JP6990498B2 - ニッケルめっき材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ニッケルめっき材およびその製造方法に関し、特に、パワーモジュールなどに使用する電子部品搭載基板用放熱板の材料として使用するのに適したニッケルめっき材およびその製造方法に関する。
パワーモジュールなどに使用する電子部品搭載基板用放熱板は、半導体素子などの電子部品から発生する熱を効率良く放散する必要があることから、熱伝導性に優れていることが求められており、このような放熱板として、銅や銅合金などの熱伝導性に優れた金属からなる放熱板が広く使用されている。
また、パワーモジュールなどに使用する電子部品搭載基板用放熱板は、パワーモジュールなどの組み立て時にキズが付き易く、このようなキズが目立たないようにするのが望ましく、また、電子部品搭載基板に半田付けするために、半田付け面の半田濡れ性が良好であるのが望ましい。
このような放熱板として、銅または銅合金板の表面にNiまたはNi合金めっきを施しためっき材からなる放熱板が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
特開2000-64084号公報(段落番号0012) 特開2000-219996号公報(段落番号0007)
パワーモジュールなどに使用する電子部品搭載基板用放熱板としてニッケルめっき材を使用する場合、パワーモジュールなどの外部に露出したニッケルめっき材の表面の反射濃度が(無光沢ニッケルめっきのように)低過ぎたり、(光沢ニッケルめっきのように)高過ぎると、パワーモジュールなどの組み立て時にキズが付き易く、外観品質に劣ることがわかった。
また、ニッケルめっき材の半田付け面は、その面に形成するニッケルめっき皮膜の厚さを薄くして製造コストを抑えても、十分な半田濡れ性を有するとともに、半田レジストの密着性が良好であることが望まれている。
しかし、ニッケルめっき材の半田付け面の反射濃度が低過ぎたり、高過ぎると、半田濡れ性が悪くなったり、半田レジストの密着性が悪くなり易いことがわかった。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、外観品質が良好で半田濡れ性および半田レジストの密着性が良好なニッケルめっき材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、ニッケルめっき浴を使用して電気めっきを行って金属基材の両面にニッケルめっき皮膜を形成するニッケルめっき材の製造方法において、金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の反射濃度が1.0~1.5になり且つ他方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の反射濃度が0.4~0.9になるように電気めっきを行うことにより、外観品質が良好で半田濡れ性および半田レジストの密着性が良好なニッケルめっき材を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によるニッケルめっき材の製造方法は、ニッケルめっき浴を使用して電気めっきを行って金属基材の両面にニッケルめっき皮膜を形成するニッケルめっき材の製造方法において、金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の反射濃度が1.0~1.5になり且つ他方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の反射濃度が0.4~0.9になるように電気めっきを行うことを特徴とする。
このニッケルめっき材の製造方法において、ニッケルめっき浴内に、金属基材を配置するとともに、この金属基材の一方の面から離間してその一方の面に略平行に対向するように陽極板を配置し、この陽極板から金属基材の他方の面に向かって流れる電気力線の量を低減するように遮蔽板を配置して、電気めっきを行うのが好ましい。
上記のニッケルめっき材の製造方法において、電気めっきは、光沢剤を添加したニッケルめっき浴を使用することによって行われるのが好ましく、0.5~12mL/Lの光沢剤を添加した半光沢ニッケルめっき浴使用することによって行われるのがさらに好ましい。また、金属基材の一方の面に形成されるニッケルめっき皮膜の厚さに対する他方の面に形成されるニッケルめっき皮膜の厚さの比が0.3以下であるのが好ましい。金属基材の一方の面に形成されるニッケルめっき皮膜の厚さは3~8μmであるのが好ましく、他方の面に形成されるニッケルめっき皮膜の厚さは0.1~1.5μmであるのが好ましい。金属基材の表面の算術平均粗さRaは0.05~0.25μmであるのが好ましく、最大高さRyは0.5~2.5μmであるのが好ましい。また、金属基材の両面にニッケルめっき皮膜を形成する前に、金属板を研磨して金属基材を用意するのが好ましい。この研磨は、機械研磨および化学研磨の少なくとも一方であるのが好ましい。また、金属基材は銅または銅合金からなる板材であるのが好ましい。
また、本発明によるニッケルめっき材は、金属基材の両面にニッケルめっき皮膜が形成され、金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の反射濃度が1.0~1.5であり且つ他方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の反射濃度が0.4~0.9であることを特徴とする。
このニッケルめっき材において、金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の厚さに対する他方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の厚さの比が0.3以下であるのが好ましい。金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の厚さは3~8μmであるのが好ましく、他方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の厚さは0.1~1.5μmであるのが好ましい。金属基材の両面に形成されたニッケルめっき皮膜の表面の算術平均粗さRaは0.05~0.25μmであるのが好ましく、最大高さRyは0.5~2.5μmであるのが好ましい。金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の表面のビッカース硬さHVは500以上であるのが好ましい。また、金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜を♯1200の耐水研磨紙により研磨圧力0.03N/mmで研磨した後の反射濃度が研磨前の反射濃度の85~115%であるのが好ましい。また、金属基材は銅または銅合金からなる板材であるのが好ましい。
また、本発明による放熱板は、上記のニッケルめっき材からなり、金属基材の他方の面に形成されたニッケルめっき皮膜上に電子部品搭載基板が半田付けされていることを特徴とする。この放熱板において、金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜上に放熱部材を固定してもよい。
本発明によれば、外観品質が良好で半田濡れ性および半田レジストの密着性が良好なニッケルめっき材を製造することができる。
本発明によるニッケルめっき材の製造方法の実施の形態に使用するニッケルめっき装置を概略的に示す平面図である。 図1のニッケルめっき装置のII-II線断面図である。 図1のニッケルめっき装置のIII-III線断面図である。 本発明によるニッケルめっき材の実施の形態を電子部品搭載基板用放熱板の材料として使用した状態を示す図である。
本発明によるニッケルめっき材の製造方法の実施の形態では、ニッケルめっき浴を使用して電気めっきを行って金属基材(母材)の両面にニッケルめっき皮膜を形成するニッケルめっき材の製造方法において、金属基材の一方の面(ニッケルめっき材を放熱板として使用する場合に放熱部材固定面として使用する面)に形成されたニッケルめっき皮膜の反射濃度が1.0~1.5になり且つ他方の面(ニッケルめっき材を放熱板として使用する場合に半田付け面として使用する面)に形成されたニッケルめっき皮膜の反射濃度が0.4~0.9になるように電気めっきを行う。
このように金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の反射濃度が1.0~1.5になり且つ他方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の反射濃度が0.4~0.9になるように電気めっきを行うために、図1~図3に示すように、めっき槽10内にニッケルめっき液12を入れたニッケルめっき浴内に、陰極板(カソード)として金属基材14を配置するとともに、この金属基材14の一方の面から離間してその一方の面に略平行に対向するように陽極板(アノード)16を配置し、この陽極16板から金属基材14の他方の面に向かって流れる電気力線の量を低減するように一対の遮蔽板18を配置して、電気めっきを行うのが好ましい。金属基材14と陽極板16と遮蔽板18は、上方から吊り下げられてニッケルめっき浴内に配置されるのが好ましく、遮蔽板18は、金属基材14の両側面に当接(または近接)して、金属基材14の両側面とめっき槽10の内面との間を流れる電気力線を低減するように配置されるのが好ましい。なお、図3には、図1の断面図に加えて、電源(整流器)20も示している。
上記のニッケルめっき材の製造方法において、電気めっきは、光沢剤を添加したニッケルめっき浴を使用することによって行われるのが好ましく、0.5~12mL/L(好ましくは0.5~10mL/L)の光沢剤を添加した半光沢ニッケルめっき浴使用することによって行われるのがさらに好ましい。また、金属基材の一方の面に形成されるニッケルめっき皮膜の厚さに対する他方の面に形成されるニッケルめっき皮膜の厚さの比が0.3以下(好ましくは0.01~0.25)であるのが好ましい。金属基材の一方の面に形成されるニッケルめっき皮膜の厚さは、3~8μmであるのが好ましく、3~7μmであるのがさらに好ましい。また、金属基材の他方の面に形成されるニッケルめっき皮膜の厚さは、0.1~1.5μmであるのが好ましく、0.2~1.5μmであるのがさらに好ましい。金属基材の表面の算術平均粗さRaは、0.05~0.25μmであるのが好ましく、0.1~0.22μmであるのがさらに好ましい。金属基材の表面の最大高さRyは、0.5~2.5μmであるのが好ましく、0.5~2μmであるのがさらに好ましい。
また、ニッケルめっき皮膜を形成する金属基材の表面の表面粗さが大きくならないように、前処理として金属板を研磨して表面の算術平均粗さRaが0.05~0.25μmの金属基材を用意してもよい。この研磨として、バフ研磨などの機械研磨と、エッチング液を使用したエッチングなどの化学研磨との少なくとも一方を行うのが好ましい。また、電気めっきを行う前に、金属基材の浸漬脱脂や電解脱脂などの脱脂を行うのが好ましく、金属基材を(硫酸などを含む酸活性液で)酸活性するのが好ましい。また、金属基材は、プレス加工などにより形成された銅または銅合金からなる板材であるのが好ましく、板厚が1~5mm程度であるのが好ましい。
また、本発明によるニッケルめっき材の実施の形態では、金属基材の両面にニッケルめっき皮膜が形成され、金属基材の一方の面(ニッケルめっき材を放熱板として使用する場合に放熱部材固定面として使用する面)に形成されたニッケルめっき皮膜の反射濃度が1.0~1.5(半光沢ニッケルめっきの範囲内)であり且つ他方の面(ニッケルめっき材を放熱板として使用する場合に半田付け面として使用する面)に形成されたニッケルめっき皮膜の反射濃度が0.4~0.9(半光沢ニッケルめっきの範囲内)である。
このニッケルめっき材において、金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の厚さに対する他方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の厚さの比が0.3以下(好ましくは0.01~0.25)であるのが好ましい。金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の厚さは、3~8μmであるのが好ましく、3~7μmであるのがさらに好ましい。また、金属基材の他方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の厚さは、0.1~1.5μmであるのが好ましく、0.2~1.5μmであるのがさらに好ましい。金属基材の両面に形成されたニッケルめっき皮膜の表面の算術平均粗さRaは、0.05~0.25μmであるのが好ましく、0.1~0.2μmであるのがさらに好ましい。金属基材の両面に形成されたニッケルめっき皮膜の表面の最大高さRyは、0.5~2.5μmであるのが好ましく、0.5~2μmであるのがさらに好ましい。なお、ニッケルめっき皮膜の表面の算術平均粗さRaや最大高さRyが大き過ぎると、半田濡れ性が低下する。また、金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の表面のビッカース硬さHVは500以上であるのが好ましい。また、金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜を♯1200の耐水研磨紙により研磨圧力0.03N/mmで研磨した後の反射濃度が研磨前の反射濃度の85~115%であるのが好ましく、90~110%であるのがさらに好ましい。また、金属基材は銅または銅合金からなる板材であるのが好ましい。
このようなニッケルめっき材は、上述したニッケルめっき材の製造方法の実施の形態により製造することができる。
ニッケルめっき材を電子部品搭載基板用放熱板として使用する場合に放熱部材固定面として使用する面は、(電子部品搭載基板を放熱板に取り付けてパワーモジュールなどを組み立てる際に付き易い)キズを光沢により見え難くして外観品質を向上させることが望まれており、放熱部材固定面として使用する面に形成されたニッケルめっき皮膜の光沢度を一定の範囲内にするのが望ましい。すなわち、放熱部材固定面として使用する面に形成されたニッケルめっき皮膜の反射濃度が(無光沢ニッケルめっきのように)低過ぎたり、(光沢ニッケルめっきのように)高過ぎると、キズが目立ち易く、外観品質に劣るので、反射濃度が半光沢となる範囲内であるのが望ましく、1.0~1.5であるのが好ましく、1.0~1.48であるのがさらに好ましい。また、放熱部材固定面として使用する面に形成されたニッケルめっき皮膜の表面の硬度が低過ぎると、キズが付き易くなるので、その表面のビッカース硬さHVが500以上であるのが好ましい。
一方、ニッケルめっき材を放熱板として使用する場合に半田付け面として使用する面は、その面に形成するニッケルめっき皮膜の厚さを薄くして製造コストを低下させても、十分な半田濡れ性(好ましくは、半田濡れ性の良好な無光沢ニッケルめっきと同等の半田濡れ性)を有するとともに、半田レジストの密着性が良好であるのが望ましい。すなわち、半田付け面として使用する面に形成するニッケルめっき皮膜の反射濃度が高過ぎると、半田レジストの密着性が悪くなり、一方、反射濃度が低過ぎると、半田濡れ性が悪くなるので、反射濃度が(無光沢寄りの)半光沢となる範囲内であるのが望ましく、0.4~0.9であるのが好ましく、0.42~0.88であるのがさらに好ましい。
本発明によるニッケルめっき材の実施の形態を電子部品搭載基板用放熱板の材料として使用する場合には、図4に示すように、金属基材102の両面にニッケルめっき皮膜104が形成されたニッケルめっき材100の一方の面(金属基材102の一方の面の側の面)に放熱部材106を固定し、ニッケルめっき材100の他方の面(金属基材102の他方の面の側の面)に電子部品搭載基板108を半田付けするのが好ましい。
以下、本発明によるニッケルめっき材およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
まず、100mm×60mm×3mmの大きさの純銅の圧延板材からなる基材をアルカリ溶液に浸漬して脱脂し、水洗した後、電解脱脂し、水洗した。
次に、120g/Lの過硫酸アンモニウム水溶液からなるエッチング液に脱脂後の基材を浸漬してエッチングし、水洗した後、酸活性し、水洗した。
なお、この酸活性後の基材を乾燥した後、その基材(ニッケルめっき前の基材)の表面粗さとして、接触式表面粗さ計(株式会社小坂研究所製のサーフコーダSE4000)により測定した結果から、JIS B0601に基づいて表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaおよび最大高さRyを算出した。その結果、酸活性後の基材の一方の面(放熱部材固定面として使用する面(以下、「放熱面」という))の算術平均粗さRaは0.15μm、最大高さRyは1.22μmであり、他方の面(半田付け面として使用する面(以下、「半田面」という))の算術平均粗さRaは0.16μm、最大高さRyは1.10μmであった。
次に、縦150mm×横150mm×深さ150mmの大きさのガラス製の角型容器(容量2.7L)内に、1mL/Lの光沢剤(スルホン酸系の一次光沢剤))を添加した水溶液からなるスルファミン酸ニッケルめっき液を入れたスルファミン酸ニッケルめっき浴(スルファミン酸半光沢ニッケルめっき浴)中に、カソード(陰極板)として上記の酸活性後の基材を容器の底面および液面から約1cm離間し且つ容器の内壁から50mm離間して略垂直に配置し、100mm×100mm×0.5mmの大きさのニッケルからなるアノード(陽極板)を容器の底面および液面から約1cm離間して略垂直に且つカソードの一方の面から70mm離間してカソードに対向するように略平行に配置するとともに、カソードの両側面の各々に対向してカソードと一列になるように100mm×40mm×1mmの大きさの塩化ビニル樹脂からなる遮蔽板を配置して、液温53℃、電流密度3.5A/dmで電気めっきを11分間行った後、水洗し、乾燥して、ニッケルめっき材を得た。
このニッケルめっき材のニッケルめっき皮膜の厚さを、蛍光X線膜厚計(SIIナノテクノロジー社製の蛍光X線膜厚計SFT3200)により測定したところ、基材の放熱面のニッケルめっき皮膜の厚さは4.46μm、半田面のニッケルめっき皮膜の厚さは0.71μmであり、膜厚比(他方の面の膜厚/一方の面の膜厚)は0.159であった。
得られたニッケルめっき材の放熱面のビッカース硬さHVを、マイクロビッカース硬度計(株式会社ミツトヨ製のHM-200)を使用して、測定荷重を0.01kgfとして、JIS Z2244に準じて測定したところ、HV523であった。
また、得られたニッケルめっき材の光沢度として、反射濃度計(マクベス社製のRD918)を使用してブラックフィルタにより反射濃度を測定したところ、ニッケルめっき材の放熱面の反射濃度は1.16、半田面の反射濃度は0.56であった。また、回転研磨機(ストルアス社製のLaboPol-5)を使用して、基材の放熱面を耐水研磨紙(♯1200)により研磨圧力0.03N/mmで研磨した後、上記と同様に反射濃度を測定したところ、反射濃度は1.10であり、研磨前後の光沢比(研磨後の反射濃度×100/研磨前の反射濃度)は95%であった。また、研磨後の放熱面の外観品質は良好であった。
また、得られたニッケルめっき材の表面粗さとして、接触式表面粗さ計(株式会社小坂研究所製のサーフコーダSE4000)により測定した結果から、JIS B0601に基づいて表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaおよび最大高さRyを算出した。その結果、ニッケルめっき材の放熱面の算術平均粗さRaは0.14μm、最大高さRyは1.13μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.13μm、最大高さRyは1.12μmであった。
また、得られたニッケルめっき材の半田濡れ性を評価するために、ニッケルめっき材の半田面の半田濡れ性を評価する10mm×10mmの部分以外の部分に半田レジストを形成し、大気中において245℃のオーブン内で2分間加熱し、放冷後、半田濡れ性を評価する部分に半田ペースト(共晶半田)を厚さ約0.5mmに塗布した。次に、大気中において200℃のホットプレート上で3分間加熱し、放冷後、半田濡れ性を評価する部分の面積(100mm)に対して溶融半田が濡れて占有する面積の割合(半田の濡れ広がり率)を測定した。なお、半田の濡れ広がり率の評価基準として、半田の濡れ広がり率が95%以上の場合に半田濡れ性が良好であるとし、95%未満の場合に半田濡れ性が不良であるとした。その結果、ニッケルめっき材の半田濡れ性は良好であった。
また、得られたニッケルめっき材と半田レジストの密着性を評価するために、ニッケルめっき材の半田面に半田レジストを形成した後、JIS H8504に準じてテープ剥離試験を行ったところ、テープの粘着面への半田レジストの付着が認められず、半田レジストの密着性は良好であった。
[実施例2]
エッチングの際に150g/Lの過硫酸アンモニウム水溶液からなるエッチング液を使用し、光沢剤の添加量を3mL/Lとしたスルファミン酸半光沢ニッケルめっき浴を使用して、電気めっきの時間を9分間とした以外は、実施例1と同様の方法により、ニッケルめっき材を得た。なお、ニッケルめっき前の基材について、実施例1と同様の方法により、表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaおよび最大高さRyを算出したところ、放熱面の算術平均粗さRaは0.16μm、最大高さRyは1.33μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.18μm、最大高さRyは1.12μmであった。
このようにして得られたニッケルめっき材について、ニッケルめっき皮膜の厚さ、ビッカース硬さHV、反射濃度、表面粗さを求めるとともに、半田濡れ性および半田レジストの密着性を評価した。その結果、ニッケルめっき材の放熱面のニッケルめっき皮膜の厚さは3.38μm、半田面のニッケルめっき皮膜の厚さは0.34μm、膜厚比は0.101であり、ニッケルめっき材の放熱面のビッカース硬さはHV540であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の反射濃度は1.10であり、半田面の反射濃度は0.43であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の研磨後の反射濃度は1.01、研磨前後の光沢比は92%であり、研磨後の放熱面の外観品質は良好であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の算術平均粗さRaは0.16μm、最大高さRyは1.23μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.16μm、最大高さRyは1.36μmであった。また、ニッケルめっき材の半田濡れ性は良好であり、半田レジストの密着性は良好であった。
[実施例3]
エッチングの際に180g/Lの過硫酸アンモニウム水溶液からなるエッチング液を使用し、光沢剤の添加量を6mL/Lとしたスルファミン酸半光沢ニッケルめっき浴を使用して、電気めっきの時間を13分間とした以外は、実施例1と同様の方法により、ニッケルめっき材を得た。なお、ニッケルめっき前の基材について、実施例1と同様の方法により、表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaおよび最大高さRyを算出したところ、放熱面の算術平均粗さRaは0.17μm、最大高さRyは1.66μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.13μm、最大高さRyは1.03μmであった。
このようにして得られたニッケルめっき材について、ニッケルめっき皮膜の厚さ、ビッカース硬さHV、反射濃度、表面粗さを求めるとともに、半田濡れ性および半田レジストの密着性を評価した。その結果、ニッケルめっき材の放熱面のニッケルめっき皮膜の厚さは5.02μm、半田面のニッケルめっき皮膜の厚さは0.93μm、膜厚比は0.185であり、ニッケルめっき材の放熱面のビッカース硬さはHV533であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の反射濃度は1.01であり、半田面の反射濃度は0.47であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の研磨後の反射濃度は0.93、研磨前後の光沢比は92%であり、研磨後の放熱面の外観品質は良好であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の算術平均粗さRaは0.16μm、最大高さRyは1.27μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.13μm、最大高さRyは1.15μmであった。また、ニッケルめっき材の半田濡れ性は良好であり、半田レジストの密着性は良好であった。
[実施例4]
基材の脱脂を行う前に基材をロール(♯2000)により研磨し、エッチングを行わず、電気めっきの時間を15分間とした以外は、実施例1と同様の方法により、ニッケルめっき材を得た。なお、ニッケルめっき前の基材について、実施例1と同様の方法により、表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaおよび最大高さRyを算出したところ、放熱面の算術平均粗さRaは0.14μm、最大高さRyは1.22μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.20μm、最大高さRyは1.51μmであった。
このようにして得られたニッケルめっき材について、ニッケルめっき皮膜の厚さ、ビッカース硬さHV、反射濃度、表面粗さを求めるとともに、半田濡れ性および半田レジストの密着性を評価した。その結果、ニッケルめっき材の放熱面のニッケルめっき皮膜の厚さは6.04μm、半田面のニッケルめっき皮膜の厚さは1.02μm、膜厚比は0.169であり、ニッケルめっき材の放熱面のビッカース硬さはHV515であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の反射濃度は1.26であり、半田面の反射濃度は0.79であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の研磨後の反射濃度は1.18、研磨前後の光沢比は94%であり、研磨後の放熱面の外観品質は良好であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の算術平均粗さRaは0.15μm、最大高さRyは1.35μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.19μm、最大高さRyは1.46μmであった。また、ニッケルめっき材の半田濡れ性は良好であり、半田レジストの密着性は良好であった。
[実施例5]
基材の脱脂を行う前に基材をロール(♯2000)により研磨し、光沢剤の添加量を2mL/Lとしたスルファミン酸半光沢ニッケルめっき浴を使用し、エッチングを行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により、ニッケルめっき材を得た。なお、ニッケルめっき前の基材について、実施例1と同様の方法により、表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaおよび最大高さRyを算出したところ、放熱面の算術平均粗さRaは0.20μm、最大高さRyは1.77μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.21μm、最大高さRyは1.80μmであった。
このようにして得られたニッケルめっき材について、ニッケルめっき皮膜の厚さ、ビッカース硬さHV、反射濃度、表面粗さを求めるとともに、半田濡れ性および半田レジストの密着性を評価した。その結果、ニッケルめっき材の放熱面のニッケルめっき皮膜の厚さは4.65μm、半田面のニッケルめっき皮膜の厚さは0.53μm、膜厚比は0.114であり、ニッケルめっき材の放熱面のビッカース硬さはHV542であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の反射濃度は1.33であり、半田面の反射濃度は0.76であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の研磨後の反射濃度は1.25、研磨前後の光沢比は94%であり、研磨後の放熱面の外観品質は良好であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の算術平均粗さRaは0.17μm、最大高さRyは1.49μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.20μm、最大高さRyは1.43μmであった。また、ニッケルめっき材の半田濡れ性は良好であり、半田レジストの密着性は良好であった。
[実施例6]
基材の脱脂を行う前に基材をロール(♯2000)により研磨し、光沢剤の添加量を4mL/Lとしたスルファミン酸半光沢ニッケルめっき浴を使用し、エッチングを行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により、ニッケルめっき材を得た。なお、ニッケルめっき前の基材について、実施例1と同様の方法により、表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaおよび最大高さRyを算出したところ、放熱面の算術平均粗さRaは0.17μm、最大高さRyは1.60μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.13μm、最大高さRyは1.05μmであった。
このようにして得られたニッケルめっき材について、ニッケルめっき皮膜の厚さ、ビッカース硬さHV、反射濃度、表面粗さを求めるとともに、半田濡れ性および半田レジストの密着性を評価した。その結果、ニッケルめっき材の放熱面のニッケルめっき皮膜の厚さは4.57μm、半田面のニッケルめっき皮膜の厚さは0.64μm、膜厚比は0.140であり、ニッケルめっき材の放熱面のビッカース硬さはHV528であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の反射濃度は1.41であり、半田面の反射濃度は0.80であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の研磨後の反射濃度は1.36、研磨前後の光沢比は96%であり、研磨後の放熱面の外観品質は良好であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の算術平均粗さRaは0.17μm、最大高さRyは1.21μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.12μm、最大高さRyは0.89μmであった。また、ニッケルめっき材の半田濡れ性は良好であり、半田レジストの密着性は良好であった。
[実施例7]
電気めっきの時間を11分間とし、エッチングを行わなかった以外は、実施例2と同様の方法により、ニッケルめっき材を得た。なお、ニッケルめっき前の基材について、実施例1と同様の方法により、表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaおよび最大高さRyを算出したところ、放熱面の算術平均粗さRaは0.13μm、最大高さRyは1.56μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.13μm、最大高さRyは1.36μmであった。
このようにして得られたニッケルめっき材について、ニッケルめっき皮膜の厚さ、ビッカース硬さHV、反射濃度、表面粗さを求めるとともに、半田濡れ性および半田レジストの密着性を評価した。その結果、ニッケルめっき材の放熱面のニッケルめっき皮膜の厚さは4.77μm、半田面のニッケルめっき皮膜の厚さは0.44μm、膜厚比は0.092であり、ニッケルめっき材の放熱面のビッカース硬さはHV522であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の反射濃度は1.45であり、半田面の反射濃度は0.85であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の研磨後の反射濃度は1.40、研磨前後の光沢比は95%であり、研磨後の放熱面の外観品質は良好であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の算術平均粗さRaは0.14μm、最大高さRyは1.41μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.11μm、最大高さRyは1.20μmであった。また、ニッケルめっき材の半田濡れ性は良好であり、半田レジストの密着性は良好であった。
[実施例8]
光沢剤の添加量を10mL/Lとしたスルファミン酸光沢ニッケルめっき浴を使用し、電気めっきの時間を9分間とし、エッチングを行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により、ニッケルめっき材を得た。なお、ニッケルめっき前の基材について、実施例1と同様の方法により、表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaおよび最大高さRyを算出したところ、放熱面の算術平均粗さRaは0.10μm、最大高さRyは1.20μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.08μm、最大高さRyは0.63μmであった。
このようにして得られたニッケルめっき材について、ニッケルめっき皮膜の厚さ、ビッカース硬さHV、反射濃度、表面粗さを求めるとともに、半田濡れ性および半田レジストの密着性を評価した。その結果、ニッケルめっき材の放熱面のニッケルめっき皮膜の厚さは3.99μm、半田面のニッケルめっき皮膜の厚さは0.44μm、膜厚比は0.110であり、ニッケルめっき材の放熱面のビッカース硬さはHV517であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の反射濃度は1.50であり、半田面の反射濃度は0.90であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の研磨後の反射濃度は1.30、研磨前後の光沢比は87%であり、研磨後の放熱面の外観品質は良好であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の算術平均粗さRaは0.09μm、最大高さRyは1.12μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.05μm、最大高さRyは0.47μmであった。また、ニッケルめっき材の半田濡れ性は良好であり、半田レジストの密着性は良好であった。
[実施例9]
基材の脱脂を行う前に基材をロール(♯2000)により研磨し、光沢剤の添加量を5mL/Lとしたスルファミン酸半光沢ニッケルめっき浴を使用し、カソードと容器の内壁の間の間隔を5mmとし、遮蔽板を使用せず、電気めっきの時間を11分間とした以外は、実施例2と同様の方法により、ニッケルめっき材を得た。なお、ニッケルめっき前の基材について、実施例1と同様の方法により、表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaおよび最大高さRyを算出したところ、放熱面の算術平均粗さRaは0.18μm、最大高さRyは1.98μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.17μm、最大高さRyは1.47μmであった。
このようにして得られたニッケルめっき材について、ニッケルめっき皮膜の厚さ、ビッカース硬さHV、反射濃度、表面粗さを求めるとともに、半田濡れ性および半田レジストの密着性を評価した。その結果、ニッケルめっき材の放熱面のニッケルめっき皮膜の厚さは5.50μm、半田面のニッケルめっき皮膜の厚さは0.51μm、膜厚比は0.093であり、ニッケルめっき材の放熱面のビッカース硬さはHV509であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の反射濃度は1.05であり、半田面の反射濃度は0.45であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の研磨後の反射濃度は0.95、研磨前後の光沢比は90%であり、研磨後の放熱面の外観品質は良好であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の算術平均粗さRaは0.17μm、最大高さRyは1.88μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.17μm、最大高さRyは1.35μmであった。また、ニッケルめっき材の半田濡れ性は良好であり、半田レジストの密着性は良好であった。
[比較例1]
光沢剤の添加量を20mL/Lとしたスルファミン酸光沢ニッケルめっき浴を使用し、電気めっきの時間を13分間とし、エッチングを行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により、ニッケルめっき材を得た。なお、ニッケルめっき前の基材について、実施例1と同様の方法により、表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaおよび最大高さRyを算出したところ、放熱面の算術平均粗さRaは0.12μm、最大高さRyは1.33μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.07μm、最大高さRyは1.10μmであった。
このようにして得られたニッケルめっき材について、ニッケルめっき皮膜の厚さ、ビッカース硬さHV、反射濃度、表面粗さを求めるとともに、半田濡れ性および半田レジストの密着性を評価した。その結果、ニッケルめっき材の放熱面のニッケルめっき皮膜の厚さは5.12μm、半田面のニッケルめっき皮膜の厚さは0.61μm、膜厚比は0.119であり、ニッケルめっき材の放熱面のビッカース硬さはHV541であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の反射濃度は1.63であり、半田面の反射濃度は0.96であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の研磨後の反射濃度は1.35、研磨前後の光沢比は83%であり、研磨後の放熱面にキズが目立ち、外観品質が良好でなかった。また、ニッケルめっき材の放熱面の算術平均粗さRaは0.08μm、最大高さRyは1.02μmであり、半田の面の算術平均粗さRaは0.07μm、最大高さRyは1.10μmであった。また、ニッケルめっき材の半田濡れ性は良好であったが、半田レジストの密着性はやや良好でなかった。
[比較例2]
実施例1と同様のカソードを容器の中央部に配置し、実施例1と同様のアノードを2枚使用して、それぞれのアノードをカソードの各々の面から70mm離間して配置した以外は、実施例1と同様にカソードとアノードを配置するとともに、遮蔽板を使用しなかった以外は、実施例2と同様の方法により、ニッケルめっき材を得た。なお、ニッケルめっき前の基材について、実施例1と同様の方法により、表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaおよび最大高さRyを算出したところ、放熱面の算術平均粗さRaは0.16μm、最大高さRyは1.92μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.17μm、最大高さRyは1.64μmであった。
このようにして得られたニッケルめっき材について、ニッケルめっき皮膜の厚さ、ビッカース硬さHV、反射濃度、表面粗さを求めるとともに、半田濡れ性および半田レジストの密着性を評価した。その結果、ニッケルめっき材の放熱の面のニッケルめっき皮膜の厚さは6.57μm、半田面のニッケルめっき皮膜の厚さは5.45μm、膜厚比は0.830であり、ニッケルめっき材の放熱面のビッカース硬さはHV539であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の反射濃度は1.20であり、半田面の反射濃度は1.16であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の研磨後の反射濃度は1.10、研磨前後の光沢比は92%であり、研磨後の放熱面の外観品質は良好であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の算術平均粗さRaは0.19μm、最大高さRyは1.84μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.16μm、最大高さRyは1.77μmであった。また、ニッケルめっき材の半田濡れ性は良好であったが、テープ剥離試験では、テープの粘着面への半田レジストの付着が認められ、半田レジストの密着性は良好でなかった。
[比較例3]
遮蔽板を使用せず、電気めっきの時間を11分間、電流密度を6A/dmとした以外は、実施例2と同様の方法により、ニッケルめっき材を得た。なお、ニッケルめっき前の基材について、実施例1と同様の方法により、表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaおよび最大高さRyを算出したところ、放熱面の算術平均粗さRaは0.16μm、最大高さRyは1.21μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.15μm、最大高さRyは1.19μmであった。
このようにして得られたニッケルめっき材について、ニッケルめっき皮膜の厚さ、ビッカース硬さHV、反射濃度、表面粗さを求めるとともに、半田濡れ性および半田レジストの密着性を評価した。その結果、ニッケルめっき材の放熱面のニッケルめっき皮膜の厚さは4.81μm、半田面のニッケルめっき皮膜の厚さは1.91μm、膜厚比は0.397であり、ニッケルめっき材の放熱面のビッカース硬さはHV519であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の反射濃度は1.30であり、半田面の反射濃度は1.01であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の研磨後の反射濃度は1.24、研磨前後の光沢比は95%であり、研磨後の放熱面の外観品質は良好であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の算術平均粗さRaは0.17μm、最大高さRyは1.32μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.15μm、最大高さRyは1.24μmであった。また、ニッケルめっき材の半田濡れ性は良好であったが、テープ剥離試験では、テープの粘着面への半田レジストの付着が認められ、半田レジストの密着性は良好でなかった。
[比較例4]
基材の脱脂を行う前に基材をロール(♯2000)により研磨し、エッチングの際に300g/Lの過硫酸アンモニウム水溶液からなるエッチング液に脱脂後の基材を180秒間浸漬し、電気めっきの時間を11分間とした以外は、実施例2と同様の方法により、ニッケルめっき材を得た。なお、ニッケルめっき前の基材について、実施例1と同様の方法により、表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaおよび最大高さRyを算出したところ、放熱面の算術平均粗さRaは0.30μm、最大高さRyは2.94μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.35μm、最大高さRyは3.37μmであった。
このようにして得られたニッケルめっき材について、ニッケルめっき皮膜の厚さ、ビッカース硬さHV、反射濃度、表面粗さを求めるとともに、半田濡れ性および半田レジストの密着性を評価した。その結果、ニッケルめっき材の放熱面のニッケルめっき皮膜の厚さは4.86μm、半田面のニッケルめっき皮膜の厚さは0.87μm、膜厚比は0.179であり、ニッケルめっき材の放熱面のビッカース硬さはHV489であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の反射濃度は0.88であり、半田面の反射濃度は0.35であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の研磨後の反射濃度は0.70、研磨前後の光沢比は80%であり、研磨後の放熱面にキズが目立ち、外観品質が良好でなかった。また、ニッケルめっき材の放熱面の算術平均粗さRaは0.27μm、最大高さRyは2.87μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.33μm、最大高さRyは3.24μmであった。また、ニッケルめっき材の半田濡れ性は良好でなかったが、半田レジストの密着性は良好であった。
[比較例5]
基材の脱脂を行う前に基材をロール(♯2000)により研磨し、光沢剤を添加しないスルファミン酸無光沢ニッケルめっき浴を使用し、電気めっきの時間を13分間とし、エッチングを行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により、ニッケルめっき材を得た。なお、ニッケルめっき前の基材について、実施例1と同様の方法により、表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaおよび最大高さRyを算出したところ、放熱面の算術平均粗さRaは0.21μm、最大高さRyは1.64μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.17μm、最大高さRyは1.69μmであった。
このようにして得られたニッケルめっき材について、ニッケルめっき皮膜の厚さ、ビッカース硬さHV、反射濃度、表面粗さを求めるとともに、半田濡れ性および半田レジストの密着性を評価した。その結果、ニッケルめっき材の放熱面のニッケルめっき皮膜の厚さは5.29μm、半田面のニッケルめっき皮膜の厚さは0.75μm、膜厚比は0.142であり、ニッケルめっき材の放熱面のビッカース硬さはHV312であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の反射濃度は0.36であり、半田面の反射濃度は0.68であった。また、ニッケルめっき材の放熱面の研磨後の反射濃度は0.78、研磨前後の光沢比は217%であり、研磨後の放熱面にキズが目立ち、外観品質が良好でなかった。また、ニッケルめっき材の放熱面の算術平均粗さRaは0.20μm、最大高さRyは1.70μmであり、半田面の算術平均粗さRaは0.19μm、最大高さRyは1.88μmであった。また、ニッケルめっき材の半田濡れ性は良好であり、半田レジストの密着性は良好であった。
これらの実施例および比較例のニッケルめっき材の製造条件および特性を表1~表4に示す。なお、表3において、ニッケルめっき材の放熱面の研磨後の外観品質が良好な場合を○、良好でなかった場合を×で示している。また、表4において、ニッケルめっき材の半田濡れ性および半田レジストの密着性が良好であった場合を○、やや良好でなかった場合を△、良好でなかった場合を×で示している。
Figure 0006990498000001
Figure 0006990498000002
Figure 0006990498000003
Figure 0006990498000004
10 めっき槽
12 ニッケルめっき液
14 金属基材(陰極板)
16 陽極板
18 遮蔽板
20 電源(整流器)

Claims (19)

  1. ニッケルめっき浴を使用して電気めっきを行って金属基材の両面にニッケルめっき皮膜を形成するニッケルめっき材の製造方法において、表面の算術平均粗さRaが0.05~0.25μmである金属基材の放熱部材固定面として使用する一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の反射濃度が1.0~1.5になり且つ半田付け面として使用する他方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の反射濃度が0.4~0.9になるように電気めっきを行うことを特徴とする、ニッケルめっき材の製造方法。
  2. 前記ニッケルめっき浴内に、前記金属基材を配置するとともに、この金属基材の一方の面から離間してその一方の面に略平行に対向するように陽極板を配置し、この陽極板から前記金属基材の他方の面に向かって流れる電気力線の量を低減するように遮蔽板を配置して、前記電気めっきを行うことを特徴とする、請求項1に記載のニッケルめっき材の製造方法。
  3. 前記電気めっきが、光沢剤を添加したニッケルめっき浴を使用することによって行われることを特徴とする、請求項1または2に記載のニッケルめっき材の製造方法。
  4. 前記電気めっきが、0.5~12mL/Lの光沢剤を添加した半光沢ニッケルめっき浴使用することによって行われることを特徴とする、請求項1または2に記載のニッケルめっき材の製造方法。
  5. 前記金属基材の一方の面に形成されるニッケルめっき皮膜の厚さに対する他方の面に形成されるニッケルめっき皮膜の厚さの比が0.3以下であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のニッケルめっき材の製造方法。
  6. 前記金属基材の一方の面に形成されるニッケルめっき皮膜の厚さが3~8μmであり、前記金属基材の他方の面に形成されるニッケルめっき皮膜の厚さが0.1~1.5μmであることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のニッケルめっき材の製造方法。
  7. 前記金属基材の表面の最大高さRyが0.5~2.5μmであることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載のニッケルめっき材の製造方法。
  8. 前記金属基材の両面にニッケルめっき皮膜を形成する前に、金属板を研磨して前記金属基材を用意することを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載のニッケルめっき材の製造方法。
  9. 前記研磨が機械研磨および化学研磨の少なくとも一方であることを特徴とする、請求項に記載のニッケルめっき材の製造方法。
  10. 前記金属基材が銅または銅合金からなる板材であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載のニッケルめっき材の製造方法。
  11. 金属基材の両面に算術平均粗さRaが0.05~0.25μmのニッケルめっき皮膜が形成され、金属基材の放熱部材固定面として使用する一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の反射濃度が1.0~1.5であり且つ半田付け面として使用する他方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の反射濃度が0.4~0.9であることを特徴とする、ニッケルめっき材。
  12. 前記金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の厚さに対する他方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の厚さの比が0.3以下であることを特徴とする、請求項11に記載されたニッケルめっき材。
  13. 前記金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の厚さが3~8μmであり、前記金属基材の他方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の厚さが0.1~1.5μmであることを特徴とする、請求項11または12に記載のニッケルめっき材。
  14. 前記金属基材の両面に形成されたニッケルめっき皮膜の表面の最大高さRyが0.5~2.5μmであることを特徴とする、請求項11乃至13のいずれかに記載のニッケルめっき材。
  15. 前記金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜の表面のビッカース硬さHVが500以上であることを特徴とする、請求項11乃至14のいずれかに記載のニッケルめっき材。
  16. 前記金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜を♯1200の耐水研磨紙により研磨圧力0.03N/mmで研磨した後の反射濃度が研磨前の反射濃度の85~115%であることを特徴とする、請求項11乃至15のいずれかに記載されたニッケルめっき材。
  17. 前記金属基材が銅または銅合金からなる板材であることを特徴とする、請求項11乃至16のいずれかに記載のニッケルめっき材。
  18. 請求項11乃至17のいずれかに記載のニッケルめっき材からなり、前記金属基材の他方の面に形成されたニッケルめっき皮膜上に電子部品搭載基板が半田付けされていることを特徴とする、放熱板。
  19. 前記金属基材の一方の面に形成されたニッケルめっき皮膜上に放熱部材が固定されていることを特徴とする、請求項18に記載の放熱板。
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