次に、本開示を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本実施形態の部品実装システム10の構成の概略を示す構成図であり、図2は部品実装機20の構成の概略を示す構成図であり、図3はフィーダ30の構成の概略を示す構成図である。また、図4はローダ50の構成の概略を示す構成図であり、図5は部品実装システム10の制御に関する構成図である。なお、図1の左右方向がX方向であり、前後方向がY方向であり、上下方向がZ方向である。
部品実装システム10は、図1に示すように、印刷機12と、印刷検査機14と、複数の部品実装機20と、実装検査機(図示略)と、ローダ50と、ライン内保管庫60と、管理装置80とを備える。印刷機12は、基板S上にはんだを印刷する。印刷検査機14は、印刷機12で印刷されたはんだの状態を検査する。部品実装機20は、基板Sの搬送方向(X方向)に沿って複数並べて設置され、フィーダ30から供給された部品を基板Sに実装する。実装検査機は、部品実装機20で実装された部品の実装状態を検査する。ローダ50は、複数の部品実装機20との間でフィーダ30を自動交換可能であり、必要なフィーダ30を取り付けたり使用済みのフィーダ30を取り外したりする。ライン内保管庫60は、部品実装機20で使用予定のフィーダ30や使用済みのフィーダ30を保管する。管理装置80は、システム全体を管理する。印刷機12と印刷検査機14と複数の部品実装機20と実装検査機は、この順番で基板Sの搬送方向に並べて設置されて生産ラインを構成する。ライン内保管庫60は、部品実装システム10の生産ライン内に組み込まれており、複数の部品実装機20のうち基板Sの搬送方向の最も上流側の部品実装機20と印刷検査機14との間に設置されている。本実施形態では、図示しない保管倉庫に保管されているフィーダ30を作業者が運搬して、ライン内保管庫60に補給したり、作業者がライン内保管庫60からフィーダ30を回収し保管倉庫まで運搬して保管倉庫に保管したりする。また、作業者は、ローダ50の自動交換を支援するため、部品実装機20にフィーダ30を取り付けたり取り外したりする。なお、部品実装システム10が、これらの装置以外に部品が実装された基板Sのリフロー処理を行うリフロー装置などを備えてもよい。
部品実装機20は、図2に示すように、基板SをX方向に搬送する基板搬送装置21と、フィーダ30が供給した部品を吸着する吸着ノズルを有するヘッド22と、ヘッド22をXY方向に移動させるヘッド移動機構23と、LCDなどのディスプレイ27(図1参照)とを備える。また、部品実装機20は、周知のCPUやROM、RAMなどで構成され装置全体を制御する実装制御装置28(図5参照)を備える。実装制御装置28は、基板搬送装置21やヘッド22、ヘッド移動機構23、ディスプレイ27などに制御信号を出力する。また、部品実装機20は、前方にフィーダ30を取り付け可能な上下2つのエリアを有する。上のエリアはフィーダ30が部品を供給可能な供給エリア20Aであり、下のエリアはフィーダ30をストック可能なストックエリア20Bである。供給エリア20Aとストックエリア20Bには、側面視がL字状に形成され、それぞれ複数のフィーダ30が取り付けられるフィーダ台40が設けられている。なお、部品実装機20がストックエリア20Bを備えないものとしてもよい。
フィーダ30は、図3に示すように、部品を所定ピッチで収容するテープを送り出すテープフィーダとして構成されている。フィーダ30は、テープが巻回されたテープリール32と、テープリール32からテープを送り出すテープ送り機構33と、2本の位置決めピン34を有するコネクタ35と、下端に設けられたレール部材37と、フィーダ制御装置39(図5参照)とを備える。なお、フィーダ台40は、図2に示すように、フィーダ30のレール部材37が挿入可能な間隔でX方向に複数配列されたスロット42と、2つの位置決め穴44と、2つの位置決め穴44の間に設けられたコネクタ45とを備える。フィーダ台40のスロット42にフィーダ30のレール部材37が挿入されて、フィーダ30の2本の位置決めピン34が2つの位置決め穴44に挿入されると、コネクタ35とコネクタ45が接続される。フィーダ制御装置39は、周知のCPUやROM、RAMなどで構成され、テープ送り機構33に駆動信号を出力する。また、フィーダ制御装置39は、コネクタ35,45の接続を介してフィーダ30の取付先の制御部(実装制御装置28や管理装置80など)と通信可能となる。
ローダ50は、図1に示すように、複数の部品実装機20の前面およびライン内保管庫60の前面に基板の搬送方向(X方向)に対して平行に設けられたX軸レール18に沿って移動可能となっている。なお、図2では、X軸レール18の図示を省略した。ローダ50は、図4,図5に示すように、ローダ移動機構51と、フィーダ移載機構53と、エンコーダ57と、左右の監視センサ58a,58bと、ローダ制御装置59とを備える。
ローダ移動機構51は、X軸レール18に沿ってローダ50を移動させるものであり、駆動用ベルトを駆動するサーボモータなどのX軸モータ52aと、X軸レール18に沿ったローダ50の移動をガイドするガイドローラ52bとを備える。フィーダ移載機構53は、フィーダ30を部品実装機20やライン内保管庫60に移載するものである。このフィーダ移載機構53は、フィーダ30をクランプするクランプ部54と、2つのクランプ部54が配設されY軸モータ55aの駆動により2つのクランプ部54を一体的にY軸ガイドレール55bに沿って前後方向(Y方向)に移動させるY軸スライダ55とを備える。フィーダ移載機構53は、2つのY軸スライダ55を備えており、2つのY軸スライダ55のそれぞれにクランプ部54が2つずつ配設されることにより、計4つのクランプ部54を2つ1組でY方向に移動させるものとなっている。また、フィーダ移載機構53は、クランプ部54およびY軸スライダ55がスライド可能に取り付けられたスライドベース56を、Z軸ガイドレール56bに沿って上下方向(Z方向)に移動させるZ軸モータ56aを備える。
エンコーダ57は、ローダ50のX方向の移動位置を検出するものである。監視センサ58a,58bは、障害物(作業者を含む)の有無を監視するためのものであり、例えば赤外線センサにより構成される。監視センサ58aは、ローダ50の左側(基板Sの搬送方向と逆側)に取り付けられており、主にローダ50よりも左側の監視領域における障害物を検知する。監視センサ58bは、ローダ50の右側(基板Sの搬送方向と同側)に取り付けられており、主にローダ50よりも右側の監視領域における障害物を検知する。ローダ制御装置59は、周知のCPUやROM、RAMなどで構成されている。ローダ制御装置59は、エンコーダ57や監視センサ58a,58bからの検知信号を入力し、ローダ移動機構51(X軸モータ52a)やフィーダ移載機構53(クランプ部54、Y軸モータ55a、Z軸モータ56a)に駆動信号を出力する。
ローダ制御装置59は、フィーダ30の自動交換を行う場合、まず、X軸モータ52aを制御して自動交換を行う部品実装機20のスロット42に、ローダ50のY軸スライダ55が対向することとなる位置までローダ50を移動させる。また、ローダ制御装置59は、部品実装機20の供給エリア20Aとの間で自動交換を行う場合には、Z軸モータ56aを制御して供給エリア20Aに対向する上部移載エリア50Aにスライドベース56(Y軸スライダ55)を移動させる。一方、ローダ制御装置59は、部品実装機20のストックエリア20Bとの間で自動交換を行う場合には、Z軸モータ56aを制御してストックエリア20Bに対向する下部移載エリア50Bにスライドベース56を移動させる。ローダ制御装置59は、ローダ50内のフィーダ30を部品実装機20に取り付ける場合には、クランプ部54でフィーダ30をクランプさせた状態で、Y軸モータ55aを制御してY軸スライダ55を部品実装機20側(後方)へ移動させる。これにより、フィーダ30のレール部材37がフィーダ台40のスロット42に挿入される。続いて、ローダ制御装置59は、クランプ部54によるフィーダ30のクランプを解除させることで、フィーダ30を部品実装機20のフィーダ台40に取り付ける。また、ローダ制御装置59は、フィーダ30を部品実装機20から取り外してローダ50内に回収する場合には、Y軸モータ55aを制御してY軸スライダ55を部品実装機20側(後方)へ移動させる。続いて、ローダ制御装置59は、フィーダ台40に取り付けられているフィーダ30をクランプ部54にクランプさせてから、Y軸モータ55aを制御してY軸スライダ55を前方へ移動させる。これにより、フィーダ30がフィーダ台40から取り外されて、ローダ50内に回収される。
ライン内保管庫60は、複数のフィーダ30を収容するために、部品実装機20に設けられるフィーダ台40と同じ構成のフィーダ台40が設けられている。ローダ50は、部品実装機20のフィーダ台40に対してフィーダ30を着脱するのと同じ動作で、ライン内保管庫60のフィーダ台40に対してフィーダ30を着脱することができる。また、ライン内保管庫60の後方には、基板SをX方向に搬送する基板搬送装置62が設けられている。基板搬送装置62は、印刷検査機14の基板搬送装置から受け取った基板Sを搬送して隣接する部品実装機20の基板搬送装置21に受け渡すことが可能となっている。
管理装置80は、図5に示すように、周知のCPU80aやROM80b、HDD80c、RAM80dなどで構成され、LCDなどのディスプレイ82と、キーボードやマウスなどの入力デバイス84とを備える。管理装置80は、基板Sの生産情報を示すジョブやフィーダ管理情報などを記憶している。ジョブには、各部品実装機20においてどの部品種の部品をどういう順番で基板Sに実装するか、また、そのように実装した基板Sを何枚作製するかなどが定められている。また、ジョブには、各部品実装機20において実装すべき部品種に対応する複数のフィーダ30を供給エリア20Aのフィーダ台40に装着する際に、実装処理に適したフィーダ30の並びを示す配置情報なども定められている。フィーダ管理情報は、各部品実装機20やライン内保管庫60が保有するフィーダ30に関する情報である。図6は、フィーダ管理情報の一例を示す説明図である。フィーダ管理情報には、図示するように、各フィーダ30が装着されるフィーダ台40のスロット番号や各スロット42に装着されているフィーダ30のフィーダID(識別情報)、各フィーダ30が保有する部品種、部品残量などが含まれる。なお、各実装制御装置28も同様に自機のフィーダ管理情報を管理している。
また、管理装置80は、実装制御装置28と有線により通信可能に接続されると共にローダ制御装置59と無線により通信可能に接続される他、印刷機12や印刷検査機14、実装検査機の各制御装置と通信可能に接続される。管理装置80は、実装制御装置28から部品実装機20の実装状況に関する情報や着脱されたフィーダ30に関する情報(着脱実績)を受信したり、ローダ制御装置59からローダ50の駆動状況に関する情報を受信したりする。管理装置80は、部品実装機20のフィーダ台40に取り付けられたフィーダ30やフィーダ台40から取り外されたフィーダ30に関する情報を実装制御装置28から受信すると、その部品実装機20のフィーダ管理情報を更新する。また、着脱されたフィーダ30が、部品実装機20に着脱すべき指示リストLに基づくものである場合には、後述するように指示リストLを更新する処理を行う。また、管理装置80は、ライン内保管庫60の基板搬送装置62に駆動信号を出力して基板搬送装置62に基板Sを搬送させる。また、管理装置80は、ライン内保管庫60のフィーダ台40に取り付けられたフィーダ30のフィーダ制御装置39とコネクタ35,45を介して通信可能に接続され、フィーダ30の情報を取得可能となっている。管理装置80は、ライン内保管庫60のフィーダ台40に取り付けられたフィーダ30やフィーダ台40から取り外されたフィーダ30に関する情報を取得すると、ライン内保管庫60のフィーダ管理情報を更新する。
こうして構成された部品実装システム10の動作について、特にフィーダ30の配置を指示する際の動作について説明する。本実施形態では、フィーダ30の配置の指示は、ローダ50に対する自動交換指示として出力されるだけでなく、作業者の認識が可能に出力されるものとなっている。図7はフィーダ配置指示関連処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、管理装置80のCPU80aにより実行される。フィーダ配置指示関連処理では、CPU80aは、まず、フィーダ30の着脱用の指示リストLを取得し(S100)、指示リストLに基づいてフィーダ30の交換指示をローダ50と部品実装機20に出力する(S110)。
図8は指示リストLに登録される着脱指示の一例を示す説明図である。指示リストLの着脱指示では、着脱すべきフィーダ30のフィーダIDと、部品種と、着脱を行う対象がライン内保管庫60および複数の部品実装機20のいずれであるかと、その対象におけるスロット番号(着脱位置)と、取り付けか取り外しかを示す着脱の種別とが対応付けられている。なお、部品種は省略してもよい。複数の部品実装機20は、例えば上流側から順に部品実装機20(1),(2),・・・とする。また、指示リストLは、基本的にはローダ50にフィーダ30の自動交換を行わせるためのリストであり、指示番号はローダ50による自動交換の順序を示す。このため、ローダ制御装置59は、指示リストLの各着脱指示の指示番号順に従って、フィーダ30の着脱を順次行うようにローダ50を制御することにより、フィーダ30の自動交換を行っていくことになる。ただし、作業者がフィーダ30の交換を行ってもよく、その場合には作業者は必ずしも指示番号通りに行う必要はなく、いずれかを選択的に行うことも可能である。図8では、例えば、指示番号1~4でライン内保管庫60のスロット番号2,5,13,19から該当するフィーダIDのフィーダ30を取り外すことが指示されている。また、指示番号1,2で取り外されたフィーダ30については、指示番号5,6で部品実装機20(1)のスロット番号4,5への取り付けが指示され、指示番号3,4で取り外されたフィーダ30については、指示番号9,10で部品実装機20(2)のスロット番号1,2への取り付けが指示されている。このように、指示リストLは、ライン内保管庫60や複数の部品実装機20で行われるフィーダ30の複数の着脱指示が登録されている。図8では説明の便宜上、各フィーダ30の移動先を矢印で示しているが、指示リストLには着脱指示があればよく、移動先を示す矢印はなくてもよい。なお、指示リストLは、管理装置80が作成してもよいし、複数の生産ラインを統括管理する上位の管理装置などが作成してもよく、HDD80cに登録されるものなどとすることができる。
また、図9はディスプレイ27に表示される着脱指示の一例を示す説明図である。これは、S110で部品実装機20に出力された着脱指示に基づいて、各部品実装機20の実装制御装置28が自機に関する着脱指示をディスプレイ27に表示する場合の一例である。図9は、部品実装機20(1)の実装制御装置28によりディスプレイ27に表示されるものを例示する。このため、図8の指示リストLのうち、ライン内保管庫60から取り外したフィーダ30(図8の指示番号1,2)を、自機である部品実装機20(1)のスロット番号4,5に取り付ける指示(図8の指示番号5,6)が表示される。また、自機である部品実装機20(1)のスロット番号7,9から取り外したフィーダ30(図8の指示番号7,8)を、ライン内保管庫60に取り付ける指示が表示される(図8の指示番号11,12)。なお、図示は省略するが、他の部品実装機20のディスプレイ27にも同様に着脱指示が表示される。このため、作業者は、各部品実装機20のディスプレイ27の表示から着脱指示を認識して、フィーダ30の交換作業を行うことができる。なお、管理装置80は、S110でディスプレイ82に指示リストLを表示したり、用紙などの紙媒体に指示リストLを印刷したりすることにより、作業者に着脱指示を認識させるものとしてもよい。また、作業者が作業用の携帯端末などを有する場合には、管理装置80から無線通信を介してその携帯端末に指示リストLを出力して、携帯端末の画面に表示させることにより、作業者に着脱指示を認識させるものとしてもよい。
CPU80aは、S110で交換指示を出力すると、各部品実装機20の実装制御装置28からフィーダ30の着脱が行われたことを示す着脱通知を受信するのを待つ(S120)。なお、実装制御装置28は、フィーダ台40に対するフィーダ30の着脱が行われると、着脱されたフィーダ30のフィーダIDと、スロット番号(着脱位置)と、取り付けか取り外しかを示す着脱の種別とが対応付けられた着脱実績を含む着脱通知を管理装置80に送信するものとする。なお、着脱実績に部品種が対応付けられていてもよい。実装制御装置28は、ローダ50および作業者のいずれによってフィーダ30の着脱が行われても、着脱通知を管理装置80に送信する。CPU80aは、S120で着脱通知を受信したと判定すると、着脱通知に含まれる着脱実績としてのフィーダIDと、スロット番号と、着脱種別とを取得する(S130)。
次に、CPU80aは、取得した着脱実績を指示リストLに登録されている着脱指示と照合して(S140)、指示リストLの着脱指示通りにフィーダ30の着脱が行われたか否かを判定する(S150)。CPU80aは、フィーダIDやスロット番号、着脱種別がいずれも着脱実績に含まれるものに一致する着脱指示が指示リストLに登録されていることにより、着脱指示通りであると判定する。CPU80aは、S150で着脱指示通りであると判定すると、該当する着脱指示を指示リストLから削除して指示リストLを更新する(S160)。そして、指示リストLの更新情報をローダ50と部品実装機20に出力する(S170)。更新情報としては、着脱指示に基づくフィーダ30の着脱が既に行われたため、当該着脱指示を削除する旨の情報が出力される。この更新情報を受けたローダ制御装置59は、既に受信済みの着脱指示から当該着脱指示を削除する。このため、ローダ50が、当該着脱指示に基づくフィーダ30の自動交換を重複して行うのを防止することができる。また、CPU80aは、S170では、削除した着脱指示にて対象とされていた部品実装機20に対して更新情報を出力するものとすればよい。更新情報を受けた部品実装機20の実装制御装置28は、ディスプレイ27の表示から当該着脱指示を削除する処理を行う。このため、作業者が、当該着脱指示に基づくフィーダ30の交換を重複して行うのを防止することができる。これらのことから、ローダ50および作業者の一方により既に行われたフィーダ30の交換を他方が行うのを適切に防止することができる。
一方、CPU80aは、S150で着脱指示通りでないと判定すると、作業者により着脱指示とは異なる着脱作業が行われたと判断して、着脱ミス対応処理を実行する(S180)。CPU80aは、S170またはS180の処理を実行すると、全てのフィーダ30の着脱が完了したか否かを判定し(S190)、完了していないと判定するとS120に戻り処理を行い、完了したと判定するとフィーダ配置指示関連処理を終了する。以下、S180の着脱ミス対応処理について説明する。
図10は着脱ミス対応処理の一例を示すフローチャートである。着脱ミス対応処理では、CPU80aは、今回の着脱ミスがフィーダ30の取り外しミスであるか否かを判定する(S200)。なお、CPU80aは、着脱指示にないフィーダ30が取り外された場合に取り外しミスなどと判定し、着脱指示にないフィーダ30が取り付けられた場合や着脱指示で指定されたスロット番号とは異なるスロット42にフィーダ30が取り付けられた場合に取り付けミスなどと判定する。CPU80aは、S200で取り外しミスでなく取り付けミスであると判定すると、取り付けミスに該当するフィーダ30を取り外し正しい位置に取り付けるための着脱指示を指示リストLに追加登録する(S210)。そして、CPU80aは、追加登録された指示リストLに基づいて、今回の取り付けミスを修正するための修正用の着脱指示を出力して(S250)、着脱ミス対応処理を終了する。なお、CPU80aは、S250の着脱指示を、ローダ50と部品実装機20に出力する。このため、作業者の取り付けミスを、ローダ50によって修正することが可能となる。また、部品実装機20の実装制御装置28がディスプレイ27に修正用の着脱指示を表示することにより、作業者がその着脱指示に基づいて修正することも可能である。
ここで、図11は指示リストLに着脱指示が追加登録される様子の説明図である。なお、図11では取り付けミスを修正するための着脱指示が追加登録された例を示す。この例では、フィーダIDが「**B5」のフィーダ30を、本来は部品実装機20(1)のスロット番号5に取り付けるべきところ(指示番号6)、作業者が誤ってスロット番号6に取り付けた場合を想定している。この場合、CPU80aは、そのフィーダ30をスロット番号6から取り外し、スロット番号5に取り付けるように、着脱指示(*1)を追加登録する。図11では、説明の便宜上追加登録した着脱指示の指示番号を*1としているが、CPU80aは、追加登録した着脱指示を含めて指示番号を振り直すものとしてもよい。また、図11では、指示番号6の着脱指示を残したまま、スロット番号6から取り外す着脱指示を追加登録した様子を示すが、CPU80aは、取り付けミスを検出した時点でスロット番号5に取り付ける着脱指示(指示番号6)を一旦削除し、スロット番号5に取り付ける着脱指示も追加登録するものなどとしてもよい。なお、追加登録された着脱指示に基づいてフィーダ30が着脱されると、CPU80aは上述したS150で指示通りであると判定して処理を行うことになる。
また、CPU80aは、S200で今回の着脱ミスが取り外しミスであると判定すると、作業者により誤って取り外されたフィーダ30を検索して(S220)、該当するフィーダ30を検出できたか否かを判定する(S230)。この場合、誤って取り外されたフィーダ30が作業者によりライン内保管庫60に取り付けられる可能性があるため、CPU80aは、ライン内保管庫60を検索する。また、CPU80aは、作業者がライン内保管庫60に移動するまでの時間などを考慮して、S220の検索を所定時間に亘り行ってからS230の判定を行うものなどとすればよい。なお、誤って取り外されたフィーダ30が別の部品実装機20に取り付けられた場合、CPU80aは上述したS150で指示通りでないと判定して、この着脱ミス対応処理を行うことになる。そうなると、CPU80aは、S200で取り付けミスであると判定し、S210,S250を実行して上述のように修正することが可能である。
そして、CPU80aは、誤って取り外されたフィーダ30を検出できたと判定すると、該当するフィーダ30を取り外し元の位置に取り付ける着脱指示を指示リストLに追加登録する(S240)。そして、CPU80aは、追加登録された指示リストLに基づいて、今回の取り外しミスを修正するための修正用の着脱指示を出力して(S250)、着脱ミス対応処理を終了する。この場合も、作業者の取り外しミスをローダ50によって修正することが可能となる。また、ディスプレイ27に表示される修正用の着脱指示に基づいて、作業者が修正することも可能である。
ここで、図12は指示リストLに着脱指示が追加登録される様子の説明図である。なお、図12では取り外しミスを修正するための着脱指示が追加登録された例を示す。この例では、フィーダIDが「**F2」で部品実装機20(1)のスロット番号6に取り付けられていたフィーダ30を、指示番号7と間違えた作業者が誤って取り外し、ライン内保管庫60のスロット番号2に取り付けた場合を想定する。この場合、CPU80aは、ライン内保管庫60からフィーダ30を検出できたと判定し、そのフィーダ30をライン内保管庫60のスロット番号2から取り外し、元の位置である部品実装機20(1)のスロット番号6に取り付けるように、着脱指示(*2,*3)を追加登録する。この場合も、CPU80aは、追加登録した着脱指示を含めて指示番号を振り直すものとしてもよい。また、追加登録された着脱指示に基づいてフィーダ30が着脱されると、CPU80aは上述したS150で指示通りであると判定して処理を行う。
また、CPU80aは、S220の検索の結果、誤って取り外されたフィーダ30を検出できないとS230で判定すると、該当するフィーダ30が誤って取り外されて検出できない旨を通知して(S260)、着脱ミス対応処理を終了する。この場合、CPU80aは、取り外しミスのフィーダ30がライン内保管庫60とは異なる別の箇所、例えば保管倉庫まで運搬されたと判断して、S260の処理を行う。また、CPU80aは、S260の通知を、誤ってフィーダ30が取り外された部品実装機20に送ることができる。通知を受けた部品実装機20の実装制御装置28がディスプレイ27にその通知内容を表示すれば、作業者による対応が可能となる。また、図示しないスピーカからの音声の出力や、警告灯の点灯や点滅などにより、S260の通知を行うものとしてもよい。なお、このような通知は、作業者が誤ってフィーダ30を取り外してからなるべく早い段階で行われることが望ましいため、S220の検索を行いながらS260の通知を行うものなどとしてもよい。また、複数の生産ラインが隣接するように構成されている場合、CPU80aは、別の生産ラインを管理する管理装置80や複数の生産ラインを統括管理する上位の管理装置に対して、S260の通知を行なうものなどとしてもよい。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のフィーダ30が部品供給ユニットに相当し、部品実装機20が部品実装機に相当し、ローダ50がユニット交換装置に相当し、図7のフィーダ配置指示関連処理のS110を実行する管理装置80が指示出力部に相当し、フィーダ配置指示関連処理のS130を実行する管理装置80が取得部に相当し、フィーダ配置指示関連処理のS140~S180を実行する管理装置80が処理部に相当する。
以上説明した部品実装システム10は、指示リストLに基づくフィーダ30の交換指示を作業者の認識が可能に出力するから、フィーダ30の交換をローダ50だけでなく作業者にも行わせることができる。また、部品実装システム10は、フィーダ30が着脱された場合、その着脱が指示リストLの着脱指示通りであるか否かを判定し、着脱指示通りであれば、該当する着脱指示を削除して指示リストLを更新する。このため、ローダ50および作業者の一方が既に行ったフィーダ30の着脱を、他方が重複して行うのを防止することができるから、ローダ50と作業者とによる協調作業を適切に行うことができる。
また、部品実装システム10では、フィーダ30の着脱が着脱指示通りでない場合に着脱ミス対応処理を行うから、作業者による着脱ミスに適切に対応することができる。
また、部品実装システム10では、フィーダ30の取り付けが着脱指示通りでない場合に、そのフィーダ30を取り外し適正な位置に取り付けるための着脱指示を指示リストLに追加登録して、新たな交換指示を出力する。このため、フィーダ30の取り付けが指示通りに行われなかった場合に、ローダ50によって適切に取り付け直すことができる。
また、部品実装システム10では、フィーダ30の取り外しが着脱指示通りでない場合に、そのフィーダ30を検索し、フィーダ30を検出した場合にはフィーダ30を取り外し元の位置に取り付けるための着脱指示を指示リストLに追加登録して、新たな交換指示を出力する。このため、フィーダ30の取り外しが指示通りに行われなかった場合でもローダ50によって適切に取り付け直すことができる。また、フィーダ30を検出しない場合にはその旨を通知するから、作業者等による修正対応を可能とすることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、フィーダ30の取り付けが着脱指示通りでない場合には、フィーダ30を取り外して適正な位置に取り付ける着脱指示を指示リストLに追加登録するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、フィーダ30の取り付けが着脱指示通りでない場合に、作業者に対して直ちに取り付けエラーを通知するものなどとしてもよい。このエラーは、例えば部品実装機20のディスプレイ27に表示することなどにより行うことができる。
上述した実施形態では、フィーダ30の取り外しが着脱指示通りでない場合に、そのフィーダ30を検出したか否かにより異なる対応を行うものとしたが、これに限られるものではない。例えば、フィーダ30の取り外しが着脱指示通りでない場合に、作業者に対して取り外しエラーを通知する処理を一律に行うものなどとしてもよい。
上述した実施形態では、フィーダ30の取り付けが着脱指示通りでない場合とフィーダ30の取り外しが着脱指示通りでない場合のいずれにおいても、新たな着脱指示を作業者に認識可能に出力するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、新たな着脱指示は、作業者に認識可能とすることなくローダ50のみに出力するものとしてもよい。
上述した実施形態では、指示リストLからの着脱指示の削除や追加登録を管理装置80が行うものとしたが、これに限られるものではない。例えば、管理装置80から必要な情報を受信したローダ制御装置59が指示リストLからの着脱指示の削除や追加登録を行うものなどとしてもよい。
上述した実施形態では、部品実装機20がストックエリア20Bを備えたが、これを備えないものとしてもよい。この場合、ローダ50が下部移載エリア50Bを備えないものとしたり、下部移載エリア50Bをローダ50内のフィーダ30のストックエリアとして使用したりしてもよい。
本開示の部品実装システムにおいて、前記処理部は、前記部品供給ユニットの着脱が着脱指示通りでないと判定すると、当該部品供給ユニットが着脱し直されるように対応処理を行うものとしてもよい。こうすれば、作業者によって行われた部品供給ユニットの着脱が着脱指示通りでなく誤っていた場合に対応が可能となるから、協調作業をより適切に行うことができる。
本開示の部品実装システムにおいて、前記処理部は、前記部品供給ユニットの取り付けが着脱指示通りでないと判定すると、前記対応処理として、当該部品供給ユニットを取り外し適正な位置に取り付けるための着脱指示を追加登録して前記指示リストの更新処理を行い、前記指示出力部は、着脱指示の追加登録を伴って前記指示リストの更新処理が行われると、新たな交換指示を出力するものとしてもよい。こうすれば、部品供給ユニットの取り付けが指示通りに行われなかった場合でも、ユニット交換装置によって適切に取り付け直すことができる。
本開示の部品実装システムにおいて、前記処理部は、前記部品供給ユニットの取り外しが着脱指示通りでないと判定すると、前記対応処理として、取り外された当該部品供給ユニットを検索し、当該部品供給ユニットを検出した場合には当該部品供給ユニットを取り外し元の位置に取り付けるための着脱指示を追加登録して前記指示リストの更新処理を行い、当該部品供給ユニットを検出しない場合にはその旨を通知する通知処理を行い、前記指示出力部は、着脱指示の追加登録を伴って前記指示リストの更新処理が行われると、新たな交換指示を出力するものとしてもよい。こうすれば、部品供給ユニットの取り外しが指示通りに行われなかった場合でも、当該部品供給ユニットを検出した場合にはユニット交換装置によって適切に戻すことができる。また、当該部品供給ユニットを検出しない場合には、その旨を通知することで、例えば作業者による対応を可能とすることができる。