将来の無線通信システム(例えば、LTE Rel.14以降、5G又はNRなど)では、データチャネル(DLデータチャネル及び/又はULデータチャネルを含む、単にデータ等ともいう)のスケジューリング単位として、時間長を変更可能な時間単位(例えば、スロット、ミニスロット及び所定数のシンボルの少なくとも一つ)を利用することが検討されている。
ここで、スロットは、ユーザ端末が適用するニューメロロジー(例えば、サブキャリア間隔及び/又はシンボル長)に基づく時間単位である。1スロットあたりのシンボル数は、サブキャリア間隔に応じて定められてもよい。例えば、サブキャリア間隔が15kHz又は30kHzである場合、当該1スロットあたりのシンボル数は、7又は14シンボルであってもよい。一方、サブキャリア間隔が60kHz以上の場合、1スロットあたりのシンボル数は、14シンボルであってもよい。
サブキャリア間隔とシンボル長とは逆数の関係にある。このため、スロットあたりのシンボルが同一であれば、サブキャリア間隔が高く(広く)なるほどスロット長は短くなるし、サブキャリア間隔が低く(狭く)なるほどスロット長は長くなる。
また、ミニスロットは、スロットよりも短い時間単位である。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボル(例えば、1~(スロット長-1)シンボル、一例として2又は3シンボル)で構成されてもよい。スロット内のミニスロットには、スロットと同一のニューメロロジー(例えば、サブキャリア間隔及び/又はシンボル長)が適用されてもよいし、スロットとは異なるニューメロロジー(例えば、スロットよりも高いサブキャリア間隔及び/又はスロットより短いシンボル長)が適用されてもよい。
将来の無線通信システムでは、既存のLTEシステムと異なる時間単位の導入に伴い、データ等のスケジューリングに複数の時間単位を適用して信号及び/又はチャネルの送受信(又は、割当て等)を制御することが想定される。異なる時間単位を用いてデータ等のスケジューリングを行う場合、データの送信期間/送信タイミング等が複数生じることが考えられる。例えば、複数の時間単位をサポートするユーザ端末は、異なる時間単位でスケジューリングされるデータの送受信を行う。
一例として、第1の時間単位(例えば、スロット単位)のスケジューリング(slot-based scheduling)と、第1の時間単位より短い第2の時間単位(例えば、非スロット単位)のスケジューリング(non-slot-based scheduling)を適用することが考えられる。非スロット単位は、ミニスロット単位又はシンボル単位としてもよい。なお、スロットは例えば7シンボル又は14シンボルで構成され、ミニスロットは1~(スロット長-1)シンボルで構成できる。
この場合、データのスケジューリング単位に応じて、時間方向におけるデータの送信タイミング/送信期間が異なる。例えば、スロット単位でスケジューリングする場合、1スロットに1つのデータが割当てられる。一方で、非スロット単位(ミニスロット単位又はシンボル単位)でスケジューリングする場合、1スロットの一部の領域に選択的にデータが割当てられる。そのため、非スロット単位でスケジューリングする場合、1スロットに複数のデータの割当てが可能となる。
また、将来の無線通信システムでは、データ等のスケジューリングを柔軟(フレキシブル)に制御するために、データ等の送信タイミング/送信期間をスケジューリング(送信)毎に変更可能とすることが想定される。例えば、非スロット単位スケジューリングでは、データ(例えば、PDSCH及び/又はPUSCH)はスケジューリング毎にいずれかのシンボルから割当て位置が開始され、所定数のシンボルに渡って配置される。
送信タイミング/送信期間が可変に制御されるデータ(例えば、PDSCH及び/又はPUSCH)と同様に、当該データに対するUCI(例えば、A/N)も送信毎に送信タイミング/送信期間を変更可能な構成とすることが想定される。例えば、基地局が、下り制御情報及び/又は上位レイヤシグナリング等を利用してUCIの送信タイミング/送信期間をUEに指定する。この場合、A/Nフィードバックタイミングは、当該A/Nの送信タイミング/送信期間を通知する下り制御情報及び/又は対応するPDSCHより後の期間においてフレキシブルに設定される。
このように、将来の無線通信システムでは、DLデータに対するA/Nの送信タイミング/送信期間と、PUSCHの送信タイミング/送信期間の一方又は両方を柔軟に設定することが想定される。一方で、UL伝送では、低いPAPR(Peak-to-Average Power Patio)及び/又は低い相互変調歪(IMD:inter-modulation distortion)を達成することも要求される。
UL伝送において低PAPR及び/又は低IMDを達成する方法として、UCI送信とULデータ(UL-SCH)送信が同じタイミングで生じた場合、UCIとULデータをPUSCHに多重して送信する方法(UCI piggyback on PUSCH、UCI on PUSCHとも呼ぶ)がある。
既存のLTEシステムでは、PUSCHを利用してULデータとUCI(例えば、A/N)を送信する場合、ULデータにパンクチャ処理を行い、当該パンクチャ処理されたリソースにUCIを多重する。これは、既存のLTEシステムでは、PUSCHに多重されるUCIの容量(又は、割合)がそこまで多くならないこと、及び/又は、UEにおけるDL信号の検出ミスが生じた場合でも基地局における受信処理の複雑化を抑制するためである。
データをパンクチャ処理するとは、データ用に割り当てられたリソースを使えることを想定して(又は、使用できないリソース量を考慮しないで)符号化を行うが、実際に利用できないリソース(例えば、UCI用リソース)に符号化シンボルをマッピングしない(リソースを空ける)ことをいう。受信側では、当該パンクチャされたリソースの符号化シンボルを復号に用いないようにすることで、パンクチャによる特性劣化を抑制することができる。
将来の無線通信システムでも、既存のLTEシステムと同様にUCI on PUSCHを行うことが考えられる。しかし、上述したようにULデータ及び/又はUCIの送信タイミング/送信期間が送信毎に変更して制御される場合、複数のUCIとULデータの送信が重複するケース等が生じ得る。つまり、将来の無線通信システムでは、既存のLTEシステムと比較して、上り共有チャネルに多重するUCIの容量(ペイロード)が増加するケースが想定される。
この場合、データ及び/又はUCIの送信タイミング/送信期間が固定的に設定されることを前提としている既存のLTEシステムと同様にUCI on PUSCHを適用すると通信品質が劣化するおそれがある。例えば、PUSCHに多重するUCIのペイロードが大きい場合にULデータにパンクチャ処理を適用する場合、符号化するビット領域の多くの部分に符号化シンボルがマッピングされない(空となる)おそれがある。つまり、符号化したULデータのビット領域で利用できないリソース部分が多くなり、UCIのペイロードが小さい場合と比較して符号化率が低くなり通信品質が劣化するおそれがある。
本発明者等は、PUSCHを利用してULデータとUCIを送信する場合に、ULデータにレートマッチング処理を適用できる点に着目し、通信条件等に基づいてパンクチャ処理とレートマッチング処理のいずれか一方を選択して適用することを着想した。
データをレートマッチング処理するとは、実際に利用可能な無線リソースを考慮して、符号化後のビット(符号化ビット)の数を制御することをいう。実際に利用可能な無線リソースにマッピング可能なビット数よりも符号化ビット数が少ない場合、符号化ビットの少なくとも一部が繰り返されてもよい。当該マッピング可能なビット数よりも符号化ビット数が多い場合、符号化ビットの一部が削除されてもよい。
ULデータにレートマッチング処理を行うことにより、実際に利用可能となるリソースを考慮するため、パンクチャ処理と比較して符号化率が高くなるように(高い性能で)符号化を行うことができる。したがって、例えば、UCIのペイロードサイズが大きい場合にパンクチャ処理にかえてレートマッチング処理を適用することにより、より高い品質でUL信号の生成が可能となるため、通信品質を向上することができる。
以下、本実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態において、UCIは、スケジューリング要求(SR:Scheduling Request)、DLデータチャネル(例えば、PDSCH:Physical Downlink Shared Channel))に対する送達確認情報(HARQ-ACK:Hybrid Automatic Repeat reQuest-Acknowledge、ACK又はNACK(Negative ACK)又はA/N等ともいう)、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)、ビームインデックス情報(BI:Beam Index)、バッファステータスレポート(BSR:Buffer Status Report)の少なくとも一つを含んでもよい。
(第1の態様)
第1の態様は、上り制御情報(UCI)とULデータ(UL-SCH)を上り共有チャネル(PUSCH)に多重する場合に、ULデータに適用する処理方法(パンクチャ処理又はレートマッチング処理)を基地局からUEに通知する場合を説明する。つまり、第1の態様では、UEは、UCI及び/又はULデータのペイロードサイズに関わらず、基地局から設定される処理方法を適用する。
図1は、PUSCHを利用してUCIの送信を行う場合(UCI on PUSCH)を示している。図1に示すように、UEは、PUSCHがスケジューリングされるスロットにおいて、当該スロットにわたって割当てられるPUCCHを利用したUCI(例えば、A/N等)送信がある場合、UCIをPUSCHに多重して送信する。
なお、図1では、スロットにわたってPUSCHが配置される場合を示しているが、これに限られず、スロットの一部の領域(1又は数シンボル)又は複数スロットにわたってPUSCHがスケジューリングされてもよい。また、図1では、PUSCHが割当てられる先頭領域にDMRSを配置する場合を示しているが、DMRSを配置する位置及び/又は数等はこれに限られない。
例えば、第2のDMRSを、スロットの途中(例えば第7シンボル等)にも挿入してもよい。このとき、UCIのマッピング位置は、第1および第2のDMRSと重複しないように設定することができる。あるいは、UCIのマッピング位置がいずれかのDMRSと重複することを許容し、重複したリソースでは、UCIまたはDMRSのいずれかをパンクチャしてもよい。UCIをパンクチャする場合、DMRSのチャネル推定精度を維持し、PUSCHの復調性能劣化を回避することができる。DMRSをパンクチャする場合、PUSCHの復調性能劣化を許容しつつ、UCIの性能劣化を回避することができる。UCIの種別に応じて、UCIをパンクチャするかDMRSをパンクチャするかを選択してもよい。例えば、UCIがHARQ-ACKの場合、DMRSをパンクチャし、UCIがCQIの場合、UCIをパンクチャするものとしてもよい。
UEは、基地局から設定された処理方法をULデータに適用して、PUSCHに対するUCIとULデータの割当てを制御する。基地局は、ULデータに対してパンクチャ処理とレートマッチング処理のどちらを適用するかUEに通知する。基地局からUEへの通知は、上位レイヤシグナリング及び/又は物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報)等を利用して行えばよい。物理レイヤシグナリングを利用する場合、PUSCHに多重するUCIのサイズ又は割合に応じて適切な処理方法を動的に制御することができる。
<パンクチャ処理の適用>
ULデータに対する処理としてパンクチャ処理が設定された場合、UEは、UCI on PUSCHにおいて、ULデータにパンクチャ処理を行う。具体的に、UCIをPUSCHに多重する場合、UEはPUSCHのULデータ用のリソースの少なくとも一部をパンクチャし、当該パンクチャされたリソースにUCIを多重する。
UCIを多重するためにパンクチャ処理を適用するリソース量は、所定条件に基づいて調整してもよい。所定条件は、(1)多重するUCIのビット数、(2)PUSCHにスケジューリングされるULデータ量、(3)ULデータの変調・符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)及び/又は符号化率(coding rate)、(4)UCIの符号化率を調整するためのパラメータ、の少なくとも一つとすればよい。もちろん、(1)-(4)の一部の組み合わせ又は全部を考慮してパンクチャするリソース量を決定してもよい。なお、(4)の情報は、上位レイヤシグナリングでUEに通知される情報としてもよい。
ULデータにパンクチャ処理を適用する場合、仮にUEがA/Nの生成元となるDL信号(DCI及び/又はDLデータ)を検出ミスしてUCIの多重を行わなくても基地局側で適切に受信処理を行うことができる。基地局は、ULデータにパンクチャされると想定して受信処理を行うため、A/NがマッピングされるはずのリソースをULデータの復調に利用しないように制御するためである。
<レートマッチング処理の適用>
ULデータに対する処理としてレートマッチング処理が設定された場合、UEは、UCI on PUSCHにおいて、ULデータにレートマッチング処理を行う。具体的に、UEは、UCIをPUSCHに多重する場合、PUSCHのULデータ用のリソースの少なくとも一部をレートマッチングし、当該レートマッチングされたリソースにUCIを多重する。
UCIを多重するためにレートマッチング処理を適用するリソース量は、所定条件に基づいて調整してもよい。所定条件は、(1)多重するUCIのビット数、(2)PUSCHにスケジューリングされるULデータ量、(3)ULデータの変調・符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)及び/又は符号化率(coding rate)、(4)UCIの符号化率を調整するためのパラメータ、の少なくとも一つとすればよい。もちろん、(1)-(4)の一部の組み合わせ又は全部を考慮してレートマッチングするリソース量を決定してもよい。なお、(4)の情報は、上位レイヤシグナリングでUEに通知される情報としてもよい。
ULデータにレートマッチング処理を適用する場合、パンクチャ処理を行う場合と比較してULデータの符号化率が高くなるように符号化することができる。特に、PUSCHに多重するUCIのサイズが大きい場合、パンクチャ処理より高い品質でUL送信を行うことができる。
(第2の態様)
第2の態様は、上り制御情報(UCI)とULデータ(UL-SCH)を上り共有チャネル(PUSCH)に多重する場合に、ULデータに適用する処理方法(パンクチャ処理又はレートマッチング処理)を所定条件に基づいて決定する場合を説明する。所定条件としては、少なくともUCIのペイロードサイズが考慮されたパラメータとすればよい。つまり、第2の態様では、UEは、少なくともUCIのペイロードサイズに基づいて、処理方法を選択してULデータに適用する。
以下に、所定条件として、UCIのペイロードサイズを利用する場合と、UCIのペイロードサイズとULデータのペイロードサイズの割合(又は、PUSCHに対するUCIの割合)を利用する場合について示す。もちろん、所定条件はこれに限られず、少なくともUCIのペイロードサイズが考慮されているパラメータであれば適用できる。
例えば、UCIのペイロードサイズを所定条件とする場合、当該UCIのペイロードサイズが所定値を超えるか否かに応じて適用する処理方法を決定する(図2参照)。所定値は、UCI種別毎(例えば、A/N、CSI、又はSR毎)に定義又は設定してもよいし、PUSCHを利用して送信するUCI合計について定義又は設定してもよい。また、所定値は仕様で固定的に定義してもよいし、上位レイヤシグナリング等を利用してUEに設定してもよい。
また、所定条件は、当該UEがPUSCHの送信を行う際の部分帯域(Bandwidth part)の設定情報(例えば、ニューメロロジー、中心周波数、帯域幅)と紐づいていてもよい。例えば、当該UEに対しPUSCH送信向けに複数の部分帯域が設定されている場合、いずれの部分帯域に基づくPUSCH送信を行うかに応じて、1つの所定条件を選択するものとしてもよい。
UEは、UCIのペイロードサイズが所定値以下の場合、UEはPUSCHの一部のULデータにパンクチャを適用し、UCIをPUSCHに多重する(図2A参照)。一方で、UCIのペイロードサイズが所定値を超える場合、PUSCHの一部のULデータにレートマッチングを適用し、UCIをPUSCHに多重する(図2B参照)。
このように、UCIのペイロードサイズが大きい(所定値を超える)場合にレートマッチングを適用することにより、パンクチャを適用する場合と比較してULデータの符号化率を高くしてUL送信を行うことができる。これにより、全てのUCI on PUSCHにパンクチャ処理を適用する場合と比較して通信品質を向上することができる。
UCIのペイロードサイズとULデータのペイロードサイズの割合(例えば、UCIペイロード/UL-SCHペイロード)を所定条件とする場合、当該割合が所定値を超えるか否かに応じて適用する処理方法を決定してもよい(図3参照)。この場合、UEは、スケジューリングされるPUSCH(又は、ULデータ)の送信期間及び/又は割当て領域と、当該PUSCHに多重するUCIのサイズを考慮してULデータに適用する処理方法を選択する。
UEは、UCIのペイロードサイズとULデータのペイロードサイズの割合が所定値以下の場合、UEはPUSCHの一部のULデータにパンクチャを適用すると共に、UCIをPUSCHに多重する(図3A参照)。一方で、UCIのペイロードサイズとULデータのペイロードサイズの割合が所定値を超える場合、PUSCHの一部のULデータにレートマッチングを適用すると共に、UCIをPUSCHに多重する(図3B参照)。
このように、UCIのペイロードサイズに加えてULデータのペイロードサイズも考慮することにより、スケジューリングされるPUSCHのリソース量も考慮してULデータに適用する処理方法を決定できる。これにより、PUSCHの送信期間及び/又は割当て領域が動的に変化する場合でもより適切な処理方法を選択してUL送信を制御できる。
(第3の態様)
第3の態様は、UCI on PUSCHにおいてPUSCHのULデータにレートマッチング処理を適用する場合に、UCIとULデータ(又は、ULデータ送信時と、ULデータ+UCI送信時)に異なる条件(パラメータ)を適用する場合について説明する。
ULデータにレートマッチングを適用してUCI(例えば、A/N)をPUSCHに多重する場合、A/Nに対応する(A/Nの生成元となる)DL信号を検出ミスした場合、基地局がどのようにUEの検出ミスを認識するかが問題となる。ここで、A/Nに対応する(A/Nの生成元となる)DL信号は、DLデータ及び/又はDLデータをスケジューリングするDCIを指す。
通常、基地局は、UCI on PUSCHにおいてレートマッチング処理の適用が設定される場合、UEがPUSCHのULデータをレートマッチングしてUCIを多重すると想定してUEから送信されるPUSCHの受信処理を行う。一方で、UEがDL信号(例えば、DLデータをスケジューリングするDCI)を検出ミスした場合、UEはUCI(A/N)の送信(UCI on PUSCH)を行わない。そのため、UEは、ULデータに対してA/N用のレートマッチング処理(UCI on PUSCH)を行わずにPUSCHを送信する。
UEがDL信号を検出ミスした際に基地局でPUSCHを適切に受信するためには、基地局がUEの検出ミスも想定して受信処理を行うことが必要となる。例えば、基地局側でUCIの多重を考慮したレートマッチングあり(UEがDL信号を正しく受信)の場合と、レートマッチングなし(UEがDL信号を検出ミス)の場合の2通りを考慮して受信処理を行うことが考えられる。
そのため、第3の態様では、ULデータにUCI用のレートマッチング処理を適応する場合にUCIとULデータに異なる条件(パラメータ)を適用する。例えば、UCIを多重するシンボルに対してULデータと異なる条件(例えば、送信電力制御、位相シフト制御、スクランブル制御、系列制御の少なくとも一つ)を適用する。
なお、ULデータにUCI用のレートマッチング処理を適用する場合は、第1の態様における基地局からの指示、第2の態様におけるUCIペイロードサイズが所定値を超えた場合等があるが、これに限られない。
以下に、UCIとULデータ(又は、ULデータ送信時と、ULデータ+UCI送信時)に異なる条件を適用する場合の態様について説明する。以下に示す複数の条件(送信電力制御、位相シフト制御、スクランブル制御、系列制御)は、一つのみ適用してもよいし、組み合わせて適用してもよい。また、UEは、基地局からの指示に基づいて適用する条件を選択してもよい。
<送信電力制御>
UEは、PUSCHに多重するULデータとUCI(例えば、UCIを含むシンボル)に異なる電力を適用する。例えば、UCIを多重するシンボルに対してパワーブースティングを選択的に適用する(図4A参照)。図4Aでは、PUSCHに含まれるシンボルのうち、UCIを多重するシンボルにパワーブースティングを適用し、その他のシンボル(例えば、ULデータを多重するシンボル等)より送信電力を高く設定する場合を示している。
基地局は、UEから送信されるPUSCHにおいて、パワーブースティングが適用されているシンボル有無に応じてUCI(例えば、A/N)が多重されているか否か、又はULデータにレートマッチング処理が行われているか否かを判断することができる。
例えば、基地局は、パワーブースティングが適用されたシンボルがPUSCHに含まれている場合、UEがULデータにレートマッチングを適用してUCIを送信している(UEが少なくともDCIを検出している)と判断して受信処理を行う。一方で、PUSCHにパワーブースティングが適用されたシンボルが含まれていない場合、UEがPUSCHにUCIを多重していない(例えば、UEがDCIを検出ミスした、又はULデータにUCI用のレートマッチング処理を行っていない)と判断して受信処理を行う。
<位相シフト制御>
UEは、PUSCHに多重するULデータとUCI(UCIを含むシンボル)に異なる位相シフト(phase-shifting)を適用する。例えば、PUSCHにおいて、UCIが配置されるシンボルに対して、その他のシンボルと異なる位相シフトを適用する(図4B参照)。図4Bでは、所定の変調方式(例えば、QPSK)において、ULデータ用の配置(constellation)と、UCI用の配置を異なる構成とする(ULデータ用の配置とUCI用の配置を45度ずらした構成とする)場合を示している。
基地局は、UEから送信されるPUSCHにおいて、UCI用のQPSK配置が適用されるシンボル有無に応じてUCI(例えば、A/N)が多重されているか否か、又はULデータにレートマッチング処理が行われているか否かを判断することができる。
例えば、基地局は、UCI用のQPSK配置が適用されたシンボルがPUSCHに含まれている場合、UEがULデータにレートマッチングを適用してUCIを送信している(UEが少なくともDCIを検出している)と判断して受信処理を行う。一方で、UCI用のQPSK配置が適用されたシンボルがPUSCHに含まれていない場合、UEがPUSCHにUCIを多重していない(例えば、UEがDCI検出ミスした、又はULデータにUCI用のレートマッチング処理を行っていない)と判断して受信処理を行う。
<スクランブル>
UEは、PUSCHに多重するULデータとUCI(UCIを含むシンボル)に異なるスクランブルを適用する。基地局は、UEから送信されるPUSCHにおいて、UCI用のスクランブルが適用されているシンボル有無に応じてUCI(例えば、A/N)が多重されているか否か、又はULデータにレートマッチング処理が行われているか否かを判断することができる。
例えば、基地局は、UCI用のスクランブルが適用されたシンボルがPUSCHに含まれている場合、UEがULデータにレートマッチングを適用してUCIを送信している(UEが少なくともDCIを検出している)と判断して受信処理を行う。一方で、UCI用のスクランブルが適用されたシンボルがPUSCHに含まれていない場合、UEがPUSCHにUCIを多重していない(例えば、UEがDCIを検出ミスした、又はULデータにUCI用のレートマッチング処理を行っていない)と判断して受信処理を行う。
<系列>
UEは、PUSCHにUCIを多重しない(ULデータだけ多重する)場合と、UCIを多重する(UCI+ULデータを多重する)場合に、ULの復調用参照信号に異なる系列を適用する。例えば、UEは、PUSCHにUCIを多重する場合に所定の系列を適用したDMRSを送信する。なお、ULの復調用参照信号(DMRS)に適用する系列は、サイクリックシフト及び/又は直交符号系列としてもよい。
基地局は、UEから送信されるPUSCHにおいて、所定の系列が適用されたDMRSの有無に応じてUCI(例えば、A/N)が多重されているか否か、又はULデータにレートマッチング処理が行われているか否かを判断することができる。
例えば、基地局は、所定の系列が適用されたDMRSがPUSCHに含まれている場合、UEがULデータにレートマッチングを適用してUCIを送信している(UEが少なくともDCIを検出している)と判断して受信処理を行う。一方で、所定の系列が適用されたDMRSがPUSCHに含まれていない場合、UEがPUSCHにUCIを多重していない(例えば、UEがDCIを検出ミスした、又はULデータにUCI用のレートマッチング処理を行っていない)と判断して受信処理を行う。
このように、UCIとULデータ(又は、ULデータ送信時と、ULデータ+UCI送信時)に異なる条件を適用することにより、基地局はUEがPUSCHに対してUCIを多重しているか否かを判断することができる。これにより、基地局は、PUSCHのULデータにUCI用のレートマッチング処理が適用されているか否かを判断して受信処理を行うことができる。
<物理レイヤシグナリング通知>
また、基地局及び/又はUEは、物理レイヤシグナリング(L1シグナリング)に基づいて、UEがレートマッチングを適用するか否かを判断してもよい。例えば、基地局は、UEにUL DAI(Downlink Assignment Indicator(Index))を通知し、UEが当該DAIに基づいてDCIの検出ミスを判断してULデータに対するレートマッチング処理を制御する。
UL DAIは、所定数(所定グループ)で構成されるスケジューリング単位(例えばスロット、1つ又は複数のシンボルからなるミニスロット、コンポーネントキャリア、部分帯域(BWP)等)のうち、DL割当て(DL assignment)又は当該DL割り当てに基づきDLデータがスケジューリングされるスケジューリング単位数を示すインデックスである。つまり、UL DAIを利用することにより、DLデータがスケジューリングされるスケジューリング単位数をUEに通知できる。UEは、UL DAIに基づいて、DCIの検出ミス(A/NをフィードバックすべきDLデータの存在)の有無に関わらず、ULデータのレートマッチリソース数量を把握することができる。
なお、UEは、UL DAIの値に関わらず、UCI(A/N)ビットの数を決定してもよい。この場合、UL DAIはUCIに割り当てる(ULデータをレートマッチする)リソース数量を指示し、実際のUCI(A/N)ビット数は、DL割り当ての数またはDL割り当てに基づきスケジューリングされるDLデータ(例えばTB)の数に基づいて決定することができる。
あるいは、UL DAIの値に基づいて、UCI(A/N)ビットの数を決定するものとしてもよい。この場合、UL DAIの値と自端末で認識したDCIの検出数(A/NをフィードバックすべきDLデータの数)を比べることで、DCIの検出ミスの有無を把握することができる。
例えば、UEは、UL DAIに応じてDCIの検出ミス(A/NをフィードバックすべきDLデータの存在)を把握した場合、送信すべきA/NのタイミングにおいてNACKをフィードバックする。そのため、送信すべきA/Nのタイミングが、PUSCH設定サブフレーム(又は、(ミニ)スロット)と重複する場合、UEはULデータをレートマッチングしてPUSCHにUCI(ここでは、NACK)を多重して送信を制御する。
このように、UL DAIを利用することにより、DCIの検出ミスに関わらずUEがレートマッチング処理を適切に選択してUL送信を行うことができる。
(無線通信システム)
以下、本実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記各態様に係る無線通信方法が適用される。なお、上記各態様に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
図5は、本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。なお、無線通信システム1は、SUPER 3G、LTE-A(LTE-Advanced)、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、NR(New RAT)などと呼ばれても良い。
図5に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12a~12cとを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。セル間で異なるニューメロロジーが適用される構成としてもよい。なお、ニューメロロジーとは、あるRATにおける信号のデザイン、及び/又は、RATのデザインを特徴付ける通信パラメータのセットのことをいう。
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、2個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用することができる。また、ユーザ端末は、複数のセルとしてライセンスバンドCCとアンライセンスバンドCCを利用することができる。
また、ユーザ端末20は、各セルで、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)又は周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)を用いて通信を行うことができる。TDDのセル、FDDのセルは、それぞれ、TDDキャリア(フレーム構成タイプ2)、FDDキャリア(フレーム構成タイプ1)等と呼ばれてもよい。
また、各セル(キャリア)では、相対的に長い時間長(例えば、1ms)を有するサブフレーム(TTI、通常TTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ロングサブフレーム、スロット等ともいう)、又は、相対的に短い時間長を有するサブフレーム(ショートTTI、ショートサブフレーム、スロット等ともいう)のいずれか一方が適用されてもよいし、ロングサブフレーム及びショートサブフレームの双方が適用されてもよい。また、各セルで、2以上の時間長のサブフレームが適用されてもよい。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHz、30~70GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
各ユーザ端末20は、LTE、LTE-Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでもよい。また、ユーザ端末20は、他のユーザ端末20との間で端末間通信(D2D)を行うことができる。
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンク(DL)にOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用でき、上りリンク(UL)にSC-FDMA(シングルキャリア-周波数分割多元接続)が適用できる。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC-FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られず、ULでOFDMAが用いられてもよい。また、端末間通信に用いられるサイドリンク(SL)にSC-FDMAを適用できる。
無線通信システム1では、DLチャネルとして、各ユーザ端末20で共有されるDLデータチャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel、DL共有チャネル等ともいう)、ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、L1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)の少なくとも一つなどが伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
L1/L2制御チャネルは、DL制御チャネル(例えば、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)及び/又はEPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel))、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCH及び/又はEPDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。EPDCCHは、PDSCHと周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。PHICH、PDCCH、EPDCCHの少なくとも一つにより、PUSCHの送達確認情報(A/N、HARQ-ACK)を伝送できる。
無線通信システム1では、ULチャネルとして、各ユーザ端末20で共有されるULデータチャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel、UL共有チャネル等ともいう)、UL制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報が伝送される。PDSCHの送達確認情報(A/N、HARQ-ACK)、チャネル状態情報(CSI)の少なくとも一つを含む上り制御情報(UCI:Uplink Control Information)は、PUSCH又はPUCCHにより、伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルを伝送できる。
<無線基地局>
図6は、本実施の形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されてもよい。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、レートマッチング、スクランブリング、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理及びプリコーディング処理の少なくとも一つなどの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化及び/又は逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。
本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
一方、UL信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅されたUL信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
ベースバンド信号処理部104では、入力されたUL信号に含まれるULデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定、解放などの呼処理、無線基地局10の状態管理、無線リソースの管理の少なくとも一つを行う。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して隣接無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
送受信部103は、上り共有チャネルに多重された上り制御情報を受信する。送受信部103は、上り共有チャネルに前記上りデータ及び上り制御情報を多重して送信する場合に、上りデータにパンクチャ処理とレートマッチング処理のいずれかを適用するかを指示する情報を送信する。
図7は、本実施の形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、図7は、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図7に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305とを備えている。
制御部301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、例えば、送信信号生成部302によるDL信号の生成、マッピング部303によるDL信号のマッピング、受信信号処理部304によるUL信号の受信処理(例えば、復調など)及び測定部305による測定の少なくとも一つを制御する。
具体的には、制御部301は、ユーザ端末20のスケジューリングを行う。例えば、制御部301は、上り共有チャネルの送信タイミング及び/又は送信期間と、上り制御情報の送信タイミング及び/又は送信期間を制御する。
また、制御部301は、上り共有チャネルに上りデータ及び上り制御情報を多重して送信する場合に、上りデータにパンクチャ処理とレートマッチング処理のいずれかを適用するかを制御してユーザ端末に通知してもよい。
制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号(DLデータ信号、DL制御信号、DL参照信号を含む)を生成して、マッピング部303に出力する。
送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成されたDL信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部304は、ユーザ端末20から送信されるUL信号(例えば、ULデータ信号、UL制御信号、UL参照信号を含む)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。具体的には、受信信号処理部304は、受信信号及び/又は受信処理後の信号を、測定部305に出力してもよい。また、受信信号処理部304は、制御部301から指示されるUL制御チャネル構成に基づいて、UCIの受信処理を行う。
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
測定部305は、例えば、UL参照信号の受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))及び/又は受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality))に基づいて、ULのチャネル品質を測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
<ユーザ端末>
図8は、本実施の形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。
複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、それぞれアンプ部202で増幅される。各送受信部203はアンプ部202で増幅されたDL信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などの少なくとも一つを行う。DLデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤ及びMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。
一方、ULデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御処理(例えば、HARQの処理)、チャネル符号化、レートマッチング、パンクチャ、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などの少なくとも一つが行われて各送受信部203に転送される。UCI(例えば、DL信号のA/N、チャネル状態情報(CSI)、スケジューリング要求(SR)の少なくとも一つなど)についても、チャネル符号化、レートマッチング、パンクチャ、DFT処理及びIFFT処理などの少なくとも一つが行われて各送受信部203に転送される。
送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
また、送受信部203は、上り共有チャネルの送信期間と、上り制御情報の送信期間の少なくとも一部が重複する場合に、上り共有チャネルを利用して上り制御情報を送信する。また、送受信部203は、上り共有チャネルに前記上りデータ及び上り制御情報を多重して送信する場合に、上りデータにパンクチャ処理とレートマッチング処理のいずれかを適用するかを指示する情報を受信してもよい。
送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。また、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
図9は、本実施の形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図9においては、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図9に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を備えている。
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、例えば、送信信号生成部402によるUL信号の生成、マッピング部403によるUL信号のマッピング、受信信号処理部404によるDL信号の受信処理及び測定部405による測定の少なくとも一つを制御する。
また、制御部401は、上り共有チャネルを利用した上り制御情報の送信を制御する。例えば、制御部401は、上り共有チャネルに上りデータ及び上り制御情報を多重して送信する場合に、基地局からの指示及び/又は所定条件に基づいて、上りデータにパンクチャ処理とレートマッチング処理のいずれか一方を選択して適用するように制御する。
また、制御部401は、上りデータと上り制御情報のペイロードに関わらず基地局からの通知に基づいてパンクチャ処理とレートマッチング処理のいずれか一方を選択してもよい(図1参照)。あるいは、制御部401は、上りデータ及び/又は上り制御情報のペイロードに基づいてパンクチャ処理とレートマッチング処理のいずれか一方を選択してもよい(図2、図3参照)。
また、制御部401は、上り制御情報のビット数と、上り共有チャネルにスケジューリングされる上りデータのリソース量と、上りデータ及び/又は上り制御情報の符号化率との少なくとも一つに基づいて、パンクチャ処理又はレートマッチング処理を行う上りデータのリソース量を制御してもよい。
また、制御部401は、上りデータにレートマッチング処理を適用して上りデータ及び上り制御情報を上り共有チャネルに多重する場合、上り制御情報に対して上りデータと異なる条件を適用してもよい(図4等参照)。
制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号(ULデータ信号、UL制御信号、UL参照信号、UCIを含む)を生成(例えば、符号化、レートマッチング、パンクチャ、変調など)して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成されたUL信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部404は、DL信号(DLデータ信号、スケジューリング情報、DL制御信号、DL参照信号)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。受信信号処理部404は、無線基地局10から受信した情報を、制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、報知情報、システム情報、RRCシグナリングなどの上位レイヤシグナリングによる上位レイヤ制御情報、物理レイヤ制御情報(L1/L2制御情報)などを、制御部401に出力する。
受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
測定部405は、無線基地局10からの参照信号(例えば、CSI-RS)に基づいて、チャネル状態を測定し、測定結果を制御部401に出力する。なお、チャネル状態の測定は、CC毎に行われてもよい。
測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
<ハードウェア構成>
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線を用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。
例えば、本実施の形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図10は、本実施の形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、1以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004を介する通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD-ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び/又は時分割複信(TDD:Time Division Duplex)を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアを用いて各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
(変形例)
なお、本明細書において説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
また、無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)によって構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジーに依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
さらに、スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルなど)によって構成されてもよい。また、スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。また、スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及び/又はTTIは、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、無線基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、及び/又はコードワードの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、及び/又はコードワードがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、又はロングサブフレームなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、又は、サブスロットなどと呼ばれてもよい。
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックによって構成されてもよい。なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
また、本明細書において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスによって指示されてもよい。
本明細書においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。例えば、様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)など)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
本明細書において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ、及び/又は下位レイヤから上位レイヤへ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
情報の通知は、本明細書において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
なお、物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))を用いて通知されてもよい。
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
本明細書においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「eNB」、「gNB」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」及び「コンポーネントキャリア」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び/又は基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
本明細書においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」及び「端末」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(D2D:Device-to-Device)の通信に置き換えた構成について、本発明の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の無線基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を無線基地局10が有する構成としてもよい。
本明細書において、基地局によって行われるとした動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)を含むネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
本明細書において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本明細書において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本明細書において使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
本明細書において使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」と読み替えられてもよい。
本明細書において、2つの要素が接続される場合、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び/又は光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本明細書において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も同様に解釈されてもよい。
本明細書又は請求の範囲において、「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本発明は、請求の範囲の記載に基づいて定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とし、本発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。