以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1、図3等に示すように、折畳み容器1は、平面視略矩形状をなす底壁部3と、底壁部3の各長辺部に沿って底壁部3からそれぞれ上方に突出する第1土台部としての長辺側土台部4と、底壁部3の各短辺部に沿って底壁部3からそれぞれ上方に突出する第2土台部としての短辺側土台部5とを具備する底壁構成部2を備えている。さらに、折畳み容器1は、各長辺側土台部4に対してそれぞれ回動可能に連結された第1側壁部としての長辺側側壁部6と、各短辺側土台部5に対してそれぞれ回動可能に連結された第2側壁部としての短辺側側壁部7とを備えている。本実施形態の底壁構成部2、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7は、ポリプロピレンにより構成されている。尚、図3(及び、図8)では、便宜上、一対の長辺側側壁部6のうち一方(図面手前側)の図示を省略している。
また、図1、図2等に示すように、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7は、それぞれ長辺側土台部4、及び、短辺側土台部5の上方に立設される起立位置と、底壁部3の上方に寝かされる寝かせ位置との間を回動変位可能に構成されている。さらに、図3等に示すように、長辺側土台部4の底壁部3からの突出長は、短辺側土台部5の底壁部3からの突出長よりも長くなっている。加えて、長辺側側壁部6の横幅は、底壁構成部2の長手幅の長さとほぼ同じに構成され、短辺側側壁部7の横幅は、一対の長辺側土台部4間の距離とほぼ同じに構成されている。
このため、本実施形態では、全ての長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7が起立位置とされた組立状態(図1参照)にある折畳み容器1を、全ての長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7が寝かせ位置とされた折畳み状態(図2参照)とする場合には、図3、図7等に示すように、一対の短辺側側壁部7を先に寝かせ位置へと変位させてから、長辺側側壁部6を寝かせ位置へと変位させる構成となっている。そして、図2、図10に示すように、折畳み容器1が折畳み状態とされた場合には、寝かせ位置とされた短辺側側壁部7が底壁部3の上方に重なるとともに、寝かせ位置とされた長辺側側壁部6が短辺側側壁部7の上方に重なるようになっている。また、折畳み容器1を折畳み状態から組立状態とする場合には、一対の長辺側側壁部6を起立位置とすることで、短辺側側壁部7を起立位置とすることが可能となっている。
図1、図3等に示すように、各長辺側側壁部6は、正面視略矩形状の長辺側ベース板11と、長辺側ベース板11の上辺部に沿って設けられ、長辺側ベース板11から外方に突出する長辺側上枠部12と、長辺側ベース板11の下辺部から外方に突出する長辺側下辺リブ13と、長辺側下辺リブ13の下面から下方に突出し、長辺側土台部4に設けられた長辺側軸受部8(図3等参照)に軸支される長辺側ヒンジ部14とを備えている。本実施形態の長辺側上枠部12は、段差状に構成されており、内側の下段部12aと、外側の上段部12bとを備えて、断面略クランク状をなしている。
加えて、図3、図7、図8等に示すように、長辺側側壁部6の内面側の両側部には、内方に突出する支持突部としての係合壁15が設けられている。本実施形態の係合壁15は、長辺側上枠部12、及び、長辺側ベース板11の上端部を含む長辺側側壁部6の上部に設けられた上係合壁15aと、長辺側ベース板11の上下幅方向中間位置において、上係合壁15aから下方に離間して設けられた中間係合壁15bとを備えている。図8に示すように、各係合壁15には、長辺側側壁部6の横幅方向において貫通する被係合部としての係合孔部16が(本例では、上下に2つずつ)設けられている。
さらに、図3、図7等に示すように、長辺側ベース板11には、各上係合壁15a、及び、長辺側上枠部12に近接する位置において、長辺側ベース板11に対して略コ字状のスリットが形成されることによって、当該スリットで囲まれた部位により構成された弾性片17aと、弾性片17aの先端部から内方に突出する係止突起17bとを備える弾性係止片17が設けられている。各弾性片17aは、下端部が長辺側ベース板11と連結されており、長辺側側壁部6の厚み方向において弾性変形可能に構成されている。弾性片17aの内面は、長辺側ベース板11の内面と面一であり、係止突起17bは、長辺側ベース板11の内面よりも内方に突出している。
図7に示すように、長辺側ヒンジ部14は、長辺側下辺リブ13の下面から下方に突出するヒンジ本体14aと、長辺側側壁部6の横幅方向におけるヒンジ本体14aの両側面の下端部から側方に突出する一対の軸突部14b(図10参照)とを備えている。さらに、図1に示すように、長辺側ベース板11の外面側には、長辺側側壁部6の高さ方向に沿って延び、長辺側上枠部12と、長辺側下辺リブ13との間等を連結する長辺側縦リブ18が設けられている。本実施形態では、長辺側上枠部12、長辺側下辺リブ13、及び、長辺側縦リブ18の外側端縁により、長辺側側壁部6の外面が構成されている。また、長辺側ベース板11の内面により、長辺側側壁部6の内面が構成されている。尚、長辺側側壁部6の外面と内面との間が長辺側側壁部6の厚みである。
図4、図5等に示すように、各短辺側側壁部7は、正面視略矩形状の短辺側ベース板21と、短辺側ベース板21の上辺部に沿って、短辺側ベース板21から外方に突出する短辺側上枠部22と、短辺側ベース板21の下辺部から外方に突出する短辺側下辺リブ23と、短辺側下辺リブ23の下面から下方に突出し、短辺側土台部5に設けられた短辺側軸受部9(図3等参照)に軸支される短辺側ヒンジ部24とを備えている。さらに、短辺側ベース板21の外面側には、短辺側側壁部7の高さ方向に沿って延び、短辺側上枠部22と、短辺側下辺リブ23との間等を連結する短辺側縦リブ25が設けられている。本実施形態では、短辺側上枠部22、短辺側下辺リブ23、及び、短辺側縦リブ25の外側端縁により、短辺側側壁部7の外面が構成されている。また、短辺側ベース板21の内面により、短辺側側壁部7の内面が構成されている。尚、短辺側側壁部7の外面と内面との間が短辺側側壁部7の厚みである。
また、図10に示すように、本実施形態では、短辺側側壁部7の厚みが、長辺側側壁部6の厚みよりも薄く構成されている。このため、短辺側上枠部22についても、長辺側上枠部12と同様に、内側の下段部22aと、外側の上段部22bとを備えているものの、図9に示すように、短辺側上枠部22の上段部22bは、短辺側ベース板21の上辺部から外方に延出する下段部22aの先端縁から上方に延出する縦壁部の上辺部により構成されており、短辺側上枠部22の全体としては、略L字状に構成されている。尚、図4、図5に示すように、短辺側ヒンジ部24は、長辺側ヒンジ部14と同様に、ヒンジ本体24a、及び、軸突部24bを備えている。
また、図5、図6等に示すように、短辺側側壁部7の外面側の両側部には、短辺側ベース板21の外面から外方に突出する係合突起26が設けられている。そして、長辺側側壁部6を起立位置へと変位させた後、短辺側側壁部7を起立位置へと変位させることで、係合突起26が、長辺側側壁部6の各係合壁15に設けられた係合孔部16に挿入されるとともに、係合突起26の周辺の短辺側側壁部7(短辺側ベース板21等)の外面が、係合壁15に当接、又は、近接するようになっている。当該構成により、起立位置にある長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7の外側への傾倒変位が防止されるとともに、長辺側側壁部6と、短辺側側壁部7との間の上下方向における位置ずれが防止されるようになっている。
さらに、短辺側側壁部7が起立位置とされることにより、弾性係止片17の係止突起17bが、短辺側側壁部7の短辺側ベース板21の内面に当接、又は、近接するようになっている。当該構成により、起立位置にある短辺側側壁部7の内方への傾倒変位が抑止されるようになっている。加えて、各短辺側側壁部7の上部中央には、組立状態の折畳み容器1を作業者が持ち運ぶ際に手を掛けることのできる持ち手部27が設けられている。
また、図1、図3、図7、図9等に示すように、本実施形態の長辺側側壁部6には、起立位置にある長辺側側壁部6の上辺部から上方に延び、長辺側側壁部6と略平行して延在する解除位置(図3、図7参照)と、起立位置にある長辺側側壁部6の上辺部から内方に延び、長辺側側壁部6に対して略直交して延在するロック位置(図1、図9参照)との間を回動変位可能に構成されたフラップ31が連結されている。フラップ31は、折畳み容器1の組立状態における相対する一対の短辺側側壁部7間の距離とほぼ同じ幅を有するフラップ本体32と、フラップ本体32のうち長辺側側壁部6側の辺部から突出する連結ヒンジ部33と、フラップ本体32の両側部から側方に突出して設けられた連結凸部34とを備えている。
これに対し、図7、図9等に示すように、長辺側側壁部6には、長辺側上枠部12から、長辺側ベース板11の上部にかけて、内方、かつ、上方に開口し、連結ヒンジ部33を軸支する連結軸受部35が設けられている。さらに、図4、図5、図9に示すように、短辺側側壁部7には、短辺側上枠部22から、短辺側ベース板21の上部にかけて、短辺側側壁部7の厚み方向に貫通し、上方に開口する連結凹部36が設けられている。
そして、図1、図9に示すように、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7を起立位置とし、フラップ31をロック位置とすることで、フラップ31の連結凸部34が、短辺側側壁部7の連結凹部36に挿入されるようになっている。さらに、図8等に示すように、連結凸部34の下面側には係止凹部34aが設けられる一方で、図5等に示すように、連結凹部36には、連結凹部36に収容された連結凸部34の係止凹部34aに挿入されて係止される係止凸部36aが設けられている。従って、折畳み容器1の組立状態において、フラップ31がロック位置とされることで、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7の内側、及び、外側への傾倒変位がより確実に防止されるようになっている。
尚、図9に示すように、折畳み容器1の組立状態でロック位置とされたフラップ31のフラップ本体32の表面(上面)は、長辺側上枠部12の下段部12a、及び、短辺側上枠部22の下段部22aとほぼ同じ高さ位置とされている。その一方で、図7に示すように、折畳み容器1の組立状態で解除位置とされたフラップ31のフラップ本体32は、その上端部が、長辺側側壁部6の上端部(長辺側上枠部12の上段部12b)よりも上方に突出している上、フラップ本体32の表面、及び、裏面が、長辺側側壁部6の外面、及び、内面とほぼ面一とされている(図10参照)。
また、本実施形態の係合壁15は、長辺側側壁部6とほぼ同じ厚みを有している。このため、図1に示すように、折畳み容器1の組立状態において、係合壁15が、短辺側側壁部7の短辺側ベース板21に当接、又は、近接する構成であっても、長辺側側壁部6よりも薄肉である短辺側側壁部7の外面(短辺側上枠部22、短辺側下辺リブ23、及び、短辺側縦リブ25の外側端縁)は、係合壁15の外面よりも内方に位置することとなる。加えて、フラップ31の連結凸部34は、起立位置にある短辺側側壁部7の外面側に係止される格好となるが、当該連結凸部34は、係合壁15の外面よりも外方に突出しないように構成されている。
また、図3に示すように、本実施形態では、一対の短辺側土台部5間の距離は、短辺側側壁部7(後述の短辺側ベース板21)の上下幅の2倍の長さよりも短くなっている。このため、図7、図10に示すように、一対の短辺側側壁部7を寝かせ位置とした状態(折畳み容器1の折畳み状態)では、一対の短辺側側壁部7同士が上下に重なるように構成されている。以下、短辺側側壁部7のうち、折畳み容器1の折畳み状態において短辺側側壁部7同士が重なり合う部位を「重複部7a」とも称する。本実施形態では、短辺側側壁部7の上辺部を含む上側部分であって、短辺側側壁部7(後述の短辺側ベース板21)の上下幅の約1/4弱の範囲が、「重複部7a」とされている。
さらに、図3等に示すように、一対の短辺側土台部5の短辺側軸受部9は、高さ位置がいずれも同じとなっており、一対の短辺側側壁部7のうちどちらを先に寝かせ位置としても、一対の短辺側側壁部7同士を上下に重ねて、折畳み容器1を折畳み状態とすることが可能に構成されている。特に、図7に示すように、本実施形態では、折畳み容器1の折畳み状態において、一対の短辺側側壁部7のうち下側に寝かせ位置とされる短辺側側壁部7は、底壁部3と略平行に延在するとともに、少なくとも短辺側ベース板21の上辺部を含む部位、及び、短辺側ベース板21の下辺部を含む部位が、底壁部3の上面と面で当接するように構成されている。さらに、短辺側側壁部7は、起立位置から寝かせ位置側へと変位した状態とされることで、短辺側ヒンジ部24の軸突部24bが、短辺側土台部5に対し、短辺側軸受部9から抜け出さない範囲で上下に相対変位可能に構成されている。そして、折畳み容器1の折畳み状態では、一対の短辺側側壁部7のうち上側に寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の軸突部24bが、下側に寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の軸突部24bよりも上方に位置するとともに、上側の短辺側側壁部7の重複部7aのうち下側を向いている面と、下側の短辺側側壁部7の重複部7aのうち上側を向いている面とが複数箇所で(面で)当接した状態とされるようになっている。
尚、後述のように、折畳み容器1を折畳み状態とする際に、寝かせ位置とされた一対の短辺側側壁部7のうち上側の短辺側側壁部7の上面側に対して、寝かせ位置とされた長辺側側壁部6が複数箇所で当接することにより、前記上側に寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の姿勢が維持されることとしてもよいし、短辺側側壁部7の重心位置が重複部7aの範囲にあり、一対の短辺側側壁部7を寝かせ位置とすることで、前記上側に寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の姿勢が維持されることとしてもよい。
また、一対の長辺側土台部4間の距離は、長辺側側壁部6(後述の長辺側ベース板11)の上下幅の2倍の長さよりも短くなっている。このため、折畳み容器1の折畳み状態では、一対の長辺側側壁部6同士が上下に重なるように構成されている。本実施形態では、折畳み容器1を折畳み状態とする場合には、フラップ31を解除位置として、長辺側側壁部6を寝かせ位置とすることで、一対の長辺側土台部4の間に、寝かせ位置とされた長辺側側壁部6と、解除位置とされたフラップ31とが収容されるようになっている。さらに、詳しくは後述するが、折畳み容器1の折畳み状態において、一対の長辺側側壁部6のうち下側に寝かせ位置とされる長辺側側壁部6は、一対の短辺側側壁部7のうち上側に寝かせ位置とされている短辺側側壁部7の上側を向いている面と複数箇所で(面で)当接して支持されるようになっている。尚、長辺側側壁部6に関しても、長辺側側壁部6を起立位置から寝かせ位置側へと変位させた状態とすることで、長辺側ヒンジ部14の軸突部14bが、長辺側土台部4に対し、長辺側軸受部8から抜け出さない範囲で上下に相対変位可能に構成されており、寝かせ位置とされた上下一対の長辺側側壁部6は、それぞれ底壁部3と略平行して延在するようになっている。
加えて、図2等に示すように、長辺側土台部4の両端部には、短辺側土台部5の上方に突出し、短辺側土台部5の上面側と連結されている補助凸部41が設けられている。長辺側土台部4、及び、補助凸部41の上辺部(上面)は、寝かせ位置にある長辺側側壁部6(上側に寝かせ位置とされている長辺側側壁部6)よりも上方に位置している。
また、図7、図10等に示すように、底壁構成部2の底壁部3は、組立状態にある折畳み容器1同士を積み重ねた(段積みした)場合に、下側の折畳み容器1の側壁部6、7の上辺部に当接して支持される外周支持部42と、外周支持部42の内周側に位置して、外周支持部42よりも一段低く構成され、折畳み容器1を床面に設置した場合に床面に当接して支持される内周支持部43とを備えている。内周支持部43は、組立状態にある折畳み容器1を段積みした場合に、下側の折畳み容器1の内側に挿入されるとともに、当該下側の折畳み容器1の側壁部6、7の内面に当接、又は、近接するように構成されている。
尚、折畳み状態にある折畳み容器1を段積みした場合には、上側の折畳み容器1の外周支持部42が、下側の折畳み容器1の長辺側土台部4、及び、補助凸部41の上面に当接して支持されるとともに、上側の折畳み容器1の内周支持部43が、下側の折畳み容器1の相対する一対の長辺側土台部4の間に挿入され、かつ、長辺側土台部4の内面、及び、補助凸部41の内面に当接、又は、近接するように構成されている。
さて、上記のように、長辺側側壁部6の両側部において、係合壁15として、上係合壁15aと、中間係合壁15bとが設けられるとともに、各係合壁15a、15bに対し係合孔部16が上下に2つずつ設けられている。また、短辺側側壁部7には、各係合壁15a、15bの各係合孔部16に挿入される係合突起26が設けられているが、本実施形態では、形状の異なる3種類の係合突起26が設けられている。
より具体的に説明すると、図5に示すように、上係合壁15aの係合孔部16に挿入される2つの係合突起26(以下、「第1係合突起51」とも称する)は、短辺側側壁部7のうち重複部7aに設けられている。これに対し、中間係合壁15bの係合孔部16に挿入される2つの係合突起26(以下、「第2係合突起54」とも称する)は、短辺側側壁部7のうち重複部7aから外れた位置に設けられている。
また、図6、図7に示すように、上下一対の第1係合突起51のうち、上側の第1係合突起51(以下、「主係合突起52」とも称する)は、短辺側側壁部7の重複部7aにおける外面よりも外方に突出している。その一方で、下側の第1係合突起51(以下、「副係合突起53」とも称する」は、短辺側側壁部7の厚みの範囲内に収まる(短辺側側壁部7の外面よりも外方に突出しない)ように構成されている。さらに、図6に示すように、主係合突起52の短辺側側壁部7の横幅方向における幅(横幅)は、副係合突起53の横幅よりも大きく構成されている。加えて、図1に示すように、折畳み容器1の組立状態において、第1係合突起51は、係合壁15の外面よりも外方に突出しないように構成されている。
尚、短辺側側壁部7のうち、折畳み容器1の組立状態において、係合壁15の内面と対向する部位には、短辺側側壁部7の厚みの範囲内に収まる副係合突起53と、係合壁15の係合孔部16とを係合可能とするべく、基本的に、短辺側縦リブ25等の短辺側側壁部7の外面を構成し得るようなリブ(短辺側縦リブ25等)が省略されているものの、係合突起26の付根部と、短辺側縦リブ25との間を連結する短辺側ベース板21からの突出長の僅かな付根補強リブ55が設けられている(主係合突起52には、上端部、及び、下端部に対応して設けられ、副係合突起53には、上端部にのみ対応して設けられている)。
また、図4、図7に示すように、短辺側側壁部7は、折畳み容器1の折畳み状態において、一対の短辺側側壁部7のうち上側に寝かせ位置とされた場合に、下側の短辺側側壁部7の主係合突起52を収容する係合収容部56を備えている。つまり、折畳み容器1の折畳み状態において、一対の短辺側側壁部7のうち下側の短辺側側壁部7の主係合突起52は、当該下側の短辺側側壁部7のうち上側を向いている面よりも上方に突出するものの、当該主係合突起52は、上側に寝かせ位置とされる短辺側側壁部7のうち下側を向く面に設けられた係合収容部56に収容される。これにより、上側に寝かせ位置とされる短辺側側壁部7のうち下側を向く面を、下側の短辺側側壁部7のうち上側を向いている面と複数箇所で(面で)当接させることが可能となる。本実施形態の係合収容部56は、短辺側ベース板21の該当箇所に開口部を形成するとともに、当該開口部の上縁部、及び、下縁部に沿って外方に突出する横リブを設け、当該横リブを、前記開口部のうち短辺側側壁部7の横幅方向中央部側の側縁部に沿って延在する短辺側縦リブ25と連結するとともに、前記開口部を囲う上下一対の横リブ、及び、短辺側縦リブ25の先端縁間を閉塞する壁部を設けることにより、短辺側側壁部7の側方、及び、外方に開口するようにして設けられている。
尚、図5、図7に示すように、上下一対の第2係合突起54は、互いに同じ形状であって、主係合突起52と同様に、短辺側側壁部7の外面よりも外方に突出している。但し、第2係合突起54は、短辺側側壁部7のうち重複部7aから外れた位置に設けられていることから、一対の短辺側側壁部7を寝かせ位置として重ね合せる際に、下側の短辺側側壁部7の第2係合突起54が、上側の短辺側側壁部7と干渉することはないようになっている。また、第2係合突起54は、主係合突起52よりも横幅が小さく(副係合突起53の横幅と同程度に)構成され、短辺側ベース板21からの突出長が、主係合突起52と同程度となっている。さらに、係合突起26は、突出方向先端側の面と、短辺側側壁部7の横幅方向中央部側の面との境界部が面取り形状とされているが、主係合突起52は、副係合突起53、及び、第2係合突起54に比べ、面取り形状が小さく構成されている。
また、図7、図8、図10に示すように、長辺側側壁部6は、折畳み容器1の折畳み状態において、一対の短辺側側壁部7のうち上側に寝かせ位置とされている短辺側側壁部7の主係合突起52を収容する許容部57を備えている。つまり、折畳み容器1の折畳み状態において、一対の短辺側側壁部7のうち上側の短辺側側壁部7の主係合突起52は、当該上側の短辺側側壁部7のうち上側を向いている面よりも上方に突出する。さらに、長辺側側壁部6を寝かせ位置とした場合、長辺側側壁部6の横幅方向中央部の近傍に設けられた長辺側ヒンジ部14(ヒンジ本体14a)が、上側の短辺側側壁部7の主係合突起52の上方に重なるように構成されている。本実施形態では、当該長辺側ヒンジ部14に対し、長辺側側壁部6が寝かせ位置にある場合に下方に開口する凹状の許容部57が設けられている。
そして、図10に示すように、上側に寝かせ位置とされた短辺側側壁部7の主係合突起52は、一対の長辺側側壁部6のうち下側に寝かせ位置とされる長辺側側壁部6の下側を向く面に設けられた許容部57に収容される。このため、上側の短辺側側壁部7のうち下側を向く面を、上側の短辺側側壁部7のうち上側を向いている面と複数箇所で(面で)当接させることが可能となる。
尚、上記のように、折畳み容器1を折畳み状態とする際に、一対の短辺側側壁部7のうちどちらを上側としてもよく、また、一対の長辺側側壁部6のうちどちらを上側としてもよくなるように構成されている。このため、一対の短辺側側壁部7のどちらにも係合収容部56が設けられ、各長辺側側壁部6には、一対の短辺側側壁部7のどちらの係合突起26にも対応して係合収容部56が設けられている。加えて、図7等に示すように、第2係合突起54に関しては、折畳み容器1の折畳み状態において、長辺側ヒンジ部14を含む長辺側側壁部6と上下に重ならない配置となっている。このため、本例では、長辺側側壁部6に対し、折畳み容器1の折畳み状態において、第2係合突起54を収容するための許容部は設けられていないが、例えば、第2係合突起54が長辺側ヒンジ部14と上下に重なる配置とされる場合には、当該第2係合突起54に対応する許容部を設ける(或いは、第2係合突起54を短辺側側壁部7の外面から外方に突出しないように構成する)こととする。
また、図2等に示すように、長辺側側壁部6の外面側の両側部には、外方、及び、側方に開口する凹状の支持突部収容部としての係合壁収容部58が設けられている。折畳み容器1の折畳み状態では、一対の長辺側側壁部6のうち下側に寝かせ位置とされた長辺側側壁部6の係合収容部56に、上側に寝かせ位置とされた長辺側側壁部6の係合壁15が収容されるようになっている。特に、本実施形態では、折畳み容器1の折畳み状態において、一対の長辺側側壁部6同士が、上係合壁15a、及び、中間係合壁15bを含む大部分で重なり合っている。このため、長辺側側壁部6の高さ方向において、上係合壁15aと中間係合壁15bとの間の位置、及び、中間係合壁15bと長辺側下辺リブ13との間の位置に対し、折畳み容器1の折畳み状態において一対の長辺側側壁部6のうち下側に寝かせ位置とされた場合に、上側の長辺側側壁部6の上係合壁15a、及び、中間係合壁15bのそれぞれを収容する係合壁収容部58が設けられている。これにより、図10に示すように、折畳み容器1の折畳み状態において、下側に寝かせ位置とされている長辺側側壁部6の上側を向いている面と、上側に寝かせ位置とされている長辺側側壁部6の下側を向いている面とが、複数箇所で(面で)当接するようになっている。尚、本実施形態の係合壁15の長辺側ベース板11からの突出長は、短辺側側壁部7の厚みよりも長く構成されている。
さらに、図2等に示すように、短辺側土台部5には、上方、及び、外方に開口し、折畳み容器1の折畳み状態において、一対の長辺側側壁部6のうち下側に寝かせ位置とされている長辺側側壁部6の係合壁15を収容する支持突部許容部としての係合壁許容部59が設けられている。これにより、折畳み容器1の折畳み状態において、一対の短辺側側壁部7のうち上側に寝かせ位置とされている短辺側側壁部7の上側を向いている面と、一対の長辺側側壁部6のうち下側に寝かせ位置とされている長辺側側壁部6の下側を向いている面とが近接する(係合壁15の長辺側ベース板11からの突出長よりも近い距離となる)ようになっている。
尚、上記のように、折畳み容器1を折畳み状態とする際に、一対の長辺側側壁部6のうちどちらを先に寝かせ位置としても、一対の長辺側側壁部6同士を上下に重ねて、折畳み容器1を折畳み状態とすることが可能となっている。このため、一対の長辺側側壁部6のどちらにも係合壁収容部58が設けられるとともに、短辺側土台部5には、一対の長辺側側壁部6のどちらの係合壁15にも対応して係合壁許容部59が設けられている。
また、図7、図9に示すように、本実施形態の短辺側側壁部7は、高さ方向の中央部を含む範囲の部位が僅かに外方に湾曲した形状をなしている。当該構成により、折畳み容器1の組立状態において、短辺側側壁部7に上方から荷重が付加された場合に、短辺側側壁部7は、折畳み容器1の内方には変形し難くなる。従って、短辺側側壁部7の変形に起因する折畳み容器1に収容された物品への悪影響が抑止される。尚、短辺側側壁部7のうち、短辺側側壁部7の高さ方向において、重複部7aを含む上側の約1/3の範囲の部位や、下側の約1/3の範囲の部位については、湾曲しておらず、対応する長辺側ベース板11が平坦状になっている。また、本実施形態の短辺側側壁部7は、短辺側側壁部7の高さ方向においていずれの部位においても厚みがほぼ同じとなっている。
さらに、図1等に示すように、中間係合壁15bは、短辺側側壁部7のうち外方に湾曲形成された高さ方向中間位置の外面側に当接、又は、近接するように構成されている。従って、折畳み容器1の組立状態において、短辺側側壁部7に上方から荷重が付加された場合に、短辺側側壁部7の外方への変形が効果的に抑止される。
加えて、図9等に示すように、長辺側側壁部6の内面側には、長辺側ベース板11から内方に突出し、折畳み容器1の組立状態において、短辺側側壁部7の内面の近傍に配置される変形防止突起60が設けられている。変形防止突起60は、短辺側側壁部7の湾曲部分の上端部近傍部位と、湾曲部分の下端部近傍部位とに対応して設けられている。さらに、変形防止突起60の突出長は、短辺側側壁部7の回動変位の妨げとならない程度に短く構成されている。また、長辺側側壁部6に上方から荷重が付加された場合には、長辺側土台部4は若干外方に倒れるようにして変形し易く、さらに、長辺側土台部4が外方に変形することで、長辺側側壁部6の下辺部のうち長辺側ベース板11の下方位置が支持されなくなった場合には、長辺側側壁部6が内方に湾曲するようにして変形する場合がある。このように、長辺側側壁部6が内方に変形することで、長辺側側壁部6(特に、高さ方向の中央部付近)の内面が、短辺側側壁部7の側辺部に当接するとともに、変形防止突起60が短辺側側壁部7に寄せられる。これにより、変形防止突起60の突出長が短くても、短辺側側壁部7の内方への変位や変形等を、変形防止突起60によって防止することが可能となる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、短辺側側壁部7の外面側に設けられた係合突起26のうち一番上側に配置されている主係合突起52は、短辺側側壁部7の外面よりも外方に突出し、かつ、短辺側側壁部7のうち、折畳み容器1の折畳み状態において短辺側側壁部7同士が重なり合う部位である重複部7aに設けられている。さらに、短辺側側壁部7には、係合収容部56が設けられ、折畳み容器1の折畳み状態において寝かせ位置とされた一対の短辺側側壁部7のうち、下側の短辺側側壁部7の係合突起26が、上側の短辺側側壁部7の係合収容部56に収容される。このため、短辺側側壁部7の重複部7aにおいて短辺側側壁部7の外面よりも外方に突出する主係合突起52が設けられる構成であっても、折畳み容器1の折畳み状態において、下側の短辺側側壁部7の主係合突起52と、上側の短辺側側壁部7の下側を向いている面との干渉を回避させることができ、重なり合う一対の短辺側側壁部7同士を上下に当接させて、上側の短辺側側壁部7の高さ位置を極力下方に位置させることができる。結果として、折畳み状態における折畳み容器1の高さ、ひいては、折畳み状態の折畳み容器1を段積みした場合の高さを極力低くすることができ、折畳み状態にある折畳み容器1の運搬・保管効率の向上等を図ることができる。
さらに、折畳み容器1の折畳み状態において、寝かせ位置とされた一対の短辺側側壁部7のうち、上側の短辺側側壁部7が、下側の短辺側側壁部7の係合突起26のみで支持されるといった事態を回避することができる。従って、折畳み容器1の折畳み状態において、下側の短辺側側壁部7の係合突起26や、上側の短辺側側壁部7のうち下側の短辺側側壁部7の係合突起26と上下に対向する部位が変形したり、損傷したりすることを防止することができる。
また、主係合突起52は、短辺側側壁部7の外面よりも外方に突出させることができることから、その突出長を十分に確保することができる。従って、主係合突起52と、係合孔部16との係合状態をより強固なものとすることができ、結果として、組立状態にある折畳み容器1の形状の安定化を図ることができる。特に、本実施形態では、重複部7aを含む短辺側側壁部7の厚みが全体的に比較的薄くなっていることから、主係合突起52を短辺側側壁部7の外面よりも外方に突出させなければ、主係合突起52の所望とする突出長を確保することができない。この点、上記のように、短辺側側壁部7に主係合突起52との干渉が避けられる係合収容部56が設けられることで、主係合突起52を支障なく短辺側側壁部7の外面よりも外方に突出させることができ、折畳み状態にある折畳み容器1の運搬・保管効率の向上を図るといった作用効果がより効果的に奏される。
また、短辺側側壁部7の重複部7aには、長辺側側壁部6の上係合壁15aの係合孔部16に係合される係合突起26として、主係合突起52だけでなく、短辺側側壁部7の厚みの範囲内に収まる(短辺側側壁部7の外面よりも外方に突出していない)副係合突起53が設けられている。このため、係合収容部56の数、或いは、形成範囲を増加させることなく、折畳み容器1の組立状態における主係合突起52の負担を軽減させることができる。さらに、主係合突起52は、副係合突起53よりも横幅が大きく構成されている。このため、主係合突起52の強度が高められ、主係合突起52の変形や損傷を防止することができる。従って、主係合突起52と、係合孔部16との係合状態のより一層の安定化を図ることができる。
加えて、主係合突起52は、その他の係合突起26(副係合突起53)よりも上方に設けられている。つまり、短辺側側壁部7のうち、長辺側側壁部6に対して最も大きく相対変位する部位である上辺部に最も近い係合突起26を主係合突起52とすることで、係合突起26と、係合孔部16との係合状態の安定化を図るという作用効果がより効果的に奏される。さらに、例えば、折畳み容器1の組立状態において、起立位置にある長辺側側壁部6が外方に変位するような力が発生した場合に、比較的大きな力が作用し易い一番上の係合突起26を主係合突起52として、横幅を大きくすることで、係合突起26の変形や破損を効果的に抑止することができる。
また、各長辺側側壁部6は、折畳み容器1の折畳み状態において、一対の短辺側側壁部7のうち上側に寝かせ位置とされている短辺側側壁部7の主係合突起52を収容する許容部57を備えている。このため、折畳み容器1の折畳み状態において、寝かせ位置とされた一対の短辺側側壁部7のうち、上側の短辺側側壁部7の係合突起26が、寝かせ位置とされた一対の長辺側側壁部6のうち、下側の長辺側側壁部6の許容部57に収容される。このため、折畳み容器1の折畳み状態において、上側の短辺側側壁部7の主係合突起52と、下側の長辺側側壁部6の下側を向いている面との干渉を回避させることができ、上側の短辺側側壁部7と、下側の長辺側側壁部6とを上下に当接させて、長辺側側壁部6の高さ位置を極力下方に位置させることができる。結果として、折畳み状態にある折畳み容器1の運搬・保管効率の向上等を図るといった作用効果がより一層奏される。さらに、折畳み容器1の折畳み状態において、下側の長辺側側壁部6が、上側の短辺側側壁部7の係合突起26のみで支持されるといった事態を回避することができる。従って、折畳み容器1の折畳み状態において、上側の短辺側側壁部7の係合突起26や、長辺側側壁部6のうち上側の短辺側側壁部7の係合突起26と上下に対向する部位の変形、及び、損傷等を防止することができる。
加えて、長辺側側壁部6は、折畳み容器1の折畳み状態において、一対の長辺側側壁部6のうち下側に寝かせ位置とされた場合に、上側の長辺側側壁部6の係合壁15を収容する係合壁収容部58を備えている。このため、折畳み容器1の折畳み状態において、重なり合う一対の長辺側側壁部6同士を上下に当接させて、上側に寝かせ位置とされた長辺側側壁部6の高さ位置、ひいては、折畳み状態の折畳み容器1の高さを極力低くすることができる。従って、上記のように、折畳み容器1の折畳み状態において、重なり合う一対の短辺側側壁部7の高さを極力低くする構成と相俟って、折畳み状態における折畳み容器1の高さをより低く抑えることができる。
さらに、短辺側土台部5は、折畳み容器1の折畳み状態において、一対の長辺側側壁部6のうち下側に寝かせ位置とされている長辺側側壁部6の係合壁15を収容する係合壁許容部59を備えている。このため、折畳み容器1の折畳み状態において、上側の短辺側側壁部7と、下側の長辺側側壁部6とを上下に当接させて、下側に寝かせ位置とされた長辺側側壁部6の高さ位置、ひいては、折畳み状態の折畳み容器1の高さを極力低くすることができる。
加えて、一対の短辺側側壁部7のうちどちらを先に寝かせ位置としても、一対の短辺側側壁部7同士を上下に重ねて折畳み状態とすることが可能に構成されている。さらに、一対の長辺側側壁部6のうちどちらを先に寝かせ位置としても、一対の長辺側側壁部6同士を上下に重ねて折畳み状態とすることが可能に構成されている。このため、折畳み容器1を折畳み状態とする際の作業性の向上等を図ることができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、係合壁15には、係合突起26と係合状態とされる被係合部として、係合壁15の厚み方向に貫通する係合孔部16が設けられているが、係合壁15の厚み方向に貫通せず、長辺側側壁部6の横幅方向中央部側に開口する凹部により被係合部が構成されることとしてもよい。さらに、係合壁15、及び、係合突起26の数や配置についても特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、短辺側側壁部7の各側辺部において、係合壁15を1つずつ、或いは、3つ以上ずつ設けることとしてもよいし、1つの係合壁15に係合孔部16を1つ、或いは、3つ以上設けることとしてもよい。
また、上記実施形態では、上下に2つ設けられた第1係合突起51のうち、上側が主係合突起52として構成され、下側が副係合突起53として構成されているが、上側を副係合突起53とし、下側を主係合突起52としてもよい。さらに、副係合突起53を省略してもよいし、第1係合突起51の両方を主係合突起52としてもよい。但し、折畳み容器1の組立状態において、長辺側側壁部6と、短辺側側壁部7との間の相対変位を効果的に防止するべく、短辺側側壁部7の各側辺部に沿って設けられた複数の係合突起26のうち、一番上側の係合突起26を主係合突起52とし、さらに、主係合突起52の負担を減らすべく、短辺側側壁部7の重複部7aにおいて副係合突起53を設けることが望ましい。
(b)上記実施形態では、短辺側側壁部7の厚みが全体的に長辺側側壁部6の厚みよりも薄く構成されているが、例えば、短辺側側壁部7のうち重複部7aの厚みが、短辺側側壁部7のその他の部位の厚みよりも薄く、かつ、長辺側側壁部6の厚みよりも薄く構成されていることとしてもよい(短辺側ヒンジ部24は、短辺側側壁部7の前記その他の部位の対象外としてもよい)。また、短辺側側壁部の厚みが、長辺側側壁部の厚みとほぼ同じ折畳み容器に具体化することも可能である。さらに、上記実施形態の短辺側側壁部7は、高さ方向中央部を含む範囲が外方に湾曲しているが、湾曲させない構成としてもよい。
加えて、上記実施形態の短辺側側壁部7の短辺側ヒンジ部24の軸突部24は、短辺側側壁部7が起立位置から寝かせ位置に変位した状態において、短辺側軸受部9から抜け出さない範囲で上下にスライド変位可能に構成されているが、スライド変位しないように構成してもよい。さらに、上記実施形態では、短辺側側壁部7を寝かせ位置とした場合に、下側となる短辺側側壁部7が、底壁部3の上面と面で当接するように構成されているが、例えば、短辺側軸受部9の下端部が、底壁部3の上面よりも所定距離を隔てて上方に位置し、折畳み容器1の折畳み状態において、下側となる短辺側側壁部7が、短辺側土台部5から内方に向けて下方傾斜した姿勢で寝かせ位置とされることとしてもよい。
(c)上記実施形態では、長辺側側壁部6の上辺部に対して、フラップ31が回動可能に連結されているが、フラップ31が設けられていない折畳み容器1に具体化することも可能である。また、フラップ31を省略した場合に、弾性係止片17のみで起立位置にある短辺側側壁部7の内側への傾倒変位を規制するように構成してもよいし、弾性係止片17に代えて、短辺側側壁部7の外面側に、起立位置とされた長辺側側壁部6と、起立位置とされた短辺側側壁部7との間を連結する連結手段を装着することとしてもよい。
尚、上記実施形態の短辺側側壁部7(及び長辺側側壁部6)は、厚みが薄く構成されていることから、連結手段を設置すること(作業者が操作する操作部を有するような連結手段を短辺側側壁部7の厚みの範囲内に収めること)が困難である。すなわち、連結手段が設けられる場合には、折畳み容器1の組立状態において、長辺側側壁部6と、短辺側側壁部7との上下方向における相対変位を、係合突起26と、連結手段とで協働して規制することができる。その一方で、連結手段が設けられない場合には、係合突起26のみで前記相対変位を規制しなければならない。このときに、係合突起26が小さい場合には、前記相対変位を規制することが困難になることが懸念される。この点、上記実施形態のように、短辺側側壁部7の外面よりも外方に突出させるようにして、主係合突起52を比較的大きく構成することにより、かかる懸念を払拭することができ、折畳み容器1の組立状態の安定化等を図ることができる。
(d)また、弾性係止片17の配置や向きは特に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、弾性係止片17の弾性片17aは、上端部が長辺側ベース板11と連結される構成となっているが、弾性片のうち短辺側側壁部7の横幅方向中央部側の端部、又は、下端部が、長辺側ベース板11と連結されるような構成としてもよい。加えて、弾性係止片17を省略することも可能である。
尚、上記実施形態の弾性係止片17は、折畳み容器1を組立状態とする際に、一対の短辺側側壁部7を起立位置としてから、フラップ31をロック位置に下ろすまでの間の仮止めの役割で設けられている。このため、上記実施形態では特に言及していないが、係止突起17bの短辺側側壁部7側の面(起立位置にある短辺側側壁部7の内方への意図しない傾倒変位を防止する面)についても、短辺側側壁部7の横幅方向中央部側に向けて折畳み容器1の内方に若干傾斜している。これにより、折畳み容器1を折畳み状態とする際に、起立位置にある短辺側側壁部7にある程度の力を掛けて寝かせ位置側へと変位させることで、弾性係止片17を直接手で操作しなくても、短辺側側壁部7を寝かせ位置へと変位させることができるようになっている。さらに、弾性片17aを長辺側側壁部6の高さ方向に延在させることで、長辺側側壁部6の横幅方向における弾性係止片17の幅を比較的短くしており、これによって、長辺側側壁部6の外面側の両側部の近傍に設けられる複数本の長辺側縦リブ18をより密に配置することができる。
(e)上記実施形態では、長辺側側壁部6の長辺側ヒンジ部14において、折畳み容器1を折畳み状態とした場合に、一対の短辺側側壁部7のうち上側に寝かせ位置とされている短辺側側壁部7の主係合突起52を収容する許容部57が設けられているが、折畳み容器1の折畳み状態において、上側の短辺側側壁部7と、下側の長辺側側壁部6とが部分的に離間していて、上側の短辺側側壁部の主係合突起52が、下側の長辺側側壁部6に干渉しない場合等において、許容部57を省略することも可能である。尚、例えば、係合突起26のうち短辺側側壁部7の外面よりも外方に突出する係合突起26(主係合突起52、及び、第2係合突起54)が、折畳み容器1の折畳み状態において長辺側側壁部6(長辺側ヒンジ部14)と上下に重ならない構成であれば、許容部57が設けられていなくても、折畳み容器1の折畳み状態において、上側の短辺側側壁部7の主係合突起52と、下側の長辺側側壁部6(長辺側ヒンジ部14)との干渉が回避され、上側の短辺側側壁部7の上面と、下側の長辺側側壁部6の下面と近接、又は、当接させることができる。
勿論、長辺側ヒンジ部14、及び、係合突起26をそれぞれ好適な位置に設けた結果、折畳み容器1の折畳み状態において、短辺側側壁部7の外面よりも外方に突出する係合突起26と、長辺側ヒンジ部14とが上下に重なる場合には、長辺側ヒンジ部14の該当箇所に許容部57を設けることが望ましい。その場合、上側の短辺側側壁部7の主係合突起52と、下側の長辺側側壁部6(長辺側ヒンジ部14)との干渉が回避され、上側の短辺側側壁部7の上面と、下側の長辺側側壁部6の下面と近接、又は、当接させることができ、折畳み状態の折畳み容器1の高さを極力低く抑えることができる。
尚、上記実施形態では、折畳み容器1の折畳み状態において、一対の短辺側側壁部7同士が上下に面で当接した状態とされ、上側に寝かせ位置とされた短辺側側壁部7と、一対の長辺側側壁部6のうち下側に寝かせ位置とされた長辺側側壁部6とが近接した状態とされ、一対の長辺側側壁部6同士が上下に複数箇所で(面で)当接した状態とされているが、かかる構成に限定されるものではなく、係合収容部56、許容部57、係合壁収容部58、及び、係合壁許容部59が設けられることで、これらが設けられない場合に比べ、折畳み容器1の折畳み状態において、一対の短辺側側壁部7同士の間の距離が近くなり、上側に寝かせ位置とされた短辺側側壁部7と、一対の長辺側側壁部6のうち下側に寝かせ位置とされた長辺側側壁部6との間の距離が近くなり、一対の長辺側側壁部6同士の間の距離が近くなるようになっていればよい。例えば、上側に寝かせ位置とされた短辺側側壁部7と、一対の長辺側側壁部6のうち下側に寝かせ位置とされた長辺側側壁部6とが複数箇所で当接する(面で当接する、又は、複数箇所で当接するとともに、残りの箇所は近接する)ように構成されてもよい。
(f)上記実施形態では、長辺側土台部4が短辺側土台部5よりも高く構成され、折畳み容器1を折畳み状態から組立状態とする際に、一対の長辺側側壁部6を先に起立位置とさせてから、短辺側側壁部7を起立位置とさせる構成となっているが、短辺側土台部を長辺側土台部よりも高く構成し、折畳み容器を組立状態とする際には、一対の短辺側側壁部を先に起立位置とさせてから、長辺側側壁部を起立位置とさせるような構成としてもよい。当該構成を採用する場合、短辺側側壁部に係合壁が設けられ、長辺側側壁部に係合突起が設けられる。また、当該構成を採用する場合、折畳み容器の折畳み状態において、一対の長辺側側壁部同士は上下に重なり合う一方で、長辺側側壁部の上方に寝かせ位置とされる一対の短辺側側壁部に関しては、重なり合うことなく、寝かせ位置とされた一対の短辺側側壁部の高さ位置が同じとなるように構成されてもよい。
(g)上記実施形態での折畳み容器1はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。