以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、車両Vは、自動運転が可能な自動運転車両である。また、車両Vは、自動運転と手動運転とを切り替えることができる。自動運転では、運転者が運転操作を行う必要がなく、車両Vが自動で走行する。手動運転では、運転者の運転操作によって車両Vが走行する。
不調地点収集装置1は、車両Vと通信を行うことによって不調地点情報を取得し、車両Vの自動運転が不調となる不調地点の地図上の位置を収集する。ここで、自動運転が不調となる不調地点とは、自動運転の継続ができなる地点である。また、不調地点とは、自動運転の継続が可能であるものの、自動運転の信頼度が低くなる地点を含んでいてもよい。具体的には、例えば、不調地点とは、道路の路面に付された白線の一部が消えかかっており、自動運転システムのカメラによって白線を精度よく検出できない地点等であってもよい。また、ここでの不調地点とは、ある一定の範囲を示していてもよい。なお、図1では、車両Vが1台のみ示されているが、不調地点収集装置1は、複数の車両Vと通信を行うことによって不調地点情報を取得する。
図2に示されるように、車両Vには、不調地点に関する不調地点情報を不調地点収集装置1に送信する不調地点送信装置2が搭載されている。不調地点送信装置2は、装置を統括的に制御する不調地点送信ECU[Electronic Control Unit]20を備えている。不調地点送信ECU20は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等を有する電子制御ユニットである。不調地点送信ECU20は、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。不調地点送信ECU20は、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。
不調地点送信装置2は、GPS受信部21、地図記憶部22、HMI23、運転操作検出センサ24、及び通信部25を更に備えている。
GPS受信部21は、3個以上のGPS衛星から信号を受信することにより、車両Vの位置(例えば車両Vの緯度及び経度)を測定する。GPS受信部21は、測定した車両Vの位置情報を不調地点送信ECU20へ送信する。
地図記憶部22は、地図情報を記憶するデータベースである。地図記憶部22は、車両Vに搭載されたHDD[Hard Disk Drive]等の記憶装置内に形成されている。地図情報には、道路の位置情報、及び道路形状の情報等が含まれる。また、地図情報には、自動運転車両(車両V)の自動運転が不調となる不調地点の地図上の位置が含まれている。不調地点の地図上の位置としては、不調地点収集装置1によって収集された不調地点の地図上の位置が用いられ得る。例えば、不調地点送信装置2は、不調地点収集装置1が収集した不調地点の地図上の位置を所定のタイミングで取得し、取得した不調地点の地図上の位置を地図記憶部22に記憶させてもよい。なお、地図記憶部22は、車両Vと通信可能な情報処理センター等の施設のコンピュータに設けられていてもよい。
HMI23は、運転者と不調地点送信装置2との間で情報の出力及び入力をするためのインターフェイスである。HMI23は、例えば、運転者等に画像情報を表示するためのディスプレイ、音声出力のためのスピーカ、及び運転者が入力操作を行うための操作ボタン又はタッチパネル等を備えている。
運転操作検出センサ24は、運転者による車両Vの運転操作の有無を検出する。運転操作検出センサ24は、例えば、アクセルペダルの操作有無を検出するアクセルペダルセンサ、ブレーキペダルの操作有無を検出するブレーキペダルセンサ、及び運転者によるステアリングホイールの操作有無を検出するステアリングセンサ等を含んでいる。運転操作検出センサ24は、運転者による運転操作の有無の検出結果を不調地点送信ECU20へ送信する。
通信部25は、不調地点収集装置1と無線通信を行う通信機器である。通信部25は、周知の種々の方式によって不調地点収集装置1と無線通信を行う。
次に、不調地点送信ECU20の機能的構成について説明する。不調地点送信ECU20は、機能的には、自車位置認識部26、交代要求部27、運転切替判定部28、及び送信制御部29を備えている。不調地点送信ECU20の機能の一部は、車両Vと通信可能なサーバー等において実行されてもよい。
自車位置認識部26は、GPS受信部21の位置情報及び地図記憶部22の地図情報に基づいて、車両Vの地図上の位置を認識する。また、自車位置認識部26は、地図記憶部22の地図情報に含まれた電柱等の固定障害物の位置情報及び車両Vの外部状況を検出する外部センサの検出結果を利用して、SLAM[Simultaneous Localization and Mapping]技術により車両Vの位置を認識する。自車位置認識部26は、その他、周知の手法により車両Vの地図上の位置を認識してもよい。
交代要求部27は、車両Vが自動運転を行っているときに車両Vの前方に不調地点が存在する場合、車両Vの運転者に対して自動運転から手動運転への運転交代要求を行う。交代要求部27は、運転交代要求を、HMI23を用いた画面表示及び音の出力等の種々の方法によって行うことができる。
具体的には、交代要求部27は、図3(a)に示されるように、車両Vの走行車線R上において車両Vの前方の不調地点P1を探索する。交代要求部27は、この探索を、例えば、地図記憶部22に記憶された地図情報及び自車位置認識部26で認識された車両Vの地図上の位置に基づいて行うことができる。車両Vの前方に不調地点P1が存在する場合、不調地点P1に対して車両Vが交代要求基準距離D1まで近づいたときに、運転交代要求を行う。すなわち、図3(a)に示される例では、車両Vが地点P2に到達したときに、交代要求部27が運転交代要求を行う。交代要求基準距離D1は、予め定められている。また、交代要求基準距離D1は、不調地点ごとに異なっていてもよい。
ここで、HMI23を通じて運転交代要求がされると、車両Vの運転者は、自動運転が不調となる不調地点が前方に存在することを認識できる。これにより、運転者は、例えば、不調地点が存在するとの認識に基づいて、自動運転から手動運転に切り替えることができる。
運転切替判定部28は、運転者によって、車両Vの運転状態が自動運転から手動運転に切り替えられたか否かを判定する。本実施形態において、車両Vは、運転状態が自動運転のときに、ステアリングホイール、アクセルペダル、及びブレーキペダルの少なくともいずれかが運転者によって操作された場合に、自動運転から手動運転へ運転状態を切り替える。すなわち、運転切替判定部28は、運転操作検出センサ24の検出結果に基づいて、車両Vの運転状態が自動運転から手動運転に切り替えられたか否かを判定できる。
ここで、運転者によって自動運転から手動運転へ切り替えられる場合とは、上述したように交代要求部27による運転交代要求に基づいて手動運転へ切り替えられる場合と、交代要求部27による運転交代要求がされていない状態で手動運転へ切り替えられる場合とが含まれている。運転交代要求がされていない状態で手動運転へ切り替えられる場合とは、車両Vの自動運転が不調となったために運転者が手動運転へ切り替えた場合であり、当該不調地点が初めて発見されたような場合である。
送信制御部29は、運転切替判定部28によって運転状態が自動運転から手動運転へ切り替えられたと判定された場合、通信部25を制御して不調地点情報を不調地点収集装置1へ送信する。なお、送信制御部29は、自動運転から手動運転へ切り替えられた切替地点の地図上の位置を不調地点情報に含めて、当該不調地点情報を不調地点収集装置1に送信する。なお、送信制御部29は、運転切替判定部28による手動運転への切り替えの判定結果と、自車位置認識部26による車両Vの地図上の位置の認識結果とに基づいて、切替地点の地図上の位置を取得できる。
また、送信制御部29は、手動運転へ切り替えられたときに交代要求部27によって運転交代要求がされていたか否かを不調地点情報に含めて、当該不調地点情報を不調地点収集装置1に送信する。さらに、送信制御部29は、手動運転へ切り替えられたときに運転交代要求がされていた場合、運転交代要求を行う原因となった不調地点の地図上の位置を不調地点情報に含めて、当該不調地点情報を不調地点収集装置1に送信する。
なお、送信制御部29は、運転交代要求を行う原因となった不調地点の地図上の位置に代えて、当該不調地点を特定するための識別情報を不調地点情報に含めてもよい。この場合、不調地点収集装置1は、後述する各処理において、不調地点送信装置2から受信した不調地点の識別情報に基づいて不調地点の地図上の位置を特定してもよい。
また、送信制御部29は、運転交代要求がされたにも関わらず、運転切替判定部28によって手動運転への切り替えが行われなかった場合も、不調地点情報を不調地点収集装置1へ送信する。すなわち、運転交代要求を行う原因となった不調地点を、車両Vが自動運転のまま通過できた場合である。このように、送信制御部29は、交代要求部27によって運転交代要求がされた場合、運転交代要求がされた旨、及び、運転交代要求を行う原因となった不調地点の地図上の位置を不調地点情報に含めて、当該不調地点情報を不調地点収集装置1へ送信する。
また、車両Vには、自動運転ECU30が搭載されている。自動運転ECU30は、不調地点送信ECU20と同様に、CPU等を備える電子制御ユニットである。なお、自動運転ECU30は、不調地点送信ECU20と一体に設けられていてもよい。自動運転ECU30は、機能的には、自動運転制御部31を備えている。
自動運転制御部31は、車両Vの運転者による自動運転の開始の指示等に基づいて、車両Vにおける自動運転制御を実行する。自動運転制御部31は、周知の方法によって、車両Vの自動運転制御を実行することができる。本実施形態において、自動運転制御部31は、自動運転制御の実行中にステアリングホイール、アクセルペダル、及びブレーキペダルの少なくともいずれかが運転者によって操作された場合に、自動運転から手動運転へ運転状態を切り替える。
図1に示されるように、不調地点収集装置1は、不調地点収集ECU10、通信部11、及び記憶部12を備えている。不調地点収集ECU10は、不調地点収集装置1を統括的に制御する。不調地点収集ECU10は、不調地点送信ECU20と同様に、CPU等を備える電子制御ユニットである。
通信部11は、不調地点送信装置2の通信部25と無線通信を行う通信機器である。通信部11は、周知の種々の方式によって不調地点送信装置2の通信部25と無線通信を行う。ここでは、通信部11は、不調地点送信装置2の通信部25から送信された不調地点情報を受信する。
記憶部12は、不調地点の地図上の位置を記憶するデータベースである。記憶部12は、HDD等の記憶装置内に形成されている。
次に、不調地点収集ECU10の機能的構成について説明する。不調地点収集ECU10は、通信部11で受信された不調地点情報に基づいて、不調地点を収集する。すなわち、不調地点収集ECU10は、受信された不調地点情報に基づいて、不調地点の地図上の位置を記憶部12に記憶させる。具体的には、不調地点収集ECU10は、機能的には、要求有無判定部13、切替地点取得部14、及び記憶制御部15を備えている。
要求有無判定部13は、通信部11で受信された不調地点情報に基づいて、運転状態が手動運転に切り替えられたときに、車両Vの運転者に対して不調地点の手前の地点で手動運転への運転交代要求がされたか否かを判定する。すなわち、要求有無判定部13は、不調地点情報に含まれる運転交代要求の有無が「運転交代要求が有り」である場合、不調地点の手前の地点で運転交代要求がされたと判定する。
切替地点取得部14は、通信部11で受信された不調地点情報に基づいて、運転状態が手動運転に切り替えられた切替地点の地図上の位置を取得する。なお、切替地点取得部14は、不調地点情報に切替地点の地図上の位置が含まれていない場合、切替地点の地図上の位置を取得しない。
記憶制御部15は、車両Vの不調地点送信装置2から送信された不調地点情報に基づいて、不調地点の地図上の位置の情報(以下、単に「不調地点の位置情報」ともいう)を記憶部12に記憶させる処理及び記憶部12から不調地点の位置情報を削除する処理を実行する。記憶制御部15は、不調地点の位置情報を記憶及び削除する処理を、受信された不調地点情報ごとに実行する。
また、記憶制御部15は、記憶部12に記憶させた不調地点の位置情報のうち、記憶させてからの経過時間が予め定められた消去基準時間を超える不調地点の位置情報を、記憶部12から削除する。これにより、不調地点の位置情報が増加し続けることが抑制される。
記憶制御部15は、不調地点の位置情報を記憶及び削除する処理として、要求有無判定部13における運転交代要求の有無の判定結果、切替地点取得部14によって切替地点の地図上の位置が取得されたか否か、及び切替地点取得部14で取得された切替地点の地図上の位置に基づいて、図4の表に示されるパターンA〜Dの処理を行う。
パターンAは、運転交代要求が無し、且つ、自動運転から手動運転へ切り替えられた場合である。すなわち、パターンAは、図5に示されるように、運転交代要求がされていない状態で、走行車線R上の不調地点P11において運転者が自動運転から手動運転へ運転状態を切り替えた場合である。このパターンAと判定される場合の不調地点情報としては、運転交代要求が無い旨、及び手動運転へ切り替えられた切替地点の地図上の位置が含まれている。
要求有無判定部13によって「運転交代要求が無し」と判定されると、記憶制御部15は、パターンAの処理として、切替地点取得部14で取得された切替地点の地図上の位置を、不調地点として記憶部12に記憶させる。これにより、記憶制御部15は、新たに発生した不調地点を不調地点情報に基づいて記憶させることができる。
パターンBは、運転交代要求が有り、且つ、手動運転へ切り替えられた切替地点が不調地点の手前に設定された手前領域内の場合である。ここでの、不調地点とは、運転交代要求を行う原因となった不調地点である。また、手前領域とは、運転交代要求がされた後、車両Vが不調地点よりも予め定められた切替判定基準距離(基準距離)手前の地点に到達するまでの間の領域である。すなわち、図3(a)に示されるように、手前領域A1とは、運転交代要求がされた地点P2と、不調地点P1よりも予め定められた切替判定基準距離D2手前の地点K1との間の領域である。パターンBとは、図3(a)に示されるように、運転交代要求がされた後、手前領域A1内の地点P3において手動運転に切り替えられた場合である。このパターンBと判定される場合の不調地点情報としては、運転交代要求がされた旨、手動運転へ切り替えられた切替地点の地図上の位置、及び運転交代要求を行う原因となった不調地点の地図上の位置が含まれている。
要求有無判定部13によって「運転交代要求が有り」と判定されると、記憶制御部15は、切替地点取得部14で取得された切替地点の地図上の位置が、不調地点の手前に設定された手前領域A1内であるか否かを判定する。切替地点の地図上の位置が手前領域A1内である場合、記憶制御部15は、パターンBの処理として、何もしない。すなわち、記憶制御部15は、切替地点取得部14で取得された切替地点の地図上の位置を、不調地点として記憶部12に記憶させない。
パターンCは、運転交代要求が有り、且つ、手動運転へ切り替えられた切替地点が不調地点の近傍領域内の場合である。ここでの、不調地点とは、運転交代要求を行う原因となった不調地点である。また、不調地点の近傍領域とは、不調地点から予め定められた切替判定基準距離以内の領域内とする。すなわち、図3(b)に示されるように、不調地点の近傍領域A2とは、不調地点P1から手前側の切替判定基準距離D2以内、及び不調地点P1から後方側の切替判定基準距離D2以内の領域である。パターンCとは、図3(b)に示されるように、手動運転へ切り替えられた切替地点P4が、不調地点の近傍領域A2内の場合である。このパターンCとして判定される場合の不調地点情報としては、運転交代要求がされた旨、手動運転へ切り替えられた切替地点の地図上の位置、及び運転交代要求を行う原因となった不調地点の地図上の位置が含まれている。
要求有無判定部13によって「運転交代要求が有り」と判定されると、記憶制御部15は、切替地点取得部14で取得された切替地点の地図上の位置が、不調地点P1の近傍領域A2内であるか否かを判定する。切替地点P4の地図上の位置が近傍領域A2内である場合、記憶制御部15は、パターンCの処理として、運転交代要求を行う原因となった不調地点P1の地図上の位置を不調地点として記憶部12に再度記憶させる。これにより、不調地点P1の位置情報が更新され、時間経過に伴って不調地点P1の位置情報が消去されるタイミングが先延ばしされる。
なお、近傍領域A2は、不調地点P1から手前側の切替判定基準距離D2以内及び不調地点P1から後方側の切替判定基準距離D2以内としたが、不調地点P1から手前側の距離と不調地点P1から後方側の距離とが互いに異なっていてもよい。
ここで、記憶制御部15がパターンB及びパターンCのいずれを選択するかは、図3(a)及び図3(b)に示されるように、不調地点P1から切替判定基準距離D2手前側の地点K1に対して、切替地点が手前側であるか又は後方側であるかによって決定される。この地点K1を設定する切替判定基準距離D2は、種々の方法によって決定され得る。例えば、不調地点収集装置1は、不調地点P1に対して運転が切り替えられた切替地点の位置情報を複数収集する。そして、切替判定基準距離D2は、収集された不調地点P1に対する複数の切替地点の分布に基づいて決定されてもよい。すなわち、切替判定基準距離D2は、各地点における運転切替の発生回数に基づいて決定されてもよい。図6(a)及び図6(b)に、不調地点P1に対して地点P2で運転交代要求がされた場合の各地点での運転切替の発生回数の分布を示す。
例えば、図6(a)に示されるように、地点P2で運転交代要求がされた後、運転切替の発生回数のピークが2つ生じる場合がある。これは、例えば、運転交代要求に応じて即座に手動運転へ切り替えた運転者のグループと、運転交代要求を無視して不調地点P1の近傍に到達してから手動運転に切り替えた運転者のグループとに分かれた状況が考えられる。この場合、例えば、地点K1として、運転切替の発生回数の2つのピークの間の地点が設定されてもよい。そして、切替判定基準距離D2は、地点K1から不調地点P1までの距離が設定されてもよい。
また、例えば、図6(b)に示されるように、地点P2で運転交代要求がされた後、運転切替の発生回数のピークが1つ生じる場合がある。この場合、例えば、地点K1として、運転切替の発生回数がピークを過ぎて減少し始めてから、発生回数が予め定められら基準回数となる地点が設定されてもよい。そして、切替判定基準距離D2は、地点K1から不調地点P1までの距離が設定されてもよい。
図4に示されるように、パターンDは、運転交代要求が有り、且つ、手動運転への切り替えが無い場合である。ここで、手動運転への切り替えが無い場合とは、パターンBにおける手前領域A1及びパターンCにおける近傍領域A2において、手動運転への切り替えが無い場合である。すなわち、運転交代要求が行われたにもかかわらず、運転者が手動運転への運転切替を行わずに自動運転のまま車両Vが不調地点を通り過ぎることができた場合である。パターンDの場合とは、例えば、かすれていた白線が塗り直された等、不調地点収集装置1及び不調地点送信装置2が記憶していた不調地点が現在では解消した状況が考えられる。このパターンDとして判定される場合の不調地点情報としては、運転交代要求がされた旨、運転交代要求を行う原因となった不調地点の地図上の位置が含まれている。
要求有無判定部13によって「運転交代要求が有り」と判定されると、記憶制御部15は、記憶制御部15は、切替地点取得部14によって切替地点の地図上の位置が取得されたか否かを判定する。切替地点の地図上の位置が取得されない場合、記憶制御部15は、パターンDの処理として、運転交代要求を行う原因となっていた不調地点の位置情報を記憶部12から削除する(不調地点を解除する)。これにより、不調地点が解消されたにも関わらず、運転者に対して運転交代要求が行われることを防止できる。
次に、不調地点収集装置1で実行される不調地点の収集処理の流れについて、図7を用いて説明する。なお、図7に示される処理は、車両Vの不調地点送信装置2から不調地点情報を受信するごとにそれぞれの不調地点情報に対して実行される。
図7に示されるように、不調地点情報が受信されると、要求有無判定部13は、不調地点情報に基づいて運転交代要求がされているか否か(運転交代要求が有りか否か)を判定する(S101)。運転交代要求がされていない場合(S101:NO)、切替地点取得部14は、不調地点情報に基づいて、運転状態が手動運転に切り替えられた切替地点の地図上の位置を取得する(S106)。記憶制御部15は、切替地点取得部14で取得された切替地点の地図上の位置を、不調地点として記憶部12に記憶させる(S105)。すなわち、この場合の処理とは、上述したパターンAの処理である。
一方、運転交代要求がされている場合(S101:YES)、切替地点取得部14は、不調地点情報に基づいて、運転状態が手動運転に切り替えられたか否かを判定する(S102)。すなわち、切替地点取得部14は、不調地点情報に切替地点の地図上の位置が含まれているか否かを判定する。手動運転への切り替えがされている(切替地点の地図上の位置が含まれている)場合(S102:YES)、切替地点取得部14は、不調地点情報に基づいて、運転状態が手動運転に切り替えられた切替地点の地図上の位置を取得する(S103)。そして、記憶制御部15は、切替地点取得部14で取得された切替地点の地図上の位置が、不調地点の手前に設定された手前領域A1内であるか否かを判定する(S104)。切替地点の地図上の位置が手前領域A1内である場合(S104:YES)、記憶制御部15は、切替地点取得部14で取得された切替地点の地図上の位置を不調地点として記憶させずに、今回の処理を終了する。すなわち、記憶制御部15は、今回受信された不調地点情報に対して、何もしない。なお、この場合の処理とは、上述したパターンBの処理である。
一方、切替地点の地図上の位置が手前領域A1内でない場合(S104:NO)、すなわち、切替地点の地図上の位置が近傍領域A2内である場合、記憶制御部15は、運転交代要求を行う原因となった不調地点P1の地図上の位置を不調地点として記憶部12に再度記憶させる(S105)。すなわち、この場合の処理とは、上述したパターンCの処理である。
一方、手動運転への切り替えがされていない(切替地点の地図上の位置が含まれていない)場合(S102:NO)、記憶制御部15は、運転交代要求を行う原因となっていた不調地点の位置情報を記憶部12から削除する(S107)。すなわち、この場合の処理とは、上述したパターンDの処理である。
以上のように、不調地点収集装置1は、運転交代要求が有り且つ不調地点の手前の手前領域A1内で自動運転から手動運転への切り替えが発生したときには、手動運転に切り替えられた地図上の位置を不調地点として記憶させない。これにより、不調地点収集装置1は、運転交代要求がされたことに起因して行われた自動運転から手動運転への切替地点を、不調地点として誤って収集することを防止できる。従って、不調地点収集装置1は、自動運転が不調となる不調地点を適切に収集することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、不調地点送信装置2の送信制御部29は、不調地点情報に、運転交代要求を行う原因となった不調地点の地図上の位置を含めなくてもよい。この場合、不調地点収集装置1は、不調地点情報を受信すると、記憶部12に記憶された不調地点の位置情報に基づいて不調地点情報を送信した車両Vの前方の不調地点を探索し、探索した不調地点の地図上の位置を用いて上述した処理を行ってもよい。