JP6978288B2 - ポリエステル系繊維用の難燃加工剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエステル系繊維用の水系難燃加工剤、当該水系難燃加工剤を用いたポリエステル系繊維のコーティング処理液、ポリエステル系繊維布帛の難燃加工方法、及び難燃性ポリエステル系繊維布帛に関する。
従来、幟旗などのポリエステル系繊維布帛については、不特定多数の人の集まる屋内外に掲示されることから、不測の事態に備え、難燃性が必要とされている。従って、このようなポリエステル系繊維布帛に意匠を施すためのコーティング処理液には、顔料と、顔料を布帛に固定するバインダー樹脂、さらに難燃加工剤が配合されている。
布帛に難燃性を付与する水系の難燃加工剤においては、従来、臭素系難燃剤であるデカブロモジフェニルエーテルと三酸化アンチモンとを併用して、難燃プリント加工が行われていた。
ところが、2017年のストックホルム条約(POPs条約)の第8回締約国会議(COP8)において、デカブロモジフェニルエーテルは、同条約の附属書A(廃絶)に追加されることが決定した。このため、デカブロモジフェニルエーテルの代替品として、例えば、デカブロモジフェニルエタンへの切り替えが検討されている。ただし、デカブロモジフェニルエタン単独では、難燃性能が不十分であるため、現状、良好な難燃性を得るために、デカブロモジフェニルエタンと、難燃補助剤としての三酸化アンチモンとが併用されている。
一方、三酸化アンチモンについては、2017年6月に、粉状及びスラリー化したものについて、特定化学物質障害予防規則(特化則)による規制が開始され、環境及び人体(作業者)への配慮から、三酸化アンチモンの代替に関する開発が行われている。
以上の状況から、布帛の水系難燃加工剤に用いられる難燃剤として、デカブロモジフェニルエタンと三酸化アンチモンの使用が難しい状況となっている。
デカブロモジフェニルエタンや三酸化アンチモンを使用しない方法としては、例えば特許文献1には、リン系難燃剤とバインダー樹脂を併用して、布帛に難燃加工を施す方法が開示されている。しかしながら、一般にリン系難燃剤は、布帛に十分に固着せず、耐水性に劣るという問題がある。例えば幟旗等は、主に屋外で使用されるため、布帛が雨に晒されても優れた難燃性を維持できる耐水性(例えば、50℃で30分間の湯洗後にも難燃性が保持される耐水性)が要求されるが、リン系難燃剤を用いてこのような耐水性を付与することは困難である。
また、特許文献1の方法では、バインダー樹脂として、ウレタン樹脂とアクリル樹脂が併用されており、アクリル樹脂のみでの試験結果は示されていない。アクリル樹脂は、一般に、ウレタン樹脂よりも燃えやすい傾向にある一方、経済的には、アクリル樹脂のみを使用することが望ましい。このため、バインダー樹脂としてアクリル樹脂のみを使用する場合を考慮すると、特許文献1に開示された方法よりも、さらに高度な難燃性と耐水性が求められる。
また、特許文献2には、難燃剤として、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムを用いて難燃性布帛を得る技術が開示されている。しかしながら、難燃加工剤に加えて、バインダー樹脂や顔料を含むコーティング処理液で処理された布帛は、バインダー樹脂や顔料を配合しない場合と比較すると、燃えやすいという問題がある。従って、バインダー樹脂や顔料などと共に用いられる難燃加工剤には、より高度な難燃性の付与が求められる。しかしながら、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムは、水への馴染みが悪いため、水系難燃加工剤中の濃度を高めることができず、バインダー樹脂や顔料を含むコーティング処理液において、難燃性を向上させることが難しいという問題がある。
さらに、特許文献3では、アンチモン化合物を代替する難燃剤として、錫酸亜鉛化合物が開示されている。しかしながら、錫酸亜鉛化合物についても、環境や人体への負荷の可能性が指摘されている物質が存在するため、難燃剤として使用し難いという問題がある。
特開2013−136852号公報 特開2014−156549号公報 特開平10−1822号公報
本発明は、ポリエステル系繊維に対して、優れた難燃性を付与することができ、さらに、当該難燃性が付与されたポリエステル系繊維が水に晒された場合にも、当該難燃性が好適に維持される優れた耐水性を備える、ポリエステル系繊維用の新規な水系難燃加工剤を提供することを主な目的とする。また、本発明は、当該水系難燃加工剤を利用した、ポリエステル系繊維用のコーティング処理液、ポリエステル系繊維布帛の難燃加工方法、及び難燃性ポリエステル系繊維布帛を提供することも目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、デカブロモジフェニルエタンと、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムとを含有する、ポリエステル系繊維用の水系難燃加工剤は、ポリエステル系繊維に対して、優れた難燃性を付与することができ、さらに、当該難燃性が付与されたポリエステル系繊維が水に晒された場合にも、当該難燃性が好適に維持される優れた耐水性を備えることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. デカブロモジフェニルエタンと、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムとを含有する、ポリエステル系繊維用の水系難燃加工剤。
項2. 前記デカブロモジフェニルエタンの含有量と、前記トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムの含有量との質量比が、1:0.1〜1:4である、項1に記載のポリエステル系繊維用の水系難燃加工剤。
項3. ノニオン系分散剤及びアニオン系分散剤のうち少なくとも一方をさらに含む、項1又は2に記載のポリエステル系繊維用の水系難燃加工剤。
項4. 浸透剤をさらに含む、項1〜3のいずれか一項に記載のポリエステル系繊維用の水系難燃加工剤。
項5. 項1〜4のいずれか一項に記載のポリエステル系繊維用の水系難燃加工剤を含む、ポリエステル系繊維用のコーティング処理液。
項6. バインダー樹脂及び顔料の少なくとも一方を含む、ポリエステル系繊維用のコーティング処理液。
項7. 項4〜6のいずれか一項に記載のポリエステル系繊維用のコーティング処理液で、ポリエステル系繊維布帛を処理する工程を備える、ポリエステル系繊維布帛の難燃加工方法。
項8. 項4〜6のいずれか一項に記載のポリエステル系繊維用のコーティング処理液でポリエステル系繊維布帛が処理されてなる、難燃性ポリエステル系繊維布帛。
本発明によれば、ポリエステル系繊維に対して、優れた難燃性を付与することができ、さらに、当該難燃性が付与されたポリエステル系繊維が水に晒された場合にも、当該難燃性が好適に維持される優れた耐水性を備える、ポリエステル系繊維用の新規な水系難燃加工剤を提供することができる。また、本発明によれば、当該難燃剤を利用した、ポリエステル系繊維用のコーティング処理液、ポリエステル系繊維布帛の難燃加工方法、及び難燃性ポリエステル系繊維布帛を提供することもできる。
1.水系難燃加工剤
本発明の水系難燃加工剤は、ポリエステル系繊維に難燃性を付与するために用いられる水系の難燃加工剤である。本発明の水系難燃加工剤は、デカブロモジフェニルエタンと、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムとを含有することを特徴としており、これにより、ポリエステル系繊維に対して、優れた難燃性を付与することができ、さらに、当該難燃性が付与されたポリエステル系繊維が水に晒された場合にも、当該難燃性が好適に維持される優れた耐水性(難燃性についての優れた耐水性)を付与することができる。以下、本発明の水系難燃加工剤について、詳述する。
本発明の水系難燃加工剤において、デカブロモジフェニルエタンの含有量と、前記トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムの含有量との質量比(デカブロモジフェニルエタンの含有量:トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムの含有量)については、特に制限されないが、ポリエステル系繊維に優れた難燃性と耐水性を好適に発揮させる観点から、好ましくは1:0.1〜1:4の範囲、より好ましくは1:0.1〜1:0.6の範囲、さらに好ましくは1:0.2〜1:0.4の範囲が挙げられる。
デカブロモジフェニルエタン及びトリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムとしては、それぞれ、例えば市販品を用いることができる。
本発明の水系難燃加工剤において、デカブロモジフェニルエタンの含有量としては、特に制限されないが、ポリエステル系繊維に優れた難燃性と耐水性を好適に発揮させ、さらに、顔料、バインダー樹脂などと配合して、好適に本発明のコーティング処理液を調製する観点から、好ましくは5〜70質量%の範囲、より好ましくは10〜65質量%の範囲、さらに好ましくは15〜55質量%の範囲が挙げられる。
また、本発明の水系難燃加工剤において、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムの含有量としては、特に制限されないが、ポリエステル系繊維に優れた難燃性と耐水性を好適に発揮させ、さらに、顔料、バインダー樹脂などと配合して、好適に本発明のコーティング処理液を調製する観点から、好ましくは5〜60質量%の範囲、より好ましくは10〜55質量%の範囲、さらに好ましくは10〜50質量%の範囲が挙げられる。
本発明の水系難燃加工剤は、水系の難燃加工剤であり、水を含んでいる。本発明の水系難燃加工剤において、水の含有量としては、特に制限されないが、水系難燃加工剤を、顔料、バインダー樹脂などと配合して、好適に本発明のコーティング処理液を調製する観点から、好ましくは10〜50質量%の範囲、より好ましくは15〜45質量%の範囲が挙げられる。
水としては、特に制限されず、水道水、蒸留水、純水、イオン交換水、工業用水などを使用することができる。
本発明の水系難燃加工剤は、デカブロモジフェニルエーテルを含まないことが好ましい。また、本発明の水系難燃加工剤は、三酸化アンチモンを含まないことが好ましい。さらに、本発明の水系難燃加工剤は、錫酸亜鉛化合物を含まないことが好ましい。
トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムは、水に溶解・分散し難いため、本発明の水系難燃加工剤においては、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムの分散性を向上させて、水系難燃加工剤に含まれるトリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムの含有量を好適に増加させる観点から、ノニオン系分散剤及びアニオン系分散剤のうち少なくとも一方をさらに含むことが好ましく、アニオン系分散剤を含むことがより好ましい。
ノニオン系分散剤としては、公知のものを使用することができ、特に制限はないが、好ましい具体例としては、高級アルコールアルキレンオキシド付加物、アルキルフェノールアルキレンオキシド付加物、モノスチレン化フェノールアルキレンオキシド付加物、ジスチレン化フェノールアルキレンオキシド付加物、トリスチレン化フェノールアルキレンオキシド付加物、ポリスチレン化フェノールアルキレンオキシド付加物、クミルフェノールアルキレンオキシド付加物、モノスチレン化クミルフェノールアルキレンオキシド付加物、ジスチレン化クミルフェノールアルキレンオキシド付加物、トリスチレン化クミルフェノールアルキレンオキシド付加物、ポリスチレン化クミルフェノールアルキレンオキシド付加物、ベンジルフェノールアルキレンオキシド付加物、高級アルキルアミンアルキレンオキシド付加物等のエーテル型の非イオン界面活性剤;脂肪酸アルキレンオキシド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アミドアルキレンオキシド付加物、油脂のアルキレンオキシド付加物等のエーテルエステル型の非イオン界面活性剤;ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物等のポリアルキレングリコール型界面活性剤;グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル等のエステル型の非イオン界面活性剤;多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。非イオン界面活性剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
また、アニオン系分散剤としては、公知のものを使用することができ、特に制限はないが、好ましい具体例としては、脂肪酸セッケン等のカルボン酸塩のアニオン界面活性剤;高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルポリアルキレングリコールエーテル硫酸エステル塩、モノスチレン化フェノールアルキレンオキシド付加物硫酸エステル塩、ジスチレン化フェノールアルキレンオキシド付加物硫酸エステル塩、トリスチレン化フェノールアルキレンオキシド付加物硫酸エステル塩、ポリスチレン化フェノールアルキレンオキシド付加物硫酸エステル塩、クミルフェノールアルキレンオキシド付加物硫酸エステル塩、モノスチレン化クミルフェノールアルキレンオキシド付加物硫酸エステル塩、ジスチレン化クミルフェノールアルキレンオキシド付加物硫酸エステル塩、トリスチレン化クミルフェノールアルキレンオキシド付加物硫酸エステル塩、ポリスチレン化クミルフェノールアルキレンオキシド付加物硫酸エステル塩、ベンジルフェノールアルキレンオキシド付加物硫酸エステル塩、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化脂肪酸、硫酸化オレフィン等の硫酸エステル塩のアニオン界面活性剤;モノスチレン化フェノールアルキレンオキシド付加物スルホン酸塩、ジスチレン化フェノールアルキレンオキシド付加物スルホン酸塩、トリスチレン化フェノールアルキレンオキシド付加物スルホン酸塩、ポリスチレン化フェノールアルキレンオキシド付加物スルホン酸塩、クミルフェノールアルキレンオキシド付加物スルホン酸塩、モノスチレン化クミルフェノールアルキレンオキシド付加物スルホン酸塩、ジスチレン化クミルフェノールアルキレンオキシド付加物スルホン酸塩、トリスチレン化クミルフェノールアルキレンオキシド付加物スルホン酸塩、ポリスチレン化クミルフェノールアルキレンオキシド付加物スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩アルキルナフタレンスルホン酸塩、クレゾールスルホン酸塩やナフタレンスルホン酸塩等のホルマリン縮合物、α−オレフィンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステル塩等のスルホン酸塩等のアニオン界面活性剤;高級アルコールリン酸エステル塩、モノスチレン化フェノールアルキレンオキシド付加物リン酸エステル塩、ジスチレン化フェノールアルキレンオキシド付加物リン酸エステル塩、トリスチレン化フェノールアルキレンオキシド付加物リン酸エステル塩、ポリスチレン化フェノールアルキレンオキシド付加物リン酸エステル塩、クミルフェノールアルキレンオキシド付加物リン酸エステル塩、モノスチレン化クミルフェノールアルキレンオキシド付加物リン酸エステル塩、ジスチレン化クミルフェノールアルキレンオキシド付加物リン酸エステル塩、トリスチレン化クミルフェノールアルキレンオキシド付加物リン酸エステル塩、ポリスチレン化クミルフェノールアルキレンオキシド付加物リン酸エステル塩、ベンジルフェノールアルキレンオキシド付加物のリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩のアニオン界面活性剤;N−メチルタウリンオレイン酸塩、N−メチルタウリンステアリン酸塩等のアニオン界面活性剤等が挙げられる。アニオン界面活性剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の水系難燃加工剤において、ノニオン系分散剤及びアニオン系分散剤の配合量としては、特に制限されず、それぞれ、好ましくは0.1〜5質量%の範囲、より好ましくは1〜3質量%の範囲が挙げられる。なお、ノニオン系分散剤及びアニオン系分散剤を併用する場合には、合計量がこれらの範囲となるように配合することが好ましい。
さらに、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムの分散性を向上させて、水系難燃加工剤に含まれるトリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムの含有量を好適に増加させる観点から、本発明の水系難燃加工剤は、浸透剤をさらに含むことが好ましい。
浸透剤としては、公知のものを使用することができ、特に制限はないが、好ましい具体例としては、ラウリン酸ナトリウム塩、ステアリン酸ナトリウム塩、オレイン酸カリウム塩等の高級脂肪酸系浸透剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸系浸透剤、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル系浸透剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテルリン酸ナトリウム等のリン酸エステル系浸透剤、ラウリルアミノ酢酸ベタイン等のベタイン系浸透剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、4,7−ポリエチレンオキサイド−2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン等のエーテル系浸透剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、グリセロールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のエステルエーテル系浸透剤、パーフルオロブチルスルホン酸ナトリウム、パーフルオロラウリルスルホン酸ナトリウム、パーフルオロステアリン酸ナトリウム、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、モノパーフルオロオクチルエチルリン酸エステル等のフッ素系浸透剤等が挙げられる。浸透剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の水系難燃加工剤において、浸透剤の配合量としては、特に制限されず、それぞれ、好ましくは0.1〜5質量%の範囲、より好ましくは3〜5質量%の範囲が挙げられる。
さらに、本発明の水系難燃加工剤には、公知の水系難燃加工剤に配合される公知の添加剤を配合することができる。公知の添加剤としては、例えば、消泡剤、溶媒、乾燥遅延剤(尿素及びグリコール系水溶性溶剤等)、防腐剤、増粘剤、架橋剤などが挙げられる。添加剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の水系難燃加工剤において、これらの添加剤の配合量としては、特に制限されず、それぞれ、好ましくは0.1〜50質量%の範囲が挙げられる。
なお、本発明の水系難燃加工剤には、後述のコーティング処理液で例示するバインダー樹脂及び顔料の少なくとも一方が、添加剤として含まれていてもよい。本発明の水系難燃加工剤にバインダー樹脂が含まれている場合、水系難燃加工剤中のバインダー樹脂の含有量は、後述のコーティング処理液中のバインダー樹脂の含有量と同様とすることができる。また、本発明の水系難燃加工剤に顔料が含まれている場合、水系難燃加工剤中の顔料の含有量は、後述のコーティング処理液中の顔料の含有量と同様とすることができる。
本発明の水系難燃加工剤が適用されるポリエステル系繊維としては、特に制限されず、一般に、ポリエステル系繊維は織物や不織布などの布帛の形態である。ポリエステル系繊維の具体例としては、ポリエステルポンジーなどが挙げられる。ポリエステル系繊維布帛の目付としては、好ましくは10〜350g/m2の範囲、より好ましくは40〜200g/m2の範囲が挙げられる。
本発明の水系難燃加工剤の製造方法としては、特に制限されず、デカブロモジフェニルエタン及びトリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムを、水と混合して、分散させればよい。前述の通り、特にトリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムの分散性を向上する観点から、必要に応じて、前述のアニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、浸透剤、添加剤を混合してもよい。
本発明の水系難燃加工剤の製造方法において、各成分の配合量は、各成分が前述の含有量となるように適宜調整することができる。
2.コーティング処理液
本発明のコーティング処理液は、前述の本発明の水系難燃加工剤を含む、ポリエステル系繊維用のコーティング処理液である。特に、本発明のコーティング処理液は、ポリエステル系繊維に対して、難燃性を付与するために用いられる。
本発明のコーティング処理液において、前述の本発明の水系難燃加工剤の使用割合としては、特に制限されないが、例えば、本発明のコーティング処理液中のデカブロモジフェニルエタンの含有量については、好ましくは1〜40質量%の範囲、より好ましくは10〜30質量%の範囲が挙げられる。また、本発明のコーティング処理液中のトリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムの含有量については、好ましくは1〜40質量%の範囲、より好ましくは1〜20質量%の範囲、さらに好ましくは1〜10質量%の範囲が挙げられる。
本発明のコーティング処理液は、ポリエステル系繊維布帛に対する難燃性の付与に加えて、意匠を付与する観点から、顔料を含むことが好ましい。さらに、顔料をポリエステル系繊維布帛に好適に固定する観点などから、本発明のコーティング処理液は、バインダー樹脂を含むことがより好ましい。
顔料としては、特に制限されず、布帛に意匠を付与するために用いられている公知の顔料を使用することができる。例えば、無機系の顔料の具体例としては、好ましくはカーボンブラック、酸化チタンなどが挙げられる。また、有機系の顔料の具体例としては、好ましくはアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、縮合多環系顔料などが挙げられる。アゾ系顔料としては、ウォッチングレッド、カーミン6Cなどの溶性顔料;モノアゾイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、ピラゾロンレッド、パーマネントレッド等の不溶性アゾ顔料が挙げられ、フタロシアニン系顔料としては、銅フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料としての青系顔料や緑系顔料が挙げられ、縮合多環系顔料としては、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンバイオレットなどが挙げられる。また、顔料としては、パール顔料や、蛍光顔料なども使用できる。
本発明のコーティング処理液において、顔料の含有量としては、特に制限されないが、ポリエステル系繊維布帛に適切な意匠を施しつつ、難燃性及び耐水性を向上させる観点から、好ましくは0〜10質量%の範囲、より好ましくは0〜7質量%の範囲が挙げられる。なお、本発明のコーティング処理液が顔料を含む場合の含有量の下限値としては0.0001質量%が挙げられる。
また、バインダー樹脂としては、布帛に対してプリント加工を施す用途に使用されているコーティング処理液に配合されている公知のバインダー樹脂を使用することができる。バインダー樹脂を構成している樹脂としては、各種の合成樹脂を好適に用いることができる。合成樹脂としては、例えばアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル、ウレタン樹脂、スチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、メタクリル酸ブタジエンゴム等の少なくとも1種を用いることができる。バインダー樹脂は、エマルジョン(特に水性エマルジョン)の形態で使用することが好ましい。
前述の通り、本発明の水系難燃加工剤は、難燃性及び耐水性に優れているため、例えば、コーティング処理液に配合されているバインダー樹脂が、アクリル樹脂(アクリル樹脂バインダー)のみであってもよい。アクリル樹脂は、燃えやすい反面、経済的であるため、本発明のコーティング処理液のバインダー樹脂として好適に使用することができる。
本発明のコーティング処理液において、バインダー樹脂の含有量としては、特に制限されないが、ポリエステル系繊維布帛に顔料を適切に固定しつつ、難燃性及び耐水性を向上させる観点から、好ましくは1〜30質量%の範囲、より好ましくは5〜25質量%の範囲が挙げられる。なお、本発明のコーティング処理液において、顔料が含まれない場合にも、バインダー樹脂が含まれいてもよい。
また、本発明のコーティング処理液にバインダー樹脂が含まれる場合、優れた難燃性を発揮させる観点から、バインダー樹脂(固形分量)100質量部に対して、本発明の水系難燃加工剤は、好ましくは100〜10000質量部の範囲、好ましくは200〜1800質量部の範囲で配合することが好ましい。
さらに、本発明のコーティング処理液には、公知のコーティング処理液に配合される公知の添加剤を配合することができる。公知の添加剤としては、例えば、油成分(ターペンなど)、アルカリ剤(アンモニア水溶液等)、増粘剤、架橋剤、乳化剤、乳化安定剤、乾燥遅延剤(尿素及びグリコール系水溶性溶剤等)などが挙げられる。これらの添加剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明のコーティング処理液において、これらの添加剤の配合量としては、特に制限されず、それぞれ、好ましくは0.1〜10質量%の範囲が挙げられる。
本発明のコーティング処理液が適用されるポリエステル系繊維としては、特に制限されず、一般に、ポリエステル系繊維は織物や不織布などの布帛の形態である。ポリエステル系繊維の具体例としては、ポリエステルポンジーなどが挙げられる。ポリエステル系繊維布帛の目付としては、好ましくは10〜350g/m2の範囲、より好ましくは40〜200g/m2の範囲が挙げられる。
3.ポリエステル系繊維布帛の難燃加工方法
本発明のポリエステル系繊維布帛の難燃加工方法は、前述の本発明のコーティング処理液で、ポリエステル系繊維布帛を処理する工程を備えることを特徴としている。本発明のコーティング処理液の詳細については、前述の通りである。また、処理対象となるポリエステル系繊維布帛についても、前述の通り、ポリエステル系繊維の織物や不織布であり、具体例としては、ポリエステルポンジーなどが挙げられる。ポリエステル系繊維布帛の目付としては、好ましくは10〜350g/m2の範囲、より好ましくは40〜200g/m2の範囲が挙げられる。
本発明のポリエステル系繊維布帛の難燃加工方法における処理方法としては、具体的には、本発明のコーティング処理液をポリエステル系繊維布帛に付着させる工程(付着工程)と、乾燥させる工程(乾燥工程)とを含む。
付着工程では、ポリエステル系繊維布帛の単位面積当たり、ポリエステル系繊維布帛の質量の1〜50%に相当する乾燥質量のコーティング処理液を付着させる。本発明のコーティング処理液は、ポリエステル系繊維布帛に難燃性を付与する箇所に付着させればよく、通常は、ポリエステル系繊維布帛の片面または両面の全体に、本発明のコーティング処理液を付着させる。
ポリエステル系繊維布帛に付着させる本発明のコーティング処理液の量(乾燥質量)としては、好ましくは0.1〜175g/m2の範囲、より好ましくは10〜50g/m2の範囲が挙げられる。
乾燥工程では、本発明のコーティング処理液を付着させたポリエステル系繊維布帛を乾燥させる。乾燥温度としては、特に制限されないが、好ましくは80〜180℃の範囲、より好ましくは110〜170℃の範囲とすることが望ましい。乾燥する雰囲気としては、特に制限されず、通常は大気中とすればよい。また、乾燥する時間は、乾燥温度等に応じて適宜設定すればよく、例えば、1〜3分間の範囲が挙げられる。
4.難燃性ポリエステル系繊維布帛
本発明の難燃性ポリエステル系繊維布帛は、前述の本発明のコーティング処理液で、ポリエステル系繊維布帛が処理されたものである。本発明のコーティング処理液及びこれを用いたポリエステル系繊維布帛の難燃加工方法については、前述の通りである。また、前述の通り、ポリエステル系繊維布帛についても、ポリエステル系繊維の織物や不織布であり、具体例としては、ポリエステルポンジーなどが挙げられる。ポリエステル系繊維布帛の目付としては、好ましくは10〜350g/m2の範囲、より好ましくは40〜200g/m2の範囲が挙げられる。
本発明の難燃性ポリエステル系繊維布帛には、本発明のコーティング処理液が、乾燥質量で、好ましくは0.1〜175g/m2の範囲、より好ましくは10〜50g/m2の範囲で付着している。
また、本発明の難燃性ポリエステル系繊維布帛には、デカブロモジフェニルエタンと、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムとが付着しており、デカブロモジフェニルエタンの付着量については、好ましくは0.1〜100g/m2の範囲が挙げられ、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムの付着量については、好ましくは0.1〜100g/m2の範囲が挙げられる。
本発明の難燃性ポリエステル系繊維布帛は、難燃性が求められる様々な分野に利用することができ、難燃性ポリエステル系繊維布帛の用途としては、例えば、宣伝用や装飾用の旗、幕など、遮光カーテン、ブラインド、スクリーン、自動車用シート材、椅子張り材などが挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
アニオン系分散剤(トリスチレン化フェノールのポリエチレンオキサイド20モル付加物のスルホン化物)2gと、浸透剤(スルホ琥珀酸ビス(2−エチルヘキシル)ナトリウム)3.5gと、シリコーン系消泡剤0.01gとを、水29.5gに溶解させて活性剤溶液を得た。次に、得られた活性剤溶液に、難燃剤として、デカブロモジフェニルエタン15gとトリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム(DEPAL)50gを加え、撹拌して、水系難燃加工剤を調製した。水系難燃加工剤における、デカブロモジフェニルエタンの割合は、15質量%、DEPALの割合は、50質量%である。
次に、得られた水系難燃加工剤36質量部、アクリル樹脂エマルション (DIC(株)製、Dexcel Clear Conc.F−16、固形分20%)13.5質量部、アクリル樹脂エマルション(Dexcel Clear Conc.L202、固形分50%)13.5質量部、ターペン2.7質量部、24%アンモニア水溶液0.6質量部、増粘剤(大日精化(株)製、ダイモネックスEDC−200、固形分75%)0.6質量部、黒色顔料(DIC(株)製、Dexcel Black HR、固形分40%)9質量部、及び架橋剤(明成化学工業(株)製、SU−268A、固形分30%)0.5質量部、水23.6質量部を加え、均一に混合し、コーティング処理液を得た。
さらに、得られたコーティング処理液をポリエステルポンジー布(目付60g/m2)に、乾燥質量35g/m2となるように均一に塗布した後、150℃で1分間乾燥させ、難燃性ポリエステル系繊維布帛を得た。
<実施例2>
水系難燃加工剤中の各難燃剤の割合が、表1の割合(デカブロモジフェニルエタン25質量%、DEPAL40質量%)となるように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、水系難燃加工剤、コーティング処理液、及び難燃性ポリエステル系繊維布帛を得た。
<実施例3>
水系難燃加工剤中の各難燃剤の割合が、表1の割合(デカブロモジフェニルエタン40質量%、DEPAL25質量%)となるように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、水系難燃加工剤、コーティング処理液、及び難燃性ポリエステル系繊維布帛を得た。
<実施例4>
水系難燃加工剤中の各難燃剤の割合が、表1の割合(デカブロモジフェニルエタン50質量%、DEPAL15質量%)となるように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、水系難燃加工剤、コーティング処理液、及び難燃性ポリエステル系繊維布帛を得た。
<実施例5>
水系難燃加工剤中の各難燃剤の割合が、表1の割合(デカブロモジフェニルエタン55質量%、DEPAL10質量%)となるように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、水系難燃加工剤、コーティング処理液、及び難燃性ポリエステル系繊維布帛を得た。
<比較例1>
アニオン系分散剤(トリスチレン化フェノールのポリエチレンオキサイド20モル付加物のスルホン化物)2gと、浸透剤(スルホ琥珀酸ビス(2−エチルヘキシル)ナトリウム)3.5gと、シリコーン系消泡剤0.01gとを、水24.5gに溶解させて活性剤溶液を得た。次に、得られた活性剤溶液に、難燃剤として、デカブロモジフェニルエタン70gを加え、撹拌して、水系難燃加工剤を調製した。水系難燃加工剤における、デカブロモジフェニルエタンの割合は、70質量%である。
次に、得られた水系難燃加工剤を用いて、実施例1と同様にして、コーティング処理液、及び難燃性ポリエステル系繊維布帛を得た。
<比較例2>
水系難燃加工剤中の各難燃剤の割合が、表1の割合(デカブロモジフェニルエタン0質量%、DEPAL65質量%)となるように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、水系難燃加工剤を得えようとしたが、水系難燃加工剤中でDEPALが凝集して、適切な水系難燃加工剤が得られなかった。このため、コーティング処理液及び難燃性ポリエステル系繊維布帛は調製しなかった。
<比較例3>
アニオン系分散剤(トリスチレン化フェノールのポリエチレンオキサイド20モル付加物のスルホン化物)2gと、浸透剤(スルホ琥珀酸ビス(2−エチルヘキシル)ナトリウム)3.5gと、シリコーン系消泡剤0.01gとを、水54.5gに溶解させて活性剤溶液を得た。次に、得られた活性剤溶液に、難燃剤として、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム(DEPAL)40gを加え、撹拌して、水系難燃加工剤を調製した。水系難燃加工剤における、DEPALの割合は、40質量%である。
次に、得られた水系難燃加工剤を用いて、実施例1と同様にして、コーティング処理液、及び難燃性ポリエステル系繊維布帛を得た。
<比較例4>
水系難燃加工剤中の各難燃剤が、表1の組成(デカブロモジフェニルエタン50質量%、脂肪族系ホスホン酸エステル(K−19A 明成化学工業社製)15質量%)となるように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、水系難燃加工剤、コーティング処理液、及び難燃性ポリエステル系繊維布帛を得た。
<比較例5>
水系難燃加工剤中の各難燃剤が、表1の組成(デカブロモジフェニルエタン50質量%、ビフェニルジフェニルホスフェート(BDP)15質量%)となるように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、水系難燃加工剤、コーティング処理液、及び難燃性ポリエステル系繊維布帛を得た。
<比較例6>
アニオン系分散剤(トリスチレン化フェノールのポリエチレンオキサイド20モル付加物のスルホン化物)2gと、浸透剤(スルホ琥珀酸ビス(2−エチルヘキシル)ナトリウム)3.5gと、シリコーン系消泡剤0.01gとを、水24,5gに溶解させて活性剤溶液を得た。次に、得られた活性剤溶液に、難燃剤として、デカブロモジフェニルエタン50gと錫酸亜鉛20gを加え、撹拌して、水系難燃加工剤を調製した。水系難燃加工剤における、デカブロモジフェニルエタンの割合は、50質量%、錫酸亜鉛の割合は、20質量%である。
次に、得られた水系難燃加工剤を用いて、実施例1と同様にして、コーティング処理液、及び難燃性ポリエステル系繊維布帛を得た。
<参考例1>
アニオン系分散剤(トリスチレン化フェノールのポリエチレンオキサイド20モル付加物のスルホン化物)2gと、浸透剤(スルホ琥珀酸ビス(2−エチルヘキシル)ナトリウム)3.5gと、シリコーン系消泡剤0.01gとを、水25.5gに溶解させて活性剤溶液を得た。次に、得られた活性剤溶液に、難燃剤として、デカブロモジフェニルエーテル47gと三酸化アンチモン22gを加え、撹拌して、水系難燃加工剤を調製した。水系難燃加工剤における、デカブロモジフェニルエーテルの割合は、47質量%、三酸化アンチモンの割合は、22質量%である。
次に、得られた水系難燃加工剤を用いて、実施例1と同様にして、コーティング処理液、及び難燃性ポリエステル系繊維布帛を得た。
<参考例2>
アニオン系分散剤(トリスチレン化フェノールのポリエチレンオキサイド20モル付加物のスルホン化物)2gと、浸透剤(スルホ琥珀酸ビス(2−エチルヘキシル)ナトリウム)3.5gと、シリコーン系消泡剤0.01gとを、水25.5gに溶解させて活性剤溶液を得た。次に、得られた活性剤溶液に、難燃剤として、デカブロモジフェニルエタン47gと三酸化アンチモン22gを加え、撹拌して、水系難燃加工剤を調製した。水系難燃加工剤における、デカブロモジフェニルエタンの割合は、47質量%、三酸化アンチモンの割合は、22質量%である。
次に、得られた水系難燃加工剤を用いて、実施例1と同様にして、コーティング処理液、及び難燃性ポリエステル系繊維布帛を得た。
(ポリエステル系繊維布帛の難燃性の評価)
上記で得られた各難燃性ポリエステル系繊維布帛について、JIS L 1091A−1(45°ミクロバーナー法)に従い、残炎時間(秒)、残じん時間(秒)、炭化面積(cm2)を測定した。残炎時間が3秒以内、残じん時間が5秒以内、炭化面積が30cm2以下の場合を合格とした。なお、評価はそれぞれ2回ずつ行った。結果を表1に示す。
(温水処理後の難燃性の評価)
上記で得られた各難燃性ポリエステル系繊維布帛をそれぞれ、50℃の温水中に30分間浸漬した。次に、各難燃性ポリエステル系繊維布帛を十分に乾燥させて、JIS L 1091A−1(45°ミクロバーナー法)に従い、残炎時間(秒)、残じん時間(秒)、炭化面積(cm2)を測定した。残炎時間が3秒以内、残じん時間が5秒以内、炭化面積が30cm2以下の場合を合格とした。なお、評価はそれぞれ2回ずつ行った。結果を表1に示す。
Figure 0006978288

Claims (8)

  1. デカブロモジフェニルエタンと、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムとを含有する、ポリエステル系繊維用の水系難燃加工剤。
  2. 前記デカブロモジフェニルエタンの含有量と、前記トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムの含有量との質量比が、1:0.1〜1:4である、請求項1に記載のポリエステル系繊維用の水系難燃加工剤。
  3. ノニオン系分散剤及びアニオン系分散剤のうち少なくとも一方をさらに含む、請求項1又は2に記載のポリエステル系繊維用の水系難燃加工剤。
  4. 浸透剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリエステル系繊維用の水系難燃加工剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリエステル系繊維用の水系難燃加工剤を含む、ポリエステル系繊維用のコーティング処理液。
  6. バインダー樹脂及び顔料の少なくとも一方を含む、請求項5に記載のポリエステル系繊維用のコーティング処理液。
  7. 請求項5又は6に記載のポリエステル系繊維用のコーティング処理液で、ポリエステル系繊維布帛を処理する工程を備える、ポリエステル系繊維布帛の難燃加工方法。
  8. 請求項5又は6に記載のポリエステル系繊維用のコーティング処理液でポリエステル系繊維布帛が処理されてなる、難燃性ポリエステル系繊維布帛。
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