JP7025863B2 - 保持パッドを用いた研磨加工方法 - Google Patents

保持パッドを用いた研磨加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7025863B2
JP7025863B2 JP2017164194A JP2017164194A JP7025863B2 JP 7025863 B2 JP7025863 B2 JP 7025863B2 JP 2017164194 A JP2017164194 A JP 2017164194A JP 2017164194 A JP2017164194 A JP 2017164194A JP 7025863 B2 JP7025863 B2 JP 7025863B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
holding pad
resin sheet
polyurethane resin
holding
attached
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017164194A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019038090A (ja
Inventor
正孝 高木
貴宏 久米
寿明 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujibo Holdins Inc
Original Assignee
Fujibo Holdins Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujibo Holdins Inc filed Critical Fujibo Holdins Inc
Priority to JP2017164194A priority Critical patent/JP7025863B2/ja
Publication of JP2019038090A publication Critical patent/JP2019038090A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7025863B2 publication Critical patent/JP7025863B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Packages (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

本発明は、湿式成膜法により製造されたポリウレタン樹脂シートを有してなる保持パッドを用いた研磨加工方法に関する。
近年、フラットパネルディスプレイでは、大型化、軽量化、薄型化のニーズが大きく、例えば、各社で若干異なるが、G10と称されるサイズ(3130mm×2880mm)の大型のガラス基板が使用されるに至っている。このようなガラス基板等の被研磨物を研磨パッドによって研磨加工するときには、該被研磨物を保持する保持パッドも該被研磨物のサイズの拡大に合わせて大型化する必要があり、G10サイズのガラス基板に対応する保持パッドは、3200mm×3000mm以上であることが好ましい。
従来、保持パッドは、湿式成膜法で形成されたポリウレタン樹脂製の発泡シートが使用されている。湿式成膜法では、ポリウレタン樹脂を水混和性の有機溶媒に溶解させた樹脂溶液をシート状の成膜基材に塗布後、水系凝固液中に浸漬することで樹脂がシート状に凝固再生される。得られた発泡シートでは、被研磨物と接触する面(保持面)側に緻密なスキン層を有し、スキン層より内側に厚さ方向に縦長で、スキン層の反対の面側で拡径された複数の気泡(涙型気泡)と、当該気泡の大きさより小さい大きさの多数の微細孔とが連続状に形成された構造を有している。このような構造を有することで、研磨加工中にクッション性が発揮されて被研磨物を略平坦に保持することができる。保持パッドはポリウレタン樹脂シートと、このポリウレタン樹脂シートにおける保持面の反対側に接着されて該ポリウレタン樹脂シートを研磨機の定盤に貼り付ける両面テープとを有して構成される。両面テープが備えるテープ基材の存在によって軟質なポリウレタン樹脂シートに腰の強さを付加し、取扱い性の向上を図っている。
このような保持パッドは、ある程度までの大きさであれば平積み状態で梱包することができるが、長さと巾がともに2.5m以上のような大型の保持パッドでは、平板での運搬に、例えば道路法、道路交通法、道路運送車両法等で2.5m以上の場合は事前の許可申請が必要で、かなりの制限があり、またコンテナにおいては、スペースが問題となり平積み状態で保管や運搬することができない。それ故、大型の保持パッドは、梱包、開包時の作業性の向上、梱包サイズの縮小を目的として、保管時や運搬時に巻物とされる。このとき、巻き皺や、巻き跡によりポリウレタン樹脂シートの表面の平坦性が悪化しないように強く巻き付けた状態とせず、1回又は数回だけ緩く巻いた状態とされるとともに、保持面に傷が入らないように該保持面が内側になるようにして巻き回される(特許文献1)。
また、大型ガラス基板用の大型保持パッドでは、定盤に貼り付けるための両面テープも大型保持パッドに対応して大型なものが必要となるが、汎用品としての入手に困難がある。そこで従来、大型保持パッド用の両面テープとして、大型ポリウレタン樹脂シートの保持面と反対側の面に汎用両面テープを複数枚並列に貼り合わせるものが開示されている(特許文献2)。
特開2011-213363号公報 特許第5501561号公報
特許文献2に記載の保持パッドを巻物として保管又は運搬するときには、巻回体の巻き数を多くすることができないため、巻き径が大きく、例えばG10サイズ用の保持パッドを1回巻きとした場合は直径約1020mm、2回巻きとした場合は直径約510mmで幅が3000mmとなるため非常に嵩張り、輸送や保管にかかる物流費が価格に影響していた。石油等の輸送に必要なエネルギーの供給事情の変動によって、物流のためのエネルギー費は高騰することがあり、物流コスト削減は重要な課題である。特に広幅の保持パッド巻回体の場合、わずか数cm程度直径を小さくするだけで物流費削減の効果が十分に期待される。しかしながら、大型保持パッドの巻き数を増やすことで直径を小さくしようとすると、ポリウレタン樹脂シートの保持面が内側になるように丸められるため、柔軟なシートに対し剛性の高いテープ基材が、巻き始め端でポリウレタン樹脂シートの保持面に接触し、その保持面を傷付けてしまったり、テープ基材のハリ・コシの強さにより、ポリウレタン樹脂シートを圧迫して、巻位置により圧迫変形が異なりポリウレタンシートの保持面の平坦性が悪化する。また、輸送時の巻回体の揺れや定盤貼付け時に生じるテンションにより、両面テープが途切れる部分のポリウレタン樹脂シートが伸び易く、保持パッドに皺が付き易いという問題があった。更に、ガラス基板の薄型化により、引用文献1のような梱包において緩めに巻いても、巻き始の端部が保持面に僅かに接触することで、軽度のへこみが発生し、高品位な基板の製造に問題となってきている。
尚、従来の上述した保持パッドにおいて、両面テープの剛性の高いテープ基材を省き、ポリウレタン樹脂シートを定盤に貼り付け可能にするため、ポリウレタン樹脂シートの保持面の反対側にノンサポート型粘着テープだけを接着することが考えられる。ところが、このような保持パッドでは、該保持パッドを定盤上に貼り付けて研磨加工に供した使用後に、定盤から剥離しようとするとき、ポリウレタン樹脂シートに加える剥離操作力が軟質で柔らかいポリウレタン樹脂シートを介するが故にノンサポート型粘着テープの全域に安定的に伝わらず、樹脂シートが破断し易く、定盤に該ノンサポート型粘着テープの糊残しを生じ、剥離作業に労力や時間がかかりすぎるという不都合がある。
本発明の課題は、ポリウレタン樹脂シートを備えた保持パッドの巻回体をコンパクトにすることで、輸送・保管コストの削減を可能にすることにある。また、そのポリウレタン樹脂シートの品質を損なうことなく巻回可能にしながら保管や運搬段階での取り扱いを容易にし、定盤に容易に取り外し可能にすることにある。
請求項1に係る発明は、被研磨物を保持する保持面を備えたポリウレタン樹脂シートを有し、このポリウレタン樹脂シートの保持面の反対面側に複数枚のノンサポート型粘着テープが並んで接着され、各ノンサポート型粘着テープが、粘着層のみで構成されるとともに、該ノンサポート型粘着テープのポリウレタン樹脂シートが接着される面の反対面側に接着され、ポリウレタン樹脂シート及びノンサポート型粘着テープの定盤の側への貼り付け時に剥離されて用いられる剥離フィルムで構成される保持パッド巻回体であって、巻回体として、梱包、運搬、及び保管されるようにしたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記ポリウレタン樹脂シートの保持面の上に、可撓性樹脂シートが粘着剤で貼り付けられているようにしたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の保持パッド巻回体を使用して被研磨物を研磨加工する研磨加工方法であって、複数枚の両面テープが並んで貼り付けられた樹脂基材がそれらの両面テープにより定盤に貼り付けられた後、前記保持パッドが剥離フィルムを剥離された各ノンサポート型粘着テープの粘着層により上記樹脂基材の上に貼り付けられて研磨加工に供されるようにしたものである。
請求項に係る発明は、請求項に係る発明において更に、前記両面テープは基材を有する両面テープ、或いは、ノンサポート型粘着テープであるようにしたものである。
請求項に係る発明は、請求項3又は4に係る発明において更に、前記保持パッドにおけるポリウレタン樹脂シートの保持面の上に、可撓性樹脂シートが粘着剤で貼り付けられ、該保持パッドが樹脂基材の上に貼り付けられるようにしたものである。
本発明によれば、保持パッドが両面テープを構成する高剛性のテープ基材を有しないため、巻回した際の巻き径を小さくすることができ、同時に重量増加が抑制されることで、輸送・保管コストの削減ができる。また、巻回体として保管や運搬される段階でポリウレタン樹脂シートの保持面にテープ基材由来の傷付きを回避することができる。
保持パッドは、定盤に接着された両面テープの上に貼り付けられた樹脂基材の上に容易に貼り付けられる。また、このようにして定盤の上に貼り付けられて研磨加工に供された保持パッドの使用後に、保持パッドは樹脂基材とともに定盤から剥離される。このとき、剥離操作力は高剛性の樹脂基材を介して両面テープの全域に安定的に伝わり、保持パッドは定盤に糊残しなく該定盤の上から容易に剥離できる。
図1は実施例1の保持パッドと、該保持パッドを定盤の上に貼り付けるための樹脂基材とを示す模式図である。図1(A)は該保持パッドと樹脂基材を定盤に貼り付けるプロセスを示し、図1(B)は定盤上に保持パッドが貼り付けられた状態を示す。 図2は実施例2の保持パッドを示す模式図である。
1.保持パッドの特徴的構成及び作用
(1)大型ガラス基板等の大型被研磨物の研磨加工に際し、保持パッドを定盤の上に貼り付ける接着手段として、ポリウレタン樹脂シートの保持面の反対面側に並んで接着される複数枚のノンサポート型粘着テープを用いるものであり、入手困難な大型の両面テープを調達する必要がなく、簡易である。
また、樹脂基材を定盤の上に貼り付ける接着手段として、定盤に並んで接着される複数枚の両面テープ(基材を有する両面テープ又はノンサポート型粘着テープ)を用いるものであり、入手困難な大型の両面テープを調達する必要がなく、簡易である。
(2)保持パッドは、定盤の上に貼り付けられる前段階で、ポリウレタン樹脂シート及びノンサポート型粘着テープとともに、剥離紙や薄肉のプラスチックフィルム等からなる低剛性の剥離フィルムを有する。従って、保持パッドが一定の剛性を備え、巻物状とするときに巻姿がつぶれることなく巻回でき、保管や運搬時の取扱い性が良い。また、両面テープの基材がないため保持パッドの厚みを薄くでき、巻き径を小さくできる。例えば、巻き径が半分にできると同スペースで4倍の保持パッドの保管や運搬が可能となり、このことにより保管や運搬時のスペースを省スペース化及び低コスト化することができる。
(3)保持パッドが、ポリウレタン樹脂シートの保持面の反対面側に粘着層のみで構成されるノンサポート型粘着テープを接着されるとともに、該ノンサポート型粘着テープのポリウレタン樹脂シートが接着される面の反対面側に低剛性の剥離フィルムが接着されて構成される。従って、保持パッドは、両面テープを構成する高剛性のテープ基材を有さず、低剛性で柔らかい剥離フィルムを有するものであり、巻物となる保管や運搬段階でポリウレタン樹脂シートの保持面にテープ基材由来の傷付きを生ずるおそれがない。
(4)保持パッドは、定盤に両面テープを介して貼り付けられている樹脂基材の上に容易に貼り付けられる。また、このようにして定盤の上に貼り付けられて研磨加工に供された保持パッドの使用後に、保持パッドは樹脂基材とともに定盤から剥離される。このとき、剥離操作力は高剛性の樹脂基材を介して両面テープの全域に安定的に伝わり、保持パッドは定盤に糊残りなく該定盤の上から容易に剥離できる。また、保持パッドと樹脂基材を分離して輸送できるためそれぞれの巻き径を小さくすることができ、物流コストを大幅に削減することができる。
(5)保持パッドは、ポリウレタン樹脂シートの上に、可撓性樹脂シートが貼り付けられる。従って、保持パッドが定盤の上に両面テープを介して貼り付けられている樹脂基材の上に貼り付けられるとき、並列するノンサポート型粘着テープの継ぎ目に接しているポリウレタン樹脂シートの伸びを抑止し、ポリウレタン樹脂シートの保持面に皺が入るのを防止できる。
2.保持パッドの製造方法
本発明の保持パッドを製造する方法として、代表的な方法を以下に説明する。該方法は、少なくとも以下の構成:
準備工程
塗布工程
凝固再生工程
洗浄・乾燥工程
研削処理工程
第1ラミネート加工工程
を含んでいる。更に、第2ラミネート加工工程を含んでも良い。
(準備工程)
準備工程では、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂を溶解可能な水混和性の有機溶媒のN,N-ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する。)及び添加剤を混合する。水混和性の有機溶媒としては、水と任意の割合で混ざり合う有機溶媒であれば良く、DMF以外に、例えばN,N-ジメチルアセトアミド等を用いても良い。ポリウレタン樹脂には、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系等の樹脂から数平均分子量が5,000~100,000の範囲のものを選択して用い、例えば、ポリウレタン樹脂が30重量%となるようにDMFに溶解させる。ポリウレタン樹脂の分子量を制限することにより、凝固再生工程において、ポリウレタン樹脂の分子移動を円滑にすることができる。添加剤としては、発泡の平均厚さ方向の長さや単位体積あたりの個数を制御するため、カーボンブラック等の顔料、発泡の形成を促進させる親水性添加剤及びポリウレタン樹脂の凝固再生を安定化させる疎水性添加剤等を用いることができる。得られた溶液を減圧下で脱泡してポリウレタン樹脂溶液を得る。
(塗布工程)
塗布工程では、準備工程で得られたポリウレタン樹脂溶液を常温下でナイフコータ等により帯状の成膜基材に略均一となるように、連続的に塗布する。このとき、ナイフコータ等と成膜基材との間隙(クリアランス)を調整することで、ポリウレタン樹脂溶液の塗布厚さ(塗布量)が調整される。成膜基材にはPET樹脂等の樹脂製の不織布やフィルムを用いることができるが、本例では、成膜基材としてPET製フィルムが用いられる。
(凝固再生工程)
凝固再生工程では、成膜基材に塗布されたポリウレタン樹脂溶液が、ポリウレタン樹脂に対して貧溶媒である水を主成分とする凝固液(水系凝固液)に案内される。本例では、凝固液として、水を用い、温度が10~50℃の範囲に設定されている。凝固液中では、まず、ポリウレタン樹脂溶液の表面側に緻密なスキン層が形成される。その後、スキン層を通じてポリウレタン樹脂溶液中のDMFと凝固液との置換の進行によりポリウレタン樹脂が成膜基材上にシート状に凝固再生されて発泡が形成された樹脂シートが形成される。ポリウレタン樹脂溶液からDMFが脱溶媒し、DMFと水とが置換することで、発泡及び微細孔が網目状に連通する。
(洗浄・乾燥工程)
洗浄・乾燥工程では、凝固再生工程で凝固再生したシート状のポリウレタン樹脂(以下、成膜樹脂という。)を成膜基材から剥離し、水等の洗浄液中で洗浄してポリウレタン樹脂中に残留するDMFを除去する。洗浄後、成膜樹脂をシリンダ乾燥機で乾燥させる。シリンダ乾燥機は内部に熱源を有するシリンダを備えている。成膜樹脂がシリンダの周面に沿って通過することで乾燥する。乾燥後の成膜樹脂は、ロール状に巻き取られる。
(研削処理工程)
研削処理工程では、成膜樹脂の表面に形成されたスキン層と反対の面側にバフ処理等の研削処理を施す。即ち、圧接治具の略平坦な表面を成膜樹脂のスキン層の表面に圧接し、スキン層と反対の面側に研削処理を施す。研削処理には、バフ機やスライス機等を用いることができる。これにより、成膜樹脂の厚みが均一化され、ポリウレタン樹脂シートが得られる。
(第1ラミネート加工工程)
第1ラミネート加工工程は、研削処理工程で得られたポリウレタン樹脂シートの保持面の反対面側に複数枚のノンサポート型粘着テープをラミネート機により並ばせて貼り合わせる。ノンサポート型粘着テープのポリウレタン樹脂シートが接着される面の反対面側は剥離フィルムで覆われている。ノンサポート型粘着テープには、いずれも、同質のアクリル系粘着剤が用いられている。また、ノンサポート型粘着テープは、厚さが同じに形成されており、同一面を形成している。
(第2ラミネート加工工程)
第2ラミネート加工工程は、必要により採用され、第1ラミネート加工工程を経て得られた(又は第1ラミネート加工工程の前段階でも可)ポリウレタン樹脂シートの保持面の上に粘着剤を有する可撓性樹脂シートを、粘着剤を介してラミネート機により貼り合わせる。粘着剤の粘着力は、0.05~1.0N/25mmであることが好ましく、0.1~0.5N/25mmであることがより好ましい。粘着力は、JIS Z 0237に基づき測定された値である。可撓性樹脂シートは研磨加工前まで貼り付けられ、粘着剤が上記範囲にあると保持面に粘着剤を残すことなく、粘着剤を可撓性樹脂シートとともに剥離することができる。可撓性樹脂シートはポリオレフィンシート(ポリエチレンシート、ポリプロピレンシート等)、ポリ塩化ビニルシート、ポリエステルシートから選択されるシートである。これらの中でも、ポリオレフィンシートであることが更により好ましく、ポリエチレンシートであることが特に好ましい。粘着剤を有する可撓性樹脂シートは、ノンサポート型粘着テープの継ぎ目に接する部分のポリウレタン樹脂シートを覆うように、1枚、乃至、複数枚並列して貼り付けられる。つまり、ノンサポート型粘着テープの継ぎ目位置と粘着性を有する可撓性樹脂シートの継ぎ目位置は厚み方向から見たときに重複しない位置に配される。
尚、このようにして製造されたポリウレタン樹脂シートの表面には緻密な微多孔が形成された厚さ数μm程度の表面層(スキン層)が形成される。スキン層とは、湿式成膜時に緻密な微多孔が形成された表皮層であり、湿式成膜に伴う溶剤抽出の痕跡として半透膜が形成されている。このスキン層に形成された半透膜に水等を含ませることで、水等の表面張力が作用するため、被研磨物を密着させ被研磨物の保持が可能となる。即ち、スキン層の表面が被研磨物を保持するための保持面となる。
3.具体的実施結果
3-1.実施例1、2(図1参照)
(1)実施例1、2の保持パッド10を以下の手順で用意した。
i.湿式成膜法により得た厚さ1.0mmのポリウレタン樹脂シート11の保持面11Aに対する反対面側を全体厚みが0.8mmとなるようバフ処理した。
ii.剥離フィルム13が一面に接着された厚さ55μm、幅1500mm、長さ3500mmのノンサポート型粘着テープ12を2枚用い、2枚のノンサポート型粘着テープを隙間が生じないように(又は僅かな隙間を介して)、上述iのポリウレタン樹脂シートのバフ処理面に並べて貼り合わせ、幅3000mm×長さ3500mmの矩形の保持パッド10を製造した。
iii.上述iiで製造した保持パッド10を5回巻いた巻物とし、1日静置した。(実施例1)
上述iiで製造した保持パッド10を10回巻いた巻物とし、1日静置した。(実施例2)
(2)厚み188μm、幅3000mm、長さ3500mmのPETフィルムからなる樹脂基材20の片面に、幅1500mm、長さ3500mmの2枚の両面テープ21が隙間を生じないように(又は僅かな隙間を介して)並べて接着する。樹脂基材20の片面に接着された両面テープ21の剥離シートを剥離し、この樹脂基材20を定盤1の上に貼り付けた。
(3)上述(1)で製造した保持パッド10の巻回を解きながら、保持パッド10の剥離フィルム13を剥離し、保持パッド10をノンサポート型粘着テープ12の粘着層を介して上述(2)で定盤1の上に貼り付けられた樹脂基材20の上に貼り付けた。
3-2.実施例3(図2参照)
実施例1の(1)で製造された保持パッド10の保持面11Aの上に、ポリエチレンフィルムの片面に粘着剤を備えた幅1000mm、長さ3500mmの3枚の可撓性樹脂シート14をその粘着剤を介して隙間が生じないように貼り付けた。粘着剤の粘着力は0.3N/25mmであり、ポリエチレンフィルムと粘着剤の合計厚みは60μmであった。
可撓性樹脂シート14が貼り付けられた上述の保持パッド10を、実施例1の(3)と同様にして、定盤1の上に貼り付けられている樹脂基材20の上に貼り付けた。
3-3.比較例1
実施例1のポリウレタン樹脂シートのバフ処理面に、厚み188μmのPETフィルムからなるテープ基材を有する幅1500mm、長さ3500mmの両面テープを2枚並列に貼り付けたものを保持パッドとし、この保持パッドを5回巻いた巻物とし1日静置した。
上述の保持パッドの巻回を解きながら、両面テープの剥離シートを剥離し、両面テープを介して定盤の上に貼り付けた。
3-4.結果
(比較例1)
定盤に貼り付けられた保持パッドの保持面に両面テープ基材由来の皺、線状の傷を生じた。皺は両面テープの継ぎ目部分と接する保持面部分に発生しており、継ぎ目部分と接するポリウレタン樹脂が定盤貼付時に伸びたことに由来してできたものと考えられる。線状の傷は巻回体としていたときに巻き始め部分が接触していた保持面部分に発生しており、巻回体として保管していた間に両面テープの基材が接触したためにできたものと考えられる。
(実施例1、2)
実施例1、2の保持パッド10は、保持パッド10に高剛性のテープ基材を含まないことから、ポリウレタン樹脂シートの保持面にテープ基材由来の皺、線状の傷が見られなかった。特に、実施例2では比較例1の2倍の巻き数であるにもかかわらず保持面に皺や傷を生じることがなく、保持パッド巻回体の省スペース化が可能であることが示された。また、定盤1に貼り付けた後の保持パッド10は、高剛性の樹脂基材20をよりどころとして該樹脂基材20等とともに定盤1から容易に剥離でき、定盤1に糊残しなく該保持パッド10を取外しできた。
実施例3の保持パッド1は、定盤1の上に貼り付けられている樹脂基材20の上に貼り付けられる際に、剥離フィルム13の剛性に加えて可撓性樹脂シート14の剛性があるため、相隣るノンサポート型粘着テープ12の継ぎ目に接しているポリウレタン樹脂シート11の伸びを抑止し、定盤1の上に容易かつ安定的に皺を生ずることなく貼り付けることができた。
本発明によれば、ポリウレタン樹脂シートを備えた大型の保持パッドを省スペースに保管・運搬することができ保管や運搬段階でそのポリウレタン樹脂シートの品質を損なうことなく巻回可能にしながら、定盤に容易に着脱可能にすることができる。
1 定盤
10 保持パッド
11 ポリウレタン樹脂シート
12 ノンサポート型粘着テープ
13 剥離フィルム
14 可撓性樹脂シート
20 樹脂基材
21 両面テープ

Claims (5)

  1. 被研磨物を保持する保持面を備えたポリウレタン樹脂シートを有し、
    このポリウレタン樹脂シートの保持面の反対面側に複数枚のノンサポート型粘着テープが並んで接着され、各ノンサポート型粘着テープが、粘着層のみで構成されるとともに、
    該ノンサポート型粘着テープのポリウレタン樹脂シートが接着される面の反対面側に接着され、ポリウレタン樹脂シート及びノンサポート型粘着テープの定盤の側への貼り付け時に剥離されて用いられる剥離フィルムで構成される保持パッド巻回体であって、
    巻回体として、梱包、運搬、及び保管されることを特徴とする、保持パッド巻回体。
  2. 前記ポリウレタン樹脂シートの保持面の上に、可撓性樹脂シートが粘着剤で貼り付けられている請求項1に記載の保持パッド巻回体。
  3. 請求項1又は2記載の保持パッド巻回体を使用して被研磨物を研磨加工する研磨加工方法であって、
    複数枚の両面テープが並んで貼り付けられた樹脂基材がそれらの両面テープにより定盤に貼り付けられた後、前記保持パッドが剥離フィルムを剥離された各ノンサポート型粘着テープの粘着層により上記樹脂基材の上に貼り付けられて研磨加工に供される保持パッドを用いた研磨加工方法。
  4. 前記両面テープは基材を有する両面テープ、或いは、ノンサポート型粘着テープであることを特徴とする請求項3記載の研磨加工方法。
  5. 前記保持パッドにおけるポリウレタン樹脂シートの保持面の上に、可撓性樹脂シートが粘着剤で貼り付けられ、該保持パッドが樹脂基材の上に貼り付けられる請求項3又は4に記載の研磨加工方法。
JP2017164194A 2017-08-29 2017-08-29 保持パッドを用いた研磨加工方法 Active JP7025863B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017164194A JP7025863B2 (ja) 2017-08-29 2017-08-29 保持パッドを用いた研磨加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017164194A JP7025863B2 (ja) 2017-08-29 2017-08-29 保持パッドを用いた研磨加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019038090A JP2019038090A (ja) 2019-03-14
JP7025863B2 true JP7025863B2 (ja) 2022-02-25

Family

ID=65725139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017164194A Active JP7025863B2 (ja) 2017-08-29 2017-08-29 保持パッドを用いた研磨加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7025863B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004342651A (ja) 2003-05-13 2004-12-02 Tokyo Seimitsu Co Ltd ウェーハ保持用シート
JP2011005562A (ja) 2009-06-23 2011-01-13 Fujibo Holdings Inc 保持パッド
JP2011200952A (ja) 2010-03-25 2011-10-13 Fujibo Holdings Inc 保持材

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004342651A (ja) 2003-05-13 2004-12-02 Tokyo Seimitsu Co Ltd ウェーハ保持用シート
JP2011005562A (ja) 2009-06-23 2011-01-13 Fujibo Holdings Inc 保持パッド
JP2011200952A (ja) 2010-03-25 2011-10-13 Fujibo Holdings Inc 保持材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019038090A (ja) 2019-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101585706B1 (ko) 홀딩패드
JP4961191B2 (ja) 保持パッド用ポリウレタンシートの表面平坦化方法
CN103522718A (zh) 热压覆合机及其覆合方法
JP6532767B2 (ja) 貼合光学フィルムの製造方法
JP2006239786A (ja) 保持パッド
JP4889315B2 (ja) 工程用剥離シート及びその製造方法
JP7025863B2 (ja) 保持パッドを用いた研磨加工方法
CN101849202A (zh) 偏振板
JP2006062059A (ja) 保持パッド及び保持パッドの製造方法
JP5567373B2 (ja) 保持材および保持材の製造方法
JP2006062058A (ja) 仕上げ研磨用研磨布及び研磨布の製造方法
JP5216238B2 (ja) 保持パッドおよび保持パッドの製造方法
JP5297169B2 (ja) 保持パッド
JP2011020189A (ja) 被加工物保持材の製造方法および被加工物保持材
JP5297133B2 (ja) 装着材
JP2008055528A (ja) 保持パッド
JP6963446B2 (ja) 保持パッド
JP7089170B2 (ja) 研磨加工用シートの製造方法
JP5143151B2 (ja) 研磨加工方法
JP7046539B2 (ja) 保持パッド及びその搬送又は保管方法
JP5254883B2 (ja) 発泡体の製造方法
JP4611730B2 (ja) 軟質プラスチックシート及び軟質プラスチックシートの装着方法
JP6656086B2 (ja) 延伸積層体の製造方法
JP5660830B2 (ja) 保持材
JP5227533B2 (ja) 巻装体構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200715

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7025863

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250