JP7028843B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電源から供給される電力を変換して出力する電力変換装置に関する。
電気自動車、ハイブリッド自動車等の車両は、電力変換を行う電力変換装置を搭載している。例えば、下記の特許文献1には、半導体素子を内蔵した複数の半導体モジュールを備える電力変換装置が開示されている。この電力変換装置は、電源から供給される電力を変換して出力する電力変換回路と、この電力変換回路を制御する制御部と、を備えている。制御部は、温度上昇の最も大きい半導体素子の素子温度を検出し、検出した素子温度に基づいて電力変換回路の過熱保護制御を行うように構成されている。
特開2008-206345号公報
上記の特許文献1に開示の電力変換装置は、電力変換回路の過熱保護制御について以下のような問題を抱えている。
この電力変換装置は、半導体モジュールや半導体素子の個体差などが原因で、半導体モジュールの動作時に半導体素子ごとに異なる大きさの電流が流れる状態(以下、「電流アンバランス状態」という。)を形成し得る。例えば、上アーム及び下アームのそれぞれにおいて2つの半導体素子が互いに並列接続された相において、2つの半導体素子のそれぞれを大きさの異なる電流が流れる場合に電流アンバランス状態になる。
このような場合、電流が小さい方の半導体素子のみの温度情報を検出してしまうと、流れる電流が大きい方の半導体素子の素子温度が予め設定された管理温度(閾値)を大きく上回ることが想定される。このため、この種の電力変換装置の設計に際しては、電力変換回路の過熱保護制御を行うのに電流アンバランス状態を考慮する必要がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、電流アンバランス状態を考慮して電力変換回路の過熱保護制御を行うことができる電力変換装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
電源(3)から供給される電力を変換して出力する電力変換回路(2)と、上記電力変換回路を制御する制御部(8)と、を備えた電力変換装置(1)であって、
上記電力変換回路は、半導体素子(11)とダイオード(12)の並列接続の組を2組直列接続して内蔵する半導体モジュール(10)と、上記半導体モジュールの複数によって構成された、三相交流モータ(52)のための3つの相(6a,6b,6c)と、を有し、
上記3つの相はいずれも、上記電源の高電位側端子(3a)に接続された上アーム(2a)と上記電源の低電位側端子(3b)に接続された下アーム(2b)とのそれぞれにおいて複数の半導体素子(11)が互いに並列接続された並列接続相として構成されており、
上記制御部は、上記3つの相の中で使用時の素子温度が最も高いと予測される半導体素子(11a)を備える相の上記上アーム及び上記下アームのいずれか一方を対象アームとして、上記対象アームの互いに並列接続された複数の半導体素子(11)の間に異なる大きさの電流が流れる電流アンバランス状態を考慮して上記複数の半導体素子の全ての素子温度についての温度情報を検出し、検出した上記温度情報と設定した閾値(Tr)とに基づいて上記電力変換回路の過熱保護制御を行う、電力変換装置(1)にある。
上記電力変換装置によれば、過熱保護制御に際して対象アームについては複数の半導体素子の全ての素子温度に関する温度情報が検出される。そして、この温度情報に基づいて過熱保護制御が行われる。このため、これら複数の半導体素子の間で電流アンバランス状態が生じても各半導体素子の素子温度が上昇し過ぎるのを防ぐことができる。要するに、電流アンバランス状態を考慮した過熱保護制御が可能になる。
また、上アーム及び下アームのうち対象アームのみの半導体素子を温度検出対象とするため、両アームの半導体素子を温度検出対象とする場合に比べて、温度検出対象の数が少なくて済む。このため、制御部の処理負荷を下げることができ効率的である。
以上のごとく、上記態様によれば、電力変換装置において、電流アンバランス状態を考慮して電力変換回路の過熱保護制御を行うことができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本実施形態の電力変換装置の平面図。 図1の電力変換装置における各半導体モジュールの等価回路図。 図1の電力変換装置における電力変換回路を示す図。 図3の電力変換回路のうちモータ駆動用の並列接続相の部分回路図。 過熱保護処理のフローチャート。 図5中の第3ステップにおいて電力変換回路の負荷調整処理に用いる相関図。 図4において、冷却器の冷却性能に基づいて温度検出対象として選択された半導体素子を示す図。 図1において、冷却器の冷却性能に基づいて温度検出対象として選択された半導体素子を示す図。 図4において、インダクタンスに基づいて温度検出対象として選択された半導体素子を示す図。
以下、電力変換装置に係る実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、本明細書の図面では、特に断わらない限り、半導体積層ユニットにおける半導体モジュールと冷却管との積層方向である第1方向を矢印Xで示し、半導体積層ユニットにおける半導体モジュールの幅方向及び冷却管の長手方向である第2方向を矢印Yで示すものとする。
本実施形態の電力変換装置1は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等に搭載され、直流の電源電力を駆動用モータの駆動に必要な交流電力に変換するインバータとして用いられる。
図1に示されるように、電力変換装置1は、半導体積層ユニット40を備えている。この半導体積層ユニット40は、それぞれが半導体素子11を内蔵した複数の半導体モジュール10と、複数の半導体モジュール10を冷却する冷却器30と、を備えている。
冷却器30は、流入管31、複数の冷却管32、及び流出管33を備えている。図1では、冷却管32の数が15である。この冷却器30において、流入管31を通じて流入した冷媒は、複数の冷却管32のそれぞれを上流側端部32aから下流側端部32bに向けて流れた後、流出管33を通じて流出する。即ち、複数の冷却管32を冷媒が並列的に流れる。冷媒として、例えば、水やアンモニア等の自然冷媒、エチレングリコール系の不凍液を混入した水、フロリナート(登録商標)等のフッ化炭素系冷媒、HCFC123、HFC134a等のフロン系冷媒、メタノール、アルコール等のアルコール系冷媒、アセトン等のケトン系冷媒等を用いることができる。
半導体積層ユニット40において、冷却器30の複数の冷却管32と複数の半導体モジュール10とが第1方向Xに交互に積層配置されている。複数の冷却管32は、第2方向Yを長手方向として互いに隙間34を隔てて第1方向Xに平行配置されている。そして、互いに隣接する2つの冷却管32,32の間の隙間34に半導体モジュール10が介装されている。
半導体モジュール10は、隙間34に介装された状態で2つの冷却管32,32によって第1方向Xの両側面から挟持される。このとき、2つの冷却管32,32を流れる冷媒によって半導体モジュール10が第1方向Xの両側面から冷却される。すなわち、半導体モジュール10は、該半導体モジュール10で生じた熱が2つの冷却管32,32のそれぞれを流れる冷媒側へと移動することによって冷却される。このような冷却器30は、「積層型冷却器」とも称呼され、冷却に有効な表面積を増やすのに有効である。
図2に示されるように、半導体モジュール10において、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等の半導体素子(「スイッチング素子」ともいう。)11の2つが直列接続されている。各半導体素子11のコレクタ-エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオード12が接続されている。
また、この半導体モジュール10は、各半導体素子11の素子温度に関する温度情報を検出する検出素子としての感温ダイオード13を備えている。この半導体モジュール10は、半導体素子11のスイッチング動作を制御する制御部(図3中の制御部8)に電気的に接続されている。このため、感温ダイオード13によって検出された温度情報が制御部8に伝送される。ここでいう「温度情報」には、半導体素子11の素子温度を導出することが可能な各種の情報が包含される。
図3に示されるように、電力変換装置1のインバータ回路としての電力変換回路2は、図2中の半導体モジュール10を複数組み合わせることによって構成されている(本実施形態では半導体モジュール10の数が14である。)。また、この電力変換回路2には、電源3、コンデンサ14,16、リアクトル15が含まれている。制御部8は、電子制御ユニット(ECU)によって構成されている。
電力変換回路2において、上アーム2aは、各半導体モジュール10において電源3の高電位側配線3aに接続された部位である。下アーム2bは、各半導体モジュール10において電源3の低電位側配線3bに接続された部位である。この電力変換回路2は、冷却器30の冷却管32に接合されている。
電源3は、例えばニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池セルが複数直列に接続されてなる高電圧の直流のバッテリとして構成される。なお、この電源3を、二次電池以外に、キャパシタ、コンデンサ、或いは燃料電池などで構成することもできる。
電源3の電圧は、2つの半導体モジュール10のそれぞれの回路、コンデンサ14及びリアクトル15を含む昇圧回路によって昇圧される。このとき、コンデンサ14は、電源電流に含まれるリプル電流を吸収して、電源電圧を安定化させる機能を果たす。リアクトル15は、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換するインダクタ(受動素子であるコイル)によって構成されている。コンデンサ16は、昇圧回路から出力された電圧を平滑化する機能を果たす。
複数の半導体モジュール10は、昇圧用モジュール4、モータ用モジュール5,6,7に分類される。
昇圧用モジュール4は、電源3の電圧の昇圧のためのものであり、図1中の左から第1列目及び第2列目の2つの半導体モジュール10によって構成されている。これら2つの半導体モジュール10の回路によって1つの相4aが形成されている。この相4aは、上アーム2aの2つの半導体素子11,11が互いに並列接続され、且つ下アーム2bの2つの半導体素子11,11が互いに並列接続された並列接続相である。即ち、この昇圧用モジュール4において、1つの相4aが、上アーム2aと下アーム2bとのそれぞれにおいて2つの半導体素子11,11が互いに並列接続された並列接続相として構成されている。
モータ用モジュール5は、三相交流モータ51のためのものであり、図1中の左から第3列目から第5列目までの3つの半導体モジュール10によって構成されている。これら3つの半導体モジュール10の回路によって3つの相5a,5b,5cが形成されている。第一相5aは、三相交流モータ51のV相である。第二相5bは、三相交流モータ51のU相である。第三相5cは、三相交流モータ51のW相である。
モータ用モジュール6は、三相交流モータ52のためのものであり、図1中の左から第6列目から第11列目までの6つの半導体モジュール10によって構成されている。これら6つの半導体モジュール10の回路によって3つの相6a,6b,6cが形成されている。第一相6aは、三相交流モータ52のV相である。第二相6bは、三相交流モータ52のU相である。第三相6cは、三相交流モータ52のW相である。
モータ用モジュール7は、三相交流モータ53のためのものであり、図1中の左から第12列目から第14列目までの3つの半導体モジュール10によって構成されている。これら3つの半導体モジュール10の回路によって3つの相7a,7b,7cが形成されている。第一相7aは、三相交流モータ53のV相である。第二相7bは、三相交流モータ53のU相である。第三相7cは、三相交流モータ53のW相である。
図4に示されるように、上記のモータ用モジュール6において、1つの第一相6aが、上アーム2aと下アーム2bとのそれぞれにおいて2つの半導体素子11,11が互いに並列接続された並列接続相として構成されている。また、1つの第二相6bが、上アーム2aと下アーム2bとのそれぞれにおいて2つの半導体素子11,11が互いに並列接続された並列接続相として構成されている。更に、1つの第三相6cが、上アーム2aと下アーム2bとのそれぞれにおいて2つの半導体素子11,11が互いに並列接続された並列接続相として構成されている。
上記の電力変換回路2において、各半導体モジュール10の半導体素子11のスイッチング動作によって該半導体素子11に電流が流れる。このとき、半導体素子11の発熱によってその素子温度が上昇する。この素子温度の上昇を抑制するために、電力変換回路2を冷却する上記の冷却器30が設けられているが、この冷却器30による冷却効果のみでは半導体素子11の素子温度が上昇し過ぎる場合がある。
このため、制御部8は、半導体素子11の素子温度に応じて電力変換回路2の過熱保護制御を行うように構成されている。この過熱保護制御は、半導体素子11の過熱を抑制するための制御である。
また、電力変換回路2は、上アーム2a及び下アーム2bのそれぞれにおいて2つの半導体素子11,11が互いに並列接続された並列接続相(以下、単に「相」という。)4a,6a,6b,6cを有する。これらの相4a,6a,6b,6cにおいて、2つの半導体素子11,11のそれぞれを大きさの異なる電流が流れる場合に電流アンバランス状態になる。ここで、「電流アンバランス状態」とは、半導体モジュール10や半導体素子11の個体差などが原因で、半導体モジュール10のスイッチング動作時に半導体素子11ごとに異なる大きさの電流が流れる状態をいう。このような場合、電流が小さい方の半導体素子11のみの温度情報を検出してしまうと、流れる電流が大きい方の半導体素子11の素子温度が予め設定された管理温度(閾値)を大きく上回ることが想定される。このため、電流アンバランス状態を考慮する必要がある。
そこで、本実施形態では、上記の過熱保護制御に際して、三相交流モータ52のモータ用モジュール6の3つの相6a,6b,6cに着目し、これら3つの相6a,6b,6cのうちの1つにおいて、上アーム2a及び下アーム2bのいずれか一方の対象アームの2つの半導体素子11,11の全ての素子温度に関する温度情報を制御部8によって検出するようにしている。
そして、制御部8は、検出した温度情報に基づいて、2つの半導体素子11,11の素子温度の最高値が予め設定された予め設定された管理温度(以下、「閾値」という。)に達したと判定したときに、電力変換回路2の出力を下げる負荷調整処理を行う。この負荷調整処理として、2つの半導体素子11,11に対応している半導体モジュール10の出力を下げる処理(第1の処理)、全ての半導体モジュール10をスイッチオフにする処理(第2の処理)、電源3から供給される電力を下げる処理(第3の処理)、電源3から供給される電力を停止させる(第4の処理)などを用いることができる。
以下、電力変換回路2の過熱保護制御に上記の第1の処理を用いた場合について、具体的に説明する。
図5に示されるように、この過熱保護制御では、制御部8によってステップS1~ステップS3までの処理が順次実行される。これらのステップに必要に応じて別のステップが追加されてもよい。
第1ステップS1は、予め選択した2つの半導体素子11,11のそれぞれの感温ダイオード13によって検出される温度情報に基づいて、これら2つの半導体素子11,11のそれぞれの素子温度の検出を行うステップである。この第1ステップS1によれば、電力変換装置1の使用時において、2つの半導体素子11,11のそれぞれの素子温度が継続的に検出される。
第2ステップS2は、第1ステップS1で検出した素子温度の最大値Tmaxを閾値Trと比較して、最大値Tmaxが閾値Trに達したか否かを判定するステップである。この場合、2つの半導体素子11,11の一方の素子温度と他方の素子温度とを比較して、高い方を素子温度の最大値Tmaxとする。この第2ステップS2によれば、素子温度の最大値Tmaxが閾値Trに達した場合(第2ステップS2の「Yes」の場合)に第3ステップS3にすすむ。素子温度の最大値Tmaxが閾値Trに達していない場合(第2ステップS2の「No」の場合)、第1ステップS1に戻り、素子温度の最大値Tmaxが閾値Trに達したと判定するまで、第1ステップS1から第2ステップS2までの処理を繰り返す。
第3ステップS3は、電力変換回路2の負荷調整処理を行うステップである。この第3ステップS3によれば、2つの半導体素子11,11に対応している半導体モジュール10の負荷を下げる負荷調整処理が行われる。
この負荷調整処理において、例えば図6に示される相関が使用される。この相関は、2つの半導体素子11,11の素子温度の最大値Tmax[℃]と、対応している半導体モジュール10の出力である負荷P[%]との関係を示すものであり、制御部8に予め記憶されている。この相関によれば、素子温度の最大値Tmaxが閾値Trに達するまでは負荷Pを最大(100%)に維持する。そして、素子温度の最大値Tmaxが閾値Trに達した場合、その最大値Tmaxの値に応じて負荷Pを調整する。素子温度の最大値Tmaxが例えばTaであるとき、負荷PがPaに調整される。例えば、温度検出対象として第二相(U相)23の下アーム2bの2つの半導体素子11,11が選択されている場合、モータ用モジュール6を構成する半導体モジュール10の負荷が調整される。
なお、図6に示される相関図は一例であり、必要に応じて適宜に変更が可能である。
上記の過熱保護制御においては、予め設定された周期で半導体素子11の素子温度を検出し、その都度、負荷調整処理が必要か否かを判定する。検出した素子温度の最大値Tmaxが閾値Tr以下になった時点で、若しくは閾値Trを下回った時点で負荷調整処理が必要でないと判定して、過熱保護制御を終了する。
次に、上記の第1ステップS1を実行するに際し、三相交流モータ52の3つの相6a,6b,6cに属する複数の半導体素子11の中から温度検出対象を選択するロジックについて説明する。
図7及び図8に示されるように、3つの相6a,6b,6cについて、冷却器30の流入管31から流入した冷媒は、上アーム2a側(一方のアーム側)を相6aから相6cに向けて流れる。この冷媒は、3つの相6a,6b,6cのそれぞれに対応した冷却管32を上アーム2a側から下アーム2b側(他方のアーム側)へと流れる。その後、下アーム2b側を相6cから相6aに向けて流れた冷媒は流出管33から流出する。
上記のような冷媒の流れに基づいた場合、3つの相6a,6b,6cの中で相6cは、冷却器30において冷却性能が最も低い位置にある相である。また、相6cの上アーム2aと下アーム2bの中で下アーム2bは、最も下流側に位置するアームである。即ち、相6cの両側の冷却管32,32のそれぞれは、上アーム2a側から下アーム2b側へと冷媒が流れるように構成されている。
従って、相6cの下アーム2b及び2つの半導体素子11,11は、冷却器30において冷却性能が最も低い位置、具体的には冷却器30の冷却管32のうち流入管31から最も離れた位置に設けられている。このため、2つの半導体素子11,11は、他の半導体素子11よりも冷却され難く素子温度が上昇し易い条件下にあり、使用時の素子温度が最も高いと予測される半導体素子である。
そこで、上記の冷却器30による冷却性能に基づいた場合、3つの相6a,6b,6cの各アームのうちW相である相6cの下アーム2bを対象アームとし、この下アーム2bに属する2つの半導体素子11,11(図8中の斜線で示される2つの半導体素子11a,11a)を温度検出対象として選択するのが好ましい。この場合、対象アームである下アーム2bは、使用時の素子温度が最も高い2つの半導体素子11a,11aを備える。
なお、冷却器30において冷却性能が最も低い位置は、冷却器30の具体的な構造などに応じて変わる。このため、冷却管32のうち流入管31から最も離れた位置以外の位置であっても冷却性能が最も低い位置に成り得る。
また、半導体素子11の使用時の素子温度は、冷却器30による冷却性能のみならず、他の要因によっても変わる。このため、冷却器30による冷却性能に代えて或いは加えて、別の要因に基づいて温度検出対象となる半導体素子11を選択することもできる。
図9に示されるように、三相交流モータ52の3つの相6a,6b,6cの中で相6cは、蓄電部品であるコンデンサ16から最も離れている。従って、単位配線長さあたりのインダクタンスLを考慮した場合、相6cは、コンデンサ16からのインダクタンスが最も大きく半導体素子11の損失が最も大きい相である。つまり、相6cに属する半導体素子11は、他の2つの相6a,6bに属する半導体素子11よりも素子温度が上昇し易い条件下にあり、使用時の素子温度が最も高いと予測される半導体素子である。
そこで、コンデンサ16からのインダクタンスに基づいた場合、3つの相6a,6b,6cのうちW相である相6cの上アーム2a或いは下アーム2bを対象アームとし、この対象アームに属する2つの半導体素子11,11(図9中の2つの半導体素子11a,11a)を温度検出対象として選択するのが好ましい。この場合、対象アームは、コンデンサ16からのインダクタンスが最も大きい位置に設けられており、使用時の素子温度が最も高い2つの半導体素子11a,11aを備える。
なお、蓄電部品からのインダクタンスを考慮する場合、蓄電部品としてコンデンサ以外の部品、例えば電池やキャパシタなどを用いることもできる。
次に、上記の電力変換装置1の作用効果について説明する。
電力変換装置1によれば、過熱保護制御に際して対象アームの2つの半導体素子11,11の全ての素子温度に関する温度情報が検出される。そして、この温度情報に基づいて過熱保護制御が行われる。このため、これら2つの半導体素子11,11の間で電流アンバランス状態が生じても各半導体素子11の素子温度が上昇し過ぎるのを防ぐことができる。要するに、電流アンバランス状態が生じた場合でも温度の高い半導体素子の過熱保護制御を行うことができる。
電力変換装置1によれば、上アーム2a及び下アーム2bのうち対象アームのみの半導体素子11を温度検出対象とするため、両アーム2a,2bの半導体素子11を温度検出対象とする場合に比べて、温度検出対象の数が少なくて済む。このため、制御部8の処理負荷を下げることができ効率的である。
電力変換装置1によれば、三相交流モータ52のモータ用モジュール6について半導体素子11の過熱保護制御を行うことができる。
電力変換装置1によれば、冷却器30の冷却性能やコンデンサ16からのインダクタンスに基づいて温度検出対象となる半導体素子11を選択することによって、使用時の素子温度が最も高い半導体素子11の温度情報を用いた過熱保護制御を行うことができる。
本発明は、上記の典型的な実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記の実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記の実施形態では、相4a,6a,6b,6cのそれぞれの上アーム2a及び下アーム2bにおいて互いに並列接続される半導体素子11の数が2つである場合について例示したが、この数は3つ以上であってもよい。
上記の実施形態では、三相交流モータ51,52,53を使用する場合について例示したが、これらの三相交流モータに代えて単相交流モータを使用することもできる。この場合、単相交流モータのための相の数が2つになる。
上記の実施形態では、三相交流モータ52の相6cに属する半導体素子11を温度検出対象とする場合について例示したが、この相6cに代えて或いは加えて、三相交流モータ52の別の相6a,6bの少なくとも一方に属する半導体素子11や、電源3の電圧を昇圧するための相4aに属する半導体素子11を温度検出対象とすることもできる。
上記の実施形態では、半導体素子11の素子温度に関与する条件として、冷却器30の冷却性能や蓄電部品からのインダクタンスについて例示したが、これらに代えて、半導体素子11の素子温度に関与するその他の条件を採用することもできる。
上記の実施形態では、直流電力を交流電力に変換する電力変換装置における過熱保護制御について例示したが、この過熱保護制御を、交流電力を交流電力に変換する電力変換装置に適用することもできる。
上記の実施形態では、半導体モジュール10を冷却する冷却器30として冷媒を使用した積層型冷却器を用いる場合について例示したが、この積層型冷却器に代えて別の形式の冷却器を用いることもできる。
1 電力変換装置
2 電力変換回路
2a 上アーム
2b 下アーム
3 電源
3a 高電位側配線
3b 低電位側配線
4a,6a,6b,6c 相(並列接続相)
8 制御部
11,11a 半導体素子
16 コンデンサ(蓄電部品)
30 冷却器
31 流入管
32 冷却管
52 三相交流モータ
Tmax 最大値
Tr 閾値

Claims (6)

  1. 電源(3)から供給される電力を変換して出力する電力変換回路(2)と、上記電力変換回路を制御する制御部(8)と、を備えた電力変換装置(1)であって、
    上記電力変換回路は、半導体素子(11)とダイオード(12)の並列接続の組を2組直列接続して内蔵する半導体モジュール(10)と、上記半導体モジュールの複数によって構成された、三相交流モータ(52)のための3つの相(6a,6b,6c)と、を有し、
    上記3つの相はいずれも、上記電源の高電位側端子(3a)に接続された上アーム(2a)と上記電源の低電位側端子(3b)に接続された下アーム(2b)とのそれぞれにおいて複数の半導体素子(11)が互いに並列接続された並列接続相として構成されており、
    上記制御部は、上記3つの相の中で使用時の素子温度が最も高いと予測される半導体素子(11a)を備える相の上記上アーム及び上記下アームのいずれか一方を対象アームとして、上記対象アームの互いに並列接続された複数の半導体素子(11)の間に異なる大きさの電流が流れる電流アンバランス状態を考慮して上記複数の半導体素子の全ての素子温度についての温度情報を検出し、検出した上記温度情報と設定した閾値(Tr)とに基づいて上記電力変換回路の過熱保護制御を行う、電力変換装置(1)。
  2. 上記電力変換回路を冷却する冷却器(30)を備え、
    上記対象アームは、上記冷却器において冷却性能が最も低い位置に設けられている、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 上記電力変換回路は、上記冷却器の流入管(31)から流入した冷媒が流れる冷却管(32)に接合されており、
    上記対象アームは、上記冷却器の上記冷却管のうち上記流入管から最も離れた位置に設けられている、請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 上記冷却器の上記冷却管は、上記上アーム及び上記下アームのうちの一方のアーム側から他方のアーム側へと冷媒が流れるように構成されており、上記他方のアームが上記対象アームである、請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 上記電力変換回路は、蓄電部品(16)を有し、
    上記対象アームは、上記蓄電部品からのインダクタンスが最も大きい位置に設けられている、請求項1に記載の電力変換装置。
  6. 上記制御部は、上記対象アームの上記複数の半導体素子の全ての素子温度の中の最大値(Tmax)が予め設定された上記閾値に達したことを検出したときに上記過熱保護制御として上記電力変換回路の出力を下げる処理を行う、請求項1~5のいずれか一項に記載の電力変換装置。
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