、記録乾燥性に優れる非水性インク組成物となる。
このようなR及びRに含まれる炭素数の合計が2以上6以下であるグリコールエーテルジアルキルとしては、具体的には、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
そして、式(1)中のRがメチル基又はエチル基であってRがエチル基であるグリコールエーテルジアルキルか、及び/又は式(1)中のR及びRがメチル基であってRがプロピレン基であるグリコールエーテルジアルキルは、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル(R及びRがメチル基、Rがエチレン基)と比較しても浸透性がさらに低い。このため、記録物の後加工性をさらに効果的に向上させることができる。
このような式(1)中のRがメチル基又はエチル基であってRがエチル基であるグリコールエーテルジアルキルとしては、具体的には、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。式(1)中のR及びRがメチル基であってRがプロピレン基であるグリコールエーテルジアルキルとしてはジプロピレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。
有機溶剤(a)の含有量の下限は、特に制限されるものではないが、非水性インク組成物全量中30.0質量%以上含有されていることが好ましく、40.0質量%以上含有されていることがより好ましく、50.0質量%以上含有されていることがさらに好ましい。
有機溶剤(a)の含有量の上限は、特に制限されるものではないが、非水性インク組成物全量中90.0質量%以下含有されていることが好ましく、80.0質量%以下含有されていることがより好ましい。
なお、グリコールエーテルジアルキルは、例えば大気中等に含有される水蒸気等を吸水することがあるので、他の構成成分と混合する前にグリコールエーテルジアルキルを予め乾燥させておくことが好ましい。予め乾燥させたグリコールエーテルジアルキルを使用することで、非水性インク組成物中の水分の含有量を適切な量(例えば、非水性インク組成物全量中1.0質量%以下)に調整することができる。グリコールエーテルジアルキルを乾燥させる方法としては、例えば窒素等の不活性ガス雰囲気下で乾燥させた不活性ガス(例えば、窒素ガス)を所定時間吹き付ける方法等を挙げることができる。
また、有機溶剤(a)(グリコールエーテルジアルキル)は、製造の過程で多量体や副反応物、分解物等の不純物が発生しやすく、例えば市販品のグリコールエーテルジアルキルに含まれる不純物の含有量はグリコールエーテルジアルキル全量中10質量%程度となっていることもある。そこで、他の構成成分と混合する前に有機溶剤(a)を予め有機溶剤(a)に由来する不純物の含有量が有機溶剤(a)全量中0.5質量%以下になるようにすることが好ましい。有機溶剤(a)に含まれる低沸点の不純物などによって記録物の後加工性が悪化することや、インクジェットヘッド等のプリンター部材に使用されているプラスチックや接着剤に対して溶解や膨潤等の不具合が発生する場合がある。また、グリコールエーテルジアルキルに含まれる不純物が高沸点である場合には、非水性インク組成物の記録乾燥性が低下することにより印字の滲みが発生することがある。他の構成成分と混合する前に有機溶剤(a)を予め有機溶剤(a)に由来する不純物の含有量が有機溶剤(a)全量中0.5質量%以下になるようにすることで、記録乾燥性、部材適性及び記録物の後加工性がさらに良好となる。
有機溶剤(a)に含まれる不純物としては、トリエチレングリコール(沸点285℃)、テトラエチレングリコール(沸点327℃)、ポリエチレングリコール(沸点330℃以上)、エチレングリコールモノエチルエーテル(沸点135℃)、エチレングリコールモノメチルエーテル(沸点124℃)、エチレングリコールジエチルエーテル(沸点121℃)、エチレングリコールジメチルエーテル(沸点98℃)、ジエチルエーテル(沸点35℃)、エチルメチルエーテル(沸点12℃)、ジエチルケトン(沸点101℃)、ジメチルケトン(沸点57℃)、エチルメチルケトン(沸点80℃)、エトキシエタノール(沸点135℃)、エタノール(沸点78℃)、等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
有機溶剤(a)を精製する方法としては、有機溶剤(a)について蒸留を繰り返し行ったり、極力不純物が含有されないように蒸留の温度の刻み幅を小さくしたり、抽出を繰り返す等によって、又、工業的製造工程においては、上述の工程に加えて、更にコンタミネーションを抑制する処置を施す等によって、実現することができる。
(有機溶剤(b))
有機溶剤(b)は、アルキルアミド系溶剤(b1)、環状アミド系溶剤(b2)、及び6員環以上のラクトン系溶剤(b3)からなる群より選択される少なくとも1つである。この有機溶剤(b)は、5員環ラクトン系溶剤を含有する非水性インク組成物と比べて基材への浸透性は低いものである。このため、記録物の後加工性が良好な非水性インク組成物となる。
また、この有機溶剤(b)は、基材に対してある程度は浸透する溶剤であって、基材面上の乾燥性も早いものである。このため、有機溶剤(a)を含有するインク組成物は、5員環ラクトン系溶剤を含有する非水性インク組成物と同様に記録乾燥性が高いものとなるとともに、印刷(記録)することで印字の滲みが少ないことから印字が鮮明となる。このような印字の滲みが少ないという効果は、単純に乾燥性を向上させるために沸点の低い溶剤を選択したのでは達成することができない。
さらにこの有機溶剤(b)はプラスチック部材や接着剤への溶解や膨潤なども少ないため、非水性インク組成物がインクジェット方式にて基材の表面に吐出する非水性インクジェットインク組成物である場合には、インクジェットヘッド等への部材適性も良好となる。
以下、有機溶剤(b)に含有されるアルキルアミド系溶剤(b1)、環状アミド系溶剤(b2)、及び6員環以上のラクトン系溶剤(b3)についてそれぞれ説明する。
(1)アルキルアミド系溶剤
アルキルアミド系溶剤とは、アルキル基(C2n+1-)と-C(=O)-N-基(アミド結合)を有する化合物であって、水素若しくはアルキル基と-C(=O)-N-基から構成された化合物からなる溶剤である。アルキルアミド系溶剤は、例えば以下の構造を有するものを好ましく用いることができる。
Figure 0007031035000006
(式(2)中、Rは、水素若しくは炭素数1以上4以下のアルキル基であり、Rは、炭素数2以上4以下のアルキル基を表す。)
アルキルアミド系溶剤としては、具体的には、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジプロピルホルムアミド、N,N-ジブチルホルムアミド、N,N-ジエチルプロパンアミド、N,N-ジプロピルプロパンアミド等が挙げられる。この中でも、本発明の効果を特に奏するという観点から、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジエチルプロパンアミド及びN,N-ジエチルアセトアミドからなる群より選択される少なくとも1つを含有することが好ましい。
なお、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドは、含有してもよいが、本発明の効果を特に奏するという観点から、含有しないことが好ましい。
(2)環状アミド系溶剤
環状アミド系溶剤とは、環状構造を有し、その環状構造に-C(=O)-N-基を有する溶剤である。環状アミド系溶剤は、例えば以下の構造を有するものを好ましく用いることができる。
Figure 0007031035000007
(式(3)中、Rは、炭素数4以上5以下のアルキレン基であり、Rは、水素若しくは炭素数1以上2以下のアルキル基を表す。)
環状アミド系溶剤としては、具体的には、3-メチル-2-オキサゾリジノン、3-エチル-2-オキサゾリジノン、N-ビニルメチルオキサゾリジノン、N-メチルカプロラクタム、N-アセチルカプロラクタム、ε-カプロラクタム、N-ビニルカプロラクタム等が挙げられる。その中でも、ε-カプロラクタム、N-メチルカプロラクタム、及びN-ビニルカプロラクタムからなる群より選択される少なくとも1つを含有することが好ましい。
なお、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-メチルオキサゾリジノンは、含有してもよいが、本発明の効果を特に奏するという観点から、含有しないことが好ましい。
(3)6員環以上のラクトン系溶剤
6員環以上のラクトン系溶剤とは、6員環以上の環状エステル構造を有する溶剤である。6員環以上のラクトン系溶剤は、例えば以下の構造を有するものを好ましく用いることができる。
Figure 0007031035000008
(式(4)中、Rは、炭素数4以上5以下のアルキレン基であり、Rは、水素若しくは炭素数1以上2以下のアルキル基を表す。)
6員環以上のラクトン系溶剤としては、δ-バレロラクトン、δ-ヘキサノラクトン、ε-カプロラクトン等が挙げられる。
上述した有機溶剤(a)と、アルキルアミド系溶剤(b1)、環状アミド系溶剤(b2)、及び6員環以上のラクトン系溶剤(b3)からなる群より選択される少なくとも1つを含有する有機溶剤(b)と、を含有する非水性インク組成物であれば、本発明の効果を奏する非水性インク組成物となる。その中でも、有機溶剤(b)としてアルキルアミド系溶剤(b1)及び環状アミド系溶剤(b2)の少なくとも1つを含有することが好ましく、有機溶剤(b)としてアルキルアミド系溶剤(b1)を含有することが特に好ましい。
有機溶剤(b)(アルキルアミド系溶剤(b1)、環状アミド系溶剤(b2)、及び6員環以上のラクトン系溶剤(b3)からなる群より選択される少なくとも1つ)の含有量の上限は、特に制限されるものではないが、非水性インク組成物全量中60.0質量%以下含有されていることが好ましく、45.0質量%以下含有されていることがより好ましく、35.0質量%以下含有されていることがさらに好ましく、17.0質量%以下含有されていることがさらになお好ましい。
有機溶剤(b)の含有量の下限は、特に制限されるものではないが、インク組成物全量中3.0質量%以上含有されていることが好ましく、5.0質量%以上含有されていることがより好ましい。
なお、上記の有機溶剤(b)の含有量の上限及び下限の数値は、アルキルアミド系溶剤(b1)、環状アミド系溶剤(b2)、6員環以上のラクトン系溶剤(b3)全てにおいて共通する。特に、有機溶剤(b)が6員環以上のラクトン系溶剤(b3)である場合には、非水性インク組成物全量中5.0質量%以上15.0質量%以下含有されていることが最も好ましい。
有機溶剤(b)(アルキルアミド系溶剤(b1)、環状アミド系溶剤(b2)、及び6員環以上のラクトン系溶剤(b3)からなる群より選択される少なくとも1つ)他の構成成分と混合する前に有機溶剤(b)を予め有機溶剤(b)に由来する不純物の含有量が有機溶剤(b)全量中0.5質量%以下になるようにすることが好ましい。有機溶剤(b)に含まれる低沸点の不純物などによって、記録物の後加工性の悪化や、インクジェットヘッド等のプリンター部材に使用されているプラスチックや接着剤に対して溶解や膨潤等の不具合が発生する場合がある。他の構成成分と混合する前に有機溶剤(b)を予め有機溶剤(b)に由来する不純物の含有量が有機溶剤(b)全量中0.5質量%以下になるようにすることで、記録乾燥性、部材適性及び記録物の後加工性がさらに良好となる。さらに、有機溶剤(b)に含まれる高沸点の不純物によって記録乾燥性が低下することによる印字の滲みをより効果的に抑制することができる。
有機溶剤(b)を精製する方法としては、有機溶剤(b)について蒸留を繰り返し行ったり、極力不純物が含有されないように蒸留の温度の刻み幅を小さくしたり、抽出を繰り返す等によって、又、工業的製造工程においては、上述の工程に加えて、更にコンタミネーションを抑制する処置を施す等によって、実現することができる。
(その他の有機溶剤)
有機溶媒には、上記の有機溶剤(a)及び有機溶剤(b)以外の有機溶剤を含有していてもよい。具体的には、グリコールの片方のOH基がアルキル置換されたグリコールエーテルモノアルキルや炭酸エステルなどが挙げられる。
グリコールエーテルモノアルキルとしては、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
炭酸エステルとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどが挙げられる。
また、上記の有機溶剤以外の有機溶剤を含有していてもよい。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル-n-プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル-n-ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル-n-アミルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルイソアミルケトン、ジエチルケトン、エチル-n-プロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、エチル-n-ブチルケトン、エチルイソブチルケトン、ジ-n-プロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、イソホロン、アセチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル等の酢酸エステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、乳酸エチルヘキシル、乳酸アミル、乳酸イソアミル等の乳酸エステル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2-メチルブチルアセテート、3-メトキシブチルエーテルアセテート、シクロヘキシルアセテート等のアセテート類、n-ヘキサン、イソヘキサン、n-ノナン、イソノナン、ドデカン、イソドデカン等の飽和炭水素類、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン等の不飽和炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、デカリン等の環状飽和炭化水素類、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、1,1,3,5,7-シクロオクタテトラエン、シクロドデセン等の環状不飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N-ホルミルモルホリンなどのモルホリン類、テルペン系溶剤、およびエーテル系溶剤など、一般的な有機溶剤を挙げることができる。
また、5員環ラクトン系溶剤は含有してもよいが、5員環ラクトン系溶剤は含有しないことが好ましい。5員環ラクトン系溶剤を含有する場合、5員環ラクトン系溶剤の含有量は、非水性インク組成物全量中5.0質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以下であることがさらに好ましく、含有しないことがさらになお好ましい。
5員環ラクトン系溶剤としては、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-ヘキサノラクトン、γ-ヘプタノラクトン等を挙げることができる。
[色材]
本実施の形態に係るの非水性インク組成物に含有される色材は、特に限定されるものではなく、染料系であってもよいし、顔料系であってもよいが、記録物の耐水性や耐光性等の耐性が良好であるという観点から顔料(顔料系色材)を使用することが好ましい。本実施の形態に係る非水性インク組成物において、用いることのできる顔料は特に限定されず、従来のインク組成物に使用されている有機顔料又は無機顔料等が挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的な有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、染料からの誘導体、フタロシアニン系有機顔料、キナクリドン系有機顔料、ペリレン系有機顔料、ペリノン系有機顔料、アゾメチン系有機顔料、アントラキノン系有機顔料(アントロン系有機顔料)、キサンテン系有機顔料、ジケトピロロピロール系有機顔料、ジオキサジン系有機顔料、ニッケルアゾ系顔料、イソインドリノン系有機顔料、ピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロン系有機顔料、イソインドリン系有機顔料、キナクリドン系固溶体顔料、ペリレン系固溶体顔料等の有機固溶体顔料、その他の顔料として、レーキ顔料やカーボンブラック等が挙げられる。
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、20、24、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、117、120、125、128、129、130、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、213、214、C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、48、49、52、53、57:1、97、112、122、123、146、149、150、168、177、180、184、192、202、206、208、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、269、291、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、64、71、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、58、59、62、63、C.I.ピグメントブラウン23、25、26、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本実施の形態に係る非水性インク組成物において、用いることのできる染料の具体例としては、アゾ系染料、ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料、メロシアニン系染料、スチルベン系染料、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、フルオラン系染料、スピロピラン系染料、フタロシアニン系染料、インジゴイド等のインジゴ系染料、フルギド系染料、ニッケル錯体系染料、及びアズレン系染料が挙げられる。
本実施の形態に係る非水性インク組成物において、用いることのできる無機顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、炭酸バリウム、シリカ、タルク、クレー、合成マイカ、アルミナ、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、アルミニウム、チタン、インジウム、合成鉄黒、無機固溶体顔料等を挙げることができる。
本実施の形態に係る非水性インク組成物において、含有することのできる顔料の平均分散粒径は、所望の発色が可能なものであればよく、特に限定されない。用いる顔料の種類によっても異なるが、顔料の分散性及び分散安定性が良好で、充分な着色力を得る点から、体積平均粒子径が5nm以上の範囲内であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、30nm以上であることが更に好ましい。体積平均粒子径が上記の下限値以上であることで、非水性インク組成物の耐光性を向上させることができる。体積平均粒子径が300nm以下の範囲内であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることが更に好ましい。体積平均粒子径が上記の上限値以下であることで、非水性インク組成物がインクジェット方式にて基材の表面に吐出する非水性インクジェットインク組成物である場合に、インクジェットの吐出安定性を向上させることができる。なお、本実施形態において、顔料の体積平均粒子径は、粒子径分布測定装置(マイクロトラックベル(株)製粒度分析計NANOTRACWAVE)を用いて25℃の条件下で測定した体積平均粒子径(D50)である。
本実施の形態に係る非水性インク組成物において、顔料の含有量としては、所望の画像を形成可能であれば特に限定されるものではなく適宜調整されるものである。具体的には、顔料の種類によっても異なるが、非水性インク組成物全量中0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。非水性インク組成物全量中20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。顔料の含有量が0.05質量%以上、又は20質量%以下の範囲内であることにより、顔料の分散安定性と着色力のバランスに優れたものとすることができる。
また、本実施の形態に係る非水性インク組成物は記録(印刷)する色は特に制限はされず、目的に色に応じて色材を選択し、組み合わせて使用してもよい。色は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの各色のインクや、ライトマゼンタ、ライトシアン、ライトブラック、オレンジ、グリーン、レッド、ホワイトなどにも使用することができる。
[樹脂]
本実施の形態に係る非水性インク組成物は、非水性インク組成物により形成される加飾層の定着性、耐水性並びに延伸性を向上させる目的で樹脂を含有してもよい。樹脂としては、特に限定はなく、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ウレタン樹脂、ロジン変性樹脂、フエノール樹脂、テルペン系樹脂、ポリアミド樹脂、ビニルトルエン-α-メチルスチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル系共重合体、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シリコーン(シリコン)樹脂、アクリルアミド樹脂、エポキシ樹脂、あるいはこれらの共重合樹脂や混合物を用いることができる。
本実施の形態に係る非水性インク組成物においては、中でも、耐水性、耐溶剤性並びに延伸性を向上させることができることから、少なくとも、アクリル樹脂、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合樹脂(塩酢ビ)を1種以上含有するものであることが好ましい。また、アクリル樹脂、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合樹脂(塩酢ビ)を1種以上含有するものであれば、非水性インク組成物がインクジェット方式にて基材の表面に吐出する非水性インクジェットインク組成物である場合に、高速記録時の吐出応答性、及び、吐出安定性を向上させることができる。
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルモノマーを構成するモノマーの主成分として含むものであれば特に限定されるものではなく、1種のラジカル重合性モノマーの単独重合体であってもよいし、ラジカル重合性モノマーを2種以上選択して用いた共重合体のいずれであってもよく、特に、本実施の形態に係る非水性インク組成物として好ましいアクリル樹脂は、メタクリル酸メチル単独の重合体、或いは、メタクリル酸メチルと、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エトキシエチル、及びメタクリル酸ベンジルよりなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の化合物との共重合体である。又、市販の(メタ)アクリル樹脂としては、例えばロームアンドハース社の「パラロイドB99N」「パラロイドB60」「パラロイドB66」「パラロイドB82」等が例示される。
塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体(塩酢ビ)としては、例えば、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/マレイン酸共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/ヒドロキシアルキルアクリレート共重合体など、及びそれらの混合物が挙げられる。上記の塩化ビニル酢酸ビニル系共重合樹脂としては、日信化学工業(株)社から「ソルバインC、CL、CNL、CLL、CLL2、C5R、TA2、TA3、A、AL、TA5R、M5等の商品名で入手して本発明で使用することができる。
本実施の形態に係る非水性インク組成物全量中に含まれる樹脂の質量%は、特に限定されるものではないが、例えば、非水性インク組成物全量中に0.05質量%以上であることが好ましく、中でも、0.1質量%以上であることが好ましく、更に0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。非水性インク組成物全量中に含まれる樹脂の質量%は、特に限定されるものではないが、例えば、非水性インク組成物中に20質量%以下であることが好ましく、中でも、15質量%以下であることがより好ましい。
[分散剤]
本実施の形態に係る非水性インク組成物において必要に応じて分散剤を用いてもよい。分散剤としては、非水性インク組成物において用いられている任意の分散剤を用いることができる。分散剤としては、高分子分散剤を用いるとよい。こうした分散剤としては、主鎖がポリエステル系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリアミン系、ポリカプロラクトン系などからなり、側鎖としてアミノ基、カルボキシル基、スルホン基、ヒドロキシル基などの極性基を有するものである。ポリアクリル系分散剤では、例えば、Disperbyk-2000、2001、2008、2009、2010、2020、2020N、2022、2025、2050、2070、2095、2150、2151、2155、2163、2164、BYKJET-9130、9131,9132,9133,9151(ビック・ケミー社製)が用いられる。ポリカプロラクトン系分散剤では、例えば、アジスパーPB821、PB822、PB881(味の素ファインテクノ(株)製)が用いられる。好ましい分散剤としては、ポリエステル系分散剤であり、例えばヒノアクトKF-1000、T-6000、T-7000、T-8000、T-8000E、T-9050(川研ファインケミカル(株)製)、Solsperse20000、24000、32000、32500、32550、32600、33000、33500、34000、35200、36000、37500、39000、71000、76400、76500、86000、88000、J180、J200(ルーブリゾール社製)、フローレンDOPA-15BHFS、17HF、22、G-700、900、NC-500、GW-1500(共栄社化学(株)製)、EfkaPX4310、PX4320、PX4330、PA4401、4402、PA4403、4570、7411、7477、PX4700、PX4701(BASF社製)、TEGO Dispers652、TEGO Dispers655、TEGO Dispers685、TEGO Dispers688、TEGO Dispers690(エボニック・ジャパン社製)、TREPLUS D-1200、D-1410、D-1420、MD-1000(大塚化学)の単独、又はそれらの混合物を用いることができる。
[界面活性剤]
本実施の形態に係る非水性インク組成物においては、ノズル部やチューブ内等の機器内でのインク組成物の揮発抑制、固化防止、又、固化した際の再溶解性を目的として、又、表面張力を低下させ記録媒体(基材)との濡れ性を向上させる目的で、界面活性剤を添加してもよい。例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類であるノニオンP-208、P-210、P-213、E-202S、E-205S、E-215、K-204、K-220、S-207、S-215、A-10R、A-13P、NC-203、NC-207(日本油脂(株)製)、エマルゲン106、108、707、709、A-90、A-60(花王(株)製)、フローレンG-70、D-90、TG-740W(共栄社化学(株)製)、ポエムJ-0081HV(理研ビタミン(株)製)、アデカトールNP-620、NP-650、NP-660、NP-675、NP-683、NP-686、アデカコールCS-141E、TS-230E((株)アデカ製)等、ソルゲン30V、40、TW-20、TW-80、ノイゲンCX-100(第一工業製薬(株)製)等、フッ素系界面活性剤としては、フッ素変性ポリマーを用いることが好ましく、具体例としては、BYK-340(ビックケミー・ジャパン社製)等、シリコン系界面活性剤としては、ポリエステル変性シリコンやポリエーテル変性シリコンを用いることが好ましく、具体例としては、BYK-315N、331、347、348、BYK-UV3500、3510、3530、3570(いずれもビックケミー・ジャパン社製)等、アセチレングリコール系界面活性剤としては、具体例として、サーフィノール(登録商標)82、104、465、485、TG(いずれもエアープロダクツジャパン社製)、オルフィン(登録商標)STG、E1010(いずれも日信化学株式会社製)等が例示される。
界面活性剤としては、上記に限られずアニオン系、カチオン系、両性又は非イオン系のいずれの界面活性剤も用いることができ、添加目的に合わせて適宜選択されればよい。
[その他の成分]
本実施の形態に係る非水性インク組成物は、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、エポキシ化物等、多価カルボン酸、表面調整剤、レベリング剤(アクリル系やシリコン系等)、消泡剤、pH調整剤、殺菌剤、防腐剤、防臭剤、電荷調整剤、湿潤剤等の公知の添加剤を任意成分として含んでもよい。酸化防止剤の具体例としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ヒドラジン系酸化防止剤等が挙げられる。具体的には、BHA(2,3-ブチル-4-オキシアニソール)、BHT(2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール)等が例示される。また、紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系化合物、又はベンゾトリアゾール系化合物を用いることができる。また、エポキシ化物の具体例としては、エポキシグリセリド、エポキシ脂肪酸モノエステル、およびエポキシヘキサヒドロフタレートなどが例示され、具体的にはアデカサイザーO-130P、アデカサイザーO-180A(ADEKA社製)等が例示される。多価カルボン酸の具体例としては、クエン酸、マレイン酸などが例示される。
[基材]
本実施の形態に係る非水性インク組成物に使用できる基材(記録媒体)としては、特に限定はされず、樹脂基材、金属板ガラスなどの非吸収性基材であっても、紙や布帛などの吸収性基材であっても、受容層を備える基材のような表面塗工が施された基材であってもよく、種々の基材を使用することができる。その中でも、本実施の形態に係る非水性インク組成物は、水を含有しない非水性インク組成物であるため樹脂基材が好適に用いられる。樹脂としては、ポリ塩化ビニル系重合体やアクリル、PET、ポリカーボネート、PE、PP等が用いられる。特に、表面が硬質又は軟質ポリ塩化ビニル系重合体からなる基材(記録媒体)が好ましい。表面がポリ塩化ビニル重合体からなる基材(記録媒体)としては、ポリ塩化ビニル基材(フィルム又はシート)等が例示できる。
そして、本実施の形態に係る非水性インク組成物は、記録乾燥性に優れ、記録物の後加工性が良好である。このため、記録物の記録表面に対してフィルムを張り合わせことを前提とするような樹脂基材(いわゆるラミネート用の樹脂基材)に用いられることがより好ましく、ラミネート用のポリ塩化ビニル系重合体基材に用いられることが特に好ましい。
<インク組成物を用いた記録方法>
本実施の形態に係る非水性インク組成物を用いて基材(記録媒体)の表面に記録する記録方法は、特に限定されるものではない。例えば、スプレー方式、コーター方式、インクジェット方式、グラビア方式、フレキソ方式等を挙げることができる。
中でもインクジェット方式により基材の表面に吐出されることが好ましい。本実施の形態に係る非水性インク組成物はプラスチック部材や接着剤への溶解や膨潤なども少ないため、インクジェット用の非水性インク組成物において課題となり得るインクジェットヘッド等への部材適性も良好である。また、本実施の形態に係る非水性インク組成物は乾燥性が良好であるので、インクジェット方式により後加工性が良好な記録物を効率よく製造することができる。
インクジェット方式で使用されるインクジェットプリンターは従来公知のものを使用することができる。例えば、VersaArt RE-640、ローランドDG(株)製のようなインクジェットプリンターなどを使用することができる。
また、本実施の形態に係る非水性インク組成物は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの各色のインクや、ライトマゼンタ、ライトシアン、ライトブラック、オレンジ、グリーン、レッド、ホワイトなどにも使用することができ、印刷する色の順序やヘッドの位置や構成は特に制限されない。また、インクジェットプリンターは、記録媒体(基材)の巻き取り機構や基材表面を乾燥させる乾燥機構、インクの循環機構を備えていても備えていなくともよい。
<記録物及び記録物の製造方法>
本実施の形態に係る非水性インク組成物を用いて記録物を製造することもできる。記録物の製造方法は特に限定されるものではなく、上記のインク組成物を用いた記録方法で例示した方法により製造することができる。中でも、インクジェット方式にて基材の表面に吐出することが好ましい。
本実施の形態に係る非水性インク組成物は基材表面上での乾燥性が高く、得られる記録物の後加工性も良好であることから、ラミネート用の樹脂基材を用いて、粘着層と反対側の樹脂基材の表面に本実施の形態に係る非水性インク組成物を塗布(吐出)して加飾層を形成し、加飾層の表面にラミネートフィルムを備えた積層体(記録物)であれば、貼り合わせたフィルムが浮くことを効果的に抑制できるので、記録物の後加工性が良好である。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
1.樹脂の作製
(1)アクリル系樹脂
100℃に保たれたジエチレングリコールジエチルエーテル300g中に、メタクリル酸メチル150g及びメタクリル酸ブチル50gと所定量のt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(重合開始剤)1.2gとの混合物を1.5時間かけて滴下した。滴下終了後、100℃で2時間反応させた後冷却して、無色透明のメタクリル酸メチルの重合体溶液(固形分39.5%)を得た。このときメタクリル酸メチル(アクリル系樹脂)の重合平均分子量(ポリスチレン換算値)は30000であった(表中、「アクリル系樹脂」と表記)。
(2)塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂
撹拌装置を備えたオートクレーブに、窒素置換後、脱イオン水100部、メタノール40部、塩化ビニル32部、酢酸ビニル5部、グリシジルメタクリレート0.2部、ヒドロキシプロピルアクリレート3.55部、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(懸濁剤)を0.1部、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート(重合開始剤)を0.026部、ジ-3,5,5-トリメチルヘキサノールパーオキサイド(重合開始剤)を所定量仕込み、窒素ガス雰囲気下に撹拌しながら63℃に昇温し、63℃に到達直後に塩化ビニル48部を6時間で、グリシジルメタクリレート0.6部、ヒドロキシプロピルアクリレート10.65部を混合したものを5.4時間で連続圧入し、共重合反応させた。オートクレーブ内圧が0.3MPaになった時点で残圧を抜き、冷却して樹脂スラリーを取り出し、ろ過、乾燥して塩化ビニル系共重合樹脂を得た。このとき重合開始剤であるジ-3,5,5-トリメチルヘキサノールパーオキサイドの量を変更して、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂の重合平均分子量(ポリスチレン換算値)を35000~75000になるように制御した(表中、「塩酢ビ共重合体1~3」と表記)。
Figure 0007031035000009
2.非水性インク組成物の作製
下記表の割合になるように各成分のように実施例及び比較例の非水性インク組成物を調製した。具体的には、ペイントシェイカーを用いてジルコニアビーズにて各成分を分散させて非水性インク組成物を調製した。単位は質量部である。なお、例1~69に使用した有機溶剤(a)及び有機溶剤(b)については混合する前にガスクロマトグラフィーにて不純物を求めた。
[評価]
(記録乾燥性)
実施例及び比較例の非水性インク組成物について乾燥性を評価した。具体的には、実施例及び比較例の非水性インク組成物をインクジェットプリンター(商品名 VersaArt RE-640、ローランドDG(株)製)を使用)を用いたインクジェット方式にて記録媒体(糊付きポリ塩化ビニルフィルム(IMAGin JT5829R:MACtac社製))に高品質印刷モード(1440x720dpi)でベタ画像の印刷を行い、40℃で乾燥するまでの時間を計測した(表中、「記録乾燥性」と表記)。
評価基準
評価5:2分未満で乾燥する。
評価4:2分以上4分未満で乾燥する。
評価3:4分以上6分未満で乾燥する。
評価2:6分以上8分未満で乾燥する。
評価1:8分以上で乾燥する。
(部材適性)
実施例及び比較例の非水性インク組成物について部材適性(インクジェットヘッドの部材適性)を評価した。具体的には、インクジェットヘッドの部材に使用されるエポキシ接着剤(2液硬化型エポキシ接着剤「1500」、セメダイン(株)製)を60℃1日乾燥させた硬化物、0.2gを、実施例及び比較例のインク組成物に浸漬して、60℃で1週間放置して、浸漬試験を行い、硬化物の重量変化を測定した(表中、「部材適性」と表記)。
評価基準
評価5:重量変化率が3%未満で、エポキシ接着剤の材質の劣化がない。
評価4:重量変化率が3%以上5%未満で、エポキシ接着剤の材質の劣化がない。
評価3:重量変化率が5%以上10%未満で、エポキシ接着剤の材質の劣化がない。
評価2:重量変化率が10%以上15%未満で、エポキシ接着剤の材質の劣化がない。
評価1:重量変化率が15%以上及び/又は、エポキシ接着剤の材質の劣化がある。
(後加工性)
実施例及び比較例の非水性インク組成物について後加工性を評価した。上記記録乾燥性評価と同様に記録媒体(糊付きポリ塩化ビニルフィルム(IMAGin JT5829R:MACtac社製))に高品質印刷モード(1440x720dpi)、基材表面温度40℃で30cm×30cmのマゼンタ100%濃度のベタ画像の印刷を行い、印刷した直後に記録物の記録表面全面にラミネートフィルム(LL光沢ラミS:桜井株式会社製)を張り合わせて一日放置し、そのフィルムの剥離した面積を確認した。以下の評価基準により評価した結果を下記表1に示す(表1中、「後加工性」と表記)。
評価基準
評価5:フィルムの剥離が0%である。
評価4:フィルムの剥離が0%超3%未満である。
評価3:フィルムの剥離が3%以上5%未満である。
評価2:フィルムの剥離が5%以上10%未満である。
評価1:フィルムの剥離が10%以上である。
(保存安定性)
実施例及び比較例の非水性インク組成物について保存安定性を評価した。具体的には、非水性インク組成物を60℃で1ヶ月間保存し、試験前後の粘度及び顔料の体積平均粒子径(D50)の変化を観察し、下記の基準で、保存安定性を評価した。なお、インクの粘度は、落球式粘度計(アントンパール社製AMVn)を用いて、20℃の条件下で測定され、顔料の体積平均粒子径は、粒子径分布測定装置(マイクロトラックベル(株)製粒度分析計NANOTRACWAVE)を用いて25℃の条件下で体積平均粒子径(D50)を測定した。なお、下記の評価は「粘度」及び「顔料の体積平均粒子径」のうち、変化率が大きかった方をその非水性インク組成物の評価とした。
評価基準
評価5:粘度及び顔料の体積平均粒子径の変化率がいずれも3%未満である。
評価4:粘度及び顔料の体積平均粒子径の変化率がいずれかが3%以上5%未満である。
評価3:粘度及び顔料の体積平均粒子径の変化率がいずれかが5%以上8%未満である。
評価2:粘度及び顔料の体積平均粒子径の変化率がいずれかが8%以上10%未満である。
評価1:粘度及び顔料の体積平均粒子径の変化率がいずれかが10%以上である。
(滲み性評価)
上記記録乾燥性評価と同様にして記録媒体(糊付きポリ塩化ビニルフィルム(IMAGin JT5829R:MACtac社製))に高品質印刷モード(1440x720dpi)、基材表面温度40℃で各色のベタ部中にベタ部と異なる色の6ptの文字がある画像を印刷し、得られた記録物を60℃のオーブンで5分間乾燥後、当該記録物の滲みを目視で観察した。
評価基準
評価4:インクの滲みが観察されず、6ptの文字が鮮明である。
評価3:インクの滲みがわずかに観察されたが、意匠性は損なわれない。
評価2:インクの滲みが観察されたが、6ptの文字は識別可能である。
評価1:インクの滲みが顕著に観察され、6ptの文字は視認できなかった。
Figure 0007031035000010
Figure 0007031035000011
Figure 0007031035000012
上記表から分かるように、有機溶剤(a)と有機溶剤(b)とを含有する実施例の非水性インク組成物は、基材表面上での記録乾燥性が高く、得られる記録物の後加工性も良好であることが分かる。さらに、有機溶剤(a)と有機溶剤(b)とを含有する実施例の非水性インク組成物は、部材適性、保存安定性、滲み性についても良好となっていた。そして、例55~69に示すように、種々の色の色材を含有してもカーボンブラックを含有する例20と同等の結果であった。
また、例えば、有機溶剤(b)を非水性インク組成物全量中15.0質量%含有する例20(アルキルアミド系溶剤(b1)を含有)と、例24(アルキルアミド系溶剤(b1)を含有)と、例30(環状アミド系溶剤(b2)を含有)と、例32(環状アミド系溶剤(b2)を含有)と、例33(環状アミド系溶剤(b2)を含有)と、例34(6員環以上のラクトン系溶剤(b3)を含有)と、例35(6員環以上のラクトン系溶剤(b3)を含有)と、例39(6員環以上のラクトン系溶剤(b3)を含有)との非水性インク組成物を比較すると、例34、例35、例39と比較して、有機溶剤(b)としてアルキルアミド系溶剤(b1)又は環状アミド系溶剤(b2)を含有する例20、例24、例30、例32、例33はより記録乾燥性に優れていた。
さらに、例えば有機溶剤(b)として、N,N-ジエチルホルムアミド(アルキルアミド系溶剤(b1))を含有する例17~例21を比較すると、有機溶剤(b)を17.0質量%以下の割合で含有する例20、例21は部材適性や後加工性が特に良好であった。
なお、例30の非水性インク組成物は、同じ組成比の例51と比較しても、水分含有量が低く、基材表面上での記録乾燥性が高く、保存安定性も良好であった。さらに、例30の非水性インク組成物は、同じ組成比の例52と比較しても、有機溶剤(a)及び有機溶剤(b)に由来する不純物濃度が低く、基材表面上での乾燥性が高く、得られる記録物の後加工性も良好であった。
また、有機溶剤(a)としてジエチレングリコールジブチルエーテルを含有する例45と比較して、有機溶剤(a)としてジエチレングリコールメチルエチルエーテルを含有する例20、有機溶剤(a)としてジエチレングリコールジエチルエーテルを含有する例44、及び有機溶剤(a)としてジプロピレングリコールジメチルエーテルを含有する例46は、記録乾燥性が特に良好であった。
一方、有機溶剤(b)や5員環ラクトン系溶剤を含有しない例70の非水性インク組成物は、記録乾燥性が低く、滲みも生じていた。また、有機溶剤(b)の代わりに5員環ラクトン系溶剤や3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミドを含有する例71~例75の非水性インク組成物は、滲みは少なかったが、後加工性が悪化していた。また、有機溶剤(a)を含有しない例76~81の非水性インク組成物は、記録乾燥性や部材適正が悪化していた。

Claims (14)

  1. 有機溶剤を含有し、該有機溶剤が乾燥することで記録物を得ることのできる非水性インク組成物であって、
    前記有機溶剤は、下記有機溶剤(a)と下記有機溶剤(b)と、を含有し、
    有機溶剤(a):グリコールエーテルジアルキル
    有機溶剤(b):アルキルアミド系溶剤(b1)、及び環状アミド系溶剤(b2)からなる群より選択される少なくとも1つ
    前記アルキルアミド系溶剤(b1)は、下記一般式(2)で表され、
    前記環状アミド系溶剤(b2)は、下記一般式(3)で表されるか、又はN-ビニルカプロラクタムである
    非水性インク組成物。但し、活性エネルギー線を照射することにより硬化する活性エネルギー線硬化型インク組成物であるものを除く。
    Figure 0007031035000013
    (式(2)中、Rは、水素若しくは炭素数1以上4以下のアルキル基であり、Rは、炭素数2以上4以下のアルキル基を表す。)
    Figure 0007031035000014
    (式(3)中、Rは、炭素数4以上5以下のアルキレン基であり、Rは、水素若しくは炭素数1以上2以下のアルキル基を表す。)
  2. 前記有機溶剤(b)は、アルキルアミド系溶剤(b1)である
    請求項1に記載の非水性インク組成物。
  3. 前記アルキルアミド系溶剤(b1)は、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジエチルプロパンアミド及びN,N-ジエチルアセトアミドからなる群より選択される少なくとも1つを含有する
    請求項2に記載の非水性インク組成物。
  4. 前記有機溶剤(b)は、環状アミド系溶剤(b2)である
    請求項1に記載の非水性インク組成物。
  5. 前記環状アミド系溶剤(b2)は、ε-カプロラクタム、N-メチルカプロラクタム、及びN-ビニルカプロラクタムからなる群より選択される少なくとも1つを含有する
    請求項4に記載の非水性インク組成物。
  6. 前記有機溶剤(b)の含有量は、非水性インク組成物全量中3.0質量%以上30.0質量%以下の範囲である
    請求項1からのいずれかに記載の非水性インク組成物。
  7. 前記有機溶剤(a)が下記式(1)で表されるグリコールエーテルジアルキルである
    請求項1からのいずれかに記載の非水性インク組成物。
    Figure 0007031035000015
    (式(1)中、Rは、アルキル基であり、Rは、エチレン基又はプロピレン基を表す。nは2~4の整数を表す。)
  8. 前記式(1)中のR及びRに含まれる炭素数の合計が2以上6以下である
    請求項に記載の非水性インク組成物。
  9. 有機溶剤(a)は、
    前記式(1)中のRがメチル基又はエチル基であり、前記式(1)中のRがエチル基であるか、
    及び/又は
    前記式(1)中のR及びRがメチル基であってRがプロピレン基である
    請求項に記載の非水性インク組成物。
  10. 水分の含有量が非水性インク組成物全量中1.0質量%以下である
    請求項1からのいずれかに記載の非水性インク組成物。
  11. 前記有機溶剤(a)に由来する不純物の含有量が有機溶剤(a)全量中0.5質量%以下であり、
    前記有機溶剤(b)に由来する不純物の含有量が有機溶剤(b)全量中0.5質量%以下である
    請求項1から10のいずれかに記載の非水性インク組成物。
  12. 樹脂基材に用いられる
    請求項1から11のいずれかに記載の非水性インク組成物。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の非水性インク組成物を、インクジェット方式にて基材の表面に吐出する
    記録方法。
  14. 請求項1から12のいずれかに記載の非水性インク組成物を、インクジェット方式にて基材の表面に吐出する
    記録物の製造方法。
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